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相談室(No.4501〜4600)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

4600 05/11/06 Y.O. 術後療法について 石山
4599 05/11/05 M.S. 乳頭異常分泌について 石山
4598-1
4598-2

4598-3
05/11/05
05/11/12
05/12/28
M.O. 骨への転移について
骨への転移について(2)
骨への転移について(3)
石山
加藤
須田
4597 05/11/03 胸のしみ? 石山
4596-1

4596-2
05/11/03

05/12/10
KK  タスオミン服用中にフロモックス等を増やしてから始まらない生理について
今後の治療と骨転移について
石山

清水
4595 05/11/03 H.A 検診までの生活について 石山
4594 05/11/03 Y  ゴルフ(HPNo.3310-2) 石山
4593 05/11/03 B  術後に分かった針生検の影響と今後の治療について(HPNo.4372-2) 石山
4592 05/11/03 H・M 乳首にあるしこりについて 石山
4591 05/11/02 M.K. 授乳中のしこりの検査について 石山
4590-1
4590-2
05/11/02
06/02/15
Y.H. 術後の治療について
術後の治療について(2)
石山
吉田
4589 05/11/02 E.T 現時点での骨シンチの必要性について 石山
4588 05/11/02 M  授乳中のしこりについて 石山
4587 05/11/02 H.S. 術後療法について 石山
4586 05/11/02 J 遠隔転移のある乳がん治療について 石山
4585 05/11/01 khm  組織学的悪性度3について 石山
4584 05/11/01 M 線維腺腫と子宮内膜症治療について(HPNo.4238-2) 石山
4583-1
4583-2

4583-3
05/11/01
06/03/07
06/06/30
km 抗がん剤治療について
転移後の抗がん剤治療について
再発転移の抗がん剤について
石山
石川
麻賀
4582 05/11/01 Y  ナベルビンについて 石山
4581-1
4581-2
05/11/01
05/11/05
M.S. 人間ドックの二次検査 
人間ドックの二次検査(2)
石山
4580 05/10/31 右腫瘤陰影について 片山
4579 05/10/30 Y.N. 乳頭分泌と微細石灰化 片山
4578 05/10/30 補助療法について(HPNo.4365-2) 片山
4577 05/10/30 K.A ADH(異形乳管過形成)について 片山
4576 05/10/29 Y  今後の治療について 片山
4575 05/10/29 R.I. 骨転移について(HPNo.4047-3)  片山
4574 05/10/29 K  痛みについて 片山
4573 05/10/29 yumi 肩こりについて 片山
4572 05/10/29 Y.R.  リンパ転移のある術後治療 片山
4571 05/10/29 T・K 局所再発について 片山
4570 05/10/29 H.K 術後の治療について(HPNo.4214-2) 片山
4569 05/10/29 S・S 脳転移について(HPNo.4332-3) 片山
4568 05/10/29 S子 両側乳癌について 片山
4567 05/10/29 CE 転移性乳がん(肺転移)について(その2)(HPNo.4454-2) 片山
4566 05/10/29 F 乳腺石灰化について 片山
4565 05/10/29 R子 乳癌検査の結果 片山
4564 05/10/29 N  ホルモン療法 片山
4563 05/10/29 FD  のう胞について 片山
4562 05/10/29 S.S 右腋下のしこり 片山
4561 05/10/29 IH 手術後の治療方法について(HPNo.4354-4) 片山
4560 05/10/28 K.Y. マンモグラフィより進んだ技術 片山
4559 05/10/28 yuki 異型性過形成について 片山
4558-1
4558-2
05/10/28
05/11/20
EM 肋骨転移
骨転移
片山
石川
4557 05/10/27 R・Y 乳汁分泌について 比嘉
4556 05/10/27 O.N. ノルバの内服について 比嘉
4555 05/10/27 K.Y.  乳癌の転移でしょうか? 比嘉
4554 05/10/27 S.K.  腫瘍マ−カ−について(2)(HPNo.4449-2) 比嘉
4553 05/10/27 F.Y. 術後 CEAの増加 比嘉
4552 05/10/27 S.N 骨への転移 須田
4551 05/10/27 S.O. 抗癌剤の選択 須田
4550 05/10/27 Y  マンモグラフィーで石灰化診断 須田
4549-1
4549-2
05/10/27
05/10/29
A.D.  左胸のしこりについて
左胸のしこりについて(2)
須田
片山
4548 05/10/27 K  超音波検査 須田
4547 05/10/27 H.K.  乳腺症 須田
4546 05/10/26 T.O.  カテゴリー4について 片山
4545 05/10/26 M.A.  乳汁分泌について 片山
4544 05/10/26 S.A 喉の痛み、口腔内の違和感について(HPNo.4350-2) 片山
4543 05/10/26 R.U. 授乳について 片山
4542 05/10/24 H.K. ノルバデックスと生理不順 清水
4541 05/10/24 S.S タキソールの投与間隔について(HPNo.4332-2)  清水
4540 05/10/24 J.N 乳癌の疑いについて 清水
4539 05/10/24 AB 髄様癌 清水
4538 05/10/24 K.k. 神経科受診について 清水
4537 05/10/24 H.M. 線維腺腫とピルの因果関係について 清水
4536 05/10/24 mama 骨シンチの結果について 清水
4535-1
4535-2
05/10/24
05/12/12
T  乳癌治療方法を選択するには
乳癌治療方法を選択するには(2)
清水
清水
4534 05/10/24 S   炎症性乳がんの治療について 清水
4533 05/10/24 O.C. 乳腺線維腺腫について 清水
4532-1
4532-2
05/10/23
05/11/20
K.K.  タキソ−ルとタキソテ−ルについて
抗がん剤投与中にインフルエンザ予防注射はできますか?
清水
石川
4531 05/10/23 K.S.  人間ドックにて 須田
4530 05/10/23 I・H. マンモトーム生検について 須田
4529 05/10/23 R.T 乳首からの血性分泌(HPNo.3820-2) 須田
4528 05/10/23 H.F.  乳輪のかゆみについて 須田
4527 05/10/23 Y.F ゾラデックスとリュープリンの違いについて(2)(HPNo.4498-2) 須田
4526 05/10/22 H  乳管区域切除手術の前に妊娠 清水
4525 05/10/22 K  カテゴリー4 清水
4524 05/10/21 R.M. 乳がん検診結果について 清水
4523-1
4523-2

4523-3
05/10/21
05/11/17
06/05/06
N  HER2について
HER2について(2)
HER2について(3)
清水
石川
4522-1
4522-2
05/10/21
05/10/29
S.F.  手術方法につき再度お尋ねさせてください(HPNo.4123-6)
手術方法につき再度お尋ねさせてください(2)(HPNo.4123-7)
清水
清水
4521 05/10/21 M.U.  乳腺がんと診断されました 須田
4520 05/10/21 F  左首筋・腕のしびれ 須田
4519 05/10/21 S  良性のしこりと悪性のしこりについて 須田
4518 05/10/21 K.K 石灰化について 須田
4517-1
4517-2
05/10/21
05/11/13
K.W.  術後の化学療法について
術後の化学療法について(2)
須田
加藤
4516 05/10/20 M.M 乳腺線維腺腫 福間
4515 05/10/20 S  検診結果について 福間
4514 05/10/20 H・K 予後について 福間
4513 05/10/20 Y.I.  乳腺線維腺腫について 福間
4512 05/10/20 F.Y.  細胞診と生検について 福間
4511 05/10/20 A.F. 乳房の水袋? 福間
4510-1
4510-2
05/10/20
05/10/31
H  マンモテックと分泌物について
分泌物について
福間
片山
4509 05/10/20 Y/n  乳房の痛みと発赤(No.2)(HPNo.4472-2) 清水
4508 05/10/20 M.F. 術後検診の結果について 清水
4507 05/10/20 Y.K. 乳がん診断から手術までの期間について 清水
4506 05/10/19 YUKO 痛みについて 福間
4505 05/10/19 M.K.  悪性葉状腫瘍について 福間
4504-1
4504-2
05/10/19
05/10/28
E・Y ハーセプチン治療について
パーセプチン治療について(その2)
福間
片山
4503 05/10/19 M.S.  乳頭にある腫瘤について 福間
4502 05/10/19 エコー、マンモグラフィーの結果について 福間
4501-1
4501-2
05/10/19
05/10/21
TOM 乳がんの自己診断について
乳がんの自己診断について(2)
福間
須田

 

 

 

No.4600】 05年11月06日     Y.O.
術後療法について 

初めてメールをさせていただきます。どうぞよろしくお願い申しあげます。2005年10月に左乳房温存手術を受けました。術後3週間ほど経過しております。年齢は40歳、病理結果は、「腫瘍の大きさ・2.0cm、リンパ節転移無し、悪性度・1、エストロゲンレセプター・陰性、プロゲステロンレセプター・陽性、再発の危険性・低」との診断をいただきました。早ければ来週早々から放射線照射を受ける予定ですが、担当のお医者様からは、術後のホルモン療法・化学療法は必要無しとうかがいました。心配だからといって無理に術後療法を受けることはありませんよ、とのお話でしたが、今後の再発率のことなど考えますと少々心配で、この度ご相談させていただきました次第です。また、小さいことかもしれませんが、術後2.0cmとされた腫瘍は、術前の検査では2.8cmと診断されておりました。術前療法は行っておりませんが、このようなこともあるのでしょうか。ごく基本的な事かもしれず申し訳ございませんが、お答えいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申しあげます。

術前診断での腫瘍径と術後の病理診断での腫瘍径は異なることがあります。またこの病理所見では閉経前のホルモン治療は不要とする考えもあります。これ以外にもリスクファクターとして、HER2・脈管侵襲などの所見はどうか確認され、いずれもリスクなしであれば、この選択で良いと思います。(文責 石山)

 

No.4599】 05年11月05日     M.S.
乳頭異常分泌について

昨日、きつめのブラジャー(アンダー部分)をしていて しこりを圧迫していたせいか(?)、夜になって左乳房が痛くなり、今日は痛みが更に増し(生検手術後のようなズキズキ・キリキリした痛み)、入浴時に見たらブラジャーが血まみれになっていました。日頃から乳頭を圧迫すると黄色い分泌物は出ており、しこりも何個もあることから、定期的に検査はしてもらっています。10月初めに乳汁の細胞診をしましたが、クラスUでした。3月にエコー、7月にマンモグラフィーをしましたが いずれも異常はありませんでした。
1) 今、カットバンで乳頭を圧迫していますが、カットバンを剥ぐと血性の分泌物が自然に出てきます。いつかは止まると思い様子をみようと思いますが(12月初旬にエコーの予定)、どういう病気が考えられるでしょうか?
2) 血性分泌は今まで何回も経験がありますが、早急に診察してもらった方がよいと思われますか?
3) 乳管造影をした方がよいのでしょうか?

血性分泌に慣れっこになってるところもあり、危機感を感じてないとお叱りを受けるかもしれませんが、アドバイスをよろしくお願いいたします。

これまでよりも血性分泌が多いということですか? それであれば再度細胞診と、場合によればエコーや乳管造影をした方が良いと思います。半年前にやっていても症状が変われば、やはりもう一度検査することをお勧めします。乳管内乳頭腫や乳管内癌などを考えて、調べた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4598-1】 05年11月05日     M.O.
骨への転移について

お世話になります。母が、骨転移が6カ所くらいでき、脳にも影が大きくなっていると医師から言われました。治療法について、ホルモン療法をしていましたが、再度抗ガン剤の薬を選択するように言われました。
1) 脳に対して薬以外の治療法はありますでしょうか? 時々痛みがあるそうです。
2) また、抗ガン剤の薬を選択するのに、どのように選べばよいでしょうか?

一般的に脳には抗がん剤は届きませんので、ガンマナイフという方法を含めた放射線療法や脳外科的な手術を選択する場合もあります。抗がん剤の選択は、これまで使った薬剤や年齢、検査データなど総合して決めると思いますが、一般的にアンスラサイクリン系薬剤やタキサン系薬剤を使いますが、その他にもナベルビンやゼローダなどがあります。(文責 石山)

 

No.4598-2】 05年11月12日     M.O.
骨への転移について(2)

どうもありがとうございました。脳の影が前より少し大きくなっており、癌なのかわからないようです。ただ、この治療を全くしないのもいかがなものかで、病院の先生に一度聞いた方がよいのでしょうか? 放射線療法をしている病院に移った方がいいのでしょうか? 母の頭をさわってみると、時々頭痛がする方は熱をもっているような感じがしました。

もう一度主治医に確認されたほうが宜しいかと思います。通常転移と診断しなければ治療を開始することはありません。はっきりしない場合には少し様子を見ることもあります。放射線治療が必要だと思われる場合は、主治医から放射線科医へ紹介があると思います。(文責 加藤)

 

No.4598-3】 05年12月25日     M.O.
骨への転移について(3)

お忙しい中、丁寧にご回答頂きありがとうございます。主治医に確認したところ、脳の骨に転移しているので、抗ガン剤で投与とのことでした。最近、瞼の奥が痛いと言っています。今、抗ガン剤は二回目になり、痛みを取る方法はこれしかないでしょうか。

骨転移による骨関連事象(病的骨折、疼痛など)に対しては、ビスフォスフォネート製剤で症状を制御できる可能性があります。また、放射線治療も疼痛のコントロールに有効です。主治医と充分にご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4597】 05年11月03日     N 
胸のしみ?

いつも参考にさせて頂いてます。29歳、去年12月右乳がんを温存手術しました。ステージ1、しこり1.5センチ、リンパ節−、断端−でした。術後AC療法、放射線を受け、今はホルモン療法を二つしています。そこで質問です。8月頭に放射線が終わり、今、日焼け後のように薄黒く皮がだいぶむけてきています。この前何気なく左も観察していると、脇に近い上の方に右のような皮膚に小さくなっていました。主治医も気づき「放射線はあたってないと思うし何だろうね。でも右みたいな感じですね」と言っていました。右腕内側にも小さく同じようなのがあり(放射線と主治医は別病院、右腕は放射線中に気づいた)、放射線の先生に8月に聞いたのですが、「放射線はそこはあたらないですね」と言われ、最近はポロポロ薄いかさぶたみたいなのがとれてきて、もとの皮膚になりかけです。右腕と左胸のは放射線の影響でしょうか?どういうことが考えられますか?長々と申し訳ありません。よろしくお願いします。

照射というのは毎日の事ですので位置決めし、照射が始まると技師さんが毎日腕を上げたり、体の向きなどで、少しずつ違う位置に放射線が当ることもあるようです。ですから、その皮膚の所見は放射線の影響がないとも限りません。そうは言っても、時々の事と思います。影響もほとんどないですし、気にする事はないと思います。心配されるのであれば、皮膚科の専門医に診てもらえば、検査して放射線性皮膚炎と診断される事もあるでしょうが、だからといって別に問題ないので気にしない方が良いと思います。それよりも乳癌の今後の治療の方に専念された方が良いと思いますが、違うでしょうか?(文責 石山)

 

No.4596-1】 05年11月03日     KK
タスオミン服用中にフロモックス等を増やしてから始まらない生理について

今年2月、温存で手術、転移なし。4月に放射線治療が完了。5月からノルバDの服用のみ(2年間)の治療となり、予後も良く元気に過ごしていました。44歳です。ノルバDを服用しても生理は順調で、他に不快な症状もありませんでした。8月中旬、ジェネリックの関係か、病院側からノルバDに代わりタスオミンを処方されるようになり、以後服用を続けています。今から2週間程前、腹部に粉瘤ができ化膿してきたので、主治医からフロモックスとロキソニンとセルベックスが出て、タスオミンに加えて5日間服用しました。(ロキソニンは痛みのある時のみでよいとのことで、3度程服用) 粉瘤は治まりましたが、10月26日頃始まる予定の生理が11月2日の今日まで来ません。ここ10年以上、早まることはあっても遅れたことは一度もありません。薬が増えたことで他に出ている症状は、胃が荒れたことと、今だに舌がかなり荒れて痛いこと、くちびるに小さい水疱が集まってできたことです。私にしては、ちょっと強い症状です。普段、生理前に起こる胸の張りも感じられず、しばらく始まる気配がありません。タスオミンだけでは生理の遅れはなくても、一時期フロモックスを併用したことで、生理が遅れるという可能性はあるのでしょうか。よろしくお願いします。

フロモックスは抗生物質なので、生理には関係があるようには思えません。年齢的に50歳で閉経といわれていて、40代半ばからは月経周期が狂う事もあります。年齢を考慮すれば、そのような事もあるのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.4596-2】 05年12月10日     KK
今後の治療と骨転移について

すでにHPNo.4362・4596にて、お世話になっております。いつも不安をご相談させていただくことで安心を与えていただき、ありがとうございます。今年1月、2.6センチの腫瘍が見つかり、温存手術を受けました(44歳)。リンパ節郭清にて転移なしと判明。放射線照射後4月からノルバテックスを飲み始め、2年続けます。胸のレントゲンは6月頃撮りましたが異常なしでした。前回は薬の影響かは不明でしたが、それまで順調だった生理が遅れご相談させていただきましたが、半月後に始まり、婦人科の癌検査でも異常は見つかりませんでした。私の場合、予後がよいとのことで 薬も2年間のみ、また薬以外の治療は全くしていません。しかし、11月の検査にて肝臓の値が悪くなっていました。そして手術から1年後の1月に、初めて骨シンチを撮ることになりました。
1) 私のような経過では、薬のみの治療というのが一般的なのでしょうか。
2) 昔から肝臓障害は全くなく、薬の副作用が現れていると思っています。主治医の見解もその影響は否定できないとのことでしたが、ノルバテックスを持続することでの肝臓障害はよく見られるのでしょうか。手術時の郭清検査で転移がなく腫瘍マーカーも正常値ならば、肝臓転移の心配はないのでしょうか。( GOT43 GPT57 r-GPT113 ALPのみ正常)
3) 手術後一度も骨シンチを受けていませんが、もっと早い時期でなく、手術1年後のこの時期に初めて受けるのは一般的なのでしょうか。もちろん骨シンチの結果が出るまでは、はっきりしませんが、胸のレントゲンに異常はなく、腫瘍マーカーも正常値で、主治医も転移の可能性は低いので1月でよいとの見解ならば、さほど心配はないのでしょうか。(手術後1年経ち、心身の苦痛を乗り越え、生活が安定してきた時期だけに、肝臓障害や特に骨への転移の恐怖から抜け出せません。)

以上、よろしくお願い致します。

1) 術後の病理の結果が不明なので、現在の治療が一般的かどうかは不明です。ただ、一般的ということであれば、ノルバデックスは5年間内服が一般的です
2) ノルバデックスで肝機能障害が見られることはあります。薬を止めて肝機能が改善すればその可能性が高いと思います。肝転移については、エコーかCTで確認する必要があります。GOT,GPTが高いといって肝転移を疑うことはありませんが、だからといって、絶対無いとはいえません。
3) 手術後の骨シンチやCTを定期的に行なうかどうかは議論があります。欧米のガイドラインでは定期検査の意味はないから推奨しないということになっています。その訳は、早期に再発を発見しても、生存期間が延びることはないということが証明されているからです。ただし,再発が有るか無いかを知るためには一年一度くらいやってもいいのではないかと思います。転移再発の恐怖が検査することで和らぐなら検査をお勧めしますし、かえって不安感を増すだけだというのであれば検査しないことをお勧めします。(文責 清水)

 

No.4595】 05年11月03日     H.A
検診までの生活について

はじめてお便りいたします。39歳(離婚歴6年)、子供一人ありです。昨日病院にて細胞検査なるものをしました。右の乳房乳頭の横(臍側)、すみませんうまく表現できず・・。しこりに注射器をさして。10日ほどで結果がでるそうで、そのときにマンモと超音波検査をすることになりました。それまでの間の生活態度は普通でいいのでしょうか?スポーツインストラクターをしておりますので。

検査の日は出血があるかもしれないので運動は控えていた方が良いですが、「昨日」の検査であれば、穿刺部位に出血斑がなければ何の問題もありません。(文責 石山)

 

No.4594】 05年11月03日     Y
ゴルフ(HPNo.3310-2)

いつも迅速・丁寧にご回答いただき本当に有り難うございます。04/12にHPNo.3310でご相談した54歳主婦です。左乳房全摘手術後、アリミデックス服用して3年になります。散歩は出来るだけやるようにしていますが、そろそろ運動も始めたいと思っています。ただ、手術でリンパも19個取っていますので、左腕を使うゴルフなどはやらない方がよいのでしょうか? 普段から荷物も左では極力持たないようにしています。手術の影響で胸の筋肉の引きつれは日に何度も感じます。尚、右利きです。よろしくお願いします。

一応リンパ節郭清をされ、注意すべき事には怪我と指先の化膿、虫刺され、ひどい日焼け、上腕中心のリンパ浮腫のリスクです。運動自体は問題がないので、ゴルフに行き、日焼けや怪我、虫刺されに注意すれば、運動自体は可能です。でもいきなりコースに出るのではなく、練習場で少しずつ慣らしてからの方が、より良いと思います。(文責 石山)

 

No.4593】 05年11月03日     B 
術後に分かった針生検の影響と今後の治療について(HPNo.4372-2)

先日HPNo.4372で質問させていただきました。ご回答ありがとうございました。その後の経過ですが、ご回答がネット上に掲載される前にその病院で組織検査を行ってしまい、組織検査の結果待ちの間にご回答を読ませていただく形となってしまいました。検査の結果はVB、腫瘤は乳頭側ギリギリで切除したため、乳頭側の断端プラスということでした。治療方針は追加切除の後、ホルモン療法と放射線療法をするというものでした。ここで、乳腺専門医にセカンドオピニオンを求めたい旨を主治医にお話しし、所見と検査データを提供していただきました。乳腺専門医の先生のお話では、「非浸潤性小葉癌はとてもたちが良く心配ないです。術後のホルモン療法も放射線治療も必要ないと思われます。手術自体もとても簡単なものなので、せっかくこんなに小さい腫瘤を見つけてもらったのだから、そちらの(地元の)病院で手術されるのがいいんじゃないですか。」とのことで、先生の所見を申し送ってくださいました。主治医の先生は「その先生がそうおっしゃるのなら、切除部の断端がマイナスなら放射線治療はなしにしましょう。ホルモン療法はやります。」とのことで手術を行いました。
術後の傷の経過は順調でしたが、今日(術後2週間)組織検査の結果を聞いてびっくりしました。「乳頭側の断端はマイナスで、今回切除した腫瘤については綺麗に取れているのだが、反対側皮膚に向かって約15mmにわたり、浸潤というのではなく、ほぼ直線上に癌細胞が点在しており、これは細胞診の時の針生検の針の経路に沿っているので生検時、針に付いた癌細胞が、針を抜いてくる時に付いたのでしょう。放射線治療でほぼ完全に死滅させられるので大丈夫です。」とのこと。こういうことは普通によくあることなのでしょうか?針生検時の技術的な問題ではないのでしょうか?乳腺専門医の先生にお話を伺った時、放射線治療をしないほうが良いのは、今回の腫瘤の影響より放射線による副作用のリスクの方が大きいからだとのご説明をいただいており、本当ならしないで良かったはずの放射線治療をこういう形でせざるを得なくなったことについて釈然としない気持ちでいっぱいです。今後の治療についてもどこまで先生を信じていいのか不安でいっぱいです。アドバイスを頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。

これは非常に稀なケースで、そのような事を診断できる病理医にも余りお目にかかった事がありません。本当にそのような事を顕微鏡検査で診断できる事はすごい事ですが、いずれにしてもそのようなケースは非常に稀で、検査の手技の問題でなく、むしろその事を病理学的に診断されたこと自体珍しく、そういった事が理論上考えられても、顕微鏡で証明できる事は困難な事ですので、その通り放射線はされた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4592】 05年11月03日     H・M
乳首にあるしこりについて

はじめまして。23歳の男です。2〜3週間前に左の乳首に痛みを感じました。しかし、常に痛いというわけではなく、触れると痛いのです。最初は少し痛いというぐらいの痛みでしたが、次第に痛みが増し、コリコリとしたしこりのようなものが出来てきました。そのしこりは米粒大ぐらいだったものが徐々に大きくなり、今では2cmぐらいの大きさになってしまいました。現在でも痛みは続いています。初期と変わらず、触れなければ痛くはありません。中学生の時にも同じような症状になったのですが(その時は成長痛だと言われ、自然に治りました)、日常生活を送るうえで、いつも気になり、ストレスを感じます。この症状は緊急を要するようなものなのでしょうか?悪い病気ではないかと、心配でたまりません。ご回答よろしくお願いいたします。

思春期乳腺症というものが20歳代の男性におこることがあるので、おそらくそのような事だと思います。ただし、脳腫瘍の一種で下垂体腫瘍というのがあり、そのせいで乳腺が腫脹したり、痛むことがあるので、頭痛や視野障害があれば、脳外科に行くべきです。いずれにしても今の症状が長く続く時は、乳腺外科に行って調べた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4591】 05年11月02日     M.K.
授乳中のしこりの検査について

現在、生後4ヶ月の赤ちゃんを母乳のみで育てている32歳の母親です。最近、すっかり飲み干した後のおっぱいの中にしこりがあるのが気になりました。起きていると分からないのですが、左のおっぱいの内側に一円玉くらいのしこりが残ります。産婦人科で聞いたところ、母乳を上げているときはよくあることなので、もし大きくなるようなら検査をと言われましたが、気になります。母乳を上げているときは、検査をしてもはっきりした結果が出にくいとも言われました。どのような検査があるのか、また、授乳時にはそういうことはよくあることなのか、教えてください。赤い分泌物などは出ていません。痛みもありません。押しても形は変りません。

一般的には乳瘤というものがあり、その可能性があります。エコーをやれば診断できるので、乳腺外科を受診されることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.4590-1】 05年11月02日     Y.H.
術後の治療について

初めてご相談します。妻(48才)の乳癌についてです。9月に温存手術を受けました。手術後の病理検査結果は以下のとおりでした。腫瘍の大きさ 0.9x0.7cm、浸潤性乳管癌(乳頭線管癌)、悪性度 3、エストロゲンレセプター陰性、プロゲストロンレセプター陰性、HER2 3、リンパ節転移無し、断端陽性。このような結果から、抗ガン剤治療後、放射線治療を行うこととなりました。抗ガン剤は、当初ECを提案されていましたが、10月に入りFECが保険対象となったことから、FECを3週間ごとに6回行うこととなりました。内容は、エピルビン147mg、エンドキサン730mg、5FU725mgです。
1) FECの有効性がはっきり主治医から説明がされなかったのですが、5FUが妻の癌には効果があるような感じでしたが、そうなのでしょうか。
2) また、中外製薬のHPで読んだのですが、HER2陽性の場合、ハーセプチンは、術後の再発を抑える効果が大きいとありましたので、その点を質問すると、「再発癌にしか保険がきかない。」とのことでしたが、本当に有効であれば使ってはと思うのですが。有効性は有りますか。なぜ術後に適用できないのでしょうか。また、高価なのでしょうか。

妻は、悪性度やHER2が高い結果に相当参っています。乳癌の5年、10年生存率は、80%程度有るように聞いていますが、妻の場合は、その確率は相当落ちるのでしょうか。お忙しいとは存じますが、よろしくお願いします。

FECは三種類の抗がん剤の総力としての効果を示す事になっていて、5FU単独の感受性があるかどうかは検討されていません。ハーセプチンは、海外での成績で補助療法として有用という結果が出ていますが、日本では健康保健上の適応が再発乳がんという事で使えません。日本では混合診療の禁止という決まりがあり、薬を自費で使う場合は、その疾患で使う薬、処置、検査すべて自費という事で、現実的に月数十万円の出費がかかります。(文責 石山)

 

No.4590-2】 06年02月15日     Y.H.
術後の治療について(2)

昨年11月に質問をいたしましたところ、ご回答を頂きありがとうございました。
1)その後、FECの治療が終わり(3週間毎6回)放射線治療が始まりますが、断端が陽性であったことから、放射線治療後再発の可能性を低くするためには、再手術が有効ではと思っていますが、どうなのでしょうか。担当の先生は、そこまでする必要はないと言っておられます。
2)それ以外の治療法は、たとえば追加の抗がん剤療法などはないのでしょうか。 
3)前回質問の仕方が悪かったかもしれませんが、組織学的悪性度3、HER2+3というがんの性状は、生存率は低くなるのでしょうか。この指標をどのように捉えてよいのか悩んでいます。

お忙しいところ、不躾な質問の仕方で恐縮ですが、どうぞご返事をよろしくお願いします。

1) 温存術が始められたころは断端陽性の人によく再手術をすすめましたが、この頃では断端陽性の程度が軽度である場合そのまま様子を観察し、程度がひどい場合に限り再手術を行う施設が多いようです、確かに再手術をすれば局所再発の可能性は低くなりますが、主治医と良く相談してください。
2)3) 大きさやリンパ節転移の有無にもよりますが、HER2 3+、組織学的悪性度3とういうのは、そうでない乳癌に比べて再発可能性が高いと考えられます。既に化学療法をしているようで、追加するとすればタキサン系のものがありますが、そこまでしないことの方が多いでしょう。(文責 吉田)

 

No.4589】 05年11月02日     E.T
現時点での骨シンチの必要性について

初めてメールを差し上げます。以下の疑問にご意見を頂けますよう、お願い致します。39歳未婚、今年9月末に乳房部分切除を受け、現在別の病院にて放射線治療が中盤にさしかかっている者です。本日放射線治療を受けている総合病院にて、「骨シンチを受けていないのなら受けるべきでは?」と言われました。大学病院等では受けて当たり前で、乳がん患者は皆受けているそうです。果たして今、私にも本当に必要なのでしょうか? 私の主治医は数少ない乳腺専門医です。先生に対しては、どの大病院にも負けない信頼を置いていますが、如何せん病院の規模・設備が小さいのです。手術前の大掛かりな検査はCT位しか受けていません。不要な検査ならば無論受けたいとは思いませんが、気のせいかあちこち具合が悪いような気がしてしまうので、総合病院の申し出をNo!とも撥ね付けられない心境です。手術の結果は、8ミリ粘液がん、グレード1、センチネルリンパ節生検0/2、段端陰性、波及度は乳腺内、リンパ管&血管侵襲マイナス、ER(+) PgR(+)(?%聞きませんでした)、HER2(-)。手術前の血液検査は CEA 1.0、 CA15-3 21.8でした。治療は放射線治療のみで終わりです。(どうしても希望するならタモキシフェンの服用も言われましたが、強く勧められませんでしたので、省略する事にしました。) 膝や腰が痛い状態ですが、子供の頃から膝の痛みや、腰椎に亀裂があったりするので、自分としてはこれが普通の状態です。生検結果及び腫瘍マーカーからも骨転移は考えられないであろうと自己判断しておりますが・・・。よろしくお願い致します。

診断当初には骨シンチをすることが多いですが、私の病院でもこのような所見では省略する事も多いです。でも、背骨や腰の骨に痛みがある方には施行する事もありますし、最近は採血でICTPという骨のマーカーもあるので、いずれかをされれば良いと思います。(文責 石山)

 

No.4588】 05年11月02日     M  
授乳中のしこりについて

ご相談させていただきます。出産後間もなく右乳房に5cm大のしこりができ、場所が乳輪の奥であることから、しこりが邪魔で授乳できなくなりました。乳腺外科にて超音波で確認しながらしこりの中身(母乳)を注射器で吸い出していただきましたが、繰り返し母乳が溜まり、3回目ではドロドロで吸い出せないものが残ってしまいました。現在、しこりの大きさは2〜3cm程度で、授乳はなんとか可能になり、しこりの大きさも変わらなくなりましたが、細胞診の結果がVaとのこと。授乳中はマンモグラフィは行わないと聞きますし、Vaは良性の可能性が高いそうですし、超音波でも悪いものには見えないとのことです。乳腺炎による(腫れや熱は無し。細菌感染も抗生物質の投与も無し)細胞の変性だろうとのことで、このまま放置して良いのかと思っていましたが、2〜3週間後にまた来るように言われました。脇の下のリンパには触診では異常は見当たりません。質問をまとめます。
@ より詳しい検査も現段階で受けるべきなのでしょうか?
A 検査する場合、授乳は片側だけでも続けられますか?
B クラスVaの診断でしたが、いずれ乳腺炎が治癒するに伴い、この結果が自然に治癒するということはないのですか? 今後は定期的に乳癌検診を受けなければならないものですか?
C 軽い痛みはありますが、現在残っているドロドロの中身は放置しておいて良いのでしょうか?(それを検討するためにまた来るように言われましたが、具体的にどのような検討方法を取ると考えられますか) 2ヶ月児を抱え授乳中であり、良性と思われるしこりの切除をするかどうかの選択を迫られたら、とても迷うところです。一年程度なら放置しても構わないのでしょうか。
D 今回ただの乳腺炎だと思っていたのにクラスVaの診断が出たことに驚きましたが、これがただの変性でなかった場合、妊娠出産がきっかけで乳癌になったと考えられますか? そのようなリスクが出産にはあるのでしょうか? それとも乳癌は別に妊娠が原因ではなく、以前から兆しがあったということなのでしょうか。(出産直前まで、自己診断で胸にしこりは一切見当たりませんでした)

以上、不勉強で申し訳ありませんが、ご回答いただければ幸いです。

授乳中は乳腺細胞が増殖し細胞診がVAとなる可能性があり、経過観察が最良と思います。心配であればMRIやPETをするのでしょうが、後者は授乳を中止しなければなりませんし、お勧めは出来ません。今の主治医の提案は妥当なものと思います。内容物は授乳終了と共に消える事がほとんどです。(文責 石山)

 

No.4587】 05年11月02日     H.S.
術後療法について

初めて相談させていただきます。41歳の姉が今年6月に右乳房全摘、リンパ節郭清レベル2の手術を受けました。病理検査結果は浸潤型乳管癌、硬癌、2.4cm×2.1cm、ER. PgRともなし、HER2 0、リンパ節転移0/16 、組織学的悪性度3、リンパ管・血管浸潤不明です。病期、術前VA(触診で5cm超えていた為)、術後UA。7月から補助化学療法(FECを6クール)を始めました。152cm、48kgで、1回につき5FUを750mg、エピルビシン100mg、シクロフスファミド700mgの点滴です。主治医から6クール終われば一通りの治療がすんだことになるが、希望があれば経口薬としてUFTかフルツロンを処方すると言われています。そこでご相談です。UFTの効果についてはデータがあるそうですが、フルツロンに関しては効くという説と効かないという説があるようですが、実際はどうなのでしょうか? そもそも、目に見えないような微小ながん細胞がすでに存在しているとして、点滴でたたけなかったものを経口薬を服用することによって再発を抑えることはできるのでしょうか? ただホルモン療法もできないので、このまま何もしないで過ごすのは不安になりますが、経口薬といえども副作用はあるようですし、どうすべきか悩んでいます。どうぞアドバイスをお願いします。

経口薬はエビデンスが少ないのは事実ですが、肺癌では術後の再発予防では生存率が向上したというデータは出ています。乳がん治療が、肺癌で使われてたものから乳癌に使われる事も多いという歴史があり、当院でも使う事が多いと思います。副作用は確かにありますが、投与しながら採血や症状を見ながら使った方が良いと思いますが・・・。(文責 石山)

 

No.4586】 05年11月02日     J
遠隔転移のある乳がん治療について

自宅近くの病院で乳がんであることがわかり、乳腺の専門医のいる病院に紹介状を持って行きました。遠隔転移があるので、治療方針としてはホルモン療法がだめなら抗がん剤という点では同じでした。遠くても乳腺専門医のいる病院に通院するほうが的確な治療を受けられるのか、末期の場合たいして変わらないのか、どちらの病院にしようか、まだ治療を始めていないので迷っています。乳がんの治療方法はある程度確立されていると聞いたのですが、やはり個々のお医者様の力量による部分は多いのでしょうか。お医者様には答えにくい質問で恐縮ですが、アドバイスをお願いします。

出来れば専門医のいる病院が良いとは思います。色々な治療オプションがあるので、よりそういった情報を持っている可能性が高いと思います。(文責 石山)

 

No.4585】 05年11月01日     khm 
組織学的悪性度3について

10月初めに温存法の手術を受けました。47歳です。腫瘍の大きさ2センチ。センチネルリンパ転移なし。エストロゲンレセプター +。組織学的悪性度3。この組織学的悪性度というのは、再発度が高いということなのでしょうか? 主治医にはホルモン治療を薦められたのですが、出来ることなら受けたくないのです。悪性度3の場合の10年再発率、又は生存率が判りますでしょうか? また、術後25日経っているのですが、乳房の表面が服に擦れてとても痛み、熱も持っています。そのせいで肩甲骨から肩への痛みも出ています。このような状態は、どのくらい続くものなのでしょうか。

温存といっても、どういった術式か、センチネルもどうやって手術したか、術直後の経過やドレーンの廃液量など色々外科医のこだわりがあるので、敢えて私としてはお答えするに足る材料がありません。取りあえず今の主治医に傷の事や今の症状を話されてみては如何でしょうか。そして、治療の指針としての2005年のザンクトガレン(St.Gallen)の事を調べて、ご自分でも勉強される事をお勧めします。(文責 石山)

 

No.4584】 05年11月01日     M
線維腺腫と子宮内膜症治療について(HPNo.4238-2)

以前HPNo.4238でお世話になりました者です。その節はありがとうございました。2ヶ月前からずっと左下腹部が痛いため産婦人科受診をしたところ、先日子宮内膜症の診断をされました。元々生理前の胸の痛みがひどく、毎月憂鬱で仕方がなかった事を産婦人科医に相談したところ、外科的手術・ピルの服用・生理を止める薬の3つの選択肢を提案されました。「手術は子供も小さいため、まず薬で様子を見たい。また、ピルの副作用(子宮ガン・卵巣ガン)が怖い。」と言いましたら、ピルはむしろ子宮・卵巣ガンを軽減するが、乳ガンのリスクが多少上がると言われ、線維腺腫もあることだし生理を思い切って止めることにしました。そこで質問なのですが、
1) この生理を止める薬(ナサニール点鼻液)を使用し続け、生理を止めている間は女性ホルモンが抑えられるということらしく、生理前にあった激しい胸の痛みはなくなるのでしょうか? また、線維腺腫は小さくなっていくのでしょうか?
2) 線維腺腫がある私がこの薬を使用し続けても大丈夫でしょうか? 生理を止め、女性ホルモンを抑えていたら乳ガンにならないか不安です。
3) 関係ないのですが、肩こりがひどいなと思いもんでいたら、左鎖骨上頚部のリンパ節にコリコリよく動くしこりを2週間前くらいに発見しました。大きさは1cmくらい?で、あまり厚みがなく楕円形です。もしも線維腺腫が誤診で乳ガンだったのならリンパ節への転移?と、とても怖い思いをしています。現在耳鼻科にて今週水曜にエコーの予約をしていますが、以前の線維腺腫という診断が誤診だということはありえるのでしょうか?
4) 11月末に線維腺腫の半年検診で乳腺外科に行きますが、その時にも一応首のしこりを見てもらった方がいいでしょうか?
5) 下腹部が痛いため、ロキソニン、もしくはペオンを使用しております。また、鬱症状があるためルボックス・コンスタンも合わせて使用しています。本来ここで質問すべきではないのですが、薬漬けの毎日に、さらに内膜症の薬を使うことで、乳房に何か悪いことが起こらないかと心配です。こんなにもたくさんの薬を飲んでいて大丈夫なのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願い致します。

おっしゃる通り抗鬱薬の副作用や併用禁忌は我々には分りませんので、調剤薬局か抗鬱薬を処方された医師に聞かれた方が良いと思います。それ以外のご質問は、あなたのおっしゃる通りで、「?」はそのままはずせば正解だと思います。良く理解されて勉強されいると思います。線維腺腫(以下FA)は鑑別すべき診断に触診上、のう胞、葉状腫瘍、充実腺管癌、粘液癌、髄様癌があるので、その辺をきっちり画像上鑑別されていれば問題ありませんし、おっしゃる通り月経を止めることはいずれにとっても(たとえ癌でも)望ましいと思います。(文責 石山)

 

No.4583-1】 05年11月01日     km
抗がん剤治療について

お忙しいところ恐れ入ります。二年半前に右胸に2センチのしこりを見つけ、温存療法手術を受けました。リンパ節に7個中2個転移あり、ホルモンレセプターはどちらもマイナスということで、CEFの点滴を6クール受け、そのあと温存した胸に26回の放射線を照射しました。ずっと調子が良かったのですが、3ヶ月前くらいに右胸におできのようなのがぷつんとでき、マンモとエコーを受けて異常なしとでたばかりだったので気にとめていなかったのですが、3週間前の定期健診で主治医が見つけました。念のためということでエコーと細胞診をして悪性の疑いが強いとのことで、血液検査の結果でも腫瘍マーカーがCEAは問題ないがCA15−3が143ということで、あわててCTをとりました。それが今日ですが、CTの結果は来週出るのに抗がん剤の点滴のため入院手続きをするように言われました。あれよあれよという展開で呆然としています。やはり腫瘍マーカーが高いということで、どこかに転移している可能性が高いので抗がん剤はまぬかれないということでしょうか? どこに転移しているかもわからないのに抗がん剤をするのは抵抗があります。もちろん入院日の2日前には結果が出るので、それ次第とは言ってましたが・・・。来週の入院を控え不安ですので、アドバイスいただければ幸いです。抗がん剤はこの場合どのような選択肢がありますか?ハーセプチンもマイナスのようです。

CEF療法を補助療法としてされているので、今後はおそらくタキサン系抗がん剤をするのでしょうか。うちの病院でもそうですが、転移部位がはっきりしなくても、腫瘍マーカーの上昇だけでも抗がん剤の治療をする事があります。それほどCA15-3は乳癌に鋭敏で、そのようの急に上がればやはり再発と思いますので、早期治療と早期治癒を目指して考えられたスケジュールと思います。うちの病院では乳癌再発化学療法でも、ベッドが満床で、中々入院化学療法もできず、辛い治療を外来で受けられる方がほとんどです。入院できるだけでも、金銭的には大変ですが、良心的な病院かもしれません。(文責 石山)

 

No.4583-2】 06年03月07日     km
転移後の抗がん剤治療について

HPNo.4583でご相談させていただきましたものです。その節は丁寧なご回答いただき、ありがとうございました。とても参考になりました。結局CTの結果は、温存手術した乳房内にいくつかの再発と肝臓にも数個の転移、それから頭痛が気になって脳も検査したところ、30個近くも転移がありました。ガンマナイフの照射を受け、こちらはMRI検査でかなり少なくなっており、経過は良好とのことです。全身の治療として、前回ご回答にあった通りタキソールを三週続けて一回お休みというクールで受けており、今4クール12回終えたところです。CA15−13が一時300まであがってたのが、3クール終えたところで143になっており、CTでも肝臓の腫瘍はかなり小さくなり、小さいものはなくなってるとのことで、効果は出ているようです。本や患者仲間からの情報では、転移治療の場合抗がん剤がきいてるかぎり、それを続けて耐性がでてきたりして効かなくなったら、また違う抗がん剤なりを使うと思っていたのですが、主治医の話では、再発の抗がん剤治療は12回が一区切りで、休薬して、またCTなどでみて、腫瘍が大きくなったら次の方法を試みるのはどうかと提案されました。しびれや倦怠感などの副作用はあっても、特に大きなものもないし、白血球もそれほど減少もしないので、せっかく効果がでているのに辞めるのは不安な気がします。現在150mlの量を毎週やっているので、少なくして続けるのはと聞いたのですが、減らしてしまうと意味がないと言われました。やはりせっかく効果が出ているし、続けていないと他への転移が心配だと訴えたところ、やっと、「それではもう少しやりましょうか」と言われ、続けることになりました。なんとなく腑におちない気がして、転移したこともあり、この病院に不信感をどうしても感じてしまい、転院したほうがいいのかなと悩んでいます。でも同院の脳外科の医師はとても信頼できるし、ずっとお世話になるつもりなので難しいです。お忙しいところいつも申し訳ありませんが、ご回答、よろしくお願いいたします。

タキソールを4クール12回終えて、とても有効だった場合、抗がん剤がきいてるかぎり、それを続けて耐性がでてきたりして効かなくなるまで使う方針の医師、抗がん剤治療は一区切りで、休薬してまたCTなどでみて腫瘍が大きくなったら次の方法(再度タキソールか、別の薬剤)を試みる医師の2種類いるようです。どちらがよいのかは、わかっていません。主治医が間違っているというわけではないと思います。転院は慎重に考えた方がいいように思います。(文責 石川)

 

No.4583-3】 06年06月30日     km
再発転移の抗がん剤について

いつも丁寧なご意見いただき、とても参考にさせていただいてます。HPNo.4583と5022でご相談させていただいたものです。術後二年で肝転移、乳房再発脳転移が見つかり、脳転移はガンマナイフ照射して定期的に経過観察しており、全身療法としてタキソールをウイークリーで三週続けて一週休むというのを24クール終わったところです。腫瘍マーカーCA15−3も一時300まであったのが順調に58まで下がりました。CTでも、肝臓の腫瘍も大きいものも半分くらいになり、小さいものもなくなったりしていたのですが、腫瘍マーカーがそれ以上下がらなくなり、横ばいになりました。もしかして耐性ができてしまったのかと思い、次の抗がん剤としては何が考えられるか主治医に聞いたところ、同じタキサン系のタキソテールは期待できないので、TS-1を考えていると言われました。患者会の再発した仲間に聞くと、「TS-1は胃がんには効果が出ているが、乳がんにはまだよくわからないのでは」と言われました。ナベルビンやゼローダよりも、主治医はTS-1がいいと思っておられるようです。先生はどのようにお考えですか?ご意見、お願いいたします。CEFは補助療法で、すでに使用済みです。 

1) TS-1も乳癌での適応が最近得られました。
2) 再発ですから治癒を目標とするのではなく、腫瘍のコントロールということに治療の重点がおかれます。したがってTS-1を使ってもタキソテールやナベルビンであっても投与順が異なるだけで、いずれは使うことになります。したがって大きな違いはないと思います。どれから入っても同じと思います。(文責 麻賀)

 

No.4582】 05年11月01日     Y 
ナベルビンについて

はじめまして。宜しくお願いいたします。私は38歳、2000年に左乳房を温存にて手術しました。ところが2001年には腰椎3番に遠隔転移、2003年、左仙腸骨、左右の骨盤、2005年、肋骨の背部、大腿骨、など約10箇所ぐらい転移してしまいました。ホルモンリセプターが2種とも+だったので、転移当初はホルモン剤の変更を重ねました。でもだんだんと効き目がなくなり、現在のホルモン療法は月1回のゾラデックスだけです。その後、タキソールを6クールほどしましたが、やはり効果がなくなり、現在は副作用の少ないと言われているナベルビンとビスフォナールを投与しています。ところが、ナベルビン1回目は便秘程度でしたが、2回目指先のしびれ、3回目38度の熱と骨転移の場所がかなり痛み、歩けなくなり、かなり辛い治療となってしまいました。そこで相談なのですが、ナベルビンは私には合わないのでしょうか?これでは、日常生活もままなりません。別の抗がん剤へ変更するべきでしょうか? ナベルビン、1クール終了時点で、マーカーNTT−ST−439が3300から3000に下がりましたが・・・。いかがなものでしょうか? ご意見をお聞かせください。

乳癌の骨転移にはフレアー現象というのがあり、ここに書かれている症状はその可能性もあり、もう少し続ける意味があると思います。それと痛みはビスフォスフォネートの副作用には発熱、骨痛があるので単なるビスの副作用かもしれません。その点を良く考え、ご自分の治療経過と症状の出現時期を考えてみて、もういちど主治医に聞かれた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4581-1】 05年11月01日     M.S. 
人間ドックの二次検査 

初めまして。お世話になります。現在46歳で、35歳のときに出産し、1年2ヶ月ほど授乳をしておりました。今年になって、二度検診を受けました。一度目はマンモグラフィーで異常なしでした。そして、先週、人間ドックでエコーで検査を受けたところ、右胸に所見があるので、専門医に受診してくださいとのことでした。その所見というのが、両胸に乳腺症、低エコー、石灰化が見られるということのようです。乳腺症は今までも指摘されております。そこで、本日、近所の乳腺外来のある医院で受診してまいりました。その先生は、現在ホームページで公開されている乳腺専門医ではあませんが、日本乳がん学会認定医で、乳腺を得意としているということです。そして、大学病院に紹介もしてもらえると聞き、行きました。その先生は、私が持参したフィルムを見るなり、これは大丈夫でしょうとおっしゃり、再度エコーで検査し、特に人間ドックで指摘されたようにことはないと思います、とおっしやいました。そして、一応念のためマンモグラフィーを撮って来て下さいと言われました。大学病院に行き撮影し、写真はその先生が確認するとおっしゃいました。私は、大学病院で確認していただけることを期待したのですが。その大学病院には、ホームページで公開されている専門医がいらっしゃいます。そこで、気になるのは、今日診ていただいた先生のおっしゃることをまるっきり信用してよいのかということです。人間ドックで指摘されたことはどうしてかと質問したところ、「エコーというのは見えすぎてしまうことがあります」とおっしゃるだけで、よく説明していただけませんでした。見えすぎるとはどういうことなのでしょうか? 日によって、見る人によって見え方が違うと言うことがあるのでしょうか? 人間ドックを受けたときは、生理の一週間ほど前で、今日は生理中です(4日目)。それによる違いもあるのでしょうか? また、ドックで指摘された、低エコー、石灰化とはどのようなことを意味するのでしょうか? マンモグラフィーを撮影してもらって、この先生に診て頂くことで安心できるでしょうか? 現在ホームページで公開されている乳腺専門医と日本乳がん学会認定医とではどのような違いがあるのでしょうか? 病院を選ぶことが生死を左右することがあると聞きますので、教えていただけければ幸いです。以上、お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

質問の内容が多岐にわたっていて、ご質問の内容がわからないこともあり、我々でも専門医と認定医では違うのかどうかという事に明確な答えはありません。学会としては認定医のうえに専門医を置いているので、ベテランという事でしょうが、認定医でも画像の読影(診断力)に秀でた医師も多いので何ともいえません。エコーが見えすぎるというのは、検診(一般の診療でなく)に用いると異常が出ると精密検査になるのですが、その頻度が高すぎて検診としての意味がないということはあります。でも診療の中では(検診でなく)エコーの微少病変の診断力は優れているので、専門の乳腺外科医や乳腺専門放射線科医が行うエコーは診断力に優れ、信頼が出来ます。その点を良く考えて、今の主治医に聞かれたらいかがでしょうか。(文責 石山)

 

No.4581-2】 05年11月05日     M.S. 
人間ドックの二次検査(2)

お返事ありがとうございました。さて、昨日、マンモグラフィーの写真を診ていただいたところ、石灰化はあるが、癌の疑いがあるものではないと説明していただきました。今度は私の質問にも答えてくださいました。この先生がおっしゃるには、石灰化はあってもおそらく乳腺症のもので、カテゴリー1だということでした。細胞診の必要はなく、三ヵ月後に再検査ということになりました。私もフィルムを見せていただきましたが、両胸にあるごく小さな点(一つずつ)を指して石灰化であるとおっしゃっていました。そこで、また質問させていただきたいのですが、画像だけで石灰化が良性であるか悪性であるかの判断をすることは一般的になされているのでしょうか? 先生のご診断でも、カテゴリー1になりますでしょうか? お忙しいところ誠に恐縮ですが、いつでも結構ですので、お返事いただければありがたいです。検診を受けながら発見が遅れ、乳癌で亡くなった友人があり、たいへん不安でありましたので、このように相談をうけていただけるサイトに出会えたことをとても嬉しく思い、誠意を持って相談にのってくださる先生方にたいへん感謝しております。

100%ではないのですが、石灰化の形態、分布から診断できることになっています。後は数が増えたりその所見が変わらないか経過を見るために、3ヶ月後に再度検査するということと思います。(文責 石山)

 

No.4580】 05年10月31日     T
右腫瘤陰影について

はじめてお便りします。34歳の女性で、30歳の時、子供を一人生んでいます。この度、初めてマンモグラフィーを検診で受けたところ、触診では異常なしだったのですが、マンモグラフィーで右腫瘤陰影を認めますということで、精密検査を受けて下さいということでした。この右腫瘤陰影というのは、どういうものなのでしょうか? これは乳癌なのでしょうか? しこりの自覚症状もなく、分泌物などもなく、出産直後、乳腺炎になったぐらいで、結果にとってもびっくりしています。精密検査は、どんなことを調べたりするのでしょうか? 検診を受けた病院で精密検査を受けた方がいいのでしょうか? 精密検査を受けてない段階なのでお答えに困られるかもしれませんが、回答をいただけたらと思います。よろしくお願い致します。

マンモグラフィーでの腫瘤陰影とは、しこりの影ということで、通常乳腺よりも濃い影として写ってきます。そのような影があれば精密検査ということになり、イコール乳癌を疑っているわけではありません。良性ののう胞や線維腺腫でも腫瘤陰影として現れます。マンモグラフィーを更にいろいろな方向から撮ったり、超音波検査をして、やはりしこりが認められれば細胞診検査をするなどして、診断をにつめていくということになります。(文責 片山)

 

No.4579】 05年10月30日     Y.N.
乳頭分泌と微細石灰化

3週間ほど前、左乳頭より分泌物(血)が出ました。乳腺外科で分泌物を検査したところ、「4の乳癌の疑いあり」という結果でした。(初めは5にまるがしてありましたが、4に訂正されていました。) そこの先生の紹介で現在大学病院で検査を進めていますが、マンモグラフィーの拡大写真で微細石灰化が広範囲でみつかり、次回マンモトーム検査をする事になっています。先生のお話では、「乳管内に非浸潤癌の疑いがあります。微細石灰化が広範囲に見られるので全部摘出になります。」との事でした。微細石灰化がある場合、非浸潤癌でも全部摘出しなければいけないのでしょうか? 分泌物検査で4の癌の疑いと出たら、本当に癌なのでしょうか?

非浸潤癌の場合、微細石灰化の範囲や分布の状態にもよると思いますが、やはりかなり広範囲の場合は乳房切除の適応になることも多いです。分泌物検査(細胞診)でClass4は癌の疑い、Class5でほぼ癌の確定診断ということになります。そこで診断確定のためにマンモトーム検査ということだと思います。(文責 片山)

 

No.4578】 05年10月30日     F
補助療法について(HPNo.4365-2)

先日、HPNo.4365で質問させていただきました。その後、9月13日に右胸の全摘手術を行いました。病理結果では、ほとんどが非浸潤性であり、浸潤部はごくわずか(浸潤部の大きさを聞きましたが、ごくわずかとしか教えてもらえませんでした)。病理結果は、リンパ節転移1/39、ER陽性 PgR陽性、HER2判定保留、切除断端 陰性(ただし、断端から非常に近い位置に非浸潤性癌あり)、また、手術前日にCTをとったところ、1枚の画像に小さいが薄い影があったとのことでした。今後の治療としては、抗がん剤、ホルモン療法、放射線療法を薦められ、現在抗がん剤(CEF)投与を始めたところです。そこで、今後の補助療法および肺の影について質問をさせてください。
1) 私のように全摘出を行った場合でも放射腺療法は効果があるのでしょうか? 主治医は、断端に近い箇所に非浸潤性といえども癌があったため、行ったほうがよいといわれました。
2) ホルモン療法についてですが、ER,PgRが陽性だった場合、ホルモン療法を行うか行わないかで再発率というのはどのくらい変わるものなのでしょうか? 現在36歳で癌告知前まで子供が欲しかったため、ホルモン療法について行うかどうか悩んでおります。
3) 主治医は、どうしても子供が欲しい場合、化学療法→放射線→出産→ホルモン療法を行うことになると説明されました。もし、ホルモン療法を行う前に妊娠、出産した場合、再発率が高くなったり、体内に残っていたがん細胞の進行速度が速まったりというリスクはありますでしょうか? 素人感覚で妊娠や出産はホルモン分泌が活発になるイメージがあり、リスクが高まることを恐れています。
4) 肺にあった影についてですが、主治医は現在の段階で転移なのかどうかわからない。2ヶ月後に再検査を行い判断するとおっしゃっているのですが、一般的な診断方法でしょうか? 他の検査方法などあれば教えてください。
5) 現在まだ骨シンチを行っていません。主治医はあまり急いでいないようなのですが、早めに検査したほうがよいでしょうか?

長文となってしまいましたが、よろしくお願いいたします。

1) 1998年にEBCTCGが出したそれまでの大規模試験のまとめの報告では、乳房切除術後に局所に放射線療法を加えることで局所再発は減るが、生存率には差が出ないという報告がなされました。その後1997年には生存率も改善するという報告もありますが、非照射群で局所特にリンパ節再発が多かったことから、手術療法の不十分さを疑問視する意見もあり、難しいところです。断端に非常に近くに癌が存在していても、尚且つ手術で取りきれていると考える場合は放射線療法をしなくても良いかと考えますが、私自身、癌が明らかに露出していたり、かなり広範囲に断端ぎりぎりであった症例で照射をお願いしたこともあります。やはり個々の症例の病理結果に応じて対応していくということになると思います。
2) EBCTCGが1992年に発表した7万例を超えるデータ(ただし閉経前後や化学療法併用群も含まれます)によれば、何もしなかった人を1とすると、タモキシフェン服用例では再発の危険性を0.87に、つまり13%ほど引き下げてくれることになります。また、閉経前のホルモン療法であるゴセレリン(ゾラデックス)の2年間投与はCMFという化学療法6クールと同等といわれていますので、年間の再発率を24%前後改善してくれると考えられます。
3) 妊娠、出産により、やはり若干再発のリスクが高くなる可能性があります。最低でも2〜3年は何もないことを確認してから考えるほうが良いと思います。また化学療法の副作用によって閉経状況になってしまう可能性もあります。
4) 今の段階で診断のつかない小さく淡い影を2−3ヶ月後に再検査をするというのは、診断上も重要だと思います。
5) 後日比較する意味で、今現在の骨シンチグラムを撮っておくのは、それなりに意味のあることだと思います。(文責 片山)

 

No.4577】 05年10月30日     K.A
ADH(異形乳管過形成)について

自分でしこりを見つけ、受診。触診、エコー、1mmの針生検を受けました。その結果、しこり(1.5cm*1cm*0.4cm)にADH(異形乳管過形成)が見つかったと告げられ、さらにMRI検査〔造影剤)を受けました。まだ疑わしいということでマンモトーム生検を受けるように言われました。当院で初期の診断しか考えていなかったので、それほど心配ならば、乳がんの実績のある病院に転院を希望しました。2つ目の病院では、触診、エコー、MRI撮影画像(組織細胞は見ていただいておりません)を見ていただいて、この程度のしこりだと経過観察でいいと言ってくださいましたが、経過観察は当院ではなく、元の病院に戻りなさいということでした。心情的にも元の病院は戻りたくないので、3つ目の病院を受診することになりました。この3つ目の病院では、触診、MRI撮影画像だけで、先生からは、ADHだと切除手術といわれました。念のためにマンモトーム生検を行いますが、結果にかかわらず、部分切除手術をしますといわれました。
当相談室のADH(異形乳管過形成)の相談はすべて読ませていただきましたが、各先生のご回答からしても、マンモトーム生検の結果によって経過観察か最悪切除手術が判断されるか、あるいは切開生検を行ってその結果次第で、経過観察か最悪切除手術になるのならば、まだ理解もできるのですが、いきなり切除手術(1週間以上の入院)と言うのは、どうしても理解できないのです。2つの病院の診断のギャップの大きさに動揺しています。当院でマンモトーム生検を受けずに他の病院をさらに受診すべきでしょうか。

異型乳管過形成は病理学的にも診断が時に難しい病変です。マンモトーム生検などで一部を取ってみて診断がついて経過観察ということもあるし、はっきりしなければさらに追加切除の可能性もあるかもしれません。いずれにしてもしこりの大きさや状態によって臨機応変ということになると思いますが、診察や画像を拝見していませんのではっきりしたコメントはできません。(文責 片山)

 

No.4576】 05年10月29日     Y 
今後の治療について

初めてメールを差し上げます。現在再発転移を告げられ、抗癌剤を始めたばかりです。どうぞ宜しくお願い致します。
病歴:
2000年5月乳がん手術、右全摘、小胸筋切除、手術時年齢39才。面ぽうガン、大きさ5cm以上、リンパ転移 11/18  8/11、ER、PGR +
術後療法:
手術後直後よりCMFの点滴あり 6クール完了。5月よりゾラデックス 50回完了(今年3月)。9月よりノルバデックス。2005年8月よりアリミデックス。2005年9月よりアロマシン。

今年2005年4月より右鎖骨上のリンパが腫れたのですが、3回ほど細胞診をしましたが異常なしとのこと。6月に超音波により胃の周りのリンパが腫れているとのこと。8月になり左鎖骨上のリンパも腫れ再度細胞診をした所、がんということで、生検をしたところがんと確定。同時にPETを強く望んで検査したところ、以下のようになりました。
両側鎖骨上窩、縦隔、膵頭部付近、傍大動脈領域に多数の小結節状の集積。多発リンパ節転移が考えやすい。右肋骨、下位胸椎、左肩甲骨、仙骨に集積が認められ、多発骨転移が考えられる。生検の結果はER(+) PGR(−)。HER2は1+の結果と(1)〜(2)の結果と2種類出ていました。さらにCA15−3は6月には41であったのが今回は95、BCA320です。10月24日にアレディア、10月28日にタキソールの点滴を受けました。ここでご相談です。
1) 主治医に、「よく4年無事に持ちました」と言われ、ゾラデックスが効いていて再発が遅れたのなら血液検査をして本当に閉経状態でなければもう1度、とお願いしましたが、「生理がないということで、閉経状態に間違いない。調べる必要がない」といわれました。検査は必要ありませんか?
2) また私がセカンドオピニオンをお願いした事で、もう治療法としては決まっていて選択の余地はないと言われましたが、そのことで立腹されたのでしょうか。「貴女の言うとおりにします。どういう治療をしますか?」と言われ、本当に困ってしまいました。

私は転移がコレほどあるともしらず(PET検査も前からお願いしていましたが、ようやく受けられたのです)、一刻も早く治療を始めた方がいいのではと思い、タキソールをお願いして治療してきました。これから先は地元の病院でタキソールとアレディアを受ける事にしましたが、私はどのような治療がいいのかがわかりません。再発、転移を告げられ、これからどうしたらいいのか解らないのに、治療法はこれでいいのでしょうか? これから私はどのようになっていくのでしょうか?(主治医にずっとタキソールですか?と聞きましたら、効いている限りはずっとタキソールをやって行きますとのことでした) どうか治療法だけでも教えて下さい。治療法など素人の私が選べないです。どうか宜しくお願い致します。

生理がないので確かにおそらく閉経状況と考えられ、主治医の先生も閉経後治療薬であるアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン)を使われたのだと思います。1ヶ月単位で薬を変えられていますが、この間のリンパ節転移の進展状況が早かったからか?と想像されます。確かに血中E2(エストラジオール)を測定して、いまだ高値であれば再度ゾラデックスという選択肢もあるかとも考えますが、骨とリンパ節転移といってもかなり広い範囲で腹腔内にもあるようですので、私もここはやはり化学療法をお勧めするようになると思います。使う薬としては副作用や効き具合を見ながらになりますが、アントラサイクリン(アドリアマイシン、エピルビシンなど)を含んだレジメン→タキサン系(タキソール、タキソテール)→ナベルビン→ゼローダといったところでしょうか。(文責 片山)

 

No.4575】 05年10月29日     R.I.
骨転移について(HPNo.4047-3) 

いつもお世話になります。HPNo.4047です。HPNo.4558の方の内容により、気になることがありましたので以下質問させて下さい。 ”すぐには生命予後に関わらないとき(例えば小範囲の骨転移)は、ホルモン感受性のある腫瘍の場合は、まず内分泌療法を優先し、効果がなければ2nd、3rd line の 内分泌療法、更に効果がない場合に化学療法と進めていきます。”
(質問)
1) “2nd、3rd line の内分泌療法”→ノルバデックス以外に具体的にどんなものがあるのか教えて下さい。
2) 患者さんから“肋骨のみの浸潤の類であれば、外科的手術により摘出”とありますが、骨の外科的手術とは可能なのですか? 私は主治医に普通、骨に関しては手術は行わないと言われましたが、例えば、骨病巣の一部を取り、癌と確定する事は可能なのですか? また、病巣部を完全に摘出する事は可能なのですか?(骨を削ったという人を話しに聞いたことがありますが。) 私は肩甲骨へ骨転移疑い有りで、現在、ノルバ服用とビスフォスフォネート点滴で治療中です。骨の外科手術が可能で転移が確定的になれば現治療の納得性も高まり、意味があるのではと思うのですが、いかがでしょうか?
3) 骨の転移疑い場所に関して、約一年間変化はありませんでした。さらなる転移や大きくなるなど無く、癌がおとなしくしていれば、現治療を続け、上手に癌と付き合って行く事で良いのでしょうか? それとも、病変を無くするor小さくするために別の療法へと進むべきなのでしょうか? ご意見どうぞよろしくお願い致します。

1) 閉経前であれば、月に一回注射することで生理を止め、血中のエストロジェンレベルを低値に保つLH-RHアゴニスト(ゾラデックスなど)、もう少し年齢が高くなり、あるいは化学療法後で生理が止まり、閉経状況と考えられた場合はアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシンなど)、そしてMPA(ヒスロンH)などがあります。
2) 他の非侵襲的検査で確定診断がつかない場合に、可能であれば部分的に取って(生検をして)診断確定をすることもありうると思います。もちろん深さなど部位により困難なことも多いです。基本的には根治を狙って外科的手術というのは考えにくいと思いますが、椎体への転移で脊髄障害のような神経症状が出た場合などに骨の一部を削って除圧したり、固定術を行うことはあります。
3) 骨への転移のみで1年間変化なく症状もないのであれば、ここであまり動かず現在の治療を継続するほうが今のところは良いと考えます。(文責 片山)

 

No.4574】 05年10月29日     K 
痛みについて

不安な事があるのでご相談します。 3年前に細胞診の検査を受け、線維腺腫と言われました。細胞診をするまではほとんど痛みもなかったのですが、その後しこりを押すと痛みます。診察をしてもらったのですが、「ホルモンのバランスが崩れているのでしょう。」と言われました。それとここ3週間程、乳首が敏感になり、触ると痛い感じがします。今までにも生理前にはこういう痛みはありましたが、今回は長く続くので心配です。ちなみに9月に卵巣のう腫の手術をしました。この事も関係ありますか? お返事宜しくお願い致します。

乳腺が生理的に張って痛んだり、良性の腫瘤のある部位に一致して圧痛を伴うことは時に経験します。触診上しこりの大きさや性状が変わらなければまず問題ないと思いますが、以前検査をしてもらった先生に再度診て比べていただくのが良いと思います。(文責 片山)

 

No.4573】 05年10月29日     yumi
肩こりについて

はじめて質問させていただきます。10月7日にしこりを見つけ、14日に針生検をし、乳がんと診断されました。エコーでは21×11ミリの診断です。直後から首・肩こりがひどく、腕がしびれるような感覚がずっと続き、脊髄などに転移していないか不安です。

今後検査をしてみないとはっきりしたこと分かりませんが、2cm前後のしこりで初診された乳癌患者さんで、すでに脊髄に転移をしている方はまずめったにいらっしゃらないと思います。(文責 片山)

 

No.4572】 05年10月29日     Y.R. 
リンパ転移のある術後治療

先日乳癌温存手術を受けました。発見時腫瘍は4p近くありましたが、術前化学療法(EC4クール・タキソール12回)により最終的には1.5pになっていたそうです。リンパ転移は、術前にはひとつははっきり手に触れたとのこと。術後病理では小さいものではありましたが2/ 12の転移がありました。先生が仰るには、胸の腫瘍にはかなり効いたはずだが、それでもリンパに2個あったと言うことは、もしかしたらもっと転移があったのかもしれないとのことでした。とりあえず術後にするべき化学療法は終えているので、この後温存部と念のために鎖骨に放射線をあて、ホルモン感受性マイナス(核異型度3・ハーセプチンマイナス)のためUFTを2年間服用とのこと。腫瘍にはかなり効いていたにもかかわらず、リンパに転移していた物にはそう大きな効き目が無かったと言う事は、微小の遠隔転移に対してもしっかりたたくことができたのか、とても不安です。しかし今の場合、とりあえず経口投与の抗がん剤で様子をみるべきでしょうか?

原発巣の縮小の様子を見ると、微小遠隔転移に関してもかなり効果があったことは期待できるとは思います。しかしホルモン感受性がなく、ハーセプテストもマイナスで、この後の維持療法について確かに迷うところです。経口抗がん剤で様子を見るのもひとつの選択かと思います。参考までに今が術後リンパ節転移陽性と分かった時期と考えて、クラシカルなCMFという考えもありますが、術後アジュバント試験ではありますが、AC×4、CMF×6、AC×4→CMF×3の3群を比較したNSABP 15試験 では、「AC→CMF群の無増悪生存期間および生存期間は他の治療群と比較して有意には優れておらず、AC療法施行6ヵ月後に静脈投与でCMF療法を追加することの意義は認められなかった。」となっています。(文責 片山)

 

No.4571】 05年10月29日     T・K
局所再発について 

昨年の11月に母が左胸の全摘出手術を受けました。その時は大きさが3センチでリンパへの転移は見られなかったのですが、癌の出来た場所がよくなく、抗がん剤と放射線治療を行いました。3ヶ月前の検診の時、右胸にしこりの影があるけれど、多分自然に消えるだろうと言われました。先週の定期検診で、その右胸の影が残っているので、再検査を行いました。超音波と細胞針を行いました。これは再発、もしくは右胸に癌が出来た可能性が高いのでしょうか。3ヶ月前に大丈夫と言われたのに、なぜという気持ちがあります。よろしくお願いします。

実際に診察、画像を拝見していないので分かりません。3ヶ月前に分かりづらかったしこりが、経過観察するうちに増大してきて診断可能になることは充分にあります。(文責 片山)

 

No.4570】 05年10月29日     H.K
術後の治療について(HPNo.4214-2)

HPNo.4214でもお世話になっております。9月22日に部分切除しました。しこりは2.5X3、リンパへは3つに分けた3まで行っており、8個中1個取りました。悪性度は4段階の2で、おとなしいほう、深さは結構あったとの事です。「ホルモン反応は2種類とも陽性なのでホルモン治療ができるが、46歳で閉経前という事を考えると弱い抗がん剤でたたくという方法もある。」と教えて頂き、髪も抜けないと言う事なので、抗がん剤も使用する事にしました。放射線と並行して5年計画で抗がん剤、ホルモン治療の順でやることになり、10月31日から30回の放射線が始まりますが、昨夜本を読んでいたら、“抗がん剤を使用する場合は、それが終了してから放射線療法を行う”とあったので不安になりました。なるべく効果があがる順でやりたいです。大丈夫でしょうか。

抗癌剤治療がアントラサイクリン系(ドキソルビシン<アドリアマイシン>やエピルビシン<ファルモルビシン>)を含むレジメンであった場合は放射線療法によるやけどがひどくなる可能性がありますので、通常抗癌剤治療が終ってから照射を行うことが多いと思います。主治医の先生によくご相談ください。(文責 片山)

 

No.4569】 05年10月29日     S・S
脳転移について(HPNo.4332-3) 

HPNo.4541についての回答、ありがとうございました。主治医と相談して前向きに検討したいと思っています。ハーセプチンの単独使用をすると脳転移を促進させるということを知りました。ハ−セプチンは、転移性乳がんの治療薬として使用されているとのことですが、脳転移例が問題となっているようで、不安を感じています。
1) ホルモン陰性ということで無治療に入るのも不安ですので、ハーセプチン単独(1年)投与をする場合、脳転移が心配です。どのくらいの率で起こるものなのでしょうか? 他の部位の遠隔転移は防げても、脳転移は防げないということなのでしょうか?
2) アンスラサイクリン系の抗がん剤は、HER−2陽性に効くということですが、CEFやタキソールは、脳の微小ガンにも効きますか?

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。 

ハーセプチンに限らず、他の抗癌剤(アントラサイクリンやタキサン系など)で長期間治療してきて、最終的に脳に転移が見られたということは時に経験します。まるで他の部位にいた乳癌細胞が最終的に脳に逃げ込むようにも見られ、これはBBB(Blood Brain Barrier)を薬剤が通過しにくいためと考えられます。(文責 片山) 

 

No.4568】 05年10月29日     S子
両側乳癌について

はじめまして。よろしくお願いいたします。両胸に石灰化があり、右にはしこりがありました。はじめの診断は両側非浸潤癌で、手術は左2回、右3回で断端陰性、両方温存です。1.3cmの腫瘍は細胞診の時はクラス2で、最初の手術で一緒にとりました。病理の結果で右がほんの少し浸潤しているということで、右のみセンチネルを追加でしました。左 非浸潤癌 右 浸潤癌 /腫瘍径1.3cm /硬癌 /ハーツ2 マイナス /ホルモン 陽性 /センチネルで0.3ミリ 微小転移/癌の顔つき 3 /41歳 閉経前 です。治療は EC4回 / 放射線 25回 両胸/両脇 4箇所/現在はリュープリン月一回/フェアンストン 毎日1回 です。まず気になることは、両側乳癌は私の場合どれくら予後が悪いでしょうか? また、非浸潤癌のハーツ2が3点でした。ホルモンは右も強陽性です。非浸潤癌の方がハーツが3で浸潤している方がマイナスは予後に影響があるでしょうか?また微小転移0.3mmと総合して、私の5年/10年生存率を教えていただけないでしょうか?お忙しいところすみません。よろしくお願いいたします。

右側の浸潤癌のほうが予後を引っ張ると思います。HER2は通常浸潤部で判定するので、おそらく右側で見ていると思われますが、記載によれば、その結果がマイナスだったのでは? ホルモン感受性が強陽性では陰性に比べ、またHER2マイナスはプラスに比べて予後が良いことが考えられます。病期Uと考えられるので、5年生存率で90%前後、10年生存率で80%前後期待できると思われます。(文責 片山) 

 

No.4567】 05年10月29日     CE
転移性乳がん(肺転移)について(その2)(HPNo.4454-2)

前回HPNo.4454でお答えを頂いた者です。今回もよろしくお願い致します。10月12日に予約で主治医に幾つか質問しましたので、前回の分に追記させて頂きます。「ホルモン受容体 ER+ PgR+、Her2 +4.3、浸潤性乳がん、硬がん。腫瘍の大きさについて質問したところ、カルテには正確な記述がなく、触視診で2.4×2.4(前回1.5×1.5と記入しましたが)とのこと」

質 問
1) Her2は、0 1+ 2+ 3+の4種類と認識しているのですが、+4.3という事はあるのでしょうか?
2) アリミデックス服用1ヶ月目で、「ハーセプチンはお値段高いですが、どうですか?」との問いについて。アリミデックスで3ヶ月様子を見ると前回言っていたのと、アリミデックスの効果の有無も確かめずに言われたので少々面くらいました。そして、「始めたら一生です」とも言われました。このタイミングは通常なのでしょうか? すぐに始めた方がよいでしょうか? そして一生なのでしょうか?
3) 現在、咳が時々でるのと、10月12日前後に少し血痰が数回でました。10月26日左の耳が音のこもった様な感じになり、それが収まると、今度は頭が重いような、まるでネットを頭に被せている様な感じになったのですが、何が原因と考えられるでしょうか? この症状一つ一つは何を意味しているのでしょうか?
4) アリミデックスを飲み始めた後、少ししてから、最初胸の中央よりやや右寄りが腫れていたのですが、少しずつ右脇のほうへ移動したように感じられ、胸の中央の腫れが少し萎んだ気がします。2〜3日前には、首の右横辺りにコリコリした物を感じ、癌が移動したのかと思いましたが、これは何なのでしょうか?
5) 順序として、アリミデックス⇒アロマシン⇒アレディア、又は、アリミデックス⇒CEF、又はAC・EC⇒ハーセプチン+タキサンとインターネットで読んだのですが、私の現状態からすると、この二種類の流れは全く無視をして、アリミデックス⇒ハーセプチン+タキサン(ハーセプチン単独かどうかは聞いていませんが)がよいのでしょうか?
6) タキソールとタキソテールは、全く別の物なのでしょうか? 効能も全然違うのでしょうか? 別の物だとしたらハーセプチン+何にしたら良いでしょうか?
7) 10月12日の予約検診で、血液を採取し「副作用を調べます」と言われたのですが、それのみの検査で良かったのでしょうか? 標準として・・・。
8) 私の現状態から、2005年10月現在の最新の治療法、及び最新の治療薬というのは存在しているのでしょうか?

幾つも質問してすみません宜しくお願いします。

1)7) HER2はIHC法で0、1+、2+、3+で、2+の場合FISH法で+、−の判定をすることになっています。検査法や結果については納得いくまで主治医にお尋ねください。
2)8)  ハーセプチンはいったん開始して治療効果があった場合、なかなかやめるタイミングがとりづらい薬剤です。現在アリミデックスが奏功している(あるいは少なくとも悪化していない)のであれば、今少し続けてみるのもひとつの選択だと思います。
3)4) 血痰は肺の病巣が関係している可能性はあると思います。そのほかの症状についてはよく分かりません。主治医の先生と相談し、胸部や頭頚部などのCTを含めた検査をしてみるべきかもしれません。
5)6)8) 進行再発乳癌の場合、ひとつのガイドラインとして、ホルモン療法感受性乳がんに対しては1次ホルモン療法→2次ホルモン療法と進み、それが効果をなくした場合、化学療法という流れがあります。アリミデックスが効果なしと判断された場合、ハーセプチンが効きそうな場合はタキサン系(タキソールとタキソテール)との併用は効果のある治療法です。(文責 片山) 

 

No.4566】 05年10月29日     F
乳腺石灰化について

初めてお便りいたします。50歳女性です。子供は、31歳の時、一人生んでいます。先日、定期健診の時に初めてマンモグラフィーを受けたのですが、「右乳房に乳腺石灰化を認めます。一度専門医の診察を受けてください。」と指摘されました。これまでは、触診や超音波で年に一度検診を受けていましたが、一度も再検を指摘されたことはありませんでした。先週、某医科大学付属病院の乳腺外科に行って、写真を診て頂きましたところ、問題ないと思うと言って頂き、触診でも特に問題ないとのことでした。また、検診センターでの指摘では、右乳房との指摘でしたが、こちらの先生は、両方に石灰化があるとのことでした。私は、お産のすぐ後から鬱帯性の乳腺炎に悩まされて、出産後2週間後に急性化膿性乳腺炎を発症したことがあります。2,3日、39度の熱が続き、抗生物質を飲んで治したことがあります。授乳は、1、2ヶ月しかしていないと思います。そんなことも石灰化と何か関係がありますか。専門医の先生は、問題ないと思うとは言って下さいましたが、もう一度、そこの病院で超音波とマンモグラフィーの検査をするよう指示しました。その検査は2週間も先。そしてその結果説明は、さらに12月になってからです。乳腺外科専門外来はどこも非常に混んでいて、なかなか予約のとれない状況のようです。マンモグラフィーの写真について、どこに石灰化があるのか、またどういう根拠から問題ないと思われたのか、もっとしっかり伺っておくべきだったと今頃になって後悔しています。「今は問題ないと思う。」と言われた先生の言葉を信じて再度検査をして、予約の取れた12月まで待つしかないのでしょうか。また、急性化膿性乳腺炎との関係などについて教えて頂ければと思いお便りしました。よろしくお願いします。

お話をうかがう限りではおそらく良性の石灰化像なので、少し間をおいての再検査による経過観察(これも時に診断上重要です)ということだろうと思います。以前の乳腺炎との因果関係は難しいですが、良性の石灰化は分泌型のことが多く、関係がある可能性はあると思います。(文責 片山) 

 

No.4565】 05年10月29日     R子
乳癌検査の結果

72歳の母のことで、相談させてください。9月に母が胸にしこりを発見し、乳腺専門医のいる総合病院でマンモグラフィーをしたら「乳癌」と宣告されたそうです。その後、MRIの画像結果を後日一緒に聞きに行ったら同じ事を言われました。しかし先生が看護師に「細胞診の結果は」と言ったら、「とっていません」と言われました。私が「細胞診をしなくても悪性とMRIででるのでしょうか」と尋ねると、先生は「わかります」とおっしゃいました。画像のみの検査で「癌」と言われ、無知な私は手術の日を設定してしまいました。でもよく調べると「しこり」を調べないと詳しいことはわからないんですよね。再度尋ねると「生検は手術した時に行えばいい」と看護師に言われました。MRI画像ではアーモンド型の白いしこりが浮かび上がっていました。3センチとのことでしたが、一昨年の検査では異常なしだったそうです、急にしこりが成長することもあるのでしょうか?リンパ切除の温存療法と言われましたが、不安で、手術を断って、他の病院にも相談しようか迷っています、画像のみでもわかるものなのでしょうか? お手数ですが、相談にのってください。よろしくお願いします。

マンモグラフィーやMRIの診断率は高く、お話をうかがっていると、お母様の場合乳癌の可能性はかなりあると考えますが、やはりさらに超音波や細胞診の検査を重ねて診断を確定することが一般的だと思います。疑問点は素直に主治医の先生にぶつけて、是非納得いく状態で治療を受けてください。(文責 片山)

 

No.4564】 05年10月29日     N  
ホルモン療法

いつも参考にさせて頂いてます。8月からノルバ、先月からゾラをしてます。先週から胃の具合が悪いのですが、胃に副作用はくるのでしょうか?聞いたことがないのですが・・・。胃薬を一週間飲んで少しましになりましたが、まだげっぷがよくでて、むかむかします。単なる胃が悪いだけでしょうか? 胃カメラは異常なしでした。あと腹部CTとは肝臓だけ見るのでしょうか? 膵臓や腎臓なども見るのですか?(去年手術しましたが、検査で撮ったので肝臓だけかなと?) 回答よろしくお願いします。

ホルモン療法による副作用で、上腹部不快感や食欲不振といった消化器症状はときに経験します。CT検査ではスキャンの範囲にもよりますが、肝臓のレベルで膵臓や腎臓(の一部)は一緒に見えることが多いです。(文責 片山)

 

No.4563】 05年10月29日     FD  
のう胞について

41歳の主婦です。超音波検診にて左胸にのう胞が多数あり、腫りゅうの疑いもあると診断され、精密検査をうけたところ、全てのう胞なので特に心配ないとの診断でした。のう胞が多数(数え切れないとのこと)あること自体が不安なのですが、なぜのう胞はできるのでしょうか。また今後どのようなことに気をつければよいのでしょうか。(のう胞を減らすためにしたほうがよいことなどあれば教えてください)

嚢胞は乳管の閉塞など乳腺の年齢的な変化に伴って起きてくる、診療上最も多くみかける液体が溜まった袋状のしこりです。日常生活上特に気をつけることはありません。今までどおりの生活でよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.4562】 05年10月29日     S.S
右腋下のしこり

はじめまして。私は36歳、既婚、子供一人、現在妊娠6ヶ月の者です。先週、右の腋下に1センチ位のしこりを見つけました。ずっと以前から(いつからかははっきり覚えていませんが、かなり前からあったと思います)、しこりというか、ぽこっとしたものが時々出現しては、気にせずにいるとそのまま無くなったり、また出てきたりということがありました。以前のときは、腋下の毛髪が皮膚の中から上手く出てこなくて、そこを気にしているとぽこっと腫れてくるような感じだったように思うのですが、今回はそのようなことは無く、大きさもちょっと大きめで、ちゃんとしたしこりというか、腫瘤のような感じなので少し心配しています。しこりは指でつかむことが出来、それほど硬くなく、可動性で、痛みは無く、乳頭からの分泌物もありません。鏡に映すと、少しぽこっとしているのが分かります。以前の妊娠中や授乳中には気がつきませんでした。こちらのページを拝見して、副乳というものかなとも考えています。現在妊娠中ですので、主治医にも相談するつもりですが、現在アメリカに住んでいるため、専門的な話になると不自由なことも多いのが実情です。先生のご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。ちなみに、今年の6月に乳がん健診を受け(触診のみ)、問題無しでした。妊娠が分かる2、3週間前だったと思います。

お話をうかがっている限りでは、しこりは腋下に近く、乳腺からは離れているようで、皮下の粉瘤や脂肪腫などの良性の腫瘤が最も考えられると思います。もちろん副乳もありえます。しかしやはり実際に拝見していないのではっきりとは申し上げられません。主治医の先生によく相談してください。(文責 片山)

 

No.4561】 05年10月29日     IH
手術後の治療方法について(HPNo.4354-4)

いつもこのHPの先生方にはお世話になっております。術後の治療についてアドバイスをいただきたく思いメールをさせていただきました。私の病理結果を先に紹介しておくと、「年齢31歳、右乳房全摘、硬癌、腫瘍1.5x1.0、リンパ転移なし、ERマイナス、PGRプラス、グレード2、HER2+1、脈管侵襲は不明」です。術後治療として、ACを4クール3週間毎にした後、ホルモン治療(ゾラ2年+タモキシフェン5年)をやっていくことになっていて、今現在3クールが終わり4クール目を11月5日に行う予定になっております。前から気になっていたのですが、私のホルモン感受性は、ER−、PGR+で、ホルモン治療をするのに効果が弱いと思うので、AC4クールが終わる前に他の先生の意見も聞きたくてセカンドピニオンをしました。すると、セカンドピニオンの先生が言うには、「肝心のERが陰性だからホルモン治療をしても全く効果がないわけでは無いが、治療効果は薄く、やってもやらなくてもそんなに再発率に大差ない」との事でした。私の病理結果から考えると、「そんなに悪くないから別にAC4クールだけでも良いのではないか?」と言われました。
1) 実際、ER−、PGR+の感受性でホルモン治療をしても、やってもやらなくても大差ないくらい治療効果がもてないものでしょうか? やるとどれくらい再発率が下がるものでしょうか?
2) 私の病理結果から考えると、もしAC4クールだけで終わると10年再発率はだいたいどれくらいが予想されますでしょうか?
3) もしホルモン治療以外の治療をするなら、どういった治療が良いでしょうか? ACを6クールにしてもらうとかはどうなのでしょうか?

ばたばたと質問させていただいて申し訳ないのですが、アドバイスを是非いただきたく思い、メールさせていただきました。先生方、お忙しいところすみませんが、お願いします。

INT-0101トライアルでは、CAF(6クール)、CAF+Zoladex(5年間)、CAF+Zoladex(5年間)+TAM(5年間)の3群比較で、Zoladex単独ではなく、TAMを上乗せした群で、再発までの期間を有意に延長させたとあります。ただし生命予後では差は出ていません。また、Zoladexは化学療法にて閉経しなかった、あるいは血中エストラジオールが高く保たれている群では効果があったとされています。(文責 片山)

 

No.4560】 05年10月28日     K.Y. 
マンモグラフィより進んだ技術

7月に受けた健康診断で、マンモグラフィにより「乳腺左右非対称につき要精密検査」という結果がでてしまいました。マンモグラフイの検査はこれで3度目ですが、今回左側が検査の時も、そしてその後もとても痛くて気になっていました。精密検査ということで再び同じ病院を訪れましたが、エコーの結果はなんでもないので、再度マンモをしましょう・・・とのこと。あのときの痛みを思い出すととてもその気になれず、では6ヵ月後には必ずもう一度マンモを受診してください、とのことで帰宅しました。そして先日たまたまTVを見ていましたところ、現在マンモグラフィよりも更に精密な検診ができるX線の器械が開発されてマンモのようにお乳を圧縮することがなく女性にとって朗報・・・とのことでした。そのような機械は現在どこにあるのでしょうか。また、マンモグラフィをどうしても避けたい場合はマンモトープをお願いすることが可能でしょうか。

おそらく、PETやそれとCTを組み合わせたPET-CTのことをおっしゃっているのだと思いますが、今現在は、すでに癌の診断がついている人にしか保健適応がなく、検診については、その精度などについてのエビデンスを含め、ガイドラインを検討中というところだと思います。(文責 片山)

 

No.4559】 05年10月28日     yuki
異型性過形成について

マンモトーム生検で中等度異型の乳管上皮過形成と診断されました。前がん病変ということになるのでしょうか? これからの経過が気になります。たとえば、約何年後に何割くらいの割合で癌化すると考えられるかなど、統計的なことでいいですので教えていただけたらと思います。現在わかっている範囲でいいですので、よろしくお願いいたします。

異型乳管上皮過形成は、それ自体乳腺症のひとつの現われで、良性の乳腺疾患です。前がん状態(癌化する)というよりは、今後要経過観察(例えば6ヵ月後にマンモグラフィーや超音波による画像診断など)というニュアンスだと思います。(文責 片山)

 

No.4558-1】 05年10月28日     EM
肋骨転移

家内の事で御相談したく、宜しくお願い致します。41才、子供なし。7年半前に腫瘍摘出術にて左胸上部より2cm程度の乳癌摘出。リンパは転移が見られない為、切除しなかった。術後は放射線と抗癌剤で約2ヶ月治療。退院後は、ホルモン療法他、治療は一切なし。検査は定期にあり、これまでは問題なし。先日、手術時の約4cmの傷跡から約4〜5cm程度斜め上(体中央部)に3〜4cm程度の丸い膨らみと痛みがあり、検査。骨に再発との医師所見となった。CTで、かなり骨が溶解している様子がわかった様。箇所は、鎖骨の直線上より数センチ下で、おそらく肋骨の上部の様。7年半前の病理結果は、確定的ではないものの、ホルモン受容体が+の物と−の物と2種類あったとの事。あまりタチ悪いガンではないとの事。冷凍保存してあるので、今の技術なら確定的な調査ができるとの事で、再度、調査してもらっている最中です。来週に骨シンチとPET検査。再来週に結果を踏まえ、再受診し、ホルモン療法をする予定。即日、ノルバテックスを約2週間分処方いただいた。
これまで、不勉強だった為、急遽、調べた結果、本人と家族の思い/希望は下記です。
「7年半前の種類と同一のガンと見なす治療に少し違和感がある。以前、本人は抗癌剤が大きな負担にはならなかったので、ホルモン療法より、その他の治療を希望。閉経と子供を諦める事が決定的になることに懸念。肋骨のみの局所再発の希望を再来週の検査結果まで捨てたくない。結果、肋骨のみの浸潤の類であれば、外科的手術により摘出し、7年半前の種類と同一か、あらためて確認してもらった上で、的確な治療方針としてもらいたい。」

■御質問
1) 上記の希望内容に落ち度、抜けてる点はありませんでしょうか?
2) 結果が判るまで約2週間程度あり、その間、処方されたノルバテックスを飲まずに過ごす事に、些か不安があります。2週間飲まないと大きな悪影響でるものでしょうか? 一応、飲んでおいた方がよいものでしょうか?
3) 調べた限りでは、ホルモン療法のファーストチョイスが常識的のようなのですが、抗癌剤治療より優先させる理由はなにかありますでしょうか?
4) 肋骨のみの局所再発であったとしても、抗癌剤治療すれば、年齢も加味すると、いずれにしても子供はあきらめざるを得ないものでしょうか?

長々と大変申し訳ありませんが、御意見を頂戴いたしたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

1)、3) まず、肋骨をはじめとする骨転移(再発)であるのかどうかの診断が難しく、また大切だと思います。初回の治療から年数がたっていますので、諸検査を総合しての判断が必要です。もちろん、乳癌の転移の可能性が最も高いと思いますが、原発性の骨腫瘍、全く別の癌の骨転移、胸骨傍リンパ節転移の肋骨浸潤の可能性など・・・骨シンチなど、これからの検査にて情報が増えれば判断できるかもしれません。場合によってはおっしゃるように外科的生検によって診断を確定する必要があるかもしれません。それにより、治療方針も変わってくると思います。乳癌の再発の場合、ひとつのガイドラインからすると、すぐには生命予後に関わらないとき(例えば小範囲の骨転移)はホルモン感受性のある腫瘍の場合はまず内分泌療法を優先し、効果がなければ2nd、3rd line の内分泌療法、更に効果がない場合に化学療法と進めていきます。治療による危険性や副作用、効果、QOLのバランスを考えたフローチャートだと思います。
2)今の段階でノルバデックスを2週間早く飲むか飲まないかによる変化はないと思います。
4)特にサイクロフォスファマイドを含んだ化学療法の副作用で、閉経状況になってしまうことがあります。(文責 片山)

 

No.4558-2】 05年11月20日     EM
骨転移

先日は御丁寧な回答を誠に有難うございます。一部更新を致しますので、またアドバイスを頂戴したく宜しくお願い致します。先ず、骨転移は肋骨ではなく、CT、シンチにて胸骨の破壊像との事でした(体中央部3cm程度のお餅の様な膨らみを中心に、2〜30cmの広範囲に痛みあり。我慢できない程ではない様)。7年半前の摘出した癌の病理結果は、「ER 1+、PgR 3+、HER2 0」でした。又、先月の骨転移発見後のエコーにて左鎖骨下リンパ節2cmの転移疑い、PETにて左鎖骨上窩リンパ節の転移疑いでした。遠方の病院だった為、地元での主治医を探す為、2箇所の診察にいった結果、
・リンパ転移疑いは、触診では何れも確認できなかった。ただ、1箇所の再エコーでは、左鎖骨下リンパ節1cm位の疑いっぽいものは一応見られたようです。
・治療手段は、いずれもホルモン療法(タモキシフェン+ゾラ)を基本とするとの説明。
・但し、主にアレディアについての治療方針の違いがあった。1箇所では、アレディアもホルモン療法と同時に開始し、それでも痛みがあれば放射線加療。骨の外観の膨らみが直接目視で大きくならなければ、ホルモンとアレディアを一生継続との説明でした。又、もう1箇所では、「痛みがあれば放射線で加療する、3ヶ月以上後に様子確認し、場合によっては、次のホルモンor抗がん剤に変更するかも。アレディアは高価でもあるし、あまり効果が大きいとは考えられないため、基本的には使用しない。」との説明でした。  

私共の考えとして、ホルモン療法を選択するのであれば、許される範囲で、先ずはホルモン療法自体が奏効しているのか確認できた後、骨に限定した治療/予防のアレディア追加にしたいと考えます。現在、骨の溶解具合だけが治療効果を見る指標の為、アレディア、ホルモンの何れが効いているのか判らない状態で、ホルモンを一生継続していく事に懸念を感じます。丁重にその考えについて主治医に伝えようとしましたが、一蹴されてしまい途方にくれている状態なのです。何卒、下記の御意見、アドバイスいただきたく、宜しくお願い致します。

■御質問
1) ホルモン療法のタモキシフェン+ゾラの奏効具合は、7年以上もかけてできた再発ですと進行も遅い為、骨転移箇所の奏効具合を見るには3ヶ月後では不十分なものでしょうか?あまりにホルモン自体の奏効に拘って、重篤な骨関連の予防が後手になる恐れがあれば、最初からアレディアもセットにした方がいい様な気もしています。いかがでしょうか?
2) 今はホルモン(タモキシフェン+ゾラ)+アレディアでスタートして、奏効が顕著に出てからアレディアを一旦やめてホルモン自体の奏効確認するのは、考え方としてあり得ますでしょうか?(骨はアレディアで良いが、臓器はホルモンでいいのだろうかと、日々不安が募りそうなのです。)
3) 治療効果を確認するのに、外から目視で患部の直径が小さくなったor変わらないから奏効と判断する手法は、この場合あり得る方法なのでしょうか?身体の肉付きが数ヶ月で変化しただけで、変わりそうな気がします。(CT等の画像で正確に比較してもらいたいのですが、他院で撮った物で少し小さく、見難いようです。被爆もあるから必要以上に撮らない方がいいとの談を受け、困惑しているのです。)
 
何卒、宜しくお願い致します。

1) 効果判定は3ヶ月後でも十分と思います。胸骨の破壊像もあるので、重篤な骨関連の予防を考え、最初からアレディアもセットにした方がいいように思います。
2) 今はホルモン(タモキシフェン+ゾラ)+アレディアでスタートして、奏効が顕著に出てからアレディアを一旦やめてホルモン自体の奏効確認するのは、考え方としてあり得ます。
3) 治療効果を確認するのに、外から目視で患部の大きさを基準として治療効果を判断する方法もありまし、実際行っています。(文責 石川) 

 

No.4557】 05年10月27日     R・Y
乳汁分泌について

43歳、出産経験は2回です。母乳はよく出ましたが、2人目出産後、一度乳腺炎になったことがあります。今年8月初めに左胸から黄色っぽい透明の分泌があることに気づき、「乳腺クリニック」の科目のある外科の個人病院に行きました。潜血がかなりあり、マンモグラフィーとエコー検査をし、その後、(その時には、にごった緑色っぽくなっていた)分泌物の検査(マンモなんとかだったのですが・・)、次に乳管造影をしました。10月初め結果が出て、「はっきりわからなかった。あとは手術で検査をするか、様子をみるか、その人の性格によるな・・・」と言われました。現在、分泌物はやはり緑色で、絞ってやっと出てくる程度です。先生の話振りから、様子をみるしかないのかとも思うのですが、不安だけが残っています。是非、アドバイスお願い致します。 

乳汁分泌に関して一応の検査をして悪性の可能性が低ければ経過観察となります。しかし乳汁分泌は時として生活に支障をきたす場合もありますから、その際は腺葉切除(乳汁分泌のある乳管の領域の乳腺組織を切除)も検討されてはいかがでしょうか。(文責 比嘉)

 

No.4556】 05年10月27日     O.N. 
ノルバの内服について

去年5月に温存療法を受けました。転移はなかったので、放射線療法を受け、ノルバを服用して一年になります。ずっと生理がありましたが、先月1年2ヶ月ではじめて生理がない月を迎えました。 生理がとまって当たり前だという先生もいれば、45歳という年齢では止まらないと言う先生もいらっしゃいます。このところ周期は21日から42日と、ばらばらでした。生理は、とまってしまうのがいいのでしょうか?(ゾラの使用は考えていないと言われています。) また、生理がない状態ということは、排卵はないということでしょうか?

ノルバデックス内服で生理不順はよくみる症状です。しかしこの薬剤で閉経に至ることはないと言われています。ただ乳癌になる患者様は閉経に近い年齢が多く、いつのまにか閉経に移行してしまっている事も多いようです。乳癌の治療の観点からみれば、生理が止まる状態の方が治療効果は高いと考えられます。(追記:生理がないのであれば排卵はしていないと思います)(文責 比嘉)

 

No.4555】 05年10月27日     K.Y.
乳癌の転移でしょうか?

細胞診をした後、乳腺に腫れができてチクチク痛みがある状態がもう1ヶ月以上経ちます。エコーと触診では腋下リンパは異常ないと他の病院では言われていました。粘液貯留のう胞を手術でとる予定になっており、手術に際してのCTの結果を見て、先日腋に転移の可能性があると言われました。痛みだけではなく、少し前まではなかった腋のリンパの腫れがここ1週間前からありました。1ヶ月ほどで腋に転移するものでしょうか。細胞診では疑陽性という結果で、手術までに2ヶ月ほど検査などでストレスが罹っていて、その間に転移したのでしょうか。宜しくお願いします。

乳癌が1ヶ月ほどで腋に転移するかとの質問ですが、乳癌がいつの時点で転移するかはわかっていませんので明確にお答えすることはできません。今回まず転移かどうか以前に、生検の結果で乳癌かどうかが大切となります。(文責 比嘉)

 

No.4554】 05年10月27日     S.K.
腫瘍マ−カ−について(2)(HPNo.4449-2

ご返事ありがとうございました。やはり今からでもすべての検査を実施していったほうがいいですか? 先日、乳房再建の方の先生に聞きに行きました。結果としては、しばらく様子を見たほうがいいのでは?ということになりました。「今回いろいろ検査し遠隔転移がもし見つかっても、数年たってから見つかっても治療内容は変わらない(結局抗がん剤をしていかないといけない)。確かに腫瘍マーカーの数字が上がりましたが、そんなに気にするほどまでの数字ではない。」と、話がありました。毎日の生活の中で、びくびくしながら日々生活していくのは大変です。気が参ってしまいます。主治医に話をしても結構あいまいな話をしますので、妻が不安になります。そんな場合どうしたらいいでしょうか? 又、PET検査などして最悪遠隔転移などあった場合、治療内容としてはどの様な治療がありますか? 通常ですと抗がん剤治療が普通だと思っていますが・・・。大変申し訳ござませんが、再度教えてください。

「心配で気が参りそう!」とのお気持ちが書かれていましたが、やはり主治医に気持ちを伝え、検査を希望されたら良いのではないでしょうか(検査で何もなければ少しでも安心できると)。PETも再発チェックには有効な検査の一つですので、検討するのも良いかと思います。もし転移が見つかってしまった場合は、やはり化学療法(タキサン系、ハーセプチンなど)が中心の治療になります。(文責 比嘉)

 

No.4553】 05年10月27日     F.Y.
術後 CEAの増加

55歳の女性です。今年4月27日に、25年以上左胸にあったしこりを摘出して細胞検査をしたところ、癌と診断されました。6月10日に部分切除をして、センチネル生検をしました。ガン細胞のグレードはI、センチネル生検の結果は(−)でした。5週間の放射線照射を受け、5年間アリミデックスを1日1錠服用することになっています。手術(6月10日)前のCEA値は5.5でした。術後3か月で、その値が下がる事を期待していたのですが、8.0に上がっていました。この数値については、どのような事が考えられるでしょうか。

腫瘍マーカーは増加すると心配になる気持ちはよくわかります。しかし腫瘍マーカーの増加が必ずしも転移とは言えない場合もあります。腫瘍マーカーが今回のように上昇が緩やかであれば、もう少し経過をみても良いかと思います(転移が明らかでなくても、若干の数値増加は認めることも珍しくありません)。もちろん現時点で骨、肺、肝への転移がないか検査をしてみることも大切です。画像上転移が明らかでない場合は経過観察となりますが、今後も腫瘍マーカーの増加があれば消化器、甲状腺、婦人科系の検診が必要となりますので、主治医と良く相談されてはいかがでしょうか。(文責 比嘉)

 

No.4552】 05年10月27日     S.N
骨への転移

32歳、3人の子供を持つ母親です。1年前に右乳癌と診断され、温存手術、抗がん剤、放射線治療をへて、今ホルモン治療を行っております。この夏に、1年検査として骨シンチとCT検査を行ないました。結果、骨シンチに所見あり、CT検査には異常なしとのことでした。この場合、転移の可能性が低いということなのでしょうか? 担当医の先生と私はコミニケーションがとりづらく、自分のことながら踏み込んで聞けないのです。この相談室に載せていただいて、皆様のご意見などが伺えましたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。   

骨シンチは、全身の骨をチェックする際に、被爆を少なくするための骨転移スクリーニングとして利用されています。骨シンチに所見として出てくる場合、乳癌の骨転移もあれば、整形外科的な病変の事もあります。従って、骨シンチに所見がある場合は、骨転移の可能性もありますので、更に、CT、MRI、X線撮影等で骨シンチで所見のある部位を精査して調べる事になります。ご自分の身体の事ですから、「踏み込んで聞けない」などと言う事ではなく、主治医から充分な説明をお聞きになる必要があります。今後の治療方針も含めて、ご相談下さい。(文責 須田) 

 

No.4551】 05年10月27日     S.O.
抗癌剤の選択

抗癌剤について教えて頂きたく、初めて書き込みさせていただきます。昨年8月に左乳腺腫瘍にて摘出手術を受けました。その際の診断は浸潤性乳管癌、組織型は充実腺管癌、ステージ2a、ホルモンレセプター全て(−)、HER2(−)、レベル3でした。手術時にはリンパ節郭清も行い、7個取りましたが転移はありませんでした。その後9月から放射線治療を2グレイ×25回行い、10月下旬よりタキソールの抗癌剤治療を1クール2回×6の計6クール12回行いました。しかし、今年8月に右胸と肝臓に転移が見つかり、9月に2箇所同時に手術を受けました。肝臓の腫瘍は約4センチのものと5ミリ程のもの、右胸の腫瘍は5ミリ程で、周りの組織に癌細胞が認められた為摘出しました。リンパ節郭清は18個、全て転移無しです。今回もレベルは3、ホルモンレセプターは全て(−)、HER2(−)でした。今後の主治医の治療方針は、右胸に関しては今回は全身治療を優先するという判断で放射線治療は行わず、すぐに抗癌剤の治療を行うとの事です。
ここで伺いたいのが、抗癌剤は何を使用するのが適当か?ということです。前回のタキソールが終了したのが4月、転移が見つかったのが8月、全く効いていなかったということです。今回、主治医はそれを踏まえた上で、タキソテールの6クール12回を提示されました。アドリアマイシンも考えられたそうですが、主治医の中では、今は2番手・3番手の薬という考えがあるらしく、タキソテールでとの事です。タキソールとタキソテールは同じタキサン系でも違う薬だとは思いますが、素人考えではタキソールが全然効かなかったのに、またタキサン系の薬を使うのはどうなのか?という疑問があります。また、再発したら・・・と思うと、やはり専門のほかの方のご意見が聞きたく、このサイトを見つけ、書き込みさせていただいている次第です。1回目の予定は来週月曜日です。なお、主治医は乳腺専門で、病院も乳腺専門施設だったため、今回の手術は主治医紹介の別の病院で行い、今後の治療は主治医が行うことになっています。長くなってしまい申し訳ありませんが、何卒アドバイス・ご意見のほど、よろしくお願いいたします。

転移再発乳癌に対しての二次化学療法についてですが、一次療法で効果が得られなかった場合、その後の治療(二次化学療法)における奏効率は20〜30%で、二次以降の化学療法でも、充分な効果が期待できます。一次化学療法として使用されたアンスラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン等)、又はタキサン系薬剤(タキソール、タキソテール)のうち、使用されなかったどちらかの薬剤が二次化学療法として推奨されます。貴女の場合、タキサン系を使っていますので、基本的にはアンスラサイクリン系薬剤の使用が推奨されますが、主治医と充分ご相談の上、今後の治療方針を決定してください。病気と前向きに取り組むためにも、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4550】 05年10月27日     Y 
マンモグラフィーで石灰化診断

こんにちは。はじめまして。先日、健康診断でマンモグラフィーで検査を行ったところ、石灰化が認められました。私はレックリングハウゼンを患っており、診察した先生はその影響も考えられるとおっしゃいました。しかし、カルテに「カテゴリー4」と書かれており、紹介状を頂きました。カテゴリー4というのは、乳がんの可能性が高いということでしょうか? 週末なので、紹介状を持って病院で受診することもできず、不安が募るばかりです。もし、乳がんの可能性が分かっているのなら、覚悟をして精密検査を受けることが出来ると思います。どんな些細な情報でも構いません。メールをいただければ幸いです。

「カテゴリー4」の場合、乳癌に典型的な形態ではないが、悪性の可能性が高い病変で、細胞診や生検を含めた精査が必要です。「カテゴリー4」の方々を精査した結果、およそ40%が乳癌であったとの報告があります。貴女の場合も、癌でない事を確認する意味からも精密検査を受ける事をお勧めいたします。また、仮に癌であったとしても、現状をしっかり把握して、治療に臨むことが大切になってきます。(文責 須田)

 

No.4549-1】 05年10月27日     A.D. 
左胸のしこりについて

はじめまして。30歳既婚・出産経験なしです。10月初めに左胸が石のように硬いと感じ、触ってみるとしこりがありました。元々陥没乳頭でしたし、プロラクチンの値が少し高い為テルロンを飲み始めていましたので、「乳腺が腫れてるのかな?すぐ治るのかな?」と勝手に思い、あまり気にしていませんでした(鈍痛のようなものは時々ありました)。2週間経ってもそのままのしこりなので、心配になって先週乳腺外科に行き、診察していただきました。その時妊娠希望で生理後3週目だったためマンモはせず超音波だけで見ると、やはり3センチのしこりが乳頭付近にありました。医師は、「超音波だけではよくわからないので、生理が来るのを待って、生理が来たらマンモグフィーと細胞を取って調べてみましょう」との事でした。生理が来るまで待つという形になってしまったので、不安な日々を送っています。しこりは乳頭のすぐ左隣あたりにあり、表面はなめらかで触ると動きますが、硬いです。
1) 生理が来るかどうかわからないし、ずれ込む可能性もあるのに、待っていても大丈夫なのでしょうか? ちなみに生理予定日は2日後(10/24)です。
2) 1年前の春に人間ドッグで米粒大のしこりが両胸外側に見つかり、超音波で見てもらうと乳腺線維腺腫とのことで、定期観察でOKとのことでした。1年後の今年6月に定期検査で見てもらうと、「大きさにも変化がなく、他にも異常がない」と言って貰っていたので安心していました。以上のこともあって、今のこのしこりは自分にとって本当に突然出来たという感じです。6月になかったしこりが4ヶ月で急に大きくなるということはあるのでしょうか? その場合がんの可能性が高いのでしょうか?(人間ドッグ、定期検査は日本で行いましたが、現在シンガポール在住で、今回はシンガポールの病院で見てもらっています)

医師は今の時点では何も言えないと言って、全く何も教えてくれなくて、かなり不安です。私の説明だけでは分かりづらいと思いますが、今の私の考えられる状態、助言などございましたら、よろしくお願いいたします。

乳頭付近に3cmの腫瘤があるとの事ですが、それ以外の所見が分かりませんので、情報不足で、お答えする事ができません。妊娠の可能性があるとの事、胎児の事も考え、マンモグラフィーを避けるのは当然ですが、細胞診の診断に困難が伴う可能性があるかもしれませんが、細胞診を行ってみても良いのではないかと思います。不安を取り除く為にも、現在の状況を把握する必要がありますので、主治医と充分ご相談下さい。(文責 須田)

No.4549-2】 05年10月29日     A.D. 
左胸のしこりについて(2)

HPNo.4549でお伺いしましたA.Dです。ご回答ありがとうございました。後日乳がんと診断されましたので、また質問させてください。23日に生理が来ましたので、すぐにマンモグラフィーと針生検をしたところ乳がんと判明しました。英語だったのではっきりとはわからなかったのですが、浸潤がんのおそらくステージ2だろうとのことでした。触診で見る限りリンパなどにしこりはなさそうだけど、おそらく転移もあるのではないかとのことです。マンモグラフィーにも微細な石灰化が広範囲に見られるようでした。進行が早いがんのようだと言われ、できれば2,3週間のうちに治療(手術)が必要とのことでした。すぐ日本に戻り大きな病院で見てもらったところ同じような診断でしたが、その病院で手術するには1ヶ月半ほど待たなければいけないとのことです。進行の早いがんの場合、1ヵ月半も待つとその間に転移など進んでいってしまうのでしょうか? その病院は手術件数も多く、名医といわれる先生もいらっしゃるので、できればそこでと思っているのですが、やはりすぐに手術してくれるところを紹介していただいた方がいいのでしょうか?よろしくお願いします。

初診から診断、手術を含めた治療法の決定、術前の諸検査、そして何より主治医とのコミュニケーションをとって治療法に納得し、心と体の準備が整うのに通常数週間を要すると思います。1ヶ月半で転移が進んでしまうことはまずありませんから、落ち着いて充分準備して治療に向かわれて下さい。(文責 片山) 

 

 

No.4548】 05年10月27日     K 
超音波検査

検診マンモグラフィーで右胸の石灰化がみつかり(カテゴリー4)、現在再検査中です(33歳)。今日は触診・超音波を撮りました。触診ではしこりは分からず。石灰化の形状は円形で良性に見えるが、広がりが三角形っぽいのが気になる。エコーで石灰化の辺りに厚みの無い楕円形の腫瘍(?)がある。5cmくらいの大きさ。黒くはっきり写っていない(グレーな感じ)(厚みがある円形の腫瘍で、黒くはっきり写るものは癌の可能性が高いと言われました)。左胸も超音波したが、触診・マンモではふれない腫瘍(?)が二つある。形は厚みの無い楕円形。これも黒くはっきり写らない。
以上の見解が出て、来週エコーを見ながら細胞を取ってみることになりました。結果はさらに1週間後です。先生曰く、「良性・悪性5分5分?ちょっと良性気味?」と。悪性であっても非浸潤だろうとおっしゃっていました。細胞を取ってみないと分からないということは分かっていますが、先生はどう思われますか? 非浸潤癌の形状はどのようなものが多いのでしょうか? 良性腫瘍にも石灰化がつくことはあるのでしょうか? お忙しいと思いますが、何卒ご回答願います。

マンモグラフィーで、他に所見がなく、微小円形・区域性(広がりが三角形)だけであるとすれば、カテゴリー4という事になりますが、カテゴリー4の石灰化を生検して癌が見つかる割合は約40%という報告があります。従ってDrは、「良性・悪性5分5分?ちょっと良性気味?」と表現なさったのではないでしょうか。もし仮に乳癌であったとしても、すぐに進行するわけではありませんので、結果を待って、納得のいく治療を受けて下さい。
非浸潤癌は、腫瘤を触知しない石灰化像で見つかる癌や血性乳頭分泌で見つかる癌に多く存在します。従って、しこりを触知しないので、形状を表現する事はできません。良性の腫瘍(こぶ)では、ほとんどこのような石灰化はありませんが、瘤を作らない病変(良性の病変)の場合に存在します。(文責 須田)

 

No.4547】 05年10月27日     H.K. 
乳腺症

現在25歳、未婚の女性です。今年5月頃に右胸にしこりを見つけ、7月に乳腺科のある病院に行き細胞診を行いました。必要な成分が検出されなかったということで、8月に針生検を行いました。その結果、典型的な乳腺症だとの診断を受けました。その時は癌でなかったことに安心したのですが、針生検の検査中に先生がエコーを見ながら「こういうのは見たことがない。もし、線維腺腫ならこういうタイプもあったんだと、こちらも勉強になります」と不安になることを仰っていたのと、インターネットで乳腺症を調べると30代−50代に多いと書かれていたので、たまに胸に軽い痛みがあると本当に乳腺症なのかなと不安になります。20代でも乳腺症になる人は結構いるのでしょうか? 乳腺症の場合、普段の生活で何か気をつけると良いことなどはあるのでしょうか? いくつもの質問、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

一般に「乳腺が固い」という症状がある場合、臨床的に「乳腺症」と呼んでいます。例えば、「かぜ」の場合、原因がウイルスであろうと、肺炎を起こす細菌であろうと、「かぜ」の症状(咳・微熱など)があれば、臨床的には「かぜ」であると診断します。臨床的に「乳腺症」と使う場合も、それと同様です。
また、固い部分の乳腺組織を採取して顕微鏡で見ると、乳管過形成・小葉過形成・腺症等の増殖性の変化と退行性の変化とが共存する多彩な病変が様々な割合で存在しますが、その病変を病理学的な「乳腺症」と言います。貴女の場合は、病理学的な乳腺症であると言われているのです。増殖性の変化と退行性の変化とが共存しているのですが、特に珍しいわけではありません。
普段の生活で特に気をつけることはありませんが、他の病変がない事を確認する意味で、乳腺外来で定期的にフォローしてもらうほうが良いでしょう。(文責 須田)

 

No.4546】 05年10月26日     T.O. 
カテゴリー4について

妻は47歳主婦です。石灰化が広範囲にあり、半年ごとにマンモグラフィーの検査を受けるよう指導されていましたが、伯母と母の乳癌で付き添いの為、3年程検査を受けていませんでした。母は乳癌が原因で亡くなり、3年間受診しなかった自身の検査を6月4日(検診車によるマンモグラフィー)に受けたところ異常なしでした。その3ヵ月後の9月にドックの超音波診断にて右乳房に乳腺のう胞と腫瘍及び乳管拡張症と診断され、自分でもしこりが確認できました。精密検査受診の為、予約をしたのですが、ようやく10月に乳腺外来でマンモグラフィーの検査を受けところ、結果はカテゴリー4(1.5cm)の非浸潤癌と思われるとの判断でした。主治医の先生に判断をして頂いた結果、癌だと思ってくださいと言われました。順番待ち等の都合で、早くて来年1月末(3ヵ月後)にマンモトーム生険(ステレオバ)を受けます。結果と診察は2月初旬ですが、最悪入院治療になったとしても、また一ヶ月待ちの状況です。両乳房が同じカテゴリー4なので、数ヶ月を費やすとのことでした。母もドック検査で異常なし!でしたが、本人がしこりを見つけ、ドックの3ヵ月後に受診したところ、急を要し3日後に手術を行ったのですが、リンパに転移しておりで除去しきれず、その後全身転移で4年後に亡くなりました。体質は似ると言われていますので、生険だけでも早々に実施してくれる病院を捜した方が良いのか?3ヶ月間待っている間に浸潤癌に進行する恐れが無いのか、不安な毎日を送っています(今回受診した医師は、県内屈指の名医といわれており、予約が殺到しています)。予約したとおり、先生を信頼し待つべきか否か、ご相談申し上げます。マンモト−ム検査を急ぎ、他の病院も今回の主治医に相談するべきか? 尚、マンモグラフィーの検査は何度も受けても身体には悪影響はないものでしょうか?

画像を拝見していないのではっきりしたことは申し上げられませんが、おそらくマンモグラフィー上微小石灰化が見られ、非浸潤癌が疑われてマンモトーム生検の予定ということだと思います。もしも非浸潤癌であれば数ヶ月あるいは数年間も乳管内にとどまって浸潤しないものもあるといわれ、そうならば急ぐ必要はないわけですが、最終的には取ってみないと分からないというジレンマもあります(一部が浸潤癌の可能性もあるし、逆に良性の乳腺症の可能性もある)。数ヶ月心配して待つのがストレスならば、先生に素直に気持ちをぶつけて、近隣でもう少し早く生検してもらえる病院を紹介していただくというのもひとつかと思います。診断上必要があればマンモグラフィー検査の回数がある程度増えてしまうのは、この場合ありうると思います。(1回のマンモグラフィー検査で受ける被爆量は東京からニューヨークまで飛行機で飛んだときに自然界から受ける放射線量くらいといわれています)。(文責 片山)

 

No.4545】 05年10月26日     M.A. 
乳汁分泌について

32歳独身、出産経験無です。先日両胸から乳汁(最初の5日ぐらいは自然に服が濡れるくらい出、その後は絞れば出るくらいで、一週間ぐらいで出なくなりました)が出て来ましたので、外科にかかった所、高プロラクチン血症と言われました。念のために胸のエコーも撮った所、左胸に7mmと3mmののう腫があると言われました。自然に消失する事もあるし、稀にガン化する事もあると言う事で、しばらくは経過観察みたいなのですが…。(無知なので)こののう腫について詳しく教えて頂けないでしょうか?また今現時点でできる完治させる治療法があれば教えて下さい。

嚢腫(嚢胞)は乳管のつまりや、乳腺症による乳腺の生理的な変化に伴って起こる現象で、薄い膜で被われた袋の中に液体が貯留します。エコーや穿刺吸引細胞診などで、内容が血液の場合は悪性の可能性もあり要注意ですが、たいていは透明な液体で良性の事が多いです。(文責 片山)

 

No.4544】 05年10月26日     S.A
喉の痛み、口腔内の違和感について(HPNo.4350-2)

前回HPNo.4350でご相談させていただいたものです。現在AC療法中です。もうじき2回目の注射をひかえております。現在の母の症状で気になる点がありますので、再度、こちらでご相談させていただきたいと思います。8月末の放射線治療開始より(10月頭に終了)、喉の痛み、口腔内の違和感(舌の両端のぴりぴり感、赤み)が現在までずっと続いています。当初、放射線科医に症状を述べても放射線による副作用ではないとの回答。あまりに長く症状が続くので、先日耳鼻咽喉科にて相談したところ、おそらく放射線での副作用ではないかとの診断。現時点で舌癌等の心配はないとのことでした。とりあえず、一安心したものの、やはり不安をぬぐえません。
1) 胸部への放射線で喉や口腔内の痛み等は発生するものでしょうか。
2) 放射線の副作用の場合、時間とともに改善しますか。
3) 副作用でない場合は、どのような状態が考えられますか。再度、検査の必要があるでしょうか。
4) このような状況で、抗癌剤治療を進めても大丈夫でしょうか。
 
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願い致します。

1) 温存された乳房への放射線照射ですので、照射野からはおそらく外れており、今回の口腔内の痛みなどは、おそらく抗癌剤の副作用の可能性のほうが高いと考えます。
2) どちらにしても時間とともに改善していくと思われます。
3)4) 症状がこれ以上悪化しなければ治療を続けながら様子を見て、終了後も症状があるようならば再度耳鼻咽喉科での検査も考慮されると思います。また中途で症状がさらに悪化するようであれば、休薬や薬剤の減量、治療の中断、中止なども考えねばならなくなる可能性もあります。(文責 片山)

 

No.4543】 05年10月26日     R.U. 
授乳について

はじめまして、私は現在36歳、7年前(29歳)に左乳房にしこりがあり、乳癌という診断でした。外科手術を行いました。乳癌(ステージ1)温存療法で、その後放射線治療を行い、幸い再発もなく現在に至ってます。5年経過後より子供が欲しく主人と相談して一度の流産を乗り越え、やっとの事で妊娠し、昨日(2005.10.22)待望の長男が誕生しました。授乳の件について下記の内容を教えて下さい。

1) 乳癌手術後に授乳した場合の再発のリスク(ホルモンの過剰な分泌)
2) 健側に2年ほど前より要観察のしこりがある為、授乳する事で乳腺が発達すことでの再発のリスク及びエコー等の検査で発見しづらくなる事リスク
3) 患側の乳腺が残っている(乳首より下側)為、乳腺が発達し乳汁分泌されているが、傷の痛み等で、患側は授乳しない予定それを出さないことで患側の乳腺炎のリスク
4) 3番の質問の少し重なりますが、万一授乳させない場合、強制的に健側or患側の正常な部分の乳汁分泌を抑える事での乳癌再発若しくは乳腺炎リスク
5) 授乳することと、断乳することどちらがホルモンの分泌が過剰になりますか?
6) そのホルモンは乳癌再発に影響がありますか

今日の段階では、ミルクで育てようと思っておりますが、「授乳する事」と「断乳」する事と、どちらが再発リスクが上がるのかすごく悩んでおります。授乳すのであれば即乳首を吸わせるように産科の看護士の方に言われております。申し訳ありませんが、是非早いアドバイスの程宜しくお願い致します。

1) 術後5年が経過したこの時期の授乳による再発のリスクに関してのデータはないと思いますが、ひとつにステージTの乳癌術後5年が経過しており、再発のリスクもだいぶ低下しているとは考えられ、授乳によってそれが上昇することは考えにくいと思います。
2) 乳腺が張った状態でマンモグラフィーやエコーの検査が見えづらくなることはあります。
3)4) 乳腺炎のリスクは上がると思いますが、乳癌再発のリスクを上げることはないと考えます。
5)6) 乳汁分泌に際してはプロラクチンというホルモンが関わりますが、これ自体が再発リスクを上げるということは無いと考えます。ただ、エストロジェンをはじめとした他のホルモンとも動態が複雑に絡み合っており、その辺の機序にはまだ分かっていないことも多いと思います。(文責 片山)

 

No.4542】 05年10月24日     H.K. 
ノルバデックスと生理不順

はじめまして、妻が乳がんで、7月温存手術でしこりを取りました。その後1日1錠ノルバテックスを飲んでおります。今まで正常に生理が来ていたとのことですが、今回生理が3週間ほど遅れており、未だ来ておりません。そのまま様子を見ていていいものか、すぐに病院に行ったほうがいいか、心配しております。このような症状は薬が原因でしょうか。よろしければ回答をお願いします。

奥様の年齢が判りませんが、閉経前でノルバデックスを内服した場合、生理が不順になることは薬理作用からいってもあり得ることで、実際に不順になる方は多いです。妊娠の可能性がないのであれば心配はありません。次回受診時に主治医の先生に確認されたら良いと思います。奥様がノルバデックスの副作用の更年期障害に悩んでおられることと思います。ご主人のサポートが必要です。(文責 清水)

 

No.4541】 05年10月24日     S.S
タキソールの投与間隔について(HPNo.4332-2) 

以前、HPNo.4332「化学療法(CEF)について」で質問しました際にはお世話になりました。その時お伝えしました病理の詳細がわかりましたので、改めて質問させていただきます。病理:ステージT(しこり1.5cm×1.5cm×1.0cm)に変更。リンパ管浸襲(+1)血管浸襲(+1)ホルモン受容体(−)HER−2(+3)リンパ節転移なし(0/3)放射線療法25回+追加8回後、11月から化学療法を予定しています。CEF4クールの後、タキソール+ハーセプチン(4クール)と考えています。ハーセプチンは毎週投与となりますが、タキソールついては、3週間間隔投与という選択と1週間間隔投与という選択があるようです。主治医は、3週間間隔投与を勧めているようです。ハーセプチンの補助療法についての結果は出ていないのだと思いますが、「タキソール(パクリタキセル)を3週間間隔で投与する日本の標準治療に対し、量を減らして1週間間隔で投与する方が奏功率(がんが半分以下に縮小し、1カ月以上継続)が倍近くアップすることも、ASCOで報告された。」という記事を見つけました。
1) これから主治医に相談するにあたり、3週間間隔投与と1週間間隔投与と、どちらをお願いしたら良いか悩んでいます。この記事を読むかぎり、1週間間隔投与が優れていると思わざるを得ません。どちらが良いのでしょうか?
2) HER−2が高い場合は、CEFなどの抗がん剤は効きにくいということを噂で聞きました。本当にHER−2陽性患者は、抗がん剤が効きにくいのですか? CEFを受けずに、タキソール+ハーセプチンだけという選択もあるのでしょうか。
3) この化学療法終了後に無治療になることが不安です。ハーセプチンを単独投与し続けるというのはどうですか? ハーセプチンの耐性についても気になります。

どうぞよろしくお願いします。

1) タキソールを3週間に一回投与する方法(3週法)と 、一回の量を1/3にして毎週投与する方法(毎週法)の比較はいくつか行われ、結論から言うと効果はほぼ同じ(やや毎週法の方が良さそうだが、統計的な有意差はない)で、副作用は毎週法が少ないという結論で、日本では毎週法が好まれます。米国のように飛行機で通院するような大きながんセンターでは3週法が主流です。あなたの通っている病院も相当外来化学療法の患者さんの数が多いのではないでしょうか?可能であれば毎週法をお勧めします。
2) Her2が陽性の場合、CMFは効きにくいのですが、CEF、ACといったアンスラサイクリン系の抗がん剤は効きやすいのです。
3)乳癌術後補助療法におけるハーセプチンの有用性が高いこと(再発が半分になる!)が今年のASCOで報告され、10月20日号のNew England Journal of Medicineに論文が掲載されました。その報告によるハーセプチンの使い方は、AC(CEFでも同じと考えてください)4コースの後で、タキソール(パクリタキセル)とハーセプチンを同時に投与開始して、タキソールは12週、ハーセプチンは一年間投与するという方法でした。ですから、タキソール終了後40週ハーセプチンを続けるというのが現時点でのevidenceです。ただし,高価なこと、毎週点滴に通わなければいけないことなど、厳しいところも有ります。(文責 清水)

 

No.4540】 05年10月24日     J.N
乳癌の疑いについて

母の乳癌について質問させていただきたく思います。51歳、子供2人。15年前に乳癌で右胸全摘しております。今年になって、市の検査で左胸のしこりも精密検査が必要ということで病院にて検査中です。前回の癌も、今回のしこりも、本人曰く、27年前に子供を産んだ時からずっと有るものらしいのです。今回は病院での検査で、エコーでは全く何も写らず、その後、MRI検査では異常があると言われたそうです。「乳腺がひらいている??」みたいなことで(すみません、なんだかよく覚えてなくて・・・・)、「この歳で乳腺がひらいているのもおかしいし、手術して取っちゃうか?」と、いきなり軽く先生に言われたそうなのですが、母は納得できず、まだ手術はしていません。「エコーで癌がどこにあるかわからないのを取るわけだから、ガバッとそのあたりを手術でとることになり、乳房温存は難しい」とも言われたそうです。今PETとかいう検査をしていて結果待ちのようなのですが、これで癌と確定したら、摘出手術を受けるべきなのでしょうか? 先生に、「あなたの場合は、他の人よりも大きく切除することになる」とも言われているようで、すでに片胸がない母には、なんだか可愛そうです。私や父は、ちゃんと乳腺外来のある病院で検査してもらったほうがいいと思うのですが、田舎なため、少し遠いのが難点です。今通ってる病院は、前回手術をしてもらった病院で、外科です。ころころ先生が変わり、当時の先生はもういないのです。なんだかまとまりのない文章で申し訳ありません。母が癌である確率は高いと思われますか? 手術を受けるべきなんでしょうか? 手術となった場合、癌の場所を特定して、乳房を温存させることは可能でしょうか? 今からでも、乳腺外科のある病院に通いなおしたほうがよいのでしょうか? 今から通いなおしたりしていたら、手遅れになったりするのでしょうか? ちなみに、今の病院には検査のため2ヶ月ほど通っているようです。不躾に質問攻めにして申し訳ありませんが、どうか御回答よろしくお願いします。

MRIの異常だけで手術をする病院はないと思いますし、万が一PETで異常があった(PETで癌が確定することはありません)としても場所が同定できず、細胞検査もせずに手術をすることは常識的にはありえません。手術をするときは最低限でも、細胞診でがん細胞を確認するか、組織検査でがん組織を確認してからです。MRIやPETは、癌と診断がついたあとで広がり診断のためにMRIを行ったり、全身転移の検索のためにPETを使うのが普通で、乳癌の診断のためには使わない検査です。又聞きの情報ですから何とも言えませんが、乳癌の診断にMRIやPETを優先して行う病院であるというお話を伺った限りではセカンドオピニオンをお勧めします。可能であれば、あなたが一度お母さんに同行して主治医の先生のお話を一緒に聞かれてはいかがでしょうか。きちんとした診断をしてもらうためであれば、多少時間がかかることはやむを得ないと思います。(文責 清水)

 

No.4539】 05年10月24日     AB 
髄様癌

33歳の主婦、2人の子どもがいます。先日、右胸にしこりがあり、外科を受診。しこりは右胸だけでなく、右脇にも3つあると言われました。そして一週間後、乳ガンとの告知を受けました。先生の説明によると、まれなガンで「髄様癌」だということです。細胞診検査報告書のコピーをもらいました。腫瘍の大きさは、1.5cm×2.5cm。まず抗ガン剤で腫瘍を小さくしてから手術をしたい、という先生のお話でしたので、 納得し、これから治療前の検査が始まります。お聞きしたい点がいくつかあるので教えて下さい。
1) 髄様癌の性質について教えて下さい。本やインターネットでもあまり情報を得ることができませんでした。検査報告書には、「懐死を背景に伴い、大型で異形の強い入管上皮を小集塊〜弧在性に多数認めます。大型の核小体を有し、大小不同や角形不整を呈しています。」とあります。
2) リンパへの転移があれば、やはり体全体への転移の可能性が高いのでしょうか?
3) 私は、以前腎盂腎炎を患ったことがあり、出産後の育児の際など過労が重なると腰あたりが痛むことがありました。抗ガン剤での治療の際、ネックになるということはないでしょうか?

よろしくお願いします。

はじめに、髄様癌という診断は組織検査でなされるもので、細胞診の所見だけでは髄様癌を疑うことはできても確定はできません。術前化学療法を予定しているようなので、多分組織検査があるでしょう、そこで確認してください。
1) 髄様癌は乳癌の特殊型の一つで、頻度は5%くらいでしょうか。純粋な髄様癌は、細胞の顔つきは悪いがあまり再発はしないと言われています。しかし、鑑別しなければいけない癌に、髄様癌に似た通常の浸潤性乳管癌があります。その場合は逆に再発が多いと言われています。脇の下のしこりがリンパ節のことだとするならば、後者の可能性が高いように思います。
2) おっしゃるとおりです。リンパ節転移の有無は最大の予後因子といわれ、全身転移の頻度と相関します。もちろん、可能性が高いだけで絶対ではありません。
3) 腎盂腎炎の既往があることが抗がん剤治療の妨げになることはありません。強いて言えば、腎盂腎炎を起こしている場合は、それが治るまで抗がん剤治療は休まなければならなくなります。(文責 清水)

 

No.4538】 05年10月24日     K.k. 
神経科受診について

ホルモン治療を始めてからうつ状態になり、主治医から神経科受診を勧められました。うつの薬を飲んでまで治療を続けたほうが良いのでしょうか。本などによると、私は低リスクに入ると思うのですが・・・。ご意見、よろしくお願い致します。

うつ状態はホルモン療法の代表的な副作用の一つです。ホルモン療法が絶対必要な方の場合には抗うつ剤を服用してもらうこともありますが、薬を変更することもあります。低リスクであれば中止することも一つの選択肢だと思います。主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.4537】 05年10月24日     H.M.
線維腺腫とピルの因果関係について

はじめまして、HPを見ました。ご相談させて下さい。今年5月、地元の市の総合病院のマンモグラフィとエコー検査により、線維腺腫が見つかりました。そして両胸共に乳腺症との事でした。右胸から斜め右上の位置に腫瘍があり、その時の診断は1.21×0.5cmでした。3ヶ月後にまた来て下さいとの事で、8月に再び診断を受けた所、右胸の腫瘍は0.7mm×0.2mm、こちらは前回と何故か大きさが違うのですが、やはり線維腺腫との診断でしたが、そのほかに右胸の乳首の横に、0.4mmほどの別な腫瘍が見つかりました。こちらはイヤな影が見える(糸を引いたような)と言われましたが、多分線維腺腫だろうとの事で、半年後(来年の二月)にまた検査に来るように言われました。両方の腫瘍とも、小さすぎるので細胞の検査は出来ないそうです。最近右胸が時々じくじくと痛み、左胸も強く押されると痛みます。私はピル(トリキュラー28)を2年ほど前から服用しています。産婦人科の先生によると、線維腺腫なら今後も服用を続けても良いと言われましたが、やはりピルによる副作用が心配です。私は40歳、子供は20歳、高校生、小学生と3人おります。父親は膵臓ガン、母親は脳腫瘍ですでに亡くなっています。乳がんは身内にはおりませんが、やはりピルとの因果関係、ガンの系統の家系なので、乳がんを心配しています。このような場合、ピルの服用は止めた方が良いのでしょうか?

主治医の先生がおっしゃるように線維腺腫とピルには何も因果関係はありません。また、ピルの服用と乳癌の間にも、はっきりした因果関係はありません。(文責 清水)

 

No.4536】 05年10月24日     mama
骨シンチの結果について

私は、1年前に温存手術を受け、その後、抗がん剤・放射線治療を経て、今はホルモン治療を受けている32歳のものです。今年9月に骨シンチとCT検査を受け、骨シンチのほうに所見ありと診断がありましたが、CTには異常が見られませんでした。この場合は、骨に転移をしていないということなのでしょうか? 不安でいっぱいなることが多々あります。

骨シンチという検査は、骨が一生懸命治ろうとしている部分に投与した薬が集まって、異常所見となります。骨が一生懸命治ろうとしているということは、そこが壊れているのです。骨が壊れる理由には、癌の転移以外に骨折や打撲、関節炎等があります。ですから、骨シンチだけで骨転移とは言えません。しかし、同時に腫瘍マーカーが上昇したとか、元々の癌が再発しやすい癌だとか、骨転移の異常が何カ所も同時に起きたとき等、骨シンチだけでがんの転移が強く疑われる場合もあります。CTでも骨転移が判る場合もありますが、感度はあまりよくありません。所見が不一致のときは、MRかPETがお勧めです。不安な気持ちは判りますが、主治医の先生とよく相談して今後の検査を進めてください。(文責 清水)

 

No.4535-1】 05年10月24日     T 
乳癌治療方法を選択するには

私の妻が、今年の10月上旬に左乳房の乳癌であると判りました。市の検診(マンモグラフィー)で疑いがあるということで、G県県立がんセンターで生体検査を行い乳癌と診断されました。
@ 県立がんセンターの治療は、全摘出手術とのことです(手術予定は11月17日) 。その後10月16日に隣のO市で癌のセミナーがあり参加しました。そこでは癌治療の最先端の医療技術が紹介されていました。 たとえば、癌の早期発見はPET診断が威力があること、治療方法として、ガンマーナイフ、Xナイフ、HIFUナイフ、血管内治療などが紹介されました。その中で、HIFUナイフ、血管内治療を行っている医師の治療実績が乳癌が多いとの話で、公演後に少しお話しました。
A その医師の治療は、HIFUナイフ、血管内治療で手術は行いません(10月29日にその医院に行くことにしています)。患者である私の妻と私の思いは 、「悔いの残らない選択をしたい。もっと他の方法があるのなら知りたい。 日常生活にあまり影響のない治療方法として活動的な日々を過ごしたい。 」と思っています。素人であるわれわれ患者は、ほとんど癌に対する知識はありません。そこでお聞きしたいことは、
1) もっと他の方法があるのなら教えてください(またそれを実践している医療機関)
2) プロである医師の話の”どういうところ”を聞いて選択の基準とするのが良いのか教えてください。 @とAの方法を選択するときに、どこに注意すべきか、またBの方法があるなら、それも含めた選択のポイントは何か。
3) 腋のリンパ腺の廓清(切除するということでしょうか)は、体や生活にどのような影響があるものでしょうか。

宜しくお願いします。

1) 原発乳癌の治療で考えなければいけないことは、乳房内にできた癌をどう取るかを考えるのではなく、全身に広がっているかもしれない癌をどう治療するかを考えることです。その意味から考えられる他の治療法としては術前化学療法を受けるかどうかだと思います。これはがんセンターであれば相談に乗ってもらえると思います。
2) 一番難しい問題です。私たちが行っている市民フォーラムのテーマもその点なのです。医師も自分の経験や、最新のエビデンス(科学的根拠)に基づいて患者さんにとって最前の医療が何かをお話しします。しかし、正直にいろいろなデータを話せば話すほど、素人である患者さんにとってはさっぱり理解できない話であることが多く、聞いている患者さんには治るのか治らないのかはっきりしなくなってきます。その結果、“…で癌が治った”等という耳触りの良い怪しい治療に走ってしまうこともあるのです。一つできる提案は、乳癌診療のガイドライン(日本であれば乳癌学会が発行している本がありますし、WEBではNCCNのガイドライン等)を参考にされ、それを基に医師と一緒に話をしてはどうでしょうか。医師が患者さんに判りやすく話す努力をすることが必要ですが、患者さんも頑張って少し乳癌について勉強してください。
3) 腋窩リンパ節廓清をすると30%くらいの頻度で手術した方の腕がむくむことがあります。あとは上腕内側の痛みやしびれがでることがあります。全身的には問題ありません。現在廓清を省略する方法としてセンチネルリンパ節生検という方法がありますが、全ての方に適応できる訳ではありませんから、主治医の先生とよく話してください。(文責 清水)

 

No.4535-2】 05年12月12日     T 
乳癌治療方法を選択するには(2)

10月に相談させていただきましたが、その節は良いアドバイスを頂き有難うございました。その後、左乳房の全摘出手術を受けました (腋のリンパは切除しませんでした) 。切除した組織の病理検査などの説明を受けましたが、手術前の予測より癌の大きさは小さく、以下のとおりでした。 「・ステージT ・大きさは0.1cm(広がりは4cm)  ・遠隔転移…なし  ・リンパ節転移なし(0個/4個中)  ・癌の悪性度…1  ・ハーセプチンテスト…0  ・ホルモン受容体…エストロゲン/プロゲステロン 共に陰性」であり、今後の治療として、内分泌療法・放射線治療で、化学療法は、担当医師としては「やりましょうとは勧めない」ということでした。来週まで患者としての意志表明は保留としました。化学療法を安心の為にやるべきか、担当医師の勧めのように化学療法は行わない選択とすべきか、悩んでいます。
1) 化学療法を行ったときと行わなかったときの違いは、どのようなものでしょうか?(転移の確率の違いなど)
2) より安心ということで、化学療法を行ったほうが良いでしょうか?
3) 患者として選択するときの観点
など、アドバイスをお願いします。

閉経状況がわからないのですが、閉経前後いずれにしても、ST.Gallenのガイドラインではホルモン受容体が陰性なので内分泌療法の適応はありません。乳房切除してリンパ節転移が無いので放射線治療の適応もありません。化学療法については、ホルモン受容体が陰性であれば化学療法の適応です。適応ということは、治療効果だけからみたら化学療法を行なった方が再発の確率は明らかに低くなるということです。あとは、治療しなかった場合の再発率の高さと、治療によって得られる効果と、治療に伴う副作用を加味して化学療法を行なうかどうか決めることになります。大きさ0.1cmでリンパ節転移なしとなると、高く見積もっても再発率は10%くらいでしょうか。化学療法で期待できる効果は、高く見積もってCMFで2−3%、AC、CEFなど3−4%程度でしょうか。後者は脱毛、吐き気などの副作用がかなり強いので、何が何でも再発のリスクを少なくというのであればお勧めですが、効果の大きさと副作用のバランスを考えると、?でしょうか。そうなるとCMFを行なうかどうかということになると思います。CMFも抗がん剤ですから決して楽な治療だとは言いませんが、脱毛は軽い抜け毛くらいで、吐き気も吐き気止めをしっかり使えばひどくありません。トライしてみる価値はあるかもしれません。(文責  清水)

 

No.4534】 05年10月24日     S 
炎症性乳がんの治療について

62歳、炎症性乳がん、stage 5 と診断され、5年生存28%とのことです。

1) EBMでの治療プロセス、選択薬の順番、期待されるそれぞれの継続期間(効果) 
2) 現在 故・田原節子氏のような5年10ヶ月という、またはそれ以上の延命がなされた実例は?
3) この難攻不落で症例の少ない(情報少)タイプに、特に期待され、日本で受けられる新薬は? 例)Lapatinibなど 
4) 治験は受けられるか? 未認可の薬を希望すると、費用はいくら程? 免疫療法はどうか? 
5) 現在、術前化学療法中で、白血球激減500〜1000以下(GCSF使用)。現主治医は、目に見える転移がなければ、ケモ4クール後、全摘というが、切らずにすまないものか? 炎症性乳がんは、メスにより今隠れている転移細胞が短期に一気に広がるリスクをかなり心配。腐りそうな胸を維持するべきではないだろうが、オペは受けるとしても転移予防を高確率にできる医療(代替〜サプリなど何でも!)提案は?
6) 炎症性〜〜の資料情報の検索先のオススメがあれば(海外文献でも)教えてください。

日本語検索では この癌に対する情報(成功例)がたいへん少ないので困っています。専門用語でもかまわないので(英語でも)、なるべく多く詳細なアドバイスや定義をEBM以外も含めお教え下さい。

厳しい状況であることを認識され、前向きに生きようとする姿勢に感服いたします。炎症性乳癌は頻度の少ない予後不良な癌なので、正確なエビデンスが少ないのです。ですから、あまり良いアドバイスはできません。申し訳ありません。
1)  現在は化学療法、放射線療法、手術療法の組み合わせで治療をすることが原則です。しかし、薬の順番に明確なエビデンスはありません。通常はアドリアシン系とタキサン系を使うのでしょうが、確率の低い根治を狙うのか、延命QOLを重視するのかで選択基準は異なってくると思います。
2) 正直にいってcase by caseです。5年以上の生存例もありますが、数は多くありません。
3) これから期待されるのは分子標的薬剤で、まずは普通にハーセプチンが効くかどうかです。それが無効なときは、現在ある薬の力は限られているので、現在日本でも治験中のアバスチン等に期待がかかりますが、結果は判りません。海外から輸入は可能ですが相当高価です。
4) がんセンター等で治験は受けられると思います。しかし治験というのは、患者さんが治験を選ぶのでなく、治験の条件にあった患者さんが選ばれるので、いろいろ制約が多く誰でもOKというわけにはいきません。私は、現在進行中の炎症性乳癌の新薬の治験は知りません。
5) 術前化学療法後の手術というのは一般的です。おっしゃる通り、手術が予後にどの程度貢献するかは不明です。但し、炎症性乳癌を手術せずに放置すると胸壁に潰瘍を作ったりして、かなりQOLを損ねます。その予防のために手術する意味があります。もう一つは術前化療の効果を判定して今後の治療の参考にすることもできます。しかし、主治医の先生とよく相談してください。転移を高確率で防げる特効薬的な方法は残念ながらありません。現在ある治療法をひとつひとつ自分に合うかどうか考えて、行うかどうかこつこつ決めていくしかありません。
6) よく勉強されているようなのでご覧になっていると思いますが、やはり、国立がんセンター、米国のNCI、NCCNなどのHome Pageがお勧めです。(文責 清水)

 

No.4533】 05年10月24日     O.C. 
乳腺線維腺腫について

はじめまして。乳房の事で日々悩んで過ごしていたところ、このようなサイトに出会えた事に感謝しております。宜しくお願いします。私は31歳で、10ヶ月の子供が一人います。完全母乳で現在も授乳中、生理はまだありません。9月初旬に右乳房C領域の乳輪との境目のあたりに無痛のしこりを発見しました。クリッと尖った感じで、表面はつるつるしていますが、しっかりと根をはった感じであまり動きません。病院を受診しましたら、触診、エコーで、「8ミリの腺腫でしょう」と診断されました。現在私は離島に住んでいて専門の先生はいらっしゃらないので、紹介状を書いてもらい主人の実家、関西の乳がん認定医がおられる病院へ9月末に行き、触診エコーと細い針でエコーで見ながら細胞を採ってもらいました。その後私は島へ帰り、主人の両親が結果を聞きに行ったところ8ミリの腺腫で良性との事でしたが、「検査の性質上100%ではないので、3ヵ月ごとに島の病院で大きくなってないかエコーで検査しながら経過観察で良いでしょう」と言われました。それを聞いた時はホッとしたのですが、自分なりに調べれば調べる程、癌細胞がその中にあったら…という不安に駆られて育児も手につかずにおります。母を乳がんの脳転移で亡くしました。気付くのが遅れ、懸命の治療、看護の甲斐なくあっという間でした。その事を無駄にしたくないという思いでもいっぱいです。自分の中で納得できる為には、しこりを全摘して調べるしかないのかなと最近思っています。そこで今悩んでいるのは、その関西の病院でしこりの全摘をお願いするか、その前にもう1件別の病院を受診しセカンドオピニオンを求めるかです。先生でしたらどのようにお考えになりますか? いくら不安だからといって私のようなケースで全摘するのは行き過ぎでしょうか? それから授乳中でも手術はできますか? まだたくさん出ています。手術せず経過観察に決めた場合、癌細胞があるかどうか分かりませんが、早めに断乳した方が良いと思われますか? 授乳中は癌細胞の増殖が速いと聞いた事がありますが、本当なのでしょうか? 以上、長文になってしまい大変申し訳ございません。どうぞ宜しくお願い致します。

触診の所見、年齢、2カ所の病院の検査結果、全て総合して考えれば、線維腺腫でほぼ間違いないと思います。通常は経過観察で良いと思います。しかし、お母様を乳癌でなくされて心配されているのであれば、摘出した方が精神的に安心するのではないでしょうか。摘出手術は、一般的には、外来で局所麻酔を用いた30分程度の手術で、難しい手術ではありませんから、近くの病院で可能だと思います。現在得られている所見からはもう一件の病院を訪ねる必要はないと思いますが、対応その他で不満があるのならば他の病院をあたってみては如何でしょうか。授乳中の手術は望ましくありません。緊急性があるならば仕方ない場合がありますが、線維腺腫の可能性が高い場合であれば、授乳終了後が良いと思われます。その理由は、授乳中の乳腺を傷つけると乳瘻といって傷から乳汁が出てきて傷がふさがらなくなることがあります。経過観察する場合、無理に断乳する必要はないと思います。早く手術をしなければいけないのであれば、前述の理由で断乳をお勧めします。授乳中、特に月経が再開される前はエストロゲンが高い状態にあるので、癌であれば増殖が早いと言われています。9月初旬に気がついたしこりが癌であれば、現在かなり大きくなっていると思われますので、そうでなければ癌の可能性は低いと思います。(文責 清水)

 

No.4532-1】 05年10月23日     K.K.
タキソ−ルとタキソテ−ルについて

8月初めに乳癌が見つかりました。大きさが3cm以上あったことと乳房温存を希望したこと、脇のリンパに2〜3箇所転移がありそうと言うことで術前化学療法(AC-T療法)を受けることになりました。このたびAC4ク−ルが終わり、次回からタキサン系の抗がん剤を4ク−ルすると主治医から言われました。タキサン系の抗がん剤を調べてみると、タキソ−ルとタキソテ−ルがありました。4ク−ル打つと値段もかなり違うようです(値段よりも命ですが・・・)。タキソ−ルとタキソテ−ルの薬剤の違いはどのようなところですか? 副作用はどちらが軽いですか? 私の場合はどちらを選択して打つことになるのでしょうか? 何もなければ3週間後にしか行かないため、そのときは抗がん剤投与になるはずなので教えていただきたくメ−ルさせてもらいました。

術前化学療法でACと組み合わせるTaxan(タキソール、タキソテールの総称)のうち、タキソールとタキソテールのどちらがよいか比較したデータはありません。現在いろいろな投与法が試みられていますが、現時点では主治医の勧めているACとTaxanを順番に行なう方法(タキソールでもタキソテールでも)が最も有効率が高く、pCR(術前化学療法を行なった後手術をして、癌があった部位を顕微鏡で調べて、浸潤癌が完全に消失した状態)が25-30%位です。副作用は、脱毛はどちらも同じで、白血球の減少はタキソテールの方が強いようです。タキソールに特徴的な副作用は指先や足の裏の痺れで治療の後半になると現れてきます。タキソテールは何とも言えない倦怠感が強いようです。タキソールは一週間に一度投与して12回繰り返す方法が良いようで、タキソテールは三週間に一回で4回投与する方法が良いようです。費用はタキソールの方が高いと思います。ただし、ひとつ問題は、術前化学療法のデータはほとんどが海外データで、タキソールの日本で認可されている投与量は海外と同じなのですが、タキソテールの日本で認可されている量は70mgで、海外で有効というデータに使われている100mgより少ない点です。今年のASCOに日本発のAC->タキソテール60mgという術前化学療法の試験結果が発表されて話題(口演発表として採用されたことが画期的)になりましたが、そのデータではpCRの基準が違うとはいえ、海外データほど高いpCRはとれませんでした。いろいろな意見はあるでしょうが、私個人は高価だが比較的副作用の軽いタキソール80mg/m2/1週間x12(m2とは身長と体重から計算する体表面積あたりという意味で、標準的な日本人の体表面積は1.5くらいです)か、保険上の制約が厳しいし、副作用もきついのですが短期間集中で、タキソテール100mg/m2/3週間x4をお勧めします。(文責  清水)

 

No.4532-2】 05年11月20日     K.K.
抗がん剤投与中にインフルエンザ予防注射はできますか?

HPNo.4532でお世話になりました。その節は丁寧なお返事ありがとうございました。先生からの回答と主治医から示された内容が全く同じものでした。片道1時間半強かかる通院を考えて、タキソ−ルかタキソテ−ルか自分が受けたい治療を選んだらいいと言われました。治療効果はほぼ同じで、タキソ−ルは80mg/m2x12回(毎週)、タキソテ−ルは強引にアメリカ式に100mg/m2x4回(3週間おき)ということでした。タキソ−ルの方が副作用が軽いかもと言われた主治医の言葉で、毎週頑張って通院する方を選び治療中です。最近鳥インフルエンザのニュ−スを聞き、抗癌剤治療や手術が12・1・2月になるので心配になってきました。通院に人混みは避けられないので、インフルエンザの予防注射をした方がいいのでしょうか?しかし毎週抗癌剤投与しているので予防注射を受けること自体可能なのでしょうか?教えて下さい。よろしくお願いします。

抗癌剤治療でよっぽどの副作用が出ていない限りは、インフルエンザの予防注射は可能と考えます。私の患者さんでも、大勢の抗癌剤治療を受けている方がインフルエンザの予防注射をしましたが、問題が生じたことはありません。(文責 石川)

 

No.4531】 05年10月23日     K.S. 
人間ドックにて

先日、人間ドックでマンモグラフィの結果、カテゴリー3−1ということで二次検査に行きました。先日とは別の方向からもう一度マンモの撮影をし、二人の女性技師の方にエコーで診ていただいたところ、「何も映っていないので、即帰っていいですよ」との事でした。ほっとして、言われるがままに着替えて帰りましたが、お医者様に何故再検査になったのかなど、何も説明されていないことに気づき、納得できない気持ちです。何年も前から痛みがあり、「乳腺症ではないですか?」とだけは聞いたのですが、それも「たいしたこと無いから、気にしなくていい」と言われました。人間ドックと同じ所に行っただけなので、もう一度乳腺外科などで診てもらったほうが安心でしょうか? 今回の二次検査で十分でしょうか? 現在41歳で、乳がん検診は毎年受けていますが、再検査になったのは初めてです。

マンモグラフィーを拝見していないので、貴女の状況については何とも言えませんが、人間ドッグの結果についての疑問ですので、人間ドッグを行った医療機関に申し入れ、読影医からマンモグラフィーの結果について説明を受けて下さい。せっかく受けた人間ドッグですから、疑問点はそのままにせず、納得のいくまで伺ってください。(文責 須田)

 

No.4530】 05年10月23日     I・H.
マンモトーム生検について

マンモトーム検査の事でお伺いいたします。51歳の主婦です。マンモグラフィーで石灰化がみつかり、マンモトームを受けることになっています。その際ステンレス製で2ミリほどのチップを、組織を取った場所に残すといわれました。(良性であれば身体に残る)チップにより、アレルギー体質や他の疾患でMRIを撮ることもありますが、身体への影響は考えられるのでしょうか。 

胃や大腸の手術で器械吻合を行うとき、ホッチキスの弾状の、多くの小さな金属のステイプルを利用して消化管を縫い合わせます。このステイプルは、脱落するものもありますが、そのまま体の中に遺残するものもありますが、身体への影響はほとんどありません。マンモトームのマイクロマームも同様と考えてよいと思います。(文責 須田)

 

No.4529】 05年10月23日     R.T
乳首からの血性分泌(HPNo.3820-2)

先生方さま、以前にも一度ご相談させて頂いた事がありますが、その節はありがとうございました。今回もよろしくお願い致します。、今年7月に左乳首から少量の出血が見られ、右乳首からは乳白色の分泌物が見られたので、某病院の乳腺外来でマンモ、エコー、触診で検査を受けました(出血した血液は少なすぎて検査が出来ませんでした。また上手く説明が出来ませんが、赤紫のような出血で、触るとペタペタとした感じです。黒くてタール状の様なものではありません)。その結果は、マンモ・エコーとも異常無し。先生がおっしゃるには、『多分、乳腺が炎症しての出血、それと体質的なものでしょう』でした。それから、8月、9月、10月の先週までは何もなかったのですが、2、3日前からまた、左の乳首から乳房を両手で挟んで圧力を加えると少量の出血があり、右乳首からは乳白色の分泌物が少量あります。自身で感じるのは、生理が近くなって来て、乳房が痛くなり初める頃になるような気がするのですが、それでも、8月、9月は出血がなかったので、心配です。某病院の乳腺外来で検査して貰いましたが、やはり他の病院か某病院でもう一度検査を受けた方が良いのでしょうか? それと、これは関連があるかは解りませんが、実は以前から、両乳首から乳白色の分泌物があり、原因は卵巣のう腫だったようで、23才の時に左の卵巣を取りました。38才くらいまでは目立った症状が出ない年が続いていたのですが、しかし1年程前からまた、乳房を両手で挟んで圧力を加えると両乳房ともに乳白色の分泌物が少量見られるようになりました。昔から婦人系はあまり健康な方ではないような気持ちがしています。やはり、乳首からの出血は癌が一番濃厚な線でしょうか? よろしくご回答お願い申し上げます。

一般に血性乳頭分泌の場合、乳管内乳頭腫(良性)が70%、乳癌が30%だと言われていますので、乳癌でない事を確認するためにも検査をする必要があります。乳頭分泌については、持続的にあるわけではないので、分泌がある時に検査を行う事が大切です。検査内容としては、分泌液の細胞診、マンモテック、乳管造影、乳管内視鏡等があります。(文責 須田)

 

No.4528】 05年10月23日     H.F.
乳輪のかゆみについて

初めてメールさせていただきます。21歳女です。二年半前くらいから右の乳輪の上半分が痒くなり、かいているうちに皮がむけてジュクジュクした感じになりました。それからも痒みは続いて、皮が新しくできたり、その皮がブラと一緒にはがれて、またジュクジュクしたりなどを繰り返していました。乳輪の上半分くらいが色素沈着のように色が濃くなりましたが、今年の冬ぐらいからはジュクジュクもなくなり、皮膚がはがれることもなくなり、色以外は普通の皮膚になっていました。8月ごろ、パジェット病という病気を知り地元の皮膚科へ行ったのですが、慢性湿疹になっているからとステロイドを処方されました。ステロイドを塗ったり塗らなかったりしていたのですが、最近またかゆみがでてきて、範囲は狭いですが、また同じところの皮膚が少しはがれてきています。左側は乳輪の横が少しかさかさする程度です。母が言うには、小さいころ軽いアトピーだったそうです。今、乳輪以外の場所でかゆいところはありません。治りが悪いときはパジェット病の可能性もあると聞いて、少し不安です。また皮膚科に行ってみた方がいいのでしょうか。パジェット病のときは、かゆみなど以外に何か症状が出てきますか? またかゆみなどが2年以上続く場合などありますか? お忙しいとは思いますが、ご回答よろしくお願いします。

直接診察していないので推測の域を出ませんが、皮膚科のDrが「慢性湿疹」と診断されているので、おそらく乳輪部の湿疹だと思われます。難治性のようですので、再度皮膚科で相談してみてください。パジェット病の場合は、主乳管に発生した癌が表皮内に広がってくるので、乳頭部分から湿疹様変化やただれが起こります。徐々に病変部が広がっていくので、痒みも長期間続く事があります。メール内容から判断するかぎり、パジェット病である可能性は少ないと思いますが、パジェット病で無い事を確認して、精神的安定を得るために、一度乳腺外科で相談してみるのも一つの選択肢かもしれません。(文責 須田)

 

No.4527】 05年10月23日     Y.F
ゾラデックスとリュープリンの違いについて(2)(HPNo.4498-2)

ご回答大変ありがとうございます。もう一つだけお聞きしたいのですが、別の機関で相談したところ、『ノルバデックス(タモキシフェンのことですよね)を併用してないのは全く間違っている。基本的な治療ですから、きちんと処方してもらわないといけません』と言われました。実際のところはどうなのでしょうか?

ホルモン受容体陽性閉経前の転移性乳癌では、LH-RHアナログ(ゾラデックス、リュープリン)と外科的卵巣摘出術は同等の治療効果があり、またLH-RHアナログとタモキシフェン併用療法は、LH-RHアナログ単独より無増悪期間、及び全生存期間が良好であるとの報告があります。閉経前のホルモン感受性早期乳癌の術後療法では、「タモキシフェン、ゾラデックス、タモキシフェン+ゾラデックス、内分泌療法なし」の4群比較では、ゾラデックスが投与されている群で無病生存期間の延長が認められています。
貴女の場合、もし転移再発乳癌であるとすれば、「タモキシフェン+ゾラデックス」の併用が推奨されますが、転移再発乳癌でない場合(早期乳癌で、術後療法としてゾラデックスを使用する場合)は、タモキシフェンを追加してもしなくても同等の効果であるという事になっています。主治医と充分に相談し、納得のいく治療を受ける事が大切だと思います。(文責 須田)

 

No.4526】 05年10月22日     H 
乳管区域切除手術の前に妊娠

36歳、二児の母です。よろしくお願いいたします。6月に右胸にしこりが見つかり、乳腺外科で診察を続けてきました。様々な検査を受けてきましたが、MRIで乳管の染まりが有り、がんの疑いが否定できないということで、11月11日に全身麻酔で手術を行うことになりました。ところが、予定外に妊娠してしまい、現在胎児は6週目の状態です。主治医からは、局所麻酔ならば胎児には影響ないと思われるが、全身麻酔のほうが体は楽だと思うと言われています。そこで、
1) 局所麻酔では、どの程度体に負担がかかるのか。
2) 手術後、顕微鏡検査の結果が出るまで(11月28日頃)妊娠を継続し、悪性だった場合は中絶をするということも可能なのか。
3) 検査の結果良性だった場合、そのまま出産しても大丈夫なのか。

以上の3点について、ご意見をいただければ幸いです。

1) 病院や医師の事情によるのでしょうが、私は乳管区域切除を行なうときは通常局所麻酔で手術します。体への負担はほとんどありません。しっかり麻酔すれば、絶対とは言いませんが、大体大丈夫です。まして妊娠6週であれば、胎児のことを考えると局所麻酔の方が良いと思います。
2) 可能だと思います。ただし、乳管区域切除手術で見つかる癌の場合、癌が小さく手術で取りきれてしまう場合も有り得るので、そのような場合は妊娠継続も可能だと思います。
3) もちろんです。その可能性も十分考えて、胎児のために、少しの傷の痛みは薬を飲まずに我慢しなければいけないかもしれませんね。(文責 清水)

 

No.4525】 05年10月22日     K 
カテゴリー4

33歳主婦。二人の子供がいます。先日定期健康診断を受け、はじめてマンモグラフィーを受けました。結果、右胸に石灰化があり要精密検査ということでした。医師の診断書に「amorphus.segamental category4」と書かれていました。自分で調べてみましたが、カテゴリー4ということは悪性の可能性が高いとの事。実際はどれくらいの割合なのでしょうか? カテゴリー4と診断されて良性だったという実例はあるのでしょうか? 又、石灰化・カテゴリー4で発見された癌の場合の進行具合はどのようなものでしょうか? 非浸潤癌の可能性が高いのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

カテゴリー4は“悪性の疑いがある”で、実際に癌である可能性は、その読影の先生によっても異なりますが、半分くらいではないでしょうか。ですから、カテゴリー4で良性だったこともよくあります。カテゴリー4で発見された癌の進行度というのはわかりません。なぜなら、マンモグラフィーの診断が癌かどうかを鑑別するカテゴリー分類と、癌の進行度はまったく異なる基準で、お互いに何の相関もありません。一般に、しこりが触れずにマンモグラフィーの石灰化だけで発見された乳癌は非浸潤癌のことが多いと言われています。ですから、マンモグラフィーで石灰化がありますと言われた場所を触ってみてしこりが触れなければ、良性か、非浸潤癌の可能性が高いと思いますし、触ってしこりがあれば、良性の可能性は低く、非浸潤癌か浸潤癌の可能性が高いと思います。とにかく大事なことは、カテゴリー4と診断されたら、早く組織検査を行なって癌であるかどうかの診断することだと思います。(文責 清水)

 

No.4524】 05年10月21日     R.M. 
乳がん検診結果の石灰化について

昨日、10日前に受けた乳がん検診の結果の説明受けました。当日はマンモと両わきの下がたまにすれたような痛みあったので、ここのみ触診してもらいました。両脇の下の痛みは、「しこりもないので、大丈夫でしょう」と言われました。問題はマンモの結果で、右側の上の外方に石灰化が1つ発見されました。小さく白いのがそうらしいのです。去年は超音波で、右は乳腺炎と言われました。乳房痛、わきの下の痛みが、もう3年くらい前からあります。毎日ではなく、乳房は生理の前後がひどく、わきの下は突然なのです。が、乳房の痛みがひどい時が数ヶ月前に数回ありました。でも、1時間くらいしたら治まります。医師から、「今の所ステージ3で、80%は良性、20%は分からない」と言われれ、急がないけれど1ヶ月以内に乳腺外来を受診するよう言われました。外見では乳房にしこりらしきものは見当たりません。この言われた石灰化のことが気になって眠れないのです。近くに乳腺外来の病院もなく、どこへ行っていいのかも分からなく、途方にくれています。又、私は豆乳とヨーグルトを毎日取っていますが、乳がんに悪影響があるのでしょうか? 食事療法についても教えてください。よろしくお願いします。T

ステージ3ではなく、カテゴリ?3だと思います。また、石灰化が1個であれば通常はカテゴリ?2だと思います。マンモでカテゴリ?3であれば、通常は二方向撮影の追加と乳腺エコーを行って、経過を見ることが多いです。うんと心配しているようであれば、マンモトーム生検まで行うことがあるかもしれません。どこか、乳腺専門の先生を探して、経過を見てもらうのが良いのではないでしょうか。豆乳、ヨーグルトと乳癌のリスクは関係ありません。乳癌を予防する食事療法はありません。強いていえば、各栄養素をバランスよく摂取することです。(文責 清水)

 

No.4523-1】 05年10月21日     N  
HER2について

術後6年目です。先日の血液検査でNcc−7.1 HER2-7.6という結果がでました。マンモ検査は石灰化が一部ありましたが、異常ありませんでした。骨シンチでは背骨の一部が黒くなっているようですが、背骨が曲がっている為とのことでした。先生は大丈夫とおっしゃってくださいましたが、HER2がとても不安です。どこかで転移や再発がでてきているのでしょうか?

申し訳ありません、血液検査でのHer2の値の正常、異常値を知りません。主治医の先生にその意味を良く聞いてください。少なくとも保険で認められている検査ではないので、研究的な側面があるのではないでしょうか(文責 清水)

 

No.4523-2】 05年11月17日     N  
HER2について(2)

以前にHER2のことでご相談させていただきました。その後の検査はまだなのですが、何か情報があったらと思い、ずっとHPを参考にせていただいていました。HER2の検査にFISH法があると書いていました。私の検査結果の7.6はFISH法なのでしょうか? もしそうだとしたら、7.6はとても高い数字なのでしょうか? 転移を覚悟しなければいけないのでしょうか? 来年検査予定なのですが、とても怖いです。宜しくお願いいたします。

HER2の検査には一般的にIHC(免疫組織化学的方法)とFISH法があります。これでは0、+1、+2、+3と評価して判定するので、Nさんの場合の7.6は血清のHER2を測定したものと思います。基準値は6.5ng/ml以下が推奨されています。腫瘍マーカーに準ずるものですが、まだ一般的ではなく、データも少なく信頼性に乏しいようです。(文責 石川)

 

No.4523-3】 06年05月06日     N  
HER2について(3)

去年の検査HER2FISH法で、10月7、1月10、4月12と上がっています。 4月はNcc9.1でした。先生はNccは気にしなくていいとおっしゃいました。HER2の数値は何故上がっているかわからないそうです。来月もう一度血液検査をする予定です。二年前に乳房再建の手術を受けました。再建してからI−CTPやNccの腫瘍マーカーが基準より少し上がり、次回の検査(3、4ヵ月後)で基準内に戻ることがありましたが、今回のような上がり方は初めてです。それと、HER2が上がりはじめた去年の夏頃から、不正出血やおりもの異常があり、更年期障害と言われました。何か関係がありますか? やはり再発や転移を覚悟しなければいけないのでしょうか? お忙しいところ申し訳ございません。宜しくお願いいたします。

乳がんにおける腫瘍マーカーの意義は、再発の早期発見、治療効果判定の補助、臨床経過のモニターなどといわれ、CEA,CA15-3,NCC-ST-439などが主に用いられますが、あくまで絶対的なものでなく補助的な位置づけにあります。血清中HER2も腫瘍マーカーとして用いられることがありますが、まだまだ一般的とは言えず、臨床における参考値と考えるのが妥当ではないかと思います。乳房再建と腫瘍マーカーの上昇との間に因果関係は考えにくく、また、更年期様症状と血清HER2値にも関連があるのか否かわかりません。現状では再発、転移を強く疑う所見とは言いがたいと私は考えますが、そのあたりをふまえ主治医の先生とよくご相談なさってみてください。(文責 谷)

 

No.4522-1】 05年10月21日     S.F. 
手術方法につき再度お尋ねさせてください(HPNo.4123-6

お忙しいところ申し訳ありません。再度お尋ねしたいことがあり、メール致しました。4回の抗がん剤投薬がやっと終わり、2個目の断端にDCISが残っていた為、拡張手術を受けることになりました。拡張する範囲をどう判断するのでしょうか? 手術前に生検などで切除範囲を決定できるのでしょうか? カナダでは術中の迅速診断を行っていない為、再度開けた後で「やはり断端に残っていた」となるのを恐れています。カナダの執刀医は「多発(2個の腫瘍が9時と12時にあった)なので全摘出が好ましい」と言っていますが、温存法の可能性に賭けてみたいのです。ただ、No.4123-5の回答にある様に、”切り足していって癌がなくなれば終わり、となりますが、がん細胞がSkipして分布していれば、たとえ断端陰性でも腫瘍が残っている可能性がでてきます”を考えれば、全摘出が良いのでしょうか? ご回答の程、何卒よろしくお願い致します。

難しい例で、日本語で説明されても難しい専門用語を英語で対応しなければならない不自由な状況でご苦労されていることをお察し申し上げます。拡張して手術する範囲は、手術する医師の判断によります。拡張している範囲は目では見えませんから、レントゲン等を参考にして範囲を考えてその範囲を手術します。ですから、再度手術してまた断端陽性になったり、ご心配のようにskipしている可能性もあります。そのような心配をなくすためには全摘が勧められます。日本でも広範に広がる病変が二カ所あれば、多くの先生は全摘を勧めると思います。しかし、乳房温存して生命予後が悪くなるかというと、全摘と変わらないのです。ですから、乳房内にまた癌ができる可能性を心配しながらも、乳房を温存したいのか、きれいさっぱりして、少なくともその乳房内に癌ができる心配をなくすのかの選択だと思います。その結果、温存を選択したのであれば、あまり断端等を気にせずに、しっかり放射線治療を受けて、できるならできてみろと開き直るのが良いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.4522-2】 05年10月29日     S.F. 
手術方法につき再度お尋ねさせてください(2)(HPNo.4123-7

早速ご回答頂きありがとうございました。悩んだ挙句、温存を選択しようと決めました。病理医と放射線担当医も「全摘出が必須ではない」と温存に同意して下さいましたが、 手術医が「9時と12時の2個いずれも断端が1mmも満たなかったのだから、両腫瘍の間に残っている可能性があり、それぞれを更に拡張して組織を取ると、その部分がえぐれ胸の形が崩れるだろう」と言い、乳首の周り2cm辺りを筒状に切り、組織を綺麗に取り除き、シリコンを入れる同時再建を薦められました。私のケースはどちらの方法もあり得るらしく、結局は私自身の判断になる様なのですが、判断できずに困っています。温存のリスクは局所再発。では、全摘出および同時再建のリスクは何でしょうか。こちらは同時再建の盛んな国ですから、手術医は「安全だ」と言います。

1) 本当にシリコンは安全なのでしょうか。
2) 今後はシリコンを常に検査していかなければならないのでしょうか。
3) 局所再発を恐れながらも温存するのは自分自身の乳房を持ちたい・・それだけの事でしょうか。
4) 温存におけるメリットは他にありますか。

手術医と病理医や放射線担当医の意見の間で決断を下せずにいます。是非、上記の質問にお答え頂ければと思います。重なる質問で大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い致します。

1) シリコンが完全に安全かどうか不明です。以前問題となったのは、シリコンを長期間体内に置いておくと体の抵抗力が弱くなる(アジュバント病)ということで販売中止になった経緯があります。最近のシリコンにそのような副作用がなくなっているのかどうか確認してみてはどうでしょうか?
2) シリコンを入れた方の乳房の検査は不要です。
3) 局所再発を恐れながら自分の乳房を維持するのは精神的に耐えられないというならば乳房切除をお勧めしますし、局所再発しても命まで持っていかれる訳ではないのだからと割り切って、同じ乳房内に二回もがんができたその時(局所再発)はきっぱり切除しようとか、切除して再建しようと考えて今回乳房温存するかです。局所再発のリスクをあなたがどうとらえるかです。
4) 温存におけるメリットは何と言っても乳房が残ることです。言い換えれば、乳房切除のデメリットがないということです。乳房切除のデメリットは、頭で考える以上に生活の節々に“片方の乳房がなかったのだ”と思いしらされる場面があるというのいうのが、体験者の話です。最後に私見を述べます。乳房再建はその時ちょうど良い大きさにできても、人間の体型は変化しますから、再建した方の乳房もしょっちゅう手を入れて(手術を繰り返す)おかなければなりません。それもそれで結構大変なことです。再建した後のことも手術する先生とよくお話しした方が良いと思います。勧められた手術方法はOncoplastic surgeryと呼ばれる方法で、数年前に日本にも紹介されましたが、日本
ではあまり普及していません。私個人の意見では温存で良いのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.4521】 05年10月21日     M.U.
乳腺がんと診断されました

46歳です。9/28深夜に突然左脇に痛みを感じて9/30受診、CT検査を受けました。左胸左下に約1.5cmの腫瘍、左リンパにも転移が認められるとの事でした。その後10/1にマンモグラフィとエコー検査を受け、今後4日にMRIと針生検、6日にPET検査を受ける予定です。1日の検査後の話ではステージU、12か14日に乳房温存手術とリンパ節全摘手術を行い、術後抗癌剤投与をすると言われました。突然の事で知識もなく、急いで手術をとの事でセカンドオピニオンを考える余裕もなくメールをさせて頂いた次第です。手術は仕方がないとしても正直抗癌剤治療には抵抗を感じています。今後どのような事に注意して主治医に質問していけばいいのかさえも解らずにいます。今後の検査結果を見ないと漠然すぎて困惑されていると思います。申し訳ありません。よろしくお願いします。

乳房温存療法を行うとすれば、左腋窩リンパ節転移の可能性があるので、リンパ節郭清を行ない、更に5〜6週間の予定で左乳房に放射線照射を行う事になると思います。また、摘除した標本の検査では、リンパ節転移個数によって、術後補助療法としての抗がん剤の組み合わせを相談する事になります。更に、摘除した標本によって、ホルモン療法ができるかどうか、ハーセプチンが使えるかどうか、等を調べる事になります。いずれにしても、今後治療に前向きに取り組むためにも、主治医より充分な説明を受け、納得のいく治療を選択する事が大切だと思います。頑張ってください。(文責 須田)  

 

No.4520】 05年10月21日     F 
左首筋・腕のしびれ

はじめまして。乳癌術後3年目の32歳。1ヶ月前の血液検査でも、マーカー値が少し上がったけれど問題ない程度で、体力も問題なく週に3回働いています。しかし昨日あたりから術側の左首筋を中心に、たまに左腕にしびれというか、鈍痛みたいな感覚があって気になります。うまく表現できないのですが、小さい頃の成長痛に似たような痛みです。これは何か再発前の痛みなのでしょうか? アドバイスお願いします。

診察をしなければはっきりした事は申し上げられませんが、頚椎(頚の骨)に転移が起こり、腕に痺れが出ることがあります。骨シンチ・CT・PET等の検査をして、骨に転移があるかどうか、確認する必要があります。納得のいく治療を受けるためにも、主治医と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4519】 05年10月21日     S 
良性のしこりと悪性のしこりについて

初めまして、33歳の主婦です。実は娘(9歳)の左胸乳首辺りに小豆くらいのしこりがあり、強く押さえると痛みが少しあるようなのですが、まさか癌ではないかと心配です。こちらのページを見て、ご意見がいただければと思いメールしました。すぐにでも病院へ行って検査したほうがいいのでしょうか?

直接診察していないので、推測の域を出ませんが、おそらく思春期前乳房肥大だと思います。しこりの部分は、皮下脂肪の中に乳腺を触れているものと思われますが、不安を取り除く意味からも、念の為に一度乳腺外科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4518】 05年10月21日     K.K  
石灰化について

43歳、1児の母です。先日市民検診でマンモグラフィを受けたところ、微細な石灰化(集ぞく性、カテゴリー3)が見つかりエコー検査をしました。結果、嚢胞が見つかりましたが石灰化はうつらず確定診断はされませんでした。6ヵ月後に再度マンモグラフィを受ける事になりました。 仮に、石灰化が非浸潤性がんであるなら
1) 現在子宮筋腫があり核出術を考えているのですが、筋腫を取る事によってガンが成長することはありませんでしょうか?
2) 石灰化が嚢胞内にある場合、生検することで乳房内に広がる事はありませんか?
3) 胸で何かがドクドクと流れるような感じがします。これはなにか病気の自覚症状なのでしょうか?

以上、ご回答よろしくお願いいたします。

1) 子宮筋腫の核出術を行っても、行わなくても、癌の成長には関係ありません。
2) 微細な石灰化が存在する場所は、主として乳管ですので、生検することによって広がる心配はありません。
3) 直接診察しなければ分かりませんので、一度内科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.4517-1】 05年10月21日     K.W.
術後の化学療法について

いつも参考にさせていただいています。一つ一つの質問に対していつも丁寧な回答で本当に参考になります。このような場所があることを、どれだけ多くの乳がんと向き合っているご本人、ご家族の方々が頼りにし、心強く思われていることか・・・・本当に先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。
術後の補助療法としてFEC4クール+タキソール4クールを予定して、現在FEC1クールを投与中です。病理結果は、ステージUA、n1(1/13)、腫瘍0.6X0.5、ly(−)v(−)、NG1、硬がん、乳管内浸潤(+)断端(+)、HER2(2+)、FISH(−)。投与後3週目のWBCが2600で1週間投与を延ばしています(3000以下は打てないそうです)。WBCの推移は5700(投与)→2800(1週間後)→2600(2週間後)です。1度目の点滴はファルモルビシン75r/u。次回からは60r/uに減らすそうです。他の方のご質問の回答で90rが最低でも必要というような先生方のコメントを読みました。
1) WBCの数値から見て主治医の判断は妥当なのでしょうか? 数値以外の副作用は脱毛だけで、普通に生活出来ています。
2) 今後の治療に影響がありますか? 主治医は当初、病理の結果から見て、FEC6クールでもいいようなことをおっしゃっていましたが、絶対再発したくないという思いから+タキサンを希望しています。タキサン系はWBCの減少が著しいという印象なので、現時点では投与を少々迷っています。

是非ご意見をお伺いしたいので、よろしくお願いいたします。

1) 抗がん剤の副作用には、自覚症状(脱毛・下痢等)と他覚症状があります。他覚症状の中でも、白血球減少・貧血・血小板減少などを伴う骨髄抑制は、化学療法を行うときに、ほぼ必発する副作用です。なかでも白血球減少時におこる重症感染症は命取りになることもありますので、その為、採血データの中でも、白血球、特に白血球中の好中球については、最も気をつけなければならないものの一つです。好中球減少は、抗がん剤投与後7〜14日頃に出現しますが、その際は、好中球の回復促進造血因子であるG-CSFを注射して対応します。貴女の場合、抗がん剤投与後連続的に一週間毎に白血球が減少しているため、主治医は好中球減少を考えて、ファルモルビシンの減量や投与の延期を提案されたものと思われます。
2) 今後の治療については、白血球、なかでも好中球数の減少に気をつけながら、術後補助療法を行う事になりますが、タキサンを使用して、どのくらい下がるかは、実際にやってみないと分かりません。発熱性好中球減少や、極端な好中球減少時には、G-CSFを注射しながら、補助療法を続ける事になります。(文責 須田)

 

No.4517-2】 05年11月13日     K.W.
術後の化学療法について(2)

以前ご質問させていただいた内容の関連で、是非ご意見を伺いたくメールいたします。42歳。7月手術。その後放射線治療30回。9月よりFEC4クール→タキソール4クールで終了し、その後ホルモン療法をする予定で前向きに術後治療に臨んでおります。 FEC3回目(11/10)で、白血球が2200と少なく、またしても1週間延期になりました。2回目(10/20)はファルモルビシンを75→60に減らしたにも関わらず、3週間後の数値がこのようなので、主治医が、「本来3週間隔ですべきだし、あまり間を空けては効果がない」と、FEC3クールで終わり、その後はタキソールをウイークリー12回もしくは3週1休の4クールに変えたらどうかという話が出ました。
1) タキソールをすることは希望していますが、FECを3クールに減らすこと(量も60と少ない)に対して不安があります。前回先生が書かれていたG−CSF注射をしてでも4クールきちんと終了してタキソールへという選択は必要ないのでしょうか?ちなみに好中球の数値などの検査はしておりませんし、主治医からも話は出ておりません。
2) タキソールの白血球減少の程度は打ってみないとわからないとは思いますが、心配です。そのような場合もやはり延期、延期となるのでしょうか?またウイークリーと3週1休での効果の違いはありますか?
3) この場合の治療方法のご意見を是非お聞かせください。

私は、再発予防のために、ガイドラインに則った適切な治療を希望しています。主治医の事は信頼していますが、乳がんという病気の補助療法は結果が後にはっきりするため、なかなか自分での納得した決断は難しく、先生方のご意見を参考にさせていただきたくよろしくお願いいたします。

1) 抗がん剤による白血球減少の回復スピードは個人差があります。多少の投与間隔の延長は心配されなくても大丈夫だと思います。投与量も実際には個人差がありますので、副作用に応じた調節も必要になってきます。しっかりと治療を行なっておくという考えからは、おっしゃるように4サイクル投与が望ましいでしょう。
2) 投与量にもよりますが、FECよりも減る程度は少ないと思われます。術後補助療法での3週毎と毎週投与の比較試験の結果はまだでていません。ただ、他の試験結果からは毎週投与の方が効果的なようです。
3) 今予定されているFEC→タキソール→ホルモン療法がベストだと思います。(文責 加藤)

 

No.4516】 05年10月20日     M.M
乳腺線維腺腫

現在25歳、独身です。中2の頃から両胸に計3個の乳腺線維腺腫があり、14歳から20歳くらいまで、半年に1度定期検診を受けていたのですが、特に変化がなかったことと、仕事を始めてなかなか病院へ行けなくなったので、ここ5年くらいは検診に行っておりません。最近、右胸にあった一番大きいくて硬かったしこりが軟らかくなり、表面も以前はつるつるだったのに、デコボコしてきた気がします。昔エコーを見ながら注射器で細胞を取った後にしこりが少し凹んだ気がするのですが、そういう事はあるのですか? それとも悪性化してきた可能性が高いのでしょうか? ちなみに、その大きいしこりは最初の検診では3.5cmくらいあったものが、最後の検診では2.5cmくらいに変化しました。生理前中には大きくなったりもします。最近急に不安になってきました。ご回答、お願いいたします。

中2頃からある線維腺腫のご相談です。検査されなかったですが、おそらく約10年間で目立った変化はなかったかと思います。ただ年齢とともに乳腺を取り巻くホルモン環境はかわります。線維腺腫もその影響を受けて変化します。固さが変わったりしていきます。大きさが小さくなることもあります(授乳後急速に小さくなることもあります)。当然ホルモンの状態が変わる生理周期で若干さわった感じが変わります。ただ現在あなたの乳房に以前からあった線維腺腫以外のものがあるかどうかわかりませんし、非常にまれですが線維腺腫内に乳ガンできることもあります。一度乳腺専門医を受診してください。(文責 福間)

 

No.4515】 05年10月20日     S 
検診結果について

不躾ながら、突然お便りさせていただきます。現在33歳で、妊娠・出産2回です。マンモとエコーを行いました。エコーは、臨床検査技師が行っていました。検査結果を見た外科の医師は、臨床検査技師から既に診断を受けていると思うが、というようなことを言いつつ(検査技師に「診断」は出来ないと思うのですが!)、「のう胞と思しきもの、6ミリ1つ、3〜4ミリが4つある。良性かどうかは、採取しないと確定しないが、この大きさでは対象にきちんと刺せない。また、画像上、悪い形状とは認められないので、1年後また検診、でよい」とのことでした。「乳房を開いて検査対象を採取する方法もあるが、小さくて、とれないだろう」とも言っていましたが、たとえばマンモトーム検査のできる装置があれば、解決できるようにも思いますが、乳腺診断の出来ない医師に診断をされたかもしれないと不安になっており、このまま1年待ってよいか、別の乳腺外科を受診するか、迷っています。医師の言葉を私がきちんと把握できていないのかもとは思いますが、日本乳がん学会の認定医はおらず、乳腺外科を標榜しているのでもない、一応総合病院です。細胞診をしないでよい、という診断で本当に大丈夫か、疑問です。お忙しいところ誠に恐縮ですが、ご意見頂けますと幸いです。

エコーでの診断で、乳房にのう胞と思われるしこりがいくつか見つかったとのご質問です。明らかにのう胞と判断できる場合と、のう胞様に見えるがはっきり断定できない場合があります。のう胞と断定できる場合には経過観察(期間は場合によります)でいいかと思います。そうでない場合には細胞診やMRI検査、短期間(3ヶ月程度)の経過観察などで確認していく必要があります。形状にもよりますが、6mm程度であれば細胞診はおそらく可能だと思います。マンモトームなどの組織診をするかどうかは上記検査をした後の判断になります。S様のしこりがどういものかはわかりません。ご心配なら乳腺専門医を受診ください。(文責 福間)

 

No.4514】 05年10月20日     H・K
予後について

40代前半の主婦でございます。1年半くらい前から、左腋下に小豆粒位の腫瘤ができました。乳房にも変化はなく、そのままにしていたところ、その腫瘤が段々大きくなって、うずら豆かそら豆くらいの大きさになりました。病院で受診しましたら、乳癌の診断をされました。マンモグラフィーやエコーでは乳房にも影があるそうですが、自分で触れてみてもほとんど分かりません。乳癌としてはかなり珍しい発症の仕方だそうで、こういうタイプは一般的にあまり予後が良くないとも聞きましたが、統計的にやはりそうなのでしょうか? 参考にさせていただきたいので質問いたしました。

乳ガンと診断され、ご心配のことと思います。質問の内容だけではよくわからないところがありますが、おそらく脇の下(腋窩)にあるリンパ節に乳ガンが転移し、大きくなったことにより病気が見つかったものと解釈します。乳房の中の乳ガンは、その後の検査で見つかったものと思います。リンパ節転移があるという意味では、やはり化学療法など手術以外の治療も必要になるかと思います。ただ実際に手術でとったものを調べることにより、リンパ節転移個数、ホルモンレセプター、HER2などの情報が予後を決めるのには必要です。必ずしも予後が悪いと決まったわけではありません。(文責 福間)

 

No.4513】 05年10月20日     Y.I.  
乳腺線維腺腫について

以前に何度か相談に乗っていただき、また勝手ながらメールさせていただきました。よろしくお願い致します。1年前にしこりがみつかり、2つの病院で触診、マンモ、超音波、細胞診をし、良性と診断いただきました。その後経過観察で、2ヶ月前に検査をした時は、「若干大きくなっているので、また2ヵ月後に検査して、大きくなっているようであれば摘出しましょう。」とおっしゃいました。それから2ヶ月経つので、そろそろ検査に行こうと思い、自己チェックをしていたのですが、どうも近くに新たなしこりが触れます。2ヶ月前の検査では何も言われなかったのですが、しこりはこんなにも短期間で素人がチェックしてわかるくらいになるものですか? ガンの進行ということもありえますか? やはり不安がつきまといます。

あなたのご年齢もわからないし、実際に拝見していないので、線維腺腫近くの手で触るしこりが本当のしこりかどうかはわかりません。調べたら何もない可能性もあります。もし本当のしこりができたと考えます。線維腺腫(あるいは葉状腫瘍)でも2カ月で急に大きくなる場合があります。十分に検査されているのでガンの可能性は低いと思いますが、可能性はゼロではありません。心配するよりも早めに主治医を受診してください。(文責 福間)

 

No.4512】 05年10月20日     F.Y. 
細胞診と生検について

どうしたら良いのでしょうか? 31歳です。5年前、左胸のしこりを発見し、検診を受けました。触診・エコー・マンモグラフィー・細胞診を行い、結果は「良性」で、「線維腺腫ではないか」とのことでした。半年に一度の検診を勧められ、その後2年間は同じ検査を繰り返しました。結果は「良性」から変化はありませんでした。今年の8月、しこりが自分の触った感じで大きくなり、これまでとは別の病院で受診、細胞診で「クラス4」との結果でした。その病院で生検の予約をしたものの、体にメスを入れることの心配から別の病院を受診しました。細胞診の結果は、クラスは伝えられなかったものの「良性」で、様子観察の上で、3ヶ月後の検診を勧められました。両極端な結果に今後どうするべきなのか悩んでいます。アドバイスをお願い致します。

線維腺腫と診断されていたしこりの件でのご相談です。線維腺腫を対象とした細胞診は、良性病変しかないのにクラス4とかでたりする可能性はあります。ただまれですが線維腺腫内に乳ガンができる場合があります。クラス4と診断されていること、徐々に大きくなっていることを考えれば、生検をされる方がいいようには思います。今はマンモトームといった数mmの傷で生検ができる器機があります。主治医にご相談ください。(文責 福間)

 

No.4511】 05年10月20日     A.F.
乳房の水袋?

以前にもお世話になっております。先日、年に一度の乳がん検診をしてきました。今回は初めてエコー検査もしてもらったのですが、その際に右乳房に一つ水袋があると言われました。初めて聞く言葉でしたので、先生にはどのようなものかお聞きしましたところ、「気にするほどのことではないが、まれにガンが潜んでいる場合もあるので、念のため3ヵ月後にもう一度見せて下さい。」と言われました。特にしこりがあるわけでもなく、大きさも2ミリほどのようです。今回の検査は、問診・触診・マンモグラフィ・エコーです。検査をしてくれた先生は現在個人で開業していますが、以前は総合病院の外科で乳がんを専門に診ていたそうです。信頼のできそうないいドクターでしたので、今後はお世話になろうかと思っておりますが、もう少し水袋について教えていただきたいと思いましてメールいたしました。水袋はどのような分類になるのか(良性・悪性)、そしてこの場合、良性か悪性かを調べる方法があるとしたら、どのような検査があるのか、水袋をかかえていたら、今後どのような変化が考えられるのか、3ヵ月後もちろん受診しますが、どのくらいの間隔で診てもらったらいいのか、をご回答いただけると幸いです。また他に知っておいたらいいことなどありましたら、それも教えていただけるとうれしいです(素人では思いつかないこともあると思いますので)。私は年令が38歳、既婚で、子供はおりません。最近は少しずつ改善されていますが、基本的には生理は不順です。乳がん検診は、30歳より毎年受けています。昨年は触診とマンモグラフィを受けました。家族・親戚共に乳がんの患者はおりません。それではよろしくお願い致します。

水袋はのう胞のことです。のう胞自体は多くの人にみられます。多くの場合、のう胞はそのまま経過観察していくのが普通です。ただのう胞内に小腫瘤ができることがあり、その場合には精査の対象になります。2mmぐらいの大きさであれば細かい性状がわかりません。あまり心配しないで、3月後に受診し経過観察してください。(文責 福間)

 

No.4510-1】 05年10月20日     H 
マンモテックと分泌物について

初めて質問させていただきます。7/19 お風呂上りに乳首を少し強くしぼってみると、両方の乳首共2〜3ヶ所から透明な分泌物が出、7/22 乳腺専門クリニックで触診・エコー・潜血検査(左+− 右+)・血液検査(プロラクチン16、3)で、乳腺症との診断でした。8/20 子宮の定期検診で婦人科で相談したところ、乳汁の細胞診をしてもらい、「左右共クラスT、異型細胞は認められず」との事でした。マンモテックの検査をしてもらう為に、近くの大学病院へ。エコー・マンモテック(右しか出ず 1000)。9/21 マンモグラフィで<Lt MLOで乳頭に向かう管状影が太く明瞭になり、数も増加。拡張乳管をみているものと思われる。tumor marker高値が左側からのものであれば精査が必要。> 。この大学病院の先生との会話の中で信頼感が持てず、半年後の予約を待てずに必死に病院を探し、9/29に現在の病院へ。こちらのマンモグラフィでは、先の所見はみえず、異常無し。「心配はないだろうが、マンモテックの数値が気になるので、1ヶ月後にもう一度調べて、その結果で次の検査を考えましょう。」とのことです。現在、分泌物の出は、日によって出たり出なかったり、出る個所も色々です(7月より若干出にくくなっているようです)。長々とした文章で申し訳ありません。お忙しい中で恐縮ですが、現段階で考えられる私の状態、これからの助言等ありましたら、宜しくお願い致します。(43歳、子供2人、母乳ほとんど出ず)

多くの医療機関を受診されていて、その診断内容が少しずつ異なるのでご心配になっていられるのだろうと思います。乳汁分泌は乳房の中の乳腺組織、さらにその中の乳管からでてきます。乳管の中に何らかのものがあり乳汁が出てくるわけですが、乳汁の中に血が混じると要注意となります。潜血で陽性とのことで、ご心配されているのだと思います。ただ血性乳汁がでるからといって乳ガンというわけでもありません。また出る場所が両側性で場所も様々な場所からでるとのことです。そのような場合の多くは乳腺症性の乳汁分泌と判断されます。検査で見落としがあるか心配されているかと思いますが、1mmといった小さな病変は検査での発見はまず無理です。1カ月とか3カ月とか症状により経過を見ていくことになります。
もし更なる精査を希望されるなら、MRIや乳管造影、乳管内視鏡検査が可能です。ともかく専門医で継続して診察を受けてください。(文責 福間)

 

No.4510-2】 05年10月31日     H 
分泌物について

先日はお忙しい中、有り難うございました。また質問をさせていただきます。ここのところ右の乳首一箇所から、きつく絞ってやっとごくごく少量(よく見ないと見落としてしまいそうなぐらいで、出ない日もあり)しかでません。これでは乳管造影や乳管内視鏡検査も出来ないのではないかと心配です(マンモテックも)。この状態で、しこりも無く、マンモグラフィやエコーでも異常無しで、マンモテックの数値が高いだけでは、経過観察しかないのでしょうか? また、マンモテックの数値1000とは、どの様に判断されるのでしょうか? 宜しくお願いします。

マンモテック値の1000以上は一応高値ということになります。しかしそれですぐ悪性が疑われるということにはならず、特に血性乳頭分泌の時の細胞診検査や、場合により乳管造影検査などを総合して判断されます。その結果良悪性の鑑別を要するような乳管内病変が疑われるときは、その乳管を切除しての組織検査を考慮することになります。(文責 片山)

 

No.4509】 05年10月20日     Y/n 
乳房の痛みと発赤(No.2)(HPNo.4472-2)

早速のご丁寧な回答、ありがとうございました。その後、生理は未だ始まっていないため、相談させて頂いた左乳房に加え、右も若干の乳房痛が有ります。赤みは先週ほど気にならない程度にひきました。そこで、御回答に関し再度確認させて頂きたいのですが、10月5日にマンモの撮影を受け、下記の相談をさせて頂いたのが撮影から丁度一週間後の10月12日なのですが、たった1週間前であっても撮影当時には反映されていない事があるのでしょうか。他のご相談で、『炎症性乳癌もマンモグラフィでは、梁柱の肥厚など独特の所見が出る』とお伺いし、私に戴いた御回答内の、「しかし頻度的には稀ですが、似たような症状で始まる乳癌(炎症性乳癌)もありますので、一度乳腺外来を受診して見てください。」というのは、後2週間ないし3週で来るマンモの結果を待ってから、乳腺外来の受診を決めても良いのでしょうか。何度も申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。

「1週間前であっても撮影当時には反映されていない事があるのでしょうか。」というご質問は、「炎症性乳癌だった時に一週間前のマンモグラフィーに異常所見が出るか」という意味だとすると、炎症性乳癌であれば一週間前のマンモグラフィーでも異常所見は出ると思います。基本的には、せっかく検査したのですからマンモグラフィーの結果を待つことをお勧めしますが、マンモグラフィー受診時にはなかった所見(乳房の発赤)がおきたのですから、早目に乳腺外来を受診することもよいと思います。(文責 清水)

 

No.4508】 05年10月20日     M.F.
術後検診の結果について

初めて相談させていただきます。39歳主婦です。昨年乳がんの手術をして、先日術後1年検診を終えました。CT、マンモグラフィー、骨シンチの検査をしましたが、その結果、主治医の診断は「異常なし」とのことでしたが、CT報告書の中に気になる箇所がありましたので、相談させてください(結果はいつも郵送されてきます)。手術をしたのは右側乳房ですが、今回、『左乳腺に点状に染まる箇所があるが、非特異的な変化と思われる』とありました。非特異的な変化というと具体的にどういう変化なのでしょうか?これがガンである可能性はないのでしょうか? 私の乳がんは、硬癌、リンパ節転移なし、組織学的浸潤径1センチ以下、異型度1、エストロゲン受容体85パーセント、プロゲステロン受容体90パーセント、ハーセプテスト1、乳房温存断端陰性でした。放射線治療の後、術後補助療法はホルモン治療も、化学療法もしていません。どうぞよろしくお願いします。

結論から言うと心配ありません。CTで点状に染まる箇所があるということは乳腺内の血流が不均一だということで、乳腺症はじめいろいろな原因で見られる所見です。もう一つ、CTで診断できる癌はかなり大きな癌だけで、CTを乳癌の診断に使うことはありません。マンモグラフィーが異常ないのであれば、乳房に関しては心配しなくてよいと思います。(文責 清水)

 

No.4507】 05年10月20日     Y.K.
乳がん診断から手術までの期間について

初めて相談させていただきます。宜しくお願い致します。母(64才)が、左胸のマンモトーム生検の結果、10月7日にT期の一部浸潤がんと診断されました(浸潤の範囲は非常に小さく0期に近いI期とのこと)。手術日は11月14日の予定ですが、手術までの約一ヶ月の間に病状が進行してしまうことはないのだろうかと非常に心配になり、医師にきいたところ、”全く進行しない、とは言えないが、懸念に及ばない程度なので大丈夫です。心配は要りません”とおっしゃられていました。しかし、”一部浸潤”であることや、左胸からの血性分泌が現在も断続的に生じていることなどから、私自身の不安な気持ちが拭いきれません。手術までの期間に状態が悪化してしまうことはないのでしょうか。他の病院で相談をしたことがないので、先生のご意見を伺いたくご相談いたします。ご回答をお願い致します。

皆さん、同じ不安を抱かれます。しかし、結論は心配ありません。私が皆さんにお話しするのは、例えば、東京のがんセンターや癌研のように全国から患者さんが集中する病院では必然的に手術待ちの時間が長くなります。しかし、だからといって、がんセンターや癌研の治療成績が悪くなったという事実はありません。乳癌は元々進行があまり早くない癌です。主治医の先生のおっしゃる通りだと思います。(文責 清水)

 

No.4506】 05年10月19日     YUKO
痛みについて

9月22日の細胞診の結果、左乳癌が確定しました。エコー上、リンパ節転移は見られていませんが、細胞診後より、左腋下から左上腕の筋肉痛のようなぴりぴりした痛みがあります。乳房から液が流れ出した感覚もあります。一気に転移したのでは?と不安です。主治医は、「たまにそういう人いるね」で終わったのですが、経験上どうでしょうか?腫瘍径が5センチ弱と大きいので、化学療法後に手術予定です。CTやシンチはこれからなのですが、もう一度エコーをしてもらった方がいいでしょうか? 治療法に影響がないのであれば、無駄使いかなと思いますので、相談させていただきます。また3年前の授乳期にモンドール病と言われ、その頃から現在も左乳房の痛痒い感じが持続しています。その結果発見が遅れたと後悔しているのですが、痛みと進行度は関係が有るのでしょうか?よろしくお願いします。

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。細胞診をしたことで急に乳ガンが大きくなることはまずありません。化学療法も予定されていますし、エコーの再検はまず必要ありません。乳ガンそのものに神経は入りませんので、乳ガンそのものが痛くなることは、神経を巻き込むほどよほど大きくなるとかでなければありません。しかしその周囲の乳腺が痛くなることがあります。痛いから乳ガンだとか、痛いから乳ガンでないとかいう先入観は持たない方がいいかと思います。(文責 福間)

 

No.4505】 05年10月19日     M.K.
悪性葉状腫瘍について

悪性葉状腫瘍と診断され 三ヶ月前に乳房全摘しました。経過観察をしておりますが 先日肺に3ミリ程度の影が幾つかみつかりました。担当医の先生は、今はまだ診断がつかず経過観察とのことでしたが、肺転移のことなど考えると、とても不安です。初期診断、手術からの腫瘍増殖も早く、51歳という年齢も悪性頻度の高い年齢層だと聞きました。セカンドオピニオンなど検討していますが、転移と診断されてから化学療法等の治療に入るのでしょうか? 予防的化学療法などの治療を行っているところはありますか? 症例が多い病院等ありましたら教えてください。 

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。悪性葉状腫瘍と診断されてご心配のことと思います。やはり肺転移などが心配のことと思います。現在3mm程度の結節とのことですが、その程度であれば肺炎の炎症などでも出現します。ただご心配でしょうから、主治医の指示通りに早めに経過観察の検査を受けてください。予防的な化学療法は原則行っていません。もしセカンドオピニオンを受けられるのであれば、肺の治療などが必要になることも考えて呼吸器外科のある総合病院で、乳腺専門医のいる施設へいかれることをおすすめします。(文責 福間)

 

No.4504-1】 05年10月19日     E・Y
ハーセプチン治療について

母(73才)の乳がんのことで相談致します。母は9月半ばに左乳房切除(全摘)手術を受けましたが、ステージ1、リンパ節への転移なし、ホルモン感受性なし、HER2強陽性(3+)と診断され、ハーセプチン治療を勧められております。インターネット等で調べますと、母のがんは「転移性乳がん」ということになるようですが、高齢であるため、抗がん剤治療に耐えられるのか心配です。また、ハーセプチンは比較的新しい抗がん剤のようで、非常に有効とする資料もあれば、現在大規模な治験中とする資料もあり、有効性がよくわかりません。何も積極的な治療をしなかった場合と、ハーセプチン治療を行った場合の1年後、5年後生存率の違いは、どの程度なのでしょうか。また、素人にもわかる資料がありましたら、教えてください。どうぞよろしくお願いいたします。

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。お母様の場合は1期乳ガン(検査で転移がないということになります)と診断されているとのことです。しかし転移性乳ガンと質問内容にかかれています。このような場合は2つのことが考えられます。手術前あるいは手術後の検査でやはり転移がみつかっていて、ステージが1から4(転移あり)にかわったと考えられる、もう1つは1期乳ガンの診断のままで4期乳ガンではないということです。HER2 3+であるため、リンパ節転移がなくても何らかの化学療法などの治療が必要なのですが、お母様がご高齢であるため普通の抗癌剤治療がつらいと判断し、ハーセプチン治療をおすすめしている可能性があります。導入時に副作用がなければ、ハーセプチンは比較的楽に治療を続けることができます。もう一度主治医に病気の程度についてご相談ください。(文責 福間)

 

No.4504-2】 05年10月28日     E・Y
パーセプチン治療について(その2)

回答を頂きまして、大変ありがとうございました。母の場合は、1期乳ガンの診断のままなのですが、HER2(3+)のため、パーセプチン治療を主治医の先生からすすめられていました。先生は、最初かなり強くパーセプチン治療をすすめておられたのですが、2回目の診察の時には、「リンパ節にも転移していないし、まぁ、やらなくてもいいでしょう。」と随分あっさりと言われてしまいました。パーセプチン治療の有効性が今ひとつ良くわからないのですが、母のような状況の場合、治療を受けることによって、何年後の生存率が何パーセント向上するのでしょうか。(主治医の先生は、「何も治療しなくとも80%は大丈夫です。仮にパーセプチン治療を受けても、80%が86%になるだけです。」といっておられるのですが、意味が良くわかりません。80%の人はもともと治療不要なので、残り20%の人のうち、6%の人に有効、つまり30%の人に有効ということでしょうか。それとも、たった6%の人にしか効かない治療ということでしょうか。)
先生の意見が1回目と2回目で大分違うので、母はどうしたらよいか大変迷っております。是非、アドバイスをお願いいたします。

ハーセプチンを補助療法で使用した場合の生存率の改善の数値は存じませんが、主治医の先生が、生存率が80%から86%に上がるという意味で言っていらっしゃるのだとすれば、当初手術をした患者さんが100人いたとして、100人全員に同じ治療をした場合に、手術だけで助かる患者さんの数が80人であったところが86人に増えるということです。おっしゃるように、再発するはずであった20人のうち、30%の6人を助けてくれたことになります。
HER2陽性の早期乳癌患者さんに対するハーセプチンの術後補助療法(HERAトライアル)が、世界39カ国の大規模試験として行われており、2005年現在5000例を超す患者さんが登録されました。中間報告ではありますが、無病生存率の2年間の推定値が1年投与群85.8%で経過観察群の77.4%に比べて優れていたとなっています。(文責 片山)

 

No.4503】 05年10月19日     M.S.
乳頭にある腫瘤について

貴HP拝見し、質問いたします。左に11ミリの腫瘤で、乳頭から少し下にあります。主治医は摘出生体検査をするとおっしゃり、今月直に切除して、乳がんかどうか確認します。乳がんの可能性が高いとのことでした。その際、難しいかもしれない、とおっしゃいました。ショックで詳しく聞けませんでした。乳頭そばにある腫瘤は切除が難しい場所なのでしょうか? ガンだった場合、内視鏡での手術は可能な場所なのでしょうか? できるだけ温存をしたいです。ガン細胞の場所により難易度が違うのでしょうか? 右にも16ミリのしこりがありますが、良性の可能性が高いとのことでした。そちらも今回の摘出手術で全部摘出の予定です。手術経験のある主治医が難しいとおっしゃっていたので、乳頭そばは難しいのか?と気になりました。教えていただけるとありがたいのですが・・・。よろしくお願い致します。

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。乳頭近くに乳ガンがあるからといって乳房温存術が必ずしもできないというわけではありませんし、内視鏡手術ができないというものでもありません。乳頭と癌との距離や、乳管に沿ってガンが広がっているかどうかが重要となります。手術の方法は十分な検査(エコー再検やCT,MRI)で決めます。また私の内視鏡手術の経験からすると、ガンが皮膚に近くても皮膚の一部切除をすることで内視鏡手術は多くの場合可能となります。また乳頭へ乳管沿いに乳ガンが進展していても、乳頭の皮を残して中身だけくりぬく手術(コアアウトといいます)で対応可能な場合が多いかと思います。(文責 福間)

 

No.4502】 05年10月19日     E
エコー、マンモグラフィーの結果について

乳がん検診の結果について気になることがあります。お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて下さい。8月に乳がん検診を受診しました。エコーの検査でしこりがあるということで、同じ日にマンモグラフィーの検査も受けました。結果は、左側は乳腺腫瘤、右側は乳腺のう胞でした。判定は「要経過観察」で、指示事項に「再検査が必要」となっていました。指示通り、自己観察をしつつ、6ヵ月後に再度受診しようと思っていますが、左乳房の乳頭周り(奥)がチクチクと痛みます。このような場合、
1) 6ヶ月を待たずに受診したほうがよいのでしょうか?
2) 受診する際(6ヶ月後orそれ以前でも)は、同じ病院ではなく、乳腺科のある病院に行ったほうがよいのでしょうか?

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。検診で左乳房腫瘤を指摘されたとのことです。のう胞は普通心配いりません。6ヵ月後再検とのことです。やはり多くの場合、良性病変を考えて6ヵ月後再検としたのだと思います。しかし、しこりを指摘されれば心配なものです。待つ期間心配していることを考えれば、乳腺専門医を受診されてはいかがでしょうか?(文責 福間)

 

No.4501-1】 05年10月19日     TOM
乳がんの自己診断について

家内のことですが、数年前から右胸にしこりがあります。位置は乳房ではなく、ブラジャーの乳房を覆う箇所からひもの付け根あたりです。しこりの大きさは2〜3cm程度、まん丸ではなく、横に長丸です。押さえれば移動し、つまんでもくぼみはできません。質問ですが、位置からも乳房ではないのですが、乳ガンの可能性があるのでしょうか? また、別の腫瘍の可能性があるのでしょうか? 数年前から周期的数ヶ月単位で左奥の歯茎がはれ、ひどい痛みを伴いますが、1週間までで治ります。それ以外は、いたって健康です。最近少し大きくなったようで、非常に心配しています。助言お願いします。

ご返事が遅れ誠に申し訳ありません。乳ガンは乳腺組織からでてきます。乳腺組織は脇のほうまであります。そこから乳ガンが出てくることもあります。ただ奥様のしこりが乳ガンかどうかは勿論わかりません。可動性もいいようなので可能性は低いかもしれませんが、大きくなっているようなので、やはり乳腺専門医受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.4501-2】 05年10月21日     TOM
乳がんの自己診断について(2)

回答どうもありがとうございます。まずは、受診させるよう話してみますが、再度質問させていただきます。良性か悪性かの一般的判断で、移動性以外にしこりのかたさがあり、良性の場合、消しゴム程度のかたさで、悪性の場合、石のようなかたさと聞いたことがあります。この判断も正しく、また参考になるのでしょうか?

しこりのかたさで乳癌であるかどうかを判断する事はできません。消しゴム程度のかたさでも乳癌である場合があります。乳癌でない事を確認するためにも、専門医を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)