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相談室(No.5801〜5900)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

5900 06/10/24 Y.F.  乳輪の変色について 吉田
5899-1
5899-2
06/10/24
06/10/30
凹み?の不安 
マンモ画像の「白い点」
吉田
麻賀
5898 06/10/24 T.H. 乳癌治療の開始時期について 吉田
5897-1
5897-2
06/10/24
06/12/27
S.S 術後の化学治療について
抗がん剤治療の骨髄抑制について
吉田
須田
5896 06/10/24 Y.E. 授乳中の診断結果 吉田
5895 06/10/24 AK  一年後の要検査 吉田
5894 06/10/23 J.S. ゾラデックスの投与期間について 吉田
5893 06/10/23 K.K 手術の選択肢について 吉田
5892 06/10/23 N.N.  ホルモン療法について 吉田
5891 06/10/23 N  マンモグラフィーについて 吉田
5890 06/10/23 Y  骨シンチ画像 吉田
5889 06/10/23 C  検査結果について 吉田
5888-1
5888-2
06/10/23
06/11/28
K.T.  DCISの手術と術後療法について
術後の抗ガン剤治療について
吉田
加藤
5887 06/10/21 B   再発率・生存率とリンパ節郭清について 緒方
5886 06/10/21 MO 抗がん剤の副作用について 緒方
5885 06/10/21 D.A. 複数のしこりについて 緒方
5884 06/10/21 定期検診 緒方
5883-1
5883-2
06/10/21
07/12/03
H.I. 抗がん剤の副作用で、白血球の数値が低迷
再発予防のハーセプチン投与期間について
緒方
須田
5882-1
5882-2

5882-3
06/10/21
07/01/07
07/05/13
N.・A 治療法について
HER2について
ペレドニゾロン錠他について
吉田
鈴木
俵矢
5881 06/10/21 M   エコーの見え方(HPNo.5773-2) 吉田
5880 06/10/21 H.Y.  薬について(HPNo.4883-3) 吉田
5879 06/10/21 I.Y.  術後療法について(HPNo.5722-3) 吉田
5878 06/10/20 T.A 治療は手術からか、化学療法からか? 吉田
5877 06/10/20 A   術前放射線治療について 吉田
5876 06/10/20 M.U.  一般的治療方法と予後について 吉田
5875-1
5875-2
06/10/20
06/10/26
のう胞について
細胞診結果判別不能での妊娠について
吉田
麻賀
5874 06/10/20 K.Y 脇の痛み  吉田
5873 06/10/20 Y 鎖骨下の骨の隆起について 吉田
5872 06/10/20 Y.U.  出血について(HPNo.5476-3) 吉田
5871 06/10/20 K.S.  再発の心配はないのでしょうか? 吉田
5870 06/10/18 Y.Y.  左胸の陰影について 吉田
5869 06/10/18 M   骨転移でしょうか? 吉田
5868 06/10/18 R子 治療法について 吉田
5867 06/10/18 MM  診断方法について 吉田
5866 06/10/18 H.S.   セカンドオピニオンについて(HPNo.5735-2) 藤田
5865-1
5865-2
06/10/18
06/10/21
U  ザンクトガレン2005
ザンクトガレン2005(2)
藤田
吉田
5864-1
5864-2
06/10/18
06/10/24
Y.I.  腋の下のしこりと痛みについて
原発不明の場合について
藤田
吉田
5863-1
5863-2
06/10/18
06/10/24
K.N.  術後治療
術後治療について(2)
藤田
吉田
5862 06/10/18 S.S 術前の治療について(HPNo.5144-2) 舘花
5861 06/10/18 Y.K. 細胞診後、乳頭から血性分泌がありました 舘花
5860 06/10/18 S.F. CTなどの検査について 舘花
5859 06/10/12 T  術後補助療法について 西川
5858 06/10/12 MS 乳首の腫れ 西川
5857-1
5857-2
06/10/12
06/11/18
C.T. ホルモン感受性について
ホルモン感受性について(2)
西川
西川
5856 06/10/12 K.M.  乳がんの可能性 西川
5855 06/10/12 O  転移性乳癌ですか? 西川
5854 06/10/11 タキソテール投与後の浮腫みについて 川本
5853 06/10/11 A.M.  リュープリンの副作用について 川本
5852 06/10/11 T.K 腫瘤の縦横比について 川本
5851 06/10/11 A  ホルモン感受性が弱い場合の術後補助療法のお尋ね 川本
5850 06/10/11 K.H ゾメタ使用中の虫歯治療について 川本
5849 06/10/11 M.S. 放射線治療 川本
5848 06/10/03 K.Y  乳癌の症状について 浜口
5847 06/10/03 Y.I.  右乳房中央部分腫瘤の疑いと診断されました 浜口
5846 06/10/03 MH タモキシフェンの効果について 浜口
5845-1
5845-2
06/10/01
07/03/03
N.T.  術後の抗がん剤・ホルモン治療
ホルモン治療について
浜口
清水
5844 06/10/01 H.S 超大量化学療法について(HPNo.5588-2) 浜口
5843 06/10/01 R   術後の治療について 浜口
5842 06/10/01 AM アリミデックスの副作用について 浜口
5841-1
5841-2
06/10/01
07/08/15
Y.S. HER2 強陽性
ハーセプチン
浜口
須田
5840 06/10/01 手術方法決定について 浜口
5839 06/09/30 N  リュープリン3ヶ月製剤について 浜口
5838 06/09/30 I・H 右乳房の影について 浜口
5837 06/09/30 M.M. 印鑑細胞癌の情報について(HPNo.5734-2) 浜口
5836 06/09/30 S.T. 母の乳癌の手術後の患部の引き攣れについて 浜口
5835 06/09/30 R.S. 術後の検診とホルモン療法、ならびに子宮ガン検診(HPNo.5393-3) 浜口
5834 06/09/30 A リュープリンの薬疹について 浜口
5833 06/09/30 両胸の大きなしこりについて 浜口
5832 06/09/29 再検査について 浜口
5831 06/09/29 miro   術前化学療法 浜口
5830 06/09/29 M  副作用について 浜口
5829 06/09/29 Y.T.  術後の検診について 浜口
5828 06/09/29 Y   右胸のしこりのようなものについて 浜口
5827 06/09/29 K   卵大のしこりについて 浜口
5826-1
5826-2
06/09/29
06/11/10
N  内分泌療法の必要性について
ノルバデックスD服用二週間です
浜口
比嘉
5825 06/09/29 U  小葉ガン 浜口
5824 06/09/29 あかっぺ 乳癌の検査結果とその後について 浜口
5823 06/09/28 S.H しこりと乳頭からの出血 浜口
5822 06/09/28 CH  妊娠について 浜口
5821 06/09/28 Y 母の炎症性乳がんの再発について(HPNo.3653-2) 浜口
5820 06/09/28 N.T.  術後の治療について 浜口
5819 06/09/28 M.O ハーセプチン 浜口
5818 06/09/28 S.N.  ナベルビン+ハ−セプチンについて 浜口
5817 06/09/28 A.Y. 術前・術後の抗がん剤治療 浜口
5816 06/09/28 乳頭のこと 浜口
5815 06/09/28 MT 術後の放射線治療について(HPNo.5766-2) 浜口
5814 06/09/26 T   マンモグラフィーの受診について 徳田
5813 06/09/26 I子 乳首の湿疹 徳田
5812 06/09/25 PC 乳がんの手術時期について 徳田
5811 06/09/25 FT ホルモン治療について(HPNo.5162-2) 徳田
5810 06/09/25 Y 乳腺症 徳田
5809 06/09/25 Y.I.  タキソテール投与後のむくみについて 徳田
5808 06/09/25 I.S.   非浸潤性乳管がんのホルモン治療について 徳田
5807 06/09/25 Y 江 手術側の肩の関節の痛み 徳田
5806 06/09/24 K.M.  乳頭からの分泌物 徳田
5805 06/09/24 K,K,   ハーセプチンと副作用 徳田
5804 06/09/24 D   検診は一年後でいいのでしょうか? 徳田
5803-1
5803-2
06/09/24
06/10/03
S.Y.   石灰化について
石灰化について(2)
徳田
浜口
5802 06/09/24 S.S. 不正出血(2)(HPNo.5754-2) 徳田
5801 06/09/24 T.H.  乳癌再発についてのご相談 徳田

 

 

 

No.5900】  06年10月24日   Y.F.
乳輪の変色について

28歳の男性です。ここ1ヶ月程の間にだんだんと右の乳輪内の下半分が黒褐色に変色してきました。乳輪内の上半分と乳頭に関しては変化ありません(ピンク〜薄茶色です)。乳輪の黒褐色の部分はできものは無く、湿疹のようにただれてもいません。また、乳頭から液が出ることもありません。乳房及び脇の下にしこりがあるか丁寧に探してみましたが、見つかりませんでした。痛みもありません。ただ、色だけが黒褐色に変色しています。乳輪が黒褐色に変色したのは、乳がんと関係があるのでしょうか。また、病院で調べてもらう場合には、皮膚科で良いのでしょうか。よろしくお願い致します。

乳輪の変色の原因は分かりませんが、乳がんとは関係ないでしょう。皮膚科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.5899-1】  06年10月24日   C
凹み?の不安 

よろしくお願い致します。42歳。6歳と2歳の母です。二人とも1歳前後まで完全母乳でした。今年7月に片方の陥没乳首下にほんのり膨らみがあり、たまたま定期婦人科健診で超音波を受けました。両乳管拡張、片方乳腺腫瘤で、6ヶ月後要経過観察となりました。その時の婦人科の先生は「膨らみよりも引きつりや凹みが怖いかも」と言われ、何となく気をつけて見ていたら、二日ほど前、バンザイすると、そのふくらみの横になんとなく凹み発見…。6ヶ月を待たずに健診施設ではなく婦人科へ行った方がいいでしょうか?

乳腺腫瘤が増大している様子がなければ慌てることはないと思います。ふくらみの横は凹み様に見えることがあります。凹みがはっきりしてくるようであれば、まずその婦人科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.5899-2】  06年10月30日   C
マンモ画像の「白い点」

HPNo.5899です。さっそくのお答え、ありがとうございます。僅かですが種瘤増大が気になったので、マンモグラフィー検査をして来ました。気になる部署の少し奥に、小さな白い点が映っていました。すわ!と焦りましたが、その外科の先生は「それ(白い点)が一つではなく、沢山なら癌の可能性もある。」と、1ヶ月後のエコー再検査を予約しました。1ヶ月後にその「点」が増えていない様に願うばかりで落ち着きませんが、それは放っておいても大丈夫なのですか? 点が一つなら大丈夫なのでしょうか? 僅かとはいえ種瘤増大も気になります。

白い点が何のことかわかりませんので、お答えしようがありません。(文責 麻賀)

 

No.5898】  06年10月24日   T.H.
乳癌治療の開始時期について

初めてメールさせていただきます。今月13日に乳がんVAと宣告されました。先週あたりから、めまい・足のしびれなどが若干あります。治療は11月1日になりそうなのですが、その間進行しないかどうか、とても心配です。こんなに日にちがたっても大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤はまだ受けていないのに、抜け毛もひどく、かなり薄くなってしまいました。

いろいろ検査がありますので、治療に取り掛かるまで2〜3週間かかるのは仕方の無いことです。乳癌は一般的にそれほど急激に進行いませんので、11月1日で全然問題ないと思います。(文責 吉田)

 

No.5897-1】  06年10月24日   S.S
術後の化学治療について

術後の化学治療について、はじめの病院では、「広範囲な非浸潤ガンであるから乳房切除、リンパ節郭清、他臓器への転移の心配はないので、術後はホルモン治療、放射線治療は不要」と診断されました。しかし、リンパ節郭清は避けたいので、センチネルリンパ生検ができる病院にセカンドオピニオンを受け、転院しました。転院先では、乳首下のしこり(1.5cm)が浸潤ガンならば、術後は薬物治療になると診断されました。センチネルリンパ生検、部分切除(切除体7.5×5.5×1.5cm大)手術を受けました。
病理診断 :
Invasive ductal carcinoma of the right breast, partial resection: area C, g,
1.7×1.1(浸潤)/ 3.7×1.1(全体)、ly+, V-, pN1mi(sn)(1/4)
乳頭側、浸潤癌の成分 ER-, PGR-, HercepTest3+
Nuclear grade 3、5×4mmのlow-grade DCIS あり

医師からは、断端陽性となっている部分の日帰り手術後、抗がん剤治療6ヶ月後にハーセプチン1年と言われました。先ずは手術に集中するよう言われ、詳しい治療内容の説明は受けていません。私の場合は、どのような抗がん剤を用いるのでしょうか。また、ハーセプチンは再発、転移前でも標準的な治療でしょうか?

浸潤癌であり、腋窩のリンパ節が陽性ですので、ACとかFECなどアンスラサイクリン系の薬を中心とした多剤併用療法を行った後、タキサン系の薬を追加するのが一般的でしょう。ハーセプチンは再発乳癌に使用するのが原則であり、あなたのような状態で行うのは標準的とは言えません。(文責 吉田)

 

No.5897-2】  06年12月27日   S.S
抗がん剤治療の骨髄抑制について

HPNo.5897で術後の化学治療についてお聞きしたSSです。断端陽性となっている部分の手術後、主治医から「CEF3週間に1度4回、タキサン系3週間に1度4回、その後ハ-セプチン週1回1年」、又は「CEF3週間に1度4回、タキサン系+ハーセプチン週1回3ヶ月、その後ハ-セプチン週1回9ヶ月。放射線はその後に行い、リンパ節4個中1つに微小の転移があったが郭清はしなくて良い。」と説明を受け、先ずはCEFの1回目の治療を行いました。骨髄抑制が強く出て、白血球が5200から700まで下がり、発熱はありませんでしたが、白血球を増加させる注射をし、抗生物質を1週間飲みました。2回目の治療を3週目に行うには白血球が少な過ぎるだろうと判断され、3週+数日で来週早々に行う予定です。2回目の治療では、どの程度まで白血球が戻っていれば行うのでしょうか? 薬の量を減らして治療を行う事もありますか? また、回を重ねると白血球の減少傾向はより強くでるものなのでしょか? 敗血症を心配しております反面、計画通りの治療が進まないと抗がん剤の効果が弱いのでは?と思っています。年齢は50歳です。

白血球が少なくなると感染しやすくなります。抗癌剤投与後5〜7日くらいから白血球が減少してきますが、一時的なもので、一般的には2週間くらいたつと回復してきます。白血球の成分の一つである好中球は体の抵抗力を示す指標で、この値によって回復の程度を予測します。通常白血球数3000以上、好中球1500〜2000くらいを目安にして、抗癌剤の量を調節したり、休んだりします。抗癌剤の回を重ねるにつれて白血球の減少傾向が強くなる場合もありますが、このように副作用が強すぎると、体にあっていないということになり、使用薬剤を変更せざるを得なくなってきます。術後化学療法はあくまでも予防の為に行うものであり、効果と副作用のバランスを考えながら進めていくことになります。主治医と充分ご相談なさって、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.5896】  06年10月24日   Y.E.
授乳中の診断結果

既婚で、今年五月に三番目の子を出産した三児の母です。只今授乳中なのですが、保険組合の人間ドックでマンモグラフィー(2方向)をうけました。本日午前中に主人に、マンモグラフィーを受けた病院へ、私の代わりに(子供が2歳1歳4ヶ月と3人いるので連れて行くのは難しいので・・・)行って、詳しい検査結果の内容を聞いてきてもらいました。それによると、私が授乳中である事を知った上で判断したかどうかは、診断を外部委託しているので分からないそうです。ただお話を伺った先生(内科か外科の先生で、乳腺外来の先生ではないそうです)によれば、疑いのある箇所は皮膚に近い部分であり、C1〜C5のランクの中ではC3にあたるとおっしゃっていました。そして「恐らく悪性ではないと思うが、エコーを受けて再検査を薦めます」と紹介状とマンモグラフィーの写真を渡して下さいました。今思えば撮影前の授乳では、右側のおっぱいの飲みが悪かった気がします。やはり授乳中である事を踏まえているか、いないかでは、診断結果は全く違うのでしょうか? よろしくお願いいたします。

授乳中は検査所見が分かりにくいことはありますが、診断が全く違うことはないと思います。再検査をうける時に授乳中であるということを伝えれば問題ありません。(文責 吉田)

 

No.5895】  06年10月24日   AK 
一年後の要検査

会社の乳がん検診で「微細石灰化像」と診断されましたが、一年後の要検査との結果でした。検査の時はしこりも見当たらなかったのですが、痛みはごくたまにあり、石灰化あたりは違和感もあります。脇の下も、なんというか血の流れが詰まっているような感覚があり、腕が痺れるような感じが足を組むとあるので、問い合せしてみましたが、「良性の可能性が高いので、セカンドオピニオンを受けるにしても少したってからで大丈夫ですよ」と言われました。分泌液も出ると伝えているのですが・・・。それ以外は症状はありません。一年後の検査まで放置していて大丈夫でしょうか。

実際に石灰化像を見てみないと分かりませんが、良性の可能性が高いといわれたのならば大丈夫でしょう。どうしても気になるのなら、再検査を6ヶ月後位にしてもらうか、他の病院で検査して貰ってください。(文責 吉田)

 

No.5894】  06年10月23日   J.S.
ゾラデックスの投与期間について

今後の治療について相談させていただきます。47才主婦です。2003年4月にステージ2Bで、温存手術+リンパ節廓清(レベル3)しました。浸潤性乳管癌、断端ー、リンパ節転移3/29、ホルモンレセプターER(++)PgR(++)、波及度f、リンパ管侵襲0、血管侵襲0、組織学的グレード2、HER2(0)、腫瘍の大きさ25mmでした。術後2003年5月から抗癌剤EC?(ファルモルビシン10ミリ4投を8回点滴、点滴後飲み薬のエンドキサンを2週間服用後2週間休薬)とLH-RHアゴニスト製剤(リュープリンを4週毎に1回を8回)の同時治療。この間UFTを224日服用。エンドキサンを飲むと調子が悪く、2回休んだので、計2週間×6回服用。EC?終了後は、LH-RH(リュープリン、途中からゾラデックに変更)とノルバデックス(5年服用予定)です。主治医からはゾラも5年続けると言われ、今月で37回になり、なお継続中です。化療と同時に行ったリュープリンは数えないということだそうです。なのであと2年続ける予定と言われました。
今の治療で良いのかと不安があり、先日セカンドオピニオンを聞いてきました。セカンドオピニオンのDRは、僕の場合は『術後、AC4回後、Tを12回、その後はLH-RH24回 TAM5年を処方。LH-RHはやっても2年。その場合、化療で閉経する人もいるので、化療を終了した時点でホルモンを測定して、エストロゲンが上がってきたらLH-RHを加える。』と言われました。
1) ゾラデックスを何年やったら良いのでしょうか?(サードオピニオンとしての先生のご意見をうかがわせていただければ幸いです)
2) ゾラをやめてノルバデックスだけにして、ホルモンを測定しながらコントロールすることも選択肢に入るのでしょうか?
3) 例えば、ゾラをやめて生理が戻って来ても、ノルバデックスだけでもよいでしょうか?
4) ゾラを2年やるのと5年やるのと再発率はちがうのでしょうか?
5) ゾラ2年の場合と5年やる場合と、それぞれのメリットとデメリットを教えていただけると助かります。
6) ノルバデックス5年飲んだ後は、治療は終了と考えていいでしょうか?
7) また、今後ゾラ+アリミデックスという治療は考えられますか?

長くなりましたが、ご指導いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 2年間(24回)で良いと思います。
2) 十分選択肢にはいります。
3) 良いと思います。
4) ゾラ5年のデータは信頼できるものがありませんので分かりません。
5) ゾラを長くやれば効果はそれなりにあると思いますが、はっきりとは分かりません。
6) 一般的には終了と考えてよいでしょう。
7) アリミデックスは閉経後使用するものですが、再発の疑いがあり、閉経が不十分な場合、ありえると思います。しかし、これもまだ確立した治療法とはいえません。(文責 吉田)

 

No.5893】  06年10月23日   K.K
手術の選択肢について

右乳房多発性ガン早期と診断され、全摘手術と言われました。また同時再建可能との事でした。主治医は、「多発性だと温存にすると美形状もよくないから、全摘の方がよいのでは」との配慮の上でだと思います。その後自分で治療方法について調べたところ、化学療法にて小さくしてから取るということもあると分かりました。その点を主治医に再び確認すると、「小さくなっても取るのだから、やはり同じではないか」とのお話です。そこで、質問ですが
1) 化学療法などでガンが消えるということはありますか?
2) 多発性の場合は、やはり全摘というのが一番の選択肢でしょうか?(自分の場合は、右乳房内側上部と外側)

アドバイスを頂ければと思います。よろしくお願い致します。

1) 勿論あります。しかし現段階では消えたことを確認するための手術は必要です。
2) 多発性の場合は現在指摘されている病変以外にも癌が進展している可能性がありますので、全摘が一般的です。(文責 吉田)

 

No.5892】  06年10月23日   N.N.  
ホルモン療法について

38歳、非浸潤癌で温存手術をしました。ホルモンレセプター陽性の為、リュープリン2年・ノルバッデックス5年の予定です。病理結果は4mmの非浸潤癌で石灰化は無し。HER2(2+)・悪性度1でした。乳癌についてたくさん勉強しました。でも、せっかく早期で発見されたので、過剰な医療やガイドライン通りの医療は受けたくありません。私個人にあったオーダーメードな医療を受けたいと希望しています。
1) 私の場合、ホルモン療法を5年というのは過剰ではないですか?
2) ガイドラインからはずれデータがないのは十分承知していますが、リュープリン1年・ノルバッデックス2年という治療法を私個人は望んでいます。先生方はどのように思われますか。
3) リュープリン2年やった場合、40歳で何パーセントの確率で生理がもどってきますか? 生理が戻ってくることを希望しています。

1) 過剰だと思います。
2) これも中途半端で必要がないと感じます。勿論希望であれば行いますが・・・。
3) 正確にはわかりませんが、40歳前半ならば半数近くは戻ると思います。(文責 吉田)

 

No.5891】  06年10月23日   N  
マンモグラフィーについて

先日マンモグラフィーとエコーの検査をしました。両方ともしこりが写っていました。1.1cmと6mm、二つしこりがありました。先生は、悪性の可能性が高いと言われました。細胞診をしましたが、結果はまだ出ていません。質問なのですが、マンモグラフィーには良性のしこりは写らないのでしょうか? 悪性しか写らないのですか?

良性のしこりでもマンモグラフィに写ります。良性の場合はしこりの形が楕円形で辺縁がスッキリしていることが多く、しこりの形が歪で周囲に浸潤しているようなものは悪性を疑います。しかし例外もありますので、細胞診など他の検査が必要です。(文責 吉田)

 

No.5890】  06年10月23日   Y 
骨シンチ画像

いつも適切なアドバイスありがとうございます。妻が先日の手術後7年目の定期検診で、「この6ヶ月で胸を打撲したことありますか?」と聞かれました。一度は「異常なし。では一年後に。」と言われ、安心したところに呼び止められたのですが、骨シンチの画像に変化があるようで、2ヵ月後の再検査となりました。実は今年2月頃につまずいて転び、足の指を剥離骨折していますが、その痛さで胸を打ったかどうか覚えていないようです。打撲でも同様の画像となるということですが、骨折しないような打撲圧迫でも骨シンチ画像に変化が出るでしょうか? 妻は48歳ですが、骨粗しょう症との診断を受けています。腫瘍の大きさ3センチ程度、リンパ節転移1個、病期Ub?ホルモン療法がよく効くということで、抗がん剤は無しでした。よろしくお願いします。

骨シンチでは骨折を伴わない打撲でもよく取り込みが見られます。しかし打撲した場合は、時間とともに影が薄くなっていきます。落ち着いて再検査を受けてください。(文責 吉田)

 

No.5889】  06年10月23日   C 
検査結果について

33才、3児の母です。断乳後、半年以上経過していますが、両乳を絞ると乳汁分泌があります。いつもは白い母乳に見えていましたが、先日、左乳頭の一箇所から血性の乳汁が出たため、市立病院で検査しました(マンモ・エコー・乳汁の細胞診)。「結果は良性です。画像にも異常はないようです。」ということでした(血管外科が専門の先生に診てもらいました)。
1) 細胞診の結果はクラス1とかで表すものではないのですか? 良性とはどういう意味ですか?
2) 乳頭からの出血は止まっていますが、一度でもあったということは、何か異常があるのかなと不安です。もう一箇所くらい病院を受診して検査した方がいいですか?
    
以上、よろしくお願いします。 

1) 良性とは、正常か良性病変細胞しか見られないことです。細胞診の結果はクラス分類で表示することが多いですが、良性、境界病変または判定不能、悪性と表示することもあります。クラスT、Uが良性、Vが境界病変または判定不能、W、Xが悪性(疑い)に相当いたします。
2) 血清の分泌が止っているのなら、そのまま様子を見ていて良いと思います。しかしまた出血が起こるようであれば、再度受診するようにしてください。(文責 吉田)

 

No.5888-1】  06年10月23日   K.T. 
DCISの手術と術後療法について

初めてご相談させていただきます。50才閉経間際です。現在手術待ちです。乳ガン検診のマンモグラフィーで右乳房の内側に数個の微細石灰化が見つかり、超音波検査で検査したところ、それとは別に、右乳房中心より下部に、1.3センチ、幅は1.5センチくらいのしこりっぽいものが見られ、そのしこり部分の針検診でVbの診断を受け、MRIを撮ったところ「非浸潤癌で乳管内を這うタイプの癌が示唆され。」との診断をうけました。「前出の石灰化につながっている可能性もあるが、ステージでいうと0期だろう。」とのことでした。しかし、乳管直下にもしこりらしいものが見られ、「手術中にそこの細胞検査をして陽性だった場合は、反対側にもつながっている可能性があるので、乳房全摘となります。」と言われました。
他の病院のセカンドオピニオンを受けたところ、「乳頭直下でも、乳頭から汁のような物や血が出たりしていなければ、少し向こう側まで切除すれば、扇状切除で大丈夫でしょう。」と言われました。乳頭直下に非浸潤癌があった場合でも全摘でなくて大丈夫なものなら、そちらの手術が望ましいのですが、そのために、取り残しの可能性を残すのも心配です。乳頭直下に非浸潤癌があった場合は、全摘すべきなのでしょうか? また、非浸潤癌(DCIS)で全摘の場合、ホルモン療法の受容体が+だったら、ホルモン療法を行うのが一般的なのでしょうか? 教えてください。

非浸潤癌が乳頭直下にまで及んでいたとしても温存術は可能です。ただし切除範囲があまり広範になりますと、温存乳房の変形も大きくなり、温存した意味が薄れてしまいます。また当然局所再発の可能性も高くなります。
病理の結果で非浸潤癌であることが確定した場合、ホルモン受容体が(+)であってもホルモン治療を行わないのが一般的です。しかし病変が大きい場合や一部に浸潤を疑わせるところがある場合は、ホルモン治療を行うこともあります。(文責 吉田)

 

No.5888-2】  06年11月28日   K.T. 
術後の抗ガン剤治療について

PNo.5888で、DCISの手術と治療法について相談させていただいた者です。その節は迅速にご返答をいただき、ありがとうございました。結局、10月末に右乳房のDSICの疑いで全摘手術を受けました。術後の病理検査の結果、一部に浸潤が見つかり、浸潤性乳管癌で、以下のような結果報告と治療方針を示されました(年令50歳、閉経の兆候がみられ、閉経間際と思われます)。
<結果> 
進行度T期、大きさ1.4p、 核異型度U、N(リンパ節)因子 陰性、ホルモンレセプターER(3+)PgR(2+)HER2(−)。

<今後の治療> 
ザンクトガレン・コンセンサスの定義によると、私の場合、核異型度Uで中リスクに入るため、ホルモン療法だけでなく、抗ガン剤治療も勧められました。
1)抗ガン剤治療 〜FEC療法〜
       サイクロフォスファミド(エンドキサン)、エベルビシン(ファルモルビシン)、5−FUの3剤の点滴を3週間毎に6クール行う。
2)ホルモン療法 〜 抗ガン剤治療終了後、タモキシフェン

<質問>
1) 私のようなケースの場合、ホルモン療法だけでなく、リスクが高い抗ガン剤治療もするのが、現在では一般的(推奨される)治療方法なのでしょうか。
2) 私のようなケースの場合、抗ガン剤治療は、FEC療法が適当なのでしょうか? ホルモン反応がある場合の化学療法の基本は、アンスラサイクリン系の薬剤を用いた4サイクルのACが適切と見なされたという情報があるようですが・・・・・

最終的には、自分で抗ガン剤も使用するか治療方法を選択することになっておりますので、参考意見がいただきたく、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

1)中リスクでもホルモン反応性ありの群でしたら、ホルモン治療のみも推奨されています。
2)FECでも宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.5887】  06年10月21日   B 
再発率・生存率とリンパ節郭清について

30歳、未婚、出産経験なしです。若年性の場合の再発率と、5年・10年生存率はデータとしてあるのでしょうか? 探したのですが、見つけられませんでした。腫瘍は1センチ強四方で、細胞診はレベル5、MRIで見る限りは転移なしで、ステージ1との所見です。レベル1のリンパ節郭清をするらしいのですが、センチネルリンパ節生検は若年性には不向きでしょうか。かかっている病院は実施していますし、主治医はセンチネルリンパ節生検の研究をされています。またリンパ浮腫が心配なのですが、レベル1まで郭清した場合、どれくらいの確率で浮腫は起こるのでしょうか。

一般的に、若年性乳がんとは、35歳より若い患者さんを指します。これらの年齢の患者さんは、そう多くなく信頼のおける生存率、再発率はあまりないと思います。ただし、国立がんセンターの発表している統計や乳癌学会の登録データでは、大きく閉経前の患者さん全体のデータと変わりがないと思います。病期Iであれば、生存率は5年 95%、10年90% あたりです。センチネルリンパ節生検は、 是非してもらったほうがいいと思います。リンパ浮腫は、約10% 弱の患者さんに起こります。太っていると起こりやすいです。(文責 緒方)

 

No.5886】  06年10月21日   MO
抗がん剤の副作用について

現在抗がん剤治療中(AC療法)です。3週間に1回の点滴を4回繰り返します。9月30日に1回目の投与がありました。初日はまだよかったのですが、日に日に胃腸の痛みや便秘がひどくなり、3日目の今日は、ほとんど食べられなくなりました。吐き気はあまりないようですが、食欲不振で、水分をとるのがやっとのようです。
1) 一般に、そのような抗がん剤の副作用は、日がたつにつれて軽くなっていくものでしょうか。
2) また、投与を重ねるごとにその症状はひどくなっていくのでしょうか。個人差があるとは思いますが、一般的な副作用の経過を教えていただきたいです。
3) 抗がん剤による胃腸の痛みに対応する薬はあるのでしょうか。

よろしくお願いします。

回答遅くなりました。副作用は、軽減してしまいましたか?
1)2)一般的には、日がたつにつれて軽くなりますが、副作用の種類によっては回数を重ねると症状が強く、また長引くこともあります。特に、吐き気などはそうです。個人差があり、一概にはいきませんが、点滴の後、数日間は吐き気、食欲不振が続く。便秘がちの人は、10日くらい長引くこともある。口内炎もできる。点滴後10日くらいに、38℃以上の発熱があることもある。点滴前の数日は、ようやく元気になるが、また主治医の顔を見ると思うと、吐き気がこみ上げる。こんな感じです。個人差があります。
3)H2blocker(ガスターなど)や粘膜保護剤などを処方します。(文責 緒方)

 

No.5885】  06年10月21日   D.A. 
複数のしこりについて

初めてお便りさせていただきます。先日、Biopsyにて左胸の腋の下に近いところにできたしこり(約1.5cm)が浸透がん(Invasive ductual calcimona)との診断を受けました。その後、MRIを受けたところ、元のしこりから1cmほど離れたところに、もう一つしこりができているのが発見されました(こちらは1cmぐらいです)。これは転移したがんと考えられるでしょうか? 全摘出はできれば避けたいのですが、温存手術は可能でしょうか?

乳腺(おっぱい)の中の乳管という部分にがんが留まっている場合を非浸潤がん、乳管を破ってしみ出した場合を浸潤がんといいます。浸潤がんでも非浸潤がんでも、なかに乳管の中を進んで広がりたがる性質(乳管内進展)のものがあります。おそらくそういう形で広がったがんでしょう。この場合、転移とは言わず、娘結節などと表現します。MRIで広がりがある程度で済んでいれば、温存術はできるかもしれません。よく、主治医の先生と相談してください。(文責 緒方)
 

 

No.5884】  06年10月21日   N
定期検診

よろしくお願いします。術後1年10ヶ月、ステージ2、リンパ転移なし、硬癌。CFMを6ヶ月、ノルバを服用中、リュープリン注を受けています。昨日の検診後、今までは半年毎だった検査(血液、腹部、胸エコー、腹部CT)が、一年に一度でいいと言われました。「最近のガイドラインではそうなってきている」とも言われました。とても不安です。患者さんがとても多い大学なので、見捨てられた気分です。本当ですか?

見捨てられてはいません。大丈夫です。術後、ほぼ2年で内分泌治療中、再発なく良い調子で進んでいます。病期2なので、10年生存率は80%前後というところです。一般的に再発の危険は、時間がたつほど低くなります。
また、定期検査(血液、腹部、胸エコー、腹部CTなど)の必要性や妥当性は、ないことがすでに以前から言われています。つまり、今までは検査を半年ごとに行っても、何か症状が出てからでも、その後の治療効果に大きな差がないという結果が出ているのです。とはいうものの患者さんにしてみれば、すっぱり割り切れるものでもなく、不安は付き纏うものです。ですから、私も定期検査は行っていますし、Nさんの現状では1年に1度でいいと思います。新しい治療薬が出て、生存率が向上している現在、将来ガイドライン(日本乳癌学会や米国の腫瘍学会が出しています)が変わることもあり得ると思います。主治医の先生は、見捨てたわけではないと思います。(文責 緒方)

 

No.5883-1】  06年10月21日   H.I.
抗がん剤の副作用で、白血球の数値が低迷

お忙しいところ失礼致します。
40歳の今年2月3日に、左胸全摘出手術を受けました。病理結果は、腋下リンパ節転移7/21個、しこり約3.1cm、ホルモン受容体陽性、HER2強陽性(+3)。術後、抗がん剤のAC(アドリアマイシン・シクロフォスミド)を3週間に一度の投与で4クール、タキソールも同様に3週間に一度の投与を4クールという治療を行なう予定でした。ところが、ACを4クール終えたところで、白血球の数値が2500未満の時期が続き、約3ヶ月間タキソール治療を見合わせる結果となりました。白血球の数値が3000台となり、ようやくタキソールの投与が開始となりましたが、当初の3週間に一度の投与を1週間に一度のウィークリー形式で12回投与に変更致しました。ただ、やはり3週1休のペースでは白血球の数値が低くなってしまい、2週1休のペースで進めていただいております。
一回のタキソールの投与量は110mlと、ウィークリーとしての100%量を投与できているので、このペースでも効果はあるということですが、やはり3週1休に比べると、どうしても効果は薄くなるのでしょうか? 安全を第一に考えて治療を進めていただいていることには、とても感謝をしております。また、3ヶ月間タキソールを見合わせていた期間、つまり無治療で過ごしていた間に、再発・転移をしている可能性はないのでしょうか? 腫瘍マーカーも異常は無く、「その可能性は薄い」ということで、CTやレントゲンなどは特に行っていません。治療の進行が遅れていて、今だ術後補助療法としての抗がん剤の治療中ではありますが、術後8ヶ月を経過している今、詳しい検査などは必要ないのでしょうか? HER2強陽性ということで、自分自身が不安に感じております。
抗がん剤の治療以前から、白血球の数値は低めでした。治療を無事に乗り切ることができるように、少しでも白血球の数値を上げることができるように、私自身に何かできることはないでしょうか? ご意見をお聞かせいただければと思い、ご相談させていただきました。何卒よろしくお願い申し上げます。

骨髄抑制による、抗がん剤の投与期間の変更はやむを得ないことです。G?CSFという白血球をむりやりあげる薬剤を使いながら相当量の抗がん剤を投与するという特殊な方法もありますが、日本では保険上認められていません。あせることはないので、2週1休のペースで進めてもらってください。効果は、変わらないです。3ヶ月休んでいた間の再発の危険も同じことで、短期間で起こりえるものではありません。検査は、治療が終わってからで良いと思いますが、通院しながら検査もしてしまう方がご本人の負担にならないのであれば、タキソールの日に、ついでに検査もありでしょう。気をつけて、白血球の数値を上げることができればいいのですが、それは不可能です。ご自身にできることは、思い悩まない、主治医に何でも相談する、風邪をひかない、の3点です。(文責 緒方)

 

No.5883-2】  07年12月03日   H.I.
再発予防のハーセプチン投与期間について

お忙しいところ恐れ入ります。HPNo.5883にて、昨年ご相談させていただいた者です。その節は、本当にお世話をおかけ致しました。ひどく落ち込んでいた時期でしたが、先生のアドバイスに心救われる思いでした。その後、治療を続けながら元気に過ごしております。ありがとうございます。以下、病理結果を再度書き記しますが、ご不要でしたら削除願います。40歳の昨年2月3日に、左胸全摘出手術を受けました。病理結果は、腋下リンパ節転移7/21個、しこり約3.1cm、ホルモン受容体陽性、HER2強陽性(+3)。術後、抗がん剤のAC(アドリアマイシン・シクロフォスミド)を3週間に一度の投与で4クール、タキソールはウィークリー形式で12回投与予定でしたが、白血球の数値が下がってしまう状態が続き、7回にて中断。その後、ホルモン療法(リュープリン注射・タスオミン錠剤)を始め、放射線も25回照射の治療を終了後、再発予防のハーセプチン投与を週に一度、全52回予定で受けております。今回ご相談させていただきたいのは、ハーセプチン投与の期間についてです。
もう間もなく予定の52回の終了を迎えますが、もし少しでも再発予防の可能性が高まることであれば、投与を続けたい…と考えております。ハーセプチンの再発予防としての効果は、2年間投与での結果が、まだデータとして出ていないという話を聞いております。その結果は、あとどのくらいで明らかになるのでしょうか? 例えば、私が52回の投与で終了した後、「やはり2年間での投与の方が、再発予防の効果が高い」という結果が出たとして、期間をあけて再度投与を始める…ということでも、意味はあることなのでしょうか? 今の段階では、何ともいえない状態であることはわかっているのですが、副作用もほとんどなく、私にとって希望のもてる治療であるが故に、投与の期間には慎重になっております。再発予防としてのハーセプチンの2年間投与という方法は、現段階で行なわれているケースもあるものなのでしょうか? 最終的には、主治医と相談して決めてまいりますが、ご意見をお伺いすることができましたら、うれしいです。よろしくお願い申し上げます。

再発予防としてのハーセプチンは、現時点では保険診療の適応になっていませんが、来年あたり保険適応されるのでは・・・との話もあります。再発予防としてのハーセプチンの有用性については、現在5つの多施設大規模無作為試験が行なわれています。投与期間については、長いもので2年間で比較していますが、現時点では至適投与期間は不明です。いずれの場合でも、ハーセプチンを併用したことにより、これらの試験では有意に生存率を改善しています。もし再発した場合、期間をあけての再投与も意味があり、それによりハーセプチンは早期から投与する事が重要視されています。主治医と相談し、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.5882-1】  06年10月21日   N.・A
治療法について

初めてお伺いします。乳癌になったのは21年前ですが、その後14年目に胸膜に転移と診断を受け、治療を受けい居ます。お伺いしたいのは、今後の治療法の事を主治医と話したとき、抗癌剤としてはタキサン系にも耐性が出来ているので、ナベルビンということになりますが、ナベルビンと同時にハーセプチンが使用できないかと言うことです。乳癌の手術が古いので、癌細胞が存在しないのですが、hER2を調べる方法は無いのでしょうか。主治医は、出来ないのかなあと、首をひねられるので・・・。それと数カ所骨転移しているのですが、痛みを感じる肋骨7番目に関してですが、痛い時用にロキソニンが出ていますが、放射線で痛みを取ることは出来ないでしょうか。主治医は肺機能の低下を考えると賛成しかねると言われるのですが、ご意見を伺いたくて・・・。宜しくお願いします。 

HER2が陽性でなければハーセプチンを使用しても意味がありません。以前の標本がなくHERが不明であるとすれば、現在転移のある骨を生検して調べること以外に方法はないでしょう。主治医と生検が可能かどうか相談してみてください。放射線をかけると確かに肺機能は悪くなると思います。しかし疼痛が強ければ肺になるべく放射線があたらないようにして治療することも出来ると思います。(文責 吉田)

 

No.5882-2】  07年01月07日   N.・A
HER2について

HPNo.5882でご相談したものですが、今回お伺いしたいのは、主治医からHER2検査の方法として、採血からも分かるということで、保険外で外部に検査に出しました。それに対して納得はしているのですが、検査の確定率はどのくらいのもなのでしょうか? よろしくお願いします。

血中のサンプルからHER2の判定をすることはあっても、まだ明らかなデータが揃っていませんので、それは参考にとどめるべきで、それを根拠にハーセプチンを使用、不使用の判断をするのは止めた方がよいと思います。やはり、前回の解答のように、骨生検、胸膜生検をしてHER2を判定する事を勧めます。それが無理であれば、ナベルビンの単剤の治療ではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.5882-3】  07年05月13日   N.・A
ペレドニゾロン錠他について

HPNo.5882で2度ほどお答え頂いた者です。 
1) ゼローダ1日3錠を、副作用が強いので2投1休、オキシコンチン1日10mg2錠飲んでいるのですが、食欲が出ず、空腹時に吐き気がして胃液を吐くと言いますと、プレドニゾロン錠5mgが、1日2錠出されました。薬の資料を読んで、私にはこれが食欲増進につながるのか分かりかねます。こういう時、先生ならこの薬を出されますか?
2) 右の肋骨の下の方に、手の爪位の大きさのしこりが有ります。主治医は、皮膚癌か、神経系の固まり・・?と言われ、今の私の状態では、再発転移なので、それを切って中身を調べる必要性が有るとは思わないけど、気になるなら切ってもいいが、判断は私に任すと。現状は分かっていますが、手に触るだけに気になります。さわらない方が良いでしょうか? 

プレドニゾロンは副腎皮質ステロイドホルモン薬です。ステロイドは食欲を増進させたり、化学療法時の吐き気を緩和したりなどいろいろな作用がありますので、癌で抗がん剤をしている患者さんには有用なお薬です。のんでもあまり調子がよくならないようなら、主治医にご相談ください。
ほかの場所に再発があるのであれば、もしそのしこりが再発巣であっても、痛みなどの原因になっていなければ切除の必要性は少ないと思います。なぜなら、そのしこりが大きくなってもそれが命取りになることは考えにくいからです。しかし、それがすごく気になるのであれば、前回の徳田先生もお答えになっていますが、再発か再発でないか調べるには、一番確実な方法は生検を行うことですので、主治医とご相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.5881】  06年10月21日   M  
エコーの見え方(HPNo.5773-2)

先日質問させていただいたHPNo.5773です。あれから3ヵ月後に病院に行き、また触診、エコーをしてもらいました。前回の診断としては「脂肪の炎症」だったようなのですが、脂肪の炎症だとすると3ヶ月後にはしこりが消えているはずだったらしく、脂肪の炎症ではなかったようだと言われました。そして前回白っぽく見えていたエコーの画像が前とは見え方が変わり、少し黒っぽく見えると言われ不安になっています。黒く見えると何か悪いものなのでしょうか? そして結局は、また3ヶ月経過を見るようにとのことでした。生理前にしこりが大きくなり、かなり痛むことを話したのですが、そんなのはあまり聞いたことがないと言われ、乳腺症の典型的な症状だと思っていたのに、そう言われ不安です。乳腺専門の外科に行った方がいいのでしょうか。あと、脇の下が少しチクッと痛むことがあるのですが、乳腺症の場合でも痛むことはありますか?

実際に診察しないと分かりませんが、やはり乳腺症でよいのではないかと思います。脇の下が痛むこともよくあります。経過を見てまた受診してください。(文責 吉田)

 

No.5880】  06年10月21日   H.Y. 
薬について(HPNo.4883-3)

HPNo.4883の質問をさせて頂いたものです。お蔭様で、主治医に伺ったところ、直ちにノルバデックスに変更ということになりました。飲み始めた直後から生理がとまっています(現在55歳)。主治医の先生は、「生理がとまるというのは、閉経の現象のひとつで、完全に閉経したと考えるには1年ほど様子をみる必要がある。」とおっしゃっていました。来年1月に血液検査を行い、ホルモンの状態を見るとのことですが、それまでノルバデックスを飲み続けていても問題ないでしょうか。アリミデックスへの変更を考えていただいたほうがよいでしょうか。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご回答をよろしくお願いします。

血液検査までノルバテックスを服用していても問題はないと思います。閉経後にノルバテックスの効果が悪くなるわけではありません。血液検査をして閉経が確実となればアリミデックスに切り替えれは十分です。(文責 吉田)

 

No.5879】  06年10月21日   I.Y.
術後療法について(HPNo.5722-3)

HPNo.5722でご相談させていただき、10月5日に左乳房全摘出しました。丁寧なご回答、ありがとうございました。術後療法についてお聞きしたいので、よろしくお願い致します。
病理組織診断
Left Upper−inner−quadrant of breast,operation:
    Invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma 「c502 m8141/3]   
Left Lymph nodes of axilla or arm,operation:
    Metastatic carcinoma [c773 m8010/6]
<所見> 
小凹凸状、毛羽立ち状の辺縁を示すが、境界明瞭な腫瘍結節が形成されている。同部では、クロマチンの増加と中型〜肥大した核小体、大小不同傾向を示す腫大した卵円形〜括れを持つ核と多辺形のやや豊富な好酸性胞体を持つ腫瘍細胞が壊死物、石灰物を囲む大小の円形胞巣や小腺腔、索状様配列を含む歪な島状胞巣、小胞巣を形成しながら蜜に増殖している。核分裂像が安易に認められる(27個/10HPF)。
間質の増生、硝子化を伴っており、程度の強いところでは、胞巣の小型化、解離を示す。
脂肪織への湿潤、脈管内しん侵襲を伴っている。部分的に周囲に管内進展が見られる。
[Lymp node]
(Level−T):1/2,Tumor size/LN size=2.2x1.8cm/2.4x1.8cm
(Level−T):0/10
合計(1/12)
operation:mastectomy、 Location: Left,A、 size:1.5x3.5cm、 
Histological type: invasive carcinoma,scirrhous carcinoma>papillo−tubular carcinoma
Intraductal Component:(+), Cribriform   Ductal spread:(+),focal,Comedo
Invasion: g,f    Lymphatic permeation: ly2     Venous permeation: v1
 

Lymph node metastasis: (+), 1/12
Nuclear atypia: 2 Mitosis: 3 Nuclear grade: 3
HER-2 score: 3+
ER(PS): 0 ER(IS): 0 ER(TS): 0
PgR(PS): 0 PgR(IS): 0 PgR(TS): 0
という結果でした。

英語のところはよく意味がわからないのですが、ホルモン感受性が全くなく、グレード3、HER-2 3+で、予後が最悪の癌なのでは・・・と、心配しております。主治医の先生は、「アントラサイクリン系3週間に1度4回、タキサン系3週間に1度4回」の抗癌剤を行うという説明でした。
そこで質問なのですが、
1) ハーセプチンは再発乳癌に適用と言われたのですが、効果があるなら再発前に試したいのですが可能ですか? 保険適用外だそうですが、金額はいくらくらいかかるのでしょうか? すべての医療施設でハーセプチン術後療法は可能ですか?
2) ハーセプチンを使った場合、どの抗癌剤との組み合わせが良いのでしょうか? その組み合わせをどのくらいの量、どのくらいの頻度で投与すれば効果が高いのでしょうか?
3) もしハーセプチンを再発前に使用した場合、再発後には使えないのでしょうか?
4) 病院で制吐剤PALOの治験(第3相試験)カイトリルとの比較をお願いされたのですが、どうなのでしょうか?

再発だけは避けたいと思っています。10月23日に治療方針の話があるので、先生方もお忙しいでしょうが、それまでにご回答いただければうれしいです。よろしくお願い致します。

1)  ハーセプチンは再発乳癌で使用するものですが、最近ではリンパ節転移が多数存在する進行例でも行われることがあるようです。あなたの場合、リンパ節陽性個数は1個ですので無理だと思います。自費では一回7万位でしょう。
2)  通常タキサン系の薬剤やビノレルビンと併用いたします。再発に使用しますので毎週2mg/kg可能な限り行います。どの位使用したら良いというデーターはありません。
3) そんなことはありません。
4)  カトリルは標準的な制吐剤で、それと比べ新しい制吐剤の効果が優れているかの試験ですので、説明を受けて納得ができたら積極的に参加してください。(文責 吉田)

 

No.5878】  06年10月20日   T.A
治療は手術からか、化学療法からか?

初めてご相談させていただきます。
52才、既婚、不定期ですが、まだ生理はあります。この年齢ですので、生理のたびに、これで終わりか…と思います。前回の生理が8月初旬で、9月20日ごろ、またおりものを確認したので、胸の張りはどうかと思い胸を触ってみて、右胸の上側中央よりにしこりを発見。9月25日に受診し、しこりを確認、針生検にて10月6日に乳がんと診断されました。毎年人間ドックをうけていましたので、大変驚きましたが、昨日CT検査を実施、来週MRI検査予定です。
マンモグラフィー・超音波・細胞検査の結果から、主治医には、手術⇒化学療法をすすめられました。 主治医曰く、しこりの大きさは3cm、レベルとしてはU、温存・全摘はどちらでも選べるようなお話でした。こちらから、最近の治療法としては術前化学療法がメインなのではないかとお聞きしたところ、手術をして病理検査に出した結果、抗がん剤かホルモン療法にて治療したほうがよいようなお話でした。また、術前化学療法でがん細胞が少なくなったところで、石灰化した部分は取らないといけないので、あまり効果がないというような言い方もしておられました。
まだ混乱しており、自分なりにも勉強を始めたばかりですので、確認するべきところもよくわからない状態なのですが、次回、一応の検査の結果が出揃ったときに、治療法の説明があるはずです。また、ガン専門病院にセカンドオピニオンを予定していますが、資料によりますと、そちらの病院では、「全員に術前化学療法」と記載されているわりには、ツテをたどって患者さんを2人探し出しましたが、お2人とも手術が先になっていました。まずお聞きしたい質問は、
1) 手術を先にしたほうがよい症例というのはあるのでしょうか? 2箇所の病院で、まずは手術から、まずは化学療法から…と治療の方針が違った場合には、自分で決断しないといけなくなりますが、素人の私には決断することができません。
2) 両方の病院にて説明を受ける場合に、どのような点を押さえて質問をしていけばよいのか、ご教授いただければ幸いです。

以上よろしくお願いします。   

術前化療と手術してから化学療法というのは、基本的に成績(生存率)に差はありません。術前化療を行った場合、しこりは縮小し乳房切除をせずに温存が可能となることがあることと、行われた化学療法の効果がどの程度か確かめることが出来ます。現段階では、しこりが3cm以上で温存術が出来ないものとか、術前より腋窩のリンパ節が明らかに腫脹しているようなものに術前化療を勧めるのが一般的でしょう。あなたの場合は、どちらにするかは迷うところです。もし腋窩のリンパ節が触れるようでしたら術前化療を行い、触れなければ手術(温存術)で良いのではないでしょうか。(文責 吉田)

 

No.5877】  06年10月20日   A  
術前放射線治療について

よろしくお願いいたします。今後の治療法について、教えていただけませんでしょうか? 現在35歳。4月に3.5センチの腫瘍が見つかり、検査したところ、リンパは(3,4個)腫れているが、骨シンチ等では転移は見られないとの事。術前化学療法を開始しました。EC4クール終了し、現在タキソール9/12が終了したところです。腫瘍は自分でも分かるくらい柔らかくなり(ごりごりとした感じがなくなり)、効果があったかなという気がしています。
先日、今後の治療法について先生に相談したところ、手術前に放射線治療をやったほうが取り残しが少なく、再発の可能性も低くなると言われました。放射線治療は、手術後にするものと思っていたので、いろいろと調べてみたのですが、あまり手術前にする例が見当たらなく不安に思っています。どちらを先にしても、放射線・手術・ホルモン治療はするとの事なのですが、放射線を手術前にすることでのメリットがどの程度なのか教えてください。

手術前に放射線をかけることにより腫瘍はいっそう小さくなり、手術範囲がそれだけ小さくなると考えられます。また組織学的に癌が消失する率も多くなると思われます。臨床治験か行われ現在その結果待ちの状態ですが、完全消失は40%近くに認められるようです。手術を行い組織学的に癌が完全消失していれば生存率が非常に良いことが報告されています。(文責 吉田)

 

No.5876】  06年10月20日   M.U. 
一般的治療方法と予後について

よろしくお願い致します。52歳女性、閉経前。手術前ホルモン療法を受け、エコー上、腫瘍が小さくなったと言われ、手術(9月20日)、術後の診断結果をドクターが紙に書いてくれました。それには以下のようにあります。
腫瘍の大きさ4.0×3.2、リンパ節転移の個数:18個中9個、腫瘍の悪性度:3、ER:陰性、PgR:陰性、HER2:3+、リンパ管・血管への侵襲あり。
1)残念ながらリンパ節転移9/18です。
2)性状も悪性度も高く(HER−2 3(+)、核量型度3)、ホルモン剤無効の乳癌です。
3)強力な化学療法が必要です。

質問
1) メモにある核量型度とは何か?
2) 化学療法後、ハーセプチンという保険適用外の治療をしてもいいと言われたが、なぜ保険適用外なのですか?
3) ハーセプチンは、化学療法と併用すると効果が高いとの情報を得たが、一般的な治療としてCAF後がいいのか?
4) 上記の状態で、一般的な予後とCAFの効果、ハーセプチンの効果は?

よろしくお願い致します。

1) 核量型度とは核異型度のことだと思われます。これは細胞核の顔つきのことで、通常3段階にわけます。顔つきが悪いと3となり、より悪性度が強いと考えます。
2) ハ―セプチンはHER2陽性の乳癌が再発した場合に保険適応となります。高い薬ですので、術後の補助療法としては保険で使用が認められておりません。HER2陽性でも再発しない人も多い訳で、医療費の無駄使いをさせないためと思われます。
3) その通りだと思います。心毒性の面から、アドリアマイシンとの併用は避けるべきです。
4) 正確には判りません。私の感覚では、このまま何もしないと再発率は80%でしょう。CAFを行うことにより再発率は60%位となり、ハーセプチンの使用により20-40%になると思います。(文責 吉田)

 

No.5875-1】  06年10月20日   C  
のう胞について

初めて相談させていただきます。28歳、既婚、祖母が乳癌の経験ありです。最近左胸の外側に1cmほどのしこりを見つけました。くりっとしていますが、痛みはなく、よく動くか、根が張っているかは自分でもわかりません。ちょうど人間ドックがあり、触診とエコーをして頂きましたが、エコーで見たところ、乳腺症が見うけられ、しこりは皮膚のすぐ下にあり、サイズは8ミリ×4ミリで、少し平らに見えました。結果、触った感じとエコーから判断して、のう胞でしょうという診断が下りました。あいまいだと感じたため、別の病院で事情を話し、診察を受けたところ、エコーを見た先生は迷わず細胞診しましょうとおっしゃいました。のう胞にしては形が気になるそうです。また、乳腺線維腫ではなさそうとのことでした。結果は2週間後に出るのですが、ここでお聞きしたいことは、
1) 細胞診をすると、すべての人はのう胞はなくなる、小さくなるのですか?(私は小さくなりません)
2) 縦横比という言葉がありますが、算出方法を教えてください。私の場合、8が横、4が縦でいいのでしょうか?
3) 20代の癌は増えていると聞きますが、進行が早く、生存率も低いというのは本当ですか?

全ては結果が出てから考えればいいことですが、気になってしまって・・・よろしくお願いします。

1) のう胞の内容液が濃く粘調な場合は、ほとんど吸引出来ず小さくなりません。
2) 縦横比とは文字通り、縦と横の比のことで通常は縦を横で割りその値をいいます。この値が大きければ悪性を疑います。
3) 明らかな差はありませんが、進行が早い傾向はあります。(文責 吉田)

 

No.5875-2】  06年10月26日   C  
細胞診結果判別不能での妊娠について

HPNo.5875で質問させていただいた者です。今日細胞診の結果を聞いてきました。結果は判別不能とのことです。もう一度エコーをとってみて、先生からは「もう一度細胞診をしてもいいし、生検をすることもできるけど、形からも癌である可能性は低いから、3ヶ月後にもう一度検査する程度でいいと思うよ。」とおっしゃっていただきました。前回は否定されていましたが、線維腺腫の可能性が高いそうです。自分ではこの方針でいいと思っているのですが、これから妊娠を望んでいるので、2点お聞きしたいと思います。
1) はっきりと良性でないと診断がないまま妊娠しても大丈夫でしょうか? すぐに妊娠を望むなら、生検をしてはっきりさせたほうがいいのでしょうか?
2) もし妊娠中の検査で乳癌が発見されたら、初期でも安定期でも子供はあきらめないといけないのでしょうか?
 
何度もすみませんが、よろしくお願いします。

1) 細胞診で判定不能であるが画像から悪性が否定できる場合は、良性のものと判断することは実際にはよくあることです。ただ確定診断がほしいなら、針生検で確定するのがよいと思います。
2) 妊娠中に乳癌が発見されても、妊娠の継続→出産は以前考えられていたほど深刻に考えなくてもよいと考えられています。しかし、流産、奇形児の可能性が高くなることはありえます。(文責 麻賀)

 

No.5874】  06年10月20日   K.Y
脇の痛み 

ここ数日、左の脇の中央部あたりが痛いのです。腕をあげるとそのあたりが痛むのと、脇を閉じたり開いたりしてもチクチクと痛いのです。何かあったわけではないと思うのですが、以前は自分で脇の毛の処理をしていたのですが、最近は自分では抜いたりもしていないのですが・・・。乳癌か、それともリンパ関係の病気なのかと少し不安です。結婚して半年、まだ子供もいません。27歳です。よろしくお願いいたします。

痛みの原因が何かは分かりませんが、しこりを触れなければ、まず乳癌やその転移と言うことはないと思います。1−2週間様子を見て痛みが軽快しなければ、近くの病院を受診してください。(文責 吉田)

 

No.5873】  06年10月20日   Y
鎖骨下の骨の隆起について

10年前に左胸内側の乳癌を温存療法で手術・治療し、その後定期的に検診してきましたが、再発はありませんでした。今夏、右鎖骨下部1.5cm位の場所の骨の隆起(変形)に気づきました(左の方にはありません)。痛みは全然なく、体調も良いのですが、乳癌と関係があるでしょうか。検査をしたほうがよければ、どの科にかかったらいいでしょうか。インターネットを見ていて、この相談室のことを知りました。宜しくお願いいたします。

乳癌と関係はないと思いますが、念のため検査は必要でしょう。整形外科でいいでしょう。(文責 吉田)

 

No.5872】  06年10月20日   Y.U.  
出血について(HPNo.5476-3)

HPNo.5476でご相談させていただいたものです。お返事いただき、ありがとうございました。緊張しましたが、落ち着いて検査に臨むことができました。結果はマンモ、エコーともに異常がなく、乳汁の細胞診はクラス1でした。出血している側に石灰化がありましたが、乳がん専門医の先生がみて良性だそうです。半年後に再検査といわれたのですが、半年間も待てないので、乳管内乳頭腫を疑い、鮮血がでていた乳管に造影剤をいれてのマンモを撮っていただき、乳管に生理食塩水をいれて洗い流し、それを細胞診する検査をしていただきました。(この時点では、分泌物は鮮血ではなく、黄色とオレンジの混ざった白いものになっていました。現在は半透明の白い分泌液が出ています。) その結果、マンモに異常のものは写らず、細胞診はクラス2でした。造影剤をいれたとき、出血はほとんどなかったそうです。また半年後に再検査をすることになりました。先生は、「乳腺症でも出血することがありますよ」とおっしゃっていました。周りの知人にも、「私と似た症状で検査をしたけど乳腺症といわれた」という人が何人かいます。乳腺症だと、なぜ出血することがあるのでしょうか? また出血した乳管が左側一箇所だけなのも気になるところです。一箇所だけの出血でも乳腺症は考えられますか?左側のほかの乳管と右側の数箇所からは、白や半透明の分泌物が出ています。半年後再検査しますが、それまでの心づもりとしてしっておきたいので、お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いします。

乳腺症は乳腺組織の過形成やのう胞変成などの良性病変が混ざって出来ます。乳腺症で出血することは多くありませんが、病変の一部より出血が起こってもおかしくはありません。半年後の検査をきちんと受けてください。(文責 吉田)

 

No.5871】  06年10月20日   K.S.
再発の心配はないのでしょうか?

以前にもご相談いたしました64歳の主婦です。1年8ヶ月前右乳房温存術で右上胸中央を1/4切除、センチネルリンパでリンパへの転移なし、放射線25回照射、ソシゲーン服用中です。組織の説明では、「癌の大きさ1.4×1.2×1.0cm、乳頭腺管癌、リンパ管血管内浸潤なし、核異型度1、Her 2 陰性、病期T」とのことでした。相談したいことは、手術、放射線治療の後、ところどころ固くなっていた残存乳房が柔らかくなってきたのですが、1か所乳房胸中央上部分乳腺に沿って大きな固いシコリのようなもの(3cm位)があります。手術医師が退職され、その後診察してくださる一般外科の若い医師は、「8月の診察で腫瘍マーカーは正常、マンモグラフィーにも異常はなさそうなので様子を見ましょう」との事です。再発の心配はないのでしょうか。よろしくお願いします。(64歳の主婦)

実際に診察しないと分かりませんが、恐らく再発ではなく、手術の影響で脂肪などがしこり様に触れているのだと思います。気になる様でしたら、エコー、細胞診などの検査を次回受診時に受けるとよいと思います。(文責 吉田)

 

No.5870】  06年10月18日   Y.Y.  
左胸の陰影について

三年前から乳がん検診を受けています。37歳、出産経験2回です。昨年、一昨年共に結果は異常なしでした。一昨年は総合病院で、昨年は住民検診で受けました。
今年は一昨年に受けた総合病院に行ったのですが、触診とエコーの時点では異常なしと言われ、最後に受けたマンモグラフィーで、左胸に薄く陰影(乳腺外と言われていました)があると言われました。マンモの後に再度触診とエコーをしましたが、はっきりしたものが分からないとのことでした。ほぼ心配ないと言われましたが、三ヵ月後のフォローということになりました。自覚症状は全くありませんが、口数の少ない先生で、質問に対して納得のいく説明を得られなかったので不安があり、マンモのフイルムを持参し別の病院で診察を受けました。触診・エコー・左のマンモ撮影を受けた結果、悪性の心配はないが(陰影が乳腺より薄く写っていると言われていました)、乳腺が硬く、そういう人は癌になりやすいリスクもあるので、しばらく薬を飲むようにと処方されました。ビタミンAとE(チョコラ・ユベラ)です。薬がなくなる頃に再診するようにとのことでした。
1) 自覚症状が全くないのですが、この二種類の薬は、どのくらいの期間やどんな症状・所見を目安に飲み続けるものでしょうか? また、正直効果はどうなのでしょうか?
2) 双方で悪性の心配はほぼないと言われましたが、陰影が何なのか、生検等で調べる必要はないのでしょうか? 陰影はどんな性状の物の可能性が考えられるのでしょうか?
3) 今後追跡のためのフォローは、どのくらいの間隔が良いのでしょうか?
4) 今後フォローをうける病院をどのように選択すれば良いでしょうか?
5) マンモに写る物をエコーで確認出来ないということはあるのでしょうか?

質問が多くすみません。お手数かけますがよろしくお願いします。

1) ビタミンAとEですが、貴方の様な場合に使用することは一般的ではないと思います。経験はなく、効果も分かりません。
2) 実際に診察しないと何ともいえませんが、あえて調べる必要はないと思います。
3) 決まった方法はありませんが、初めのうちは3〜6か月、その後変化がなければ年1回ぐらいでしょう。
4) 初めの病院が良いと思います。
5) 大体はエコーで確認てきますが、微細な石灰化などエコーで分からないものもあります。(文責 吉田)

 

No.5869】  06年10月18日   M 
骨転移でしょうか?

昨年4月に左側を全摘しました。現在48才です。ご相談申し上げます。
腫瘍は2.3×1.6×1.5cmでした。リンパ節転移は11/24でした。遠隔転移はなく、ly2+、v0、核異型度2、断端−でした。術後療法としてEC4クール、ウィークリータキソール4クールで中断、その後タキソテールに変えて4クールを行いました。今年1月からノルバデックス、2月からゾラデックスを行っています。
9月までは体調も良く、体力をつけようと9月上旬から1週間から10日程腿上げやスクワット、腹筋などを行いました。疲れたので止めたのですが、止めて1週間後から腰とお尻が痛くて、今も痛くてだるくて困っています。痛くなってから3週間経過しています。10月10日に定期検査で骨シンチ、CT、血液検査をしましたが、結果は11月9日の診察までわかりません。痛いのは左右の腰とお尻全体です。私としては筋肉痛のような痛みに思います。ジッと座っていたり、車の運転をしていたり、電車で立っていたりすると、とても重苦しくなります。軽く散歩している時のほうが痛みが和らいでいます。我慢していても良くならないので、先週、整形外科に行きました。レントゲンの結果ではヘルニアではなく、筋肉痛からくる腰痛症と診断されましたが、
1) レントゲンで骨の転移は分かりますか?
2) 低周波の治療をしていますが、万一、骨転移の場合、悪い影響はありますか?
3) この症状は骨の転移からくるものでしょうか? 3月の骨シンチ、CT、血液検査では異常はありませんでした。

どうぞよろしくお願いします。

1) 骨転移が進行し骨が変形すればわかります。
2) 悪い影響はないと思います。
3) 筋肉痛ではないかと思います。骨転移は初期段階には疼痛などの症状を示しません。(文責 吉田)

 

No.5868】  06年10月18日   R子
治療法について

以前、こちらでお世話になりました。局所再発し、放射線治療を終え、今はホルモン療法中です。治療法についてネットなどで調べていましたら、「免疫療法」「自家ワクチン療法」や「温熱療法」を知りました。これらはどのような治療法なのでしょうか? 乳癌には有効なのでしょうか? 有効だとしたら、どのような段階なら効果があるのか、そしてどれくらいの治療効果があるのかを教えていただきたいと思います。現在は画像上には他臓器への転移は見られず、腫瘍マーカーも正常範囲です。

免疫療法、自家ワクチン療法は、基本的には免疫力を高め癌の進展を抑制しようとするものです。温熱療法は、熱により癌組織を変性させるものです。乳癌は化学療法、ホルモン療法などがよく効きますので、免疫療法や温熱療法はあまり行われていないのが現状です。行われたとしても補助的な意味合いが強いと思われます。(文責 吉田)

 

No.5867】  06年10月18日   MM 
診断方法について

1センチのしこりが左胸の乳首の左斜め上にあって、病院に9月6日から通って検査をしてもらっています。穿刺吸引細胞診の結果が、細胞が取れなくて判断できなかったといわれ、明日しこりを全部取る手術をして診断するようになっています。が、金曜に別の病院の講習会があって、そのなかでは針生検やマンモトームも行うと聞き、それでも分からなくてしこりを取る前には、乳房MRIで確認をしてから取るとありました。悪性の場合、しこりを取ってしまうと、その後の手術が温存方法ができないとか、乳腺専門医の先生がいるところに変わりたい、などの選択肢があってもできなくなるのでしょうか。今日病院に行ったのですが、手術等で外来に先生がいなくて話ができなくて、明日手術の前に少しだけ話す時間があります。

針生検(コアーニードル)、マンモトームで得られるものはしこりの組織であり、本質的には生検(しこりをとること)と変わりません。違うのは生検の場合、組織がたくさん取れて診断が正確になりますが、小さな傷がのこります。針生検では十分な組織が取れず、診断が多少不正確となることがありますが、傷は残りません。どちらにするかはケースバイケースです。しこりを取ってしまっても、温存手術が出来なくなることはありません。主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.5866】  06年10月18日   H.S. 
セカンドオピニオンについて(HPNo.5735-2)

前回は丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。主治医に病理の結果を聞いたところ、浸潤性小葉癌、ステージVb、大きさは5cm、悪性度は低い、リンパ節転移は13個中1個、ホルモンレセプター(+)、HER2(−)ということでした。大きな癌で悪性度が低い癌は、すぐには再発をしないが先々で悪さをすることがあるため長期の治療が必要だと説明をされました。今の私の治療法は一般的ではないと以前相談した時にご指摘をいただきました(5−FU750mgを中心静脈より点滴、3W連続で1W休み、ノルバッテクスも服用中)。私が今かかっている病院は県下でもトップクラスの乳癌手術数と生存率の高さを誇っていますが、私のような症例はどのような治療法が一般的なのでしょうか? また再発率、生存率など統計的なものでいいので教えていただければと思います。来年の秋以降に新しい事業をする予定です。将来的な見通しをつけたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

前回の回答にもありましたように、リンパ節転移が認められますと、術後補助化学療法が薦められます。そのときには、アドリアマイシン系とタキサン系を含む治療を行う事が多いです。しかし、病理結果や合併症や年齢などを考慮して術後補助化学療法の薬剤を選択します。
再発率、生存率ですが、リンパ節転移が少ないと再発する可能性は低いと思われますが、組織型やその他の因子も含めて考慮されます。将来的な事もお考えのようですので、やはり一度主治医の先生と具体的にお話しされるのがよろしいかと思います。お大事になさって下さい。(文責 藤田)

 

No.5865-1】  06年10月18日   U 
ザンクトガレン2005

ザンクトガレン2005のリスクカテゴリーで、extensive 広範な脈管侵襲という、
1) 広範とはどの程度をいうのですか? ly2 v0とは広範なんでしょうか?
2) この数字は一体何段階あるのでしょうか?
3) リンパに転移があっても、脈管侵襲が(ー)ということもあるのですか? 素人考えでは、侵襲がないのに転移があるとは想像できないのですが・・・。
4) n1α、2/11で、HER2は(−)ですが、この場合は、High Riskということになるのでしょうか?
5) 小葉ガンで、32x27、グレード1、47歳、ER(+) PgR(+)です。全摘しました。現在、化学療法には犠牲のわりにあまりメリットが期待できないからとの主治医の意見で、OFS+AIですが、OFS終了後には、生理が再開するのでしょうか?
6) もし再開するならAIを続けても・・・? それとも内服も変更となるのでしょうか?

CTを受けていないわけですが、一部の文献にはOFS+AIはCTに匹敵するとも書いてあります。
7) 再発の可能性はどのくらいあるのしょうか?
8) もしCTをやっていれば、可能性はどのくらい低下したのでしょうか? もちろん可能性とは相対的なもので、私、個人のものではありませんが・・・。

治療方針を決める時に、乳腺専門医の説明をきちんと受け、医師の薦めでホルモン療法をはじめました。なのに私は、インターネットで1つでも転移があれば必ずCTをと推奨する記事を読んでは、不安症候群に陥いってしまいます。

“がん”のリンパ管と血管への侵襲を脈管侵襲と言いますが、病理ではそれをlyとVで表現しています。侵襲の有無を(−)、(+)か(0、1、2)で示します。今回は ly2,v0 ですので、リンパ管への浸潤は認めるが、血管へ浸潤は認めないという結果になります。ですので、リンパ管浸潤が認められるため、リンパ節転移は認められても矛盾しない結果になります。リンパ節転移は2つで、HER2(-)であれば中間のリスクになります。
ご年齢から考えて、OFS施行により、卵巣機能が低下し閉経した状態になる可能性が充分に考えられます。個人差によりますが、終了後に生理が戻られる方もいらっしゃいます。
術後の補助療法は中間リスクですので、ホルモン剤、または、±化学療法と考えられますから、何を選択するべきかは、主治医の先生と良くご相談なさって下さい。お大事になさって下さい。(文責 藤田)

 

No.5865-2】  06年10月21日   U 
ザンクトガレン2005(2)

お忙しいのにお返事くださいまして、本当にありがとうございました。しかし、質問の意味がうまく伝わらなかったような・・・・。ザンクトガレンのリスクカテゴリーですが、出回っているものは、1-3 positive lymph nodes,ER and/or PR expressed and all of the following features; extensive vascular invasion(-) HER2/ neu overexpression amplification(-)とあるものと、日本語に訳されたものは、中間リスクは、リンパ節転移1−3個かつHER2(ー)のみで脈管については触れていません。なぜ違うのでしょうか? なぜ日本語のリスクカテゴリーからはextensive vascular invasionが消えてしまっているのですか? extensiveという表現も微妙だし、私が矛盾を感じるのは「n1αでありながら脈管侵襲がマイナスというのが、ありえるのか?」というところです。それとも、ここで言うvascularとは血管でしょうか? 主治医に聞いたら、僕にはわかりません、と。何度も本当に申し訳ありません。こだわるようですが、どうしても疑問で霧がはれなくて・・・。おかげ様で、治療に関する迷いは消えました。主治医との信頼関係もばっちりです。最後にそこのところ教えてください。

ここで言うextensive vascular invasionとは一般的に広範な血管侵襲(v3+以上)のことだと思います。
なぜ日本語訳にないかについては不明ですが、恐らく訳者があまり重要と捕らえなかったのでしょう。もしextensive vascular invasion があれば病理報告に特記してあるはずです。n1αであっても病理標本で脈管侵襲が見られないことはあります。逆にly1+、であってもn0であることもあります。(文責 吉田)

 

No.5864-1】  06年10月18日   Y.I.
腋の下のしこりと痛みについて

大変恐縮ですが、ご意見をいただければと存じます。
2006年6月に市の健康診断を受け、異常なしだったのですが、マンモグラフィー検査の結果も異常なしの通知が届いてまもなく、重い荷物を背負ったことにより、右腋の下が痛み出し、気になるので手で触れると、しこりのようなものがあるような気がしたので、近くの乳腺外来を受診しました。7月に入ってからです。MRIを取った後で、何か影があるので、リンパ節の生検をした方が良いと薦められましたが、腫れていて痛みがあったので、1ヶ月ほど腫れと痛みの様子を見てから生検することになりました。9月初めにリンパ節生検をした結果、がん細胞があると言われました。しかもどこかの臓器からの転移である可能性が高いといわれ、現在9月末から10月初めにかけて、CT、胃カメラ、腸のバリウム検査、腫瘍マーカー、子宮がん、子宮体癌、卵巣がんの検査もしたのですが、がんの原発が見つかりません。
10月5日にPET検査をしたので、この結果を見てから他の専門病院を紹介していただくことになるのですが、リンパ節で見つかったがん細胞は、どのようなタイプの細胞だとわかるのでしょうか。進行性なのか、それともおとなしいタイプなのか・・・・とても気になり、夜も寝ることができない状態です。
42歳で2児の子供がいます。どうか、ご意見をお聞かせいただければと存じます。

色々ご心配かと思いますが、PET検査の結果を待ちましょう。PET検査で原発の臓器が推定できれば、そこに対しての治療が始まると思いますので、その主治医の先生とよく相談なさって下さい。お大事になさって下さい。(文責 藤田)

 

No.5864-2】  06年10月24日   Y.I.
原発不明の場合について

No.5864で回答をいただいたものです。ありがとうございます。
前回、検査中でしたPET検査の結果、咽頭、咽喉の辺りに薄い影があり、都内の大学医学部付属病院で、細胞検査及びCT検査をしていただいたところ、「咽頭、咽喉の辺りの影は炎症性でしょう」と言われました。右腋下のリンパ節3個が既に悪性と言われていますが、今のところ原発が見つかりません。11月6日に乳腺外科で診察していただくのですが、このように原発が見つからない場合、どのような治療方針になるのでしょうか。一般的な治療方針などがありましたら、ぜひお聞かせいただきたと存じます。子どもが小さいので、できれば通院可能な治療法があればと思っております。

一般的には まず入院して右腋窩リンパ節の切除(郭清)を行い、病理検査の結果を待つことになると思います。その後は、その病理所見をもとに疑わしい所を再検査することになります。(文責 吉田)

 

No.5863-1】  06年10月18日   K.N. 
術後治療について

はじめて相談させていただきます。年齢53歳。人間ドックのマンモグラフィーで見つかり、乳房温存手術、センチネル生検をうけました。病理結果、乳頭腺管癌5ミリ×7ミリ、悪性度グレード3、ホルモン受容体、HER2ともに陰性、脈管浸襲なし。
主治医から術後治療として、抗がん剤タキソール(毎週1回×12回)、その後放射線25回、その後経口抗がん剤を服用(これは必要ないかもとも言われている)を受けるよういわれ、1回目タキソール投与しました。
1) 私の場合の再発リスクはどれくらいありますか。
2) 術後治療を受けた場合、どれくらいリスクは減るのでしょうか。
3) 放射線のあと経口抗がん剤を服用する必要はあるのでしょうか。

薬アレルギーもあり、抗がん剤で体へのダメージをできるだけ避けたいと思っています。アドバイスよろしくお願いします。

1) リンパ節転移の有無で再発のリスクは変わります。また、悪性度グレード3、ホルモン受容体、HER2ともに陰性であると再発のリスクはあがると思われますが、再発のリスクは1つでなく、いろんな要因が含まれます。しかし、リスクが高いからといって必ず再発する訳ではありませんし、逆の事も言えます。
2) リスクは15?20%前後下がると思われます。
3) 経口抗がん剤の種類も多数ありますし、リンパ節転移の有無によって変わりますので、良く主治医の先生と相談して下さい。

色々ご心配かと思いますが、今後の再発の予防のための治療ですので、主治医の先生と相談なさってください。お大事に。(文責 藤田)

 

No.5863-2】  06年10月24日   K.N. 
術後治療について(2)

HPNo.5863で相談したものです。リンパ節転移はありませんでした。
1) ステージ1、悪性度(核異型度)3、ホルモン感受性両方陰性、ハーツーも陰性の再発率はどのくらいなのか、教えてください。
2) ホルモン陰性の場合、タキソールが良く効くとドクターから聞きましたが、CEやMCFなどの多剤療法よりタキソール(週一回×12回)の方がいいというデーターがあるのでしょうか? また、タキソールの後にCEなどをすることも可能なのでしょうか?

よろしくお願いします。

1) 10%以下だと思います。
2) 多剤療法(CEなど)と週一回のタキソールを直接比較したデータは無いと思います。勿論タキソールの後にCEを行うことは可能です。(文責 吉田)

 

No.5862】  06年10月18日   S.S
術前の治療について(HPNo.5144-2)

HPNo.5144で相談させていただいた者です。結局ECを3クールで中断し、タキソール(毎週法4クール)に変更しました。タキソール終了後のMRIの結果では、51×20×27mm(前回記載した15×20×27mmはタイプミスでした)が、30×17×27mmに縮小。続けて投与予定でしたが、副作用(足の痺れ)のため中止し、8月よりホルモン薬(フェマーラ)による治療を開始。約2か月後のMRIの結果では、腫瘍の大きさに変化なしでした。4月から8月は生理がなかったのですが、9月に生理になりました。先日再びECを開始したのですが、投与中、顔・首などに蕁麻疹が出現し中断しています。教えていただきたいことは、
1) ECではアレルギー反応が出てしまいましたが、他に効果の期待できる抗癌剤はあるでしょうか。
2) 術前のホルモン療法は一般的なのですか。フェマーラの術前服用の有効性は、どんなものなのでしょうか。

以上、よろしくお願いします。

術前化学療法は、EC(4サイクル)のあとにタキソールかタキソテール(いずれも4サイクル)を行う、いわゆるEC+Tという方法が勧められている為、ECが3クールできていればかなり頑張ったといえよう。つまりECで副作用があったからTになったというより、ECが3サイクルまで終わったから、残り1回のECを無理せず、次の段階のTに進んだと考えたほうが良い。なお、術前に引き続き内分泌療法を行うことに関しては、現在は推奨すべき研究成果は出ていない。よって、何らかの状況で手術に踏み切れない場合でなければ、また手術不能の乳癌でなければ、「術前化学療法→手術→(場合によっては放射線治療)→ホルモン剤の効くタイプの乳癌なら内分泌療法。」と進むのが一般的。(文責 館花)

 

No.5861】  06年10月18日   Y.K.
細胞診後、乳頭から血性分泌がありました

私は24歳の既婚者で、今8ヶ月になる子供がいます。出産後、右胸に2cm弱のしこりがあることに気が付き、気になりつつも怖くて病院を受診できずにいたのですが、最近になって少し痛みが出てきた気がしたので、4日前に乳腺外科を受診しました。触診、エコー、マンモグラフィー、細胞診を受け、現在細胞診のみ結果待ちで、その他の検査では「心配しなくても癌ではないだろう」と診断されました。とりあえず安心していたのですが、今日になって乳頭から母乳に混じって血液が分泌されていることに気が付きました。病院を受診するまでは、一度も血液を分泌したことはありません。細胞診を行った影響で出血しているのか、もしくはしこりが悪性であるためなのか、心配です。もしよろしければ、なぜ出血したのか教えてください。

まず、なぜ出血したか教えてほしいという質問に十分な回答をすることは不可能。次に、細胞診が腫瘤からされたのか、分泌物からされたのか記載無いが、いずれにしてもこの結果をまず聞かなければコメントは困難。なお、乳頭分泌物の性状が変化したなら、細胞診の結果如何にかかわらず、主治医に診察を受けることを勧める。(文責 館花)

 

No.5860】  06年10月18日   S.F. 
CTなどの検査について

乳がんだけとは限らないのですが、CT検査を受ける際に、どのくらいの間隔をあければ良いのでしょうか? また、通常のCTとヘリカルCTとは被爆量がだいぶ違うのでしょうか? 現在、術後半年で温存のため、放射線治療25回を受け、毎月アゴニスト注射とタモキシフェンのホルモン治療中です。放射線後3ヶ月目に軽い放射線肺炎になりましたが、安静と投薬で治りました。その際に、肺の下部にスリガラス状の影が見つかり、経過観察中なのですが、他の医療機関でもCTを撮ってもらおうかと考えています。体への影響が知りたく、お聞きした次第です。よろしくお願いいたします。

検査は、必要かつ十分な情報量を期待し、体に負担の軽いものから選択して行うもの。CT検査も同じ。単純なレントゲン撮影に比べれば被爆量は大きい値となるが、放射線治療とは比較にならない量で、医療施設の薦める間隔で受ける程度は問題にならないでしょう。
なお、肺の線維化を患者側が気にして、他の医療施設でCTを希望するとなれば、これこそ意義の少ない検査被爆になる可能性があり 、単純撮影での経過観察が勧められるのが通常。(文責 館花)

 

No.5859】  06年10月12日   T  
術後補助療法について

二度目の質問です。よろしくお願いします。
今年4月に右乳房温存術施行、その後放射線治療を60Gy受けました。45歳、閉経前です。放射線治療後、主治医の提案の中から、現在無治療を選択しています。しかし、ホルモン療法を受けたほうがよいか、ずーっと考えています。現在無治療なのは、ホルモン療法をしなくても再発リスクは10%前後と言われており、効果とリスクを考えて選択しました。副作用が心配なのと、自然の摂理に逆らうことへの抵抗感が大きく、なかなか踏み込めません。主治医の提案は3つあり、一つはLH-RHアナログ+タモキシフェン、二つ目はタモキシフェンのみ、3つ目は経過観察のみです。化学療法は勧められておりません。一般的には、上記の1,2の方法が標準治療なのでしょうが、主治医のように経過観察のみを提案する医師がどのくらいいらっしゃるのか、あるいは無治療を選択することが特別な事なのか、相談室の先生のご意見を伺わせてください。
以下、病理結果です。
腫瘍径:10ミリ×10ミリ×10ミリ、HER2:+、種類:浸潤性乳管がん、リンパ節転移:なし、切除断端:怪しいが(−)、低リスク、 波及度:fat 、悪性度:グレード1、リンパ管侵襲:+(ly2) 、ER:+(70%) 、血管侵襲:− 、PgR:+(70%)        

St. Gallen2005のリスク分類によると、HER2:+より中リスクになると考えられます。基本治療指針ではホルモン反応性より、ホルモン療法単独または化学療法併用のホルモン療法、化学療法後のホルモン療法が推奨されています。以上より、ホルモン療法を含めた治療をお勧めします。今回のように無治療を選択される医師がどの程度いらっしゃるかわかりませんが、多くの乳腺外科医はホルモン療法を選択されるのではないでしょうか。主治医とよくご相談下さい。(文責 西川)

 

No.5858】  06年10月12日   MS
乳首の腫れ

32歳、未婚女子です。乳がんについてインターネットを検索していまして、こちらのホームページを読ませていただきました。実は、私も不安なことがありまして、乳首が腫れているような感じなのです。普段は乳頭が陥没しているのですが、お風呂上りは刺激を受けるので乳頭が出てきて、その時に右側乳首の下側が左側より大きいというか、腫れているのを発見したのです。触ると「こりっ」としていて、少し痛いです。時々、右胸がずきっとすることもあります。7月に会社の健康診断で乳がん検診も受け、異常はなかったのですが、この「こりっ」としているものは乳がんの可能性はあるのでしょうか? 病院へ行こうと思うのですが、予約制だったりで明日にでもすぐ行けるという訳ではなかったので、いてもたってもいられずメールをさせて頂きました。お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

メールの内容からは正確な判断ができませんが、乳癌の可能性は低いと思われます。しかし、視触診とエコー検査とマンモグラフィ検査により検査をされることをお勧めします。焦る必要は無いと思いますが、一度時間を作っていただき、専門医を受診されて下さい。(文責 西川)

 

No.5857-1】  06年10月12日   C.T.
ホルモン感受性について

昨年、単純乳房切除術にて全摘しました。その時の病理結果で非浸潤性乳管癌DCISでした。ホルモン受容体の病理結果についてお尋ねしたいと思います。ER,PgRともに陽性と言われて、対側乳房の予防も考え、閉経前なので術後からLH−RHアゴニスト製剤のリュープリンによるホルモン療法を行っています。しかし改めて病理結果を見返してみると、「ER,PgRともに50%程度の細胞に弱く陽性」とありました。これは陽性でも感受性が弱いという事でしょうか? もし感受性が弱いなら、今の薬剤では効果が低いのでしょうか? 別の薬剤に替える方がよいでしょうか? 助言を宜しくお願いします。

ホルモンレセプター陽性の量が多いほど予後が良好と言われておりますが、陽性率によって区別された治療法は現在決められてはいません。一般的に閉経前乳癌の方に対しては、LH−RHアゴニスト(リュープリンやゾラデックスなど)とタモキシフェン製剤の併用療法が推奨されています。しかし今回の場合は、DCISという結果より対側乳房の予防に対しては、LH-RHアゴニスト製剤の使用は推奨されておりません。主治医とよくご相談なさって下さい。(文責 西川)

 

No.5857-2】  06年11月18日   C.T.
ホルモン感受性について(2)

ご回答をありがとうございました。以下の部分について理由がよく理解できないのですが、単純にタモキシフェンの方が実績があるためでしょうか?
>DCISという結果より対側乳房の予防に対しては、LH-RHアゴニスト製剤の使用は推奨されておりません。

理解できない理由1)
乳がん全書(聖マリアンナ医大Dr福田編著)157ページより
「抗女性ホルモン剤であるタモキシフェンは、女性ホルモンが豊富に分泌される閉経前の人には効果が薄いことが分かっています。そのため、閉経前の人の乳がんに対しては、女性ホルモンの分泌自体を抑制するLH-RH剤を優先して用い、ほかのホルモン剤を併用する方法がとられています。」「閉経前は1次LH-RH、2次タモキシフェン、3次MPA」
理解できない理由2)
乳がん術後の全身療法指針(2005年ザンクトガレン乳がん国際学会)より、閉経前、低リスク、ホルモン感受性ありではTAMとLH-RHがリストされている。

前回のご質問の内容より、非浸潤性乳管癌(DCIS)という記載がございました。DCISにおけるホルモン療法については、現在タモキシフェン内服による再発抑制効果は、海外のデーターによりエビデンスが出ておりますが、リュープリンなどのLH-RHアゴニスト製剤によるエビデンスは出ておりませんので、推奨されておりませんといたしました。質問内容に記載のありました乳癌全書やザンクトガレンでの報告は浸潤性乳癌にたいする治療指針として推奨されております。(文責 西川)

 

No.5856】  06年10月12日   K.M.
乳がんの可能性

急に右の乳頭に痛みが走り、見てみると、えぐられたような傷が2,3個あり、乳頭から血が出たりしています。それに加えて、右腕を挙げると右の脇の少し下の部分が痛いのです。乳がんの可能性はあるでしょうか?

乳頭より血液が出ている場合は、早めに乳腺外科医の診察を受けられることをお勧めいたします。ただし出血するからといってがんと診断されるわけではなく、良性腫瘍の可能性もありますので、精密検査を受けて下さい。(文責 西川)

 

No.5855】  06年10月12日   O 
転移性乳癌ですか?

78才になる母ですが、8月15日に3センチのがん発見、9月11日に右乳房を全部とりました。昨日診断結果が出て、11月よりホルモン療法に入ります。骨粗しょう症の検査結果が出てから、torかaz5年間、ということでした。診断結果は、リンパ節転移1個中0個、腫瘍の悪性度3、ER陽性、PGR陽性、her2 3プラス、脈間侵襲なし、リスク分類は中クラスです。悪性度が3、her2が3プラスということは、転移性乳癌ですか。転移という言葉に強いショックがあります。誰もが近いうちに再発する、または、転移するのでしょうか。寿命や余命という言葉が頭から離れません。

文章の内容からは多臓器への転移状況の記載がないため転移無しと判断いたしますと、現在お母様は転移性乳癌ではないようです。危険因子より中程度危険群になりますので、ホルモン療法単独または化学療法+ホルモン療法が選択されると思います。年齢よりホルモン療法が良いと思われますので、骨粗鬆症の程度が強くなければアロマターゼインヒビターによる治療がよろしいかと思われます。腫瘍径とリンパ節転移無し、多臓器転移無しの状況から2期と考えますので、一般的にはすぐに再発を考えなくても良いと思われますが、HER2(3+)より、今後も慎重にフォローされることをお勧めいたします。(文責 西川)

 

No.5854】  06年10月11日   R
タキソテール投与後の浮腫みについて

お忙しい所を、ご回答下さいます諸先生方に感謝申し上げます。
タキソテール投与後の浮腫みについて、ご意見をお聞かせ頂きたく存じます。右胸筋温存乳房全摘術後、リンパ節の転移がありましたので、補助療法としまして、FEC3週毎×6回+タキソテール3週毎×4回の投与を終えました。最終投与は9月6日です。9月20日からはホルモン療法・タモキシフェン5年/ゾラデックス2年を開始しております。タキソテール投与2回目あたりから、顔、下肢、手指への浮腫みが現れておりましたが、肝機能の数値に問題はありませんでしたので、予定通りの投与を終えました。タキソテール投与中は、主にロイシンアミノぺプチターゼ.TP・白血球の低下がありました。最後の投与からほぼ1ヵ月になりますが、かなり浮腫みが強く、足首周辺は毛細血管が内出血したような箇所が沢山あります。起床時から足はへこみが認められ、靴はサンダル状のものしか履けません。倦怠感や息苦しさも伴っておりますが、気分転換を兼ね、室内での軽い運動なども心掛けております。しかし浮腫みが増す事はありましても、軽減の効果はありません。つい外出も躊躇してしまいます。
主治医は、「血中タンパク質の低下や抗癌剤の影響により血管の透過性が増した事」などが原因とし、「時間が解決する問題」として、頑張るように励ましてはくれるのですが、このまま自然に浮腫みを放置したままで良いのか、また本当に回復するのか不安が募ります。諸先生方は、どのような対処方法をとられているのか、また一般的にはどの位で回復するものなのか、ご意見をお聞かせ下さいます様、宜しくお願い申し上げます。

タキソールの副作用の1つにむくみがあります。個人差もありますが、ひどいむくみの場合は利尿剤で対応することもあります。最後の投与から1ヶ月経過していますから徐々に改善してくると考えますが、増悪したり、あまり変化がないようなら、もう一度主治医に相談してみてはいかがでしょうか?(文責 川本)

 

No.5853】  06年10月11日   A.M.
リュープリンの副作用について

いつもこちらの相談室を拝見させて頂いてます。現在ホルモン療法中ですが、ゾラデックスからリュープリンSRに変更しました。リープリンSRに変更して1年近くになりますが、最近(ここ2ヵ月くらい)手足に湿疹が出ています。注射の部位以外でも湿疹が出ることはあるのでしょうか? 湿疹には赤みと痒みがあり、何度か皮膚科へ受診したのですが、ステロイドの軟膏をもらうだけで、治りません。リュープリンの副作用なのかわかりませんが、痒みに耐えられず、かきむしってしまい困っています。原因を特定する方法を教えてください。宜しくお願いします。

まず、なぜゾラデックスからリュープリンに変更したのでしょうか? 理由が分かっても今回の湿疹をよくする手がかりにならないかもしれませんが、少し気になりました。リュープリンの皮膚副作用に湿疹(1.6%)があります。副作用には個人差があり、リュープリンの副作用とは断言できませんが、痒みがひどければ薬剤変更も考えなければならないと思います。主治医とよく相談してみてはいかがでしょうか? (文責 川本)

 

No.5852】  06年10月11日   T.K.
腫瘤の縦横比について

41歳主婦です。子供はいません。2002年5月乳腺外科でしこりが見つかり、エコーでは境界明瞭で、内部エコーは均一、大きさ15ミリ×7ミリで、マンモグラフィでは悪性所見なし、細胞診クラスUで、「線維腺腫と思われますので、半年に一度の経過観察としましょう。」と、主治医から説明を受け、それ以降エコーは半年に1回、マンモグラフィは1年に1回、細胞診も2004年5月に受けましたが、やはりクラスUで、大きさも形も変わらないしこりが1個あります。主人の転勤に伴い、今年9月に、初めての病院で今までの経過を話して検診を受けましたが、やはり結果は全く同じで、「線維腺腫を疑う」ということでした。ただ今度の先生がエコーを見ながら、「しこりの縦横比が1より大きいので・・」と言うようなことを口にされたので、何のことかわからず自分なりに調べたのですが、わたしのしこりはエコーの画面では、ラグビーボールのような形で、体表に平行に明らかに横長です。縦横比は境界部高エコーを含めず、低エコー部分を測定する・・と本に書いてありましたが、素人にでもわかるよう、腫瘤の縦横比についてお教え願いませんでしょうか。失礼ながら1より大きいというのは、先生の勘違いではないかと思ったりしているのですが、いかがお考えでしょうか。また私のような横長のしこりで、縦横比が1を越える場合などあるのでしょうか。まことに長々と申し訳ありません。御回答いただきたく、どうぞよろしくお願いします。

超音波で乳腺腫瘤を診断する場合、良悪性の診断する指標の1つに縦横比があります。基準値は0.7です。0.7より大きい、小さいで表現します。良性では小さく、悪性では大きいことが多いです。T.K.さんの「体表に平行に明らかに横長」であれば、縦より横の方が長く0.7以下の可能性が高いと考えます。もう一度担当の先生にお聞きになってはいかがでしょうか?(文責 川本)

 

No.5851】  06年10月11日   A  
ホルモン感受性が弱い場合の術後補助療法のお尋ね

術後の治療選択について御相談させて下さい。
41才、閉経前、ラジオ波による温存手術済み。乳頭腺管癌、しこり径11mm+4mm+3mm(比較的近い場所に固まっていました)、センチネルリンパ1ヶ(染色法のみ)陰性、核異形度軽度〜中度、グレードは1が示唆される、広汎な脈管侵襲なし 。ホルモン感受性は、ERがわずかに陽性、スコア4が示唆(数少ない細胞が中程度の染色を示す)、PgRが陰性、ハーセプテストスコア0で陰性(上記は針生検資料からの結果です)。
癌の状態だけですと低リスクのはずですが、ホルモン感受性が弱いとのことで、中リスクに近いとも考えられる。ERスコア4だと閉経後のアロマターゼ阻害剤なら反応する可能性はあるとのことで、以下の選択肢を出されました。
1) ホルモン治療  (LH-RHアゴニストのみ)
2) ホルモン治療  (LH-RHアゴニスト+アロマターゼ阻害剤)
3) 化学療法(EC予定)+ホルモン治療
 
化学療法はリスク程度を考えるとやり過ぎの可能性もあるとのことですが、「ERの数少ない細胞が中程度の染色」…が気になり、ホルモン治療の反応は期待薄と考えて抗癌剤もやるべきか、とても悩んでいます。経験済みの方々には申し訳ないですが、抗癌剤の副作用もとても怖く、仕事を休まずに治療を続けられるのかも自信がなく、迷います。子供の為にも出来る限り再発は予防したいのですが…。化学療法を加えることで、再発リスクの減少の割合はどのようなものか、選択について、ぜひ参考の御意見をお願いいたします。

上記病理結果からlow riskグループに入ります。low riskグループの治療は、ホルモン治療または治療なしです。しかしERが僅かに陽性というところで悩んでおられると思いますが、もともと予後はよいことが予想されるので、そこで化学療法を受けても優位な予後の改善はないと考えます。以上のことからホルモン治療をお勧めします。(文責 川本)

 

No.5850】  06年10月11日   K.H
ゾメタ使用中の虫歯治療について

お世話になります。今年3月から4週おきにアレディア、7月頃からゾメタに変わって骨転移の治療をしています。最近親知らずが虫歯で痛くなりだしたので治療を考えているのですが、ゾメタの副作用による顎骨壊死を避けたいので、どうしたらよいか教えて下さい。ゾメタを止めて、ゾメタの効果が抜けるまで待って歯の治療をした方が良いのでしょうか? それとも虫歯が神経に及んでおらず表面を削る程度であれば、ゾメタ投与中でも虫歯治療をしても差し支えないのでしょうか? また、ゾメタの効果は4週間で抜けるのでしょうか。ご返答、よろしくおねがいいたします。

顎骨壊死は頻度は少ないですが最近報告されている副作用の一つです。「親知らずが虫歯で痛くなりだした」とのことですが、一度歯科で診察されることをお勧めします。万が一「親知らずが虫歯で痛くなりだした」が、顎骨壊死の徴候であればゾメタは一時中止した方が良いでしょうし、K.Hさんの主治医と歯科医で検討が必要かもしれません。まずは、歯科を受診し、治療内容をお話しすることをお勧めします。(文責 川本)

 

No.5849】  06年10月11日   M.S.
放射線治療

いつも大変参考にさせていただきております。先週9月26日に温存で手術を受け、退院したばかりです。これからのステップとして放射線治療に入るものと予想しますが、私は肌が白く、かなりの敏感肌です。顔の化粧水を選ぶのも特定の商品に限定されてしまっているくらいです。放射線治療による副作用としての皮膚の炎症に、治療の度に「保冷剤を使って冷やすといい」というコメントをしていらっしゃる経験者がいらっしゃいましたが、それは有効でしょうか。治療の妨げにならないのでしょうか。治療中は軟膏を塗るのもできるだけ避けるように、というコメントを見たばかりなので、ましてや冷やすという事が効果に問題ないのか疑問に思いました。もし問題ないようなら、日焼けした時に真っ赤になってすぐ水ぶくれする私の肌には少し救いになるかもしれないと思って、アドバイスを頂きたくお願いする次第です。また、放射線治療を受けている間、規則どおり連続して5週間ではなく、1週間から10日間の休憩期間をあけて前後2回に分けて放射治療を受けても効果は変わりませんでしょうか。上記2点に関して、ご指導いただければ幸いです。

基本的に日焼けした肌を想像していただければ良いかと思います。敏感肌の人は赤く軽い炎症を起こすことがあります。直接保冷剤で冷やすのではなく、タオルなどで保冷剤を包んで間接的に冷やした方が良いと思います。
「1週間から10日間の休憩期間をあけて前後2回に分けて放射治療を受けても効果は変わりませんでしょうか。」の質問ですが、肌のダメージを気にしての休憩とお察ししますが、1週間から10日間あけても治療効果は変わりませんので、ひどく水ぶくれなどできた場合は、一時休憩を入れても良いと考えます。(文責 川本)

 

No.5848】  06年10月03日    K.Y 
乳癌の症状について

初めてメールさせて頂きます。先日母が乳癌と診断され、今月31日に左胸を全摘する予定です。転移の検査などはこれから徐々に受けるのですが、わき腹近くと、乳房の下部分にかなり大きく出来ています。しこりのある場所からみて、転移したものではなく、同時期にできた癌のしこりであるという診断結果でした。現在の症状としては、しこりの痛みと眩暈、だるさ、骨の痛みなど、今思えば随分前からこんな症状を訴えていました。あとは突如流れるような汗をかき、体がかなり冷えたりします。この症状は癌によるものなのでしょうか? いろんなサイトで調べてみましたが分からず、本人はもちろんのこと、家族は不安でいっぱいです。もし広範囲に転移が見つかった場合、本人は手術や抗がん剤治療をせずに、ぎりぎりまで好きなことをして過ごしたいと言っているのですが、主治医は、転移があったとしても、大元の癌細胞を取ることを勧めます。もし広範囲に渡る転移が見つかった場合、本人が一番辛くない方法を選択したいのですが、どういった方法があるのでしょうか? 転移があった場合でも、主治医の言う通り、やはり乳房にあるしこりだけでも取った方がいいのでしょうか? 突然たくさんの質問をしまして申し訳ありませんが、アドバイスをお願い致します。

現在は乳癌術前状態で、ホルモン療法や抗癌剤治療はまだされていないのでしょうか。めまい、だるさ、汗をかく、冷えなどは進行した乳癌でも起こりえますが、閉経期もしくはホルモン療法中であれば更年期障害の症状の可能性も考えられます。めまい、骨の痛みについては、脳転移や骨転移でも起こる可能性はあります。もしも転移がみつかり、癌を取りきることができない場合、手術は生存期間の延長には寄与しないかも知れませんが、局所コントロールについては有効かもしれません。つまり、このまま腫瘍を放置して大きくなってくると、皮膚に潰瘍を作ったり、出血したりして生活の質(QOL)が極端に下がる可能性があり、それを予防できる可能性があります。抗癌剤治療に関しましても、現在はほとんど外来での通院治療が可能ですので、全身状態や副作用の程度によりますが、QOLをある程度保ちながら治療していくことは意味があるのではないでしょうか。治療しないことが本人にとって辛くない方法とは言えません。それぞれの治療にどういうメリットがあるのか、説明を受けた上で納得した治療を受けて下さい。(文責 浜口)

 

No.5847】  06年10月03日    Y.I.
右乳房中央部分腫瘤の疑いと診断されました

34歳、産後11ヶ月です。産後3ヶ月(2月)の時、母乳の出があまりよいほうではないので卒乳しました。先月(9月)、健康診断を受け、マンモの結果に右乳房中央部分腫瘤疑い、要精密検査との結果がきました。触診の時は何も問題がなく、自分自身も痛みやしこり等の感じは全くありません。実は産後3ヶ月の時、右ではなく、左の乳頭から血液がまじった分泌液が出て、すぐに乳腺外来で診察いたしました。両方の乳房の触診、エコー、マンモ、左乳房からでる分泌液を採取しましたが、特に異常はみられませんでした。おそらく、母乳がでないので、しぼりすぎが原因では・・との診断で、特に心配はないとの事でした。あの時マンモに何もうつらなかったのに、半年程度の期間で腫瘤ができてしまうのでしょうか? 今回は何も自覚症状もない右乳房腫瘤の結果に不安で仕方ありません。産後3ヶ月からは母乳はしぼっていません。今、生理中なので、生理が終わったら、近々乳腺外来を診察する予定ですが、乳がんではないかと思い、とても心配です。

半年間で腫瘤が大きくなる可能性も無い訳ではないので、症状が無くても超音波等の検査は、やっておいてもよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5846】  06年10月03日    MH
タモキシフェンの効果について

46歳、閉経前です。8月に右乳房温存手術を受けました。非浸潤性乳管癌で、完全に取りきれているそうです。今後の治療として、低リスクなので放射線照射は必要ないといわれました。病理の検査で、ER+ PgR-と言う結果で、「再発の心配はないが、癌になったことのない人よりは癌になる可能性が高いので、予防の意味でタモキシフェンを飲んでも、また飲まなくても、どちらでも可だ」といわれました。タモキシフェンの副作用については説明を受けました。私としては、かなり高い効果があるのならば服用するし、あまり効果がないのならば副作用も辛そうで、自分で決めていいのなら飲みたくありません。
PgR-と言うのが気になって、ホルモンの反応性について調べていく中で、St.Gallen2005に内分泌反応性についての記述をみつけ、私のようにER+ PgR-だと、不確実(uncertain)というカテゴリーに当てはまると分かったのですが、ER+ PgR+, ER- PgR+の場合と比べて、どの程度効果が落ちるのでしょうか。レセプター反応性の+というのは10%以上だそうで、たとえば80%染色されている人と10%の人の効果をまとめて論じることには無理があるとは思うのですが、+-しか情報がありません。効果についてのご見解を教えていただけたら、ありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

非浸潤性乳管癌に対する乳房温存術後の追加治療としては放射線療法及び、ホルモン療法が考えられます。放射線療法により生存率の改善効果ははっきりしませんが、局所再発は約半分に減少させます。タモキシフェン投与は対側乳癌発症を47%減少する効果があり、放射線療法との併用により局所再発の減少に有効ですが、タモキシフェン投与単独での局所再発抑制効果ははっきりしていません。
2005年のSt.Gallenミーティングではホルモン反応性不確実というカテゴリーが登場しました。これはおっしゃるとおりホルモンが効くかどうかを+と-で2グループに分けるのは無理があるという考えに基いてのことと考えます。ER(+),PgR(+)に比較するとER(+),PgR(-)ではホルモン療法有効率が約半分になるとの報告もあり、ER(+),PgR(-)は反応性不確実に入るとの考え方もありますが未だはっきりとした定義はなされていません。現在のところ染色される細胞が10%以上を陽性とするのが一般的ですが、染色陽性細胞の頻度と染色強度から判定するAllred scoreも広く用いられるようになってきており、いずれはホルモン反応性の定義もはっきりしてくると考えます。いずれにしろ現時点ではタモキシフェン投与は対側乳癌発症を抑える効果があり、局所再発が心配であれば放射線療法を考慮するということになると考えます。(文責 浜口)

 

No.5845-1】  06年10月01日   N.T.
術後の抗がん剤・ホルモン治療

はじめてメールさせていただきます。33歳、既婚、出産経験はありません。6月に右乳癌(2.6センチ×2)乳房温存手術とセンチネル生検をしました。病理結果は、リンパ節2/10の転移、ホルモン受容体陽性、HER2陰性でした。33歳という高リスクグループに入る為、術後に抗がん剤をしてホルモン治療をした方がいいとの事でした。現在は、最初にアゴニスト製剤を打ってから抗がん剤AC投与中です。結婚後すぐに子供を欲しいと願っていた時に乳癌の告知を受けたので、出来れば早く一通りの治療を終えて妊娠を望んでいます。そこで質問ですが、今の抗がん剤AC投与後、タキソールをするかで悩んでいます。ガイドラインに沿えば、リンパ転移がある場合はAC+Tをするようですが、主治医からは、「年齢と転移有だけ見ると、ガイドラインに沿っての治療がいいかもしれない。ただ、ホルモン陽性なので、AC投与後にホルモン治療だけでもいいかもしれない。」という事でした。出来れば過度な抗がん剤で卵巣に影響を与えたくはないし、でも、乳癌の治療としては十分な治療をしておきたいとも考えています。主治医の先生も十分相談にのってくれますが、相談室の先生のお考えもお聞かせいただければと思います。

妊娠を希望される場合には治療の選択が難しくなります。年齢、腫瘍径、リンパ節転移を考慮すると、無治療の場合の再発リスクは非常に高く、化学療法及びホルモン療法による再発予防効果も期待できるため十分な補助療法を施行することが重要です。AC+ホルモン療法にタキサンを上乗せすることによる効果は、おそらく再発率を2%前後下げる程度と予測されますので、妊娠希望も考慮するとAC+ホルモン療でもよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5845-2】  07年03月03日   N.T.
ホルモン治療について

HPNo.5845で以前相談させて頂いた者です。回答ありがとうございました。さて、現在は抗がん剤AC投与後にタキソールを選択し、3月末で抗がん剤投与が一旦終了する予定です。今後は引き続きゾラ注射を2年間続けながら、タモキシフェンを追加して治療をする予定です。そこで再度相談ですが、基本的にはタモキシフェン投与は5年間するのが標準と言われていますが、必ず5年間投与をしなければならないのでしょうか? 抗がん剤も経験しているので、妊娠の可能性は高くないのは理解していますが、可能性が少しでもあれば早めに子作りを考えたいと思っています。主治医と良い信頼関係を築けていますが、他の先生の意見も参考にさせて頂きたいので宜しくお願い致します。

乳癌の治療で一番難しい問題です。妊娠のことを考えなければ、35歳以下でリンパ節転移ありという状況では術後化学療法後にゾラデックス2年+タモキシフェン5年が推奨されることは間違いありません。しかし、この場合、だからといって絶対再発しないという保証はありません。逆に、治療を完結して5年後38歳で妊娠できる可能性もあります。一方、妊娠を強く希望されるのであれば、化学療法が終了したところで、全ての治療を中止して子づくりを考えていただくことになります。しかし、この場合も、だからといって絶対に妊娠できるという保証もありません。逆に、内分泌療法をやらなかったからといって必ず再発する訳でもなく、妊娠できて再発もしなかったということも十分考えられます。申し訳ありませんが、適当なアドバイスは難しい問題なのです。ご主人と二人で、どのくらい子供が欲しいのか良く話し合ってください。その気持ちの強さがどちらかの究極の選択をする基準になるのではないでしょうか。もちろん、妥協して、2年間だけゾラデックスとノルバデックスの治療を行って、そこで治療を止めて子づくりにという選択肢もあります。(文責 清水)

 

No.5844】  06年10月01日   H.S
超大量化学療法について(HPNo.5588-2)

再度ご相談をお願い致します。前回ご回答をいただき、有難うございました。術後の化学療法で8月中旬からFEC療法3週毎6クールを行い、その後超大量化学療法を行うとの説明で、現在3クール目に入っています。連日、吐き気と白血球の減少で、体力面、精神面ともにまいっている状態です。今回末梢血幹細胞を採取するとのことですが、本人は副作用での体力的な面から大量療法をしたくないと言っています。超大量療法は臨床実験的要素もあるとのことですが、その効果とリスクで、判断に迷っているところです。先生のご意見をお聞かせ願います。またしなかった場合、FEC療法6クールで終了なのか、他の抗がん剤をプラスしたほうが良いのかどうか、その場合、どの抗がん剤が適切か等、ご指導をよろしくお願い致します。

リンパ節転移を多数認めているため、術後の化学療法をしっかり行うことが再発のリスクを下げるために重要です。超大量化学療法につきましては、一般的な術後療法としては確立しておらず、不安が強いのであればFEC等のアンスラサイクリンを含んだ治療の後にタキサン系の薬剤による追加治療を行うことも考慮してよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.5843】  06年10月01日   R 
術後の治療について

よろしくお願いします。43歳、閉経前、右全摘。病理結果:浸潤性乳管がん、タイプ:硬がん、22o×18o、グレード:2、リンパ節転移0/22、lyマイナス vマイナス ERプラス PRプラス ハーツーFISH切片マイナス。リスクカテゴリーではintermediateリスクに入るようですが、主治医はローリスクに近い方と言っていました。今後ホルモン治療だけで様子を見たいと言っていましたが、質問です。
1) 化学療法は必要ないと考えていいのでしょうか?
2) 病理結果の中でfプラスとありましたが、脂肪組織への浸潤が見られたという事でしょうか? だとしたら、その事はリスク因子には考えられるのでしょうか?
3) 病理結果の中のductal spread:ポジティブとはどういう事なのでしょうか?

今後自分も勉強しながら、主治医と相談して治療方法を決めていきたいと考えていますが、ご意見をお聞かせ下さい。

1) リスクファクターの中で腫瘍径及び組織学的グレードがあり、intermediate riskにはいります。ホルモン療法による再発予防効果が十分に期待できると考えますが、化学療法による上乗せ効果も少ないですがあるのも事実です。しかし副作用もありますので、メリット、デメリットを考慮して主治医と相談して決めましょう。
2) 脂肪組織への浸潤を意味しますが、乳癌は脂肪浸潤がみられることが多く、特に独立したリスク因子とは考えられていません。
3) 乳管内進展陽性という意味であり、乳癌の非浸潤成分が乳管の中に広がっていることを示し、乳房温存手術を施行する際には断端に癌が残ってしまうことがあり、注意が必要になります。(文責 浜口)

 

No.5842】  06年10月01日   AM
アリミデックスの副作用について

二年半前、左乳房の温存手術をして標準治療を終え、ノルバテックスを26ヶ月間服用後アリミデックスに変更して6ヶ月になります。ノルバテックスの副作用よりアリミデックスの副作用(体全体の関節痛と、右腕人差し指と親指のバネ指症状、及び右腕肘周辺の筋肉痛で、日常の生活に支障が出てきています)が酷く、鎮痛剤を何種類か服用しましたが、全く効かないどころか症状が悪くなっている状況です。担当の先生の話では、我慢して続けなさいとの事ですが、バネ指の治療を整形外科で今すぐ受けたほうが良いのか、又この副作用はアリミデックスの服用が終了したらなくなるものなのでしょうか。ご指導をお願い致します。

確かにアリミデックスには骨・関節痛の副作用があることが知られており、多くの場合は無治療もしくは鎮痛剤投与でコントロールできることがほとんどですが、日常生活に支障をきたしているのであれば、主治医に相談して他のアロマターゼ阻害剤に薬剤を変更するか、ノルバデックスに戻すことも考慮したらよいのではないでしょうか。副作用については服用を中止すれば改善しますが、バネ指については一度整形外科を受診してみることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.5841-1】  06年10月01日   Y.S.
HER2 強陽性

8月29日に告知を受けてから、毎日相談内容を読んで乳癌の理解を深めていました。ありがとうございます。私はMRI画像で広がりがみられたため、9月13日に全摘手術をうけました。48歳、閉経前です。病理検査は、乳頭腺管癌 1.5x1.2x1.2、 乳管内の広がり1+、 リンパ節転移陰性、センチネル0/1、組織学的異型度1、浸潤は脂肪のみ、リンパ脈侵襲ly0 静脈侵襲0、核異型スコア2 核分裂像スコア1 切除断片3mm(−) 合併病変 石灰化を伴う高度のMASTOPATHY、ER,PgRともに3、HER2 3+陽性。 硬癌の所見も見られるとも記述があり、HER2 3+が進行の早い悪性度をしめしていると理解しているので心配しています。治療方針はタモキシフェンとリュープリンで、抗がん剤は予定に入っていませんが、アドリアシンがHER 2に効くと読んだ記憶があります。
1) 抗がん剤なしの予防治療で十分でしょうか?
2) 抗がん剤も併用するとすると、何が推奨されますか?
3) HER2強陽性は、他の癌の発症の可能性の高い、癌体質ということなのでしょうか? 10年生存率は80%の、中程度のリスクと言われました。
4) 乳腺症の病変があったということの意味はなんでしょうか?  

以上です。よろしくお願いいたします。

1) ホルモン感受性の早期乳癌であり、ホルモン療法で十分と考えます。
2) アンスラサイクリンを含んだ治療法が推奨されます。
3) HER2は癌の増殖に関与するタンパクであり、高発現している場合には再発のリスクが高くなることがわかっていますが、他の癌になりやすいわけではありません。
4) 乳腺症は良性の疾患であり、あまり気にしないで宜しいと考えます。(文責 浜口)

 

No.5841-2】  07年08月15日   Y.S.
ハーセプチン

昨年(HP5841)でご相談させていただいきました。ありがとうございました。先週のフォーラムは参加して本当に有意義で、力づけられました。最新治療のお話の中に、今年中にハーセプチンが再発以外でも保健適用される見通しと伺いました。主治医に質問してみたところ、私のケースでは特典があるかどうか、と仰っていました。術後の病理診断の説明のときには、中リスク、88%再発しないといわれました。これがホルモン治療、タモキシフェンとリュープリンで数パーセント好転し、100%再発しないことはありえないので、ハーセプチンを加えた場合の%がごく少ないということなのでしょうか。それは、「癌のタイプ= 主に乳頭腺管癌と、グレードと、リンパ転移ゼロ」から判断されているのでしょうか? 加えて、執刀医には、術例が多ければ多いほど勘が働くのでしょうか? つまり癌の位置とか広がりの様子とか、年齢などから、再発するかどうかの予想がたつものなのでしょうか? または、ハーセプチンは再発したときにとっておく、といった考え方もあるのでしょうか? HER2 PR ER すべて+3の強陽性で、怖がっています。どうしてもハーセプチンを受けたいと主治医に言い出すべきか悩んでいます。どういう風に考えたらよいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

現在はホルモン療法を行っているので、ハーセプチンについての考え方は、仰るとおりです。再発した時、骨やリンパ節への転移、症状のない肺や肝臓等の臓器転移の場合、ホルモン療法の効果が期待できれば、まずホルモン療法を行い、効果がなければ、ハーセプチン単独あるいはタキサン系抗癌剤との併用療法を行う事になります。主治医は、おそらく保険診療を原則としていますので、ハーセプチンの治療に関して、もう一度、貴女ご自身の希望を伝え、充分相談される事をお勧めいたします。納得のいく治療を受ける事が大切です。(文責 須田)

 

No.5840】  06年10月01日  N 
手術方法決定について

先日、母が乳癌の手術をしました。検査ではクラス5で癌は間違いなく、しこりは5mm程度で、精密な検査でも脇のリンパには見当たらず、脇は大丈夫なので、胸だけを取りますとの話でした。しかし、手術ではかなり大きく、脇のリンパまで切り取られ、「脇にはなかったようですね」とのお話。しこりが小さく、検査でもリンパに異常を見られなくても、やはり安全性の為に広範囲に取るべきなのでしょうか?

術前リンパ節転移がないと判断した場合には、リンパ節郭清を行う方法と、色素や放射性元素を使用して癌から最初に入り込むリンパ節を同定して、リンパ節をサンプリングして、そこに転移がなければリンパ節郭清を省略する(センチネルリンパ節生検といいます)方法があります。手術の前にそれぞれのメリット、デメリットを説明した上で、どちらの方法を選択するか決定するのが一般的と考えます。もし疑問な点があるのであれば、もう一度主治医に、どのような手術方針で、どのような手術を施行したのか説明を受けてみたらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5839】  06年09月30日  N 
リュープリン3ヶ月製剤について

ゾラデックスによるホルモン療法を2年4ヶ月やりました。今年の7、8月にリュープリン1ヶ月製剤を試し、下腹痛と視力の低下がありました。9月に入り副作用も安定したようなので、3ヶ月製剤を試しました。1週間後くらいから、10代の頃の生理痛のような下腹の痛みで食欲がなくなり一気に体重が減り、上方が良く見えない視野障害が出ました。現在加味逍遥散を飲んでいますが、眠気が出る程度で症状は改善されません。
質問は
1)次回注射の12月にゾラデックスに戻す予定ですが、自分の体がこんな反応を示すリュープリンを計5ヶ月間打ったことは、ホルモン療法を継続してやっとこととして、きちんとカウントされるのか。
2)3ヶ月製剤を打った腹部が現在も少し腫れていることから、薬剤がきちんと浸透していないように感じられます。また生理も23日周期だったことから、次回のゾラデックスを打つタイミングは、12週後で大丈夫なのか。
  
の2つです。よろしくお願いします。  

1) 薬剤にはどれでも作用、副作用がありますが、副作用があるから作用が無い訳ではありませんので、効果は期待してよいと考えます。
2) 3ヶ月製剤は3ヶ月分の薬剤が入っていますので、濃度が高く薬剤を注入した部位が硬く腫れてしまうことがありますが、効果が落ちる訳ではありません。また投与は12週後で問題ありません。(文責 浜口)

 

No.5838】  06年09月30日   I・H
右乳房の影について

50才、3人出産。33歳頃、右乳房のシコリに気付き受診、細胞診で右は異型度2・左は1でした。「良性の腫瘍だが、将来癌と間違われるといけないから」と言われ、切開で切除しました。多発性線維腺腫で、右は亀の子が乗ったように腺腫が重なっていたと説明を受けました。1999年12月、会社の婦人科検診で再検査となり、手術を受けた病院でマンモグラフィー、エコー検査を受け、結果両乳房にのう胞が複数見つかり、2004年頃まで、経過観察を受けてきました。特に詳しい話もなく、何も言われぬまま過ごしてきました。2006年2月、他の診療所で、マンモグラフィー、エコー検査を受けたところ、右乳房に気になる影(4mm)形状の内側が微妙にデコボコしていて、他の影とは異なると言われ MRI造影検査を受けました。結果は悪性の所見無しと言うことで、半年の経過観察になりました。9月の経過観察でも特に変化なしと話をされましたが、4mmの影は細胞診を進められました。自分ではしこりにふれません。影のあたりが線維線腫で手術した場所に近いと話をしましたら、何かボソッと話されたのですが、うまく聞き取れずに半年の経過観察になりました。
1)古傷あたりにある影は線維腺腫の瘢痕ではなく、後から出来たものなのでしょうか。
2)半年の経過観察になりましたが、細胞診を受けた方がよかったでしょうか。
3)手術を受けた病院で、もう一度診察を受けるべきか迷っております。
4)私のような経過観察が長い場合、乳がんになる可能性は高いのでしょうか。

よろしくお願いします。 

1) 両方の可能性が考えられ、心配であれば細胞診等で精査をお勧めします。
2) 変化無いようであれば、6ヵ月後でも宜しいのではないでしょうか。
3) 心配であれば受診されてスッキリした方がよいでしょう。
4) 特に高くはないと考えます。(文責 浜口)

 

No.5837】  06年09月30日   M.M.
印鑑細胞癌の情報について(HPNo.5734-2)

先日ご指導頂いたM.M.と申します。ご指導頂いた様に両手の先端がしびれて麻痺してまいりましたので、主治医の先生にもう一度症状を詳しくお伝えして、薬をアリミデックスに変更して頂きました。先生は快く変更して下さり、心配して頂いています。現在、大阪の端、京都に近いところに住んでいまして、病院も中ぐらいで外科の診療を受けております。印鑑細胞癌の症例も少なく不安な部分もあり、困っております。DRに関しては、とても良い先生で何でも相談出来、頼りにしています。現在症例が少ないため、今後どのようになるのか、何年生存できるか、不安ばかり先立ちます。何か情報をお知りでしたら、ご返答いただけたら幸いです。お忙しい折、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

やはり症例数が少なく通常の乳癌と違い十分なデータの蓄積がないのが現状です。消化管や卵巣などに転移することが通常の乳癌に比較して多いとの報告もありますので、定期的な検査でフォローアップされるとよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5836】  06年09月30日   S.T.
母の乳癌の手術後の患部の引き攣れについて

母が10年前に乳癌と診断され、左乳房の切除を行いました。それ以来、患部周辺の引き攣れの痛みに悩まされています。寝ていると問題ないようですが、状態を起して左腕に負担をかけた場合が一番ひどいようです。かかりつけの総合病院などでペインクリニックなどにもかかったようですが、根本的な治療も、適切なリハビリなども処方されずに、今ではあきらめて我慢しているようです。どこかこのような症状の対応にたけた専門機関はありませんでしょうか? 素人考えですが、手術の方法が外科的に不適切で、神経、リンパ、筋肉などの状態が悪く、このような反応が起きているのではと思っています。もしそうだとすれば、まずは物理的にその状態を診断し、それに見合った理学療法なり、部分的な再手術などの対応が可能なのではないかと思います。現在は母75才です。まだこの先の人生を楽しく過ごしてもらいたいので、何とかこの苦しい状況を薬などではなく、楽に出来る方法を見つけたいと思っています。何かご存知でしたら教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

術後創痛には個人差があります。時間の経過と共に徐々に和らいでいくことが多いようですが、なかには長期間創痛に悩まされる患者様もいらっしゃいます。通常の手術であれば、手術の方法が不適切ということは考えにくいです。キズが大きな瘢痕のようになり、それが原因で疼痛があるのであれば外科的切除の対象となる場合もありますが、そうでなければ再手術で改善する可能性は低いと考えます。やはり鎮痛剤や安定剤などの薬物療法と、創痛に伴い筋、関節の拘縮をきたしているのであればリハビリ、理学療法を根気よく続けるということになると考えます。(文責 浜口)

 

No.5835】  06年09月30日   R.S.
術後の検診とホルモン療法、ならびに子宮ガン検診(HPNo.5393-3)

お世話になります。HPNo.5393でお世話になったものです。FEC1003w×4クールを8月末に無事終了し、昨日からホルモン療法が始まりました。抗がん剤投与中に生理は少量の出血が残っていたため、閉経前との判断でゾラデックス2年+タスオミン錠5年の予定になりました。ゾラ、リュープリン1ヶ月製剤、3ヶ月製剤のいずれかを選択するよういわれ、「効果は多分同じだがゾラの方が臨床データーが多いことと、固体なので投与ロスが少ない、リュープリン3ヶ月の方は通院は3ヶ月に一度、注射時の痛みが少ない・・・今日ゾラを投与して後日リュープリンに薬剤を変更してもよい」と言われました。注射は私としては特別痛いものではありませんでした。飲み薬もノルバッデクッスでもいいし、ジュネリック(タスオミン)でも効果は多分同じだとおっしゃるので、経済的なことも考えて、ジュネリックを選択しました。この選択で良かったのでしょうか?
主治医に術後の検診はいつやるのか尋ねたら、術後1年でよいとのことでしたが(来年の5月ごろ)、そんなに頻繁にやっても仕方がないとのことでした。子宮体癌のリスクが副作用であるので受けておくように言われたのですが、何かあった場合すぐ対応できるよう受診中の病院の婦人科にて受診するか、カルテがあり(昨年5月生理が長く続いたので受診)受診時間の融通がきく地元の婦人科にて受診するか悩んでいます。そのときに念のため体癌の検査もし、結果は問題なしだったのですが、一年後に再受診と思っていた矢先に乳癌を告知されたので、薬の副作用はまだすぐには出ないと思いますが、すぐに検査をしたほうがよいのでしょうか?
自分なりにホルモン療法の勉強して行ったはずなのですが、間違ったことを勧めているわけではないのですが、主治医が「多分」とか「効果は同じはず」とか少し曖昧な発言をする傾向がある方なので、優柔不断な私は迷ってしまいます。主人も私に判断を任せっきりです。
1) ゾラとリュープリンの効果は全く同じですか? 途中で変更しても問題はないのですか?
2) ノルバデックスとタスオミンの効果は同じですか?
3) 術後の再発・転移の検査は、術後1年は私のステージでは標準ですか?(5月4日にエキスパンダーからシリコンに入替え予定)
4) 婦人科は初診で受診中の病院とカルテがある地元の婦人科と、どちらが理想ですか? すぐ受診したほうがいいですか?

納得して選択したはずなのですが、帰宅してからとても不安になってしまいました。よろしくお願いします。 

1) 同等と考えて宜しいと考えます。
2) 同等と考えて宜しいと考えます。しかし、ジェネリック薬品というのは先行の薬品と同様の成分で作られた後発薬品であり、先行の薬品が様々な臨床試験を経て使用可能になっているのに対し、後発薬品は先行の薬品と同じ成分ですので同じ効果があるということで臨床試験などをせずに発売されています。ですから安いわけですが、ちゃんとしたデータの裏づけがあるのは先行薬品ということになります。主治医の先生の説明が曖昧に聞こえるのは、そういった背景があるからではないでしょうか。
3) 宜しいと考えます。
4) 乳癌術後でホルモン療法中であることをお話しすれば、どちらでもよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.5834】  06年09月30日   A
リュープリンの薬疹について

いつも不安になった時には参考にさせていただいております。温存手術を受けてから1年半になります。現在はリュープリン注射とノルバデックスのホルモン療法をしています。リュープリンの10回目を過ぎたあたりから、注射後の3、4日間に渡りジンマシンのような赤い発疹が出るようになりました。痒みがあり蚊に刺されたような大きさのものもあります。その後、5ヶ月ほど様子を見ていたのですが、注射の度に出ています。発疹は4、5日すると消えているのですが、この様な体の拒否反応が出ていて、薬の効果はあるのでしょうか。また、このままリュープリンを出来れば続けたいと思いますが、この場合中止したほうが良いのでしょうか。以上、よろしくお願いいたします。

軽いアレルギー反応なのかも知れませんが、だからといって効果がなくなるということはありません。軽度であれば続行可能と考えます。(文責 浜口)

 

No.5833】  06年09月30日   A
両胸の大きなしこりについて

お忙しいところ申し訳ありません。初めて相談させていただきます。24歳、未婚女性です。小学6年生の時、両胸に小さなしこりができ、しこりは成長と共に大きくなり、今では、しこりがあるというよりは、胸全体がしこりでできているという感じです。しこりの特徴としては、
・表は滑らかではなく、ぶつぶつしており、米粒が集まったような感触。
・大きさは左右同じくらい、直径15センチ程度。
・硬さは、耳の軟骨より少し柔らかい程度。
・生理前には胸のはりが激しくなり、圧迫感がある。
・痛みは、普通にしていれば感じませんが、つまむとやや痛いです。

以上の特徴から考えて、悪性の腫瘍の可能性はありますでしょうか。小学校の頃から、気になって医学書等で調べたりはしていたのですが、親に相談することもできず、こわくて病院にも行けず、今まで放置してきてしまいました。しこりができた年齢から考えて乳癌ではないだろうと思っているのですが、やはり一度病院で診てもらうべきでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

恐らくは正常の乳腺そのものなのではないでしょうか。乳腺の硬さや大きさには個人差があり、生理前には乳腺も増殖しますので疼痛を伴う場合もあります。あまり心配しないでよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5832】  06年09月29日   K
再検査について

今年7月末に市の乳癌検診(触診)をした所、触診で左胸に1.8cm位の移動性の腫りゅうがあると言われ、その日にマンモグラフィとエコー検査を受けました。やはり腫りゅうがあるとの事でした。形的には平たく、良性の感じに見えると言われました。1ヶ月後に再エコー検査と言われ、8月末にエコー検査したところ、「サイズが変わっていないので、3ヶ月後に再度エコー検査をしてみましょう。3ヶ月後もサイズが変更していなければ半年後、それでも変わっていなければ年に1回で言いでしょう」と言われました。最近気にして触っていると、自分でしこりが分かるようになり(今までは分かりませんでした)、たまに左胸がつる感じもして(寝相のせいかもしれませんが・・・)心配になってきました。母も55才の頃、乳癌で左胸を全摘しております。本当に3ヶ月後でいいものなのか? 別の乳腺専門外科(私が行った病院は外科)で再度診てもらった方が良いでしょうか? 実際に細胞を調べた訳ではないし、良性の中に悪性が隠れている場合もあるとネットで見たもので不安に思い始めております。

3ヶ月後でよいと考えますが、心配であれば他の病院を受診してみたらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5831】  06年09月29日   miro
術前化学療法

現在、術前化学療法をしている者です。リンパ節腫大ありということなのですが、転移をしているという解釈でいいのでしょうか。転移というのは、実際は手術をしてみないとわからないものでしょうか。CTの画像で転移はわかるものなのでしょうか。

リンパ節腫大ありということで術前化学療法施行中ということであれば、リンパ節転移の可能性が高いと解釈してよいと考えます。CTなどの画像でもリンパ節の大きさ、形や造影剤による染まり方などで、ある程度の予測は可能ですが、転移があるかどうかの最終的な診断は摘出標本の病理検査でなければ確定はできません。(文責 浜口)

 

No.5830】  06年09月29日   M  
副作用について

45歳主婦(香川県)です。今年9/5に左胸横部分切除とリンパを少し切除し、ノルバデックス服用とお腹に打つアゴニストのホルモン療法を始めて10日目となります(放射線療法は10月に入ってする予定)。昨日ぐらいから頭痛や発汗に悪心があります。こんなときは市販の頭痛薬を飲んでもかまわないのでしょうか? それから前々から痔が悪かったのですが、4〜5日前から急に悪化して脱肛しています。日ごろから座薬をさして抑えていましたが、今回は、なかなか座薬が効きません。キャディーという仕事をしてるのですが、昨日、術後はじめて仕事を半日だけしましたが、今朝も調子が悪く、結局今日の仕事を休んでしまいました。3日前から口内炎が3個ほどでできて、舌や口の中全体もピリピリ痛いです。ホルモン療法をすると免疫力が低下すると聞きましたが、痔の悪化や口内炎はノルバ服用と関係しているのでしょうか? もうひとつ気になることは、私は今うずらの卵くらいの筋腫が3つ程あります。ここ1年大きくはなっていないのですが、ホルモン療法によって大きくなったりしませんか? 今かかっている病院は乳腺専門の病院で、何も子宮関係のことは聞かれてないので、筋腫のことは話していません。

ホルモン療法の副作用として更年期障害の症状が出現することが考えられ、頭痛、発汗、悪心はそのためかも知れません。頭痛薬の服用は可能です。脱肛についてはノルバデックスとの関連は低いと考えます。子宮筋腫につきましてはノルバデックスには子宮内膜増殖作用がでることがありますので、婦人科でのフォローアップが必要と考えます。(文責 浜口)

 

No.5829】  06年09月29日   Y.T. 
術後の検診について

いつも相談室読ませていただいています。3月にはリンパ節転移についてお尋ねしましたところ、お返事いただいた者でございます。有難うございました。今回、その後のフォローについて再度お尋ねしたく、メールいたしました。お忙しい事とは存じますが、宜しくお願いいたします。また8月5日の乳癌市民フォーラム大変勇気づけられました。有難うございました。
私の病歴について:
62歳です。今年2月9日、左乳房全摘手術を受け、U−a期でした。センチネル検の結果、リンパ節郭清は受けていません。しかし病理検査の結果、リンパ節転移レベル1が1/1ということでした。(リンパ節転移:陽性、センチネル:0/5、レベル1:1/1、 組織学的異型度:2 、脈管侵襲:陰性、 ホルモン感受性:陽性、 HER2:2+/陽性)
骨シンチグラフィーは手術直後(2月13日)に受け、(−)でした。 病理検査の結果などから抗癌剤の投与(CEー4クール)(3月初旬〜5月下旬)を受けた後、5月よりホルモン療法のアリミデックス(5年間服用予定)を服用中です。
質問
1) 上腕部の痛み、肘の痛みについてお尋ねします。 主治医の指示により自宅でリハビリ体操を行っていますが、最近は左上腕部の痛みが増してきました。さらに左鎖骨に痛みがある日があります。また左肘をつくと痛みがあり、関節部分に2cmぐらいのコブ(腫れ?)があります。素人考えですが、骨への転移は考えられないでしょうか。
2) 左手をしばらく開いたままにしておくと、握り締めるとき指の関節がひどく痛みます。アリミデックスには関節炎のような副作用があるのでしょうか。
3) 1)のことから骨転移について不安を感じています。主治医の検診予定は、「7月:触診、血液検査(腫瘍マーカーを含む)、マーカ異常なしでした。 10月:触診のみ(血液検査なし)、来年2月:骨シンチや肺のX線など」のようです。主治医は、しなくても良い検査はしないほうが良いというお考えのようなのですが、今から半年も時間を空けてもよいものでしょうか。相談室の先生のお考えをお聞かせ願えませんでしょうか。

1) 骨シンチで骨転移がなければ、骨転移の可能性は低いのではないでしょうか。
2) 確かにアリミデックスの副作用として骨関節痛があります。軽度であれば投薬を続けられるますが、痛みが強ければ薬剤の変更も考慮します。
3) もしもこぶができるほどの骨転移であれば、主治医の先生も検査をするまでもなく転移を疑うでしょう。検査は半年後でも問題ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5828】  06年09月29日   Y  
右胸のしこりのようなものについて

胸のしこりについて検索していて、ここに辿りつきました。どうぞよろしくお願い致します。何年も前から胸の痛みがあり、何度もエコーや、胸をつぶして撮るレントゲンみたいなものをしていました。いつも結果は肋間神経痛でした。それでも一週間に一度は、胸を自分で触って調べていました。昨日の夜、お風呂で石けんをつけた状態で胸を調べていたら、右胸の乳輪の下あたりに長細くて平べったいものが触りました。大きさは1センチちょっとくらいです。先週に触った時には気づかなかったのですが、気付いたら痛みを感じます。しこりみたいなものを見つけた日は生理後1週間で、ちょうどその日、大量のおりものが出たので、排卵やなにかと関係があるのか、もしくは乳がんなのか心配です。
乳腺症(?)などは、しこりがコロコロ動くと聞いたのですが、私のは、あまり動きません。というか、しこりというのが実際どういうものなのかもわかりません。私が触ったものは、長細くて少し平べったい感じです。怖くて怖くて夜も眠れません。

長細くて少し平ぺったいのであれば乳癌の可能性は低そうですが、一度かかりつけ医に相談したらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5827】  06年09月29日   K  
卵大のしこりについて

初めてご相談させていただきます。私は48歳(閉経前)既婚、子供が3人います。8年ほど前に小さなしこりが両胸に数個あり、乳腺症の診断を受けました。左腕を前にあげたときに擦れる部分のしこりが1.5センチほどあり、赤くなって少々痛みもありましたので、針で液を抜き取りましたが、そのほかの治療はしておりません。現在左胸に卵大のしこりがあり、触ると中でころころ動きます。1年ほど前からだいぶ大きかった様に思います。乳腺症だと思い、ずっとそのままにしていますが、大きくなってきている様で、気にしています。悪性の可能性もあるのでしょうか。宜しくお願い致します。

腫瘤を触知するのであれば、悪性の可能性がゼロであるとは言えませんので、まずは外科を受診して下さい。(文責 浜口)

 

No.5826-1】  06年09月29日   N  
内分泌療法の必要性について

43才、閉経前です。7月に右乳房温存手術、リンパ節廓清術を行いました。リンパ(−)、ER(50)PgR(75)、pT 7mm、Grade 1でした。主治医の先生は、「リスクカテゴリーでは低リスクに入っていますが、立場上無治療でよいとは言えない。何らかの補助治療はやった方が良いでしょう。」と言われ、タモキシフェン(ノルバデックス)の服用を薦められました。いろいろなデータをみせて頂き、タモキシフェンを服用した場合の再発リスクの減少率、5年で40-50%をみると、私自身も再発リスクが減少するという可能性があることは理解しますが、決めかねています。せっかくホルモン感受性が高く出ているわけですから、ホルモン治療の有効性を無視するのはもったいないことも理解していますが、補助治療を行わなくても再発するリスクが10%以下と言われる低リスクの場合、どちらを選択するべきなのでしょうか。副作用として言われている月経の乱れはともかく、ホットフラッシュ、発汗など対外的に現われるもので仕事に支障をきたすことが一番の迷うところです。服用してみて、あまりにも症状が激しい時は中止することも考えて治療を始めてみるほうに気持ちが傾きつつあるのですが、あと一歩がふみだせません。ホットフラッシュなどの副作用はどれくらいのパーセンテージで起こるのでしょうか。来月、術後初めてのエコーの検査をします。今後しばらくは、毎月エコーでチェックするようにしています。

確かに補助療法を行わなくても再発のリスクは低いですが、タモキシフェン投与により再発リスクを減らすことができるのも事実です。あとはメリットとデメリットを比べて決めるしかないでしょう。ホットフラッシュについては承認時の副作用調査では0.5%との報告ですが、軽度のものも含めるともう少し多い印象があり臨床試験では20%程度との報告もあります。悩んでいるのであれば、まずは治療を始めてみて副作用が強ければ中止するのがよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.5826-2】  06年11月10日   N  
ノルバデックスD服用二週間です

HPNo.5826で相談させていただきました。再度、お聞き致します。アドバイスを参考に、結局ホルモン療法を試してみることとし、ノルバデックスDを朝一錠服用しはじめました。服用4日目から体全体が熱っぽく、37度〜37.5度の微熱が一週間続いています。主治医の先生は、「発熱は考えにくい」とおっしゃるのですが、どうなのでしょうか。顔がほてるわけではなく、汗が出るわけでもなく、ただ、体の芯が常に熱いのです。我慢できないほどではないのですが、微熱とはいえ、一日中連日となると辛いです。これは問題にならないほどの軽い副作用なのでしょうか。

回答が遅れまして申し訳ありません。ノルバデックス内服による発熱は主治医の先生の言われているように考えにくいと思います。1〜2ヶ月内服が可能であれば、様子をみてはいかがでしょうか。やはり症状が続いて生活に支障がでるようであれば、薬剤の変更も考慮しないといけませんので、主治医と御相談ください。(文責 比嘉)

 

No.5825】  06年09月29日   U 
小葉ガン

先日、他の方の相談内容を拝読していて、びっくり。ホルモンレセプター10%くらいでは、ホルモン療法の効果は期待できないとありました。ちなみに私は、「ER(+)10%以上 染色強度 中程度、PgR(+)10%以上 染色強度 軽度、 Ailred判定 ER:TS(7)=PS(5)+IS(2)  PgR:TS(6)=PS(5)+IS(1)」という状態で、ゾラ、AIを続けていますが、@効果は期待できるのでしょうか? Aまた他の方のHPに私のタイプ・・・Invasive lobular carcinomaは、予後が悪く、対乳房でも発生する可能性が高く、また腹腔内への転移も起こる可能性が他のタイプより高いとありました。主治医は単に癌のできた畑が小葉だったというだけとさらりと言いましたが・・・。右乳房は全摘しましたが、Hyperplasticな小葉組織が carcinamaから離れた乳腺組織内に散見されました。
主治医は、これもあくまで癌ではないから気にしなくてよいと。病理医のコメントは、「中型の大きさの比較的均一な異形細胞が、小葉内を充満しています。小胞巣、策状構造を形成し、間質増生を伴って浸潤しています。Invasive lobular carcinomaと思われます。32x27の大きさで、脂肪織に達しています」でした。Nuc atypism:score 2, No of mitosis:score 1, Nuc, grade:grade 1 level 3まで郭清し、2/11 n1α であるから、化学療法のメリットはあまりないとのことで、ホルモン療法のみです。腫瘍経は32x27 f、ly2 v0 年齢は47歳。インターネットでかき集めた情報をたてに、化学療法が必要では?と治療方針を決める時にずいぶんと言いましたが、乳腺専門医である主治医の「代償のわりにあまりメリットがない」という言葉を信じました。今日の治療指針2006を読んで、K大がそういう方針なんだな、と感じました。その時にもうインターネットを開くのはやめようと決心したのですが、また見てしまいました。いまさら遅いのですが、主治医は「ホルモン療法をしっかりやれば、まず大丈夫。10年生存率が80%としか言いようがない」とのこと。それも充分理解していますが、時に言いようのない不安におそわれます。仕事を持っていて、毎日多忙なんですが、ふと休みがとれ暇になると、どうも駄目なんです。パソコンにかじりついてしまう・・・。

基本的にはER,PgRともに10%以上であれば陽性と判断してホルモン療法の適応と考えて宜しいのではないでしょうか。また小葉癌については確かに多発する傾向や、まれには腹腔内に転移することもありますが、その予後は一般的な乳癌である乳管癌とあまり差は無いと考えてよいでしょう。化学療法については生存率で数%の改善効果が期待できるかも知れませんが、副作用等のデメリットも考慮すると、ホルモン療法のみでも十分な再発予防効果が得られると考えて宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5824】  06年09月29日   あかっぺ
乳癌の検査結果とその後について

初めてメールをさせていただきます。15年ほど前(当時17歳)から右胸にしこりがあるのですが、初めてしこりを発見した際、大学病院にてエコー検査をしました。結果は線維腺腫なので心配はないとの事でした。その言葉に安心し、この15年間、何も検査をしなかったのですが、今年8月上旬に会社の健康診断で乳癌検診を行いました。エコー検査で右胸外側下にしこりを発見しましたが、エコーでのしこりの状態と触診では問題はないと告げられましたが、8月下旬、『乳腺腫瘤の疑いあり』と検査結果が届きました。同病院にてマンモを撮影しましたが、乳腺の専門医がいらっしゃらないとの事で、近くの乳腺外科を紹介していただき、同日マンモの写真を持参し検査を致しました。乳腺外科の先生のお話では、「エコーにはしこり(27ミリ)は見られるが、マンモや触診では悪いモノとは思えないが、念の為、細胞診をしましょう。」との事で、即検査をしました。9月上旬に結果が出たのですが、『検体不適合』との事で、悪性・良性とも結果がつきませんでした。が、どちらかと言うと、乳癌の可能性よりも、線維腺腫の可能性の方が高いとの事で、3ヵ月後にエコー検査を行う事になり予約をしました。その際、しこりのサイズが大きくなっていたら、もう一度細胞診をするとの事です。ただ、その3ヶ月後までが不安と心配で胸まで苦しくなる気がし、気分が沈んでしまうので、乳腺外科のある癌専門の病院へ今月9月中旬に検査に行きました。マンモは持参し、エコー検査は新しく行ったのですが、超音波技師(?)の方からは、左胸も乳腺症の感じがあると告げられ、右胸に3つのしこりを発見しました。触診・視診・エコー・マンモの結果から、『線維腺腫の疑い』と診断され、またもや白黒ハッキリしませんでした。その為、細胞診を後日また行いました(結果は出ていません)が、医師のお話では「白黒ハッキリさせたいのなら、生検(麻酔をして4ミリほど切り、しこりを採取する検査です)をしてスッキリさせましょう」と生検を勧められました。そこで質問なのですが、
1) 良性でもサイズが鶏卵ほどになる方もいらっしゃるそうですが、いずれ摘出する可能性があるのならば、生検はせず、さっさと摘出してしまう事もできるのでしょうか?
2) 今現在、生検を勧められているのですが、3ヵ月後のエコー検査をし、その結果を待ってから生検を行うか決めても遅くはないでしょうか?
3) 最初に検査した病院で、「しこりのサイズも大きめ(27ミリ)・しこり温存期間も長いので、もしも癌だったら転移しているし、何かしらの症状がでている。もう死んでいてもおかしくない。が、生きているし元気だし、特に症状もないので、癌の可能性は低い」とおっしゃっていました。この話をどこまで信じたら良いのでしょうか?

ちなみに生理前と生理中に胸が張ってしこりがコロコロと触りやすくなり、胸にズキズキするような痛みがありますが、生理が終わりに近づくと痛みも消え、しこりも生理前よりは柔らかく?なってきます。たまったモノを一気に吐き出したかのように、長々と申し訳ございません。宜しくお願い致します。

1) できます。
2)3) 15年前からあるのであれば癌の可能性は低いと思いますので、遅くないと考えます。(文責 浜口)

 

No.5823】  06年09月28日   S.H
しこりと乳頭からの出血

はじめてメールさせていただきます。25歳で出産経験はありません。昨日、月経が終わったばかりです。18歳頃より左胸にしこりはありました。胸が小さく、まだ成長途中のしこりかと、しばらくは心配はしていませんでした。しかし、22歳くらいから、以前よりしこりが少し大きくなってきたかなと感じておりました。昨年くらいからは、強く押すと痛みが伴うようになりました。ここ半年くらい前に突然さわってもいないのにチクッと激しい痛みが何度か走りました。しかし、その後しばらくは痛みなど何もなかったので気にしていませんでしたが、今回の月経前にまたチクッと激しい痛みが何度も走りました。月経中も痛みは続き、現在は少し落ち着いてきましたが、時々痛みが走ります。そして、数日前、乳頭に白っぽい液状のものがついているのに気がつきました。そして、昨日は乳頭から血と水が混ざったような、液状のものが出てきました。昨日の夜からブラジャーにティッシュをあてていますが、いまだに止まりません。これは乳がんの可能性が高いでしょうか? ちなみに親類等に癌にかかった人はおりません。とても心配しております。どうぞよろしくお願い致します。

乳頭から血の混じった分泌物がある場合には乳管の中に腫瘍ができていることがあります。多くは乳管内乳頭腫という良性のしこりのことが多いですが、可能性は低いですが早期の乳癌がみつかることもあります。一度専門医を受診することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.5822】  06年09月28日   CH 
妊娠について

3週間前に左胸の乳がん(1.2センチ腫瘍)と脇の下のリンパ節を切除しました。病理検査の結果、リンパ節に1個だけの転移で、ホルモン受容体も陽性だったため、来週から25回の放射線照射と、ホルモン療法を開始することになりました。私は38歳で現在婚約者がおり、年齢的にも早い妊娠・出産を望んでいた矢先の発病でした。主治医は最低でも2年間、抗エストロゲン剤とLH-RHアゴニスト製剤を併用してから妊娠を考えるべきだとおっしゃいます。ホルモン療法終了後、どのくらいの期間で薬の影響が消えるのでしょうか。私は放射線治療終了後、半年ほど経過したら妊娠を試み、出産後すぐにホルモン療法を開始したいと思っています。自分の命を大切に思うなら、このようなことはやはり考えるべきではないのでしょうか。また、ホルモン療法のお薬にジェネリックを選択しようと考えていますが、薬によって(ノルバデックスとタスオミン、ゾラデックスとリュープリンでは)妊娠への影響が違ったりするのでしょうか。ご回答、よろしくお願いします。

妊娠が直接乳癌の再発を増やすということはありませんが、術後の適切なホルモン療法により再発のリスクを約半分にできることを考慮すると、ホルモン療法を施行しなければ、その分リスクがあがると考えなければなりません。妊娠、出産後にホルモン療法を始めたとしても、術直後と同様の効果が期待できる保障はありません。また、ホルモン療法終了後に生理が正常に再開するまでの期間には個人差があります。ジェネリックを使用してもほとんど差はないと考えます。もう一度よく主治医及び婚約者の方と相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.5821】  06年09月28日    Y
母の炎症性乳がんの再発について(HPNo.3653-2)

再びメールをさせて頂きます。再度、質問をさせていただきたく宜しくお願い致します。
炎症性乳がん(56歳)の母を持つ娘です。その後、2005年3月から放射線をあて、5月からゼローダとアリミデックスを併用していました。2006年9月にまた皮膚の赤みが広がり始め、皮膚生検をしたところ、やはりハーツー2+の癌でした。また、胸部に水が溜まっているようです。他の臓器への転移がまだみつかっていません。これからの治療として、TS−1と、再度FISH方法にかけハーセプチンが使用できるか、判断して頂くことになりました。TS−1単剤での奏効結果と、併用での奏効結果の数字があれば教えてください。胸部に水が溜まるという症状は、炎症性乳がんでリンパが詰まって起こっている症状だと聞きましたが、この症状が進行するとどのようになりますか?この症状は、乳がんの進行の一部と捉えられると思いますが、他の臓器への転移は時間の問題でしょうか? ご回答いただきたく、宜しくお願い致します。

進行再発乳癌に対するTS-1単剤での奏効率は42%と報告されています。TS-1とハーセプチンの併用によるデータは私の知る限りはまとまったデータはないと思います。胸水貯留が増加してくると肺がしぼんでしまい呼吸苦が出現してきます。胸水が多くなれば針を刺して胸水を抜いたり、胸膜を癒着させる薬を注入して胸水が貯まりにくくしたりします。(文責 浜口)

 

No.5820】  06年09月28日    N.T.
術後の治療について

39歳。1ヶ月前に多発性乳癌で全摘出手術をしました。病理検査の結果、一番大きなものが1.8cm、リンパ節転移なし、異型度2、脈管侵襲なし、ホルモン依存性あり、増殖遺伝子の増幅なしでした。2週間前からゾラデックス、ノルバデックスのみの治療を始めました。大きさ1.8cmとのことですが、形が非常に縦長で、長い方では2センチ以上であったように思います。あくまでも短い方で測った大きさでいいのか、また異型度が2ならば化学療法も取り入れるほうがよいのではないのでしょうか?

腫瘍の大きさについては触診上の大きさではなく、病理検査で腫瘍の浸潤範囲をみて決定します。異型度については、2,3であれば化学療法も選択肢のひとつになりえますが、他の危険因子はありませんので、ホルモン療法のみでも十分な再発予防効果が期待できると考えます。(文責 浜口)

 

No.5819】  06年09月28日    M.O
ハーセプチン

はじめて質問させていただきます。宜しくお願いいたします。ホルモン受容体陽性(70%)、HER2強陽、悪性度3。
今年夏に肺(胸水有り)と胸膜に転移が見つかり、それまでのノルバデクスからフェマールへ治療を変えました。少しの期間で、胸水も僅かながら減ってはきたのですが、今日の診断で胸水が増えていることがわかりました。これからハーセプチンを使った治療を開始する予定ですが、ハーセプチン単独とタキソールとの併用があると聞き、どちらにしたら良いか悩みました。どの程度効くかはやってみないとわからないことですが、ハーセプチン単独でやってみる価値はあるものでしょうか(単独で効果がなくなってきたら併用という流れだと思いますが)。それともタキソールとの併用を最初からやるべきでしょうか?

ハーセプチンにタキソールを併用することにより相乗効果が期待できますので、タキソールによる前治療歴がないようであれば、試してみる価値があるのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.5818】  06年09月28日    S.N. 
ナベルビン+ハ−セプチンについて

初めて相談させて頂きます。妻(46歳、閉経前、18,15,10歳の3人の子あり、父はガンで死亡)に関する現在までの経緯は次のとおりです。
・昨年4月左乳房削除手術(鎖骨下リンパ節も) ・術後CEFを2回実施するが、副作用がひどく、タキソールに変更。 ・昨年12月局所再発により放射線療法。 ・その後はゼローダを内服。 ・今年5月頃、局所再発(周りにも広がっている。痛みが強い。)、肝・肺転移の疑い。 ・7月からナベルビン+ハーセプチン(HER2 3+)開始。(局所再発の腫瘍が目に見えて改善。局所の痛みも無くなった。) ・ナベルビン+ハーセプチンを2週実施した後の採血で白血球低下が判明したが、ノイアップ注により、白血球2500となったため、1週休薬後、ハーセプチン単独実施(7/28)。 ・2日後(7/30)から敗血症、ショック症状、DIC。 ・現在は快復し、リハビリ(3週間寝たきりだったため)を実施しながら、ハーセプチンを再開(9/20)。(ナベルビンとの併用時に比べ、あまり効いていない様子。)

お聞きしたいのは、ナベルビン+ハーセプチンで前記のとおり敗血症になったのですが、敗血症になったのは薬と妻の体質等が合わないためで、今後再びナベルビン+ハーセプチンを実施するのは危険であるのか、それとも敗血症になったのは、たまたまであり、効果があるのがはっきりしているのであれば、実施すべきなのかということです。長くなってしまいましたが、よろしくお願いします。

実際に診察していないのではっきりとしたことはわかりませんが、ナベルビンの副作用として白血球減少は起こりえますので、白血球減少時に感染を起こすと敗血症を起こすことは考えられます。そうであれば、ハーセプチンにナベルビンを追加することにより相乗効果が期待できますので、全身状態が許せば白血球減少に注意しつつナベルビンの投与を再開することはできるかもしれません。主治医の先生とよく相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.5817】  06年09月28日   A.Y.
術前・術後の抗がん剤治療

42歳の妻のことで質問させてください。今年1月、左乳房に乳癌がわかり、そのときの状態は硬がん主体、ステージVaと言われました。MRIの結果、8cmと4cmの影がありました。術前化学療法で2月から4月にEC3週間毎4回、その後4月下旬から7月下旬までタキソール1週間毎12回行いました。癌がわかった当初は全摘手術は避けられないと主治医から言われていましたが、抗がん剤がよく効いたらしく、手術前MRIの結果「皮下乳腺切除」でもいいと言われました。でも再発のリスクを少しでも下げたかったので全摘手術を行ないました。このとき採った組織は径2〜3cmぐらいの塊があり、これががんなら術後も抗がん剤の可能性を示唆されました。病理検査の結果は以下です。
・センチネル2個のうち1個に転移有 ・その奥の12個には転移なし。主治医の話では当初は転移はあったと思われると言われました。 ・採った組織全体に微小なものが広がっている。 ・採った組織の塊はやっつけたがんの跡の繊維かもしれないと言われました。 ・ステージ当社VaがUになった。 ・断端陰性 ・ホルモン感受性 エストロゲン+、プロゲステロン−。 ・HER2 陰性
この結果 主治医からは抗がん剤でもいいがホルモン療法を薦められ、現在ホルモン療法をはじめて5日目、アゴニスト製剤注射、ノルバティックス服用を始めました。5年間の予定と言われました。
妻も抗がん剤を覚悟していたし、術前の抗がん剤が効いていたので、迷ったがホルモン治療を選択しました。主治医は、抗がん剤ならタキソテールをすると言われ、ホルモン治療からいつでも変更してもよいと言われました。ホルモン治療を開始しましたが、妻も私も副作用のこと、がんは抗がん剤に耐性ができることを重々承知のうえで、術前によく効果があったので術後も効果がありそうな気がして抗がん剤治療が捨てきれません。ガイドラインには術前24週間おこなえば、術後は行わないとなっていますが・・・。私のような希望をする人は幾らでもいそうな気がしますが、どの書籍などを見てもガイドライン以外は術前、術後両方とも抗がん剤の見解は見当たりません。抗がん剤治療を行うなら早いほうがいいと思うので、早く結論をだしたいと思っています。
質問です。
1) 術前・術後、両方とも抗がん剤を行う場合はあるのですか。
2) 妻の場合、上記の結果から ホルモン療法、抗がん剤どちらがよいのでしょうか。
3) 抗がん剤をする場合 どの抗がん剤を、どのくらいの期間行えばよいでしょうか。
4) ホルモン治療から抗がん剤へ変更する場合、期間はどの程度あければいいのでしょうか。

おかしな文章ですいません。よろしくお願いします。

1)2) HER2陽性の場合などは術後投与が有意に再発率をさげることがわかっており、術後にハーセプチン投与を行うことがあります。また明らかな癌の取り残しがある場合には抗癌剤投与も選択肢のひとつとなります。しかし、術前にEC-Tの化学療法を行い、明らかな癌の遺残がないのであれば、やはりホルモン療法で宜しいのではないでしょうか。
3)4) 基本的には抗癌剤は使用しないでよいと考えます。もしもやる場合には期間をあけずに可能です。(文責 浜口)

 

No.5816】  06年09月28日   S
乳頭のこと

41歳です。乳腺症で半年毎に定期検診を受けています。ふと気がついたのですが、入浴後に両胸の乳頭・乳輪のぷつぷつした部分から白い垢のような物が浮きでている事があります。体が乾くと自然になくなります。押したりしてみての分泌はありません。また左乳頭の開口部に、ごく小さなニキビのようなプチッとしたものが2つあり、入浴後にはふやけたような感じになります。白い垢のような物がついている時もあります。定期検診の際に診察したところ「気にしなくてよいです」との事だったのですが、なぜそのようになっているかの説明がなかったのと、診察は寝た状態で、やや乳頭が陥没ぎみのため判りにくかったのではと気になっています。長い文章になってしまい、申し訳ありません。よろしくお願いします。

乳輪にも他の皮膚と同様に脂腺や毛根の開口部があり、そこから分泌物等が排出されることはあり、心配しなくてよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.5815】  06年09月28日   MT
術後の放射線治療について(HPNo.5766-2)

HPNo.5766では大変お世話になりありがとうございました。微細石灰化をマンモトームで調べ、非浸潤性乳管がんと診断を受けている段階なので、術後の病理を見ないと詳しいことはわからないことは承知しているのですが、術後の放射線治療の有無について教えてください。乳房温存手術を受けます。A病院では放射線治療はないかもしれないと言われ、B病院では放射線治療はすると言われています。どんな条件のときに放射線治療はカットされるのでしょうか? また、ホルモン療法の有無の条件も教えていただけると助かります。

非浸潤性乳管癌は非常に早期の乳癌であり、取りきれれば完治する可能性の高い癌ですが、一方で乳管に沿って乳房内の広範囲に進展することがあり、乳房温存手術の場合に注意が必要です。非浸潤性乳管癌に対して乳房温存手術を施行した場合、放射線照射をしないと約20%の局所再発率があり、照射により再発率が低くなることは間違いありません。手術摘出標本の詳細な病理検索により断端がしっかりとりきれていれば照射省略も可能かも知れませんが、基本的には照射することをお勧めします。タモキシフェン投与によるホルモン療法は非浸潤性乳管癌術後の局所再発、対側乳房の乳癌発生を抑える効果があると考えられ、ホルモン感受性であれば施行をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.5814】  06年09月26日    T 
マンモグラフィーの受診について

いつも拝見して勉強させてもらっています。35歳、子供が2人います。昨年春に市の乳がん検診を受診して、マンモグラフィーで「石灰化があり要精査・カテゴリー3、触診は異常なし」となりました。市の検診は「マンモグラフィーと触診」という内容だったため、その2週間後に超音波で診てもらいました。そこでは「石灰化があるが、心配のないもの」との診断でした。はじめにマンモグラフィーを見た先生と違う先生で、その先生が画像を見るとカテゴリー2になり、「はじめに見た先生は石灰化があるのに超音波で確認できなかったのでカテゴリー3をつけたのでは」との見解でした。私は母親が乳がんになったので、石灰化があるというだけで、とても心配です。その先生に半年後や1年後に検診を受けたほうが良いか確認したら、「30歳代の場合は、マンモグラフィーに関しては、疑わしくなければ2年おきでも良いのではないかと」のことでした。私の年齢の場合、毎年マンモグラフィーを受けるのは良くないことなのでしょうか? 触診と超音波だけにしておくべきなのでしょうか? お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。

毎年マンモグラフィーを受けたとしても、放射線の被曝量としては許容されます。あなたの場合、カテゴリー2あるいは3の石灰化があるわけですから、毎年受けるべきと考えます。(文責 徳田)

 

No.5813】  06年09月26日    I子
乳首の湿疹

私は現在19才ですが、乳首にニキビの様なものが出来ました。少し押すだけでもかなり痛く、中からうみのような物質が出てきました。胸元付近にニキビが出来やすく、今もところどころあるのですが、この乳首に出来たものは何か乳癌と関係あるのでしょうか? あるいは乳腺炎になってしまっているのでしょうか? お返事、お待ちしております。

乳癌とは関係ありませんが、膿なのか乳頭分泌物なのか判断つかないので、一度専門医に相談してください。(文責 徳田)

 

No.5812】  06年09月25日    PC
乳がんの手術時期について

10月2日に乳がんの手術をする予定です。0期と言われているのですが、昨日、先生から「小さくなってるみたいだね」と言われました。2月に卵巣を摘出して、その後はHRTを使っていました。人間ドックでひっかかり、HRTをやめて3カ月後に小さくなったようです。女性ホルモンが0だから小さくなったと、先生は言うのですが、手術を延期したら、もっと小さくなるのでしょうか?

今のところ、ホルモン療法だけでは乳癌は完治できません。したがって、むやみに延期すべきではありません。(文責 徳田)

 

No.5811】  06年09月25日    FT 
ホルモン治療について(HPNo.5162-2)

以前HPNo.5162で質問させて頂いた38歳の主婦です。今年2月に乳房温存手術を受け、その後化学療法(FEC6クール)、放射線治療を行い、ホルモン治療を始めて3週間ほどになります。今後治療を行う上で少し不安があり、いくつかご質問させてください。
病理結果:
充実腺管がん、腫痕径(2.0cmx2.0cmx2.5cm)、切除断片(-)、波及度(fat:5(+))、 リンパ管侵襲(+ly1-2)、血管侵襲(+v1)、ER(+90%)、PgR(+90%)、悪性度(2)、HER2/neu(c-erbB2)(+1)、リンパ転移(0)、進行度Ua(T2N0M0)
1) 術後、腫瘍マーカー、腹部エコー、放射線治療の際、胸部CTはとりましたが、胸部X線、MRI、骨シンチ等は行っていません。主治医の先生は来年2月にひと通りの検査を考えられているようですが、まだ先の話で少し不安です。検査を行う必要はないのでしょうか。
2) 主人の勧めもあり、PET検査を次週受けることにしました。脳・胃など検査困難な部位もあると聞いています。1)と重なりますが、他の検査をする必要はないでしょうか。また、PET検査はどのくらいの周期で受けたほうが良いのでしょうか。
3) 抗癌剤治療中に生理が止まり、血液検査の結果、閉経状態であるということからホルモン治療はアリミデックスを服用しています。タモキシフェン等を使われている方が多いようなのですが、どのような違いがあるのでしょうか。
4) 手足のむくみがひどく、アリミデックスを服用してからは関節痛もあります。手足のむくみは抗癌剤の副作用なので、時期がくれば治ってくるだろうということで様子をみていますが、抗癌剤治療が終了して、もう3か月になります。こんなに続くものなのでしょうか。

お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

1) 乳癌術後の定期検査として、残存乳腺と対側乳腺のマンモグラフィおよび超音波検査を年一回行うことがすすめられています。しかし、その他の検査は、症状があってから行っても遅くないと考えられています。
2) PET検査による乳癌術後の定期的な検査の有用性は確立していません。その他の検査で異常所見があり、再発かどうかはっきりしない場合に行うのが一般的です。
3) 閉経後では、アリミデックスの方が効果が高いとの報告があり、むしろアリミデックスが標準的です。
4) 副作用が遷延する場合もあります。薬剤はもう体内にはないわけですから、回復を待ちましょう。(文責 徳田)

 

No.5810】  06年09月25日    Y
乳腺症

先日、健康診断で触診、エコー行い、乳腺症の疑いありと言われました。1年後また検診を行うようにと言われましたが、出産経験の無い25歳でも乳腺症になるのでしょうか?乳がんではと不安です。エコーの結果では両胸とも、胸のほぼ全体に影か見えたようでした。検診時は生理後13日目でした(28から30日周期、12歳初潮)。以前から生理前や生理中は胸のはりや痛みを感じていましたが、ホルモンバランスの関係と安心していました。分泌物や触診の異常はありませんでしたが、不安なのでマンモグラフィーによる検診を受けようかと悩んでいます。その場合、来年まで様子を見たほうがよいのでしようか? また、病院はどのように調べればよいでしょうか? よろしくお願いします。

乳腺症は、女性ホルモンの感受性が増している病態です。乳腺全体の変化で腫瘍ではありません。 年齢的にも矛盾しません。不安であれば、日本乳癌学会のHPより近くの乳腺専門医をさがして、相談してください。(文責 徳田)

 

No.5809】  06年09月25日    Y.I. 
タキソテール投与後のむくみについて

46才、ステージUa。2月に乳がん手術後、3月よりEC4回タキソテール4回の化学療法を受け、現在タキソテール最終投与から2週間ほどたちました。いつも投与前にデカドロンをうち、飲み薬としてラシックス、アルダクトン、ピドキサールを処方されていますが、足のむくみがひどい状況です。普段より、太ももやふくらはぎが5pほど太くなり、小食ですが体重も4キロほど増加しております。靴もきつくなりました。また、普通に歩くのも足が疲れてしまい、ちょっとした坂道など5メートル進んでは休まないと登れません。
そこで質問ですが
1) むくみはタキソテールの副作用で腎臓がやられているのでしょうか。
2) 個人差もあると思いますが、むくみが解消し、元に戻るまでどのくらいかかりますでしょうか。
3) むくみ解消のために食事や運動などできることはありますか。
4) 現在歩くのも大変ですが、体力回復のため散歩などから運動は徐々にしていった方がよいですか。

すみません、よろしくお願いいたします。

1)2) タキソールによる浮腫と思われます。機序は、腎障害ではなく、静脈からの水分のもれのようなものです。利尿剤で回復します。
3) 特にありません。
4) 何にせよ適度な運動は、よろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.5808】  06年09月25日   I.S.  
非浸潤性乳管がんのホルモン治療について

40歳、既婚、子供なし、閉経前です。非浸潤性乳管がんと診断され、乳頭を含む乳房を部分切除しました。病理の結果は以下のとおりで、現在放射線治療を受けています。
病理結果
・リンパ節転移なし ・断端陽性(5mm以内癌細胞あり):プラス(6箇所中、3箇所が1mm以内に存在)・ホルモン受容性:ER+ PgR+  ・Her2,受容性:なし ・コメドタイプの癌が乳頭内まで増えていた ・悪性度(異型度):不明 

年齢的にも子供をつくる予定はありませんが、副作用などを考えるとあまり気が進みません。そこで病理結果による癌の状況によって判断したいと思っています。お伺いいたしますが、私の病理結果内容から見て、再発リスクはどのくらいでしょうか?、また非浸潤の場合は悪性度グレードはわからないものなのでしょうか?

非浸潤癌とすると全身再発の可能性は、ほとんどありません。残存乳腺に再発する可能性はありますが、でてきたら切除すればいいので、予後には影響しません。したがって、悪性度はあまり必要な情報ではありません。(文責 徳田)

 

No.5807】  06年09月25日   Y 江
手術側の肩の関節の痛み

1年10ヶ月前に左胸部分切除しました。センチネルリンパ生検(−)、リンパ転移(−)、断端(+)にて放射線治療をし、現在ノルバデックスとゾラデックスの併用治療中です。ここ1,2ヶ月ほど前より、左肩の関節が動きの具合により痛みます。初めは筋違えたくらいに思って気にしていなかったのですが、最近手術側のこともあって、骨転移ではないかと不安になっています。
もうすぐ2年なので、11月に一通りの転移再発の検査が予定されており、骨シンチの予約も入っています。それまで待っても大丈夫でしょうか。先に整形外科へ行って診てもらった方が良いでしょうか。骨転移は背骨にくると主治医が以前におっしゃっていたので、気にせずにいましたが、肩もありえますでしょうか。
稚拙な文章で申し訳ありません。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

骨転移の可能性も否定はできません。変形性関節症の可能性の方が高いですが、いずれにせよ、心配しているより整形外科に相談しましょう。(文責 徳田)

 

No.5806】  06年09月24日   K.M. 
乳頭からの分泌物

平成15年4月に左胸の痛みと左右の乳房の大きさの違いに気付き乳腺外科受診し、マンモと超音波検査しましたが、特にしこりが見当たらず、その後すぐに妊娠。妊娠初期から左脇辺りの痛みがありましたが、妊娠の経過とともに痛みは消失しました。
平成16年2月に第1子出産後、完全母乳で、平成16年8月に左胸の痛みと左脇に妊娠初期からそらまめ位のしこりがあったが無くなったため受診し、マンモと超音波の結果、特に問題なしと言われました。
平成18年1月受診し、マンモの写真が左だけ白く、乳腺症だろうと言われ、どうしても卒乳できなかったため、良くないとは思いつつ左のみ断乳し、右乳のみの授乳していました。
平成18年2月、断乳した左乳から黄色い(茶色とまで言うのかわからない色)分泌物が出ていたので心配になって受診し、左のみマンモ、超音波をしました。「問題ないと思うけど、念のため分泌物を検査に出しましょう」と、ガラスの板に分泌物をはさみ検査に出しました。2人目妊娠希望と言ったら、妊娠しても気になる症状があったら来てくださいと言われ、その後4月に妊娠し、切迫流産→流産手術→経過が悪く骨盤腹膜炎→ケガという状況で、分泌物の検査結果を聞きに行っていません(後悔しています)。産婦人科の主治医が、妊娠しても上の子のために授乳した方がいいとおっしゃったので、切迫流産になる5月まで右乳の授乳をしており、やっと卒乳しました。ずっと気になっていたので、受診しようと思い、さっき左右の分泌物を確認したところ、左はほとんどなく、強く絞ると透明の分泌物がでています。右のメインの穴(たくさん出る穴)から以前の左の時と同じような黄色(茶色とまで言うのかわからない少しねっとりした感じ)の分泌物とその上の方の小さな穴からピンク(ティッシュにとると茶色ぽい)の分泌物が出ています。かなり驚いて、何度も絞っていますが、ピンク色の分泌物は少量ですがずっと出ています。左乳(わきの下からブラジャーのライン辺りまで)の痛みが気になり(特に妊娠中や生理中は痛みが強かった気がします)、左乳のことばかり心配していたのですが、右乳から血液性の分泌物がでて心配でたまりません。右乳は卒乳後たまに絞っていましたが、問題のある穴からのおっぱいの量が少ないこともあって今日まで気がつきませんでした。もし以前から血液が出ていた場合、このような母乳を2歳3ヶ月まで飲み続けた子供が将来病気になったりしないでしょうか? 卒乳してから4ヶ月ですが、血液性の分泌物が出るということは乳がんが考えられますか? お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

少量の血液が混入していたとしてもお子さんには影響ありません。血性の分泌液の多くは良性ですが、悪性の場合もありますので、専門医を受診してください。(文責 徳田)

 

No.5805】  06年09月24日   K,K,  
ハーセプチンと副作用

今年2月、母が乳がんで左胸摘出、リンパにも転移、がん細胞が2個みつかり、リンパもとりました。アドリアマイシンを4クール(4回)受け、その後なにかの値がプラス3とかで、タキサンプラスハーセプチンを4クール(計12回)受けました。その後もハーセプチンを続けるかどうかは、金額的な問題もあるので本人の意思にまかせると言われたそうです。母は胆石をもっています。現症状として出ている副作用は、手足のしびれ(靴をやっとはける)・つめのはがれ・味覚異常・血管痛・涙がとまらないなどです。ハーセプチンは新薬で、まだ統計が少なく、何パーセント生存率があがるのかわからない状態のようですが、今のような副作用がでていても、もう少し続ける意味は多少なりともありますか? 先生は半年続けられるといっていたそうです。

HER2陽性の方にハーセプチンを術後の再発予防に使用すると再発は40-50%減少します。現時点では、1年間使用するのが一般的です。お話の副作用は、,抗がん剤であるタキサンによるものと思われます。(文責 徳田)

 

No.5804】  06年09月24日   D  
検診は一年後でいいのでしょうか?

47歳の主婦です。母を乳がんで亡くした事もあり、40歳過ぎてから1年に一度ガン検診を受けています。今日はマンモグラフィ&触診を受けて来ました。結果は、触診では触れないけどマンマグラフィで見たら小〜〜〜さな塊(黒)があると言われ、腫瘍か??なので、今は経過観察で一年後に来て下さいと言われました。私も腫瘍??と聞いて動転していて、「一年後でいいのですか」と尋ねるのが精一杯でした。でも一年後ではいいとの事です。一応町の検診の結果の紙には、マンモグラフィ異常なしの所には○がしてあり、先生の手書きで左副乳リンパ節(−)とありました。やはり少し心配なのですが、本当に検診は一年後でいいのでしょうか?

もし腫瘤陰影があるとすれば、超音波検査をすべきです。”マンモグラフィ異常なし”の意味はよくわかりません。(文責 徳田)

 

No.5803-1】  06年09月24日   S.Y. 
石灰化について

先日受けた人間ドックのマンモグラフィ検査で、石灰化陰影(右)、鑑別必要な石灰化(左)という結果が出ました。左乳房下側にはいくつか石灰化が見られるとの事でした。私は19歳の時、左右の乳房(乳頭より2センチ下辺)にしこりを見つけ、マンモグラフィ・エコー等の検査の結果、悪性・良性の判断が難しいという事で、切開手術で摘出しました。悪性でリンパ転移の可能性も考え、全身麻酔をしましたが、組織診の結果は良性、診断名は「乳頭腫の一種だろう」と言われました。針での検査をやったとしても、たまたま良性の部分を吸い取ってしまえば、結局判断がつかないから、という事で切開手術を受けました。
このような経過がある私の場合、人間ドックで出た「石灰化」というのは、13年前と同じ「良性のしこり」だと思いたい気持ちがあるのですが、「過去に良性のしこりが出来た人はガンになりやすい」という事も聞きました。メールで相談を受付けて下さる乳腺科の医師からは「ある程度覚悟したほうが良い」「悪性の場合は、手術後の生存率がハイリスクとなる」という回答をもらいました。先生もそのようにお考えになられますか? 精密検査の予約はとっているのですが、まだまだ先なので不安に思い、ご相談させて頂きました。どうぞ宜しくお願い致します。

癌の場合、年齢がリスク因子になるということだと思いますが、たしかに35歳未満はリスク因子の一つです。(文責 徳田)

 

No.5803-2】  06年10月03日   S.Y. 
石灰化について(2)

HPNo.5803で質問させて頂いたものです。追加させて下さい。「びまん性 微小円形石灰化」の組織を調べるため、マンモトームを受けたいと考えていますが、私の予約している乳腺外科には、マンモグラフィによるマンモトームは無く、エコーによるマンモトームだけしかないようです。エコーはしこりを写し出すのは得意だが、石灰化を映し出すのは苦手と聞きました。石灰化を取り出すには、マンモグラフィによるマンモトームの方が良いのでしょうか。

石灰化を正確にねらって組織を採取するにはマンモグラフィガイド下マンモトームがよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.5802】  06年09月24日   S.S.
不正出血(2)(HPNo.5754-2)

HPNo.5754で質問いたしました。回答ありがとうございました。
1) 回答してくださった中で、「FSHの値が28ということを考慮すると、正常な性周期が回復してきている可能性も否定できない」というのは、再び月経が起こる可能性があるということでしょうか?(FSH値20以上で閉経する場合が多いと聞いたのですが)
2) 次に出血があった場合にはHysteroscopy(子宮鏡手術?)で子宮内を検査するということなのですが、その前に、生理の出血かタモキシフェンの副作用による出血か判断する手立てというのはないのでしょうか?
3) タモキシフェンの副作用である子宮内膜増殖作用というのは、ただ子宮内の膜が厚くなるということですか、それともポリープができたりすることでしょうか? 
4) 不性器出血というのは何度かおこる場合もあるのでしょうか?

いろいろと細かくて申し訳ありませんが、どうぞ回答よろしくお願いいたします。

1) そのとおりです。月経再開の可能性があります。
2) 生理であれば問題ないわけで、タモキシフェンの副作用として、子宮内膜の増殖による不正出血を否定する必要があるのです。
3) 子宮体癌の可能性も否定する必要があります。
4) 子宮内膜の増殖によるとすれば繰り返すこともあります。(文責 徳田)

 

No.5801】  06年09月24日   T.H.
乳癌再発についてのご相談

初めてメールをさせていただきます。長野県在住のものですが、妻が3年前乳癌を発症し、リンパへの転移が6個、病院で切除していただきました。本年9月、3年目の検査を致しましたところ、両肺に5mmから1cmの転移が四つ見つかり、今後先生と治療方針を相談していくところでございます。私と致しましては、より確度の高い、よりよい治療受けさせてあげたいという気持ちから、この際国立がんセンターへの転院を検討中でございます。日頃から感じております担当医との関係からも、出来れば他の病院で、より高い信頼感を築ける治療を続けていきたいと思うわけですが、その場合の留意点を教えて頂ければ幸いです。突然ではございますが、よろしくお願い致します。9/29に現担当医との話し合いがあるのですが、それまでに転院するかを決断したいと思います。

まず、がんセンターに連絡して、状況を説明し、いつ受診したらよいか、どのような資料が必要か確認します。そして、国立がんセンターに相談したい旨を担当医に話をして、資料をそろえてもらいましょう。(文責 徳田)

 

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