M.K. 会員紹介 手術後のページ 乳癌関連情報 公開市民フォーラム 相談室HOME


相談室(No.6701〜6800)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

★ 横浜市立市民病院がん検診センターからの「土曜検診」のお知らせを、乳癌関連情報のページにUP致しました。参考にしてください。

 

目 次

[前のページ] [次のページ]

No

日 付

名 前

件  名

担 当

6800 07/06/25 E.F 術後の治療について  石川
6799 07/06/25 N.S. 乳がん手術後の放射線療法について(2)(HPNo.6782-2) 石川
6798 07/06/25 T.S.  乳ガン術後補助治療について 石川
6797 07/06/25 T  非浸潤がんの鎖骨転移 石川
6796 07/06/25 M.F.  術後の治療方針について 石川
6795 07/06/25 A.H. アロマターゼ阻害剤について 石川
6794-1
6794-2
07/06/25
07/08/24
AI 乳頭からの分泌について
皮膚科受診について
石川
6793 07/06/25 H.H. 乳がんの手術を控えています(HPNo.6759-2) 石川
6792 07/06/25 Y.I. 未分化癌の術後について(HPNo.5987-4) 石川
6791-1
6791-2

6791-3
07/06/23
07/06/28
07/07/06
M.N. セカンドオピニオンの必要性について
術後について
術後の治療について
石川
石山
片山
6790 07/06/23 K.E 胸に石があると言われました 石川
6789 07/06/23 E  乳首のかゆみ 石川
6788 07/06/22 K  放射線治療後の運動などについて 石川
6787 07/06/22 E  異型乳管上皮過形成との診断を受けました 石川
6786 07/06/22 H  乳輪下しこりについて 石川
6785 07/06/22 A.K.  乳頭の周りのしこりについて 石川
6784 07/06/22 K. H. 術後の補助療法について 石川
6783-1
6783-2
07/06/21
07/11/12
CC 病理の結果について
石灰化について
石川
鈴木
6782-1
6782-2
07/06/21
07/06/25
N.S. 乳がん手術後の放射線療法について
乳がん手術後の放射線療法について(2)
石川
石川
6781-1
6781-2
07/06/21
07/08/29
C77 驚きの病理結果
驚きの病理結果ー2
石川
俵矢
6780 07/06/21 N.I.   乳がんについてのご相談 石川
6779-1
6779-2

6779-3
07/06/21
07/07/23
07/11/12
T.K 母の治療法について
母の治療について(2)
母の治療について(3)
西川
清水
鈴木
6778 07/06/21 H.T. 術後補助療法について 西川
6777 07/06/21 Y  腋の下にしこり 西川
6776 07/06/21 P.C. 乳管内乳頭腫? 西川
6775 07/06/21 A  乳房のしこり 西川
6774 07/06/21 K  温存術後の治療について 西川
6773 07/06/21 T.T.  市の検診結果 河原
6772 07/06/21 K.M.  しこりの摘出について 河原
6771 07/06/21 H ホルモン療法の変更について 河原
6770 07/06/21 ssy 免疫療法について 河原
6769 07/06/21 N  肝転移 河原
6768 07/06/19 F.O 術後の腫瘍マーカーについて 志茂・川本
6767 07/06/19 M.T. 粘液ガンについて 志茂・川本
6766 07/06/19 静脈炎について 志茂・川本
6765-1
6765-2

6765-3
6765-4
07/06/19
07/06/25
07/07/21
07/08/15
K  いきなり迅速組織診断の必要性?
全く診断結果がでません
脇の痛み
しこりを見つけてから4ヶ月もたちますが・・・
志茂・川本
石川
清水
須田
6764 07/06/19 Y.U.  再建手術の穿通枝皮弁法について 志茂・川本
6763-1
6763-2
07/06/19
07/08/13
乳癌骨転移について
骨転移の治療効果の確認検査について
志茂・川本
須田
6762-1
6762-2
07/06/18
07/06/30
H  脇の下のしこりについて教えてください
脇の下のしこりについて教えてください(2)
吉田
石山
6761 07/06/18 Y センチネルリンパ節生検について 吉田
6760 07/06/18 みみっち 分泌物について(HPNo.3047-3) 吉田
6759-1
6759-2
07/06/18
07/06/25
H.H.  乳がんの手術をひかえています
乳がんの手術を控えています(2)
吉田
石川
6758 07/06/18 N.K.  健康食品について 吉田
6757 07/06/18 A   術後治療について 吉田
6756 07/06/18 M.T.  乳腺腫手術経験者ですが・・・ 吉田
6755-1
6755-2
07/06/18
07/08/26
S  入院・手術までの待機
術後の病理結果と根治に向けて
吉田
俵矢
6754 07/06/18 H子  乳輪周りのポツポツから分泌物 吉田
6753 07/06/18 P ラジオ波治療後の追加療法(2)(HPNo.6744-2) 吉田
6752 07/06/18 K.M. 手術の必要性(2)(HPNo.6738-2) 吉田
6751 07/06/18 N 中間リスクの化学療法(HPNo.6734-2) 吉田
6750 07/06/16 Y.K.  断端陽性について 吉田
6749 07/06/16 M.G  肝機能障害について(HPNo.4886-6) 吉田
6748 07/06/16 Y 分泌物について 吉田
6747 07/06/16 C  術後治療について 吉田
6746 07/06/16 YS 乳がん術後の治療方針について 吉田
6745 07/06/16 C.S 母の抗がん剤治療について(HPNo.6366-2) 吉田
6744-1
6744-2
07/06/14
07/06/18
P  ラジオ波治療後の追加療法
ラジオ波治療後の追加療法(2)
吉田
吉田
6743-1
6743-2

6743-3
6743-4
07/06/14
07/10/02
07/11/18
08/04/05
Y.H.  病院選びは何を基準にすればよいでしょうか?
葉状腫瘍
PET検査だけでも大丈夫でしょうか
点滴のもれについて
吉田
吉田
首藤
徳田
6742 07/06/14 I  術後の化学療法を始める時期について 吉田
6741 07/06/13 J.A. 抗がん剤治療について 緒方
6740 07/06/13 H.S 乳房からの分泌物について 緒方
6739-1
6739-2
07/06/13
07/07/03
M.F.   術後の補助治療について
術後化学治療について
緒方
石山
6738-1
6738-2
07/06/13
07/06/18
K.M.  手術の必要性
手術の必要性(2)
小川
吉田
6737 07/06/13 Y リュープリンの期間について 小川
6736 07/06/13 FN 乳癌なのか心配です 小川
6735 07/06/13 K.N. 乳癌の治療について 小川
6734-1
6734-2
07/06/13
07/06/18
N  がん抑制遺伝子について
中間リスクの化学療法
小川
吉田
6733 07/06/13 H.E.  骨転移? 矢吹
6732 07/06/13 Y 乳頭から分泌物がでます 矢吹
6731 07/06/13 U 乳房内再発の検査について 矢吹
6730 07/06/13 I.C. 乳頭からの血性分泌 吉田
6729 07/06/13 N子 ホルモン療法中の生理について 吉田
6728 07/06/13 M  腋の下のしこりについて 吉田
6727 07/06/13 M.T. 断乳後の乳首の固さが気になります 吉田
6726 07/06/13 F.K.  ノルバデックスとの関係について 吉田
6725 07/05/31 クッキー 再発時のホルモン療法について 浜口
6724 07/05/31 M 追加切除について 浜口
6723 07/05/31 N  乳がんの術後治療について(2)(HPNo.6667-2) 浜口
6722 07/05/31 K.K.  局所再発(HPNo.6623-4) 浜口
6721 07/05/31 M 妻の乳癌治療について(5)(HPNo.6210-5) 浜口
6720 07/05/31 G  放射線治療 浜口
6719 07/05/31 M  検査結果 浜口
6718 07/05/31 A.N 病院に行ってきました(HPNo.6658-2) 浜口
6717 07/05/31 I.K. 血乳について 浜口
6716 07/05/31 S  がん告知から手術までの期間について 浜口
6715 07/05/27 K,M.  乳頭について 浜口
6714 07/05/27 S.U.  外科生検後 浜口
6713 07/05/27 H.H. 中間リスクのホルモン療法について 浜口
6712 07/05/27 K.O.  乳ガン検診の結果(HPNo.6699-2) 浜口
6711-1
6711-2

6711-3
07/05/27
07/08/16
07/09/02
shour 炎症性乳がんの抗癌剤治療について
炎症性乳がんの治療について
炎症性乳がん術後について
浜口

徳田
6710 07/05/27 S  母の転移について その2 (HPNo.6686-2) 浜口
6709 07/05/26 S  妻の肺転移について 浜口
6708 07/05/26 M.C びまん性多形成石灰化 浜口
6707 07/05/26 S.T.  PET検査の必要性(HPNo.4871-4) 浜口
6706 07/05/26 K.T. 男性の胸のしこりについて(2)(HPNo.6690-2) 浜口
6705 07/05/26 T  パジェット病なのでしょうか? 浜口
6704 07/05/25 T.K ブラジャーの汚れ 浜口
6703 07/05/25 L  抗癌剤、CAF かCMFかで迷っています 浜口
6702 07/05/25 T.T 乳がんの放射線治療について 浜口
6701 07/05/25 M 脇の下リンパ節転移について(2)(HPNo.6674-2) 浜口

 

 

 

No.6800】  07年06月25日  E.F
術後の治療について 

初めて相談させていただきます。皮下乳腺全摘、同時再建の手術を受け、これから術後の補助療法を行います。38歳、閉経前です。病理の結果、「癌のグレードは1、ホルモン陽性、メインの腫瘍は22ミリ、リンパ節は1/1、HER2陰性」でした。リンパ節に転移していた為、抗がん剤を投与する予定になっていますが、手術したクリニックとセカンドオピニオンで訪れた大学病院で使用する薬が違う事から、どちらの病院で受けるべきか悩んでいます。投与する薬によって予後に差が出るものでしょうか?使用説明を受けた薬剤は以下の通りです。助言いただければ幸いです。
1) ACを21日間隔で4回投与後PTXをウィークリーで12回、抗がん剤終了後、リュープリン注射とフェマーラを服用
2) FEC100を21日間隔で4回投与後ドセタキセルを21日間隔で4回 抗がん剤終了後、ホルモン治療を行うが薬の説明はされなかった

ホルモンの比較ができないのですが、抗がん剤では副作用等を含め、どちらを行うのがより効果が期待できるのでしょうか?

AC→PTX→リュープリン+フェマーラとFEC100→ドセタキセル→ホルモン治療のどちらがより奏効率が優れているかを示すデータはまだ無いと思います。副作用も個人によってもかなり違ってくるので、優劣を論じることができません。(文責 石川)

 

No.6799】  07年06月25日  N.S.
乳がん手術後の放射線療法について(2)(HPNo.6782-2)

早速ご回答いただきありがとうございました。これで納得して放射線療法をうけることができます。それと内分泌療法、アルミデックス5年を受けるつもりです。お忙しいのに恐縮ですが、「エストロゲン受容体 陽性 スコアー8、プロゲステロン受容体 陽性 スコアー5」のスコアーの数字の意味が分かりません。いくつからいくつまであるのですか。調べても分からなかったので、お忙しいのに恐縮ですが、回答いただけたら、うれしく存じます。

私にもよくわからず、確かなお答えができません。推測するに、スコアーは陽性度を10段階で示すものではないでしょうか。スコアー8なら腫瘍細胞の80%が陽性という具合に。(文責 石川)

 

No.6798】  07年06月25日  T.S.  
乳ガン術後補助治療について

初めてお便りいたします。私は65歳、5月1日に右乳房切除術、センチネルリンパ節生検の手術を受け、先日組織検査の結果が出ましたので、術後治療についてのお話を伺いました。その結果は「経過観察」ということでした。抗ガン剤治療を覚悟していましたので、とても嬉しかったのですが、その後主治医より「経過観察でいいと思いますが、より安全性を高めるには、抗ガン剤治療(CAF6コ−ス)をご希望なら選ぶ事が出来ます。ご家族とも相談して決めてください」と言われて、悩んでおります。「出来れば抗ガン剤治療はしたくない。今の元気なままで仕事を再開したい。」と言う気持ちが一杯なのですが、自分で決断しなければならないということで悩んでいます。検査結果は次の通りです。
○診断−浸潤性小葉癌   ○主病変−右左上〜家上BT+SNB(Fr:Ca−)→Ax省略  腫瘍径:1.5×1.0  ○免疫染色−ER:not done、 PgR:not done、HER2:not done、p53:not done  ○リンパ節−なし  ○脈管浸襲−なし

尚、喘息の既往症があるためMRIは出来ませんでした。気持ちの上では、再発をさけるための食生活や生活習慣を改善して、このまま「経過観察」ですませたいのですが、ご意見、ご助言をよろしくお願い申し上げます。

ホルモン感受性(ER、PgR)、HER2や核異型度がわかりませんので、はっきり断定できませんが、おそらく再発の低リスク群に入るのではないかと思います。ホルモン感受性(ER、PgR)陽性なら、ホルモン療法だけですむ可能性もあります。ER、PgR、できればHER2検査をやってもらって、その結果で考える必要があります。主治医に相談されることをお勧めします。(文責 石川)

 

No.6797】  07年06月25日  T 
非浸潤がんの鎖骨転移

いつも拝見させていただいております。昨年6月末に非浸潤ガンで右胸全摘出手術を受けました。その後、特に治療はなく過ごしてきたのですが、右鎖骨に時々痛みを感じるようになりました。これは転移なのでしょうか? 買い物をして重い荷物を持った際、右胸肋骨に広い範囲に痛みを感じました。骨に転移しているのでしょうか? ご返答のほど、よろしくお願いいたします。

非浸潤癌ですと、まず転移は起こさないことになっています。念のため、心配でしたら受診されることをお勧めします。(文責 石川)

 

No.6796】  07年06月25日  M.F. 
術後の治療方針について

術後の治療についてご意見をお伺いしたくメールさせていただきました。5月にセンチネルリンパ節生検を行い、リンパ節への転移が認められなかった為、6月初旬にリンパ節を残し、乳腺全摘出術を行いました。年齢は42歳で、術後の病理結果は以下のとおりでした。「浸潤性乳頭腺管がん, ly0, v0, NG1(NA2,MI1), HGI(Arch1), 浸潤径28mm, ER+100%(IS3,PS5), PgR+100%(IS3,PS5), HER2/neu 2+」
主治医の先生は「抗がん剤を使っても損はしないけれど、あまり効果が期待出来ないと思うので、腫瘍自体は大きいが、その他の結果(特にホルモンレセプターがエストロゲン、プロゲステロン共に100%という面)から考えて、ホルモン療法(皮下注射による2年間の卵巣機能停止と並行して5年間のノルバデックスのみ)で大丈夫だと思います。」とのご意見でした。化学療法を行うかどうかは私自身の判断ですが、今後の再発転移や生存率を考えるとなかなか決断が出来ず、幾つか質問させていただきます。
1) 私は化学療法(抗がん剤)は既に全身に散らばっているかもしれないがん細胞をたたくという意味で必要であり、ホルモン療法は再発を抑えるために必要なものと思っておりましたが、ホルモン療法でも既に全身に散らばっているかもしれないがん細胞をたたくという効果があるのでしょうか?
2) 抗がん剤は全てのがんに効果があるわけではないと聞きますが、私のようにホルモン感受性が強いがんの場合は、抗がん剤の効果はあまり期待できないということでしょうか?
3) 術後治療についてのガイドラインを見ましたが、やはり腫瘍が20mm以上は化学療法が望ましいように書かれており、浸潤径28mmというのがとても気になります。腫瘍のサイズはそれほど問題ではないでしょうか?
4) HER2/neu 2+とう結果が気になりますが、問題ないのでしょうか?
5) 転移および再発のリスクは、どれくらいのものなのでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。

1) あると思います。
2) 抗がん剤の効果も、少なくともある程度は期待できると思います。
3) 腫瘍のサイズは問題となり、再発率に関わってきます。
4) HER2/neu 2+は陽性の可能性があります。詳しい蛍光抗体法〔FISH法〕で調べて陽性なら、Trastuzumab(Herceptin)という分子標的治療薬が治療の選択肢に入り得ます。
5) 再発のリスクは、予後予測のAdjuvant! Onlineによれば10年間で37%前後と考えられます。ホルモン治療のみで40%再発率が抑えられると予測しています。(文責 石川)

 

No.6795】  07年06月25日  A.H. 
アロマターゼ阻害剤について

母の事でお世話になっています。乳房温存手術後、放射線、CMF6クールが終わり、先月末からフェマーラを飲み始めました。「リンパ節転移1/10、グレード3、ER90%以上、PR20〜30%、Her2 +1」です。担当の先生はタモキシフェンを考えていたのですが、閉経後はアロマターゼ阻害剤のほうが効果があるのでは?と聞いたところ、「効果は同じなので、それならアロマターゼ阻害剤にしてみましょうか」とフェマーラを処方されました。
1) 母は30歳で子宮を摘出して生理が止まりましたが、64歳で閉経していない可能性というのはあるのでしょうか。
2) 「アロマターゼ阻害剤の副作用で骨密度が低下する事があるんですよね?」と聞いたら否定されました。でも、検査は定期的にしたほうがいいのでしょうか?
3) 副作用で心毒性がある事を後になって知りました。ホルモン療法は抗がん剤より副作用が軽いと言われていますが、5年という長い期間の服用では心臓にかかる負担は同じくらいになってしまいますか?
4) 同じ薬を長期間服用すると耐性が出来てしまうので、他の薬に変更するのなら早くにと言われました。(耐性が出来てしまうと、もし再発した時にその薬が使えないので)耐性が出来るというのは、どの位の期間でなのでしょうか。
5) 母の再発率は中間リスクだと思うのですが、そのなかでも高リスクに近いのでしょうか、それとも低リスクよりでしょうか? タモキシフェンかアロマターゼ阻害剤のどちらかを選ぶかにより、予後に差が出てきますか?

アロマターゼ阻害剤の方が再発予防の効果が高い、という良い点ばかりをみていましたが、かかっている病院の患者さんは皆タモキシフェンでアロマターゼ阻害剤は使った事がないことや、まだ長期間服用の副作用など不明な点もある事など(特に私がネガティブな性格の為)、不安はつきません。ご多忙のところ申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。

1) 64歳なら、まずで閉経しているはずです。血中のホルモン検査で確認できますが、その必要性もないと考えます。
2) アロマターゼ阻害剤で骨密度が低下することはあります。定期的に6ヶ月から1年に1回の定期的検査が推奨されています。
3) 一般的に、化学療法に比べ、心臓に対する影響はかなり少ないと考えられています。
4) 薬剤耐性出現までの期間は、個人によっても薬によっても違ってくるので、はっきりお答えができません。
5) 中間リスクですが、そのなかで高・低リスクのどちらに近いかは決められません。個人的にはどちらかといえば、リンパ節転移1/10、グレード3なので、より高リスクに近いように思えます。アロマターゼ阻害剤の方が奏功率が高いという報告が多いようです。(文責 石川)

 

No.6794-1】  07年06月25日  AI
乳頭からの分泌について

以前にも似たような相談があったのですが、どうしてもネットで乳癌の可能性があるような記載をみて気になり、メールさせていただきました。
未婚の23歳です。中学くらいの頃にも乳頭(両胸)からの黄色い分泌があり(痛痒い感じ)、それが下着に乾いたもので更に表面がすれてきれて何ヶ月かずっとその状態が続いたことがありましたが、一定期間でその症状は治まりました。その後は落ち着いていたのですが、仕事が多忙の為、一年前に帯状疱疹などにもかかり、身体の免疫力が落ちているようなことを言われました(これはあまり関係ないかもしれませんが・・・)。4月末より再び乳頭(両胸で、右の方が症状重く、両胸とも痛痒い感じあり)より黄色い分泌液が出はじめ、量も覆わないと下着が乳頭部分全体的に黄色になってカサカサにかたまってしまい、再び下着について悪化しそうなくらいなため、リント布でゲンタシン軟膏をつけて覆っている状態です。それでも帰宅後はリント布全体が黄色く透明な乾いたものがこびりついている状態になっていて、多少はすれているせいか、やはり多少痛みがあり、一日の中でも痛みに波があります。土日休みで有休が職員の人数の関係でとれなく、乳腺外科が近くにないために乳腺外科を受診するか大変悩んでいます。この年齢でこのような症状で乳がんの疑いがやはりある場合は、それでも土曜にやっている乳腺外科を探して近々受診しようかと思っているのですが、乳癌の可能性や受診に関して、ぜひご意見をお聞かせいただきたくメールさせていただきました。よろしくお願いいたします。

年齢や両側からの分泌など乳癌の可能性は少ないと思いますが、やはり乳腺外科を受診したほうが安全です。(文責 石川)

 

No.6794-2】  07年08月24日  AI
皮膚科受診について

以前、No.6794でご相談させていただいたものです(未婚、23歳)。その後、乳腺クリニックを受診し、超音波検査では異常なしで、乳腺の領域ではなく皮膚の領域だろうと、リンデロンVGをもらいました。できるだけ少量を薄く塗っていたのですが、塗ってから数日はリント布なしでの生活が可能なのですが、少し経つと症状が少しずつ戻ってきてしまい完治できていない状態です。どうしてもひどくなったらリンデロンVGを薄く塗って、ほとんど黄色の分泌がなくなったらトパルジック軟膏をリント布にぬっています。両側の乳輪なので、パジェットの可能性は低いと勝手に思ってはいるのですが・・・。皮膚科を受診しようかとも思うものの、生検をしてくれるような医師が近くにおらず、今まで通ってきてあまり信頼できる皮膚科がなく正直放置している状態です。それ以外の症状としては乳輪のブツブツがくっきりして大きくなって、少しその部分だけ硬くなったり、やはり痛痒い感じがたまに現れるような症状です。首や関節などにここ半年くらいでかゆみや湿疹ができることが多く、乳腺の医師にはアレルギーやアトピーではないかと言われているのですが、アレルギーやアトピーと考えるほうが良いのでしょうか? たびたび色々と質問してしまい、すみません。よろしくお願いします。

乳腺クリニックを受診し乳腺は問題なしとのことですので、その乳腺クリニックの先生に皮膚科の先生を紹介していただくのはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.6793】  07年06月25日  H.H.
乳がんの手術を控えています(HPNo.6759-2)

先日はご回答ありがとうございました。やはり又心配なのでメールしました。リンパ節転移の自覚症状はあるのでしょうか。また後日CTを撮るのですが、そこでわかりますか。また転移していた場合の抗がん剤の副作用はきついものでしょうか。

リンパ節転移の自覚症状は腋窩などに腫瘤を触知することのほかは、普通ありません。CTでもリンパ節が腫れて、かなり大きくなっていないとわかりません。転移していた場合の抗がん剤の副作用は化学療法の薬剤 の種類・投与方法により異なってきます。外来通院で行える、比較的副作用の少ない治療法もあります。(文責 石川)

 

No.6792】  07年06月25日  Y.I.
未分化癌の術後について(HPNo.5987-4)

以前、HPNo.6687 「未分化癌の術後について」で、アドバイスをいただき、ありがとうございます。今後について、またアドバイスをいただきたく、メールさせていただきました。43歳主婦、12歳と9歳の子供がいます。2006年9月、右腋の下のリンパ節を生検したところ、未分化細胞の原発不明癌といわれ、その後検査をしても、どこにも原発巣は見つかりませんでした。最初の細胞の病理診断結果のコピーです。
(所見)
「リンパ節内に充実性、胞巣状に増殖する腫瘍を認める。腫瘍細胞は核小体の明瞭で類円形ながら経度の大小不同や多形性の見られる核と比較的幅広い胞体を有し、上皮様の形態、配列を示す。核分裂像が目立ち、多いところでは8−10個/HPF程度見られる。腺管形成や粘液産生、角化や細胞間橋形成といった特定の細胞分化葉見られない。低分化、ないしは未分化な癌の転移の可能性が高いと思われる。」
免疫染色では、「ER陰性、PgR陰性、CK7陰性、PgR陰性、TTF−1陰性、CD5陰性、CAM5.2陰性、TTF−1陰性、EBER-ISH陰性」でした。免疫組織化学はScore0。
転院した医学部付属病院で、乳がんのリンパ節転移ということにして、11月24日から3週間ごとにCEFを4回行い、リンパ節の腫れが縮小傾向になったので、2007年2月よりタキソール毎週に変更し、2007年3月初めまでにタキソール5回を終了した後、3月27日に、右腋下のリンパ節のみを15個切除しました。
以下は、3月27日の術後の病理診断のコピーです。
(所見)右腋窩皮膚・皮下切除検体、6.2×3.2×1.8cm大、皮膚は4.2×0.9cm大。肉眼的には病変は明らかでないため、全割標本を作製して観察した。
リンパ節:2Level l上部 1/6(2個はViableな腫瘍成分は見られないが完全な壊死に陥っている)。Level l下部 0/1。Level l深部 0/4。 Level ll  0/4(1個にはfoamy macropahgesの集簇が観察されるが、Viableな腫瘍細胞ははっきりしない)。
Total(1/15)、ただし治療に伴い壊死に陥ったと思われるものを含めれば、Total(4/15)。

しかしながら、術後の病理診断でも原発巣が特定できないまま、術後も外来でタキソールを毎週し、6月4日に全12回目が終わりました。今回の手術では、右腋の下のリンパ節のみの切除で、乳房には傷をつけておりません。そのため、現在は放射線照射をしています。全25グレイと言われており、6月20日現在7回目が終わったところです。

そこでお聞きしたいのですが、
1) 癌細胞は、今回の手術で取りきれているのでしょうか。
2) 放射線射程が25グレイは標準なのでしょうか。
3) 25グレイの射程で、今後の予後がどのくらいよくなる可能性があるのでしょうか。
4) 放射線射程の後は、経過観察になるかと思いますが、私の場合、ホルモン療法はしなくても良いのでしょうか。

お手数ですが、よろしくお願いいたします。

1) 腋窩より遠くのリンパ節に転移していれば、まだ残っている可能性があります。
2) 乳房温存手術後では放射線照射は2グレイx25回が標準と思います。そう考えると少ないように思えます。尋ねてみられたらいかがでしょうか。
3) 乳癌としたら、病巣はかなり小さいと考えられるので、かなりの治療効果が期待できると思います。
4) ER陰性、PgR陰性なので、ホルモン療法は有効でないと予想されるので、普通行いません。(文責 石川)

 

No.6791-1】  07年06月23日  M.N. 
セカンドオピニオンの必要性について

妻52歳、エコーにて8.4ミリのしこりがあり、細胞診の結果、良性・悪性判別不能のVということで、摘出生検を強く勧められ、6月上旬に外来にて手術をうけました。結果、乳癌と判明し、その2週間後、センチネルリンパ節生検の手術を再度外来にて受け、今その結果を待っているところです。乳腺専門ですが、個人病院のため病理検査の結果は外注で、一週間位かかります。生検後はセンチネルリンパ節の同定が困難になる・・・と知り、手術の数日前に先生に確認しましたが、心配ないとのことでした。手術は、乳輪近くに色素を注入する方法だったそうです。なかなか探せなかったようで、結局5個取り、その内の1個を、これがセンチネルで他のリンパは少し腫れていたため取った、と説明されたそうですが、素人目には、色素が着いているようには見えず、先生にお聞きしたところ、「色が抜けることがある」と説明されたようです。せっかく検査しても、真のセンチネルでなければ意味がありません。妻はすっかり憔悴しきっており、食事も摂れないような状態で心配です。検査結果が出るまでには、最初の手術から1ヶ月もたってしまい、他に転移がないかどうかも心配です。
1) センチネルの色が抜けることはあるのでしょうか?
2) 今からでも、総合病院等でセンチネルリンパ節生検を受けることは可能ですか?
3) 乳癌と判明した時点で、体のどこかに転移していないかの検査はするべきですか?
4) 放射線照射は、術後どれくらいまでに受けるべきですか?
5) もし、センチネルに転移していて取りもれている場合、今からとれる最善の方法を教えてください。

病理組織:Invasive ductal carcinoma scirrhous carcinoma f ly0 vo cutend intact nuclear grade1  核異型スコア1 核分裂像スコア1

以上、長くなり申し訳ありません。ご意見をいただいたことにより、ご迷惑をおかけするようなことはありません。どうぞよろしくお願いいたします。

1) ありえます。
2) さらに再度センチネルリンパ節生検を受けることは可能ですが、2回目なので正しい結果が得られるかどうか疑問で、意義が無いように思います。
3) 乳癌と判明した場合、遠隔臓器またリンパ節転移などの有無を検査するのが普通です。
4) 放射線照射は、術後2ヶ月以内に開始することが推奨されています。
5) センチネルリンパ節に転移していた場合、先ず腋窩リンパ節郭清をきちんと施行してもらうことをお勧めします。(文責 石川)

 

No.6791-2】  07年06月28日  M.N. 
術後について

HPNo.6791にて質問させていただいた者です。前回は、回答いただきありがとうございました。再度質問させていただきます。
1) 乳癌と判明した時点で受けるべき全身の検査項目は、具体的に何ですか?(胸部レントゲン等)
2) PET/CTによる検査は必要ですか?これから放射線照射を受けるにあたって、被爆の点で心配はありませんか?
3) ホルモン陽性+10%以上・染色強度軽度・・・とは、ホルモン療法の適用にはなるが、効果は低いという事でしょうか? またその場合、化学療法も併せて受けるべきですか?
4) 婦人科系もここ数年検査を受けていなかったため心配になり、受診したいのですが、子宮内部の細胞を採取することは現時点では避けたほうが良いと思われますか?

以上、お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

1) 一般的には肺、骨、肝臓が転移部位と考えらるので、それをチェックするのが一般的です。
2) 被ばくは回数にもよりますが、あまり問題ありません。心配なら肝臓はエコーで調べることもできます。
3) 効果を判定するものではないので、ホルモン剤の適応だと思いますが。化学療法はそれ以外の要素で決まることが多いと思います。
4) 婦人科検診は主治医の許可を受けてから受けてください。 (文責 石山)

 

No.6791-3】  07年07月06日  M.N. 
術後の治療について

お忙しい中、回答いただき、ありがとうございます。HPNo.6791でお世話になりました。また、質問させていただきます。
1) エストラジオール(E2):216ですが、タスオミン錠のみの処方でした。一ヶ月おきや量も少ないなど、不規則ではありますが、まだ閉経前です。LH-RHアゴニスト製剤の併用はなくてよいのでしょうか? 少しでも効果が上がるのであれば使用したいのです。次の診察予約日が2ヶ月後なので、もし必要であれば早めに受診したいと思っております。
2) 放射線照射開始とタスオミン服用は、同時で問題ありませんか?

以上、よろしくお願いいたします。

最終的なリンパ節転移状況とHER2状況が分かりませんが、St.Gallen の Consensus Report によれば、いずれも陰性だった場合はLow risk となり、タモキシフェンのみの治療も十分に選択肢になります。タモキシフェンとLH-RH アゴニスト併用の必要性については基準がまだ明確化されていません。放射線照射との順序についても、乳癌診療ガイドラインの放射線療法によれば、乳房切除後の治療法になりますが、「タモキシフェンの同時併用を採用した2つの臨床試験では同時併用による胸壁再発抑制効果の低下はみられていないものの,照射との同時併用による肺線維症の増加を懸念する報告もあり,ホルモン療法と照射の至適順序についても一定の見解はない。」となっています。(文責 片山)

 

No.6790】  07年06月23日  K.E
胸に石があると言われました

ご相談させて下さい。37歳・未婚です。2年程前から胸が痛む・のう胞があるなどで、半年おきにエコーで検診を受けていました。今回久しぶりに(2年ぶりに)マンモを受けたのですが、その結果は「異常はないので、これからは1年に1度でいい」との事でした(マンモと一緒にエコーの検査もしてもらっています)。その際に先生が「少し石が出来てしまっているけど、これも特に気にするような物ではありません」と仰るので、「石とは何ですか?」とお聞きしたところ、「体のどこに石が出来てもおかしくないので、気にしなくて良い」と言われました。その時に自分のマンモの画像を見たのですが、いくつか小さい白い点があって、これが石なのだと思ったのですが、それって石灰化の事でしょうか? 気になってネットなどで調べると、多分石灰化なのだと思うのですが…。気になって2004年に別の所で撮ったマンモの画像を見てみたのですが、(そこは画像を頂けるので)その頃から左胸にひとつ、白い点のような物がありました。ただ、その時も特に問題はなしとの結果でした。石灰化があるのに、次の検診が1年後で大丈夫なのでしょうか? しかも、2004年からすると石灰化が増えているようなのですが…。石灰化が少しでもある人は、この先ガンになりやすいなどあるのでしょうか? ちょっと不安です。お答え頂けると幸いです。宜しくお願い致します。

石灰化のことだと思います。いろいろな石灰化があって、明らかに良性と判断できるものも少なくありません。その場合、次の検診が1年後で大丈夫です。石灰化があるからといって、癌になりやすいわけではありません。(文責 石川)

 

No.6789】  07年06月23日  E  
乳首のかゆみ

27歳の主婦です。去年12月に出産し、母乳育児をしていました。左の胸が乳腺炎になり、抗生物質などを飲み、症状も治まり、そのまま卒乳したのですが、その後左胸だけ小さくなり、乳首が少し下側に引っ張られた様になっています。妊娠前から乳首にかゆみとただれがあり、産婦人科でリンデロン-VG軟膏をもらい、塗ると治まっていました。最近になってまたかゆみが出てきたのですが、リンデロン-VG軟膏を塗っていて様子を見ていても大丈夫でしょうか?

乳頭にできるパジェット癌を否定するためにも、一度乳腺外科か、皮膚科で診てもらっておいた方が安心かと思います。(文責 石川)

 

No.6788】  07年06月22日  K 
放射線治療後の運動などについて

4月に温存手術とセンチネルリンパ節生検をし、6月に25回の放射線治療を終了しました。いつも参考にさせていだいております。3つ質問があるのですが、よろしくお願いします。
1) 放射線治療後プールに入るのは、どの位経ってからにするべきでしょうか?
2) 運動は、いつから始めてよいでしょうか?
3) ワイヤー入りのブラジャーは、いつからつけられるでしょうか?

皮膚がただれていなければ、プール・運動・ブラジャーはすぐにでも構わないと思います。(文責 石川)

 

No.6787】  07年06月22日  E 
異型乳管上皮過形成との診断を受けました

よろしく願い致します。現在50歳です。乳がん検診は、石灰化があるという事で40代前半より半年毎に受けていました。46歳で閉経を向かえ、更年期障害に悩み、女性心療科の受診を受けてホルモン充填治療を平成16年8月より始めました。その際には、婦人科、乳腺科、3科の先生のご意見を伺いました(フェミエスト・プロペラ)。しかし、更年期障害の症状は良くなっても、毎月の出血の状態が定まらなく、乳がんのリスクも考え、今年2月にホルモン充填治療は婦人科医師と相談の上、止めました。乳腺科では平成17年頃より、半年ごとのマンモグラフィー、超音波検査が年3回になり、石灰化の数や大きさを検査して頂いていました。今年1月の検査で気になる所見があるとの事で、5月30日にMRIの検査を受け、なお検査と言う事で6月11日にマンモトームの検査を受けました。本日検査結果を受け、「異型乳管上皮過形成」との事です。電話再診だったのに加え、驚きのあまりに主治医からの説明内容と自分の病状が把握出来ず、ご相談させて頂く次第です。
主治医に「異型乳管上皮過形成とは癌なのですか?」と伺った所、「採取した物が2ミリなので癌とは言えません。これが5ミリ以上ならば癌でしょう。」との説明です。ワラをもすがりたい気持ちでネット上で調べると、異型乳管上皮過形成の病状の説明が少なく、少ない説明でも、大きさで癌か否かの判断が出来るとは無いので、癌確定なのでは?と、不安でたまりません。また、ネット上では「乳管過形成」とか「異型乳管過形成」とかはありますが、私が診断された「異型乳管上皮過形成」の病状説明が無く、不安はつのるばかりです。今後の予定は7月26日にMRI、マンモグラフィーを実施し、その状況判断で再度のマンモトーム(内視鏡下の可能性あり)検査との事です。その採取時点で癌確定となった場合には、腫瘍が小さいと判断されると思うので「凍結」?治療の方法もありますとの事でした。申し訳ありません。普通の精神状態なら上記の医師からの説明で患者さんはほぼ納得されるのでしょうが、今私は「癌なの?」の不安に押しつぶされ、初めて聞く病名と、「凍結治療?」が理解出来ず、ご相談申し上げる次第です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

異型乳管上皮過形成(ADH)は「乳管過形成」、「異型乳管過形成」と同義語と思います。
ADHは良・悪性の診断が困難な境界病変と考えられています。すなわち、癌との鑑別が重要になります。大きさとしては通常2〜3mm以下です。腫瘍が小さい場合には、切らない乳癌治療法として、ラジオ波熱凝固療法、集束超音波治療、凍結療法などがあります。凍結療法は低温で病巣を壊死させる方法ですが、まだ一般に行われる療法ではないと思います。(文責 石川)

 

No.6786】  07年06月22日  H 
乳輪下しこりについて

31歳。今2歳の子どもがおり、去年5月に断乳しました。分泌物は、強く絞ると右からは白乳がにじむ程度、左からは透明なのがにじむ程度。4月に大学病院にてマンモグラフィーと超音波検査をしました。マンモグラフィーにおいては、左胸の乳輪下2〜3cmのしこりらしきものが白く写りました。その後超音波検査をしたところ、異常なしとのこと(しこりらしきものは写らない)でした。先生は何もおっしゃらなく、乳腺症になりかかっているのかもしれないとのことで、6ヶ月後またきてくださいとのことでした。また先週違う病院の乳腺外科にて、同じくマンモグラフィーと超音波検査をしました。「マンモグラフィーは全体的に白っぽいが異常はない、超音波ではやはりなにも写らない」とのことで、先生は、「これがあなたの乳腺だから何もありません」とのことでした。大学病院のマンモグラフィーで2〜3センチと比較的大きい白く写るものは、癌だった場合、超音波では必ず写るものなのでしょうか? 細胞診はどちらの病院ともやっていないのですが、確実にするためにはやってもらうように頼んだほうがいいのでしょうか?助言、お願いいたします。

癌だった場合、超音波でまず写ります。しこりや石灰化が無いので細胞診は不要です。(文責 石川)

 

No.6785】  07年06月22日  A.K. 
乳頭の周りのしこりについて

42歳です。11歳・10歳・7歳の子供がいます。右側の胸にしこり(はり)を感じます。多くの方のように小さいものではなく、乳頭を中心にして小さいみかんほどの丸いものが1つです。授乳時のはりに似ています。今までも生理前には、多少胸が張り、生理が終るとおさまっていましたが、先月の生理が終っても張りが残っているような感覚です。7歳の子が、離乳直後に、方向が飲みやすいからといって、左のおっぱいばかりのんでいたので、乳がんではなく乳腺症だろうと思っていました。昨日、少し心配だったので、乳がん検診を受けました。しこりがあったので、マンモグラフィーとエコーをお願いしたところ「乳腺症ではありません」「乳腺外科に紹介します」「多分悪性かな?」と言われました。「詳しいことは、乳腺外科の先生に聞いてください!」とのことでした。よく説明されなかったので、とても不安です。しこりは、急に大きくなりました。昨日の医師は、私が気づかなかったのでは・・と言っていましたが、こんなに大きなガンでは、すごく進行しているということなのでしょうか?ひきつれや分泌物や体の痛みはありません。昨日この診断を受けてから急に吐き気と微熱があります。余計心配になってきました。

いただいた情報では、腫瘤の大きさも他のこともわからず、お答えができません。(文責 石川)

 

No.6784】  07年06月22日  K. H.
術後の補助療法について

年齢47歳、閉経前です。既婚ですが、子供はおりません。5月10日、右乳房切除手術を受けました。先にセンチネル・リンパ節生検で1/1摘出。1.2mmの転移があったため、リンパ節はレベル2まで郭清。病理診断結果の所見は以下の通りです。
****************
肉眼的には、右乳腺のC領域に2.7×1.4×1.7cmの辺縁境界不明瞭な灰色色調充実性の腫瘍を認める。
組織学的には、癌細胞が乳頭腺管状や面疱状の乳管内増殖巣を形成するとともに、小索状、個細胞性や乳頭腺管状の浸潤を示す。Invasionの最大径は1.7cm。Invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinomaの所見。
癌細胞のNuclear gradeは3相当(核異型:高度(score3)、核分裂像:7−8個程度/ 10hpf(score2))。
免疫組織学的には、HER2は2+、Estrogen receptor陽性(70-80%程度、moderate)、Progenterone receptor陽性(20-30%程度、moderate)。癌は乳腺組織に限局する。
癌細胞のリンパ管浸襲が軽度。静脈浸襲は明らかでない。
リンパ節既報告済み。《本人注:n(0/8)(Level 1&2, 0/8) + sn(1/1)》切除断端陰性。
******************
CEF 4クール、続けてドセタキセル4クール、その後ホルモン療法5〜10年が望ましい、と言われています。FISH検査の結果が出るのはもう少し先になるとのことで、それによってハーセプチンが試験適用になるかどうかが決まるそうです。細胞診ではHer2−、細胞グレードが1との報告を受けていたため、比較的大人しいタイプのガンで、化学療法はリンパ節転移の数によって行う可能性がある、くらいの認識でした。いきなり顔つきが悪くなったのにも驚いておりますが、今後の治療方法を決めるに当たり、
1)推奨されている方法が妥当かどうか
2) また、これによって再発リスクがどの程度抑えられるのか

以上を教えていただきたいと存じます。副作用も強いので、自分でもよく調べてこの治療を受けるか受けないかの答えを出すように、と主治医から言われております。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

1)妥当と思います。
2)治療予測のAdjuvant !Online によれば、再発リスクは70%前後抑えられると考えられます。(文責 石川)

 

No.6783-1】  07年06月21日  C.C.
病理の結果について

40歳、子供が2人おります。今年の5月に非浸潤癌と診断され乳房温存手術を受けました。私の癌は、ぱらぱらと細かい癌が多数あるタイプで、癌のある部分から1cmずつ余裕を持って5cmほど切除したと説明がありました。しかし術後の検査の結果、わずかながら浸潤している部分があったことがわかりました。主治医は「浸潤していた部分はわずかなので、非浸潤癌と同じと思ってもいいですよ」とのことでした。しかし浸潤していた部分の大きさなどについてのくわしい説明などはありませんでした。その他の結果は、「リンパ節への転移はなし ホルモン感受性あり グレードは1 断端陰性」とのことでした。放射線を25回照射、ノルバデックスを5年間服用予定です。しかしこのHPで、私が説明を受けた以外にもHER2や脈管浸襲などの検査結果があることを初めて知りました。非浸潤癌ではなかったことや、くわしい検査結果の説明を受けていないことに対して、少し不安を感じています。それでいくつか質問があるのですが、よろしくお願いします。
1) 浸潤していた部分がわずかなら、非浸潤癌と同じように転移の可能性はかなり低いと思ってもよいのでしょうか。
2) 非浸潤がんであっても再発時は浸潤癌でみつかることも少なくないことを知りました。定期的に検査をしていても非浸潤癌でみつけることは難しいのでしょうか? 浸潤癌でみつかれば転移の可能性が出てくると思うのですが・・・。 
3) 放射線とノルバデックスを服用することで、私の癌の再発率はどれくらいまで下げることができるのでしょうか。
4) 主治医にHER2や脈管浸襲などの検査結果についてもくわしく聞きたいと思うのですが、主治医は「あなたの癌は大丈夫ですから」と言っており、くわしい説明は必要ないと考えているようで、聞きにくい状態です。HER2や脈管浸襲などについては確認しておいた方がよいのでしょうか?  

長くなってしまいすみません。よろしくお願いします。

1) 浸潤していた部分がわずかなら、非浸潤癌と同じように転移の可能性はかなり低いと考えられます。
2) 定期的に検査をしていれば、非浸潤癌でみつけることは可能です。
3) 再発率は4%前後に下げることができると思います。
4) できれば、HER2や脈管浸襲も確認しておいた方がよいと思います。(文責 石川)

 

No.6783-2】  07年11月12日  C.C.
石灰化について

HPNo6783で質問させていただきました。お忙しい中、お返事頂きありがとうございました。今回、術後初めての定期検査を受けました。その結果に不安がありますので、質問させて下さい。マンモとエコーの検査で、術前の4月には異常のなかった左の胸(手術は右でした)に、わずかですが石灰化がみつかってしまいました。主治医は「固まりになっていないので大丈夫でしょう。」との事でした。
1) 右胸のがんも石灰化でした。右側ががんだったので、左側にできる石灰化もがんになる可能性が高いのでしょうか?
2) 現在、ノルバデックスのみを服用しています。ノルバデックスを飲んでいても石灰化ができたということは、私にはあまり薬が効いていないということなのでしょうか?
3) ノルバデックスのみでは、石灰化を防げない様に思うのですが、他に治療方法はないのでしょうか?

よろしくお願いします。

右の乳癌で見つかった石灰化と左側のものは、全く関係ありません。右に出来た石灰化が良性のものと判断されるのであれば、これはその後、乳癌になる可能性はありません。写真を見ていないのでなんとも判断しかねますが、石灰化は、良性の石灰化と悪性を疑うもの、悪性のものに大きく分けます。先生の言われる、固まりではない(集簇していない)のであれば、まず心配はいりません。定期的なフォローをすれば良いでしょう。術後の補助療法は、残念ながら100%のものではありません。ノルバデックスを内服していても、反対側の乳癌になることはありますし、再発をしてしまうこともあります。ただ、現在の石灰化についてはあまり心配ないようにお見受けします。(文責 鈴木)

 

No.6782-1】  07年06月21日  N.S.
乳がん手術後の放射線療法について

58歳です。3週間前に乳がん温存手術をしました。術後の放射線療法についてお尋ねします。
病理結果 1)組織型:乳頭腺管癌  2)リンパ節転移 陰性(0/1個)  3)組織学浸潤径 0.6cm×0.5×0.5 4)異型度 1  5)エストロゲン受容体 陽性 スコアー8 プロゲステロン受容体 陽性 スコアー5  6)ハーセプテスト 0  7)乳房温存 断端 陰性  8)脈管浸襲 軽度 ly 1  9)派及度 g、f

主治医の推奨される治療法は、内分泌療法 アリミデックス5年(フェマーラ5年)です。放射線療法は、癌から1.5センチ程度広くきれいに取れているので、しなくてもよいと思うが、どうするか決めてきてくださいと言われている。アリミデックス5年はしようと思うが、放射線療法は、した方がいいか迷っているので、先生のお考えをお聞かせください。

術後の放射線療法で、乳房内再発率が1/2ぐらいに減少すると言われていますので、した方がいいと考えます。皮膚の色素沈着などの副作用が無いわけではないので、主治医に聞いておいた方がいいと思います。(文責 石川)

 

No.6782-2】  07年06月25日  N.S.
乳がん手術後の放射線療法について(2)

早速ご回答いただきありがとうございました。これで納得して放射線療法をうけることができます。それと内分泌療法、アルミデックス5年を受けるつもりです。お忙しいのに恐縮ですが、「エストロゲン受容体 陽性 スコアー8、プロゲステロン受容体 陽性 スコアー5」のスコアーの数字の意味が分かりません。いくつからいくつまであるのですか。調べても分からなかったので、お忙しいのに恐縮ですが、回答いただけたら、うれしく存じます。

私にもよくわからず、確かなお答えができません。推測するに、スコアーは陽性度を10段階で示すものではないでしょうか。スコアー8なら腫瘍細胞の80%が陽性という具合に。(文責 石川)

 

No.6781-1】  07年06月21日  C77
驚きの病理結果

生きる支えである相談室の先生方へ心よりお礼を申します。63才、2007年1月23日 センチネルリンパ節生検+右温存OPを受けました。OP前の諸検査では予想していないリンパ転移有、しかも8個、リンパ静脈襲撃有で大混乱中。病理結果は「大きさ2cm、断端 2MMで−【執りきったとの主治医の説明でしたが、相談室に断端5mm以内では+にと読みましたが・・・】、硬ガンでホルモン受容体(両方)+、HerU−、グレード 3 」で、私の様な場合は2年で転移すると言われているので、「再発を遅らせ、生存率UPの為、がっちり治療をしましょう」と主治医。最悪の驚く病理結果で、先生が「質問や分らないことは何でも聞いて下さい。」と何度もおっしゃったのですが、結果を冷静に受け入れるのが精一杯でした。何も質問できませんでした。【なるようにしかならない!!主義で、明るく生活を心がけております。】
OP後の治療法は、3月2日より、AC+パクリタキセル(タキソール)各3週1回×4の8回投与予定後、放射線を5週間と、同時にホルモン療法を5年間(も生きれたら幸!)内服予定。ACを終え、タキソール2回目を6月21日予定。【数々の副作用に負けてたまるか!!食べられ歩けるならOKだと頑張り中。痛い血管炎をもキャー転移したか?と思いましたが、診察日に血管炎との説明有】
OP前は胸のX線のみでしたので、OP後腹部MRI、骨シンチを受けました。特に異常なし。 
1) 大切な病理結果の聞き落としはありませんか?
2) 「断端1mm」は、+でしょうか?【なるようにしかならない主義ですので、不安と考えませんが・・】
3) 放射線とホルモン剤を同時に受けることを避けた方がいいのでしょうか?【相談室で読みました】
4) 治験参加でレトロゾールかアナスゾールのどちらかを投与予定と、Drに説明を受けました。薬の選択能力がない私なので承諾予定。この様な考えは勉強不足の怠け者になりますか?
5) 2年前の検診で白でした。今回部分切除し、それでお終いの可能性も残されていると、OP前に夫と主治医の説明を受けました。開けて見てはじめてこの病理で、今も信じられませんが・・・。相談室の色々なケースを読んで、私の様なケースはありえるのですよね?
    
お忙しいことでしょうが、どうか上記のことをお教え下さいます様に心よりお願い申し上げます。相談室の存在、ほんとうにありがとうございます。

1) ほぼ無いと思います。
2) 「断端1mm」は+です。
3) 放射線療法とホルモン療法は同時に行わないのが、現在の傾向です。
4) 勉強不足の怠け者ではありません。
5) 稀ですが、ありえます。(文責 石川)

 

No.6781-2】  07年08月29日  C77
驚きの病理結果ー2

ミスの多いHPNo.6781に即お返事をいただき、大感謝。やっと!!元気に?抗がん剤を終え、来週より放射線+ホルモン療法開始予定。前回の質問Bを主治医にお尋ねしました。”副作用が少ないので大丈夫!”とおっしゃいました。放射線科の主治医は、”放射線は副作用が少ないので、出たらホルモン剤によるので”とのお返事でした。今回治療前の診察・説明中、断端2.5cmで迅速病理後、大きくOP中病巣周囲を取り除いたので断端マイナスと、やっと私は理解できたのでした!すみませんでした。
治験参加(=私の最後の社会貢献)のレトロゾールかアナストゾールを少しだけ勉強できました。”先生、メリットは沢山お聞きしましたが、デメリット【患者は知りたいのですが】はあります?”と、ずうずうしくお聞きすると、大丈夫らしいとのお返事でした。今後のデータに現れるものと考えるべきでしょうか?

大変申し訳ありませんが、文面のみからはあなたの質問の内容がよく理解できません。「ずうずうしく主治医にお聞きする」とありますが、治験に参加する際に主治医やスタッフに内容を聞くことは決してずうずうしいことではありません。この場合、あなたの疑問を解決するためには、あなたの主治医に直接聞くのが最もよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.6780】  07年06月21日  N.I. 
乳がんについてのご相談

妹が乳がんになりました。非浸潤がんで、大きさは2.8センチから4センチ。温存は無理という病院もありますが、8分の1切除で温存できるだろうという病院で手術します。術後、放射線を当てても、2割は再発するといわれています。妹は38歳ですが、その年齢でも再発率は2割と考えてよいでしょうか。若いと再発しやすいということがないでしょうか。ご意見いただけるとうれしいです。

再発率は手術したときの状況、癌の進行度・悪性度により異なってきます。術後、放射線照射しても再発は十分起こりえます。一般的に、非浸潤癌では再発率は2割よりずっと低いのではないでしょうか。若い人の方が再発の危険は高くなります。(文責 石川)

 

No.6779-1】  07年06月21日  T.K
母の治療法について

59歳の母の事ですが、平成13年11月に左胸に癌を発見。リンパ節に転移ありで、全摘→抗癌剤6回施行→ホルモン剤内服。平成16年8月に腫瘍マーカー上昇→検査結果、腰椎10番に転移あり。骨を強くする点滴とホルモン剤変更。12月に首のしこり転移と分かり、平成17年1月からタキソール計9回施行し、腫瘍マーカー38から正常値へ。平成18年5月頃からCA15-3のみじわじわと上昇し、9月に27になったのでフェマーラに変更するも、10月37・11月45。前回タキソール効果があったので開始(現在20回)。その後検査で、頚椎2番に転移あり。マーカー値あまり変化無し。放射線10回照射してみるも横ばい状態です。放射線医より、「マーカー値が下がるか分からないが、癌の神経の方への進行防止目的で照射しましょう」と言われてはいました。現在症状としては、タキソールによる足先の痺れと、時々鼻血と咳が見られます。胸のレントゲンを5月11日にとりましたが、異常なしでした。質問ですが、
1) 合計29回もタキソール行っており、しかも今回はマーカー値にあまり変化見られず。足の痺れ等もあり、このまま続けて意味があるのでしょうか。
2) 今の治療法を変更するとなると、どういうものがありますか。やはり抗癌剤はしないといけないでしょうか。5/18は CA15-3 43、5/25は50。先生は、50は気にしなくて良いとの事。「抗癌剤を続けすぎた結果、下がらないかもしれないから、2週間後の結果で考えましょう」と言われたそうです。
3) いろいろ検査して頚椎に転移あり。タキソール・フェマーラ・放射線照射してもマーカー値に変化無いという事は他に転移があり、また全身を調べた方がいいという事でしょうか。放射線医から、胸椎に骨が硬くなる画像を認めるも、癌なのか年齢によるものか不明。痛み等症状が出てから対処しましょうといわれています。
4) フェマーラに変えたとたん急激に上昇。医師は続けた方が良いといいますが、母には合っていないのではと私は考えてしまいますがどうでしょうか。
5) 抗癌剤、ホルモン剤など施行して効果が無いと判断するのは、どのような条件でしょうか。医師は、「数値が横ばいなら効果がある」みたいに言っていたようですが、11月から今まであまり変化が無く、正常値に近づかないと不安でたまりません。

たくさん質問してしまいすみませんが、よろしく御願いします。

1) 長期間のタキソール使用により病状の変化が無ければ一度中止してみる方法もあると思います。長期使用による末梢神経症状の状況、日常生活への影響も考えて判断した方がよいと思います。
2) 骨転移、頸部リンパ節転移に対する治療として、ビスフォスフォネート(ゾメタ、アレディア)およびホルモン療法の選択、骨転移の進行があればタキソテール、ナベルビン、ゼローダなどの新たな抗ガン剤の選択があります。
3) 腫瘍マーカーの変化がない場合は病状の進行が無いと考えても良いと思います。
4) フェマーラに変えても腫瘍マーカーが上昇している場合は変更の検討も必要ですが、効果が出るまでに時間を要する可能性もあります。期間についての決まりはありませんが病状から主治医とよく相談が必要だと思います。
5) 主治医の言われているように腫瘍マーカーの横ばいは効果の一つと考えて良いと思います。新たな病変の出現や病変部の増悪、腫瘍マーカーの経時的な上昇などが出た場合に効果無しと考えています。(文責 西川)

 

No.6779-2】  07年07月23日  T.K
母の治療法について(2)

HPNo.6779で以前相談させて頂いたT.Kです。お忙しいと思いますが、今回も母の治療についてよろしく御願いします。
5/25のCA15−3は50で、タキソール20回目を施行しました。その後2週間中止し、6/8は37だったのでフェマーラとゾメタで様子を見ましょうとのことでしたが、7/13に70と上昇。医師はよくある事と言いながらも、タキソテールに変更し抗癌剤治療再開となりました。現在の症状としては副作用の便秘が主で、タキソールでの足のしびれは軽減してきているようです。骨転移による痛みや痺れなどは無く食欲もあり、見た感じはとても元気です。
1) タキソテールの施行について、2週に1回か3週に1回か医師の間で意見が分かれているそうです。7/27の採血で上昇・平行・下降の場合、今後どのように行っていくのがベストでしょうか。2週に1回だと効果が低いとも聞いたようですが・・・。また、タキソテールと相性が良い薬はありますか。
2) タキソテールは肝臓・肺・骨など、どこの癌にでも効果を示しますか。あと、副作用の便秘に困っているようで、食事を減らしたり、ヨーグルトを食べたり等していますが他に何か対策はありますか。
3) 医師より「PET検査をしましょう」と言われたようですが、今必要なのでしょうか。私は、「今年1月からPET・CT・MRI検査もしているし、CA15-3の上昇はあるものの自覚症状が無い。現在タキソテール等治療もしているので、自覚症状が出てからPET等をしてもいいのでは」と思いますが、それからでは遅いのでしょうか。精密検査は、どのような場合にされますか。
4) 母にフェマーラは必要なのでしょうか。医師は「一番良い薬だから継続しよう」と言われたそうですが、10ヶ月以上も服用しているのに効果が出ているのか疑問です。もし変更なら、どの薬がいいでしょうか。
5) 今年に入り「今のうちに、旅行に行ったり好きな事をしなさい。」と、よく医師が言われるそうです。その言葉がすごく気になり、悪い事を考えたりしてしまいます。
母が先生に、「時間が無いのか」と聞くと「そんなことは無い」と言われるようですが、どう考えたらいいでしょうか。乳癌と診断されて5年以上が経ち、骨転移もあるので、痛み等無いうちにということでしょうか。
6) CA15-3だけが上昇するようになって、1年2ヶ月経とうとしています。頚椎の転移が見つかり放射線治療はしたものの、症状が無く元気なので、母を見る度に「本当に癌なの?」と不思議に思ってしまいます。採血の結果だけで判断し治療していっていますが、これでいいのでしょうか。毎月のように採血をし、結果でドキドキ。症状が無いのだから検査や薬づけにしなくてもと考えたり、もっと母が喜ぶようなことにお金を使ったほうがとも考えたりします。ずっと点滴をしているので、血管も入りにくくなってきたと言っていました。もし、先生の所に母と同じような状況の患者さんが受診された場合どうしますか。

まずはじめに、お母さんの治療をどのような方針で行っていくのか、主治医の先生とよく話し合うことをお勧めします。お話を聞いていると、主治医の先生もご家族もどのような考え方でお母さんの治療をしようとしているのかがバラバラになっているように思います。また、お母さんの気持ちがどうなのかも大事だと思います。一般的には、再発した乳ガンの根治の可能性は低いため、症状を緩和しながらどうやって長期生存を得るかを目標として治療方針を決めることが多いのです。
1) タキソテールの正しい(エビデンスのある)使い方は、3週間に一回投与する方法です。しかし、副作用の軽減の意味では、2週に一回、1週に一回という投与法もあります。2週に一回の方法が3週に一回の方法と同じ効果があるかどうかはわかりません。1週に一回の投与法は3週に一回に比べて効果がやや落ちるというデータが最近発表されました。私個人のお勧め(再発乳がんの治療法の場合)は、3週に一回で始めてみて、副作用が強かったら2週もしくは1週に一回の方法にするというのは如何でしょうか。
2) 抗がん剤は全身に行き渡りますから、どこの再発部位でも(脳を除いて)効果を発揮します。臨床試験などのデータで効きやすい部位、効きにくい部位がありますが、個人差ですから、気にすることはありません。便秘は抗がん剤の副作用ばかりでなく制吐剤の副作用でもあります。主治医の先生にお話しして下剤を処方してもらってください。
3) 個人的には症状が落ち着いている現在、PETの必要はないように思います。PETで何かわかったら治療を変えるのでしょうか?そこのところ主治医の先生によく聞いてみてください。
4) 私個人の意見ですが、抗がん剤の治療とホルモン療法は同時に行わない方がよいと考えています。効果があった時にどちらの薬が有効だったかわからなくなりますし、症状なく生存期間をのばすためにも、有効なお薬な大事に使いたいと考えています。現在小康状態にあるならば、なおさらその方が良いのではないでしょうか。但し、主治医の先生が全ての薬を使って根治を目指しているというのであれば、同時投与も考えられます。
5) 主治医の先生が根治は無いと考えているのではないでしょうか。骨転移ですから、進行した場合、痛みが強くなったり、骨折したり、動けなくなることが予想されます。そのために、小康状態の現在、旅行などを勧めているのではないでしょうか。時間が無いという意味ではなく、将来動けなくなることも考えての発言ではないかと思います。
6)一番大事な点です。無症状で腫瘍マーカーの異常だけで積極的な治療をするかどうか、多くの医師で見解は分かれます。そのときに、ご本人、ご家族が主治医の先生から今後の状況の推移の予想を聞いて、どのような治療を選択するかよく相談することが重要です。正解はありません。よく相談して皆が、特にご本人が納得できる治療法を選択すべきです。私個人の考えでは、ホルモン感受性があるのであれば、ホルモン剤とBisphosphonate製剤(骨を強くする注射)、転移部位を保護するカラーなどで治療を行い、しばらく抗がん剤は使わないと思います。また抗がん剤の治療に入ったら、CV portといって抗がん剤を注射しやすくするportを留置することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.6779-3】  07年11月12日  T.K
母の治療法について(3)

HPNo.6779のT.Kです。今回も相談の方よろしく御願いします。7月13日より、タキソールからタキソテールになり、その後のCA15-3は70→50→39→39という結果になっています。現在の症状は、抗癌剤投与後2週間くらい出現する味覚障害・足の痺れ・時々背中に軽い痛みがあり医師からは、抗癌剤の副作用だろうとのことでした。今後の治療については、今のところ数値も横ばいなのでPET等検査はせず、タキソテールを続けます。ただ、「副作用によって白血球が下がりすぎると困るので、あと3回(合計9回)した後は飲み薬にするか別の抗癌剤をするか考えましょう」と言われたそうです。
1) CA15-3の数値は下がってきているものの、正常値まではまだまだです。採血結果等から、母の癌細胞ににタキソテールはあっているのでしょうか。また、治療は正常値になるまで続けなくてはいけないのですか?母に聞く限りでは、副作用による症状以外は特別無いようで農作業もしています。
2) 2004年に腰に転移が見つかった時CA15-3は38。ホルモン剤を変更して27に下がりました。その後、首のしこりが転移と分かってタキソールを追加し最終的には16ぐらいまで下がりました。このことから、ホルモン剤だけで効果があるのかもと考えてしまいますがどう思われますか?医師から、1番良い薬だから飲みましょうと言われ1年以上フェマーラを飲んでいますが、母に合っているのかすごく疑問に思います。ホルモン剤が母の癌細胞に合うものかどうか調べる方法はないですか?
3) 医師から言われた今後の治療について、どう思われますか?
4) 母は自分で考え無理の無い程度に農作業をしています。前かがみでの作業が多い事も背中が痛くなるのに関係があるのでしょうか? 仰向けで寝ているときに時々起こるそうです。
5) 骨に転移している時の注意点を教えてください。

たくさん質問してしまい、すみません。

1) 採血結果である程度の効果は判断できますが、合っているか、合っていないかは、効果だけではなく、副作用も十分に勘案する必要があります。効果は大変良いのだけれど、投与後は2週間も寝たきりになるでは困りますし、効果はまずまず、少しずつマーカーは上がる、でも副作用は全くない・・・、このようなときにどちらを選択するか、が合っている、合っていないということだと思います。白血球の下がることは、十分対応可能ですので、お母様が農作業を続けながら、今の副作用と付き合えるのであれば、続けるのが良いのではないでしょうか?マーカーが正常値になっても、目に見えない癌細胞はどこかに潜んでいると考えますので、続けた方がいいのでは?ただ、以前の回答にもありましたが、ご家族、主治医、お母様が何を目標に治療をしていくか、ということが明確になっていないように思います。特にお母様の意見、気持ちが何より大事ではありませんか?
2) ホルモン剤が合うかどうかは、手術時の標本でホルモン感受性があるかどうかで調べているはずですから、その結果でホルモン感受性あり、と判断されていると思います。
3) これも、前の回答に準じますが、お母様がどのように考え、完治?症状の緩和?・・、何を優先し治療をしていくかです。主治医の意見は正解かもしれませんし、ここでの回答が正解かもしれません。いずれ、良きにつけ、悪きにつけ、マーカーの下がり、画像での病変の消失、もしくはマーカーの上昇、病変の増大、と結果が出ますので、その日に、やっておいて良かったと思う後悔のない治療が一番です。副作用に対して歯を食いしばりながら、続けるのか、日常生活を大事にしながら続けるのか、非常に難しい選択にはなりますが、残念ながら、再発乳癌の完治はハードルが高いということは、今一度、ご理解下さい。
4)5) 急に起きあがる、段差のあるところを飛び降りる、など、衝撃の強い動作は避けるべきです。農作業も背中の痛みを悪くしている恐れはあります。でも農作業をしているお母様は、本人らしく生活されているはずですので、あまり制限するのも如何かなと思います。

何回か質問されているようで、ご家族の心情は察しますが、今の治療はお母様の治療であって、ご家族の治療ではありません。ご本人の気持ち、やる気、人生というものを最大限にくみ取ってあげて下さい。もし、自分が今の病気を患っているとしたら、自分はどうしたいのか、どのように生きていくのかということを考えてみては? それと、しっかり主治医と対峙し、しっかり議論して治療法を決めて下さい。周りが治療法を決めるのではないのですから。(文責 鈴木)

 

No.6778】  07年06月21日  H.T.
術後補助療法について

術後補助療法について教えていただきたく、初めてメールをいたします。宜しくお願い致します。58歳です。毎年乳癌の検診(マンモグラフィー)を受けていましたが、今年2月の検診でエコーも言われ、その最中に細胞診を受け、後日悪性との診断を受けました。術前検査ではどこにも転移はなく、腫瘍の大きさ7×10×6で、ステージ1と言われました。母が昔乳癌で手術を受けておりますので、手術は温存ではなく、乳房切除+センチネルリンパ節生検術で、私が希望しました。術後の病理組織診断名は浸潤性乳管癌で、リスク分類は中リスクです。病理結果:腫瘍の大きさ1cm、 リンパ節転移 0個/ センチネル、 腫瘍の悪性度 2〜3、ER 陽性8 (0から8のうち)、 PgR 陽性6(0から8のうち)、HER2 3+、リンパ管浸襲あり。術後療法として、ホルモン療法はアリデミックス(1mg/日)5年、化学療法はUFT(200mg×2/日)を2年といわれ、術後10日ぐらいから飲み始めました。約1ヶ月後の血液検査で肝機能の数値が上がり、UFTを飲むことは中止になりました。2週間後に再度血液検査をしますが、これからの治療はホルモン療法だけでいいのではないかという話でした。HER2 3+というのは、増殖速度が速く、転移しやすい特性を持っていると聞いています。ホルモン療法だけでいいのでしょうか。ホルモン感受性が強いと強い化学療法はあまり効果がないとも聞きますが、もし効果のある化学療法がありましたら、教えていただきたいと思います。また、ハーセプチンは今秋保険適応になるかもしれないと聞いております。その場合ハーセプチンを受けた方がよいかどうかも知りたいと思います。

中リスクであることより、ホルモン療法単独または化学療法→ホルモン療法の選択が望ましいです。HER2が3+であることより、化学療法の選択は良いと考えます。推奨される化学療法としては、アンスラサイクリン系を含む方法、AC,EC,FECなどが良いのではないでしょうか。その後にアリミデックスやフェマーラなどのアロマターゼインヒビターの選択が良いと思います。また骨密度の計測で骨粗鬆症がある場合はタモキシフェンの選択もあります。ハーセプチンの術後補助療法については、今後のエビデンスを参考にしながら主治医とよくご相談下さい。(文責 西川)

 

No.6777】  07年06月21日  Y 
腋の下にしこり

嫁(27歳)の腋の下にしこりがあります。右の大きさは3cmくらいですが、左はゴリゴリとした感じで、5cmくらいの大きさです。痛みは全くありません。この度第2子を出産しまして、授乳中であるため、乳房自体がゴリゴリしており、なかなか本に載っているような自己検診はできません。ただ、出産前には乳房自体にそのようなゴリゴリや引きつれはありませんでした。悪性リンパ腫も考えられるかと思うのですが、乳がんであったにせよ、両側性ということに不審な点が残ります。今後どのように対処したらよいですか? また、乳がんで無い場合、何科に受診すればよろしいですか? どうかご回答下さいますよう、よろしくお願い致します。

脇の下のしこりであればリンパ節の可能性があります。3?5cmあるようであれば検査が必要です。授乳中であり、乳房が張るため乳腺の一部をしこりと間違えることもあります。まずは乳腺外科、又は一般外科への受診をお勧めします。(文責 西川)

 

No.6776】  07年06月21日  P.C.
乳管内乳頭腫?

先日、乳がん検査の時、エコーにて乳管内に白い物があると言われました。見せていただいたエコーでは乳管は黒く写りますが、その管の中に白い物が2つくらいありました。また両方の乳首から透明〜黄色っぽい汁が出ていたので、「検査しましょう」と採取されました。血液もです。今度、MRI検査をすることになっています。MRI検査で、色がつく部分が多いと次の検査をすると言われました。
1) この乳管内乳頭腫の場合、ガンになる可能性もありうるということですが、今後、どのような検査が続くのでしょうか?
2) また、今後の検査や、検査の結果、組織を採取することになった場合など、入院が必要なのでしょうか? 入院となると期間はどのくらいになるのでしょうか。
3) 前回の診察(昨年末)時のマンモグラフィーとエコーでは異常はみられませんでした。この半年で病気が進んだのでしょうか?

分泌物の検査、血液検査、MRIの検査結果が出揃うまでは、なんとなく不安な毎日です。ちなみに、親族には乳がんはおりませんが、セルフチェックシートなどでは、乳がんにかかるリスクが大きい部類に入ります。

1) 乳管内腫瘍は乳頭腫のような良性や乳管内がん、いわゆる乳癌などが考えられます。MRI検査で乳管内の詳細な検査を行い、腫瘍がある程度判明するようであれば細胞診検査などが考えられます。
2) 組織の採取の方法には、外来で可能な針生検、腫瘍を完全に摘出する乳管区分切除術などがあります。前者は外来で、後者は腫瘍の大きさや範囲によっては局所麻酔や全身麻酔の選択になります。入院で行う場合は2?3日は必要ではないでしょうか。
3) 半年間に発生したか、以前はかなり小さなもので検査ではわからなかったのではないでしょうか。乳管内腫瘍がすべて乳癌と言うわけではありません。単に乳管拡張を伴った乳腺症の可能性もあります。乳頭腫のような良性病変もよくありますので、あまり不安にならず検査の結果を待ってください。(文責 西川)

 

No.6775】  07年06月21日  A 
乳房のしこり

60歳の義母ですが、3年ほど前から乳房のしこりに気がついたそうです。痛みはなかったそうです。去年あたりから、わきの下からの痛みがあったらしく、最近告白されました。乳がんの疑いがあるのでしょうか。去年から疲れがひどく心配していたのですが、乳がんと関係あるのでしょうか? 自分でがんではないかと思っているらしく、病院に行く事を決心してくれません。なんと助言してあげればよいのかわかりません。ご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願いいたします。

しこり=乳癌とは限りませんが、年齢より考えると否定はできません。まずは乳腺外科を受診して検査を受けてください。(文責 西川)

 

No.6774】  07年06月21日  K  
温存術後の治療について

5月21日温存療法で乳房部分切除しました。腫瘍の大きさ1.4cm。センチネルリンパ節生検、リンパ節転移なし。他臓器転移なし。断端(−)。ステージT。ホルモンレセプターER(+)PGR(+)。リスクとして、癌の細胞異型が強い(3)です。今後は、「放射線治療25回、ホルモン療法タモキシフェン5年内服、ゾラデックス2-3年注射」の予定です。現在ハーセプテストの結果待ちで、陽性の場合化学療法(EC療法)をするそうです。「もしハーセプテストで陰性であっても、マイルドな化学療法を取り入れた方がいいかと思いますので、考えておいて下さい。」とのお話をいただきました。
1) 癌の細胞異型が強い(3)とは、具体的にはどのような状況なのでしょうか?
2) その場合、ハーセプテストの結果にかかわらず、化学療法を取り入れた方が良いでしょうか? また、再発率、生存率はどの程度違うのでしょうか?
3) タモキシフェンの副作用はどのような症状でしょうか? ホルモン療法をしなかった場合の再発率、生存率は、どの程度違うのでしょうか?
4) EC療法になった場合は、しっかり3ヶ月ずつを2回で6ヶ月と言われましたが、通常同じ薬で行うのでしょうか?
5) 現在の再発率、生存率はどの程度でしょうか?

お忙しい中申し訳ありませんが、アドバイスをお願い致します。結果がでる日までに考えをまとめる必要があるのですが、不安と動揺で、どうしていいか整理できません。

1) がん細胞の核と言われる部分の形が正常細胞と比較してどれくらい変化があるか、3段階で評価しています。核異型2、3は現在の分類ではリスクとなります。
2) 現在の状況よりintermediate riskであります。ホルモン療法単独、または化学療法からホルモン療法の選択が良いと考えます。ハーセプテストが陽性であれば化学療法
を選択、陰性ならばホルモン療法の選択で良いのではないでしょうか。
3) タモキシフェンの副作用は一般に倦怠感の出現や長期使用による子宮内膜がんの発生率上昇などがいわれています。使用により再発率を約40%減少させることができると報告されています。
4) EC療法の選択であれば3週間おきに4回、計3ヶ月で良いかと思います。
5) ハーセプテストの結果も参考にしたいところですが、病期は1期ですので10年生存率はかなり良い結果が期待できると思います。しかし、しっかりした治療が前提です。主治医にもう一度よくご相談下さい。(文責 西川)

 

No.6773】  07年06月20日  T.T. 
市の検診結果

昨年10月に市の検診で、初めてマンモグラフィ検診を受けました。子供1人、44歳です。市の検診結果は、良悪性の鑑別必要な石灰化とありました。1回目読影判定は悪性の疑い。部位:MLO右(@U・AM)CC右(AI)、形態:@微小円形、分布:左A領域性・右D区域性、その他所見なしでした。2回目読影判定。悪性疑い。部位・MLO(@U・AM)CC右(AI)、形態:B多形成、分布:D区域性で、良悪性の鑑別必要な石灰化で、総合判定:2要精密検査でした。他を理由に、精密検査をせずに引き延ばしておりました。先日、8ヶ月ほど放っておいたままでしたが、心配になり近所のクリニックへ行きました。再度、エコー(のう胞数か所あり)とマンモグラフィ(石灰化あり)検査をいたしましたが、「この分布なら大丈夫でしょう。石灰化の大きさ的には、がんと何ら変わりはないが、もう1回4ヶ月後に検査して石灰化が増えていたら、針生検をしましょう。」と言われました。外科(乳せん外来)には回されず、総合診療一般内科での診察でした。市の検診との差に、多少の心配を感じました。乳せん外科へ直接、再度受診をした方が良いのか、4ヶ月後、再度検診後、考えればよいのか、思案中です。よろしくお願いいたします。

こんにちは。回答させていただきます。8ヵ月後に診られた先生は内科の先生だったのでしょうか、外科の先生だったのでしょうか? 検診マンモグラフィの検討は、マンモグラフィを見る資格を取った医師2人が行います。結果「悪性疑い」ということであれば、外科あるいは乳腺外科の先生が診察する方がよいと思います。(文責 河原)

 

No.6772】  07年06月20日  K.M. 
しこりの摘出について

44歳です。20年ほど前に左胸を腺維腺腫で5センチほど摘出、二年前に右胸に石灰化がみられマンモトーム検査(良性)をしました。昨年また左胸にしこりがみつかり、半年ごとのマンモグラフィとエコーをしています。今回、前回より4ミリほど大きくなり、1.3×9×6.6でした。主治医の先生は「悪性ではない。今すぐどうということではないが、外来ですぐ取れるので家族と相談しなさい」とおっしゃいました。生理前にちょっと鈍い痛みはありますが、半年後の検査まで待とうかとも迷っています。良性のしこりが半年で悪性に変わることもあるのでしょうか。

こんにちは。回答させていただきます。良性のしこりが半年で悪性にかわることはあるのでしょうか?とのことですが、その良性のしこりがどんな種類かによると思います。線維腺腫なら癌に変わることはありませんが、乳頭腫というものなら癌を伴うようになることもあります。大きくなってきており、主治医の先生がお勧めになるのなら切除がよろしいのではないでしょうか?(文責 河原)

 

No.6771】  07年06月20日  H  
ホルモン療法の変更について

宜しくおねがいします。45歳です。昨年11月に左乳房に乳がんが見つかり、同12月に温存手術を受けました。ステージは1、リンパ節転移は無し、グレード3、ホルモンレセプターはER+/PgR- で、Her2テスト-で、<放射線+化学療法+ホルモン療法>を勧められましたが、化学療法に当たるのはグレード3のみが要因といわれ、他病院でセカンドオピニオンを求めたところ、標準治療ではあるが実際の所は抗癌剤の必要性は微妙と言われました。悩んだ末、結局、放射線25回+ホルモン治療を選択しました(閉経前であることから、タモキシフェン内服5年+ゾラデックス注射2年)。ところが3ヶ月半ほどして、肝機能に副作用が出てGOT72・GPTは112になってしまいました。すぐに薬を処方されましたが(その時点でタモキシフェンも中止)2週間たっても全く数値が下がらず、CT画像から脂肪肝と診断されました。主治医からタモキシフェンを続けることはできないので、ゾラデクッス注射のみで5年に延長する旨を言われました。タモキシフェンに肝臓への副作用がある事は聞いておりましたが、そのお薬はあると聞いていましたし、今回のようにお薬が効かずタモキシフェンを中止しなければならなくなるような事態は考えていませんでした。わずか3ヶ月余りで内服薬が飲めなくなり注射のみというのは、再発のリスクは、やはり高まるのでしょうか? それが一番心配で、このような事なら化学療法を受けておけば良かったと後悔しています。主治医からは抗癌剤は手術後すぐに始めなければ意味がなく、今から始められる化学療法は無いと言われています。本当に今からでは意味がないのでしょうか?(もちろん肝機能が現在の状態では無理かもしれませんが・・・) ゾラデクッス注射5年というのは、タモキシフェン5年+ゾラデックス注射2年と比べて、再発のリスクをおさえる効力はどうなのでしょうか? 色々お尋ねしてばかりですみません。ステージ1なのだしと考えるようにしていますが、やはりとても不安です。どうぞ宜しくお願い致します。

こんにちは。回答させていただきます。(タモキシフェン中止後)術後4ヶ月近くからの抗癌剤開始は効果があるのか?ということですが、明確な答えはありません。私個人はなんらかの効果が期待できるのではと考えましたが、教室の何人かの先生は4ヶ月も空くと抗癌剤はしないなぁと答えていらっしゃいました。ゾラデックスの投与・期間についてですが、先に行われた有名な国際会議ではこんな投票がありました(回答者は世界的に高名な先生方です)。

Q.ホルモン感受性のあるの閉経前患者にOFSを単独で行うのは適切か?(OFSは卵巣機能抑制のことですが、ゾラデックスと考えておいてください)

数字は、YES/ NO/ 棄権 の順です。
・ すべての患者で適切 3.2%/ 96.8%/ 0%
・ 再発リスクの低い患者のみで適切 23.7%/ 68.4%/ 7.9%
・ 妊娠を予定している患者で選択肢となりうる 75.8%/ 15.2%/ 9.1%

と、(状況によっては)ゾラデックス単独でもよいと考える先生はいらっしゃいます。また、別の質問でのOFSの期間については、2年か5年かは患者を診て判断すると答えた先生が大勢のようです。Hさんのような状況でしたら、主治医の先生が提示された方法がよいのではないかと個人的には思います。(文責 河原)

 

No.6770】  07年06月20日  ssy
免疫療法について

免疫療法について、お教え下さい。1月に左胸切除し、大きさ4.5センチ、脇のリンパ転移なし、一部浸潤癌2センチ、核異型度T、リンパ管浸襲ー、静脈管浸襲ー、ホルモン感受性ER7、PGR4(あるけど不明確)、ハーセプチン感受性なし、stageUA、中間リスク群と言われました。現在抗がん剤FEC投与中。これが終了後、ホルモン療法と言われています。がんが大きかった事、浸潤がんがあった事で、再発が心配です。免疫療法について、再発防止のデータは揃っていない事、150万円程かかる事も承知の上で、もし医学的にマイナス点が無いなら、再発と言われて悔いるより、駄目もとでも今から出来る事を受けてみたいと思います。でも主治医には一蹴されそうで・・・。先生は、免疫療法についていかが思われますか? また、ハーセプチン感受性が無しと言う事は、ハーセプチン治療は受けられないという事でしょうか? お教え下さい。

こんにちは。回答させていただきます。まずはハーセプチンについて。ハーセプチン感受性なしとのことなので、ハーセプチンは無効です。
さて、免疫療法についてですが、再発防止のデータがそろっていないとのことなので、効果は不透明ということですよね。お勧めする根拠はない、としかいいようがありません。ただ、逆もまたしかり。お止めになることを勧める理由もありません。免疫療法を施される先生よりメリット・デメリットをきちんとお伺いし、ご自分でお決めになられるのがよいかと思います。ただ、ホルモン感受性ER7というのはAllredスコアなのかを、主治医の先生にご確認ください。そうであればホルモン療法がよろしいのではないかと思います。(文責 河原)

 

No.6769】  07年06月20日  N 
肝転移

私は2004年12月に右乳がんの温存手術をして、AC4ヶ月、放射線治療を受け、ノルバデックスとゾラを受けていました。しかし去年8月に局所再発してホルモンもマイナスに変わり、ウィークリータキソールを4ヶ月受け、ゼローダも追加しましたが、皮膚に癌がでてきて潰瘍になり、抗がん剤が効いていないため年末からナベルビンのみに移行しました。タキソールに比べたら進行具合が遥かにましですが、ゆっくりと確実に進行しています。一週間前にCTを受け、やはり胸は悪くなっており、肝臓に2センチの腫瘍が一つできていました。まだ確定ではないみたいです。主治医は次はカンプト、TS1になると言っています。前から私が「ナベルビンで生活の質が保たれているし、ゆっくり悪くなるのはもう仕方ないので、カンプトはあまりやりたくない」と伝えているので、主治医も私の気持ちを汲み取ってくれ、「カンプトに変えるのはいつでも可能だから、また言って下さい」と言われました。そして肝臓の治療については何も言われず、私も聞くのを忘れてしまいました。
1) ラジオ波の治療などは無理なのでしょうか?
2) ナベルビンや、もしかしたら加えるかもしれないTS1などと、ラジオ波の治療の併用はできますか?
3) 主人はまたラジオ波をやるとナベルビンも間が空くかもしれないし、その間今までの生活もできなくなるし、そのうち肺にも転移が現れるかもしれないからと、あまり乗り気ではありません。私も非常に迷っています。どう思われますか?
4) ラジオ波をしたら、その時だけ消えてまた現れるかもしれないけれど、このままだと大きくなると思うので、やはりラジオ波をしたほうがよいのではないですか?
5) ラジオ波の入院中、もしナベルビンなどができないともっと進行してしまいますよね? 2,3週間ぐらいだと思いますが・・・。やはりそんなリスクを背負ってまでラジオ波はやるべきではないですか?

ちなみに私は32歳、痛みがありオキシコンチン5ミリグラムを1日二回飲んでいますが、極めて元気です。そしてまだ余命宣告の回答は要らないので、よろしくお願いします(笑)。すぐに落ち込むので。

こんにちは。回答させていただきます。肝転移ということなので、「全身病」と考える必要があります。癌細胞が乳房から血液に乗って、全身にまわり、肝臓が成長に適した環境だったので、腫瘍を形成するまでに大きくなったと。つまり、(いまは画像で捉えられていないようですが、)他の臓器にも癌細胞が潜んでいる可能性があります。全身病なので、肝臓というひとつの臓器にのみ治療を集中して行うことはしないのが一般的です。ただ、メールでは肝転移の状況、皮膚潰瘍の状態など分からないこともありますので、一度主治医の先生にもご相談してみてください。(文責 河原)

 

No.6768】  07年06月19日  F.O
術後の腫瘍マーカーについて

2005年11月に乳房温存手術をしました(リンパ節転移なし)。腫瘍マーカーが手術前から高くなく、手術前CEA→0.8、CA15-3→16.3でした。半年前はCEA→1.0、CA15-3→13.1でしたが、今回、 CEA→1.4、CA15-3→17.8と少し上昇しています。上限値の範囲内ですが、この場合でも転移を疑うべきでしょうか? 手術前より高いというのが気になるのですが・・・。よろしく回答をお願いいたします。

徐々に数値が上がっているのが気にはなりますが、再発の精査はその他の画像検査でも行っていると思いますので、その結果を参考にしてください。今後腫瘍マーカーが徐々に増加するようであれば、再発の可能性も強くなります。画像診断で再発徴候がない場合にはPET検査を行うこともあります。(文責  志茂・川本)

 

No.6767】  07年06月19日  M.T.
粘液ガンについて

1) 昨年8月に検診で乳がんが発見され、B領域外縁に16×8mm C領域乳輪部に12×6mmのガンがあり、9月に右の非定形型乳房切除術をうけました。粘液ガンということでした。また、B・Cどちらが原発か不明ということでした。リンパ節転移3/20個、ER(+)PgR(+)、HER2/neu過剰発現・増幅(-)、核分裂度・核グレード・核異型度の説明はありませんでした(というより、私自身に色々なことを聞き理解できるだけの知識も心のゆとりも無かった)。粘液ガンは、悪性度が低く予後良好で、一般的な生存率やデーターは当てはまらないと、他の人へ回答されているのを読ませていただきました。粘液ガンについて詳しく教えてください(治療・再発率・転移の好発部位・無再発生存率・リンパ節転移があった場合の生存率等)。
2) 現在45歳です。出産経験あり。術後CEF4クール終了。今はTによる治療4クール目を行なっています。化学療法中も月経の継続あり。今後は、TAM5年+OS2年(以上)の内分泌療法を行う予定です。先日インターネットで、〜スペクトラム理論〜についての文章を読みました。スペクトラム理論を指示する放射線科医は、術後照射により再発率の低下・生存率の向上になると論じておりますが、私の場合(粘液ガン)は、有効であると思われますか?
3) 術前腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)は正常でした。また、CTやMRIでも、腫瘍ははっきりとした画像として映し出されませんでした。検査機器の性能かもしれませんが・・・。画像上リンパ節への転移はないということで、手術前に医師には「術後は放射線治療も化学療法も必要ない。ホルモン療法を行なう」と、説明をうけました。(しかし、検診前に右腕の異常な浮腫があり、乳がん告知された時点で私自身リンパ節への転移を確信し、リンパかく清を選択しました。) センチネルリンパ節生検のできる施設でも有りませんし、乳腺外科医・腫瘍内科医もおりません。しかしながら諸事情で、今後とも現在の病院での治療を行っていきます。再発・転移は、同細胞の増殖であるとすれば、症状がでなければ検査をうけても解らないという可能性もあるのですか? もっとも、乳がんの場合、転移に関しては、早期発見・早期治療も、症状が出てからの治療も、延命率には大差ないということですが?

1) 粘液癌には純型、混合型があり、後者は通常の浸潤ガンと再発率・転移の好発部位・無再発生存率・リンパ節転移があった場合の生存率は変わりません。ホルモンレセプター陽性率は80%と高く、ホルモン治療が効きやすいので予後良好と考えます。確かに純型は予後良好と考えますが、治療方針は通常の乳癌と変わりなく行います。
2) 分かりません。スペクトラム理論は、腫瘍が小さければ転移再発の可能性が低くなる、局所再発が転移再発の発生母地になると考えた理論なので、シコリが2個有り、同時多発した腫瘍なのか? どちらかが原発であればもう一つは局所再発と考えるのか? これらの問題は答えが見い出せにくいと思います。
3) 再発・転移は、早期診断、早期治療は原則ですが、乳癌診療ガイドラインは術後の定期的な検査(骨シンチグラム、腹部超音波、胸部、腹部CT、胸部レントゲン、腫瘍マーカー)でマンモグラフィ以外は推奨グレードCであり、検査で発見されて治療を行っても明らかな予後改善には貢献していない結果を示しています。極論ですが検査で早期発見しても症状が出てから治療をしても変わらないと解釈もできますが、現在定期的に検査を行い、見つかった時点で治療を行うのが一般的な流れであり、この流れは万国共通です。(文責 志茂・川本)

 

No.6766】  07年06月19日  R  
静脈炎について

36歳、出産経験ナシです。よろしくお願い致します。一年前に線維腺腫の生検手術をしましたが、結果良性でした。生検直後に静脈炎になり、右脇からみぞおちに伸びるまで静脈が腫れ、なかなか治らず、半年でやっと痛みも腫れも消え、落ち着きました。今年の4月で生検後ちょうど一年が経ち、一年検診でエコーをして貰いました。以前から2mm以下の小さな脂肪はいくつかあったのですが、特に異状は認められず、また1年後に検診に来るようにとの事でしたが、5月25日頃、突然胸に痛みが起こりました。生検手術した箇所(右側)とは別の場所で、ちょうど乳首の上辺りですが、静脈炎の様に一筋の筋ではなく、一箇所が痛むのです。トイレでかがむ時に膝で胸を圧迫した際、突然激しい痛みが走りました。走ったり、ちょっと脇を締めて乳房を押しただけでもかなり痛むので、昨日病院で診てもらいましたが、特にしこりもなく、生理前による乳房の腫れで静脈が圧迫されてるのだろうとのことでした。でも生検の際なぜ静脈炎になったのか説明してもらえず、このまま放っておいて大丈夫か、とても心配です。昨日位から背中までが攣ってる気がしてきて・・・。いくつかお伺いさせてください。
1) 静脈炎は一点だけの箇所に痛みを伴うものですか? 突発的に起こるものでしょうか?
2) 痛みを伴うガンはありますか?
3) 良性の生検後、突然骨に痛みを伴うガンが出来る事はありますか? もう一つ気になる事は、先日布団たたきで右脇の筋を痛めたのですが、乳首の上まで痛みがあるのは、どうもおかしい気がします。

変な質問ですみません。お忙しい中すみませんが、アドバイスいただけませんでしょうか。  

1) それは静脈炎のあまり一般的な症状ではありません。
2) 筋肉や皮膚に浸潤している場合は痛みを伴うことはありますが、乳房痛は乳がんの一般的な症状ではありません。
3) あまり一般的な症状ではありません。1年前の線維腺腫の生検で術後炎症がおこり、静脈炎になった可能性はありますが、そこからさらに今回のような痛みが出ることはあまりないと思います。しかし痛みもあり原因がはっきりしないのであれば、乳腺以外の痛みの原因を考えてはいかかがでしょうか?(文責 志茂・川本)

 

No.6765-1】  07年06月19日  K 
いきなり迅速組織診断の必要性?

44歳、既婚、子供3人あり、3人共10ヶ月まで母乳でした。5月8日胸のしこりを発見、16日受診にてマンモグラフィ、超音波により、1.5センチの形の悪いものが写っていました。次に細胞診をしましたが、医師から「ドロドロの液体だけで、癌らしきものは無かった」と言われましたが・・・。次回はMRIをやり、その結果によって、悪い場合は全身麻酔による迅速組織診断→根治手術になるとの説明でした。しかし細胞診のデーターなど何も見せてもらっていません。ドロドロの色を尋ねても、わからないと言われました。細胞診のときの検体不足でわからないとか、見せられないなどという事はありますか? 針生検もしないで、しこりの質が不明のままでは、とても不安です。今では、最初は無かったくぼみのようなものも出来、じーんと痛み、明らかに大きくなってきています。ちなみに「母親は36歳胃がん、父親は67歳大腸がん」で他界、兄は49歳肝硬変治療中です。このままの検査で大丈夫でしょうか? 宜しくお願い致します。

細胞診の結果が、細胞数が少ないことで判定不能になることはあります。次の診断方法としては針生検で組織生検を行い、それでも診断がつかないようなら局所麻酔下で組織生検をして診断を確定するのが一般的な順序です。術中迅速病理検査は補助的な診断方法であり、それでは確定診断は得られません。画像診断だけで全身麻酔の手術を選択するのはあまりないことです。担当の医師とよく話し合ってみてください。(文責 志茂・川本)

 

No.6765-2】  07年06月25日  K 
全く診断結果がでません

HPNo.6765でお世話になりました。その後左乳房のMRI検査を受けましたが、やはり悪いものの可能性という診断しか言われません。全く前にすすめません。主治医の先生とよく話しましたが、「次の方法としては、点滴の針位の太さで行う針生検もあるが、患部を強く揉んでしまうので、悪いものだった場合は広げてしまう可能性があるとの事。やはり全身麻酔でしこりを採り、迅速組織診断→癌の場合、そのまま根治手術となる。この方法が最善だ」と言われました。また、初診から一ヶ月半も経つため、しこりの大きさやその回りの変化、腕のしびれの不安、右胸にもしこりがあると思う事など伝えましたが、「診察はありません。あなたのように診断がはっきりつかない患者がほとんどなんですよ。」とおっしゃいますが・・・。いくつか教えて下さい。  
1) マンモ、エコー、細胞診、MRIをしても、1.5cmの形の悪いしこりが癌か否かわからないものなのでしょうか。(一般論でかまいません)
2) 勿論、乳腺外科のあるところで診てもらっているのですが、検査技師や病理医の重要性も感じますが、いかがでしょうか。
3) 左胸のしこりの変化として、最初に自分で発見した時は硬いピンポン玉のようでしたが、一ヶ月半の間に下部にくぼみや上部に腫れが出てきました。癌の進行と考えられますか。
4) 最近になり、毎日左腕にしびれがあります。何か関係はありませんか。(うまく言えませんが、例えるなら冷房にあたりすぎて左腕全部が言いようもなくだるく、しびれている感じです。)
5) しこり部分がじんじんズキズキと痛みます。乳癌は痛くないと言われましたが、本当ですか?
6) 今までの検査(マンモ、エコー)では無いと言われていますが、右胸にもしこりと思うものが2個ほどあります。MRI検査は通常片方ずつなのでしょうか。

長々と申し訳ありません。どうか宜しくお願いいたします。

1) 癌かどうかわからないことはあります。だから摘出生検による検査などが行われます。
2) そのとおりです。100%の確実というものは、医学・医療にはありません。
3) 癌でしたら、進行していると考えます。
4) 関係はないと思います。
5) ふつう、乳癌は痛みません。
6) MRI検査は通常両側行います。そして左右差もチェックします。(文責 石川)

 

No.6765-3】  07年07月21日  K 
脇の痛み

HPNo.6765でお世話になっている者です。ありがとうございます。5月8日に自分で左乳房内側上部にしこりを発見し、すぐに乳腺のドクターがいると確認した大学病院に受診いたしましたが、マンモ、エコー、MRIでは、しこり1.5の悪いものの疑い。細胞診ではうまくひけなかったようで、残念ながら2ヶ月過ぎても癌か否かの診断がつきませんでした。あれからすぐに全ての検査結果と紹介状をいただき転院をいたしました。転院先の病院ですぐに細胞診を行い、はっきり乳癌と判明しました。その後は結局、前の病院と同じ検査をして、その他手術のために必要な色々な検査をまだしています。そのうえ、腎機能が悪く(慢性腎炎による高血圧)、肝臓の数値も高く、肺に気になる所見、心電図にも問題があるとのこと。骨シンチ、リンパ腺エコーでは問題なしと言われ、少しだけ安心する事ができました。しかし、最近では脇の付け根や、乳房の輪郭の脇のあたりに痛みがあります。検査は沢山あるのですが、なかなか医師に伝える機会がなく、次回の診察まで2週間以上あり心配です。ご相談させて下さい。
1) 程度は色々あると思いますが、腎臓、肝臓があまり良好ではない場合、乳癌の手術後の治療に色々な影響や障害がありますか? 出来ない治療や、使えない薬など教えて下さい。(現在まで薬は何も飲んでいません)
2) 脇の付け根の痛み、リンパ節に何らかの影響があると考えられますか?(転移など)
3) 最初の頃は、ただの丸いしこりで外見的にはわからない状態でしたが、今では乳房の半分近くがしこりに吸収されたかのようにへこんできましたが、かなりの進行と考えられますか?
4) あまり血行を良くしない方がいいですか?(お風呂で温まったり、胸や脇のリンパ腺のあるところをゴシゴシ洗ったりなど)

長々とすみません。最初の検査で2ヶ月を無駄にした思いがあり、転院後も色々な問題が見つかり、いつ手術にたどりつけるか、術後の治療が出来るのかなど、考えると不安になります。どうぞ宜しくお願い致します。

1) 腎機能、肝機能が低下している場合は使える薬に制限があることがあります。しかし、何もできない訳ではありませんから、手術が終わって、術後治療を考える時、即ち治療効果と副作用を天秤にかけて考えるときに、腎臓や肝臓の機能が正常の方に比べて副作用の出方が強くなるので、判断の基準が少し変わってくると思います。主治医の先生とよく相談することが重要です。
2) エコーで腫れているリンパ節が無いと診断されているのであれば心配ないと思います。次回診察時によく診てもらってください。
3) その可能性も考えられますが、何とも言えません。次回の診察時によく診てもらってください。
4) 入浴は全く問題ありません。いつも通りでかまいません。(文責 清水)

 

No.6765-4】  07年08月15日  K 
しこりを見つけてから4ヶ月もたちますが・・・

HPNo.6765でお世話になっております。本当に有難うございます。44歳、子供3人、完全母乳、毎月きちんと生理あり、5月初旬自己診断でしこりを見つけ乳腺外科を受診、
細胞診断がつかなくて、全身麻酔で迅速組織診後悪ければそのまま根治手術と言われた為、全結果をいただき転院いたしましたが、結局、前の病院と同じ検査をし、(慢性の病気等もありますが、手術には問題ないとの事)骨シンチ、リンパエコー等の検査では「異常なしと思いますよ」と言われてから、もうすぐ2ヶ月です。やっと決まった手術日は9月初旬。しこりを見つけすぐに病院に行ってから4ヶ月たつ事になります。もう検査も何もなく、ただただその日を待つだけです。
1) 転院先の主治医の先生には2回しか診察されていませんが、その方の手術になります。乳癌の場合はそんなものですか?(特別有名な方ではありません)
2) 前回こちらで相談させていただいた脇の下の痛み等は、「患者さんはみんな言う事です」とおっしゃいます。リンパ腺に転移なし、2センチ以下である事だけを心の支えにしてきました。4ヶ月前の1.5の癌は、そんなにのん気なものでしょうか?
3) 「どの位切除しますか?」と聞くと、「入院した日に(手術前日)に説明します」との事。これだけ待ったのでそれ以上何も聞けませんでしたが、大切な事ですよね?

全摘出でも何でも怖くないなんて粋がっていたのですが、あまりに時間がかかるのでどんどん不安になります。心配をかけるといけないので、主人以外は誰にも話しておらず、回りの人にも嘘をつく形になっていて、精神的に投げやりになりそうな一歩手前で踏ん張っています!! この相談室をとても頼りにしています。お忙しいのに申し訳ありませんが、ご回答宜しくお願い致します。

1) 「乳癌の場合」だからではなく、各病院によってやり方が異なります。納得のいく治療を受ける事が最優先ですから、疑問点、不安点がある場合は、遠慮せず、受診してご相談下さい。
2) 一概に「1.5cmの腫瘍」といっても、大きくなるものもあれば変化しないものもあり様々です。ただ一般的に乳癌の場合、急に大きくなる事は少ないと考えられています。
3) 「病気の広がり、治療の内容と目的、その治療のリスク、日常生活がどの程度制限されるのか、その他の治療にどんなものがあるか(利点、欠点、費用など)、その治療を受けないとどうなるか、あなた自身の治療に対する希望」等について、術前に主治医から説明を伺い、納得して治療に臨むことが大切だと思います。不安を取り除く為にも、手術前日ではなく事前に説明をうけたい旨を申し出て、よくお話を伺って下さい。(文責 須田)

 

No.6764】  07年06月19日  Y.U. 
再建手術の穿通枝皮弁法について

乳がんのため、左の乳房を9年前に全摘しました。再建手術の穿通枝皮弁法について教えていただきたいと思います。入院の期間、通院回数、実施している病院について等、情報をお寄せください。よろしくお願いします。

再建手術の穿通枝皮弁法とは、日本人においては多くは下腹部の皮弁を用いられる方法が一般的です。欠点として血管吻合の技術が必要であり手術の難易度が高いこと、血栓形成による皮弁完全壊死の危険性があることより、この手術法を行っている施設選びは大変重要になります。最寄りの形成外科のある総合病院、大学病院等に直接問い合わせをしていただくのが1番と考えます。(文責 志茂・川本)

 

No.6763-1】  07年06月19日  K
乳癌骨転移について

初めてご質問させていただきます。乳癌の治療開始から2年半が過ぎました。術前抗癌剤治療後、温存手術を受けました。半年前から腰の痛みや肋骨の痛みがあったのですが、何度血液検査を受けても異常がありませんでした。2週間前の血液検査でも異常がありませんでしたが、痛み止めも効果が無いので、念のため骨シンチとCTの検査を受けたところ、骨転移と言われました。骨転移は、血液検査に本当に出ないのでしょうか? 転移の場所は、乳癌のあった左の肋骨です。放射線の治療を進められたのですが、手術の後55グレイの放射線治療をしています。
1) 放射線治療をしても大丈夫なのでしょう?
2) 骨転移は、血液検査に本当に出ないのでしょうか? 腫瘍マーカーに異常が出ないという事は、今後血液検査をしても無意味という事でしょうか?
3) ホルモン剤をタスオミン(1年7ヶ月服用)からアロマシンに変更し、「ゾメタ」の点滴を開始しました。この治療以外に治療法はありますか?

よろしくお願いいたします。 

1) 問題ないと考えます。
2) 腫瘍マーカーの感度というものは決して100%ではありません。骨転移があっても異常値として表れないことはよくあります。そのために複数の検査を組み合わせて、再発を調べます。今後万が一、骨転移がさらに増悪したり、他の再発が認められた場合、腫瘍マーカーは異常値を示すこともあり血液検査での腫瘍マーカー測定は無駄であるとは思えません。
3) ホルモン感受性がある方でしたら、まずはホルモン治療から開始するのが定石です。もし効果がないようなら、化学療法に変更することになると思います。骨転移が溶骨性の変化を示すなら、通常はゾメタを開始します。(文責 志茂・川本)

 

No.6763-2】  07年08月13日  K
骨転移の治療効果の確認検査について

【HPNo.6763】乳癌骨転移について質問したKです。6月治療開始から現在までの骨転移の治療は、胸椎に20グレイの放射線治療、ホルモン剤をタスオミンからアロマシンに変えるには、ホルモン値が高いと言う事なので、卵巣・子宮に20グレイの照射をしました。(ホルモン感受性は、ER90% PR65%、骨転移は多発性です)
現在4週ごとのゾメタの点滴とアロマシンの服用をしています。現在痛みはほとんどなくなり、日常生活に支障はありません。主治医に9月に骨シンチの検査をすると言われたのですが、血液検査に異常が出ない場合の治療効果の確認検査についてご質問致します。
1) ゾメタ点滴の効果は3ヶ月くらいで出るものなのでしょうか。
2) 骨シンチを前回から4ヶ月の間隔で、9月に受けても問題はないのでしょうか。
3) 骨シンチ以外に、骨転移の治療効果を確認をする検査は他に何かありますか。
4) 現在痛みもほとんどないので、このままゾメタの点滴で良いかとも思っているので、痛みが出てから検査と言う選択肢はありますか。
5) 今後他臓器への転移の検査は、症状が出てからで良いのでしょうか、それとも定期的に検査をした方が良いのでしょうか。

返答を参考に、次回の診察で主治医と検査の相談をしたいと思いますので、よろしくお願い致します。

1) 一般的には、痛みの軽減等、3ヶ月程度で効果が現れます。
2) 問題ありません。
3) PET-CTでFDGの取り込みを見るのも選択肢の一つです。
4) このまま点滴を続ける事でよいと思います。
5) 遠隔転移の follow のための検査が意味があるというエビデンスがないので、定期的検査は必要ないということになっています。一般的には症状が出てからでも良いと思います。(文責 須田) 

 

No.6762-1】  07年06月18日  H  
脇の下のしこりについて教えてください

気になることがあります。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスいただけると助かります。一週間前にお風呂に入る時左脇の下に違和感を感じ、手で触るとちょうど脇の下の中央くらいの筋の上?に指でつまめる程度のしこりのようなもの(コリコリしています。移動はしません)を発見しました。なにもしないと痛みはありませんが、しこりを摘むと痛いです。とても気になった為、先日近所にある乳腺外来でエコーを撮ってもらいましたが、乳がんではありませんでした。両方の乳房にもしこりなどはありませんでした。また脇の下のしこりは、エコーに何度やっても映らず、先生も?という顔で「わかりませんね、経過を見てください」といわれました。それから数日経ちましたが、しこりはまだありますし、触ると痛いです。友達は「乳腺が生理前に腫れるだけでは?」と言うのですが、私は今まで一度も脇が腫れたことはありません。ちなみに私は30代の主婦で、子供に数か月前まで4年間ほど母乳をあげていました。今はすっかり卒乳して、おっぱいも自然に止まりました。しこりは左の脇の下で、左のおっぱいは右よりもはるかに出の悪いおっぱいでした。何か関係あるのでしょうか?脇のしこりが別の腫瘍ではないのかと毎日不安です。もし次に外来に行くとしたら…何科がよいのかも教えて頂けると助かります。よろしくお願いします。

左脇のしこりが何であるかはわかりません。いつまでも消失しないようでしたら細胞診などの検査をして貰うのが良いでしょう。もう一度乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 吉田)

 

No.6762-2】  07年06月30日  H  
脇の下のしこりについて教えてください(2)

HPNo.6762で「脇のしこりについて」質問したHと申します。回答をありがとうございました。お忙しいところ恐れ入りますが、再度質問させていただきます。あれから再度乳腺外来に行きましが、「しこりはリンパに出来ていないし、乳がんの様子もないので、経過観察と、どうしても気になるのであれば一か月後くらいに切除」と言われました。それから、気持ちしこりがほんの少し小さくなったかと思うのですが、脇をしめたり動かすと脇の周りが痛みます。もし良性でも悪性でも、しこりが小さくなることはないのでしょうか? もし何か悪いできものや他に原因などがあった場合、血液検査などでわかるのでしょうか? 切除することで解決するのであれば、すぐにでも切除した方がよいのでしょうか? 一か月後まで待ち切れず、不安でたまりません。よろしくお願いします。

専門医の診断ではリンパ節は腫れていないけれど、ご本人が腫れていると思っているということでしょうか? 腫れているのに、腫れていないと言われるのは、理解できません。よく診てくれないという事なのか、単に痛いだけなのでしょうか? その点をはっきりさせないと、切除などということも判断できません。(文責 石山)

 

No.6761】  07年06月18日  Y
センチネルリンパ節生検について

初めての相談です。43歳、未婚です。人間ドックの触診でしこりが見つかり、細胞診では、はっきりしたことがわからず、組織診で切除して調べたら、乳がんと診断されました。その後、放射線療法のできる病院に変えて、組織診の詳しい結果を今の病院に知らせてもらいました。しこりが1センチ以下だったことや、切除の時に取りきれていたことなどから、放射線療法とホルモン療法(ノルバデックス服用)を始めました。CTをとった様子から遠隔転移もリンパ節転移も大丈夫だろうということなのですが、リンパ節転移が心配です。今の病院で放射線療法とホルモン療法をしながら、センチネルリンパ節生検を他の病院ですることは可能でしょうか。放射線療法をしている間は、できないのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。

センチネルリンパ節の生検を受けるのであれば、少なくとも放射腺治療を一時中断する必要があります。あなたの言われることが可能かといえば可能ですが、二箇所の病院で乳癌の検査治療を行うことは感心いたしません。現在の病院の医師とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.6760】  07年06月18日  みみっち
分泌物について(HPNo.3047-3)

HPNo.3047で以前にご相談させていただきました。ご多忙中、申し訳ございません。気になることがあり、相談申し上げます。3年前くらいに乳汁分泌に気づき、受診致しました。何箇所かの乳汁と1箇所から血液が出て、石灰化は少しありました。乳管が少し広いとかで造影剤を入れて診ていただいたところ、「普通の人より乳管が広いが異常はなし」との事でした。それからは、三ヶ月に一度から半年に一度に検査をしていただいており、異常なしできておりました。先月に左右の乳首の付け根が痒いので見ると、切れてじくじくした傷がありました。しばらくして治ったので、気にはしていなかったのですが、6月になり回転性のめまいを感じ、現在治療、検査中です。が、それに加え、6/15に左乳輪ににきびのようなものが出来、いたがゆい感じだったので気にしていたところ、下着に血が付いていたのでよく見ると、左乳頭からの出血でした。搾ってみると結構量が出て、驚きました。時間が経って搾ると、じわじわ出てくる感じです。この様な状態ですが、自分では今までと出血の量が多いのに驚いていますが、左右の乳頭からは何箇所か乳汁がでていますが、左の方が量は多いです。これは特に心配はないのか、すぐに受診したほうがよいのか、先生のご意見をいただきたいと思いまして・・・。前回4月に診察があったので、普通であれば10月までは受診しないのですが・・・。また、めまいと乳癌の関係など、このメールから考えられることがあれば、ご意見を聞かせて頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

乳頭よりの血性の分泌物は乳癌を疑わせるものです。左の乳頭より出血がみられるとのことですが、やはり早めに受診したほうが良いでしょう。進行した乳癌が髄膜や脳に転移していればめまいを起こすことも考えられますが、現段階ではめまいと血性の乳頭分泌物とは関係ないと思われます。(文責 吉田)

 

No.6759-1】  07年06月18日  H.H.   
乳がんの手術をひかえています

6月14日に乳がんの宣告を受け、不安で仕方ありません。微細石灰化がみつかり、石灰化が広範囲なので左乳房全摘出となりました。先生の話では、「非浸潤性の乳管がんと思われますが、一部浸潤しているかも知れない」ということでした。リンパ節転移の可能性はどのくらいあるのでしょうか。リンパ節への転移があれば、抗癌剤治療は避けられないのでしょうか。予後はどうでしょうか。ご回答、よろしくお願い致します。

微細石灰化で見つかる乳癌の多くは非浸潤癌です。しかし主治医の言われる如く一部に浸潤癌が存在していることもあり、この場合リンパ節転移の可能性もあります。リンパ節転移があれば抗癌剤治療をおこなうのが標準的です。現段階ではリンパ節転移の可能性は低いと思いますが、手術の結果を待たなくてなりません。非浸潤だけであればリンパ節に転移することはなく予後も大変良好です。(文責 吉田)

 

No.6759-2】  07年06月25日  H.H.   
乳がんの手術をひかえています(2)

先日はご回答ありがとうございました。やはり又心配なのでメールしました。リンパ節転移の自覚症状はあるのでしょうか。また後日CTを撮るのですが、そこでわかりますか。また転移していた場合の抗がん剤の副作用はきついものでしょうか。

リンパ節転移の自覚症状は腋窩などに腫瘤を触知することのほかは、普通ありません。CTでもリンパ節が腫れて、かなり大きくなっていないとわかりません。転移していた場合の抗がん剤の副作用は化学療法の薬剤 の種類・投与方法により異なってきます。外来通院で行える、比較的副作用の少ない治療法もあります。(文責 石川)

 

No.6758】  07年06月18日  N.K.  
健康食品について

以前、集族性の石灰化のことでお世話になりました。主治医は半年の経過観察という事を言われましたが、私がセカンドオピニオンを希望してマンモトームの検査を受けたところ、異常なしとの結果がでました。今回は健康食品(ザクロエキス)についてお尋ねします。更年期ホルモン調整など、いろいろな症状に効くといわれて飲み始めました。その中に女性ホルモンが含まれているとなっていますが、ザクロエキスを飲み続けると乳がんになりやすいなどのリスクはあるのでしょうか?医学的に何かわかっていることがあれば知りたいとも思っております。現在は、大さじ1杯半〜2杯のエキスを水などで7〜8倍に薄めて飲料しています。不安を抱えながらの飲料もどうかと思い相談いたしました。よろしくお願いいたします。

健康食品の効果についてのはっきりした科学的なデータはありませんし、国が認めた薬ではありません。ザクロエキスにしても、どの程度の効果があるのかは分かりません。健康食品を否定することは出来ませんが、過度な効果を期待することは出来ないと思います。(文責 吉田)

 

No.6757】  07年06月18日  A  
術後治療について

はじめて相談させていただきます。今年4月に乳がん右乳房温存手術をしました。36歳、二児の母です。3月初旬より術後10日目までタスオミンを服用していましたが、血液検査で肝機能数値が200を超えてしまい、肝生検の結果、おそらくもともと脂肪肝だったところに、タスオミンの副作用で脂肪性肝炎になったのだろうと、診断されました。今は一ヶ月の入院治療で、なんとか60前後まで数値は下がってきているのですが、医師から、私の場合ホルモン療法が効果のある性質の癌ということで、タスオミンが副作用がみられたので、アリミデックスを処方されました。しかし、「副作用は服用してからでないとわからないので、肝機能も合わせて経過をみていく。」とのことでした。が、アリミデックスは閉経後に用いられる薬なのに、閉経前の私には、それでなくても肝臓のことがあり、薬の服用に関しては、敏感になっているのですが、医師からは、「閉経後乳癌の治療薬である」との説明はありませんでした。私としては、閉経前と閉経後では、おかしいし、未だ脂肪性肝炎の状態で、服用については懸念しています。服用はどうしたらいいでしょうか? ステージ1のリンパ節転移は1か所でした。ご回答、宜しくおねがいします。

閉経前のアリミデックス投与は、時に逆効果となることがありますので、やめた方がよいでしょう。肝機能が落ち着くのをまって、LH-RHアナログとタスオミンの併用をおすすめします。またリンパ節転移が見られたのならば、ステージ1でも化学療法を追加すべきです。とにかく肝炎の収まるのを待って、治療について主治医よく相談してください。詳しい経緯がわかりませんが、場合よっては乳癌専門医を紹介してもらうことも必要です。(文責 吉田)

 

No.6756】  07年06月18日  M.T. 
乳腺腫手術経験者ですが・・・

2年前に注射針で組織をとる検査で乳がんと診断され、2cm強のしこりを除去する手術を受けました。術後の検査で、悪性ではなく良性の乳腺腫だったと診断されました。その後、薬などは不要で、半年に一度のペースで検査通院(エコーと触診)しています。現在は手術したほうの乳房に新しいしこり(1.5cm)が、反対側の乳房には水溜りのような箇所が数箇所見つかっています。検査を担当された先生には、「心配ないものなので普通に生活して」と言われ、普段まったく気にしていませんが・・・。先日、わきの下をレーザー脱毛しようと考えサロンに行ったところ、「主治医に相談してみて」と言われてしまいました。2年前に乳腺腫(?)の手術、そういえは20年も昔のことですが甲状腺濾胞線腫の手術をうけたこともあります。このような私が、わきの下にレーザー光線をあびるのは危ないことなのでしょうか?主治医だった先生が転勤されてしまい、新しい検査担当の先生には質問しづらく・・・、このような質問で恐縮ですが、何卒よろしくお願いします。

今までに受けた手術は乳腺にしろ甲状腺にしろすべて良性のものであり、特に心配なものではありません。レーザー脱毛も問題なく行えるものと考えます。(文責 吉田)

 

No.6755-1】  07年06月18日  S 
入院・手術までの待機

A病院で2回目の受診をし、手術のための入院申し込みをして順番待ちの状態です(およそ1ヵ月待ち)。主治医は、センチネルリンパ節生検を行っている所なら紹介もしてくれるとのこと。先日、他病院で問診だけ受けました。その病院がセンチネルリンパも実施できるのであれば、入院予約をして早く実施してもらえる方にお願いするのは非常識な事でしょうか? もちろん問診して頂いた先生、A病院の先生、どちらの先生も同じ位の信頼度です。ただ、A病院はものすごい混み様で、説明はプリントを渡され、相談がしにくい所もあるのですが、やはり多くの経験と最新の治療が受けられるものと思っています。

乳癌の患者さんが一日も早く治療を受けたいと考えるのは当然であり、非常識とは思いません。しかし安全に手術を施行するために術前検査などを行う必要があり、さらに転移がないかどうかを調べると2−3週はたってしまいます。一ヶ月待ちであれば早い方だと思います。勿論早く出来る施設を選んでも構いかまいません。(文責 吉田)

 

No.6755-2】  07年08月26日  S 
術後の病理結果と根治に向けて

6/18 No.6755で質問させて頂いた者です。閉経したのは52歳で現在53歳、手術をH19/7/20に部分切除で行い病理結果は 浸潤性乳管癌 最大12×8mm Ly(+) V(+) Grede2 断端(−) ER(−) PR(−) Her2(2+) FISH(−) 化学療法は抗癌剤FEC100(エビルビシン・エンドキサン・5Fu)×6回となり現在1回目投与した所です。
根治・再発制止を目的とし、再発すると決まったわけでもしないと決まったわけでもありませんが、後で後悔しない為にも前向きに投与を理解し継続していくつもりです。
1) 自分の数値が何を意味するのかほとんど理解できません。自分で調べる方法を教えてください。
2) 私の再発リスクは5段階の3と自分で解釈しておりますがいかがでしょうか。
3) ハーセプチンの投与がありませんが、私には不適切でしょうか。
4) 抗癌剤投与の回を重ねるごと体力は落ちるのでしょうか。
5) 化学療法と併用して「活性化自己リンパ球療法」を考えておりますが、いかがでしょうか。

6) 他に併用できるものがあれば教えてください。

以上、根治への気持ちの突破口を探し模索しております。

1) 主治医の先生にお尋ねになったり、最近はわかりやすい書籍も多いので、患者様向けの書籍でまず基礎知識を得られてはどうでしょう。この相談室でもご活躍の福田護先生もわかりやすいものを出版されています。 
2) 5段階の3?という意味がわかりませんので答えかねます。
3) ハーセプチンの術後治療は現在保険診療で認められていません。適応になるかはFISH法を用いてHER2発現があるかどうか確認して判断することになります。主治医にお尋ねください。
4) 抗がん剤治療の後半になると多少疲れてくる感じはあるかと思います。
5) 活性化リンパ球療法は、乳癌治療に効果があるという根拠に乏しいのでお勧めできません。
6) 治療薬の選択については、この文面だけからは判断できませんので、主治医にお尋ねください。

落ち着いて少し基礎知識を増やしていただいて、主治医ともよくお話なさるといいですね。(文責 俵矢)

 

No.6754】  07年06月18日  H子 
乳輪周りのポツポツから分泌物

私は23歳の独身です。半年くらい前から、乳輪のまわりのポツポツを強くつまむと、白い歯磨き粉のような分泌物が少しでます。心配で、病院に行くのも怖くていけません。乳ガンの可能性はあるのでしょうか?

汗腺や毛嚢腺よりの分泌物が乾燥したものと考えます。乳癌の可能性はありません。(文責 吉田)

 

No.6753】  07年06月18日  P
ラジオ波治療後の追加療法(2)(HPNo.6744-2)

お返事、大変有難うございました。癌に対する認識が、かなり浅かったのだと思いました。今回の治療に関して、私に合った最高の治療だと思っています。あと3点宜しいでしょうか。
1) どのくらいの大きさから、大きいとなるのでしょうか。
2) FASも局所治療なのでしょうか。
3) ハーツー判定不能(乳管内進展部1+)という判定は、どのくらいのものなんでしょうか。やはり追加治療はやるべきでしょうか。

お忙しいところすいません。宜しくお願いいたします。

1) 私たちの施設では、3 cmを超えるような場合、非浸潤癌でもホルモン療法を行うことにしています。
2) FASが何のことかわかりませんが、化学療法、ホルモン療法以外は局所療法です。
3) HER2の判定は通常浸潤部の乳癌で2+以上を陽性といたします。判定不能というのは、少なくとも陽性とは言えないということです。追加療法の必要はないでしょう。(文責 吉田)

 

No.6752】  07年06月18日  K.M.
手術の必要性(2)(HPNo.6738-2)

ご回答大変ありがとうございました。さらなる精査というと、例えばどのような方法があるものなのでしょうか。ご教授いただけると助かります。

超音波を見ながらしこりに太い針を刺し、組織の一部をとる方法(コアーニードル生検)があります。(文責 吉田)

 

No.6751】  07年06月18日  N
中間リスクの化学療法(HPNo.6734-2)

HPNo.6734のご解答下さり、ありがとうございました。今回術後治療について、ご相談お願いします。「44歳、13×11×14ミリ、T期、n0 ly0 v0 組織波及f 硬癌、核グレード3、分裂像5以上10未満、ER+ PGR+ Her2- 」との結果です。放射線計50グレイ終了。後、LH―RH製剤,タモキシフェンにて治療予定。中間リスクで予防化学は治癒の可能性、又化学は50歳未満、(低)未分化癌に効きやすいとの著述有り。再発・転移リスクを下げる為には化学療法(CAF)を取り入れたほうがいいのでは・・と迷いが有ります。化学有り・無しでの差もお教え下さい。宜しくお願いします。   

ホルモン感受性のある中間リスク乳癌に関してはホルモン療法が基本ですが、中間リスクの中でも高リスクに近い場合には化学療法を行います。このような場合十分なエビデンスはありませんが、化学療法を行ったほうが再発のリスクは低くなると思います(2〜3%程度ぐらいか)。あなたの場合は迷うところですが、年齢が44歳ですので化学療法を追加しておいた方が良いかも知れません。(文責 吉田)

 

No.6750】  07年06月16日  Y.K. 
断端陽性について

初めてお便りをします。今年2月に乳癌の温存再建手術を受けました。リンパ節転移がなかったので、現在、ホルモン治療と放射線治療を受けています。手術では、思っていた以上にたくさんとったと、主治医がおしゃっていたので、悪いものは全て取り除いていただけたと思っていました。ところが、本日、放射線科の先生から、乳首側の断端が陽性だったので、放射線治療の最後5回は、強い照射をすると聞きました。断端が陽性だということは、癌が残っているということですか? 手術中には断端の検査をして、陽性でないところまで切除されるのではないのですか。陽性であると分かっていながら温存し、残った癌を放射線で治療するというようなことはあるのですか。全て主治医に尋ねればはっきりすることなのですが、何だか不安でお便りをしました。よろしくお願い致します。

温存手術では術中、断端を検査して癌の無いところまで切除するのが、一般的です。しかし手術中に調べるのは一部であり、術後の病理標本では断端陽性のところがある場合が時にあります。断端陽性の所が多い場合は再手術を行うこともありますが、多くはその部位に追加照射を行い経過を観察いたします。どのような状況であったのかをよく主治医に聞いてくたさい。(文責 吉田)

 

No.6749】  07年06月16日  M.G 
肝機能障害について(HPNo.4886-6)

HPNo.6622で相談させていただきました。ありがとうございました。今回は肝機能について相談させてください。腋窩リンパ節転移陰性・グレード1・脈管浸潤(−)・HER2(0)・年齢45歳・ER100 %・PRG不明・断端の距離1mm・腫瘍径1cm・1.5cm離れたところに2×4mmのdaughter noduleが認められました。昨年乳房温存手術後、放射線療法62,5グレイ終了・ノルバデックス2錠内服中。今月肝機能が上昇し、GOT75 GPT98でした。3月、5月の肝機能が右肩上がりに上昇しているため、主治医より肝機能改善薬を内服するか、内服を中止し注射に変更すると提案されました。ノルバデックスを内服してから帯下の増量・月経周期が28〜30日だったのが37〜47日と不定・更年期症状・視力低下などの症状があります。
1)ノルバデックスから他の薬(ジェネリック)に変えてみる価値はありますか。
2)ノルバデックスと肝機能改善薬を内服して経過を見たほうが良いでしょうか。一般的な肝機能の薬(アレルギー体質・中性脂肪が高め)はどのようなものがあるのでしょう。
3)PRGが不明なのに注射に変更するということは、卵巣機能を止め、その結果エストロゲンの影響を低下させると考えてよいのでしょうか。
4)注射に変更した場合、その実施期間と医療費はどの程度でしょうか。また終了後の治療指針はありますか。
5)内服・注射ともに中止した場合、再発率はどの程度になるでしょうか

以上長々と質問してしまいましたがよろしくお願い致します。

1) 薬代が安くなりますが、その他は変わらないと思います。
2) 暫くはプロフェパールなどの肝庇護剤とノルバデックスを併用して良いと思います。
3) そのように考えます。
5) 質問の意味が良く分かりません。ホルモン療法を中止した場合、あなたの再発率はおそらく1-2%高くなるものと思われます。(文責 吉田)

 

No.6748】  07年06月16日  Y
分泌物について

1) 乳頭から粉っぽいものがでていました。不安になり、エコーで見て頂きましたが、異常なしの診断結果でした。
2) 母が乳がんなので、不安が大きいです。
3) 先日乳輪まわりのぶつぶつとなった部分から、押すとラードのようなものが1センチ以上でました。
4) 生理前になると、しこりのようなものができ、胸がかなり張ります。

以上4点を不安に思いご相談したく、メールさせて頂きました。よろしくお願いいたします。

1)おそらく乳汁などが乾燥したものだと思います。
2)遺伝性の乳癌でなくとも血縁者に乳癌がいると乳癌になり易いことは事実です。検診などを積極的に受けるようにして下さい。
3)乳輪の周りの脂腺がつまっていたものと考えます。
4)乳腺症と思われます。(文責 吉田)

 

No.6747】  07年06月16日  C  
術後治療について

はじめて、ご相談申し上げます。49歳、主婦です。手術前は大きさ1.8cmくらいでT期と言われていたので、今年の4月27日に右乳房温存で手術を行いました。しかし、病理検査の結果、硬癌で腫瘍径は、1.8cmくらいのかたまりの他に、少し離れて2ヶ所癌細胞が見られたとの事で、3.4cmX2.2cmX8mm。センチネルリンパ節生検でリンパ節への転移は無く、Ua期との事でした。ホルモン受容体は陽性、HER2は陽性という事が本日わかりました。HER2が陽性という事は、再発リスクが高いという事がわかり、ショックを受けています。今回お聞きしたい事は3点あります。
1) 手術後5月23日に一回目の抗がん剤治療(EC、3週間4クール)を開始しました。本日2回目の予定でしたが、白血球が2900では、危険をおかしてまでやらないほうがよいと医師から言われ、延期になりました。延期という事で、効果が薄くなるのでしょうか? また、2900では、ほんとに無理なのでしょうか?
2) 私の病理検査の結果から、ハーセプチンを受けたほうがよいでしょうか?
3) まだ放射線治療も行っていません。放射線治療、ハーセプチン、ホルモン療法は、どういう順序で行ったほうかよいでしょうか?

ご回答、よろしくお願いします。

1) 抗癌剤による白血球の減少は個人差があり一概にはいえませんが、2クール目に入る時には3000以上あるのが望ましいと思います。延期したことで効果が薄くなることはないと考えます。2900で行っても大丈夫なことも多いですが、危険をおかしてまでやらないとする主治医の判断は正しいと思います。
2) ハーセプチンは再発・転移のある乳癌が適応ということになっていますが、最近ではリンパ節転移のある乳癌の術後補助療法として使用されています。リンパ節転移のない乳癌には使わないで化学療法でいくという施設が多いと思います。
3) 抗癌剤治療→放射線治療→ホルモン療法の順でしょう。(文責 吉田)

 

No.6746】  07年06月16日  YS
乳がん術後の治療方針について

私の乳がんの内容につき箇条書きでご報告します。5月23日に手術実施(7〜8mm)。センチネルリンパ節生検ではリンパへの転移が無かった(2個採取)。病理結果が6月7日に出、その結果は、「リンパ節転移:あり(2個)、ERとPgR:(+、+)、HER2:0、年齢:35歳以上、癌の浸潤径:2CM以下、脈管浸襲:高度、核異型度:2」です。
今後の治療プラン:
温存手術の場合、放射線治療(?) 再手術(?)
薬物療法: 抗がん剤治療 ⇒ ホルモン治療

その結果、
1)センチネルリンパ節転移が認められ、腋窩廓清が必要
2)乳癌の近くのリンパ管の中にがん細胞が入り込んでおり(リンパ管浸襲)、切除断端付近まで広がっている。がん細胞がリンパ管の中に入り込んでいる程度も比較的高度。
3)今後の治療: 
@ 抗がん剤療法(6ヶ月)、ホルモン受容体陽性ならホルモン療法(5年)
A 仮に乳房切除を選択したとしても、放射線治療が好ましい。ウィークデー連日の2ヶ月弱。

取りあえずランダムに書きました。以上の結果(プレパレートは持ち込まず)を他の病院のDRに相談に行ったところ、腋も乳房も、貴方の場合放射線治療で大丈夫だと思うとのこと。両者の間に治療方針に相当違いが有り、どちらを選択すればよいのか判断に迷っております。貴ご意見を伺えれば幸甚です。何卒宜しくお願い致します。

手術時のセンチネル生検では転移が無く、術後の病理検査でリンパ節転移が確認されたとのこと、このような場合、再手術をするよりは放射腺治療を行い、次いで化学療法を十分に行い、それからホルモン療法を5年以上行うという方針でよいと思います。(文責 吉田)

 

No.6745】  07年06月16日  C.S
母の抗がん剤治療について(HPNo.6366-2)

今年2月に色々とご相談頂いていましたC.Sと申します。実はCMF療法を5クール終了後、別の病院に移り6クール目の治療を受けましたが、5クール終了後、正常値だった肝臓の値が6クール終了後、急激に上がり、このままではホルモン療法に入る事が出来ず非常に落ち込んでおります。病院ではプロフェパールという薬を処方されましたが、肝臓の細胞がCMF6クールの治療で破壊されてしまったとのことで、肝臓の値が元に戻るまで時間がかかってしまうとのことです、どうしたら肝臓の値を正常値に戻すことが出来るのか是非教えて頂きたく、ご連絡差し上げました。検査の結果の数値は下記の通りです。5クールまでは正常値でしたが、6クール終了後、抗癌剤の副作用で、肝臓の細胞が破壊されてしまいました。
ALP 179(5クール終了後)→329(6クール終了後)、AST/GOT 25(5クール終了後)→96(6クール終了後)、ALT/GPT  17(5クール終了後)→117(6クール終了後)
6/5にプロフェパール錠(1日3回2錠ずつ)を12日分処方されましたが、6/11にはほとんど値が正常値にもどっていなかった為、更に14日分処方されました。このままではいつになったらホルモン療法に入れるか分からないので、本人も非常に精神的に参ってしまっています。一般的には「ウコン」は肝臓に効くと言われていますが、母の場合、プロフェパール錠と併用して「ウコン」を服用するのはどうでしょうか? 一日も速く母にホルモン療法を受けさせてあげたいです。どうか先生のご回答をお願い申し上げます。ご多忙の中、本当に申し訳御座いませんが、よろしくお願い申し上げます。

化学療法で肝機能が悪くなることはよくあることです。肝機能を早く治す方法は無いでしょう。肝機能が正常化するまで待つのではなく、AST,ALTの上昇がとまり減少傾向になったらホルモン療法を開始しても良いと思います。肝臓に与える影響は化学療法に比べホルモン療法はずっと弱いです。肝に転移などがないことを確かめるために、念のため超音波検査などを行っておくことをお勧めします。プロフェパールと「ウコン」の併用についてはよくわかりません。(文責 吉田)

 

No.6744-1】  07年06月14日  P 
ラジオ波治療後の追加療法

非浸潤癌ステージ0、1.7mm、ハーツー判定不能(乳管内進展部1+)、ER/PR90%で、ラジオ波治療を受けました。治療後、ホルモン療法と放射線治療をどうするか聞かれました。私はラジオ波治療だけで治療が終るものと思っていましたので、びっくりしました。先生は、「あなたの場合は大丈夫だと思いますが、より完全な治療となると必要だと思うとの事でした。選択するのは患者さんですから」と言うことでした。私が勘違いしたのかと、少々困惑しております。やはり追加治療は必要なのでしょうか?宜しくお願いいたします。

ラジオ波による治療は、手術と同様に局所療法です。乳癌で恐ろしいのは癌細胞が肺や骨に飛び火すること(遠隔転移)です。これを予防するために局所の治療が済んだ後、化学療法やホルモン療法が追加されることが多いです。非浸潤癌の場合大きさが大きくない限り、追加療法をしないことの方が多いようです。(文責 吉田)

 

No.6744-2】  07年06月18日  P 
ラジオ波治療後の追加療法(2)

お返事、大変有難うございました。癌に対する認識が、かなり浅かったのだと思いました。今回の治療に関して、私に合った最高の治療だと思っています。あと3点宜しいでしょうか。
1) どのくらいの大きさから、大きいとなるのでしょうか。
2) FASも局所治療なのでしょうか。
3) ハーツー判定不能(乳管内進展部1+)という判定は、どのくらいのものなんでしょうか。やはり追加治療はやるべきでしょうか。

お忙しいところすいません。宜しくお願いいたします。

1) 私たちの施設では、3 cmを超えるような場合、非浸潤癌でもホルモン療法を行うことにしています。
2) FASが何のことかわかりませんが、化学療法、ホルモン療法以外は局所療法です。
3) HER2の判定は通常浸潤部の乳癌で2+以上を陽性といたします。判定不能というのは、少なくとも陽性とは言えないということです。追加療法の必要はないでしょう。(文責 吉田)

 

No.6743-1】  07年06月14日  Y.H. 
病院選びは何を基準にすればよいでしょうか?

51歳の主婦です。現在、左の胸に大きなしこりと、それを囲むかのように周囲も堅くなっています。大きなしこりのところの皮膚が茶色に変わってきています。この頃、腕に引きつられる感じがあります。この内容だけで、どのくらいのステージになっているでしょうか。事情があり直ぐに(2ヶ月くらい)は病院に行けないのですが、病院に行く場合は、最初から大きな病院に行ったほうが良いのか、最初は個人の病院で、それから紹介状をいただいて大きな病院に行ったほうが良いのでしょうか。よろしくお願いいたします。

恐らく進行した乳癌だと思います。自宅より通いやすい乳癌治療に定評のある病院を受診することをお勧めしますが、できれば個人の医院などで、どこがよいかを相談して紹介状を書いてもらうと良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.6743-2】  07年10月02日  Y.H. 
葉状腫瘍

お世話になります。以前6743番で投稿した者です。9月5日にマンモ、エコー、触診により「葉状腫瘍」と診断されました。大きさは10×8センチです。腫瘍マーカー、穿刺吸引細胞診、MRIを行ないました。腫瘍マーカーは陰性でした。それでも良性、悪性との結果が出ず、コア針生検を行ないました。結果、悪性が見当たりませんということで、良性でした。一番大きなところの組織をとったということなのですが、担当医は「このまま良性と判断して手術をすることも可能ですが、外科生検を行い白黒はっきりさせた方が良いのでは」ということになり、外科生検を行ないます。
私自身、葉状腫瘍の良性、悪性の区別をつけにくいことは分かっていますが、針生検で良性と出ても、まだどこかに悪性があるかもと先生は考えているようです。しこりが大きいので左乳房の全摘出になります。マンモで右乳房にも小さなしこりが見つかりましたが、こちらはまだ柔らかいので大丈夫とのことです。私が触っても全然分かりません。
1) 針生検で良性と出ても、外科生検または手術で摘出したモノが悪性と出る場合もあるでしょうか。
2) 葉状腫瘍は1つの腫瘍で良性から悪性へと変化するのでしょうか。
3) 良性で全摘出しても再発する可能性はあるでしょうか。

よろしくお願い致します。

1) 針生検で良性と出た場合は勿論良性のことが多いですが、葉状腫瘍では手術で摘出したもので悪性であることが判明することもあります。これは組織が均一ではなく偏りがあるためです。
2) 葉状腫瘍が良性か悪性かは、主に組織の細胞成分の多寡によると考えられますので、一部で良性と判断しても他の場所で悪性である可能性はあります。
3) 良性であっても一部に葉状腫瘍が残った場合、再発することが多いと思います。従って葉状腫瘍の場合完全に切除することが重要とされています。(文責 吉田)

 

No.6743-3】  07年11月18日  Y.H. 
PET検査だけでも大丈夫でしょうか

お世話になっております。以前に6743、7188番でお世話になったものです。10月22日に葉状腫瘍ということで手術をし、左乳房全摘出しました。悪性・良性の区別がつかず、手術の結果報告で、葉状腫瘍ではなく粘液癌となりました。腫瘍マーカーは陰性でした。リンパの摘出という話がありましたが、私がどうしても踏み切れずにいましたので、粘液癌の純粋型であろうと思われるので、PET検査でも大丈夫でしょうということになりました。エコー検査でも脇の下には何も無かったようです。リンパ検査をしないとステージが確実に出ないということのようで、後になって受けたほうが良かったのかなと不安になります。PET検査だけでも大丈夫でしょうか。粘液癌は、これまでしてきた検査(細胞診、エコー、MRI、組織診、CT)で分かりづらいものなのでしょうか。手術後2日目からめまいが生じて、未だに軽いめまいがあります。外をちょっと早歩きで歩いたりするとクラッときたり、坂道を下る時に前にのめり込むような感じになります。これは体調の問題なのでしょうか。よろしくお願い致します。

純粋型粘液癌は比較的予後が良いことが知られています。したがって現時点でリンパ節転移の可能性も低いだろう、という判断でしょう。PETはリンパ節転移や多臓器の転移の有無を調べるには有効な手段だと思いますが100%の診断とはいえませんね。術後の定期的検査としてはそれ以外にCTや超音波検査などが追加されるかもしれません。術後のめまいは乳癌と直接的に関係があるとは思えません。しかし症状が続くのでしたら、担当の先生にご相談されてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.6743-4】  08年04月05日  Y.H. 
点滴のもれについて

いつもお世話になっております。現在、CMF療法、ゾラデックスをしています。本日も両方の治療を受けてきたのですが、5-Fuを初めて数分した後、手に痛みを感じ看護師さんに見ていただいたら点滴が漏れているということで、針を抜きました。その後、「今日はこれで終わりにします」と言われ、そのまま帰ってきました。「ただ流しているだけだし、中身もポカリスエットのようなものだから水分を沢山とれば大丈夫です」と言われたのですが、そんなものなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

5-FUの血管外漏出です。皮膚の潰瘍が起こることはないと思いますが、局所の炎症は起こるかもしれません。局所の痛みや、発赤が進行性であれば、すぐに再診してください。(文責 徳田)

 

No.6742】  07年06月14日  I 
術後の化学療法を始める時期について

浸潤性乳管がん、ステージ2bの診断で、温存手術後、抗がん剤治療を始めることになっていたのですが、1回目投与の前日から手術した乳房内で炎症がおこり、投与ができません。術後どのくらいの間に投与を始めるのがよいのでしょう。1ヶ月をすぎての開始は、治療効果を下げるのでしょうか。

抗がん剤を術後どのくらいから使用するのが良いかについては、明らかなエビデンスはなくはっきりいたしません。術後補助療法として使用するのですから、1~2ヶ月遅れても効果が下がるとはないと思います。(文責 吉田)

 

No.6741】  07年06月13日  J.A.
抗がん剤治療について

はじめて質問させて頂きます。5/18に乳房温存術とセンチネルリンパ節生検を行いました。しこりの大きさは25×20mm、リンパ節転移はありませんでした。悪性度はT、ホルモン受容体は陽性(ER 3+、PR 3+)、HER2は陰性で、閉経前です。今後の治療法について、放射線治療とホルモン療法の他に、化学療法は必要でしょうか? 主治医の先生は「問題になるのは腫瘍の大きさだけで、特に抗がん剤治療がどうしても必要とは言い難い。ただ、やってやりすぎるということはない。」とのご意見で、化学療法を強く勧められませんでした。私自身も副作用など考えると、抗がん剤治療には及び腰です。再発率や10年後生存率が目ざましく変わってくるとも限らないとも聞きます。この場合の化学療法の是非をご教授ください。

他の相談者の方のご質問と、ほぼ同じ流れのお返事になります。術後の補助療法を決定するには、いくつかの要素を総合して治療法を選択します。主として、年齢、しこり(浸潤径)、リンパ節転移、ホルモン感受性、HER2、組織学的異型度を目安にします。J.A.さんの、年齢、組織学的異型度がわからないので、化学療法が必要ないとまでは一概に言えません。ただし、主治医の先生が「問題になるのは腫瘍の大きさだけ」とお話しされているところから察すると、これらも35歳以上と異型度1であったのではないでしょうか。ホルモン受容体が両方とも90%以上あれば、内分泌療法だけで十分なように思います。よく、主治医の先生とご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.6740】  07年06月13日  H.S
乳房からの分泌物について

色々悩んでいて、こちらにたどり着きました。よろしくお願いします。H18.9に左胸を何気なく絞ってみたら、深緑っぽい分泌物が出ました。急いでかかり付けの乳房専門医の病院へ行きエコーを取りました。乳管が1〜2ミリほど拡張していて、その中に黒く写るものがいくつかありましたが、まだエコーではっきりとわからないため、細い針を刺して細胞の検査をした所、ひとまず良性と言われました。「以後3ヶ月おきのエコー検査で様子を見ましょう」と勧められましたが、以後1ヶ月たったら気になってしまい、又病院を受診した所、「次はMRIを撮ったらどうでしょう」との事で市民病院を紹介されました。市民病院でも又エコーと細い針をさして、細胞の検査をしましたが、同じく良性でした。MRI検査は主治医の先生は特に勧めなかったのですが、エコーの先生とか、周りの女性の先生は「MRI検査をしたら?」と勧められます。MRIに必要な造影剤についての副作用で色々調べたんですが、余計怖くなって・・・。アレルギー(花粉症や皮膚のかゆみ)持ちで、怖くて、いまだに検査していませんが、エコーはずっと2ヶ月おき位のペースで行っています。主治医の先生はプラス思考で、大丈夫とは言ってくれますが、MRI検査をしたほうがいいのでしょうか? それと、自分で色々調べて、エラストグラフィー装置があると聞いて近くの大学病院へ行き、乳がんの専門医に又みてもらい、エラストの検査とエコー検査をしてもらいました。こちらも、同じ乳管が拡張していて何かあるとの事で、まだ何かはっきりわからず、こちらの大学の先生は、すぐMRIを強く勧めたりはまだ必要ないとの事で、3ヶ月のペースでエコーが必要との事でした。私みたいに、しこりはなく乳管が拡張していて、その中に影らしきものがあり、乳房から分泌物がでる場合は、すぐ良性か悪性かの判断をはっきるするのは難しいのでしょうか? 一体どうしたらはっきりわかるか知りたいです。また、MRIはやはり行ったほうが良いのでしょうか? よろしくお願いします。 

最も確実な診断方法は、手術による生検(切除)です。が、H.Sさんにどの医師も、手術もMRIも勧めないのは、その必要がないと判断しているからです。超音波では、1年近く所見(見え方)が変わらないわけです。MRIで情報量が明らかに違う場合は、受けるメリットがありますが、今のペースで超音波による経過観察で変化があれば、MRI、手術でいいと思います。(文責 緒方)

 

No.6739-1】  07年06月13日  M.F. 
術後の補助治療について

4月に右乳房温存手術、現在放射線治療中です。術後の補助治療について悩んでいます。病理の結果は、「浸潤がん、しこり1.2×0.8、ホルモン受容体+、HER2−、断端−、リンパ節郭清1/11」です。この結果なら、抗がん剤治療はした方が良いのでしょうか? ホルモン治療だけでは不十分なのでしょうか? 抗がん剤治療をするとなれば、主治医からCEF6クール+タキソール12W(3ヶ月)、もしくは経口剤2年と言われています。もし抗がん剤治療をするとしても、こんなに沢山治療をする必要があるのでしょうか?よろしくお願いいたします。

術後の治療の内容を決定するには、いくつかの要素を総合して治療法を選択します。主として、年齢、しこり(浸潤径)、リンパ節転移、ホルモン感受性、HER2、組織学的異型度を目安にします。M.F.さんは、年齢、組織学的異型度がわからないので、化学療法の内容までは踏み込めませんが、化学療法を受けた方が再発率は下がるグループではあります。その後に、ホルモン療法を受けるのが標準的でしょうか。経口剤の効果は、再発予防ではあまりデータがありませんのでお勧めしません。ホルモン受容体が療法とも90%以上あれば、CEF6クール+タキソール12W(3ヶ月)まで受けなくてもいいように思います。よく、主治医の先生とご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.6739-2】  07年07月03日  M.F. 
術後化学治療について

アドバイスありがとうございました。この前書き忘れていた「年齢と核異型度」ですが、年齢は39歳、核異型1で、もう一つの分類なら2になるそうですが、もう一つの分類の意味がわかりません。この前からCEF6クールのうち1クール終了しました。私の場合、二週間に2回点滴して二週間休みというパターンのCEFです。このCEFでの4クール終了なら、薬の投与量が少なく、6クール必要なのでしょうか? 1クール目の副作用が強く入院しました。6クールも耐えられるか不安です。また、タキサン系の追加12ウィークの治療を受けた方がいいのかも悩んでいます。良きアドバイスをお願い致します。

CEF療法は、その方法であれば4コース後にタキサンが普通です。もちろん投与量が記載されていないので、普通投与量であれば、4クールということです。(文責 石山)

 

No.6738-1】  07年06月13日  K.M. 
手術の必要性

42歳の主婦です。30歳の頃、胸に3回別のところにしこりができて、すべて摘出手術を受け、いずれも良性でした。 最近久しぶりに、また左胸に8ミリのしこりができました。注射器で吸引して細胞の検査を受けた結果、「良性とも悪性ともいえない(5段階の3レベル)」という結果を言い渡されました。超音波とマンモグラフィーでは、医師には「多分良性の線維腺腫ではないか」と言われました。また「摘出手術は必要ないが、半年後に再検査をしてください」と言われました。今から2年間海外で暮らす予定があり、半年後の再検査ができないので、今手術して摘出するべきかどうか悩んでいます。アドバイスいただけますと幸いです。

細胞診で5段階のレベル3ということは悪性が完全に否定されているわけではないので、摘出ではなくても、さらなる精査をおすすめします。担当の先生と十分相談して下さい。(文責 小川)

 

No.6738-2】  07年06月18日  K.M. 
手術の必要性(2)

ご回答大変ありがとうございました。さらなる精査というと、例えばどのような方法があるものなのでしょうか。ご教授いただけると助かります。

超音波を見ながらしこりに太い針を刺し、組織の一部をとる方法(コアーニードル生検)があります。(文責 吉田)

 

No.6737】  07年06月13日  Y
リュープリンの期間について

お忙しいところ申し訳ありませんが、またよろしくお願い致します。
41歳。昨年の8月末に右乳房温存手術+センチネルリンパ節生検をし、放射線治療25回を終え、現在はホルモン治療(ノルバデックスD 1日1回1錠+リュープリン注射3ヶ月に1回)を受けています(現在は治療により閉経中)。病理の結果は、「Bp+(Ax)右側 C 1.5×1.5×0.8cm F sT1NOMO sStage1 。乳管上皮由来のcancer cellがpapillo-tubularあるいはscirrhous patternを呈して浸潤・増殖している。Her2(2+), ER(+)(ほぼ全てが陽性)、PgR(+)(約90%が陽性)、Nuclear grade3、nuclear atypia score3  mitotic counts score2 乳腺所属リンパ、切除No nodal metastasis」ということでした。そこで、以下の点についてお尋ねします。
現在受けているリュープリンの治療がもうすぐ2年になるのですが、3年もしくは5年に延期した方が良いのでしょうか? 最新のザンクトガレン2007のコンセンサスによると、今までの2年からHer2などの条件によって、または患者によって2年から5年の方が良いということになっていましたので、どうしたら良いのか迷っています。最終的には患者自身が決めなければいけないことだと思いますが、参考にさせていただきたく、ご回答よろしくお願い致します。

リュープリン2年と5年の効果を直接比較したデーターはないと思います。したがって、どちらがよいかという正確な答えは出せません。担当の先生と十分相談された上、最終的には、やはり御本人の判断となると思います。(文責 小川)

 

No.6736】  07年06月13日  FN
乳癌なのか心配です

33歳既婚ですが、子供はまだいません。今年1月頃から左の脇から胸に痛みがあり、婦人科で乳癌検診をうけました。検診は触診とエコーで、結果は乳腺症でした。ただ、その後も生理周期に関係なく痛みが続き、心配でしかたなく再度別の乳腺外科を受診し、触診、エコー、マンモグラフィ検査をしました。マンモでは特に何も写りませんでしたが、エコーで左胸に8ミリのしこりが見つかりました。その時すぐに細胞診をし、2週間後の結果でクラスUと言われましたが、先生にコア生検を勧められ再度検査しました。結果は線維腺腫でした。線維腺腫の近くに癌が出来やすいと聞いたことがあり、私は取りたいと言いましたが、先生は特にとる必要はないとおっしゃいました。乳腺症についても先生は特に何も話されなかったのですが、乳腺症は、細胞診などの検査的なことは必要ないのでしょうか。今は胸の痛みはましになったのですが、2ヶ月位前から左鎖骨のすぐ下から脇の下に痛みというより違和感があるのと、時より胸にズキーンと痛みが走ります。それと同じ時期に胸の下の肋骨部分の同じ場所がずっと痛いです。肋骨は先日整形外科でレントゲンを撮りましたが、特に問題ないとの事でした。X線レントゲンで癌の転移などはわかるのでしょうか? 一度婦人科で線維腺腫を見落とされているだけに、もしかしたら今回も癌を見落とされてるのではないか、すでに骨などに転移しているのではないかと、とても心配です。乳腺外科の先生は「気にしすぎでしょう」と言うだけでした。今後は定期的に検査するとのことです。線維腺腫が出来ている人は乳癌になる確立が高いとも言われました。私はそろそろ子供がほしいと考えていますが、妊娠と同時に乳癌になる方もおられると聞いたことがあります。その事も心配で、子供を作る事にふみきれません。毎日そのことで頭がいっぱいです。色々質問して申し訳ございません。ご回答よろしくお願いいたします。

線維腺腫は良性の腫瘍であり、本来切除する必要はありません。線維腺腫で切除する場合は、1)悪性が否定できない、2)急に大きくなった、3)現時点で非常に腫瘍が大きい、4)患者さんの希望、の4点です。今回の場合は画像、細胞診、針生検のいずれにおいても悪性は示唆されておらず、腫瘍径も8mmと非常に小さく、1)、2)、3)は当てはまりません。患者さんの希望が強い場合、切除自体は可能ですが、傷が一生残りますし、線維腺腫自体、多発することが多いので、できるたびに切除するというのは現実的ではないとは思います。少なくとも、針生検で線維腺腫と診断されている8mmの良性腫瘍が骨転移をおこす、という可能性はゼロと考えていただいてよいかと考えます。線維腺腫のような良性の増殖性病変ができやすい方は若干、乳癌になるリスクが高いとはいわれますが、家族歴や肥満、未産・高齢出産、授乳経験がない、などもリスクとされているので、このままいたずらに乳癌を怖がって妊娠・出産・授乳をしないことも、またリスクを高めることになります。定期的な検診は是非うけていただきたいと思いますが、現時点でいたずらに心配する必要はないと思います。(文責 小川)

 

No.6735】  07年06月13日  K.N.
乳癌の治療について

妹、37歳のことで相談いたします。しこりに気づき、針による生検を4カ所行い、核グレード1(核異形 スコア1+ 核分裂像 スコア1)でした。腫瘍サイズは2.5cmで、リンパ節への移転はまだ調べていません。直ちに抗ガン剤の投与を始め、3ヶ月後に手術とのことですが、すべてはき、もどしてしまい、何も食べられないようですので、心配です。主治医は、腫瘍が小さくなるのを待ってから手術するとのことですが、一刻も早く手術を行った方がいいのではと、私は思っています。セカンドオピニオンは、まだ求めていません。求めた方がいいかどうか、セカンドオピニオンを求める目安として、何の資格があるお医者様に伺えばいいか、教えてください。

化学療法は手術前に行っても手術後に行っても予後にはかわりないものの、手術前に行うことで、その抗癌剤がその患者さんに本当に効果があるのかを確認できることと、腫瘍径が小さくなれば手術で切除する範囲が少なくなる可能性がある、というメリットがあります。ですから、一刻も早く手術を行うのがよい、というわけではありません。ただし、術前に行っても術後に行っても予後はかわりないので、上記のことをメリットと考えないなら、先に手術を行うという選択肢もあるかと思います。術前にしろ術後にしろ、化学療法を行うかどうかは腫瘍径や核グレードだけで決めるのではなく、ホルモンレセプターの有無やHer2レセプターの有無、リンパ節転移の有無なども関係しているので、針生検を施行してあるのであれば、核グレード以外にホルモンレセプターやHer2レセプターについても検討してあると思いますし、リンパ節転移があるかどうかも検査していると思います。以上のことを理解された上で、十分担当の先生と相談してください。セカンドオピニオンに関しては、担当の先生と十分相談しても納得できない場合、あるいは納得してはいるものの他の意見を聞きたい、という場合、ある程度の資料を持った上で、乳腺外来セカンドオピニオンを開設している病院でうけるのがよいと思います。(文責 小川)

 

No.6734-1】  07年06月13日  N  
がん抑制遺伝子について

初めてお便りします。「がん抑制遺伝子nm23と、p53に異常ありで、リンパ転移の程度にかかわらず遠隔転移の可能性が高いとわかっている。」と記載の書籍がありました。 病理の検査項目での有無と、現在までに判っていることを教えて頂けたらと思います。

がん抑制遺伝子の異常は多くの癌の発生や転移に関連しているとされており、特にp53は乳癌においても最もよく研究されている癌抑制遺伝子で、p53の異常は転移・再発などに関連しているとされています。nm23についてもp53ほどではありませんが、やはり、同様の報告がなされています。しかし、このような報告のなされている遺伝子は非常に多くあり、少なくとも現時点では、日本でこれらについて研究以外の目的で測定し、実際の治療に反映させるということはなされていません。(文責 小川)

 

No.6734-2】  07年06月18日  N  
中間リスクの化学療法

HPNo.6734のご解答下さり、ありがとうございました。今回術後治療について、ご相談お願いします。「44歳、13×11×14ミリ、T期、n0 ly0 v0 組織波及f 硬癌、核グレード3、分裂像5以上10未満、ER+ PGR+ Her2- 」との結果です。放射線計50グレイ終了。後、LH―RH製剤,タモキシフェンにて治療予定。中間リスクで予防化学は治癒の可能性、又化学は50歳未満、(低)未分化癌に効きやすいとの著述有り。再発・転移リスクを下げる為には化学療法(CAF)を取り入れたほうがいいのでは・・と迷いが有ります。化学有り・無しでの差もお教え下さい。宜しくお願いします。   

ホルモン感受性のある中間リスク乳癌に関してはホルモン療法が基本ですが、中間リスクの中でも高リスクに近い場合には化学療法を行います。このような場合十分なエビデンスはありませんが、化学療法を行ったほうが再発のリスクは低くなると思います(2〜3%程度ぐらいか)。あなたの場合は迷うところですが、年齢が44歳ですので化学療法を追加しておいた方が良いかも知れません。(文責 吉田)

 

No.6733】  07年06月13日  H.E.
骨転移?

お世話になります。ご相談させて下さい。妹が23歳の若さで乳がんになりました。まだ手術前ですが、ステージUbと言われているようです。手術後に骨やその他にも転移していないか調べるそうなのですが、本人に聞いてみると「背中が痛む」と言うのです。背中が痛むというのは、骨に転移していることになるのではないでしょうか? その場合、ステージUbではなくなるのでしょうか? もし骨に転移していた場合、助かる可能性はどのくらいでしょうか? すごく心配です。よろしくお願い致します。

癌と宣告されたばかりで、特に手術前の患者さんは、どこかが痛むとすぐに「転移ではないか」と危惧される事が大変多いものです。しかし、痛い=即転移というものではありません。念のため、全身の臓器(骨を含め)に転移がないかを調べておく、というのはステージングを決める上では必要な検査でしょうが、調べる事で、闇雲に、全身の至る所に転移があるのではないか、と心配になるのは考えものです。必要以上に不安がっても病気の治りが良くなる訳ではありません。(むしろ免疫力の低下を来す、との報告もある位ですから、少し気楽に考える位の方が良いのだ、と言う意見さえある事を申し添えます。)
ただし、万が一骨に転移があった場合は、ステージはW(4)となってしまいます。しかし、かかった癌の性質によっては骨に転移があっても、良い治療を根気よく続けてゆく事で何年間も普通の暮らしをしている患者さんは沢山いらっしゃいます。転移=すぐ亡くなってしまう事を意味するものとは言えません。乳癌の治療は日々新しいお薬や新しい道が開けて行っている分野なので、望みを捨てずにねばり強く治療を継続してゆく覚悟も必要だと思います。
ご心配はごもっともですが、いたずらに心配し過ぎないように、気持ちを明るく持って行く事も、これから長い癌との闘病生活を続けてゆく患者さんと一緒に上手に過ごしてゆくコツだと思います。また、時に、ご本人はそれなりに”やり過ごす”事が出来ても、周りの方が不安がり過ぎる事が時々あるようです。お若い患者さんの場合致し方ない事とは思いますが、ご本人に対しても良い影響を与えるとは言えませんので、これもまた注意が必要です。(文責 矢吹)

 

No.6732】  07年06月13日  Y
乳頭から分泌物がでます

28歳、5歳と2歳の娘を持ちます。H18.9頃に何気なく左胸を絞ってみた所、深緑の分泌物がじわっと出てきました。そんなに沢山は出てこない感じです。急いでかかり付けの乳がん専門医に行きました。エコーで診察した所、1〜2ミリほど乳管が拡張しており、そこに何か黒い影があるのですが、エコーではっきりとした確認はとれず、その部分に細い針を刺して細胞の検査をしました。結果は良性でした。H18.5にはマンモグラフィーは撮っていましたが、異常はありませんでした。それ以降、針で刺した後は分泌物は赤黒い感じで、多分針での傷がまだあるみたいに言われました。その後3ヶ月のペースでエコー検査が必要と言われました。私は気になるので2ヶ月置きに病院へ通っています。あまり私が気にするため、一度MRI検査をと市民病院へ紹介されました。市民病院ではエコー検査をして、又針を刺して細胞の検査をした所、良性でした。3ヶ月後にMRI検査をしましょうか?といわれて、検査する予定でしたが、造影剤の副作用を知り、怖くて結局まだMRI検査はせず、2ヶ月置きにエコー検査をしています。乳管が拡張している大きさはほとんどかわらず、まだ中にある黒い影も何かわかってない状態です。主治医の先生はプラス思考みたいな感じで、「大丈夫だから」とか、「貴方の場合もし悪性でも早期発見だから転移はないから」と言われます。MRIも特に急いでする必要はあまりないと言われます。周りの女性の先生は、「MRI検査をしたほうがいい」と勧められるので、混乱しています。自分で色々調べて、エコーでもエラストグラフィー装置で細胞の硬さを測るエコーがあると知り、近くの大学病院の乳がん専門医を受診しました。ここでも、エコー検査をして市民病院と同じ答えで、3ヶ月のペースの検査で様子をみましょうとの事でした。ここではMRI検査をしても、良性か悪性かの判断は画像でははっきりつけにくいと言われました。どうしたら、はっきり結果がわかるのでしょうか? ちょっと強く絞ると深緑の分泌物がでるので怖くてたまりません。早くはっきりさせたいのです。ほかに検査方法はないのでしょうか? よろしくお願いします。それと実母が3年前乳がんになり、それ以降癌に対する恐怖心があり、自分もいつか癌になるのでは、という感じでいました。よろしくお願いします。

「どうしたら、はっきり結果がわかるのでしょうか?」「 早くはっきりさせたいのです。ほかに検査方法はないのでしょうか?」という事ですが、まず、最初に申し上げておきますが、どんなに画像診断を重ねても、「乳癌ではない」或いは「乳癌である」の診断はどうやってもつきません。エコーを繰り返しても、MRIを受けても、完全に「癌んではない」と確証を得る事にはなりません。その事を前提にお話を聞いて下さい。
貴女の不安は分泌物とエコー検査で見えた「黒い影」と言う事ですが、その分泌物は恐らく、授乳したものの名残である可能性が高いと考えます。その上で、乳管拡張とそこに存在する何らかの影、と言うものが何だか分からない為、闇雲に不安にかられているようですね。担当の先生が心配しているものは何だかきちんと伺ったでしょうか? 恐らく、乳管内乳頭腫(良性のおできのようなモノ、とお考え下さい。)ないしは、担当医の先生が言うように、「もし悪性でも早期発見だから転移はない」癌なのではないでしょうか?
乳管内癌は確かに、乳管の基底膜を破って発育する前の段階で、専門的には「非浸潤がん」とか「DCIS(Ducal Carcinoma in situ)」と呼ばれ、ごく早期である為、発見して、適切な治療を行えば「完治する癌」と考えられています。米国などでは所謂「がん」とはみなされません。日本でも、一部の癌保険では「上皮内癌」の場合は癌としての保険金は下りない、と言う特約をしている商品もある位ですから、推して知るべしです。要するに、その段階で見つけて治療すれば、転移したり命を落とす事はまず有り得ないと考えられているのです。そして、そのような段階の癌が見つかるのは、非常にラッキーな場合が殆どで、臨床的には、殆ど自覚症状がない段階で、何らかの画像検査異常を調べていったら見つかった、と言うケースが多いはずです。何らかの画像異常とは、具体的には、貴女のケースのように、乳管拡張のある方や、マンモグラフィで微細な特徴的な石灰化陰影がある方、などです。この他にDCISが見つかる可能性があるとすると、乳頭から比較的濃い血性の分泌物が長引く方などでしょうか。
それでは、自分はこれらの所見が2つも当てはまるから、もう癌なのか!?と慌てないで下さいね。DCIS(ごく早期のがん)を確定診断する為には、結局それらの画像異常のある部位の組織を何らかの形で取り出す“組織生検”を行わない限りは確定診断を得る事は出来ないのです。比較的簡単な方法としては、「分泌物細胞診」があります。乳頭から出てくる分泌物の中に癌細胞がないかを顕微鏡で調べるのですが、中々これが出る人はそう多くはありません。ですから、この検査が陰性だからと言っても、完全に「シロ」だとは言えない訳です。次に、貴女の担当の先生が行ったように、拡張乳管とその部位にある異常所見をエコーで見ながら穿刺して細胞を吸引してくる検査がありますが、これも、「乳管内乳頭腫」と言う良性の病変と、「DCIS」とは顕微鏡で鑑別診断する事が結構難しいものなので、吸引してバラバラになった細胞で診断する事は随分難しいとされています。それじゃぁ、一体どうしたら良いの?と言う事になりますが、貴女のおっしゃる様に、「癌を完全に否定して欲しい」と言う厳格な姿勢で臨むとしたら、乳頭分泌のある乳管を丸ごと切り取ってくる「乳管区域切除」と言う局所麻酔(日帰り手術)などを行わない限りは「完全に」「否定する」事は難しいでしょう。
ここで、我々現場で癌の早期発見の為に色々やっている医師が最も悩むのは、これらの所見がある人に対して組織診断を得るために、片っ端からそんな侵襲的検査(切ったり血を見たりするような検査)をホイホイ簡単に行っても良いのか?と言う点です。万が一、そんな切除を行っても、単なる授乳後の乳管拡張や、濃縮嚢胞(ミルクが取り残されてオカラ状に溜まったもの)などしか出てこなかったら…??やり過ぎじゃないのか?そんな事も考えねばなりません。(やり方によっては、今後そちら側のおっぱいでは授乳は出来なくなる確率が高い方法です。) 勿論、取れた組織がDCISだったら当然色々な治療を開始した方が良い訳ですが、実は浸潤がんに比べて、転移しない、と言う点では命に別状はなく、そんなに慌てても仕方がない訳です。
そんな訳で、積極的に切除してでも組織診断をするべきかどうか、凄く怪しい病変が乳房に拡がっているかどうか、を判断する“補助”として、造影剤を用いたMRI検査が非常に効果を発揮する訳です。造影剤によるアレルギー反応は、蕁麻疹や気分不快が出る割合が約1〜2%=100人の内1、2人)と言われています。また、重篤な反応(ショックや血圧低下など)は1万人に1人程度、とされており、造影剤による被害よりも、診断する事のメリットが大きい場合は(本当に癌”らしい”のか?切り取ってでも診断するべきなのか?或いはその範囲はどの程度あるのか、等を知る為)必要な検査だと考えられています。ただし、気管支喘息の方造影剤で喘息の発作を悪化させる可能性があり、造影自体が禁忌とされています。また、閉所恐怖症の方やパニックになり易い方は検査自体が耐え難い苦痛かと思われますので、受けられないのではないでしょうか。
以上、貴女のような症状の方に対する検査と診断のやり方についてご説明してみました。ご参考になりましたでしょうか?貴女としては「”癌”の不安は早く取り除いて欲しい、けれど怖い検査はイヤだ。」と言った気持ちなのかも知れませんね。悩んで、頻回にエコー検査を受けても余り状況は変わらないと思います。貴女の担当の先生が悪性を強く疑っているのかどうかを今一度きちんと聞いてみては如何でしょうか?余り強く疑っているのではなければ、頭の中から「いつか自分も癌になるのかも…」と言う不安を追い出せるように、少し考えを切り替えてみては如何でしょうか?(又は不安が取れるようなお薬=抗不安剤などの処方を頂いてみるのも、毎日を安らかに過ごす一つの方法です。) お答えとなっていれば幸いです。(文責 矢吹)

 

No.6731】  07年06月13日  U 
乳房内再発の検査について

15年7月に右胸温存し、3年目の去年7月に乳房内再発で右胸全摘しました。私の場合、HER2が+3という事で、タキソ−ル4クールとハーセプチン6ヵ月受けました。先生がおっしゃるには、「再発と見るか見ないか、ハーセプチンは再発したら一生使う薬、単独で使っても20〜30%くらいの人にしか効かず、又高い薬だから家計も大変だろうし、日本経済においても良くない。区切りをもたせたらどうか。」と言われ、6ヵ月でやめました。「不幸にも再発してから始めたら、寿命が1.5倍に伸びます」って言われました。検査も前は一年毎にエコーとか骨シンチとかセットで受けていましたが、「保険も使うし被爆の問題もあるし、簡単にレントゲンと血液検査くらいでもいい」と言われました。「早く見つけて治療しても、悪くなって治療を始めても寿命は一緒ですよ。それだったら、それまで楽しむのもいい。」と言われ、そういう言葉を聞くのも辛いことですが、現実だから受け止めていかないといけないのでしょう。まだ7月までありますが、一般的に検査はどのように考えていったらいいのでしょうか。アドバイスお願いします。

Her2 蛋白が過剰発現(3+)している方に対し、ハーセプチンを術後早期の補助(化学)治療に併用する事で、生存率が優位に上昇する、と言うエビデンスが2006年ASCOで発表され大変話題になりました。しかし、目下の所は、どの程度の期間併用する事が適当であるか、長期投与による副作用や経済面(患者さん自身の、或いは社会全体としての医療経済)に及ぼす影響などについては、未だハッキリとしていない点が多く、確かなのは術後早期から開始する点のみです。また、現在の所、日本国内でハーセプチン投与の保険適応は”転移・再発乳癌”に対してのみ、となっています(これについては今後、厚生労働省が何らかの改善策を打ち出すものと見られています)。この点を鑑み、目下のところ、日本の医療の現場では 人道的な観点などから、半年ないし1年程度までの投与が適切、とする意見が主流を占めているようです。
また、ご質問の術後の経過観察、転移検索(スクリーニング検査)の考え方についてですが、転移を早期発見する為に、各種画像診断や腫瘍マーカーの測定をを定期的に行っても、再発後の生存率の改善には余り寄与しない、と言う考え方がバックグラウンドにあります。唯一、反対側の乳癌の早期発見と、温存術後の局所再発の早期発見のための、視触診を3〜6ヶ月毎に、とMMG撮影を年1回程度、その他の検査については病気の段階とその方症状に併せ、適宜行えば良い、と言うものです。これは既に一般にも広まっている『乳癌診療ガイドライン(2006年版)』にも既に収載されている情報になります。
主治医の先生の言うように、心配だからと言って闇雲に被爆検査を頻繁に行えば良い、と言う訳ではない、と言う事になりますので、もしも心配な症状がある様でしたら、主治医の先生とも良く相談しながら、Uさんの病状に併せた必要最小限の検査と適切な診察を受ける事をお勧めします。単に不安感が強いだけのようでしたら、カウンセリングなどを受ける事も毎日を快適に過ごす一つの方法です。(文責 矢吹)

 

No.6730】  07年06月13日  I.C.
乳頭からの血性分泌

はじめてメールさせて頂きました。よろしくお願いします。 
右側の乳頭から月3〜4回程度血液が混じった分泌物がでます。ここ3ヶ月ほどの事です。先月は出ませんでしたが、今月になってまた出血がありました。押すと出る程度で、下着につくほどの量はありません。気になってマンモグラフィ専門の病院(乳腺外科ではない)でみてもらいましたが、診察時に血液がでなかったので、しばらく様子を見ることになり、頻繁に血液がでるようなら再診と言われました。乳房には特に異常はなく、経過観察中です。37歳、子供2人、2人目の子供への授乳は2年前に終わりました。その後、おっぱいのようなものが毎日少し出ていました。乳腺炎は1人目(5年前)に一度だけなりました。3年前に卵巣腫瘍の摘出手術の経験があります。
1) 乳腺等の病気であれば、乳腺に針を刺して細胞を診る等の検査を行う必要があると聞きましたが、私のような症状でも調べる必要があるのでしょうか? 
2) 現在3人目を計画しており、このまま様子を見て、妊娠、出産、授乳に望んでいいものかどうか、迷っております。やはり切開などして検査、治療をしてからの方がよいのでしょうか?
3) 考えられる病気は何でしょうか? ガンの可能性もあるのですか?

以上です。ご回答よろしくお願いします。

1) 乳腺のしこりに細い針をさして調べる細胞診は、あなたの様な場合にはしこりが在りませんので出来ないと思います。しかし血性の分泌物は乳癌を疑わせるものですので、診察時に分泌物が見られれば、分泌物をとって細胞を診たり、分泌液の腫瘍マーカーを調べる必要があるでしょう。
2) このまま分泌物が減少してくる様でしたら、良いと思います。現段階では治療の必要はありません。
3) 乳管内乳頭腫などであることが多いですが、何らかの原因で単に乳管が損傷して血性の分泌物がでることもあります。勿論癌の可能性は否定できません。様子を見て分泌物が増えるようでしたら、また受診してください。(文責 吉田)

 

No.6729】  07年06月13日  N子
ホルモン療法中の生理について

昨年2月から7月まで術前化学療法を行い、8月に温存手術、9月から放射線60グレイ、12月からタスオミンを飲み始めました。現在44歳です。術前治療中に生理がとまりましたが、先日出血がありました。生理が再開したのでしょうか。もしそうなら、治療はタスオミンの服用だけでいいのでしょうか。次回の診察は来月の下旬になりますが、その前に診てもらったほうがいいでしょうか。病理の結果は詳しく聞いていないのですが、ホルモン陽性、HER2陰性、リンパ転移17個中3個、ステージUbです。よろしくお願いします。

生理が再開した可能性は十分にあると思います。受診を早める必要はありませんが、病理の結果からは、タスオミンだけではなくゾラデックスなどのLH-RHアゴニストを使用した方か良いと思います。(文責 吉田)

 

No.6728】  07年06月13日  M 
腋の下のしこりについて

腋の下のしこりについてお聞きします。私は22歳で子供はいません。2〜3年前からか私の脇の下に1cmに満たないくらいの小さな腫れ物のようなしこりができ始めました。しかし、それは右が治ったと思えば左の脇にできるのです。これは乳がんなのでしょうか?

乳癌ではないと思います。しかし何であるかは分かりません。もししこりが大きくなるようでしたら、お近くの病院で調べてもらう必要があるでしょう。(文責 吉田)

 

No.6727】  07年06月13日  M.T.
断乳後の乳首の固さが気になります

HPの相談室を拝見しました。6歳と2歳の子がいる33歳の母親です。上の子は母乳とミルクの混合で育てたのですが、下の子は完全母乳で8ヶ月まで育てました。その後、保育園に入れるために、ミルクと離乳食に切り替えました。上の子のときは、乳首には何も問題はなかったのですが、下の子の断乳後、乳首がずっと硬いままです。大きさも、元より一回り大きくなっています。硬いために、触られても自分で触っても痛い状況です。断乳後のケアが足りなくて難しくなってしまったのかとは思いますが、これは母乳が残っていて乳腺炎か何かになってしまったのでしょうか。そして、このままだと乳がんになるリスクも出てくるのでしょうか。断乳後、もう2年ほど経ってしまっていますが、何か元に戻す方法などはあるのでしょうか。乳がんの検査はまだ一度も受けたことがありません。よろしくお願いいたします。

元に戻す方法があるかどうかはわかりませんが、一度乳腺外来を受診して乳癌の無いこと確認しておくべきと思います。(文責 吉田)

 

No.6726】  07年06月13日  F.K. 
ノルバデックスとの関係について

2003年7月、39才時 右乳房温存手術を行い、センチネルリンパ生検、リンパ節転移無、ホルモン感受性 Er、Prg(+)、Her2(3+)です。術後治療は、放射線25回とゾラデックス10回で中止(副作用多大の為)、現在はノルバデックスのみ(5年間予定)服用しています。5月末のエコーで、子宮筋腫の疑いで婦人科を受診するように主治医に言われ受診したところ、子宮内膜が増大しており、子宮内膜ガンの組織検査を行いました。生理は2004年10月に戻りましたが、2007年1月より不順です。他、Ncc-st439変動有りだが、画像上、再発を認めない為、経過観察中です。
1) ノルバデックスと子宮筋腫との関係は、ありますか?
2) ノルバデックスの服用で子宮内膜ガンになる可能性は、ありますか?
3) もし内膜ガンの可能性がある場合、それでもノルバデックスを続ける必要がありますか?
4) ノルバデックスの副作用で週に3日間程度、首や肩の重圧感で頭痛を伴い、吐き気で寝込む事があります。何か良い薬はあるでしょうか?主治医は、ホルモン剤の副作用だから仕方ないと言います。我慢するしかないでしょうか?
5) 来年で術後5年目になりますが、ノルバデックスを止めても大丈夫でしょうか?

1)ノルバデックスと子宮筋腫とは関係ありません。
2)ノルバデックスを長期に服用していた場合、子宮内膜癌の発症が増加することはあります。
3)子宮内膜癌の可能性がある場合は、服用を中止して内膜癌の検査を行うことが重要です。
4)ノルバデックスの副作用としてあなたの様な症状はあまり聞いたことがありませんが、ロキソニンなどの鎮痛剤をためしてみては如何でしょう。
5)ノルバデックスの標準的な服用期間は5年であり、それ以上続けても再発率は変わらないとされております。(文責 吉田)

 

No.6725】  07年05月31日  クッキー
再発時のホルモン療法について

97年10月にステージUで温存手術を受け、リンパ節転移無し、97年10〜12月、25回の放射線、98年1〜6月抗がん剤(CMF)点滴の後、同7月からホルモン剤、タスオミンを2年服用しました。生理は、抗がん剤点滴開始3ヵ月後の98年3月から止まり、現在に至っています。術後8年の2006年1月に、胸骨1箇所と左右肋骨に各1箇所の骨転移が見つかり、主治医は、当面ゾメタとホルモン剤治療でいくということで、飲み薬はタスオミンの服用を再開しました。痛みはゾメタ開始後なくなりました。
1) 私の場合、今回は閉経後用のアロマターゼ阻害剤のフェマーラ等を服用した方がいいのではないかと思うのですが、タスオミンでいいのでしょうか?
2) 今年3月頃から右肋骨の痛みが激しくなり、オキシコンチン1日朝晩2回、10mg2錠I2回とロキソニン、毎食後1錠、1日3錠の服用を開始しましたが、痛みはなかなかおさまらず、主治医に告げたら「化学療法に変えましょうか」と言われました。再発治療当初、ホルモン療法には限界があるので、一定期間たったら、化学療法に切り替えると言われましたが、そのタイミングの基準というのは、一般にどれくらいなのでしょうか? 今回のように痛みがひどくなったということで化学療法に変えると、効果があるのでしょうか? 痛みは化学療法より飲み薬や放射線療法で、化学療法は全身転移へ進行している場合と解釈しておりますが、このタイミングで始めるのが妥当なのでしょうか? 現在は、CT検査では、肺、肝臓転移無し、腫瘍マーカー正常値内です。

以上、よろしくご回答のほどお願いいたします。

1) 閉経後であれば、どちらの選択も考えられるところです。もしも年齢的に閉経前後の年齢であれば、一度採血により閉経状態を確認することをお勧めします。
2) 痛みなども指標の一つとなるかも知れませんが、やはりCTなどの画像で病状により評価した方がよいのではないでしょうか。タモキシフェンで1年2ヶ月効果があったのであれば、病状が進行した時点でもう一度アロマターゼ阻害剤等のホルモン治療を施行してみてもよいかも知れません。ホルモン治療に抵抗性と判断されれば、抗癌剤治療を考えたらよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.6724】  07年05月31日  M
追加切除について

非浸潤性乳管がんで皮下乳腺全摘、同時再建しました。病理の結果、背中側が断端陽性ということでした。主治医は、「経過観察をして、しこりが出てから切除しても遅くはないので、追加切除はしなくてもよい」と言っています。手術をするとすれば、背中の脂肪を取るしかないとのことです。非浸潤であれば、乳管以外にはがん細胞は存在しませんよね。でも、断端陽性と病理医が結論を下したということは、やはりがん細胞が残っている可能性があるということでしょうか? 主治医は、乳腺組織はわずかながら残るとは言っていましたが、私の場合は、背中ぎりぎりまで広範囲に広がっていたので、断端陽性になるのを想定して、わき腹近くまで特に広めに切除したらしいです。乳腺がすべて取りきれているとすれば、乳腺組織の一番端までがん細胞が存在し、それによって断端陽性となったのでしょうか。現段階での追加切除は本当に不要でしょうか? また、妊娠を望むなら切除しておいたほうが安心ですか? よろしくお願いします。

乳腺組織は周囲の脂肪や靭帯にも入り込んでいることがあり、肉眼的には判断が困難な場合もあります。手術標本で断端陽性と判断されても癌が残っていない可能性もあり、また追加切除したとしても断端陽性となった部位だけを正確に切除することは困難であり、経過観察が現実的な選択と考えます。再建の方法によっては難しいかも知れませんが、再発危険部位に放射線治療を行うこともオプションとして考えられます。(文責 浜口)

 

No.6723】  07年05月31日  N 
乳がんの術後治療について(2)(HPNo.6667-2)

HPNo.6667にてご回答いただきまして、ありがとうございました。私の場合、「閉経前・ステージT・HER2陰性・リンパ節転移陰性・ホルモンレセプター陽性(ER+、PGR −)・グレード3」なのですが、今後はゾラデックス単独の治療を主治医から言われています。ゾラデックス+タスオミンとの治療と比較して、再発・転移の可能性はどの程度なのでしょうか。どの程度のリスクが想定されるのでしょうか。やはりグレード3であることが気にかかり、少しでも再発リスクを避けたいと考え、今からでも化学療法を取り入れられないか主治医の先生にその旨相談いたしましたが、当院では化学療法は術後1か月以内となっており、私のように術後約5か月経過してからの化学療法をはじめた前例もなく、主治医の先生自身、今までの病院でも実施したこともないと言われました。本当に数ヶ月経過後に化学療法を行うことは、現実的にできないのでしょうか。実施したとしても、効果およびリスクの面から、しない場合と変わらないのでしょうか。以上2点について、再度ご相談させていただきます。何卒よろしくお願い申しあげます。

閉経前早期乳がんに対するホルモン療法では、ゾラデックス単独にタスオミン(タモキシフェン)を上乗せした場合、無再発生存率はやや改善する傾向がありますが、統計学的には有意差はありません。化学療法については術後5ヶ月してからはじめた場合に、どの程度の有効性があるかは不明です。(文責 浜口)

 

No.6722】  07年05月31日  K.K. 
局所再発(HPNo.6623-4)

4年前、小葉癌の初期の温存手術をし、手術後は放射線を25回かけ、何事もなく定期検診を受けていたのですが、今年4年目にて局所再発をしました。再発は2センチの腫瘍で、生検の結果では小葉癌か硬癌の疑いがあるそうです。硬癌は予後がよくないと言う事をネットで良く見ますが、転移しやすいと言う事ですか? どちらにせよ定期健診をしていたのに発見が遅いのではと、主治医に多少不満があります。今回は他の転移はCT等ではないので、全摘をすれば良いといわれていますが・・・。やはり全摘が一番でしょうか? リンパは取らないそうですが、2センチの大きさでリンパを残す事は危険ではないのでしょうか? ましてや硬癌は予後が悪いのなら、なおの事リンパを残す事はどうなのでしょうか? 主治医は、MRIやCTではリンバは大丈夫そうだと言っていますが、MRIやCTでは分かりませんよね? 又、ネット等の情報では、局所再発は全摘をすれば治るとも書いてありますが、どうなのでしょうか? ご回答、よろしくお願いします。

硬癌は一般的に予後が悪いと言われますが、リンパ節転移の有無や病期の方が生存率に影響が大きいと考えられ、硬癌だからといってあまり心配しすぎることはないのではないでしょうか。CTやMRIでもリンパ節転移をある程度予測することは可能ですが、精度は必ずしも高くありません。前回どのような手術が行われたのかわかりませんのでコメントするのが難しいですが、腋窩リンパ節郭清を施行済みであれば乳房全摘で宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6721】  07年05月31日  M
妻の乳癌治療について(5)(HPNo.6210-5)

HPNo.6354(07年02月22日)でご質問させて頂いたMです。お忙しいところ恐縮ですが、再度アドバイス頂きたいことがあります。おかげさまで妻は東京の病院で1/10、1/30に2回のFEC、その後九州の病院で2回のFEC100、5/22に3回目タキサンまで完了し、下記のとおり腫瘍縮小が確認されているようです。(残りは6/12のタキサンで術前化学療法は終了)
【確定診断時(H19.1月)】
◆右乳房のしこりは5cm弱(一番大きいもの、腫瘍は複数あり)+リンパ腺への転移あり(複数で鎖骨下まで)
◆ステージは2b〜3bとのこと
◆鎖骨の上にはまだ腫瘍はなしだが、胸骨のほうまで広がりが見える(多発性)。左乳房は異常なし。
◆病理学の結果はnuclear gradeは核異型:2、核分裂:3でgrade3。ホルモンとHER2は陰性(triple negative)。scirrhous carcinoma(硬癌)。転移は肝臓、骨はなし、肺が5mm程度の気になる影が2個あり(癌かの特定不明)

【FEC100_4回完了時(H19.4月)】
◆画像上は右乳房のしこり(3cm弱に縮小)+リンパ節(1個半位)のみになった。その他の腫瘍は画像上は消失。
◆今後の予定は、6月末にMRI、CT、骨シンチの検査。早ければ6月中に入院→手術予定。温存可であれば温存、その後、毎日放射線を1ヶ月以上当て続ける。ただし、検査の結果で転移が見られなければ、放射線後の抗がん剤は現時点では予定なしとのこと。

私は東京在住、妻のみ九州で治療(妻もpositiveな性格で、細かいことは質問しない)のため、私も主治医の先生に質問する機会がないため、下記についてアドバイス頂きたいと存じます。
1) ステージの考え方ですが、初期診断で2b〜3b、その後術前化学療法で縮小していて、手術後の病理結果で良くなっている場合、一般的に予後などを予測するステージは初期or手術での病理、どちらが適用されるのでしょうか。
2) 手術は温存可であれば、温存でも問題ないのでしょうか。もともと多発性だったので、若干不安があります。
3) 放射線は温存の場合のみ必要となるのでしょうか。それとも全摘の場合でも必要なのでしょうか。また、実施効果と副作用等の懸念について教えてください。
4) 東京での診断、セカンドオピニオンのときは、手術後も抗がん剤になるかもしれないと言われていました。現時点の予定で、放射線後治療を何もしないことが一般的なのか、再発率が上がるのではと心配です(術前化学療法が効いているから、必要ない?)。抗がん剤はしなくても大丈夫でしょうか。また、抗がん剤をするなら、なんという薬になりますか。
5) triple negativeで抗がん剤(FEC)も結構効いていると認識しているのですが、術前化学療法で効いているので、予後も一般的に良いと理解して問題ないでしょうか。
6) St. Gallen Conferences 2007でtriple negativeについて新情報がありましたが、読んでみても私のような素人ではよく理解できませんでした。(アルキル化剤【←これはFECに入っている?】、シスプラチン、gefitinib、dasatinibというwordがあり、これらが有効であると読み取れました) 今後一般的な受けられる治療として何が変わるのか、何が変わる見通しがあるのか、何か情報があったら教えて下さい。

1) 基本的には治療前のステージで考えてよいでしょう。
2) 乳房温存手術により局所再発のリスクは増加しますが、生存率には影響ないと考えますので、それを理解した上であれば、可能であれば温存手術を行ってもよいでしょう。
3) 鎖骨の周囲や胸骨の裏にあるリンパ節は通常の手術で完全に取り除くことは困難であり、もし治療前の画像所見で広範なリンパ節転移を認めるのであれば、乳房切除後でもリンパ節に対する照射も考慮してよいのではないでしょうか。
4)6) 術前にアンスラサイクリン及びタキサンを含んだ治療を施行しており、術前及び術後化学療法としては十分な治療が行われており、現時点では更に上乗せ効果がある薬剤は確立されていません。
5) 術前化学療法が効いて病理学的に癌組織が消失した場合には生存率もよいと報告されています。(文責 浜口)

 

No.6720】  07年05月31日  G 
放射線治療

昨年9月25日に乳癌温存手術を受け、10月20日より放射線治療26回施行、12月より化学療法FEC100、今年2月よりタキソールを開始、あと1回で終了となります。放射線治療中より患部が二周りほど大きく張り、ズキンズキンとした痛みが伴います。照射中は水がたまっているせいと、主治医に再三水を抜いていただきました。しかし放射線治療が終了して半年経った現在でも大きく張ったまま痛みがひどいのですが、交替した今の主治医は「水はたまっていない、中には何もない。炎症を起こしているだけだから、時間が経てば自然に治るので様子を見るしかない」と言います。同じ検査画像を見ているのに、何故先生によって診断が全く違うのでしょうか? 炎症が起きていること自体は癌に影響ないのでしょうか? 放置したままで大丈夫なのでしょうか? よろしくお願いします。

術後の創部にリンパ液が貯留することはありますが、経過とともに収まっていくのが一般的です。ですから術後早期に穿刺を繰り返していても、だんだん必要なくなることはあると考えます。温存した乳房には手術や放射線の影響で炎症を起こしたりむくんだりすることはありますし、癌への影響はありません。しかし、稀ですがリンパ管内にがんが増殖し乳房が赤く腫れるような炎症性乳がん様の局所再発を起こすケースもありますので、主治医の先生によく診てもらうとよいと思います。(文責 浜口)

 

No.6719】  07年05月31日  M  
検査結果

40歳、既婚、子供が2人います。昨年末人間ドック(マンモグラフィー)をしたところ、「両乳腺異常・要精密検査」とあり、1ヵ月後ドックを行った病院に行きエコーをしました。左胸は問題なし、右胸に腫瘍があるとのことで、MRIを行いました。その結果、「良性の可能性が高いが、悪性も否めない」と言われ、3ヵ月後の要観察となりました。4月になり再度診ていただいたときも同じ結果だったので、不安になり乳腺専門の病院で診ていただくことにしました。そこではマンモでは何も写らなかったようですが、エコーでは右胸に12ミリ位の腫瘍がありました。ただその腫瘍が見えづらかったようです。縦だと写るが、横だと写らないようなことを話していました。「形的に良性かと思われる」と言ってくれましたが、針生検も行っていただきました(細胞診ではなく、針生検をしていたのは確かです)。その結果、所見なし、正常とのことでした。要観察でもなく、もう診ていただく必要もないとのことでした。ほっとしてはいるものの、前の病院との結果の違いに当惑しています。またエコーで写った腫瘍は何だったのでしょうか。通常腫瘍があると、良性だと乳腺症とかの診断がでると思っていたのですが、私のような場合もあるのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。

乳腺は年齢とともに脂肪に置き換わっていき、残った乳腺が腫瘤のように見えたり、乳腺症の所見の強いところが腫瘤を形成したりすることもあります。組織学的に腫瘍でないことが確認されたのであれば、今後は乳がん検診等を定期的に受けていけばよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6718】  07年05月31日  A.N
病院に行ってきました(HPNo.6658-2)

先日は丁寧な回答ありがとうございました。HPNo.6658にて回答いただいた者です。先週病院にて触診・マンモグラフィーの検査をしてきました。「分泌している液を調べたい」と言われたのですが、肝心な時に分泌液が出ず、結局触診とマンモグラフィーのみをしました。どちらも特に異常はないと言われ、ほぼ良性の腫瘍だろうということでした。次回超音波の検査と言われたのですが、病院がとても混んでいて一ヶ月以上先の日付になってしまいました。相変わらず異常分泌は続き、最初はさらりとした黄色い液体だったのですが、最近ではどろどろとした茶色っぽい液体になり、分泌量も増えているように思います。超音波の検査までに悪化してしまうんじゃないかと、とても不安です。別の病院にもかかった方が良いでしょうか? それともこのまま大人しく超音波検査を待っても大丈夫でしょうか? 再度の質問恐縮ですが、回答いただければ幸いです。

触診、マンモグラフィで腫瘤が認められないのであれば、進行癌が潜んでいる可能性は低く、超音波検査まで待ってよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6717】  07年05月31日  I.K.  
血乳について

今年2月末に出産し、現在3ヶ月、授乳中(33歳)です。25週での出産だったため、子どもはNICUに入院中のため、一日数回の直接授乳を除いては搾乳しています。2週間ほど前から、左の乳首の決まった穴からピンク色の血乳が出ます。小さな血の固まりのようなものが混じる場合もあります。頻度は3日に一度くらいで、毎回ではありません。一週間前に乳腺外科を受診し、エコーで診てもらいましたが、異常はありませんでした。受診時に血乳が出なかったため細胞診はしていません。先生は「余り気にしなくて良いのではないか」とのことでしたが、産後すぐの血乳は良く聞きますが、授乳を始めて3ヶ月もたっての血乳はあまり聞かないので心配です。また、決まった穴から、という点も気になっています。もっとも直接授乳のみであれば血乳にも気が付かなかったのかとも思いますが・・・。ちなみに昨年7月末にマンモグラフィーをした時も特に異常はありませんでした。授乳を開始して、ある程度時間が経ってからの血乳もありうるのでしょうか。授乳中の乳ガン診断は難しいというようなことをよく聞きますが、授乳中のエコーで、異常があればどの程度見つかるのでしょうか。血乳が出るのが数日に一度なので、病院で採取して細胞診をしてもらうことは難しそうです。家で搾乳した母乳を病院に持参して細胞診をしてもらうことは可能でしょうか。その場合、搾乳してから母乳を病院に運ぶまでの母乳の保存方法はどのようにしたらよいのでしょうか(例えば冷蔵庫に保存するとか)。2〜3日たった母乳でも細胞診は可能でしょうか。また、血乳でない白い母乳とまざっていても細胞診は可能でしょうか。もし、乳ガンであった場合、血乳の出る頻度や赤い血液の量は増加していくと考えて良いのでしょうか。もし、血乳がとまれば、乳ガンの可能性はなくなったと考えても良いのでしょうか。以上、よろしくお願いいたします。

授乳中の血性乳汁分泌でエコー、マンモグラフィで異常がないのであれば経過をみて宜しいのではないでしょうか。細胞診は新鮮な標本でなければ評価は困難であり、自宅で採取したものでは正確な評価はできません。(文責 浜口)

 

No.6716】  07年05月31日  S 
がん告知から手術までの期間について

41歳、月経有り(規則的)、左乳房・外下部におそらく2つ(1cmと5mm程度)のしこり。24日前に検査したところ、骨・肝臓・肺に転移なし。5つ、質問させて下さい。
1) 針生検をし、乳がんと告知されてから(混んでいるからという事で)1ヶ月と10日も経過した日に入院、その2日後に手術と言われました。これって遅くないですか?普通の流れですか。
2) その間、急激に悪化するケースというのは少ないのですか?
3) この一週間ほど、わきの下から背中にかけてと上腕が痛みます。左手小指がしびれているような気がします。がんの湿潤により、このような症状が出ていたとしても、今はただ、あと2週間後の手術を待つしかないのでしょうか。
4) 1期から2期、2期から3期に移行するスピード(期間・日数)は、どれくらいですか?
5) 両親は高齢で私ががんだということを、できれば伝えたくありません。どんな病名をいえばいいでしょうか。

申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

1) 乳がん手術を多く行っている病院ほど混んでいる傾向にあり、手術までの期間が長い傾向にあると思います。それ程遅いわけではないと考えます。
2) ほとんどありません。
3) がんの浸潤による症状である可能性は低いと考えますので、入院まで待ってよいでしょう。しかし、心配であれば主治医に相談に行ったらよいでしょう。
4) スピードはがんによりまちまちであり、不明です。
5) 基本的には事実をお伝えすることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.6715】  07年05月27日  K,M. 
乳頭について

現在43歳、昨年12月20日に右温存術後、2,3月に放射線照射を25回実施しました。しこりの大きさは1センチ、病期はステージ1で、現在ノルバディックスとゾラディックスの治療中です。気になるのは乳頭のことです。切開部分の乳輪にテープを貼りながら放射線治療を行い、テープは3月いっぱいはり続けていました。テープをはがすと乳輪部分の皮はむけたのですが、乳頭にだけ現在も固い皮のようなものが残っていてとれません。なんとなく当たると痛みも感じます。まさかパジェット病ではないかと心配しています。手術では十分に切除でき、低リスクだと言われていますが、ありえるのでしょうか?ご相談、よろしくお願いいたします。

放射線性皮膚炎や術後の瘢痕なども考えられますし、まずは主治医に相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.6714】  07年05月27日  S.U.
外科生検後

妻の右胸のしこりが、3月の定期検診で発見されました。その後、数回の検査を受けたのですが、はっきりとわからず、外科生検(切開)によって「乳がん」との告知を受けたのが5月11日でした。しかし、手術はセカンドオピニオンのところで受けることになりました。人気のある病院なので、7月上旬手術となりましたが、外科生検の後は癌細胞が活発になり、内臓転移もありうるとの話も耳にしております。6月上旬にMRIを行う予定ですが、しかし、待機時間が告知から2ヶ月というのは、やはり長すぎるのでしょうか? がん細胞が活発になることを考えると、もっと切り上げて手術を受けた方がよいのでしょうか? とても不安です。最初の病院のところでは、15mmほどのしこりだったとのことですが、セカンドオピニオンのところでは、まだ他にしこりがあるかもしれないとのことです。妻は49歳。HER2は(−)で、レセプターは++です。やや、俗説にまどわされているのかもわかりませんが、最初のドクターからは、外科生検についてのリスクの説明がなかったので、当惑しています。予後のいいようにしてあげたいとの思いです。どうかよろしくお願いいたします。

乳癌治療を多く行っている病院であれば2-3ヶ月待ちはそれ程珍しくありませんし、それによって再発リスクが高くなるとのデータはないと考えます。あせらず、治療を希望する病院で治療を受ければよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6713】  07年05月27日  H.H. 
中間リスクのホルモン療法について

先生方の的確なお言葉に頭が下がる思いでいつも拝見しております。初めてですので、どうかよろしくお願いします。
2005年12月13日温存手術、リンパ 郭清レベル1〜3、放射線46グレイ、手術時年齢49歳、現在50歳、ER 95%、PGR 95%、HER2 2+、FISH不明、2×1センチ、硬癌、リンパ節転移(0/22) 、grade1、atypia 2、mitoticcounts 1、 ly(+) v(+)。
2005年12月より、ゾラデックス5年と、抗癌剤UFTは3年ということで始める。2006年3月から2007年3月までエンドキサンを二日に一錠始めたが、白血球が2500前後が半年以上続くので、免疫力を高める為にやめた。ザンクトガレン国際会議の推奨治療からは外れているのに気づき、2007年4月タモキシフェン併用をお願いし始める。
1) HER2 2+ですが、ゾラデックスとタモキシフェン併用療法で5年よろしいでしょうか。 
2) 中間リスクなのですが、エンドキサン経口はやめていて、抗癌剤はUFTだけですが、エンドキサンを再開したほうがよいでしょうか。今からでも、その他にしてみるものはありますか。
3) タモキシフェンの副作用で気分が大変不安定です。2007年5月2日に膀胱炎。ゾラデックスの副作用か中性脂肪が2006年3月418、4月615極端に上がり脂肪肝、8月から内科でべザトールSRをもらい飲んでいます。このところめまいやふらつきがあります。副作用はこのようなもので許容範囲でしょうか。
4) タモキシフェンを5年続け、閉経後アロマターゼ阻害剤に変えていけばよいでしょうか。
5) 再発リスクがわかれば教えてください。

お忙しいところ恐縮ですが、なにとぞよろしくお願いします。 

ホルモン感受性であり、今の治療でよいのではないでしょうか。経口抗がん剤の併用は不要と考えます。しかし中性脂肪の上昇や脂肪肝はゾラデックスよりもタモキシフェンの副作用である可能性が高いのではないでしょうか。タモキシフェンを中止し、ゾラデックス単独を考慮してもよいのではないでしょうか。閉経後はアロマターゼ阻害剤に変更は選択のひとつです。あくまでも参考ですが、Adjuvant onlineによれば10年間の無治療での再発リスクは5.5%です。(文責 浜口)

 

No.6712】  07年05月27日  K.O. 
乳ガン検診の結果(HPNo.6699-2)

先日HPNo.6699でお世話になりました。ご回答していただき、ありがとうございました。細胞診の結果、線維腺腫と診断されました。クラス1,2のところに丸はなく、negativeのところに丸がはいっていました。今後の治療方針は、4ヶ月毎のエコー検査で経過観察する、もしくは、外来でしこりをとってしまうとのことでした。私としては、今すぐにでもとりたいと希望したのですが、先生はしこりをとることにあまり積極的でない感じで、次回1ヶ月後の診察までによく考えるように言われました。
1)negativeとは、クラス1もしくは2と考えたらよいのでしょうか?
2)画像では良性とは言い難いのに経過観察で様子をみるということは、今回はたぶん良性でまちがいないが、今後の経過で癌になることも十分考えられるということでしょうか?
3)今は2センチ程なので、外来で局部麻酔でとれると言われました。先生がとることに積極的でないのは、胸にキズが残る以外に、とることのデメリットがあるからなのでしょうか?(しこりをとることで刺激になって癌ができやすいとか、キズのせいで癌の発見が遅れがちになるとか)

私は父を食道癌(57才)、母を直腸癌(42才)で亡くしているため、いつも癌の不安を感じています。今後、しこりに癌の危険性が1%でもあるのであれば、しこりはとりたいと思ってます。

1) 報告書の形式は病院によって異なることがあり、はっきりとしたことは言えませんので主治医に聞いて下さい。
2) 良性の可能性が高いので経過観察との判断だと考えますが、最終的には組織診断でないと確定診断はつきません。
3) キズが残ること以外には局所麻酔のアレルギーや出血、感染などがあげられます。癌ができやすくなることはありません。(文責 浜口)

 

No.6711-1】  07年05月27日  shour
炎症性乳がんの抗癌剤治療について

初めてメールさせていただきます。4月末に炎症性乳がんと診断された母(62歳)についての相談です。よろしくお願いいたします。
昨年10月か11月の健康診断で「左胸に小さい石灰化が見られるけれども、良性だろうし心配ありません」といわれていたそうです(マンモを2回実施したそうです)。それが今年1月末くらいに左乳房に赤みがあるのを発見し、そのうちおさまるだろうと思っていたら引かなかったため、4月中旬に健診した施設にいったところ即細胞診を実施され、次週にMRIを行う…といわれました。不安になり、市内の大学病院に出向くと、一目で「皮膚炎なんかじゃないですよ、余裕がないです」と言われ、針生検、翌週に骨シンチ、CTと進みました。5月頭に炎症性乳がんで、内臓・骨に明らかな転移はないけれども鎖骨のリンパ腺まで転移しており、ステージ(?)VCと診断されました。(蝕知可能なしこりが二つ、細胞診結果悪性と判明)癌のサイズなどは分からないのですが、組織診の結果はホルモン陽性(E(+)、P(-))、HER2:3+だそうです。
主治医の治療方針は、「FEC(4クール?)→タキサン系+ハーセプチン→手術→ホルモン療法」の流れで考えているそうで、5/29にFECの2回目です。1回目投与では投与の晩に1回吐き、3日目までは気持ちが悪く、物が食べられないようでしたが、その後は徐々に食欲は回復しました(吐き気が強いときは「もう嫌だ」といっていたそうですが、今は「この程度なら続けられそうだ」といっています)。投与2週間後の白血球は1500、好中球が300でGCSFを投与しました。脱毛は数日前に始まりました。炎症性乳がんで鎖骨のリンパに転移していることもあり、状況は結構厳しいのではないかと思っています。しかし抗癌剤の効果はこれからだと思いますし、選択可能な薬がいくつかあること、主治医の先生が母の話を聞き丁寧に教えてくれることもあり、いい先生に出会えたのだし、あまり悲観しないようにしようと思い、母にもそう伝えています。本来ならば主治医の先生にお尋ねするべきことなのですが、実家が離れており、診察がある日に付き添えないため、こちらで尋ねさせていただければ幸いです。
1) がんのタイプがホルモン陽性であるので、ハーセプチンだけでなく、エストロゲンの受容体をブロックするような薬剤も使った方がいいのではないか?(そのような薬があるかどうか、承認されているかどうか分からないので、あくまで素人考えで申し訳ないのですが…)
2) 抗癌剤治療中(特にFECなど)は食べられないこと、また疲れやすく外出する気になっていないということもあり、体力、気力の面が非常に心配になっています。抗癌剤の邪魔をせず、本人に元気をつけさせ治療の一助となるような、がん治療中でも使用可能な漢方薬にお心当たりはありませんでしょうか?

来週の診察時に本人からも主治医に聞いてみるように勧めてみますが、いつもいっぱいいっぱいで、自分から聞くのは無理な可能性が高いです。一般的なお答えでも、先生方の個人的なお考えでも結構ですので、何かお教えいただければ幸いです。私自身が線維腺腫といわれ、このサイトを発見・拝見していたのですが、母の告知の際にもある程度知識があったため慌てずに付き添い質問することができました。サイトの存在、および運営されている先生方に大変感謝しております。どうかよろしくお願いいたします。

1) 炎症性乳癌は非常に治療の困難な乳癌であり、手術よりも抗がん剤治療などの全身療法が大事です。ホルモン感受性、HER2陽性の再発乳癌に対してはハーセプチンにホルモン療法の併用が生存期間を延長するとの報告もありますが、炎症性乳癌に対してはまずはハーセプチンを軸にした抗がん剤治療を薦めます。
2) 抗がん剤治療は副作用があり楽な治療ではありませんし、癌の告知を受けた患者様は落ち込んだり、元気がなくなったりすることはある意味で正常な反応であると考えます。まずは精神面でのサポートを考え、家族だけでの対応が困難であれば、精神科などでお話を聞いてもらうのもよいかも知れません。(文責 浜口)

 

No.6711-2】  07年08月16日  shour
炎症性乳がんの治療について

母の炎症性乳がんの件で、No.6711でお世話になりました。その節はありがとうございました。FEC×4→ハーセプチン+タキサン系→手術という予定で治療を開始し、先月FEC×4を終了し、効果判定ということでCTを実施しました。画像を見せていただき、『「小さくなっている」ということで、9月頭に手術という方向で』というお話をされました。手術できない状態から出来る状態になったので、いい方向であるのだろうと思い、当日は気になりませんでした。しかし当初予定されていたFEC→ハーセプチンをやらないで手術に移ることが気になってきて質問させていただきました。母のがんのタイプは、組織診の結果で、ホルモン陽性(E(+)、P(-))、HER2:3+、鎖骨のリンパに転移しておりステージVC(鎖骨リンパのしこりは現在は見えなくなっています)、腫瘍の大きさは聞いておりません。

1) 組織診の結果からハーセプチンが効くタイプだと思うのですが、当初の予定通りハーセプチンも使用してさらに小さくしてから手術という選択肢はないのでしょうか? 素人考えでは、もっと小さくなるのでは…と思ってしまうのですが、「手術が出来る状態になったら即手術」の方がいいのでしょうか?
2) 8月は予定が一杯で9月の手術になるから間も空くというこで、先月末にもう一回FECを投与しました。今までFECは3週間の間隔で投与でしたが、次回の診察予定は8/20ころ(投薬はない予定です)、手術予定は9月頭で、さらに2週間ほど空いてしまいます。この空白期間は悪影響にならないでしょうか?
3) 次回診察時に手術の詳細を伺う予定です。母の希望で家族全員が付き添う予定ですが、人数が多くてもいいのでしょうか?(病院や主治医によって違うとは思うのですが…申し訳ありません) また、その際に注意してよく聞いておくポイント、知っておいた方がいいポイントなどはありますでしょうか?(全摘ですといわれています)

まとまらない長文で申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。

1) FEC4クール施行したことで、腫瘍が小さくなりまた鎖骨下(鎖骨上?)リンパ節も触れなくなったことで手術可能と判断し、主治医の先生は手術に踏み切ろうと言われているのだと思います。ただ貴女のおっしゃるとおり、タキサン系やハーセプチンをさらにかぶせてから手術施行するのももちろん立派な選択肢であると考えられ、どちらがよいかはおそらく結論の出ない問題になると思います。いずれにせよ炎症性乳癌は前回の回答でも述べられているように乳がんの中でも特に”難敵”であり、抗がん剤、ホルモン剤、分子標的治療薬(ハーセプチン)、放射線療法などに加え、手術療法を組み合わせた”集学的治療”で立ち向かうことが必要であり、それらの順番は状況に応じて選択することになると思います。
2) この程度では悪影響はまずないと思います。
3) 医師の立場から言わせていただきますと、病状や治療の説明などの際に多くのご家族の方にきていただけることは、とてもうれしくまた心強いものです。ぜひみなさんでよく説明をおききになり、わからないことはすべて質問していただきたいと思います。ただ説明する場所やいすの数の問題などがあるかもしれませんので、多人数の場合あらかじめスタッフの方に人数をお伝えしておけば間違いがないと思います。その際、上記で述べたように多くの治療の組み合わせが今後も必要となってゆくと考えられますので、そのあたりの流れを主治医の先生からよくお聞きになることが必要と思います。また家族としてどうかかわっていくかなどを主治医の先生とお話されるのもよいかもしれません。お母様のために今後もぜひがんばっていただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.6711-3】  07年09月02日  shour
炎症性乳がん術後について

No.6711、7029でお世話になりましたshourと申します。こちらの相談室で助言をいただいたおかげで主治医に術前化学療法について質問をし、納得行く回答をいただけました。ありがとうございました。手術が9/3に決定し、先日術前の検査と説明を受けてきた母から聞いた内容に関して分からない点があり、再度質問させていただきます。
母のがんのタイプは、化学療法前の組織診の結果で、ホルモン陽性(E(+)、P(-))、HER2:3+、鎖骨のリンパに転移しておりステージVC(鎖骨の上に見えたしこりは現在は見えなくなっています)、腫瘍の大きさは化学療法前は8cmくらいだったそうです。今は5cmくらいとのことでした。術後にハーセプチン(を含む治療か単独かは「?」)→放射線の順番で治療するそうです。今までの相談を拝見していると、順番は問題ないのかなと思っております。
1) ハーセプチン投与は一般的にどのくらいの期間になるのでしょうか?
2) ハーセプチン後の放射線照射は前回の説明では「胸部と鎖骨」(化学療法前に鎖骨上?に腫瘍があったため)ということでしたが、今回の説明で「全身です」と言われたそうです。術後照射は胸部、リンパ節くらいと思っていたので意外だったのですが、全身照射はよくあることなのでしょうか?
3) 2の「全身照射」ということで、母が「全身に転移があるのではないか」と怯えてしまいました。化学療法前後のCTでは「明らかな転移はない」ということだったのですが、全身照射は既に転移していることを意味しているのでしょうか? それとも「小さな転移がある可能性」を見越してなのでしょうか?
4) 手術はリンパ節はレベル3までのかく清で、ドレーンを設置するそうです。リンパ浮腫は高頻度で起こるものでしょうか?(リハビリは強く勧めるつもりでおりますが…)

度々お手数をおかけしてしまい誠に申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

1) 現時点では,1年間です.
2)3) 放射線照射は,ハーセプチンと同時に行ってもよいとされています.しかし,乳癌の治療として全身の放射線照射をすることはありません.やはり,あなた御自身が,主治医から直接説明を受けるべきです.
4) リンパ節郭清に放射線照射を追加すると程度に差はありますが,リンパ浮腫頻度は高くなります.(文責 徳田)

 

No.6710】  07年05月27日  S 
母の転移について その2 (HPNo.6686-2)

No.6686でご回答いただきましてありがとうございました。このような形式でご質問できるのは、大変心強いです。もう2点、お聞きしたいことがございましてメールいたしました。
1) 転移と原発は何をもとに判別されるのでしょうか。細胞診の結果は「鎖骨上リンパ節 クラスX」でしたが、これだけでは転移か原発かの区別はつかないものでしょうか。もしや母は原発の可能性もあるのかと思いまして。しこりの場所は鎖骨上と書きましたが、正確に表現しますと、手術した側(右側)の鎖骨のくぼみと、その場所から肩の方に(後方に)ずれた場所にあります。
2) 転移と原発では治療法が変わってきますか。
3) こちらでのアドバイスをもとに主治医と相談のうえ、治療はハーセプチン単独からにしていただこうと考えていますが、ホルモン剤も併用した方が効果が期待できますか。フェマーラフェマーフで効果がなかったので、別のホルモン剤、フェマーラよりも強いホルモン剤がよろしいですか。その場合、種類もお教えいただけますか。

以上、お忙しいとは存じますが、再度お教えいただけますでしょうか。何卒よろしくお願い申し上げます。

1)  乳癌のリンパ節転移とリンパ節原発の悪性腫瘍では組織型が違いますので、十分な細胞量が採取できれば細胞診でも推定される組織型で判断可能と考えます。
2)  変わってみます。
3)  ホルモン剤使用中の再発であればホルモン治療抵抗性と考え、化学療法主体の治療を考慮するのが一般的です。(文責 浜口)

 

No.6709】  07年05月26日  S 
妻の肺転移について

3年前に左乳房へがんが見つかり、部分切除後、放射線治療、ホルモン療法を行ってきましたが、昨年末左肺にがんが見つかりました。乳がんからの肺転移の為、部分切除となりました。その後CEF6回投与治療中ですが、今後の治療方針などで悩んでおります。アドバイスを御願いいたします。

乳がんの肺転移は手術で病巣を取り除いても、目に見えないレベルでがん細胞が他にも残っていると考えられ、完治することは困難です。化学療法やホルモン療法をうまく施行していき、がんとうまく共存していくというのが基本的な治療方針となります。CEF終了後に画像上明らかな再発が認められなかったとしても、タキサンなどの化学療法やホルモン感受性であれば、ホルモン療法などの治療を続けることが望ましいと考えます。(文責 浜口)

 

No.6708】  07年05月26日  M.C
びまん性多形成石灰化

先日、会社の健康診断(人間ドッグ)で初めてマンモグラフィー検診を受けました。43歳会社員、既婚ですが、出産経験はありません。検査結果が「びまん性多形成石灰化」ということで判定結果が「C」、定期的に検診を受けるようにというコメントでした。検診結果が郵送でペーパーが来ただけですので、詳しいことは不明です。この「びまん性多形成石灰化」とはどのようなことなのでしょうか?また、早い段階で一度、専門機関で検査を受けなおしたほうが良いのでしょうか?

マンモグラフィでみられる石灰化の多くは乳腺症などの良性疾患の伴うものですが、中には乳がんとの鑑別が必要な石灰化があります。両側の乳房に同様の石灰化がある場合には良性がほとんどですが、片側性だったり、それぞれの石灰化がごつごつしている場合には乳がんの可能性もあり注意が必要です。質問の内容からはどちらの可能性も考えられ判断しかねますので、やはり一度専門医を受診することをお勧めします。(できれば健診で撮影したマンモグラフィを持っていくとよいでしょう)(文責 浜口)

 

No.6707】  07年05月26日  S.T. 
PET検査の必要性(HPNo.4871-4)

HPNo.4871で、ご相談にのっていただきました。その時にはお世話になりました。今回もよろしくお願いします。昨年夏に部分切除をし、病理検査でも癌は消えておりました。その後、ホルモン療法を受けています(注射と薬です)。これからの検査の事についてお教えください。年1回のPETの検査は必要でしょうか? お願いします。

乳癌の術後にPET検査を定期的に受けることが再発の早期発見につながり生存率の改善につながるという証拠はないですので、必ずしも必要な検査ではないと考えます。一般的にもルーチンで施行している病院は少ないのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6706】  07年05月26日  K.T.
男性の胸のしこりについて(2)(HPNo.6690-2)

HPNo.6690の質問をさせていただいたものです。ご回答を拝見させていただきました。お忙しい中、本当にありがとうございます。一応前に診ていただいた総合病院の方も乳腺外来の専門の方だったのですが、それでも長い間しこりに変化がない場合は、もう一度乳腺外来の先生に診ていただいた方がよろしいのでしょうか? 実際のところ、以前より少しは小さくなってきたような気もするので、もう少し様子を見て引かないようであれば病院で診てもらおうと思います。ご回答本当にありがとうございました。そして繰り返し質問が入ってしまい申し訳ありません。

乳がんであれば徐々に大きくなる可能性が高いので、変化しないもしくは小さくなっているのであれば、やはり女性化乳房の可能性が高いと考えます。しかし乳がんでもゆっくりと大きくなることもあるので、心配であれば乳腺外来を受診し、必要であれば超音波検査や細胞診を施行したらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.6705】  07年05月26日  T 
パジェット病なのでしょうか?

初めてメールさせていただきます。私は今、20才です。最近テレビで20才で乳ガンになってしまった女性がいることを知りました。私自身乳ガンについて少し思いあたる症状があり、色々とインターネットで調べていたのですが、気になって眠れないのでお聞きします。今日、右胸の上の方に赤い小さな腫れを見つけました。触ってみると奥の方までつまめて、しこりになっていました。うちの家系は昔から癌家系でしたので、気になって調べてみたら、パジェット病という皮膚癌にいきあたりました。そういえばもう、何年も前から乳房に痒みをともない、ただれて汁が出ているという症状が続いています。恥ずかしくて誰にも相談できず、一時期治ったりもしていたので、またいつか治るだろう、単なるただれと気にしていなかったのですが、今考えてみると、いつからなったのか、はっきりとした原因も思いあたらず、癌の症状ばかりが当てはまります。明らかにもう3年はずっと続いている症状なのですが、やはりパジェット病なのでしょうか? お返事お待ちしています。

パジェット病は乳頭部にできる特殊な乳がんで、乳頭部の赤み、ただれが主な症状です。診断のためには、ただれた乳頭、乳輪の組織をとって病理で確認します。症状からは乳頭部の皮膚炎でも説明がつき、パジェット病の可能性は低いと考えますが、心配であれば一度専門医を受診することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.6704】  07年05月25日  T.K
ブラジャーの汚れ

お忙しいところ申し訳ありません。どうぞ宜しくお願い致します。私は35歳、1児の母です。今回ベージュのブラジャーを何気なく見てみると、両方の乳首が触れる部分が脂分が付いているかのように濃くなっていたのです。このブラジャーは数ヶ月前から着用しており、最近買った黄色のブラも薄く色が変色していました。乳首を見てみると、乳白色のカスが付いており、絞ってみると、右はうっすらと透明のような色の付いている液体が出てきました。H15年7月に出産し、H17年2月に断乳しました。気になるのは、妊娠6ヶ月のときに、おっぱいマッサージしているときに、両方の乳首から鮮明な血が少量出て、念のため細胞診検査とエコーをとってもらいましたが、乳腺が張っていたので、「正確にはわかりませんが、今のところ大丈夫です」と言われました。出産後も2日は少量の血が混じっていましたが、それ以降は血が混じることなく、1年7ヶ月母乳で育てました。乳がんだったらどうしようと不安です。ちなみにしこりはなさそうです。よきアドバイスお願いします。

両側同時に乳がんになる可能性は低く、あまり心配しないでよいと考えますが、血性の分泌物が続く場合には要注意ですので、その時には専門医を受診して下さい。(文責 浜口)

 

No.6703】  07年05月25日  L  
抗癌剤、CAF かCMFかで迷っています

57才、既婚、子供あり。両側乳癌。病理診断等の結果、左右胸ともリンパ節転移なし、左乳癌ステージ2A、硬癌、グレード1、腫瘍径3.5センチ、右乳癌 腫瘍0.8センチ、小葉癌。左はホルモン・レセプターどちらも+、HER2は−。脈管侵襲、軽度にあり、断端陽性(左胸1ヶ所、右胸2カ所)ありでした。術後治療は〓抗癌剤→〓放射線とホルモン療法。抗癌剤はCAFの提示が主治医からあり、説明の紙には、生存率5%ダウンでも脱毛等少ないCMFもあり、となっていました。選択に悩んでいます、宜しくアドバイスお願い致します。

主治医からの説明の通り、生存率を重視するのであればCAFを、多少効果が少なくても脱毛等の副作用が軽い方がよければCMFを選択するということになるのではないでしょうか。個人的には後で後悔しないためにCAFを勧めますが、主治医の先生とよく相談して決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.6702】  07年05月25日  T.T
乳がんの放射線治療について

34歳です。2006年9月に乳がんステージUBと診断され、術前化学療法CEF+タキソテール後、乳房部分切除術+リンパ節郭清しました。病理結果は、「エストロゲン+、プロゲステロン-、核異型度3、HER2 2+、リンパ節転移がレベル1に4つ」とのことでした。今、放射線治療中ですが、温存乳房と鎖骨リンパ節に照射しています。乳房全摘術ならば、リンパ節転移4つ以上ということで、傍胸骨リンパ節にも照射することが多いと聞きますが、温存だと技術的に無理だと言われました。私の場合、傍胸骨リンパ節に照射できないことが、どれくらいのデメリットになるのですか? そもそも、こんなにたくさん転移があるのに温存術は無理があったのでしょうか?

乳房を全て切除したからといってリンパ節を多く取れるわけではありませんので、乳房温存手術を施行したこと自体に問題はありません。乳房温存療法後の胸骨傍リンパ節転移のリスクは0-2%程度と低く、胸骨傍リンパ節への照射が生存率を改善する根拠はなくデメリットはほとんどないと考えます。(文責 浜口)

 

No.6701】  07年05月25日  M
脇の下リンパ節転移について(2)(HPNo.6674-2)

早速のご回答くださいましてありがとうございます。昨年四月、自分の希望もあり、左乳房全摘出手術を行いました。脇の下のリンパ節に一個転移していました。リンパ管ly(+1)静脈(−or0)、脂肪(+)乳腺(+)、ホルモン共に(+)、HER2(+1)、悪性度は2〜3、との病理結果でした。
1) 以前こちらの相談室で、静脈よりリンパ管浸襲の方が、転移・再発しやすいと拝見しましたが(私の記憶違いでしたら申し訳ございません)、そうなのでしょうか?
2) 主治医の先生に「硬ガンでリンパに転移しているので、再発・転移のリスクは高い」と聞いております。私の場合、無治療で、5年健存率、10年生存率はどのくらいでしょうか?
3) 術後タスオミン、リュープリンの治療を、術後5ヶ月経過してからCEF4クール行いました。今年2月のCT、骨シンチ、血液検査では異常は見られませんでした。今後、タキソール、または他の抗がん剤で予防するかどうか迷っております。私の年齢は44歳、断片(−)、腫瘍の大きさ1.5×1.5×1.3センチでした。また、術前の腫瘍マーカーは正常範囲以内でした。が、肺に3ミリの水がたまって見られるが、7年前の胸膜炎の跡かどうか小さくてわからないので、今後様子を見ましょうとのことでした。どうぞよろしくお願い致します。

1) リンパ管侵襲に比較して静脈侵襲の頻度は少なく、予後に関連する因子としては一般的にはリンパ管侵襲が重視されていますが、両者を直接比較してどちらが再発しやすいというわけではありません。
2)3) 乳がん患者さんの予後を予測するAdjuvant onlineによれば無治療での10年無再発生存率は81.5%です。現在の治療による生存率は91.2%となります。ホルモン療法がよく効きますので、タキサンによる上乗せ効果はそれ程無いのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

↑ ページ先頭へ戻る