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相談室(No.7201〜7300)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

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担 当

7300 07/10/21 アグリ 術後はじめてのCTを撮りました(2)(HPNo.7262-2) 片山
7299 07/10/21 DL ホルモン治療方案ご質問(HPNo.7041-5) 片山
7298 07/10/21 H.H 再発の疑いについて  片山
7297 07/10/21 K  肝臓転移について 片山
7296 07/10/21 M,S.   遠隔転移を疑った方がいいのでしょうか? 片山
7295 07/10/21 H  乳がん術後の治療について 片山
7294 07/10/21 M  胸部レントゲンでの所見について  片山
7293 07/10/21 R  めまいと吐気 片山
7292-1
7292-2
07/10/21
07/12/10
Y.A. 温存手術の可能性
今後の再発の危険性と治療方針について
片山
俵矢
7291 07/10/21 M.I. 乳がんと胃がん 片山
7290 07/10/21 N タキソールは不要でしょうか(HPNo.7194-2) 片山
7289 07/10/19 R  ノルバデックスの内服について 比嘉
7288 07/10/19 Y.H.  現在の状況について 比嘉
7287 07/10/19 K.N. 腫瘍マーカー 比嘉
7286 07/10/19 T・K 骨転移の治療法について 片山
7285 07/10/19 M  乳がんの可能性はあるのでしょうか? 片山
7284 07/10/19 N  石灰成分を多く含んだ乳瘤 片山
7283 07/10/19 R 胸骨傍リンパ節? 片山
7282 07/10/19 Y 乳癌検査 片山
7281 07/10/19 J.M.  ノルバデックスを服用すべきかどうかについて(2)(HPNo.7258-2) 片山
7280 07/10/17 F・F マンモグラフィ 片山
7279 07/10/17 F  MRI検査について(HPNo.7261-2) 片山
7278 07/10/17 K.S 術前化学療法中です 片山
7277 07/10/17 S.M.  要精密検査 片山
7276 07/10/17 M.O. 皮膚への転移 片山
7275 07/10/17 O.Y. ナベルビンの副作用、血管痛について 片山
7274 07/10/17 k m タキサン系か? ゼローダか? 片山
7273 07/10/17 T子 乳房切除後のしこり(2) (HPNo.7222-2) 片山
7272 07/10/17 M.O.  非浸潤癌、乳房全摘後のホルモン療法について 片山
7271 07/10/17 C.K. 癌の疑いは無いのでしょうか? 片山
7270 07/10/15 D 乳がん手術の後、傷口から膿がでました 石川
7269 07/10/15 T  術後の痛みはいつごろまで続くものでしょうか? 石川
7268 07/10/15 H.M ホルモン療法剤とトランサミンについて 石川
7267 07/10/15 S   良性のしこりが悪性に変わることはありますか? 石川
7266 07/10/15 Y.M.  骨髄転移の今後の治療法について 石川
7265-1
7265-2

7265-3
07/10/15
07/11/01
08/10/11
M&M 血性分泌物と自分の癌のタイプについて
血性の分泌物
癌の可能性は?
石川
加藤
高橋
7264 07/10/15 S.S. 治療法について (HPNo.7215-2) 石川
7263 07/10/15 H.Y. 乳がん グレードW 石川
7262-1
7262-2

7262-3
7262-4
7262-5
7262-6
07/10/15
07/10/21
07/11/04
07/11/10
08/03/01
08/09/17
アグリ 術後はじめてのCTを撮りました
術後はじめてのCTを撮りました(2)
術後はじめてのCTを撮りました(3)
今後の治療について
今後の治療について(2)
無治療ですが・・・
石川
片山
清水
清水
鈴木
清水
7261-1
7261-2
07/10/15
07/10/17
F  MRI検査について
MRI検査について(2)
石川
片山
7260-1
7260-2
07/10/15
07/11/01
T.M リンパ節転移数について
ステージ2?ステージ3?
石川
加藤
7259 07/10/15 M.S.  授乳中の乳がん検診について 石川
7258-1
7258-2

7258-3
07/10/15
07/10/19
07/11/01
J.M. ノルバデックスを服用すべきかどうかについて
ノルバデックスを服用すべきかどうかについて(2)
腫りゅうの摘出
石川
片山
清水
7257 07/10/15 k m 抗がん剤感受性試験 石川
7256 07/10/12 IT  術後抗がん剤治療について(HPNo.7095-3) 緒方
7255 07/10/12 S  乳癌の進行 緒方
7254-1
7254-2
07/10/12
07/12/18
M.S. 手術待ち2ヶ月は大丈夫ですか?
病理結果による断端陽性および抗がん剤について
緒方
俵矢
7253 07/10/12 E  エンドキサンを足しての治療法について 志茂
7252 07/10/12 X  ホルモン療法について 志茂
7251 07/10/12 A  線維腺腫がある場合の薬の服用について 志茂
7250 07/10/12 Y 温泉の成分について 西川
7249 07/10/12 N.N.  手術について 西川
7248 07/10/12 MS ノルバデックス単独治療 西川
7247 07/10/12 S.H. 術側腕の赤みと腫れ 西川
7246 07/10/12 Y.W.  本当に癌なのでしょうか? 西川
7245 07/10/12 腫瘍熱とは(HPNo.6879-3) 西川
7244 07/10/12 M 乳がんの進行速度について 石川
7243 07/10/12 T  細胞診、短い期間に2度やっても平気? 石川
7242 07/10/12 H  右脇下の痛みとしこり 石川
7241 07/10/12 K.K. 30歳 抗癌剤 石川
7240 07/10/12 T.T.  乳がんの検査について 石川
7239 07/10/12 M.M. 多発性乳がんですか? 石川
7238 07/10/11 Y.O 放射線治療 石川
7237 07/10/11 Y 胸の痛みと術後の検査について 石川
7236 07/10/11 M.M.  非浸潤がんの治療など 石川
7235 07/10/11 Y.T. 家族性乳癌のこと 石川
7234 07/10/11 K.T. 右腋窩にしこりがあります 石川
7233 07/10/10 koko 『乳がん』でしょうか? 石山
7232 07/10/10 Y  術後治療について 石山
7231 07/10/10 M.I.   非浸潤がんの術後の再発について(HPNo.6364-3) 石山
7230 07/10/10 ミルク 乳頭の分泌物(2)(HPNo.7219-2) 石山
7229 07/10/10 J 乳がんの進行速度について 石山
7228 07/10/10 KN 放射線、短期照射(HPNo.7217-2) 石山
7227 07/10/10 K   乳房全摘後の化学療法について 石山
7226 07/10/10 心臓・下大静脈について 石山
7225 07/10/10 U  ホルモン剤治療 石山
7224 07/10/10 T.K.  今後の経過観察について 石山
7223 07/10/10 O  肺転移 石山
7222-1
7222-2
07/10/10
07/10/17
T子 乳房切除後のしこり
乳房切除後のしこり(2)
石山
片山
7221 07/10/10 T.T.  MRIの画像などについて 石山
7220 07/10/07 スカイ 脇の脱毛について 石山
7219-1
7219-2
07/10/07
07/10/10
ミルク 乳頭の分泌物
乳頭の分泌物(2)
石山
石山
7218 07/10/07 SS 鎖骨上リンパ節転移について 石山
7217-1
7217-2
07/10/07
07/10/10
KN 放射線治療
放射線、短期照射
石山
石山
7216 07/10/07 M.I. 断面陽性の件 石山
7215-1
7215-2
07/10/07
07/10/15
S.S.  一年もたたずにこんなに大きくなるのでしょうか?
治療法について
石山
石川
7214 07/10/07 Y.Y. 乳癌の進行速度 石山
7213 07/10/05 R、J 5cmくらいの長い線状のしこり 比嘉
7212 07/10/05 モモ 病院の選択 比嘉
7211 07/10/05 M 肉芽腫 比嘉
7210 07/10/05 Y アポクリン癌とリンパ郭清 比嘉
7209 07/10/05 M.M.  のう胞内にいぼがあります 比嘉
7208 07/10/05 A  化学療法の選択について 石山
7207 07/10/05 K.I.  ザンクトガレン2005 術後推奨治療について 石山
7206 07/10/05 M ホルモン療法のついて 石山
7205 07/10/05 Y.H. 乳首のイボ?? 石山
7204 07/10/05 Y.Y. アリミデックスの副作用? 石山
7203 07/10/05 P  乳癌検診 石山
7202 07/10/05 S.T. 手術後の出血について 矢吹
7201 07/10/05 O.H.  線維腺腫 矢吹

 

 

No.7300】  07年10月21日  アグリ
術後はじめてのCTを撮りました(2)(HPNo.7262-2)

ご回答ありがとうございました。取り敢えず月末に内視鏡検査をうけることになりました。ところで、ここ3日ほど7度5分ほどの微熱が続いています。軽い風邪かもしれません。微熱のせいか肩や背中肩甲骨のあたりが痛みます。手術側の左胸患部付近、肋骨付近はずっと違和感、痛みがあります。左肋骨付近は乳がんになる以前から凝る様な感じがしていました。現在、左右差があって左が腫れているようにも見えるので、観察していましたら、背中側肋骨下から3番目のところにしこりを見つけました。左頚部にも小さなしこりがあって、術前に診察をうけたところ、触診で「これは大丈夫だろう」ということで、そのままです。頚部のものは平べったい楕円形で、くりくりよく動く1cm弱のしこりで、背部に見つけたものも、形と状態は似ていて、大きさは2cm弱くらいです。内視鏡は10日後で、そのときに主治医に診ていただくつもりですが、たとえば癌が飛んだものかどうかは超音波である程度わかるのでしょうか? 乳房のときのように細胞針を受けることになりますか? しこりが癌であった場合、細胞診でまた飛ぶようなことになりませんか? 再度になりますが、ご意見ご回答よろしくお願いいたします。

超音波検査である程度良悪性の判断がつく場合もあります。細胞診の検査をして情報を増やすとより診断に近づけるかもしれません。細胞診の検査で癌を飛ばすことは無いと思います。(文責 片山)

 

No.7299】  07年10月21日  DL
ホルモン治療方案ご質問(HPNo.7041-5) 

私の妻は6期の新補助化学治療を受けてから、10月10日に局部に手術を行いました。病理の結果では、浸潤性乳管癌、しこりが0.7×0.5cm(治療する前は、1.4×1.1×1.6 cm です)、部分のガン細胞の性質が変わってしまって、切り縁にガン細胞がなくて、腋の下にもガン細胞を見つけませんでした。この結果に対してのご評価がどうなるでしょうか。この後は、放射線治療とホルモン治療を受けて宜しいでしょうね。次の質問をさせてください
1) 放射線治療とホルモン薬を飲むことは、同時に実施しますか、又は放射線治療を受けてからホルモン薬を飲みますか。
2) 彼女が化学治療を受けて4期目から生理がなくなりましたが、治療する前には生理が止まっていないです。このような場合は、どんなホルモン薬を推奨していただけますか。飲み方はどうでしょうか。 (免疫組化結果:ER(+)50-70%, PR(+)>75%, Her-2(++), Ki-67(+)<25%.)

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご解答をお待ちしております。

1) 乳癌診療ガイドラインの放射線療法によれば、乳房切除術後の場合ではありますが、「タモキシフェンの同時併用を採用した2つの臨床試験では同時併用による胸壁再発抑制効果の低下 はみられていないものの,照射との同時併用による肺線維症の増加を懸念する報告もあり,ホルモン療法と照射の至適順序についても一定の見解はない」となっておりますが、私見としては、タモキシフェンは放射線照射終了後に開始するほうがより安全かと考えます。
2) 奥様の年齢にもよると思いますが、血中E2,FSHレベルを調べて閉経前と判断できればタモキシフェン、閉経後と考えられればアロマターゼ阻害剤も選択肢になると思います。(文責 片山)

 

No.7298】  07年10月21日  H.H
再発の疑いについて 

相談室は私の心の安らぎの場所として、拝見しては勇気をいただいております60歳の主婦です。
平成10年7月、手術設備の無いがんセンターで局部麻酔で手術を受け、断末+で 10×9×8ミリ、乳管内進展あり、脂肪織への浸潤ありで、8月大きな病院で全身麻酔で追加切除とリンパ(0/12)の手術を受けました。閉経前でしたので 7月からリュウプリンを月1回で1年、その後ノルバテックス4年で薬は終わりました。放射線は術後3週間後から60グレイかけました。照射中、白血球減少で増多剤を使用、術後1ヵ月の時手術した所がずれたらしく、体液?血液?がたまり始め、乳房もものすごく大きくなり、何度も抜いたのですが、結局元に戻るのに1年かかりました。蜂窩炎にもなりました。その後は6ヵ月に1回腫瘍マーカーとエコーをうけて、疑いがあれば細胞診を受けて、「クラス2」とか「何も取れませんでした」といわれてきました。今年6月、エコーとマンモグラフィーで2センチのものが見つかり、エコーで見ながら細胞診、注射器で2本とりました。何も取れてないということで、4日後又2本とり、カテゴリー2が出ました。そこで乳がん用のMRIをとり、悪性ではないという結果でした。8月また細胞診2本取りましたが、又カテゴリー2で 様子を見ましょうとのことで、次は11月の予定です。3年前も同じところで2でした。手術跡はずっとコチコチで今もかたいです。先生に、「マンモトームか切って調べて下さい」と言うと、「マンモトームは跡が硬すぎるし、切ることまではしなくていいだろう」と言われています。術後10年目に入った所ですが、心配でセカンドオピニオンを受けたほうがいいのか迷っています。長々と書いてしまいました。宜しくお願いします。

術後の創部がかなり長期にわたって硬く触れることは時に経験しますし、あなたの場合は特に術後に血腫を作って治癒が遷延したことが影響していることが考えられます。他の画像でも悪性を疑う部分が無く、生検するとしてもどこをターゲットにするのか難しいところだと思いますが、実際に拝見していませんので、やはり主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 片山)

 

No.7297】  07年10月21日  K  
肝臓転移について

いつも参考にさせていただいてます。私は、去年の4月に右全摘、リンパを12とって、2個転移あり、その後はACを6回やりました。今はノルバを飲んでいるだけです。ハーツーがプラス2で、ハーセプチン対象でもあります。フィッシュ法で検査もしました。しこりは2センチ弱でしたが、乳管にそって3つ影があり、全摘を選びました。最近、マーカーが右肩上がりで、とうとうPET検査をしたのですが、昨日結果がでて、肝臓に5センチも転移していました。1年検診や、7月にはみつからかなかったのに、そんなことはあるのでしょうか? 7月からマーカーがあがってきたのですが・・・。1年検診は4月にやっていますが、そのときにはマーカーもエコーも異常なしだったので、それより詳しくは検査をしていなかったのですが・・・。肝臓が5センチ・・・って、ショックです。治療法として、今、ヒスロンとエパデールカプセルを飲むように言われています。ハーセプチンの治療をしたいといわれ、投与前の検査の予約がなかなとれず、早くても投与開始は来月の下旬ぐらですが、急がなくてもいいのでしょうか? その間に肝臓の陰が大きくならないかと、とっても不安です。主治医はこのスケジュールでいいというのですが・・・。よろしくお願いします。

乳癌術後で肝転移とのことで、ご心配のほどお察しいたしますし、治療を急ぎたい気持ちも良く分かります。しかし薬にはその効果や副作用に個人差もあり、ハーセプチン投与前の心機能検査などしっかり調べ、主治医の先生と信頼関係を築きながら、じっくりと取り組んでください。(文責 片山)

 

No.7296】  07年10月21日  M,S. 
遠隔転移を疑った方がいいのでしょうか?

いつもここを利用させていただいている者です。いつも誠実なご回答、ありがとうございます。
私は、3年前、非浸潤がんと言われて温存手術をして、放射線をし、現在はホルモン療法(タスオミン)で治療中です。最近になって主治医より、ガンが取り残った可能性が高いと言われております。肺のレントゲンを撮った所、白い影のようなものが写っておりました。これから、また詳しく検査する予定です。非浸潤がんでは、遠隔転移の話を聞いたことがないのでお伺いします。この場合は、遠隔転移を疑った方がいいのでしょうか? それとも他になにか原因があると考えるのが一般的なのでしょうか? もし、遠隔転移の肺ガンだったら、私は非浸潤ではなく浸潤していたことになりますか? 非浸潤がんは、遠隔転移はあるのですか? お忙しい所おそれいりますが、ご回答の程、よろしくお願いします。

非浸潤癌が遠隔転移することはまずありません。肺の陰影はこれから精密検査ということで可能性は低いと思いますが、もし転移であるとすれば、非浸潤性乳癌が切除後に再発した場合、半数は浸潤性乳癌となって再発してくるといわれ、そのような病巣がないかどうか、あるいはガンがとり残った(?)部分に浸潤がんの要素があった可能性などが考えられると思います。(文責 片山)

 

No.7295】  07年10月21日  H 
乳がん術後の治療について

10/4に右乳房の粘液癌で手術をしました(45歳、温存手術)。リンパへの転移も見られなかったのですが、病理検査の結果が2週間経ってもまだ出ていないと言われ不安です。担当の先生は、放射線治療をすれば完璧だと言われますが、ホルモン治療の効果が期待できない場合でも放射線治療は必要ですか? 無治療という選択もされる場合があるんでしょうか?

粘液癌は比較的良好な予後が期待できますが、局所コントロールとしての放射線療法はやはり必要と考えます。(文責 片山)

 

No.7294】  07年10月21日  M 
胸部レントゲンでの所見について 

50歳の女性です。職場の健康診断の胸部レントゲンで「右上肺野 結節硬化巣(または像)」の所見で、「要観察」の診断が出ました。7年前に左乳房の乳癌で温存手術しておりますので、ひょっとして「肺転移」の可能性も有るのか心配です。「結節硬化巣」という聞き慣れない言葉をネットで調べてみましたが、良くわかりませんでした。このまま経過観察で良いのか、あるいは、転移の可能性を視野に入れて精密検査をした方が良いのか、アドバイスをお願いします。
<病歴>
2000年 左乳房温存手術。腫瘍23ミリ、リンパ節転移無し。放射線照射。ソラデックス2年、タスオミン5年服用し、現在は無治療
<最近の検査>
7月 血液検査(異常無し)、9月 胸部MRI (異常無し)、10月 職場の健康診断の胸部レントゲンで「要観察」

レントゲンの所見を表すことばとして、「結節影」は境界のはっきりした円形状の陰影のことで、肺癌や結核腫、良性腫瘍で見られ、転移性肺癌では多発してくることが多いです。また「硬化巣」は陳旧性結核のことが多く、すでにほぼ治ってそのあとがみられる状態を表します。実際に画像を拝見していないのでわかりませんが、「要観察」とのことで、おそらく悪性の可能性は低いものと考えられます。ご心配でしたら、CTなどの精密検査をご相談なさってはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.7293】  07年10月21日  R 
めまいと吐気

術後5年半が経ちますが、最近立てないほどのめまいと、吐き気が時々あります。仕事もしていて元気だったのですが、あまりの体調の悪さに自分自身戸惑っています。ノルバデックスはもうすぐ終了しますが、更年期症状だと思い、背中の痛み、むくみは気にしていませんでした。夜中に腹痛に襲われる事もありますが、一時的なもので終わっています。仕事に支障が出るほどのめまいは初めてです。半年前の検査ではなんの異常もありませんでした。貧血にもなるようになったので、その影響でしょうか。鉄剤(フェロミア)とノルバデックスは相性が悪いのでしょうか?お願いします。

ノルバデックスによる悪心・嘔吐、腹痛、めまいなどの副作用は0.1−5%の頻度で認められます。それが原因だとすれば投与終了後軽快していくでしょう。またフェロミアも比較的胃腸粘膜刺激作用が強いので、吐き気、食欲不振、腹痛、便秘などがおこることがあり、ことに空腹時に服用すると強く出ます。フェロミアとノルバデックスには添付文書上は相互作用はありません。(文責 片山)

 

No.7292-1】  07年10月21日  Y.A.
温存手術の可能性

お忙しいところを申し訳ありませんが、ご意見いただければと存じます。3月に右乳房に2.5cmのしこりが3つある乳がん、腋窩リンパ節への転移ありと診断され(ER− PR− HER-2 +2)、4月から現在まで術前化学療法としてFEC5回→ドセタキセル4回の投与を受けました。11月第1週に手術を受ける予定となっています。ドセタキセル4回目を受ける前のエコー検査にて、腫瘍サイズを確認したところ、エコー上では腫瘍を認めないほどまで縮小しておりました(CTは今から1週間後に撮影予定です)。
ただ、もともとの腫瘍が3つあったということで、腫瘍が縮小しても手術自体は乳房全摘術となるとの説明を受けております。しかし、仮にもし化学療法ですべての腫瘍がなくなってしまったとしても、温存手術はできないものなのでしょうか。放射線や追加の化学療法などで温存するということは難しいのでしょうか。以上、お忙しいところを申し訳ありませんが、よろしくご回答ください。

今のところ、化学療法ですべての腫瘍がなくなったのかどうかは手術をしてみないとわからないというジレンマがあります。また腫瘤が単発であった場合は、ある程度元の大きさが大きくても、縮小により温存することが可能になることも多いですが、多発腫瘤の場合はその存在部位、腫瘤どうしの距離などにより、ひとつひとつが縮小してもある程度の安全域を取って切除する場合、結局大きな切除となって温存が難しくなることが多いと思います。温存療法のガイドライン上も腫瘍が2個で、切除断端近くにがん細胞がない状態での乳房内再発率は低く、一方3個以上の腫瘍がある場合は乳房内再発率が高いとされ、従って、2個の病巣が近傍に存在し、整容性と安全性が保たれれば適応となるとされています。(文責 片山)

 

No.7292-2】  07年12月10日  Y.A.
今後の再発の危険性と治療方針について

いつもお世話になっております。
以前【No.7292】で相談させていただいた者です。その後、手術が無事終了し、病理結果が出たのですが、その結果があまり思わしくなく、今後の再発の危険性と治療方針につきまして、ご相談をさせていただければと思います。受けた手術の内容は、右乳房全摘術、リンパ節はレベル2まで郭清したとのことです。 病理結果について説明を受けた内容は、以下の通りです。
●術前の検査ではCCRではあったが、pCRではなかった。 しこりを作らないで広がるタイプのがんだったため、乳房の広範にわたって、がん細胞が残存していた。
●郭清したリンパ節の数・・・9個 うち5個に転移が認められた。術前化学療法をやる前は、おそらくもっと転移していた。
●ER(-) PR(-) HER-2(1+) ホルモン療法は効かない。HER-2は陰性。

この結果を踏まえて、
★リンパ節への転移が4つ以上ある場合、胸壁、鎖骨下リンパ節及び胸骨傍リンパ節への放射線照射を行うと、生存率が改善されるというエビデンスがあるので、それを行うことを勧める。
★その後、もし何かをやっていないと不安だと感じるようならば、UFTという経口抗がん剤があるので、それを2年間やるという手もある。ただし、エビデンスはないので、必ずしもお勧めするというわけではない。効果はCMFと同等程度。
★骨シンチとCTは調べたが、全身のチェックはまだしていなかったのでPET検査を勧める 。

とのアドバイスを受けました。
基本的に放射線照射とPET検診は受けようと思っているのですが、実は、術前化学療法の前に受けた画像診断では、胸骨傍リンパ節がCTの画像上で腫れており、転移の可能性が疑われておりました。胸骨傍リンパ節は術前の画像診断で、化学療法で消えたものと判断し、手術を行わなかったのだろうと思うのですが、化学療法後でもリンパ節転移が5/9という結果なので、ここへの転移は本当に放射線で焼ききれるのかと心配しております。最近ではあまり見られない手術方法として、肋骨を1〜2センチ切って、胸骨傍リンパ節切除手術を行うことも可能だと、インターネット上で、実際にその手術を受けた方に教えていただいたのですが、果たしてこの手術の可能性を主治医に尋ねるべきか、放射線治療でも十分効き目があり、手術の必要がないものなのなのか(あるいはやっても意味がないのか)、お教えいただければと思います。また、積極的に勧められてはいないものの、Adjubant Onlineで調べた結果、再発率が高く、UFTの服用も検討しているのですが、服用に際し、メリットはどの程度あるのか、また、それに対しての副作用等のデメリットはどの程度なのかをお教えください。
前回質問をさせていただいた際のアドバイスは、私にとって大変役立ちました。あの時、無理に温存を主治医にお願いしていたら、もしかしたら再手術となっていたかもしれませんでした。本当にありがとうございます。今回も、お忙しいところを大変お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

現在画像上、傍胸骨リンパ節の腫れがなくなっているのであれば、切除する必要はないと思います。PET検査と放射線療法はお受けになったらよろしいかと思います。術前化学療法を行って、手術を行った場合、術後治療をどうするかについてはまだはっきりとこれがよいというものはありません。ですので通常は何も行わないかホルモン感受性がある場合はホルモン療法を行います。追加の薬物療法については、主治医によくお話をおききになるとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.7291】  07年10月21日  M.I.
乳がんと胃がん

乳がん(肺、骨、肝臓の順に転移)治療中です。胃がんを併発しました。主治医の先生とも相談していますが、どちらを優先し治療するかは自分で決めなければなりません。他の専門医の方のアドバイスも伺いたいと思います。9年前に温存手術、検査のためリンパ摘出、転移認められず。術後経口でフルツロン使用するが、肝臓に負担がかかりすぐに中止。4年前に肺への転移、まずはホルモン療法、続いてFEC, タキソール、ナベルビン。骨への転移のため、3年前からゾメタ併用開始、現在も点滴継続。ナベルビンは今年6月にポート手術、以降2+1休みの3週間を1クールで9月まで。さほど大きくなっていないため、10月より再開予定であった。会社の検診でひっかかり、胃カメラにて胃がん確認されたのが先週のこと。もちろん乳腺専門主治医の先生にご相談し、治療方針を決定するつもりですが、次の点を教えてください。
1) 乳がんの胃への転移の可能性低いと聞いた。他の病院でも事例がないのでしょうか。
2) 乳がんの転移治療中で、胃がんを併発するケースはめずらしいと聞いた。他の病院で事例はないのでしょうか。
3) 次の説明を受けて治療の選択をせまられていますが、決定にさらなる参考意見はありますか

乳がんの進行状況により、いつ末期を迎えるかは予測不可能。場合によっては胃を全部摘出する苦しみを味わう必要がなくなる。しかし、乳がんが一旦収束するのを待っていては胃がんが進行する。胃の摘出をするなら、1年後より今の方がいい。胃がんと乳がんの同時治療はできず、胃の手術の前後は乳がん治療(ナベルビンの点滴)はストップしなければならない。胃がんの治療で苦しんでいる間に、思いのほか乳がんが進行してしまう可能性もある。 消化器専門の先生と乳腺専門の先生が相談の上、治療にあたってくださることになると思います。しかし、まず私の選択が必要です。胃の手術をするかどうか。するならいつするか。抗がん剤点滴中も胃腸の具合が悪く、ここ数年、おいしいと思って食事をすることは極端に減っています。しかし、胃がなくなり、ほとんど食べられなくなったり、もっとつらい思いをするのではないか。体力が落ちて、乳がんの進行を許してしまうのではないかと結論できずにいます。乳がん胃がん双方にヒットするWEB情報を見つけられないので、わらにもすがる思いでメールしています。よろしくお願いいたします。

1) 稀なケースであり、学会報告などで散見される程度です。
2) これも稀なケースと思います。
3) 胃がんの進行度や、乳癌の再発と胃がんのどちらが予後をより左右するのか、またあなたの年齢や他の合併症などを含めて、胃がん手術の身体への影響など様々な要素を総合して考える必要があり、悩ましいところだと思います。私見ではありますが、乳癌の手術および再発から年数がたっており、その進展が比較的ゆっくりとしている印象ですので、胃がんが出血を伴っていたり、狭窄があって早晩食事の摂取ができにくくなりそうな状況であれば手術を考えるでしょうし、逆に胃がんが早期のものであるが内視鏡による粘膜下切除ができないものであり、比較的小さな手術で済んで、術後早期に乳癌治療に復帰できることが期待できるものであればやはり手術を考えると思います。(文責 片山)

 

No.7290】  07年10月21日  N 
タキソールは不要でしょうか(HPNo.7194-2)

No7194で抗がん剤について質問させていただきました。年齢48歳、乳房温存手術、浸潤性乳管癌、しこりの大きさ2p以下、リンパ節転移2個、ホルモン感受性あり、HER2(−)、悪性度1です。FEC4回+タキソール12回の予定で、FEC1回目が終わりました。10月11日のNew England Journal of Medicine に、「HER2陰性かつホルモン感受性乳癌の術後補助療法ではパクリタキセル追加は不要」という記事があったと、がんナビに載っていましたが、このとおりならば、私の場合タキソールは不要ということになります。先生はどうお考えになりますか。よろしくお願いいたします。  

まず、St.Gallen のRisk Categoryによれば、中間リスクで腋下リンパ節転移1‐3個陽性、ホルモン感受性かつHER2(-)のグループということになり、内分泌療法、または化学療法→内分泌療法が推奨されることになります。また、2007年版の日本の乳癌診療ガイドラインー薬物療法ーによれば、HER-2の状態を化学療法やホルモン療法を選択する判断に用いることは、今のところ根拠は乏しいがアントラサイクリンの効果を予測できる可能性があるとされており、AC投与後にパクリタキセル(タキソール)を追加するLGB9344試験においては、HER2陽性乳癌でより無再発生存率が改善されることが示唆されています。今回のNew England Journal of Medicineの記事については、とりあえずは1つの研究報告の結果であり、3121人の患者さんを対象に行った研究のうち、1322人を対象としたサブ解析した結果で、「実際の診療に反映させるためには更なる検証が必要」で診療内容を変更すべきではないとされ、今後同様の研究が複数なされる中で結論が出てくる問題であると考えられます。(文責 片山)

 

No.7289】  07年10月19日  R 
ノルバデックスの内服について

乳癌術後術後7年過ぎました(48歳)。CMF 6クールの後、ノルバデックス5年内服しましたが、2006年4月に終了。無治療になってから2年目です。Ua N0 T0 f脂肪に食い込んでいました。 l0 (確かエルゼロ)脈管侵襲なし。皮膚への侵襲なし。しこりが3cm以上 3.5cmほどありましたが、病理では、あきらかな脈管侵襲はみられないと、記載ありました。リンパ節転移なしで、フェマーラを選択しませんでした。内服中は、現在と比較して、ノルバデックスの恩恵で、骨の痛みや関節のこわばりもなく、コレステロール値も、正常値範囲内でおさえられていました。現在は数値が260です。最近、ノルバデックス5年過ぎても内服するのもよいではないかと、聞きました。5年過ぎても内服可能なものでしょうか。また、私のように1年半の休薬期間があっても内服可能でしょうか。
もちろん、アロマターゼ阻害剤をお勧めされるのでしょうが、現在の(抗がん剤で閉経)天然の更年期症状を考えると、アロマターゼ阻害剤を飲むことは考えておりません。イレギラーな質問で申し訳ありません。

ノルバデックスを5年以上の継続は推奨されていません.閉経が確認された場合にはノルバデックス内服開始2〜3年後に、あるいはノルバデックス5年間内服後に追加でアロマターゼ阻害剤を内服するか、いずれかの選択になります.1年半の休薬期間後の内服効果はわかりません.(文責 比嘉)

 

No.7288】  07年10月19日  Y.H. 
現在の状況について

よろしくお願いします。私は「50歳・既婚・出産経験なし」です。
状況
@ 19年5月26日に自身で左腋にしこりをみつけ、7月中旬乳腺外科を受診し、マンモ、エコーは異常なし、注射器でしこりの一部を取る細胞診を行いました。
A 19年8月7日、細胞診の結果「腋窩リンパ節転移+・原発不明・癌転移+」 原発をみつけるためPETを撮ることになりました。
B 19年8月16日 PETの結果「腋窩リンパ節SUVmax6でFDGの異常集積。悪性 ・左小胸筋下リンパ節軽度集積SUVmax1.3 ・全身に集積なし ・頸髄に集積が目立ちth11−12レベルの脊髄にやや強い集積。生理的の可能性」 主治医はこの結果で 「・左腋窩リンパ節転移 小胸筋下リンパ節転移の疑い ・原発巣不明」と説明され、リンパ節摘出病理検査を行なうことにしました。
C 19年9月5日 摘出
D 19年9月20日 病理検査結果「癌のリンパ節転移」「原発巣は乳腺原発が強く疑われる」 このことから「潜在性乳がんの腋窩リンパ節転移」が一応の結論となりました。
E 乳房MRIとホルモン検査を追加検査として行っています。結果はまだです。

質問
1) 病理検査でも原発が断定ではなく「疑い」の域を出ないのは何故なのでしょうか。転移なので元の癌は大きなものではないかと思っていたのです。PETの信頼性は現在どのくらい置かれているのでしょうか。乳房に明らかな病変はないので細胞レベルではないかと言われました。そのレベルで「転移」「乳腺が原発」ということがあるのでしょうか。 
2) Eの結果で、乳房全体の放射線治療・小胸筋の転移が手術できれば、手術後に抗がん剤・ホルモン治療を行うことにいています。乳房には全体の照射と聞きましたが、皆そうなのでしょうか。
3) 他の臓器の原発の可能性はいかがでしょうか。BのPETの結果の脊髄頸隋の集積が気になります。生理的なものと言われましたが・・・
4) Bの治療の抗がん剤で、他の場所にある癌もなくなる可能性がある、とのことでした。乳腺だけでなく消滅するものですか。その後、再発の可能性は私の場合どのくらいとお考えになりますか。
5) 手術は3回が限度と聞いたことがありますが、局部的なものでもそのようなことがありますか。
6) 潜在性乳がんはこのようなものなのですか。現在の状況は進行レベルはどれくらいなのでしょうか。
7) 左鎖骨が右とくらべ膨れているところがある気がします。骨の転移はこのように出ますか。
 
たくさん整理できていない説明、質問と思いますがよろしくお願いします。


1)腋窩リンパ節転移で見つかる原発不明癌で、女性において乳癌が一番多いとされています.原発不明である以上、確定診断は難しく、現時点での病理結果では疑いとなってしまう事が多いのが現状です.乳癌は小さくても(浸潤癌)転移する癌の一つですので、小さい癌はPETやMRIでもわからないことがあると理解してください.
2)リンパ節転移がありますので、局所コントロール目的でリンパ節をとることは妥当な手術と考えます.また全身治療として化学療法やホルモン治療は必須です.乳房への放射線治療は選択肢の一つですので、すべての患者に適応されるわけではありません.
3)他の臓器の可能性は完全には否定できません.呼吸器、消化器、婦人科、悪性リンパ腫など血液疾患などがあげられます.PET検査の結果は画像の確認ができませんのでわかりません.
4)乳癌に使用される抗癌剤で、他の癌にも効果がある薬剤はあります.再発の可能性はリンパ節転移の総数やホルモンレセプター、HER2の結果など転移リンパ節から評価する病理結果で判断されます.(今回は情報がありませんので、わかりません)
5)手術内容がわかりませんので、3回が限界の根拠がわかりません.
6)腋窩リンパ節のみの転移であればステージ2A(あるいはそれ以上)と思われます.
7)鎖骨転移が大きければ左右差がでることはあります.しかし乳癌の骨転移で鎖骨転移は頻度的に少なく、左右差がでるほどの転移であれば、PETで指摘される可能性は高いと思います.(文責 比嘉)

 

No.7287】  07年10月19日  K.N. 
腫瘍マーカー

炎症性乳がん(43歳)で、8月から開始したFECを3回終えた先日「臨床検査報告書」をいだきました。その中で、CEAは2.0だったのですが、CA15-3は656.9でした。CA15-3欄外には、<28U/ml とありますが、これが基準値なのですよね。だとすれば、大変高い数値のように見受けてしまいました。(報告書は主治医も見ているので、間違いではないと思うのですが・・・)
ある掲示板で質問させていただいたところ、「治療効果のよい指標になりますね」との見解をいただきました。それは有難く理解した上で、指標にしても28まで戻ることを目標として、効けばどんどん下がっていくものなんでしょうか。腫瘍マーカー値が高いというのは、血液中の腫瘍度が高い(濃密)ということなんでしょうか。またこれで、全身への進行具合もわかるものなのでしょうか(主治医の先生は「たぶん、全身に癌がこぼれているでしょう」との表現をなさいました)。質問ばかりですみません。何卒よろしくお願いします。

がんに特徴的な物質を産生するものがあり、そのような物質のうち、体液中(主として血液中)で測定可能なものが、いわゆる「腫瘍マーカー」として臨床の場で使われています.腫瘍マーカーが高値の場合、治療効果があると数値が低下してきます(正常値になる方もいます)ので治療の指標になります.腫瘍マーカーが高い場合は進行癌であるケースが多いとされますが、腫瘍マーカーが癌の動きすべてを反映しているわけではありません.現時点では治療効果判定するための指標と考え、治療をがんばってください.(文責 比嘉)

 

No.7286】  07年10月19日  T・K
骨転移の治療法について

47歳です。初めてご相談させていただきます。2001年に左乳房全摘し、2005年骨転移しました。今はホルモン治療(リュ−プリン注射とアロマシン服用)とアレデァ点滴をしています。10月上旬骨シンチをしたところ以前より未照射部の転移部の集積が強くなっているとのことでした。他の臓器の転移はありませんでした。そのためアレデァからゾメタに変更しました。私の気になる点は腫瘍マ-カ-の数字です。(以下は5月から10月までの変化です)

CEA  8.8 →8.5 →11.8→11.8→12.5
CA 15-3  28.0→27.9→29.1→30.0→30.9
 
徐々に上昇している様に思うのですが、主治医は、そんなに気にしなくていいと言っています。まだ、ホルモン治療でいいのではないかと言うことです。今後の治療として経口抗がん剤に切り替えてもいいと言うことです。私としては、腫瘍マーカ-も上がってきているのでほかの臓器に転移していないうちに抗がん剤治療に切り替えた方がいいのではないのかと思い悩んでいます。私は、HER2蛋白3+です。骨転移は、胸椎4箇所.腰椎2箇所.骨盤.仙骨.右大腿骨です。その内胸椎3箇所.腰椎1箇所.大腿骨は、放射線治療済みです。よろしくお願いいたします。

確かに腫瘍マーカーが漸増しており、ご不安な気持ちはお察しいたしますが、その値の変化だけで病勢がわかるわけではなく、また再発後の治療法はこれがたったひとつの正解と断定できるものではありません。今の治療がある程度奏功していて、治療を切り替えたら逆に悪化したり、副作用が出たりするかもしれません。私見ではありますが、あなたの場合再発までの期間も4年あり、その後の経過も長いので、もう少し今の治療を続けてみて、更なるマーカーの上昇や万が一新たな病巣が現れたら、そのときに治療法を変更するというのもひとつの考え方だと思います。(文責 片山)

 

No.7285】  07年10月19日  M 
乳がんの可能性はあるのでしょうか?

先日、市の乳がん検診を受けました。視触診検査で、乳汁が出ると言うことで精密検査に行くようにと言われました。私は30歳で、5歳と2歳の子供がいます。2人とも完全母乳で、下の子はちょうど1年前に卒乳しました。てっきり母乳が残っていたものだと思っていたのですが、精密検査といわれてびっくりしています。しこりなどはありませんでした。超音波検査の結果は1ヵ月後に出るということなので、その結果を持って病院に行くようにと言われました。乳がんの可能性はあるのでしょうか? 不安になってしまいました。

乳汁=白色の分泌物が出たということであれば、それが乳癌の症状である可能性はまず少ないと考えます。超音波検査の画像は拝見していないのでコメントできません。(文責 片山)

 

No.7284】  07年10月19日  N 
石灰成分を多く含んだ乳瘤

11ヶ月の子どもを育てているものです。現在、授乳中なのですが、先日右胸にしこりを見つけて乳腺外来に行ってきました。触視診、マンモグラフィ、超音波検査を受けたところ、1.5センチほどの石灰成分を多く含んだ乳瘤ではないかとのことで、また2ヵ月後に受診してくださいと言われました。この乳瘤というのはこのままにしておいても乳がんなどの悪い病気にはならないのでしょうか?教えてください。よろしくお願いいたします。

乳瘤が乳癌になることは無いと思われますが、時に乳腺炎を起こして赤く腫れることがあり、時に抗生剤の投与や切開排膿などの外科的処置が必要になることもあります。(文責 片山)

 

No.7283】  07年10月19日  R
胸骨傍リンパ節?

胸の膨らみのないところにコリっとしたしこりのようなものがあります。「鎖骨より下の方」です。気になり触りすぎたせいか痛みが出てきました。乳癌や良性のしこりは、乳房のふくらみのある部分にだけ出来るものでしょうか?

乳腺の上縁ぎりぎりのところにしこりができることはもちろんありますので、一度乳腺外科を受診してください。(文責 片山)

 

No.7282】  07年10月19日  Y 
乳癌検査

私は49才既婚、子供はおりません。先日会社の健康診断で初めて触診とマングラフィーの乳癌検査を受けました。結果はカテゴリー3で要検査となりました。同じ健診センターで後日再検査したところ、局所的非対称陰影で石灰化は認められないとの事で、カラードップラー超音波検査をしました。左乳房にぼんやりした影があり血流が確認出来ました。更に詳しい検査が必要との事で乳腺専門医を紹介され、後日そこでエコーを見ながら細胞診をし、陽性との告知を受けました。手術の出来る乳腺専門医のいる総合病院で只今検査中です。触診検査は3人の医師が行いましたが、いずれもしこりは認められなかったです。自分でも自覚症状はなく、乳頭から分泌液や血液は出ません。リンパ線にも腫れはありません。細胞診で陽性反応が出た以上覚悟は出来ていますが、非浸潤癌でも浸潤癌でも症状がいまいちあてはまりません。今度MRIの検査を行いますが、マントモーム生検をやって自分自身で納得したいのですが・・・。非浸潤癌の場合マントモームで癌が飛び散る危険性はありますか?細胞診で陽性と出た以上、マントモームは必要ないのでしょうか? 非浸潤癌の場合は温存でも再発の危険性が高いと聞いています。全摘で乳房再建も考えていますが、その際手術後の化学療法は行われるのでしょうか? 左乳房のぼんやりした影の大きさは約12ミリぐらいの大きさです。陽性と言われてもしこりがなく、石灰化なし、乳頭に以上なし、リンパに腫れがない状態では自分でもまだ半信半疑の状態です。アドバイス宜しくお願い致します。

細胞診で陽性とのことですが、Class Xであったということでしょうか? いずれにしても細胞診も補助診断のひとつであり、他の画像検査などと合わせた総合判断ということになります。マンモトーム生検は非浸潤癌の診断でもよく行われる検査であり、癌が飛び散る危険性はありませんが、その必要性については主治医の先生とよくご相談ください。非浸潤癌であれば全身への転移の可能性はほぼ無いということになりますから、全身化学療法の必要性は無いと考えます。(文責 片山)

 

No.7281】  07年10月19日  J.M. 
ノルバデックスを服用すべきかどうかについて(2)(HPNo.7258-2)

HPNo.7258(10月15日付)にご解答いただいた者です。お返事をありがとうございました。大変感謝いたしております。また新たに疑問がわいてきたので質問させてください。今年7月に左乳房乳腺全摘手術を受ける前、さかのぼってそこに2年間しこりがあったが4〜6ヶ月ごとの針生検ではずっと「良性」と結果が出ていました。それと同じく今回の右乳房のしこり(4.4mm)もしばらくの良性期間を経た後、癌化する可能性大とすれば、
1) 以下のような治療を望んではいけませんか。いけないとすれば理由は何ですか。いつかは癌になるかもという不安をかかえて暮らすより、「@全摘術を受け、放射線照射もノルバデックス服用も無し、A全摘術 + ノルバデックス、これがどうしてもだめなら、B温存手術 + 放射線、C温存手術 + 放射線 + ノルバデックス」
2) もし手術を認めてくださるなら、@〜Cのどれをお奨めになりますか。私としては@の「全摘術のみ、術後治療なし」を強く希望しますが、かなえられますか。
3) 全摘しても、再発予防のためにノルバデックスが必要ですか。

個人的には、今の段階で全摘術や温存術+放射線照射はやりすぎのような気がします。確かに乳頭状病変は病理診断でも難しい場合がありますので、腫瘤全体の摘出は考慮しても良いと思います。
早期乳癌では,タモキシフェンによる術後補助療法が再発リスクや死亡リスクを有意に低下させ,対側乳房の新たな原発腫瘍発現リスクも低下させることが示されており、内服はお勧めできる治療だと思います。(文責 片山)

 

No.7280】  07年10月17日  F・F
マンモグラフィ

気になるしこりがあったのですが、8月29日にマンモグラフィとエコーの結果、線維腺腫との診断を受けました。その後も頭から離れることがなくて、ずっと心配しているのですが、とても貧乳なのと、しこりが端の方にあったのです。マンモグラフィに挿み切れてなくて写らないなんてことはあるのでしょうか? 半年後まで待ってみて大丈夫でしょうか? よろしくお願いします。

マンモグラフィーでは乳房の形や大きさによっては挟みきれない部位(死角)があり、それを補うために多方向撮影を行います。あなたの場合、マンモグラフィーと超音波のどちらで(あるいは両方で?)線維腺腫の診断がついたのかわかりませんが、良性のしこりの場合、マンモグラフィーで挟めていても画像として現れにくいこともあります。(文責 片山)

 

No.7279】  07年10月17日  F 
MRI検査について(HPNo.7261-2)

早速回答をありがとうございました。造影剤を使ったMRI検査は、身体に傷を付けることなく石灰化病変の良悪性の判断を行えるという点がメリットと考えて良いですか? その結果石灰化病変に、悪性の疑いがあれば、マンモトーム検査による組織診を行っていくとのことですが、もし良性の可能性のほうが高いと判断された場合は、そのまま経過観察を続けていって良いのでしょうか。MRI検査の信用性は、どのくらいありますか? 超音波検査とMRI検査では、どちらの方が、判断に優先されますか? お忙しいところすみません。宜しくおねがいします。 

数少ない検査で典型的な所見で診断がつく場合もありますが、そうでない場合も多く、複数の検査で情報を増やしていくということになります。種々の検査は補完しあうものですから、症例によりその判断は千差万別であり、どの検査が優先されると決まったものではありません。(文責 片山)

 

No.7278】  07年10月17日  K.S
術前化学療法中です

ぜひ相談に載っていただきたく、よろしくお願い申し上げます。45歳、子供が4人(小学生二人、保育園児2人)おります。今年7月初旬、乳ガンとわかり、術前化学療法中です。3.2×3.0、 硬癌(一部粘液を産出)、T2B 超音波で少し腫れているかもといわれてリンパ1ヶ所、細胞診で確認され、転移ありです。FEC4回、TXT4回+ハーセブチンの後、手術、術後2回化学療法、放射線、ハーセブチン1年投与の予定です。HERU(2+)・核グレード3・ホルモンは、どちらかが+で、どちらかが++でした。あさはかなインターネットの知識だけで、HER2陽性を喜んでいましたが、いろいろなことがわかり、ただただ自分の馬鹿さ加減に愕然としております。子供たちのためにも、何が何でも、何をしてでも生きていかなければと思っておりますが、毎日、いつでも、このことばかり考えていて、食欲もなく、何をする気になれません。
1) 私のような場合、再発率は100%なのでしょうか? 予定している治療をすれば、再発率は何%位になるのでしょうか?
2) HER2陽性で、術前療法中にさらに転移が進んだりすることはないのでしょうか?
3) 術後に、ハーセブチンとホルモン療法両方は副作用を考えず、すべての武器を一気に使うことになると主治医がおっしゃっていましたが、そうなのでしょうか?

1) Adjuvant Onlineという患者さんのデータを入れると治療別に再発のリスクを計算してくれるサイトがあり、まったく同じ条件にはできませんが、術後の補助療法としてCA4クール→タキサン4クールにホルモン療法を加えたとして、あなたのデータをいれてみますと、10年間無再発生存率は約70%となります。
2)手術を優先して術後に補助療法を行った場合と術前補助療法では、生命予後には差はないと言われています。手術前に化学療法を行う場合、しこりがある状態で行いますから、効果が有るか無いかがわかるというメリットがあります。
3)化学療法→ホルモン療法の順で初期に多くの治療を行うことになると思います。(文責 片山)

 

No.7277】  07年10月17日  S.M. 
要精密検査

36歳未婚です。9月に人間ドックのマンモグラフィーで要精密検査とのことで、乳腺外科に行きました。エコーでは「大きさは15oぐらいで癌の可能性が高い」と言われましたが、細胞診は判定不能でした。切除生検を勧められていますが、癌が強く疑われるのであれば、結果として2度切ることに抵抗があります。
1) マンモトーム生検も受けてみるべきでしょうか。また、マンモトーム生検でも確定診断できない事もありますか。
2) 切除生検後、迅速病理で手術を行う事はあまりないのですか。その場合は初めから全身麻酔になりますか。
3) 悪性だった場合、センチネルリンパ節生検を希望しますが、病理のない病院や専門医がいない病院では受けられませんか。
4) 一般的に放射線治療は手術を受けた病院で行いますか。

1) マンモトーム生検で診断をつけるのが次のステップとして良いと思いますが、設備のある病院とない病院があります。またわずかながら診断がつかないこともあり、その場合は切除生検を考えることになると思います。
2) 術中迅速診断も選択肢の一つになると思いますが、時に診断が難しい場合もあります。
3) 病理部や専門医のいるいないにかかわらず、まずセンチネルリンパ節生検を行っている病院、試験的に行っている病院、行っていない病院がありますので、ご自分のかかられる病院で確認してください。
4) これも施設によって様々です。(文責 片山)

 

No.7276】  07年10月17日  M.O.
皮膚への転移

初めて投稿いたします。50歳・女性・未婚・閉経前です。8月中旬に右乳房のT期2cmの乳癌で温存手術を受けました。断端陽性だったので25+5回の放射線照射を9月中旬より始め、今月終了予定です。ノルバデックス20mgを服用しています。センチネルリンパ0/2でしたので、転移の可能性は低いと思いますが、もし皮膚に転移した場合はどのように現れるものでしょうか。実は乳癌が判明するより前の7月頃から首の付け根後ろ側に1cm程の円形の発赤があり痛痒いのです。放射線・ホルモン剤を始める前なので、それらの影響ではありません。皮膚科で診てもらったところ悪いものではないとのことで、副腎皮質ホルモン軟膏を処方してもらって塗布していますが、軽快と悪化を繰り返して3ヵ月経ち未だに治りません。他webで、湿疹に見えて実は皮膚癌だったという文章を読んで気になってしまいました。皮膚科には乳癌のことは言っていませんが、皮膚科医が見れば癌によるものはすぐに判るものでしょうか、それとも乳癌であることを言って調べてもらわないとわからないものでしょうか。何事も心配し過ぎないよう自戒してはいるのですが…ご助言くださいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

皮膚への転移は、発赤を伴ったしこりとして現れることが多いと思います。あなたの場合、その可能性は低いと考ええますが、皮膚科の先生には乳癌のことはお話しになって見てもらったほうが良いと思います。(文責 片山)

 

No.7275】  07年10月17日  O.Y. 
ナベルビンの副作用、血管痛について

現在妻が治療でナベルビンを使用しています。副作用で血管痛がひどいみたいなのですが、何か良い対処法はありますか? ネットなどで調べた限りでは湿布などで温めたり、冷やしたりということが書いてありましたが、痛みがひどいときは温める、冷やすのどちらが良いのですか? またそれ以外の対処法があれば教えて下さい。
それと妻の血管が以前の抗がん剤治療でダメージを受け、細く・少なくなってきていたため、病院の医師、看護婦さんからポートのお話しを聞き、現在検討中です。ナベルビンを使用している方はポートを使用している方が多いと聞きましたが、実際はどんな割合でしょうか? またメリット、デメリットも教えて下さい。よろしくお願いします。

炎症の急性期には冷やし、硬く慢性化したときは温めるのが基本的にはよいように思います。またリンデロンなどのステロイド軟膏やクリーム、ヘパリン類似物質のヒルドイドで効果がある場合があります。血管痛がひどい場合にポート挿入は十分に考慮されてよいと思います。毎回静脈を捜して刺入するストレスがなくなり、漏れによる皮膚炎の可能性も激減します。鎖骨下静脈に挿入する場合、合併症としてわずかながら気胸を起こす可能性があります。また異物を挿入するわけですので、局所の感染症を起こすことがあります。私どもでは短期間入院し、できるだけ清潔で確実な挿入のため、手術室でレントゲン透視下にて挿入しています。(文責 片山)

 

No.7274】  07年10月17日  k m
タキサン系か? ゼローダか?

術後2年で肺転移が見つかり、昨年12月下旬よりハーセプチンの単独投与を毎週しています。腫瘍マーカーCEAがこの半年ほど徐々に上昇していましたが、先月まで肺の腫瘍の大きさは変わっていませんでした。しかし、今月の検査で肺の腫瘍が増大していることがわかりました。もっとも大きい腫瘍が2.2cmから3.3cmになり、その他の小さい腫瘍はあまり変化がないそうです。現在、転移による症状はありません。主治医からは、ハーセプチン+タキサン系又は、ハーセプチン+ゼローダを進められています。転移による症状がないので、副作用が少ないと思われるハーセプチン+ゼローダにしたいと思っています。しかし、ハーセプチン+タキサン系の方が高い奏功率ともきいているので悩んでいます。次の金曜日までに決めなければならず、困っています。

1) それぞれの奏功率は、どのくらいでしょうか?
2) 一ヶ月で1pも腫瘍が大きくなるという事はよくあることでしょうか?(増大するスピードが速いほうでしょうか?)
3) 肺に3cmの腫瘍があるというのは、症状が出てもおかしくない状況でしょうか?
4) ゼローダの効果の有無は、服用開始からどのくらいの期間でわかるでしょうか?
5) タキサン系の効果の有無は、服用開始からどのくらいの期間でわかるでしょうか?

1) ハーセプチンとの併用で直接比較した試験は存じませんが、タキサン系に耐性となった転移性乳癌に対してゼローダは20%くらいの奏功率があったというデータがあります。もうひとつの選択肢として、ハーセプチン+ナベルビンも考えられます。
2) 1cm大きくなったというよりは、直径で約1.5倍になった(体積では1.5の3乗=3倍少しになった)と考えるべきかもしれません。このような増大を示すことは時にあります。
3) 存在部位などによりケースバイケースだと思います。
4)5) ともに最初の2−3クールで効果の見られる場合もあります。再発治療の場合は、縮小しなくても増大せず、変化がない場合もある程度効果があったと考えられる場合もあります。(文責 片山)

 

No.7273】  07年10月17日  T子
乳房切除後のしこり(2) (HPNo.7222-2)

回答有難うございます。結局もう一つ2ミリのしこりもみつかり、9日に2個切除し、病理検査にだしました。明日抜糸で、検査結果はその1週間後になると思います。しこりがみつかってから腕の脇がつっぱり背中も痛いので、転移しているんじゃないかと心配でたまりません。悪性だった場合、今後どのような治療がされるのでしょうか?温存で局所再発した場合と、乳房切除で局所再発した場合、やはり乳房切除した場合の局所再発の方がたちが悪いのでしょうか?

悪性だった場合は必要に応じて追加切除、放射線療法を行い、その後病理結果による全身療法(化学療法または内分泌療法、またはその両者)を行うことになると思います。乳房切除術後に局所再発した場合も、病変がその部位にのみとどまっていた場合は良好な予後が期待できます。(文責 片山)

 

No.7272】  07年10月17日  M.O. 
非浸潤癌、乳房全摘後のホルモン療法について

38歳、子供1人の主婦です。昨年、0期の非浸潤癌で片側乳房を全摘しました。ミクロ単位の癌が広がっていたため、温存ではなく全部摘出しました。術後、リュープリンを2年間・ノルバデックスを5年間というホルモン療法をはじめて1年が経過しました。最近、非浸潤癌の術後はホルモン療法の必要はないということを知人から言われ、不安になってます。残った乳房への癌の発生を防ぐ効果があるとだけ説明をうけてはじめたホルモン療法ですが、非浸潤癌で温存ではなく、全部摘出した場合(リンパはセンチネル生検で2個だけとり、あとは残っています)、再発の危険はほぼ100パーセントない?のにホルモン療法は必要あるのでしょうか? 世界共通の乳癌の治療方針では、非浸潤癌で温存ではなく、全部乳房を摘出した場合、術後のホルモン療法はおこなわれているのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、ご回答願います。

非浸潤癌におけるER陽性率は60〜70%であり、非浸潤癌症例へのタモキシフェン投与による局所再発予防効果はあるとされます。乳房内での病巣の広がりが広い場合の検索は難しい可能性がありますが、完全に全割面で非浸潤癌であれば転移を起こさない癌のはずですから、全摘されているのであれば確かに全身療法はいらないという理屈になります。しかしご指摘のようにノルバデックスには対側乳房に対する乳癌発生の抑制効果はあり、副作用との兼ね合いで服用を決めることになると思います。(文責 片山)

 

No.7271】  07年10月17日  C.K. 
癌の疑いは無いのでしょうか?

45歳の主婦です。3年前から乳腺炎と検診でいわれてましたが、今回マンモで1.6センチのしこりが見つかり、MRIを受けましたが、やはり3こほどありました。が、先生は、次回は3ヵ月後とおしゃいました。良性と判断されたとおもいますが、細胞の検査を受けずに、このままでいいのでしょうか? 癌の疑いは無いのでしょうか? 少し不安でいます。よろしく、お願いいたします。

実際に画像を拝見していないのでわかりませんが、3ヵ月後の経過を追ってしこりの変化を見るというのも、良悪性の判断をするときにひとつの重要な要素になります。その辺のニュアンスは主治医の先生にお尋ねください。(文責 片山)

 

No.7270】  07年10月15日  D
乳がん手術の後、傷口から膿がでました

相談室にお邪魔して拝見いたしました。大変理解することができました。私も10年前に左胸を全部とりました。その後ノルバテックスを5年間服用して、現在元気でおります。昨年5月に4歳上の姉が70歳で乳がんの温存手術をうけました。「全部取ってください」とお願いしたのですが、初期だからと、7センチくらいの大きさで切りとられました。その後コバルトを8回受け、その後抗がん剤を3週間おきに8本うちました。抗がん剤を注射した後は白血球が200に下がりました。私の時と比べて、とてもつらそうでした。7ヶ月間入院して、やっと自宅での生活ができるようになりましたが、今年8月ごろから極度の疲労感に襲われ、主治医の先生にその事を告げていました。10月になり、傷跡がパンパンになって真っ赤に腫れ上がりましたので、CTをとってもらいました。その結果再発しているといわれました。ペットの検査も受けましたが、結果は同じでした。再手術をする前に組織検査を受けましたところ、大量の膿が噴出しました。今日で7日間毎日膿を押し出してもらっています。だいぶ痛みも取れましたし、気分も楽になりました。 
1) 傷口が石のように固くなり膿がでるのでしょうか。 
2) 個人病院ですので大きな病院に変わりたいのですが、先生に言えば今後の通院が不安になりますので言えません。黙ってよその病院に行っていいでしょうか。

大変いろいろとお尋ねしてすみません。よろしくお願いいたします。

1) ふつう逆で、炎症(感染)を起こして、膿もたまり、固くなるのだと思います。 
2) いろいろなデータ、今までの経過を記載した紹介状を持っていくべきです。無いと無駄な検査をすることにもなり、治療にも支障を来たします。個人病院でも必ず紹介状は書いてくれるはずです。(文責 石川)

 

No.7269】  07年10月15日  T 
術後の痛みはいつごろまで続くものでしょうか?

いつも拝見させていただき、心強く感謝しております。2006年12月、58歳で左乳房全摘手術を受けました。浸潤がん(硬がん)で、腫瘍径は3.2×1.7センチ、乳管内進展も著明ということでしたが、幸いリンパ節転移なし、NG1、HER-2も0、断端もOK、PRのみ+でした。その後アリミデックスのみ服用しております。お陰様で深刻な副作用もなく、先生も信頼しておりますが、患者数が多すぎ、先生との会話の時間が殆ど取れません。未だに患部(傷の中央、脇の下)にずきんとした疼痛が走ることがあり、半年位たったところでお尋ねしましたが、「気にしないでいいですよ」と言われました。この相談室でも術後の痛みのケースはあまり見かけないのですが、こういう痛みは、どなたにもいつまでも続くものでしょうか? 疼痛がおきる時は、体の動きとは全く関係なく、じっとしている時でも突然刺すように起こり、普段は何ともありません。

術後の手術部位(創や脇の下など)の痛みはよくあることで、個人差があります。何年たっても訴えられる患者さんは、残念ながら少なくないというのが実情です。(文責 石川)

 

No.7268】  07年10月15日  H.M
ホルモン療法剤とトランサミンについて 

昨年4月、乳房温存手術をうけ、放射線療法を経て、現在ノルバデックスとゾラデックスにてホルモン治療継続中です。50歳、手術時閉経前でした。がん治療のことではないのですが、よろしくお願いします。先日、鼻の奥に激しい痛みがあり耳鼻科受診したところ、炎症ということで抗生剤などとともにトランサミンカプセル2錠×3回/1日(4日分)処方がありました。また、時を同じくし、皮膚科でも顔面の腫脹でトランサミンカプセルを処方(14日分)されました。乳癌治療中の事は申しましたが、相互作用に関して心配です。ノルバデックス・ゾラデックスの副作用として、血栓症のリスクがあったように思います。止血剤としてのトランサミンの血小板凝固作用は、ホルモン治療中、長期服用に問題はないでしょうか。血栓症などのリスクを助長することにはならないでしょうか。

ホルモン治療中でもトランサミンの長期服用に問題はないと考えます。(文責 石川)

 

No.7267】  07年10月15日  S 
良性のしこりが悪性に変わることはありますか?

はじめて相談します。三年前に右の乳房にしこりが発見され、病院にいきました。マンモとエコー、細胞診の結果、良性のしこりと診断されました。その後しこりは3cmくらいで、定期的に診察を受けています。担当医は摘出しなくてよいとの診察でしたが、良性が悪性に変わることはないのでしょうか? もしあるなら、今のうち摘出してしまったほうがよいのではと考えてしまうのですが、このまま経過観察でよいのでしょうか? 是非教えてください。お願いします。

良性が悪性に変わることはないとは言えません。3年前からしこりがあり、定期的に診察を受けていて、大きくなっていないので、まずその可能性は極めて少ないと思いますが・・・。摘出してしまうのも悪い選択ではないと考えます。(文責 石川)

 

No.7266】  07年10月15日  Y.M. 
骨髄転移の今後の治療法について

こちらの相談室には以前お世話になりまして、ありがとうございました。今回は友人の件で質問があります。
43歳。7年前に手術。3〜4年後に骨転移でホルモン剤、抗がん剤をしており、効果も多少あり、普通に過ごしていました。今年7月初めに背中に激しい痛みと足の痺れや違和感で入院。検査の結果、骨髄転移で、血小板の減少、貧血の症状も出ています。その後下半身はほぼ麻痺で寝たきり。自力で車椅子に乗ることもできず、入院4ヶ月目に入ります。放射線もあてましたが、効果がなかっようです。内臓など他への転移はありません。現在の治療は、アドリアマイシンとタキソテールですが、主治医からは緩和ケアへの転院も示唆されているようです。二人の子供がいる本人は、先の見通しもたたず、絶望しています。そこで質問です。
1) このような状態で、もう歩くことはできないのでしょうか。何か治療法はあるのでしょうか。抗がん剤が効けば、麻痺が改善することはあるのでしょうか。
2) 骨髄転移の予後はどんなものでしょうか。他に転移がまければ、これで死ぬことはないと考えていいのでしょうか。
3) せめて、自宅で過ごせるようにしてあげたいのですが、可能でしょうか。

本人から、詳しく病歴が聞きだせず、情報が少なくて申し訳ありません。何とかしてあげたくて、ここでご相談させていただきました。よろしくお願いします。

1) 原因が癌の脊椎転移で、化学療法・ホルモン療法・放射線療法が無効なら、回復はーもう歩くことは無理です。抗癌剤が効けば、麻痺が改善することはありえますが・・・。
2) 骨髄転移の予後は不良です。他にもいろいろな臓器に転移を起こし致命的になります。
3) 自宅で過ごすためには、家族の多大な努力と訪問看護センター(看護師と医師)の協力が必要です。(文責 石川)

 

No.7265-1】  07年10月15日  M&M
血性分泌物と自分の癌のタイプについて

お世話になります。42歳閉経前(子あり)で、1年前乳房温存手術(非浸潤数箇所の中、浸潤癌1.3センチ、リンパ節転移1/16、ただし非常に小さい。ホルモン-・グレード3・ハーツー+3)を受けました。FEC4クール・タキソテール+エンドキサン4クール、放射線60グレイを受け、現在無治療です。先月術後1年検診でマンモ・エコー共異常なしでしたが、今日なんとなく健側の乳を搾ってみると血性の分泌物が出ました。初発時のことですが、しこりを発見して2年間放置していました。しこりを発見する1年前に(つまり術前3年前)検査で異常なかったので、しこりは1年で一挙にできたようですが、放置の2年間は大きくなりませんでした(なので放っていました)。
質問です。
1)自分の初発時の癌はどういうタイプなのでしょうか?(いきなり大きくなって、その後、勢いがなくなるという感じなのでしょうか)
2)しっかりした治療は受けられたと思っていますが、私のタイプだと、再発・転移の可能性はどれくらいなのでしょうか?
3)今日出た血性の分泌物は、先月検査で異常がなかったことを考えると心配いらないものでしょうか?(しこりはありません) ちなみに更年期障害対策のためプラセンタエキス注射を婦人科で受けていますが、その影響は考えられますか?
4)仮に血性分泌物が悪いものだったとして、それは非浸潤癌の可能性ですか? もしそうだとしても、しこりがないなら治療の必要はないですか?
5)血性分泌物側乳房を調べるとなった場合、乳管造影はするものですか? なんだかとっても痛そうなので、検査をすすめられても腰が引けそうです。

いろいろと申訳ないですが、1,2)に関してはずっとお伺いしたいと思っていて、ちょうど(!?)血性分泌物も出たということもあり質問させていただきました。よろしくお願いします。

1)浸潤癌、リンパ節転移1/16、グレード3、ハーツー(3+)なので、再発高リスク群に入るタイプだと思います。
2)しっかりした治療は受けていると私も思います。個々の患者の再発リスクをコンピューターでデータベースに基づき予測するAjuvant! Online(ただし欧米のデータに基づいているので、日本人にかならずしも当てはまりません)によると、10年再発率50%前後となります。
3)血性の分泌物は、きちんと検査を受けるべきです。ホルモン剤の影響ということは考えられるとは思います。
4)仮に乳癌が原因だとすると、非浸潤癌の可能性は大いにあると考えます。この場合、しこりがなくても治療は必要です。
5)乳管造影検査は普通行います。(文責 石川)

 

No.7265-2】  07年11月01日  M&M
血性の分泌物

先日HPNo.7265で血性の分泌物などで質問させていただいたM&Mです。ご丁寧なお答え有難うございました。そのご回答を受け再度質問です。先月受けた術後1年検診では、マンモ・エコー・採血・診察で異常がなかったので、血性分泌が現状あっても、次回12月後半の診察まで待ってもいいものでしょうか? それともとりあえず受診すべきでしょうか? 大きな病院で気軽に受けられるようなところではないだけに、待ったほうがよいか、近いうち予約を入れたほうがいいか迷います。ちなみに12月まで診察を待ったとして検査を受けることになれば、検査待ちで3ヶ月以降となりそうです。精神的に待てないということはないですが、症状的に待っても大丈夫なのか、アドバイスお願いします。あと乳管造影は普通に行いますとの事ですが、かなり痛い検査なのでしょうか?(想像するにはとても苦痛を伴いそうです) 度々の質問申訳ないですが、よろしくお願いします。

先月の検査で異常なしということであれば、それほどあわてる必要はないように思います。検査時の痛みはその時々で差があります。(文責 加藤)

 

No.7265-3】  08年10月11日  M&M
癌の可能性は?

以前No.7265でお世話になった者です。その節は有難うございました。血性分泌物は1ヶ月程でおさまり、その後は透明液です(結局乳管造影せず、分泌物検査は異常なしでした)。しこりは最初ないと思ってましたが、その後、少しわかりにくいしこりがあり、エコーでフォローも特に疑わしい像なく、つい最近行ったマンモも異常ありませんでした。ですがこの半年強で3回細胞診をしたところ、一度悪性疑いクラスWがでました(しかし細胞数少ない)。再検した結果は異常なし。主治医が言うに、針生検をしても細胞が取れない可能性が有るので、部分摘出はどうかと・・・。しかし画像に問題がないことを考え、相談した結果、とりあえずフォローとなりました。マンモもエコーも問題ないのにガンという可能性はあるものでしょうか?

ご質問ありがとうございます。ご心配なお気持ちが少しでも和らぐようにお手伝いできれば幸いです。状況からは乳管内乳頭腫すなわち良性の可能性が高く、経過観察で良い可能性はあります。ただし、きっと主治医の先生はクラス4が一度報告されたことがご心配なのだと思います。私たちは常に見落としがないように細心の注意を払っています。ですから、少しでも乳がんを疑う場合には針生検を、そしてそれが難しければ切開摘出生検をご提案します。確かに、マンモグラフィー、乳腺エコーで全く問題がないのだとしたら乳がんの可能性は低いとは思いますが、M&M様には痛みをともなう検査をする前に是非一度乳腺造影MRI検査をお勧めいたします。主治医の先生に聞いてみてくださいね。私たち神奈川乳がん治療研究会のメンバーがついていますから。またご不安な時にはご質問くださいね。(文責 高橋)

 

No.7264】  07年10月15日  S.S.
治療法について (HPNo.7215-2)

治療法についてお伺いします。乳がんがみつかり、腋下に転移していました。3センチと大きいこともあり、術前化学療法を勧められました。私としては、シンチやCTの結果で腋下以外に転移がなければ、先に手術したい気もあります。「メリットとして薬の効果がわかること、デメリットとして効かない薬で三ヶ月間無駄な治療をしてしまう」ことを言われました。他にデメリットはありますか? 6ヶ月の治療の後、手術に耐えられるのかも不安があります。ホルモン感受性などは、まだ出ていません。

メリットとしては、手術後も化学療法することになると思いますが、手術により解剖学的な血管の走行が破壊される前の方が抗癌剤が効きやすい、また術前化学療法が効いて腫瘍も縮小すれば、乳房温存手術もやりやすくなる可能性があります。デメリットは白血球減少などの骨髄障害で手術にはマイナスですが、ふつう時間が経てば回復し手術可能となります。(文責 石川)

 

No.7263】  07年10月15日  H.Y. 
乳がん グレードW

先月の終わりに右乳房が腫れと熱を持ったので、近くの乳腺外科に診察をしました。MRI、CT、マンモグラフィ−、エコー検査の結果、炎症性乳がんの可能性が高く、グレ−ドW期と言われました 術前に抗がん剤治療(CFC)を開始するとの事です。組織検査の結果が出るのを待っています。その期間は3週間待ちです。本とかで読むと、それよりも早く結果が出るようですが、これは病院によって違うものなのでしょうか。現状として乳房の鈍い痛みや腫れは引きません。このまま待っていたほうが良いのでしょうか。また、それ以外にセカンドオピニオンを考えています。時期としては、組織検査が分かった段階で受けたほうが良いのでしょうか。毎日とても不安です。どうぞよろしくお願いいたします。

組織検査の結果が出るのに要する時間は、病院によって違う場合があります。普通1週間以上はかかると思います。セカンドオピニオンを受けるなら、組織検査の結果はあとで報告してもいいわけで、炎症性乳癌が疑われている場合は特に早いほうがいいと考えます。(文責 石川)

 

No.7262-1】  07年10月15日  アグリ
術後はじめてのCTを撮りました

初めてご相談させていただきます。よろしくお願いします。左乳がんの手術を8月中旬に受けました。腫瘍は5センチで、リンパ節40個全て転移があって、鎖骨付近のリンパも転移が認められました。抗がん剤、放射線治療は受けず、現在タモキシフェンの服用をしております。食欲があり、体調も良いのですが、食事途中位から左わき腹に鈍い痛みが起き、すぐに忘れることもあれば、シクシク痛むこともあります。肋骨を見ると、左がせり上がって腫れているようにも見え、昨日外科でCTを受けたところ、膵臓が腫れてリンパ節も気になるとのことでした。そのまま内科に行き、超音波で映像を見てもらったところ、膵臓は腫れているといえば大きいが、小腸か、十二指腸になにかあるようだと言われます。造影剤を使ったCTは、私にヨウドアレルギーがあるために受けられず、診断が難しいようです。この時期に乳がんからの消化器への転移というのもあるのでしょうか? 今の私のような状態では、今後どのような検査や治療が望ましいと考えられるでしょうか?

リンパ節40個に全て転移があって、鎖骨付近のリンパ節にも転移が認められていることから進行癌と思われ、消化器への転移という可能性はあると考えます。今後、定期的に転移の検査は必要で、抗癌剤治療や、適応があるならホルモン療法、分子標的治療など積極的に行っていく必要があると思います。主治医とよく相談してください。(文責 石川)

 

No.7262-2】  07年10月21日  アグリ
術後はじめてのCTを撮りました(2)

ご回答ありがとうございました。取り敢えず月末に内視鏡検査をうけることになりました。ところで、ここ3日ほど7度5分ほどの微熱が続いています。軽い風邪かもしれません。微熱のせいか肩や背中肩甲骨のあたりが痛みます。手術側の左胸患部付近、肋骨付近はずっと違和感、痛みがあります。左肋骨付近は乳がんになる以前から凝る様な感じがしていました。現在、左右差があって左が腫れているようにも見えるので、観察していましたら、背中側肋骨下から3番目のところにしこりを見つけました。左頚部にも小さなしこりがあって、術前に診察をうけたところ、触診で「これは大丈夫だろう」ということで、そのままです。頚部のものは平べったい楕円形で、くりくりよく動く1cm弱のしこりで、背部に見つけたものも、形と状態は似ていて、大きさは2cm弱くらいです。内視鏡は10日後で、そのときに主治医に診ていただくつもりですが、たとえば癌が飛んだものかどうかは超音波である程度わかるのでしょうか? 乳房のときのように細胞針を受けることになりますか? しこりが癌であった場合、細胞診でまた飛ぶようなことになりませんか? 再度になりますが、ご意見ご回答よろしくお願いいたします。

超音波検査である程度良悪性の判断がつく場合もあります。細胞診の検査をして情報を増やすとより診断に近づけるかもしれません。細胞診の検査で癌を飛ばすことは無いと思います。(文責 片山)

 

No.7262-3】  07年11月04日  アグリ
術後はじめてのCTを撮りました(3)

いつも迅速なご回答ありがとうございます。内視鏡検査を終えました。麻酔を受けましたので、目が覚めた時には、主治医は次の手術に行ってしまっていて直接話を聞けていませんが、付き添ってくださった友人の話では「胃はきれいでした」と、言われたそうです。内視鏡前に肋骨部分のしこりを触診していただきましたが、気にすることは無いといわれました。次の診察日が2週間後ですが、食事途中からの左肋骨付近から背中にかけての痛みと、気になる微熱が今も続くため、次の診察日まで待てずに地域の開業医を訪ねました。私のほうのデーターは何も無いにもかかわらず、微熱が続く不安と、肋骨のしこりについても丁寧に診て下さり、以前ガンセンターにも居られたということで、かなり親切に詳しくお話くださいました。しこりはリンパ節で、超音波と触診の感じでは悪いものとは思わないので観察して良いと思うと言っていただきほっとしています。今後の治療はやはり手術執刀していただいた先生を中心にお世話になっていきたいのですが、思ったよりも術後の体に不安定さがあり、今回診ていただいた開業医の先生は自宅から近いですし(手術した病院は車で1時間の距離)先生のほうも、手術した病院を治療の主軸にするということでしたら、普段のケアはさせてもらいますと快く言ってくださいます。
1) 私のこれまでの経過を知っておいていただきたいのですが、このような理由で手術した病院でデーターをいただくことは出来るでしょうか?
2) 微熱についてですが、主治医も開業医も今のところ何ともいえないようですが、タモキシフェンを飲み始めて2か月ですが、薬の副作用で微熱が出ることはあるのでしょうか? それとも他に体の中で炎症があると考えられますか? 
3) 主治医からは生理を止める注射を毎回口がすっぱいほど進められていますが、やはり今以上の体調不良が起きてくる可能性は高いでしょうか? 仕事をもっているため、今の体調が仕事を出来る限度です。

ご意見、ご回答の程よろしくお願いします。

1)貴女の診療情報は病院のものではなく貴女のものです。その情報をもらうことに遠慮はいりません。一般に病院の先生は患者も多く忙しいので、途中経過を別の先生が診てくれるというのであれば喜んで情報を提供してくれると思います。
2)タモキシフェンの副作用で微熱というのは頻度の少ない副作用です。絶対無いとは言えませんが、副作用の可能性は低いと思います。かといって他に考えられる原因もなさそうですが。炎症があれば、微熱ではなく高熱になりますから、炎症も考えにくいです。
3)確かに貴女の病理所見(腫瘍径5cm、リンパ節転移40/40)から考えると、タモキシフェン単独という治療法は標準治療とは言えません。術後の化学療法や放射線治療を行わなかったことには何か理由があるのでしょうが、主治医の先生がおっしゃるように、化学療法を行わないのであれば、せめてLH-RH analogue(生理を止める注射)を勧めたくなります。LH-RH analogueの注射を行うと生理が止まりますから、様々な更年期障害様の副作用が出てきます。この副作用の程度は個人差があるので実際に打ってみないとわかりません。しかし、この薬は可逆性のある治療(中止すれば元に戻る)なので、一度試してみる価値はあると思います。注射をして調子が悪くなれば中止すればよいのです。(文責 清水)

 

No.7262-4】  07年11月10日  アグリ
今後の治療について

ご回答、ありがとうございます。明後日、病院に行きます。生理を止める注射を受け入れようと思います。10年前からあらゆる化学物質を受け入れられないアレルギーが強く出るようになってからは、治す薬は無く、食と生活を変えて体質を改善することだけが唯一社会生活が可能になる方法と聞き、身近な化学物質を遠ざけることで徐々に改善されつつあった時にガンになっていました。化学療法を受けなかったのは、そういう理由からです。手術にもなかなか踏み切れずにいたところ、主治医がお盆休みにもかかわらず、「この時期に手術しましょう」と言ってくださったのがきっかけで、あらゆるタイミングがそこに集約し、踏み切ることが出来ました。思っていたよりも術後の体の不安が続き、自分の体に起きていることを知る作業が、今まで向き合うことが出来なかった「乳がん」について勉強することでした。そんな中こちらの相談室を知ることになったのですが、「予後」「生存率」の文字を目にすると、これからの時間をどう過ごすかを考えます。主治医の先生は一つ一つ決断の遅い私に痺れをきらしつつ、それでも治療方針の提示を示し続けて下さっているので、今回は結果がどうであれ価値ある治療と思いチャレンジしたいと思います。4日前から軽い咳が続きます。微熱は昼間37度になる日もあるくらいで平熱に落ち着きつつあります。開業医の先生を訪ねました。喉は赤くなっていないので、風邪ではないらしいです(とりあえず咳止めを下さいましたが)。聴診器をあてて頂いて、胸の音はきれいだと言われました。治療している病院では「胸部レントゲンは撮っていますか」と訊かれましたが、術前に撮ってからは、先日の膵臓の件のCTが一番最近です。咳が続く場合は再度胸を撮っていただいたほうがいいのでしょうか? 再々レントゲンを撮るのも気になります。転移などの場合、早期だから治療効果が上がるわけではないということも聞きますが、先生でしたら、どうご判断されますか?

貴女のような方の場合、その体質にあった治療を患者さんと主治医で根気よく探す作業が必要だと思います。まずLH-RH analogueを始めてみてください。それで調子が悪ければまた次の治療を考えましょう。咳については、ガイドラインでも無症状の時に定期的な検査をすることは推奨していませんが、症状がある時は検査を推奨していますので、やはり胸のレントゲン写真が必要だと思います。(文責 清水)

 

No.7262-5】  08年03月01日  アグリ
今後の治療について(2)

前回ご相談させていただいてから月1回の注射を続けています。ふらつきがあった、り頭痛、気分の低迷などがありますが、どれも耐えられないほどの強さではないのですが、あれから咳がずっと続きます。ひどく咳き込むようなことは無く、どちらかというと、こんこんというから咳が日に何回か出る程度です。それから左肋骨付近のお腹の痛みも続きます。主治医には伝えていますが 咳に関してはずっと勧められてきた注射を開始したこともあってか、特に急いで検査を薦めることもしないので、私のほうも自らCTを撮ってもらう要望はせずに 近頃は暢気に構えてしまっています。
1) お腹の痛みに関しては、膵臓の腫れが内科での超音波で悪いものではなさそうという見解以後、宙ぶらりんになったままです。内科医は、「胃カメラで気になる所見がなかった場合、小腸の検査をしたほうが良い」と言われていましたが、主治医はそれに関しても積極的には勧めません。やはり乳がんの治療を最優先に考えてくださっているのでしょうか。あまり色々聞けず、推測ばかりしています。積極的に検査をすることはしなくてよいですか? 術後のCT、胃カメラの後咳が続いてますので、体への負担を想像すると何の為の検査かが解からなくなってきます。
2) 転移の可能性は頭をよぎりますが、実際そうであった場合、ホルモン剤が効かなかったという判断でしょうか?(タモキシフェン5ヶ月服用 ゾラテックス4回) この場合、他に推奨される方法は考えられますか?
3) それとも、まだこのままタモキシフェンとゾラテックスを続ける意味がありますか? 治療を継続することで現在の症状が無くなってゆくこともあるのでしょうか。

先生でしたらどうご判断されますか?どうぞご返答の程よろしくお願いいたします。

ご自身の体調と相談の上、検査を受ければ良いと思いますから、無理に検査されなくてもいいのでは? 仮にお腹の中に転移があった場合、現在のホルモン療法は無効であったとの判断になります。ただし、最初から、お腹の中の病変があり、現在のホルモン療法を行っているから、これくらいの進行のスピードで済んでいる、言い換えればホルモン療法が効果的であるという考えです。裏を返せば、ホルモン療法を行わないでいたら、もっと早くに病状の悪化がきていたかもしれません。ホルモン療法が無効であると判断するのであれば、ゾラデックスとノルバデックスを継続するより、ゾラデックスはそのままに内服のホルモン剤をアロマターゼ阻害剤に変更するのが良いでしょう。ただし、ホルモン剤を使っている中での病変の悪化ですから、ホルモン療法は効果が少ないかもしれません。もうひとつは、抗がん剤の投与です。ご存知のように、吐き気をきたすもの、脱毛をきたすもの、爪の変化があるもの、などなど、種々の副作用があります。体調のため、当初の治療に抗がん剤を選択されなかった訳ですから、今後も抗がん剤の選択は少ないかもしれませんが、イメージほど、副作用は少なかったりもします。ご自身の体ですから、よく考えて治療をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.7262-6】  08年09月17日  アグリ
無治療ですが

以前何度かお世話になっております。昨夏、手術後タモキシフェン、一ヶ月遅れで生理を止めるお注射をしていただいていました。2月くらいまでは調子がよかったのですが、呼吸の苦しさが顕著になり、過呼吸気味になり、咳もよく出るため、呼吸器科の診察を受けたところアレルギー性の咳という診断でした。その時のCTも異常無しです。主治医に相談をし、4月でホルモン治療を打ち切りました。無治療となりましたが、主治医は今後も診て下さるということで、とても感謝をしております。ホルモン剤を止めてからは下肢の浮腫が強く、体重が増え続けていたのが元に戻りました。ただ、咳と呼吸の苦しさは完全には消えず、今も続いています。先日は半年振りの血液検査でしたが 数値は問題ないようです。今後の検査としては、やはり定期的なCTや血液検査ということはになると思うのですが、私の場合手術前の血液検査もかなりの個数のリンパ節転移があったものの、マーカーなどは反応しません。自分の体を知っておく意味で、必要な検査を受けたい気持ちもあります。血液検査に異常がなければ安心していればよいでしょうか? 患者会などでペット検査というのをよく耳にしますが、どういう検査でしょうか? どうぞご回答の程よろしくお願いいたします。

術後の検査については、ガイドラインの推奨は十分な問診、視触診と一年に一度のマンモグラフィーで、血液検査や画像検査((CT, US等)は症状があったときに行うとなっています。しかし、このガイドラインの根拠は、定期的な画像検査をした場合と症状に応じて画像検査をした場合で、予後に差がないという臨床検査の結果に基づいています。ですから貴女のように自分の状態を知りたいということであれば、主治医の先生にお願いして検査を行っても良いと思います。通常行う検査は、骨シンチ(RI)、CT、エコー検査等です。腫瘍マーカーは再発に鋭敏に反応する方、反応しない方様々で、実際のところ再発してみないとわからないというのが現状です。ですから、血液検査の結果が異常ないから絶対に安心という訳にはいきません。PETはRI検査の一種で、RIで標識したブドウ糖を注射して、そのブドウ糖の取り込みの多い部分を探します。通常、悪性腫瘍はブドウ糖の取り込みが多いので、この検査で陽性に出た部位には悪性腫瘍がある(原発、転移を問わず)可能性が高いと診断されます。一回の検査で全身の転移がないか、他の癌ができていないかの検査ができるというのが大きなメリットですが、その診断能力は数cm単位の大きさなので、癌の早期発見を期待することはできません。乳がんの場合、他の画像診断で再発が疑われる場合でないと術後の検査として保険適応がありません。(文責 清水)

 

No.7261-1】  07年10月15日  F 
MRI検査について

2年前に、検診で初めて撮ったマンモグラフィーで、左右両胸に、びまん性の微小石灰化が見つかりました。大学附属病院で、再度、超音波とマンモグラフィーを撮って検査したところ、カテゴリー2という判断で、「両乳腺症によるものと考えます」と言うことで、経過観察を行っていました(ただし、右乳房は、領域性、区域性がなくもない)。昨年も同じ判断で、一年後の今年、再度同様にMMGとエコーを行った処、エコーで少し気になるところがある(右の乳首の上に、色の黒く見えるところが写っている)とのことで、造影剤を使ってMRI検査を行う予定となりました(検査は、1ヶ月近く先ですが・・・)。MMGについては、「昨年と特に変化は見られないけれど、エコーの方からいわゆる早期の乳がんを否定できないから、心配ないとは思うけれど、念のために一度MRI検査をしてみましょう」と言うことになったのです。
私の(素人感覚ですが・・)聞くところによると、MRI検査は、手術の前に病変の広がりを判断したりする為に行われることが多く、病気の良悪性の判断には、あまり使えないと聞いたことがあります。石灰化病変の良悪性の判断は、針生検か、マンモトームによる細胞診と聞いているのですが・・・。こちらの病院にはマンモトームはありません。昨年そのことは聞いていて、「マンモトームを薦めるほどの疑いはないだろうし、おそらく希望しても撥ねられる可能性の方が高いでしょう。」とのことでした。マンモトームをやりたいわけではありませんが、私のような石灰化が散在しているタイプの患者には、マンモトームは有効ではないのでしょうか。また、造影剤を使ったMRI検査は、どういったメリットがありますか? もしかしたら、はっきり診断がついていて、術前の検査の意味があるのでしょうか。不安です。先生は、あくまで念のためとおっしゃられているのですが・・・。お忙しいところ申し訳ありませんが、教えていただきたくお便りしました。宜しくお願いします。

MRI検査は術前に病変の広がりを判断したりする為に行われることが多いですが、造影剤を使ったMRI検査は病変の良悪性の判断にも有用です。それで石灰化病変に悪性の疑いがあれば、マンモトームによる組織診か生検を行います。微細石灰化がみられる場合、組織が採取できるマンモトーム検査は良悪性の判断にかなり有効です。(文責 石川)

 

No.7261-2】  07年10月17日  F 
MRI検査について(2)

早速回答をありがとうございました。造影剤を使ったMRI検査は、身体に傷を付けることなく石灰化病変の良悪性の判断を行えるという点がメリットと考えて良いですか? その結果石灰化病変に、悪性の疑いがあれば、マンモトーム検査による組織診を行っていくとのことですが、もし良性の可能性のほうが高いと判断された場合は、そのまま経過観察を続けていって良いのでしょうか。MRI検査の信用性は、どのくらいありますか? 超音波検査とMRI検査では、どちらの方が、判断に優先されますか? お忙しいところすみません。宜しくおねがいします。 

数少ない検査で典型的な所見で診断がつく場合もありますが、そうでない場合も多く、複数の検査で情報を増やしていくということになります。種々の検査は補完しあうものですから、症例によりその判断は千差万別であり、どの検査が優先されると決まったものではありません。(文責 片山)

 

No.7260-1】  07年10月15日  T.M
リンパ節転移数について

先月、私の母(61歳)が右乳房の温存手術をしました。リンパ節転移有りで、抗がん剤治療(EFC治療)を3週間に一回、6クール投与&放射線治療すると決まりました。しこりの大きさは1.7cmで、早期の方だと思っていましたが、リンパ節転移があると、ステージ2で早期乳がんとは言えないのでしょうか? リンパ節の転移数は、「結構ありました」と先生に言われたようで、その言い方から、個数までは聞くのはつらいので聞いてないようです。インターネットで調べると、ステージが低くても、リンパに転移数が多いと生存率は低くなると書いてありますが、やはりそうなのでしょうか? ステージ2で5年生存率約80%とか書いてあるのは、リンパ節転移の少ない場合だけあてはまる事なのでしょうか? それと、みなさん、ご自分の病理結果を詳しく知っておられるようですが、最低限どこまで、知っておくべきなのでしょうか? 母は、先生にお任せするという姿勢なのですが、私の方が色々と気になって仕方ありません。長文で分かりにくいと思いますが、宜しく御願いします。

リンパ節転移があると、早期乳癌とは言えません。リンパに転移数が多いと生存率は低くなるのは事実です。stage Uで5年生存率約80%とは、一般的にリンパ節転移の少ない場合にあてはまると考えます。乳癌の組織型、腫瘍の実際の大きさ、リンパ節転移の個数、悪性度、脈管侵襲ly・v、ホルモンレセプターER・PgR、Her 2などは、今後の治療法のためにわかっていたほうがよいでしょう。(文責 石川)                        

 

No.7260-2】  07年11月01日  T.M
ステージ2?ステージ3?

先日HPNo.7260で、母の件で質問させて頂いた者です。病理結果を詳しく聞いて以下のような結果でした。リンパ転移数18/19 ホルモン受容体Er+、Pgr−、Her2(+3)、核異型度3。一般的には、T1,N1,M(-)で、ステージ2aですが、N2と考えるとステージ3aとも考えられるようです。やはりリンパ節転移数が多いので、ステージ3aに該当するのでしょうか? あとホルモン受容体が一つ陽性なので、ホルモン治療もするようですが、ホルモン治療している期間は、再発の心配はあるのでしょうか? 抗がん剤治療(FEC)&放射線&ホルモン治療すべてをする事になりますが、それでも一般的に、リンパ節転移数10個以上だと、再発率は60〜70%は変わらないと思っていてよいのでしょうか? 主治医に聞いてもよいような件で申し訳ないのですが、主治医と話す時は母も一緒のため、再発の事など少し聞きづらいので、宜しくお願いします。               

American Joint Committee on Cancer(AJCC)の分類によると、N3となりステージVCです。ホルモン治療中でも可能性はあります。再発率はもう少し低下を期待できるかもしれません。(文責 加藤)

 

No.7259】  07年10月15日  M.S. 
授乳中の乳がん検診について

現在6ヶ月の男児がいる32歳です。これまでに一度も乳がん検査を受けたことがないので検査を受けたいのですが、現在授乳中です。授乳中でも検査をしてもらえるのでしょうか? また検査方法に違いなどはあるのでしょうか? 以前産婦人科の先生に聞いたら、妊娠・授乳中は検査をしてもわかりづらいと言われました。しかし当分の間授乳を続ける予定なので、検査を受けておきたいのです。どうぞよろしくお願い致します。

確かに妊娠・授乳中は検査をしてもわかりづらいのですが、授乳中でも検査はできます。マンモグラフィー検査はふつう授乳中では情報が殆ど得られず、行っても意味がありません。するなら超音波検査が良いでしょう。(文責 石川)

 

No.7258-1】  07年10月15日  J.M.  
ノルバデックスを服用すべきかどうかについて

今年7月に左乳房乳腺全摘手術を受けて以来、ここの相談室を読み、ずい分参考にさせていただいています。ありがとうございます。
さて、はじめの手術からたった3ヵ月後、対側乳房にしこりを見つけ、針生検の結果、細胞は乳頭症(乳首から分泌物出ていないのに?)で良性だが、一種の前癌状態と主治医がおっしゃいました。今は切除するわけにもいかず、しかし進行をとめるためにもノルバデックス服用を勧められました。子宮体がんの可能性が増すなど副作用もあるそうですし、なるべくなら飲まずにすませられると嬉しいです。
1)現在の状態からすると、やはりこの薬を飲んだほうがよいでしょうか。
2)何年服用するのですか。
3)5年服用するとすれば、それでもう癌は進行しないのですか。
4)左乳房も、2年間もしこりがあると主治医に診て頂いていたにもかかわらず、長い間癌と診断されませんでしが、これも「前がん状態」が続いて、そのうち本物の癌になったとは考えられないでしょうか。

先に手術した左乳房の病理検査結果は次の通りです。「皮下乳腺全摘手術、乳首、乳輪は残っています。48歳、閉経前、非浸潤乳管癌、病変が広範囲だったためこの手術となる、リンパ節転移なし(センチネルリンパ節生検後)、ホルモン受容体陽性(エストロゲン、プロゲステロンとも強陽性)、癌細胞異型度グレード1、癌細胞の状態はnon-comedo型(非面ぽう型)」でした。家族に癌にかかった人はいません。どうぞよろしくご解答いただけますよう、お願いいたします。

1)乳頭腫なら、内服せずに経過をみても良いと考えます。
2)2年以上5年ぐらいまでが標準的と思います。
3)5年服用しても、それで、もう癌は進行しないとは言えません。無効のこともあります。
4)前癌状態から、本物の癌になった可能性もあると考えます。(文責 石川)

 

No.7258-2】  07年10月19日  J.M.  
ノルバデックスを服用すべきかどうかについて(2)

HPNo.7258(10月15日付)にご解答いただいた者です。お返事をありがとうございました。大変感謝いたしております。また新たに疑問がわいてきたので質問させてください。今年7月に左乳房乳腺全摘手術を受ける前、さかのぼってそこに2年間しこりがあったが4〜6ヶ月ごとの針生検ではずっと「良性」と結果が出ていました。それと同じく今回の右乳房のしこり(4.4mm)もしばらくの良性期間を経た後、癌化する可能性大とすれば、
1) 以下のような治療を望んではいけませんか。いけないとすれば理由は何ですか。いつかは癌になるかもという不安をかかえて暮らすより、「@全摘術を受け、放射線照射もノルバデックス服用も無し、A全摘術 + ノルバデックス、これがどうしてもだめなら、B温存手術 + 放射線、C温存手術 + 放射線 + ノルバデックス」
2) もし手術を認めてくださるなら、@〜Cのどれをお奨めになりますか。私としては@の「全摘術のみ、術後治療なし」を強く希望しますが、かなえられますか。
3) 全摘しても、再発予防のためにノルバデックスが必要ですか。

個人的には、今の段階で全摘術や温存術+放射線照射はやりすぎのような気がします。確かに乳頭状病変は病理診断でも難しい場合がありますので、腫瘤全体の摘出は考慮しても良いと思います。
早期乳癌では,タモキシフェンによる術後補助療法が再発リスクや死亡リスクを有意に低下させ,対側乳房の新たな原発腫瘍発現リスクも低下させることが示されており、内服はお勧めできる治療だと思います。(文責 片山)

 

No.7258-3】  07年11月01日  J.M.  
腫りゅうの摘出

いつもありがとうございます。HPNo.7281(10/19)で、片山先生も「確かに乳頭状病変は病理診断でも難しい場合がありますので、腫りゅうの摘出は考慮してもよいと思います」とおっしゃってくださったこともあり、近々それをしていただくことになりました。そこで質問ですが、
1) メスで患部を傷つけると、その部分が弱くなって、癌が進みやすいということはありませんか。(今は乳頭腫だとすれば、癌化するのが速まりませんか?)
2) MRIなどで病巣の広がりを調べていない段階ですが、この「しこり摘出」の後、本格的な手術が必要になったとき、そのときにMRIで病巣の広がりを調べることはできるのですか。出来ない時はどうするのですか。

どうぞよろしくお願いいたします。

1) そのようなエビデンスはありません。
2) 可能であれば、腫瘤摘出の前にMRを行っておいた方が良いと思います。摘出後でも検査は可能ですが、手術した部分の影響がでて診断しにくくなると思います。(文責 清水)

 

No.7257】  07年10月15日  k m
抗がん剤感受性試験

抗がん剤感受性試験に関して教えてください。
1) 転移性乳がんに対する試験は可能でしょうか?
2) 試験には、がん細胞が必要でしょうか?
3) この試験の信頼性はどのくらいでしょうか?
4) 費用はどのくらいかかるでしょうか?
5) 転移性乳がんに対するこの試験を実施している医療機関を教えて下さい。

よろしくお願い致します。

1) 可能と思います。
2) 試験には、がんの組織が必要です。
3) 生体外の試験管内などで行う試験なので、生体内の反応、すなわち実際の臨床効果と異なる成績がでることもあります。絶対的な信頼性はありません。一般的にはあまり行われていないと思います。
4) 費用はかなりのものだと思います。正確には知りません。
5) 転移性乳がんに対するこの試験を実施している医療機関を私は知りません。がんセンターなどの研究機関なら、治験を含めて、やっているかも知れません。(文責 石川)

 

No.7256】  07年10月12日  IT 
術後抗がん剤治療について(HPNo.7095-3)

HPNo.7111で妻のご相談に応じてもらいましたが、再度ご相談いたします。
9月4日に第一回目のAC療法(アドリアマイシンを90cc+エンドキサン900cc)を始めましたが、予想通りかなり強い吐き気の副作用が出ました。4日から7日まで、吐き気で全く食べられず、8日から少しお粥を食べられた状態で、ずっと吐き気止めの点滴です。7日に腫瘍内科の先生から、肝臓の数値(たぶんビリルビン?だと思います)が手術前も少し高く1.3で、7日が2.2、今日も2.2と言われ、「これが抗がん剤の副作用なのか分らないため様子を見ます」と言われました。今日変化がなかったため退院しました。体重が3kg減りました。今まで健康診断でも肝臓のことは言われたこともなく(当然黄疸など出たこともなく)心配です。抗がん剤の量を次回から減らし、間隔も4週間にするかもしれないと言われました。2回目も外来でなく入院の予定です。しかし妻はこんなつらい治療はもうやりたくないと言っています。そこで質問です。
1) 今日(10日)まで吐き気などが続くものなのですか。
2) このままAC療法を中断してしまうという方法は、妻の体のことを考えて選択肢として入りますか。
3) その場合他の療法はありますか。(例えば違う抗がん剤に変更するとか、妻の希望通りやめてしまうか)
4) AC剤療法を一回だけでやめてしまう事は、まったく抗がん剤の意味がないものなのでしょうか。
5) 肝臓の数値も心配です。このまま2回3回と続けて健康な臓器に負担をかけ、後遺症として残りませんか。
6) もし抗がん剤を続けるとして、量を減らすとどう影響しますか。再発率とかどうですか。

以上よろしくお願いいたします。

1) 吐き気には個人差があり、奥様のような患者さんはいます。通常の吐き気止めだけでなく、抗不安薬なども併用することがあります。
2) 当然、選択肢としてあります。
3) その場合、タキサン系や、エビデンス(客観的な大規模臨床試験の結果)が少ない経口抗がん剤などの選択肢があります。
4) この1回だけでも意味があるとは言い難いです。
5) 抗がん剤を分解する酵素が十分に働かない、薬剤に対して肝臓が過敏など、ビリルビンが上昇する原因はいくつかあります。一般的には、よほど漫然と肝機能異常を来す薬剤を投与し続けない限り、後遺症として残ることはないと思われます。この点は十分、主治医とご検討することをお勧めします。
6) 通常20%減量で、再スタートします。ただし、20%減量すると何%再発率が上昇するかは、個人差も含めてだれもわかりません。(文責 緒方)

 

No.7255】  07年10月12日  S 
乳癌の進行

乳癌の進行はあまり早くないのですか? 検診で見つからず、その後数ケ月でしこりを感じても、あまりあわてなくていいのですか? やはり急激に進行するものもありますか? 例えばしこりを感じて1週間やそこいらなら大丈夫ですか?

一般的に、がんが1cmまで育つのに数年かかっていると考えられます。検診で感じたしこりが、本当にしこりか、乳腺自体をさわっているだけか、はたまたがんかどうかわからない状態で悩んでも仕方ありません。専門医を受診してください。(文責 緒方)

 

No.7254-1】  07年10月12日  M.S.
手術待ち2ヶ月は大丈夫ですか?

手術までの期間について質問します。私は33歳の女性です。7/2の初診後、検査などで待たされ、乳癌の告知は8/21でした。その後MRI、CT、骨シンチの検査をしましたが、今のところステージTのようです。しかしリンパへの転移は、実際手術してみないと分からないと言われました。2ヶ月ぐらいでは変わらないといわれましたが、かなり不安を感じております。今の時点では転移がなくても、この2ヶ月で転移をするのではないか、大きくなってしまうのではないか、若いと進行も早いとか、不安が頭から離れません。また8/9に太針生検を受けており、細胞を切っているので、そこからガン細胞が広がらないかということも不安です。
いろいろ本やネットなどで勉強しておりますが、だいたい告知後1ヶ月以内で手術ないしは術前療法を受けているようです。また1ヶ月以内に治療を始めたほうが良いと書かれている本もありました。担当医は「他を当たるのはかまいません」といわれています。このまま2ヶ月待つほうがいいのか、多少遠方でももっと早く手術をしてくれるところを探すほうが良いのか、非常に悩んでおります。

お返事が遅くなってすみません。一般的には、ということばが初めにつきますが、2ヶ月で病期Tの病状が取り返しのつかない状態になることは、一般的にはあり得ません。ごくごくまれに、非常にたちの悪いがんが数か月でどんどん進行することがありますが、学会で報告されるような珍しいことです。乳腺外科は、どこも1から2ヶ月待ちの施設が多いです。決して、その状態が患者さんにとっていいことではないことは承知していますが、どうしようもありません。針生検が病状を進めるということも、今のところ確証がありません。主治医の先生を信頼して、今のままでいいと思います。(文責 緒方)

 

No.7254-2】  07年12月18日  M.S.
病理結果による断端陽性および抗がん剤について

7254でお世話になりました。33歳、2歳の娘がおります。予定通り10月31日に左乳房温存手術およびリンパ節郭清を受けました。先日下記のような病理結果がでました。
浸潤乳管癌、硬癌 21×20×17mm、ホルモン感受性 両方ともプラス、Her2 スコア0、核グレード2、リンパ転移 センチネル 1/1(1mm)微小転移 レベル1 1/17(4mm)マクロ転移 レベル2 0/3 転移なし、リンパ侵襲+、静脈侵襲+、脂肪織に浸潤、断端陽性、乳管内進展多数、T2N1a、ステージ2b
これにより、担当医より2つの治療提案がなされました。
1) AC療法先行して再手術。術中に調べて温存できたら放射線+ホルモン療法。
2) 再手術先行。その後AC療法後、温存できてれば放射線+ホルモン療法。

私は先に全身療法のほうが重要と思い(担当医もそのようなことをおっしゃっていました)、AC療法先行で治療を行うことに決定しました。12/11よりAC療法を4サイクルです。質問ですが、
1) AC先行で残っている癌細胞が消滅することはありますか? あれば温存できる可能性が高くなるのでしょうか?
2) AC療法4サイクルということですが、リンパ節転移2個、脈管侵襲ありということで、この療法はガイドラインやエビデンス的にどうなのでしょうか?
3) 担当医よりCEF療法と差はない、といわれていますが、その後の再発率も変わらないのでしょうか?
4) AC後、タキソール(AC→T)という療法もありますが、私には必要ありますか?(このことはまだ担当医に聞いておりません)
5) 再手術後は放射線(温存の場合)+ホルモン療法ですが、その手術の結果(病理等)によっては再び抗癌剤をすることになる可能性はありますか?
6) 担当医より「1ミリは微小転移、4ミリはマクロ転移、気休めではあるが転移数は2個というより1.5個」といわれましたが、微小転移、マクロ転移というのは普通の転移とは違うのですか?
7) ステージ2bとなりましたが、2センチ以下のリンパ転移ありは2aなので、1ミリの違いで2bなのでしょうか? 2aに近いと思っていてよいのでしょうか?

多くの質問で、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

文面からだけ判断して、回答するには正直難しいケースです。切除断端に乳管内進展が非常に多数というのであれば、残った乳房の中に浸潤巣が含まれている可能性も考慮する必要があるし、再手術するのであれば、温存療法というより全摘を考慮してもよいケースかと考えます。
リンパ節のマクロ転移は普通の転移と考えてください。「気休めではあるが、転移数は1.5個」という主治医のお言葉がありますが、転移一個と1.5個と2個がどのくらい差があるかといわれるとそんなに大きな差はないように思います。もし、転移が一個でその転移が微小転移であったならば、リンパ節転移なしの方に近い予後と考えられるかもしれません。同じようにステージ2A 2Bについても、その違いについてさほど重要に考える必要はないでしょう。
あなたの場合リンパ節転移があるので、全身療法もやはり考慮しなくてはなりません。再発抑制効果は高用量のCEFやAC−タキソールのほうがAC4サイクルに比べ高いと思われます。化学療法の内容については主治医ともう一度よくお話ください。
再手術を先行させるか、化学療法を先行させるかについては、その病院で手術を早く組めるのかそれとも待ちが長いのかにもよりますし、難しいところですが、ある程度の待ち時間があるとすれば、化学療法を先行させるのがよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.7253】  07年10月12日  E 
エンドキサンを足しての治療法について

ご相談いたします。2002年左乳房温存にて手術、2センチ以下でしたが、腋窩転移有り、1/4でした。2003年夏、肺に転移、10月よりAT療法6クール終了。2004年11月よりゼローダ服用、現在に至る。腫瘍マーカー値CA15−3、4月より少しずつ上がり、今月69.2、NCCST439 今月392.9。本日よりエンドキサン服用して、しばらく様子見となりました。CT結果は右胸水が出現(少し)、右葉間胸膜の結節は径10o(今年3月は3o)、左S10の結節は径13o(今年3月は8o)でした。ゼローダがそろそろ効果が無くなってきているので、エンドキサンを足して様子を見る事となりました。エンドキサンを足しての治療法についてのご意見を伺いたくメールいたしました。先生ならいかが致しますか?

ゼローダの効果がないとわかっているのに、ゼローダ継続する理由はよくわかりません。そこにエンドキサンを足すことの利点よりも、他剤に変更することの方が利点があると思われます。主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 志茂)

 

No.7252】  07年10月12日  X 
ホルモン療法について

乳房温存術で手術後、現在、放射線治療中です。「・腫瘍の大きさ:1センチ未満 ・グレード:3 ・リンパ節転移は無し ・ER、PgRはともに陽性(+) ・HER2は陰性(−) ・年齢48歳(閉経前)」 グレード以外の因子は、リスク分類では「低リスク」に分類されると思うのですが、グレードが3のため、「中リスク(標準リスク)」に分類されると思います。そこで、ご相談したいことは、術後の補助療法をどうするかということです。主治医からは、「リンパ節転移もなく、ER、PgRはともに陽性なので、化学療法ではなくホルモン療法を勧めます」と言われました。また「ホルモン剤はタモキシフェン単独を勧めます」ということでした。基本的には、主治医の考えに納得しているのですが、書物などで調べてみると、タモキシフェン単独ではなく、LH-RHアゴニスト剤(ゾラテックス・リュ−プリンなど)を併用する方が効果的である、などという記述もあるし、LH-RHアゴニスト剤単独という選択肢もあるようなので、何を選択すれば良いか迷っています。先生のご意見を聞かせていただけると幸いです。よろしくお願いします。

ゾラデックスを投与することで再発率、生存率を改善するデータがありますが「中リスク(標準リスク)」であり、その中の治療はタモキシフェン単独治療も選択枝の1つです。さらに閉経年齢は平均して50歳前後なので、48歳という年齢でタモキシフェン単独投与にされたのかもしれません。もう一度主治医の先生とよく相談し下さい。(文責 志茂)

 

No.7251】  07年10月12日  A 
線維腺腫がある場合の薬の服用について

線維腺腫がある場合の薬の服用について教えて下さい。
不妊治療をしていて強制的に生理をおこさせるために低容量ピル(女性ホルモン剤)「ソフィアA」を処方されました。線維腺腫のことを申告するのを忘れてしまっていたのですが、ソフィアAはエストロゲン依存による乳がんなどの患者、疑いのある人は悪化するので、服用してはいけないと表示してありました。以下が線維腺腫診断の経緯です。
去年の12月に9ミリのしこりの細胞診を行い、線維腺腫と診断されました。6カ月後、エコーで確認すると15ミリほどになっていました。「癌ならもっと大きくなっているはずだから、このまま様子を見続けましょう」ということになり、今日に至ります。先生には妊娠希望は伝えましたが、このままでよいという回答でした。
1) 一度線維腺腫と診断されていれば、服用してよいのでしょうか?
2) 服用して、しこりが大きくなるなどの変化はありますか?(線維腺腫はエストロゲンと関係がありますか?)

1) ほとんどの線維腺腫においては服用しても問題ないと考えますが、6ヶ月で9mmから15mmへ増大しているのは気になりますので、念のため組織診で線維腺腫と診断してもらう方が安心だと思います。経口避妊薬使用が乳癌の発生に対する危険因子になるという強い根拠はないとされています。しかし、日本産婦人科学会の経口避妊薬服用に関するガイドライン上は、乳癌の既往歴があって3年間再発のない方での使用は利益を上回るリスクありとされ、また乳癌患者さんに対しては容認できない健康上のリスクありとされており、慎重に使用した方が良いと考えます。
2) 線維腺腫はエストロゲンの影響を受けて大きくなることは、必発ではありませんが十分あり得ます。(文責 志茂)

 

No.7250】  07年10月12日  Y
温泉の成分について

いつも参考にさせていただいております。2年前に右乳房の温存手術を行い、現在はホルモン治療(リュープリンとノルバデックスD)を行っております。現在は大好きな温泉にも以前と変わりなく入っているのですが、先日温泉の効能の説明のところを読んでいたら、入ってはいけない人の中に「悪性腫瘍」と書かれていました。手術で取り除いたとはいえ、小さなガン細胞が残っている可能性もあるので、温泉には入らない方がよいのでしょうか? 温泉の中の何の成分が「悪性腫瘍」にいけないのか、教えて頂けたらと思います。小さなことでお時間をとって本当にすみませんが、よろしくお願い致します。

悪性腫瘍により体力や抵抗力が低くなっている方にとって、温泉への入浴が影響することが考えられ記載されている思います。温泉の成分が直接腫瘍へ影響するものでは無いと考えます。(文責 西川)

 

No.7249】  07年10月12日  N.N.
手術について

よろしくお願いいたします。2月に人間ドックを受診し、異常が見つかりました。精密検査の結果、左乳腺外側領域に1センチ大と2センチほどの二つの結節状集積が見られ、乳癌(硬癌)と診断されました。周囲6センチほどの範囲に淡い集積が広がっており、浸潤と認められ、リンパ節転移も見られ(鎖骨・両脇、上縦隔)、生検の結果乳癌転移と認められました。「核異型スコア:1 核分裂スコア:1核グレード:1 ER(+) PgR(+) HER-2 Score 1+」でした。Petの結果遠隔転移を疑う所見は認められませんでした。ステージが進んでいたので術前化学療法を行い、FEC4回、タキソール12回を行いました(あと1回タキソールが残っています)。その後手術をということで、1か月ほどおいて白血球の増殖や体力の回復を待ってから乳房切除(全摘)、「センチネルリンパ節生検をしながらリンパ節の郭清をし、その後ホルモン治療になるでしょう」とのお話しをしていただきました。転移、増殖を防ぐため、また手術になった時温存できないかと化学療法を行い、半年後再度のPet、MRIで比較したところ、左乳癌の集積、リンパ節転移の集積はほぼ消失し、化学療法著効とのことでした。しかし患部が風船がしぼむように縮んで欲しかったが、点在して小さくなっているので、温存は難しいとのことでした。手術の方向性が妥当か(特にリンパ節郭清による後遺症が心配)、術後のケアについて、乳房再建を行うとしたらどの方法がよいか等、お考えをお聞かせ願えればと思います(再建については、できるだけ体の負担が少なく、入院の期間も少なくすむ方法を)。よろしくお願いいたします。
Drには信頼を寄せており、なんでもご相談できます(乳癌学会の専門医)。セカンドオピニオンについても「ご自身が納得できるような形で進めましょう」と肯定的におっしゃって下さっています。当方46歳、未婚、出産経験なし。教員です(小学校や養護学校勤務など)。手術の日程を決める関係で、できるだけ早くお返事をいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。

化学療法により腫瘍の縮小を認めたことは良かったといます。腫瘍が点在する形で残存している可能性があるならば、範囲にもよりますが広範囲の場合は温存術により癌の遺残が生じる可能性がありますので、全摘術の適応と考えます。再建術の方法にはいくつかありますが、短期間の入院を希望されるのであればインプラントの留置が良いのではないでしょうか。しかし乳房の形状、大きさにより適応は変わりますので、主治医や形成外科医とよく相談のうえ手術をお受け下さい。(文責 西川)

 

No.7248】  07年10月12日  MS
ノルバデックス単独治療

いつもお世話になっております。ちょうど1年前、右胸に2センチの非浸潤乳管癌を患い手術しました。今年1月より、ノルバデックス単独のホルモン治療を開始し、不規則ながら5月までに3回は生理がありましたが、5月から現在までの4ヵ月間は一度もありません。あったのは、薄い茶色のおりものの様な軽い出血が2回だけです。年齢は43歳。お尋ねしたいのは以下の通りです。
1) ノルバデックス単独の治療ですと生理は止まらないと主治医には言われておりましたが、今の状況はどのように理解すればよいでしょうか?
2) 生理がこないと、生理がある場合と比較して内膜が剥がれないので、子宮たい癌の発症率は高くなると聞きましたが、そうでしょうか?
3) 右側卵巣の辺り(お臍の横)が生理痛のようにキリキリと痛みますが、これは、無排卵と関係ありますか? 他の病気を疑うべきでしょうか?

よろしくお願いいたします。

ノルバデックスにより生理が止まる方と継続する方がいます。エストロゲン環境が変わるために生理だけではなく膣などの婦人科臓器への影響も出ます。副作用の可能性も考えますが、他疾患の併発も否定はできませんので、婦人科への受診をお勧めします。(文責 西川)

 

No.7247】  07年10月12日  S.H. 
術側腕の赤みと腫れ

昨年10月30日に右胸部分切除、脇下リンパ切除しました(術後の病理検査では、リンパ節転移はありませんでした。ステージ2aでした)。12月から1月まで放射線治療をし、2月から4週間に1回でゾラデックス注射、3月からCEFを6クールで6月に終了、7月からノルバデックスを飲み始めました。4日程前から、右上腕裏(脇から肘にかけて)がぼんやり赤くなり、熱をもっていて触ると少し痛みがあり、ところどころにしこりがあります。しこりの場所は赤みの中心部と言う訳でなく、むくみもほとんどありません。ホウカシキ炎を心配して、かかりつけのがんセンターに行ったのですが、白血球の上昇などは無く、原因不明でした。念のため、抗生剤を処方されました。改善が見られないので、近所の皮膚科にも行ってみましたが、やはり原因不明でした。どのような病気が考えられますか? どのように対処したらよいでしょうか? リンパを取ったことで、ほうかしき炎でなくても赤み、腫れ、しこりなどが出ることがあるのでしょうか? 今後病院にかかる場合、何科を受診したらよいでしょうか? お忙しいところ、長々すみません。回答よろしくお願いいたします。

経過よりリンパ浮腫が考えられます。リンパ浮腫はほうかしき炎を必ず伴う訳ではなく、浮腫や硬結のみの場合もあります。皮膚の表面の変化であれば皮膚科への受診をお勧めします。(文責 西川)

 

No.7246】  07年10月12日  Y.W.  
本当に癌なのでしょうか?

7月13日、乳線専門医でしこりの検査を受け、授乳中なのでマンモはやらないといわれ、エコーを受けました。技師さんより、「はっきりしないので、やはりマンモをやりますがよろしいですか?」と言われ、撮りました。結果、「大丈夫だね。断乳後半年後に検査ね」と言われました。その後、授乳していてもしこりは消えず、なんとなく不安になり、別の病院でみていただきました。「マンモ撮ったの?意味ないのになぁ・・・。エコーは先生が診てくれた?」「技師さんです」と答えると、「僕が診るから予約入れて。35歳か・・・。早目がいいね・・」。8月6日、「エコーで確かに何かあるね・・・。形はきれいだし、横長だからなぁ・・・。」と、症例写真と私の写真を比べ、「あなたのは横長だけど、大抵は縦長だったり形が悪いんだけど・・・。でも何かがあることは確かだから、一応大きな病院に紹介状をかくね。うちでも針を刺して検査できるけど、痛い検査を何度もしなくてもと僕は思うし、大きな病院だと太い針で細胞をとれるから。」と、がんセンターに紹介していただきました。
予約がとれず、8月31日、「1軒目の病院で大丈夫だといわれたら、まず大丈夫だよ。うちと同レベルのことがやれるから。県内ではあそこと、もう一軒の◎病院ならまずまちがいないから。」 「エコーを一応とるね」と言われ、「あー確かに何かあるよね。気になるなら針刺そうか?」と言われ、とった物も見せられ、「母乳が出てるか、まず問題ないよ。お乳が溜まってるんだよ。2時間待てば結果出るけど、待ってる?」と聞かれたので、待ちました。「結果なんだけど、悪性は否定できませんって、でてきたんだよね。太い針でもう一度細胞とるけど、いいですかね〜?」と、4箇所からとりました。
10日、結果が出ました。悪性だそうです。「浸出性で、2です」とか言っていました。「大丈夫、大丈夫」と言われ、念のために受けた検査で悪性、乳房の下側、ブラジャーのワイヤーがあたる部分です。体質的に脂肪の塊ができやすく、肩にできたものをとったこともあります。検査で悪性と言われ、全摘した後の病理検査では癌がみつからず、結局癌ではないのに乳房を失った方もいると聞きました。私は本当に癌なのでしょうか? 自分が癌だとは信じられません。定期的に検査もしていたし、母乳マッサージも受けていて、その助産師の方も、急に現れたしこりが癌だったことに驚かれていました。

授乳中の乳腺組織は様々な変化をしているために細胞診では良性、悪性の診断が困難なことがあります。今回の内容からは組織が採取されているようですので、診断は間違いないのではないでしょうか。方法は相談のうえ、手術を受けられることをお勧めします。(文責 西川)

 

No.7245】  07年10月12日  H
腫瘍熱とは(HPNo.6879-3

8月上旬に左胸原発の15回の放射線照射を終え、対処療法とはいえ、かなり縮小をいたしました。CRPもしばらくは0.1で安定しております。点滴治療はナベルビン+ハーセプ、ゾメダで続けています。以前のような高熱や激しい脱力感などはなくなりましたが、現在でも特に就寝前が多いですが、日中でも37度を越える発熱があります(頻度は少ないですが)。私は平熱は高いですが、元々37度を越える熱はそれほど出すほうではなく、発病後、退院してからも原因がはっきり分かっているもの以外はほとんど熱は出したことはありません。ナベルビンを始めてからは、点滴の当日〜翌日にかけては、37度台後半の発熱がありましたが、薬を飲むこともなく下がっていました。今の点滴になって1年が過ぎましたが、今頃になってまた副作用が現れ始めたとも思えないのですが・・・。
採血は毎週やっていますが、最近はCRPは0.1ですので、感染症ではないでしょうとのこと。「となると腫瘍熱といえるかもしれません」といわれてしまいました。「腫瘍熱」という言葉から、体内で腫瘍が大きくなっているのでは?と心配しております。主治医は「そういう場合もあるが、大きかった腫瘍が治療によって縮小する過程にも熱が出ることはあります」とのこと。「実際のところは原因は解明されていない」と言われました。
大きかった左胸の原発は放射線により縮小し、マーカーも基準値内でしたが、さらに下がっています。6月下旬の画像診断では、肺に結節ありですが、2年ほど大きさに変化なし、肝臓は血管腫とみなされ、これもしばらく大きさには変化ありません。頭も異常なし。例えばの話しですが、めまいなどの自覚症状があるのに調べたら異常なく、仕方なく「自律神経失調症」という病名をつけられ納得がいかない、という患者さんの話をよく聞きますが、それに似た気持ちです。私は抗癌剤も長くやっていますし(3年がすぎました)、その他薬も色々飲んでいますので、思わぬ副作用が色んな場面で出るであろう、ということは理解しているつもりですが、「腫瘍熱」というものに対してどう解釈したらよいのか、先生方のご意見をお聞かせ頂けませんでしょうか。痛みもそうですが、発熱も精神的にかなり不安になってしまいます。宜しくお願い致します。

腫瘍熱は不明熱の一種と考えられます。比較的長期に治療されている方に見られますが、腫瘍の進行度とは関係はないようです。原因が不明でありますが腫瘍より引き起こされる化学物質が発熱の原因と考えられています。解熱剤を併用されることがありますが、体調に影響しないレベルであれば経過を見ることもあるようです。(文責 西川)

 

No.7244】  07年10月12日  M
乳がんの進行速度について

HPNo.7215さんと同じようなご相談をさせていただきます。私も毎年検診を受けていました。2年半前に、近くの病院で受けた検査(マンモ・超音波・触診)では異常は見られませんでした。疼くような、つれるような感覚から、半年後に(ガンとは違う場所に膿胞があり、良性という診断に安しきっておりましたので)違う大学病院で診ていただいたところ、1.5センチ、腋リンパ節にまで転移していたので、まさに晴天の霹靂でした。「今まで検診を受けなかったのですか?」と外科部長さんに問われました。
1) マンモを撮った病院で、もう一度、そのレントゲン写真を診せていただくことは出来るのでしょうか? 乳がんは進行が遅いと言われていますが、2年半で、いきなりガンという形になってあらわれるのか、どうしても知りたいのです。
2) 病院によって機械の性能が違うのでしょうか? 年々よくなっているようですが。
3) 化学療法室で一緒だった方で、乳がん手術から20年後に転移で、経緯を伺ったところ、腫瘍マーカーが上がってきて、最初の骨シンチやPETなどの検査では異常はみられず、1ヶ月後に再度検査をしたところ骨に転移していたとのこと。また、乳がん手術後から26年後に骨に転移した方もいらっしゃいました。乳がんは、急に悪くなるガンなのでしょうか?            

どうぞ、よろしくお願いします。

1) マンモを撮った病院で、もう一度、そのレントゲン写真を診せていただくことは出来ます。
2) 病院によって装置の種類も違い、撮影条件によっても、診断能力が異なってくる場合はあります。
3) 急に悪くなるというより、ある程度の大きさになるまでは検査でわからないというのが実際だと思います。(文責 石川)

 

No.7243】  07年10月12日  T 
細胞診、短い期間に2度やっても平気?

母が8月上旬、マンモグラフィー・細胞診により乳がんと診断されました。しこりは1cm程度らしいのですが、乳首近くのため全摘出を勧められました。その間、父が倒れ入院・自宅療養中のため治療をしていませんでしたが、父の症状が落ち着いた為、再度病院へ今月下旬行くことになりました。何もしないのが不安だった為、乳がんにいいという健康食品をとり続けています。治療は別の病院でしたいと言うのですが、「1)自分の癌は今、どのような状態なのか。2)また健康食品をとった事で効き目があったのか。」を、先入観なしで診てもらいたい(つまり乳がんと診断された事は伏せて)、確認したいというのが母の希望なのです。
その際マンモグラフィー・細胞診がされると思うのですが、2か月半程で細胞診を再度する事は問題ないのでしょうか。正直に前回かかった病院から資料をもらい、比較してもらった方がいいのではと思うのですが、それを拒んでいます。また、2か月半経つと、どれほど進行しているものなのでしょうか。できれば早く手術をさせたいと思うのですが、診断によってはもう少し様子をみたいようです。ご回答よろしくお願いします。

2か月半後に再度細胞診をすることに問題はないと考えます。正直に、前回かかった病院から資料をもらい、比較して診てもらった方がいいと思います。腫瘍の進行速度は人によって異なり、一概に言えません。大きさが1cm前後だったようなので、2か月半経つても治癒切除(根治術)できるように思いますが、早く手術をするにこしたことはありません。(文責 石川)

 

No.7242】  07年10月12日  H 
右脇下の痛みとしこり

一週間ほど前から乳首にかゆみがあり、乳輪部分にかさぶたがあります。また、それとは関係ないかもしれませんが、2、3日前から右脇下に痛みを感じたので、触ってみるとしこりのようなものがあることに気付きました。腕を下げていても、ちょうど脇下にコブがあるような感じで違和感があり、痛みもあります。腕を上げたり後ろに回しても、痛みと違和感があります。病院に行ってみようと思うのですが、何科を受診するべきなのか悩んでいます。宜しくお願いします。

炎症、またパジェット乳癌の可能性が否定しきれません。外科、できれば乳腺外科受診が望ましいと考えます。(文責 石川)

 

No.7241】  07年10月12日  K.K.
30歳 抗癌剤

乳癌と言われました。しこりの大きさは2センチ〜2.5センチで、リンパ節転移はたぶんないとの事です。センチネルリンパ節生検をうける予定です。温存手術にしても切除術にしても、35歳未満なので抗癌剤治療をするとの事です。副作用の事などを考えると抗癌剤はさけたいのですが、30歳という年齢だと、うけたほうが良いでしょうか。

30歳という年齢だけで、再発のintermediate risk に入ります。一般的には化学療法かホルモン療法が推奨されています。(文責 石川)

 

No.7240】  07年10月12日  T.T. 
乳がんの検査について

乳がんの検査についてお問い合わせします。現在アメリカに住んでおり、基礎知識もないまま検査が進められようとして、不安ですのでお問い合わせします。
定期健康診断の一環で乳がん検査、8月の触診検診では何もしこりもなく、9月18日に年齢が来たのではじめてマンモグラフィーをとり、結果「Heterogeneously dense somewhat limiting the sensitivity of mammography. Right : There is a subcentimeter mass deep in the upper inner quadrant.」のコメントがありました。10月1日再度マンモグラフィーと超音波の検査を受けました。超音波は何も発見なし、「次回の検査はこれを予約して」と言われました。Image guided core needle biopsy 「あなたはうつ伏せでやります」とのことで、Sterotactic core biopsy(ultrasound biopsyではない)とあります。以上、詳細説明のないまま、ことが進んでおります。
1) 次回検査はマンモトーム生検のことでしょうか。
2) 細い針で検査をしないということは、悪性の可能性が大きいのでしょうか。
3) マンモグラフィーでは白い1センチほどの丸い塊(詳細不明)が見えましたが、このCore needle biopsy検査を受けることによって、良性のものでも将来手術、摘出しなくてはなりませんか。
4) Core needle biopsy検査はどのようなことが検査され、良性悪性のほか、何が分かるのでしょうか。
5) 検査結果で聞いておくべきことは何でしょうか。
6) 通常日本では、検査後の流れはどうなるのでしょうか。

以上基礎的な質問ですみません。お忙しいことと思いますが、なるべく早めにご回答いただけたらと思います。最後に、医学治療には関係なく、ここでお問い合わせすべきではないかもしれませんが、乳がんの専門用語、英語対訳集などの情報ページをご存知でしたらお教えください。

以上よろしくお願いいたします。

1) 次回検査はマンモトーム生検のことと思います。Sterotactic core biopsyなので、MRIかマンモグラフィー(MMG)ガイド下に微細石灰化部分を採取して調べるのではないでしょうか。
2) 細い針だと診断に必要な、十分な組織が採れないからだと思います。
3) Core needle biopsyで良性なら手術(摘出)せず、経過観察も可能と考えます。
4) ER,PgRなどのホルモンレセプターの陽・陰性、悪性度グレード、Her2などがわかります。
5) 4)の検査結果と浸潤性乳癌かどうかぐらいだと思います。
6) 通常日本でも、検査後の流れは同じだと思います。悪性なら、その状況により対処の仕方が決まってきます。

乳がんの専門用語、英語などは一般向けの乳癌関係の本、医学辞典・辞書をご参照ください。(文責 石川)

 

No.7239】  07年10月12日  M.M. 
多発性乳がんですか?

五年前から右乳房にのう胞が見つかり、その後半年毎に検査しています。今回の検査(エコー、マンモ、MRI)では、右乳房にのう胞がたくさん集まっていて、マンモではよくわかりませんが、MRIでは白く写っています。エコーでの診断は、IIIB〜IVです。新たに左乳房にのう胞が見つかり、のう胞の中にポリープのようなものが見えます。こちらは、マンモでは石灰化が見られました。エコーの診断はIIIBです。両方ののう胞には血流も見られます。両方に怪しいものが見つかって落ち込んでいます。とりあえず怪しい部分をとる手術を考えています。多発性乳がんですか?

嚢胞だけだとまず良性で心配いらないのですが、稀ですが嚢胞内に腫瘍ができ、それが悪性のことがあります。それで、嚢胞の中にポリープのようなものが見える場合、精査することになります。多発性乳がんの可能性は、とても少ないように思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.7238】  07年10月11日  Y.O
放射線治療

右温存手術後の病理結果で、「浸潤性、リンパ節転移なし、ホルモン感受性あり、グレード2、HER2陽性」と、いわれました。主治医から放射線+ホルモン療法に上乗せして抗がん剤を入れるかどうか悩ましいところ、といわれました。転移再発の不安がどうしても大きいというのであれば入れるのもありだが、副作用のことを考えると自分としては抗がん剤を組み込むことは過剰治療かと思う、というのが主治医のアドバイスです。吐き気、脱毛といった副作用に対する恐怖心、抵抗感は多大なものがります。しかし抗がん剤を入れることで再発リスクがかなり下がるのであれば致し方ないと思っています。グレード2、HER2陽性は悪性度がやや高いということ、としか聞かされていませんので、もう少し検査結果を詳しく聞くべきだとは思うのですが。47歳、閉経しています。アドバイスお願いします。

グレード2、HER2陽性なので、ST.Gallenの再発リスク分類ではintermediate riskに入ると考えられます。この場合、ホルモン療法単独また化学療法後ホルモン療法の両方が推奨されています。再発抑制効果と副作用などを秤にかけて決めることになります。(文責 石川)

 

No.7237】  07年10月11日  Y
胸の痛みと術後の検査について

いつも参考にさせていただいております。2年前に右乳房の温存手術を受け、その後ホルモン治療を行っております。先日、2年目のCT検査で、右肺に影が見つかりました。主治医からは、炎症性のものが多く、他の患者さんにもよくあることなので心配いりませんと言われましたが、6ヶ月後に再度胸部CTを行うことになりました。
1) 特に気にはしていなかったのですが、数日前日中から少し右胸の小さな痛みがあり、就寝前には今までになく痛みがあり不安になりました。翌日の朝には痛みは全くなくなり、今も痛みはないのですが、肺の異常からこのような痛みが起こることがありますでしょうか?痛みの前の日に、手術したところをかなり強くマッサージしたので起こったのでしょうか?
2) 術後の検査では、1年に1回、造影剤CTと半年に1回エコーと血液検査を受けておりますが、マンモグラフィーはやらなくてもよいのでしょうか?
3) 最後に先日ニュースで抗ガン剤の代わりになるワクチンが開発されたと言っていました。米国では乳癌手術後にワクチンを接種すると再発が半分に減るというデータが出ているとのことでした。日本ではどの病院においても、まだそのワクチンは受けられないのでしょうか? 

お忙しいところ大変申し訳ございませんが、以上の3点についてご返答よろしくお願い致します。

1) 肺の病変は小さいようですから、このような痛みが起こることはまずありません。強いマッサージで起こった可能性は有り得ます。
2) 私は2年に1回ぐらい、マンモグラフィー撮影も行っています。乳房の超音波検査を行っているなら、心配ないと考えます。
3) 私の知る限りでは日本でワクチン治療を行っているところはないと思います。(文責 石川)

 

No.7236】  07年10月11日  M.M. 
非浸潤がんの治療など

45歳 8月に右全摘術と組織拡張器挿入術を受けました。9月病理検査結果非浸潤がんとの診断、健側予防のためノルバデックスの内服5年予定で開始しました。10月受診の際、「女性ホルモン量が228と高いので生理を止める注射をしようか」といわれました。もうないと思っていた治療だったので、受け入れられず保留となっています。
別件ですが、9月26日より拡張器周辺の痛みと38度台の発熱あり、抗生物質と痛み止め5日で一旦落ち着きましたが、10月5日より同様の状態で同じく内服治療中です。再建は2月の予定です。
1) 非浸潤がんは99%完治と聞きましたが、それでもホルモン量次第では生理を完全に止める治療をするのが一般的ですか? 術後一切の治療をしていない友人もいるので。
2) 異物部分の炎症を繰り返していますが、再手術の可能性は高いですか? また再建ができない体質とかいうことはありますか?
3) 非浸潤がんでは全摘のことが多いようですが、浸潤がんとは発生の仕方が違うのですか? とらなくても一生気がつかないで終わる可能性もあるがんという話も読みました。

1) 非浸潤癌でも乳管内進展といって、広範囲に拡がりがみられることも少なくないので、ホルモン・リセプター陽性の場合はホルモン治療を行うことがあります。
2) 実際に診ていないので、確かなことは言えませんが、再手術の可能性は高くないと思います。再建にシリコンなど用いる場合、それに対してアレルギーがあると使用できない可能性は有り得ます。自家組織のみを用いて再建するのなら、体質は関係ありません。
3) 非浸潤癌から浸潤癌に進行していきます。何年も非浸潤癌でいることはあるといわれていますが、この場合も腫瘤形成に至るので、一生気がつかないで終わる可能性は少ないと思います。(文責 石川)

 

No.7235】  07年10月11日  Y.T. 
家族性乳癌のこと

いつも相談室を読ませていただいています。先日朝日新聞の記事にありました「家族性乳がんのリスク診断」についてお考えを伺えればと存じます。お忙しいところに実際の治療などではないことで恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
私は乳癌の治療中です。私には娘(31歳、既婚、2児出産)がおりますが、彼女の発症リスクが心配でなりません。この検査は、『乳癌の病歴を持つ人で、家族に多く発症者がいる人はBRCA1 BRCA2という遺伝子に変異があることが多い。この遺伝子の変異の有無を調べれば、将来の乳癌発症のリスクが分かる』というものと理解しています。私の場合、叔母、大叔母は乳癌でした(母は86歳ですが発症していません。妹も健康です)。私がこの遺伝子の変異を持っているかどうか診断していただいて娘のことを考えたいと思います。私のような場合、あまり意味がないでしょうか。またこの検査を乳癌専門の先生方はどのようにお考えでしょうか。
私の病状について:
昨年1月(61歳)に乳癌と分かり、病期UAでした。左乳房全摘手術、抗癌剤を経て、今アロマターゼ阻害剤アリミデックスを服用しています。病理診断は、「 腫瘍径1.7×1.4×1.4、  広がり8.5×4.8×1.5、  浸潤性乳癌 硬癌、  切除断片 陽性、  リンパ節転移 陽性(センチネル0/5、 レベル1 1/1)、  異型度 2、  HER2 2+陽性、  ホルモン感受性 ER 陽性 Partial PgR 陽性 Partial、  脈管侵襲 陰性」です。よろしくお願いいたします。

家族性乳癌の臨床的定義としては確立されたものはないようですが、@第一度近親者内に3人以上の乳癌患者がいる、A第一度近親者内に2人以上の乳癌患者が存在し、いずれかの乳癌が、40歳未満の若年性乳癌、同時性あるいは異時性両側乳癌、同時性あるいは異時性他臓器重複癌のどれかの場合とされているようです。家族性乳癌の原因遺伝子とされるのが、癌抑制遺伝子のはBRCA1 BRCA2です。全乳癌の5〜10%が家族性乳癌ともいわれ、その中でBRCA1または BRCA2の生殖細胞突然変異によるものは、欧米人で90%以上とされますが、日本人ではより少ないようです。BRCA1または BRCA2に遺伝子変異がある場合、生涯乳癌発症リスクは60〜80%にも上がり、若年性乳癌や両側性乳癌の頻度も高く、注意が必要と言われています。BRCA1または BRCA2に遺伝子変異があっても、治療法や予防法がわかっていませんので、遺伝子検査は必ずしも推奨されていません。(文責 石川)

 

No.7234】  07年10月11日  K.T. 
右腋窩にしこりがあります

半年ほど前(3月)に右腋窩にしこりを発見しました(1cm程度)。はじめはなんともなかったのですが、体動時たまに痛むようになりました。側臥位になると多少圧迫感を感じることもあります。皮膚科に受診し、リンパ節腫脹?ということで、がんセンターの整形外科に紹介を受け、CTをとりましたが、アクティブでないということで経過観察中です。昨年の10月頃より3ヶ月おきに脇の脱毛をしていました。最終は今年1月末です。整形外科医があまり積極的でなく、他院の受診も考えています。何科がよいのか迷っています。

外科がよいと思います。(文責 石川)

 

No.7233】  07年10月10日  koko
『乳がん』でしょうか?

初めて相談させていただきます。よろしくお願いします。26歳未婚で、妊娠・出産も未経験です。少し前から乳頭にとても小さいのですが白い部分ができ 、なんだろう?と思っていました。1週間前に左胸を触っていたところ、1ミリくらいの白いものがそこから出てきました(ニキビの芯よりも固いくらいです)。出た後から今までは、その白かったところは目立たなくなっていたので『バイキンが入っていたのかな??』と思っていたのですが、母に相談したところ「乳がんではないか?」とのこと。母は3年ほど前に乳がんの手術をしており、セルフチェックをしてもらったり、『白いもの』の説明をすると、「自分のときとは少し違う」と言っていました。仕事の都合で2週間ほどあとにマンモグラフィーを受けてみようと思うのですが、『乳がん』でしょうか? 2週間後では遅いですか? もし『乳がん』だったら、やっぱり未婚ということもあるので、できれば傷が目立たない方法で手術を受けたいのです。乳輪と脇から手術をする傷の分かりにくい手術を受けたいのですが、近くの病院を受診しても可能でしょうか? 教えてください。

乳がんの可能性は極めて低いと思いますが、検診の意味で是非マンモグラフィーなど受けてください。それ以上は乳がんと言われた人が心配することです。(文責 石山)

 

No.7232】  07年10月10日  Y 
術後治療について

36歳、全摘手術を受けました。病理検査結果は以下の通りです。「微小浸潤を伴う非浸潤性乳管がん、大きさ2.6×1.8×1.0(浸潤径1mm以下)、リンパ節転移なし)、グレード3、ly1、ER、PRともに+、Her2陰性。」 (なお、2機関で病理検査を行っており、脈管侵襲については他方ではly-でした。) 副作用のデメリットがメリットを上回ると思われるということで、無治療をすすめられましたが、ホルモン療法をしておいたほうがいいでしょうか。今後出産を希望しています。

タモキシフェンだけでも飲んだ方が良いと思いますが、副作用が出れば止めてもいいと思います。(文責 石山)

 

No.7231】  07年10月10日  M.I. 
非浸潤がんの術後の再発について(HPNo.6364-3)

以前にHPNo.6364でご相談したものです。その節はありがとうございました。再度ご相談させていただけたらと思います。今年2月に左乳房のしこりの生検を行い非浸潤がんと診断され、取り残しがあるとのことで4月に乳房部分切除をうけました。その後25回の放射線治療とノルバデックスの服用をしております。先日、6ヶ月後のフォローアップ検診でエコーをしたところ、左乳房の上部に6mmの影があり、弱エコーとのことでした。もう少し精度の高いエコーで検査をして、必要なら穿刺細胞診を行うということでした。生検で取り出したしこりは1.5×1.5cmの検体で、「1×1cmの範囲にcribriform、comedo、flat、小葉内進展のductal carcinoma in situがみられ、中心部に偽浸潤と考えられるところがあるが明らかな間質浸潤はこの検体中からはみられない。断端は至近0.5mmです」とのことでした。核異型スコア2、核分裂スコア1、核グレード1.ER(8)、PGR(7)、HER2(0)です。取り残しの切除範囲は傷口を含め幅2cm、長さ3.5cm、深さ1cmで取りきれているとの説明でした。
そこで質問ですが、
1) 非浸潤がんであり、放射線も行ったのですが、6ヶ月という短い期間に再発するということはありえるのでしょうか。
2) もし再発であるのなら、今度は全摘出以外に方法はないでしょうか。
3) センチネル生検はマイナスということでしたが、リンパへの転移もありえるのでしょうか。切除範囲が狭いような気はしていたのですが、心配です。

長々とすいませんが、よろしくお願いします。

可能性は低いと思いますが、多発していた可能性はないでしょうか? 再温存という場合もあります。非浸潤癌はリンパ節転移はないと思います。(文責 石山)

 

No.7230】  07年10月10日  ミルク
乳頭の分泌物(2)(HPNo.7219-2)

HPNo.7219の追加でご相談、宜しくお願いいたします。早速ご回答いただき有難うございました。授乳前、乳輪は茶色だったのですが、断乳後は白っぽい薄い茶色?のような色になりました。授乳するとそうなることもあるのだろうと気にも留めていなかったのですが、乳頭から分泌物がでることに気づいてから毎日ちょっとずつ出していくうちに、乳輪が元の茶色に戻りました。溜まっていた母乳が出ただけ・・・ということはあるのでしょうか。断乳は約3年半前です。あと会社の健康診断で腫瘍マーカーのCEAという数値は0.5ngで問題ありませんでした。2人目の子供を希望しており、不安でたまりません。ご回答、宜しくお願いいたします。

血中のCEAは正常でも安心はできませんので、一応乳腺外科受診をお勧めします。(文責 石山)

 

No.7229】  07年10月10日  J
乳がんの進行速度について

まだ治療も始めていないのですが、左胸に痛みを感じ、近所の診療所で生検を行ったところ、2cmくらいのsolid-tubular typeの乳がんで、1期から2期への移行途中であると診断され、専門外来を持つ病院への紹介状をいただきました。すぐに病院の外来予約を取ったのですが、11/27の予約と、だいぶ先になってしまったので、その間に病状が進行しないか心配です。気持ちも落ち着かないので、別の病院を当たる事も考えています。乳がんは進行が遅いとも、全身に広がりやすいとも言われているようなのですが、本当のところ、どうなのでしょうか?

2cmであれば早期ですが、全身に癌が顕微鏡レベルでの広がりがある全身病であるというのが、現在の考え方です。現在はどこも乳腺外来は混んでいて、待たされるのも事実です。外来手術後で乳がんの診断を受けている旨を話せば、多少受診を早めてくれると思いますが。(文責 石山)

 

No.7228】  07年10月10日  KN
放射線、短期照射(HPNo.7217-2)

HPNo.7217でご回答いただいたKNです。ありがとうございました。今回質問が3つあります。
1) (ブースト入れて25回はタイプミスで30回でした。)この5回の差で乳房の硬さや皮膚炎症の影響が強いと聞きましたが、個人差は別にして一般的症例はどうですか?
2) 短期照射のほうが、放射線治療後の皮膚や細胞へのダメージが少ないが、10年以降の欧米でのレポートでは、委縮して形が崩れる可能性が高いと言われました。それ以外に何かメリット/デメリットはありますか?
3) 海外で短期照射のレポートがみられるHPはありますか?

短期照射というのは25回の事ですか。ブーストは一般的に、創周囲などの再発のリスクの高いところに限局して追加するものですので、萎縮して形が崩れるということは少ないですが、ゼロではないとしか言えません。放射線科医でないとわからないことですので、照射をする放射線科医師に確認して下さい。(文責 石山)

 

No.7227】  07年10月10日  K 
乳房全摘後の化学療法について

乳房全摘後の化学療法について、ご相談させてください。56歳の母が右乳癌と診断され、先月、全摘+リンパ節郭清の手術を受けました。病理の結果、ホルモン療法の適応はなく、抗がん剤での治療を行う事になりました。TCとFECの選択肢があると言われています。Drの説明では、「3週間1クール×4クールでも十分だと言われている。でも、3週間1クール×6クールの方がより効果的で、その分副作用も強いし、母の場合やや効果が強すぎる気もする・・」との事でした。TCとFEC、どちらが強い薬剤かも理解していないのですが・・。6クール耐えられる体力があるか、より強い治療を受けて免疫力が下がる事で他の病気に罹患しないか等、なかなか決めれずにいます。どちらを選んでも、再発の可能性は0%でないとは思いますし・・。とりとめのないメールで申し訳ないですが、助言いただければ幸いです。すみませんが、よろしくお願いします。

期間の事が心配であれば、まず長期投与で開始し、副作用がつらければ短くすれば良いことです。TCとFECでは脱毛、白血球減少、末梢神経障害など、それぞれ副作用が違います。主治医から説明があったはずです。ただ選べと言っている訳ではないと思います。(文責 石山)

 

No.7226】  07年10月10日  H
心臓・下大静脈について

心臓のことで質問です。治療開始3年、骨転移ありで手術不能。ずっと抗癌剤など薬で共存中であります。35歳です。2005年5月より、駆出率が42%となりました。当時の主治医はハーセプチンの影響と思われる、とのことで、結局1年間、ハーセプチンを休薬しました。その間は放射線治療で原発を縮小させたのと、あとはゼローダ単独、リュープリンでなんとか大きな変化もなく、しのいできました。その後、主治医をかわり、2006年5月の心臓エコーで駆出率が63%となり、ハーセプチンを再開いたしました。以前の主治医が言うには、「下大静脈」の直径も小さいとのこと。駆出率とあわせて下大静脈の直径も毎回気にしていらっしゃいました。
私は大学病院に通院中ですが、当時は主治医の外勤先の小さな病院でみてもらっていたため、ほとんどその主治医一人の判断でやっていました。現在は大学病院まで通っていますので、心エコー検査の時は技師さんがやり、そのレポート結果を主治医が見て、読み上げるだけ、と言う感じです。下大静脈の直径については全く触れられないので、前回の検査後、尋ねてみたところ、「大丈夫でしょう」といわれました。
直径が18ミリを越えるとよくなく、通常理想は14ミリ〜16ミリだと以前の主治医から聞きました。大学病院に戻ってから何回か受けたエコー検査では、12ミリ、10ミリ、11ミリ、という経過でした。以前の主治医の「14ミリ〜16ミリ」よりはずいぶん小さいように思うのですが、このサイズはどのように思われますか。先日、胸が苦しくなって、脈拍がかなり速まり、冷や汗がでてかなり焦りました。主治医に話したところ、念のため狭心症を調べるために心エコーと24時間心電図をとりましょうといわれ、来週やることになりました。下大静脈のことはずっと気になっていました。以前は利尿剤を飲んで下さいといわれ、しばらく飲んでいましたが、細い下大静脈は利尿剤で少しでも改善されるものなのでしょうか。以前の主治医はすごく細かいことまで気になさるタイプで、現在の主治医はどちらかというとその逆です。どちらのいうことも一理ある気がして、素人ではどう考えたらいいのかわかりません。突然の胸の締め付けられる感じ(痛みとは違う)と、冷や汗、頻脈は、やはり狭心症をおこしているのでしょうか? また休薬になるのかと思うと不安でなりません。

ハーセプチンの副作用は狭心症というよりも心不全ですから、下大静脈の太さは心不全の指標として見ていると思います。抗がん剤(時にアントラサイクリン系)でも狭心症の様な副作用があります。そういった場合、何が原因か、それとも抗がん剤と関係ない心疾患があるのか。心エコーだけでなく、心筋シンチ、血管造影など調べる必要があるかもしれませんが、胸痛が胸骨やろっ骨の転移による痛みの可能性はないのでしょうか? 主治医に確認してみてください。(文責 石山)

 

No.7225】  07年10月10日  U 
ホルモン剤治療

現在47歳ですが、20年ほど前に左胸を線維腫瘍、葉状膿胞で3回手術しました。2001年に右胸にしこりを見つけ、念の為左胸も検査したところ両胸にガンが見つかり、左胸は細胞を取る程度、右胸は温存手術をし、結果は非浸潤ガンだった為、25回放射線治療をしただけで終わりました。2005年に右胸の手術後にしこりを見つけ、再びガンということで右胸を全摘、結果は非浸潤ではなかったが顔付きがおとなしいとのことで、「治療するほどではないが、心配なら抗がん剤治療です」と言われ、治療せずにいました。今年6月に定期検査のマンモで左胸にガンが見つかり、左胸も全摘しましたが、やはり顔付きがおとなしいとのことで、治療するほどではないが、3回目なので予防でホルモン治療をした方がいいと思うと言われました。長い間自律神経失調症に苦しんできたので副作用が怖く治療を断りましたが、やはり治療すべきかと悩んでいます。3回ともリンパの転移はなく、今回の治療は注射がいいが、飲み薬も可とのことです。家庭の事情で体調不良になっていられないので悩んでいます。アドバイスお願いします。

組織型、腫瘍径、ホルモン感受性など情報が乏しく、また再発なのか新たな癌であるのかも不明で判断しかねます。術式も細胞を取る程度というのは理解できません。一般的にホルモン感受性陽性であればホルモン療法を行います。副作用は軽微な場合が多いので勧められますが。(文責 石山)

 

No.7224】  07年10月10日  T.K.  
今後の経過観察について

6月、自己検診で左乳房にしこりを発見し、7月に乳腺外来を受診。エコー検査をした結果、左に2つ、右に1つしこりが発見され、左乳首外側のころころとした楕円の1.6cmのしこりは、今すぐどうといったものではないだろうが、判断が難しいので 2,3ヶ月様子を見てもう一度検査することになり、9月に再検査をしました。マンモグラフィーとエコー検査をし、私が30代なこともあり、マンモの画像では、乳がん・線維腫瘍とも判断がつかず、エコーでも(今回の検査でしこりが1.8cmになっていましたが、前回の計り間違えだろうとの事)、判断が難しいとの事で細胞診を受けました。結果は、しっかり細胞は取れており、悪いものではなかったといわれましたが、表面がでこぼこしたしこりなので、年末にエコー検査をし、その後は半年毎の検診で様子をみていくか、白黒つけたいときは、しこりを摘出し生検を行う方法があるといわれました。 
摘出生検に少し抵抗があったので、年末にエコー検査をすることにしましたが、細胞診はそこまで信用できるのもではないのでしょうか? 本で、早期であるほど判断が難しく、確実な診断法とはいえないと書いてありましたが、生検を受けたほうがよいのでしょうか? しこりが3つある私は、今後まったくしこりのない人よりはできやすいものなのですか?15歳から6,7年、生理痛がひどく、月に一度ホルモン注射をおしりに打っていましたが、その関係もあるのでしょうか?

細胞診の診断率は90%程度ですので、心配なら摘出生検かコアニードルバイオプシーを受けた方が良いと思います。現在の腫瘤が何か分からないのに後半の質問にはお答えのしようがありません。(文責 石山)

 

No.7223】  07年10月10日  O 
肺転移

31歳の姉のことで相談なのですが、2年前に乳がんになり片方の胸を3分の1摘出しました。その後定期検査でも異常なしできていたのですが、先日咳がとまらず内科でレントゲンをとってもらった所、両肺の上部に大きい影が2つもあり、急いで専門の病院でみてもらって下さいとの診断を受けました。
その後紹介してもらった病院で、尿検査とレントゲンで、おそらく乳がんからの転移ではないかと言われたそうです。癌であれば両方の肺の為、手術は無理だそうで、長期の治療を想定して、実家近くの病院で診察・治療する予定です。その為、現段階ではもちろんなんとも断定できないとは思いますが、もしそれが癌だった場合、治療はどういったものになるのでしょうか? 手術なしで癌に有効な治療はあるのでしょうか? こういうケースでは生存率はどれくらいが想像できますでしょうか? 私も姉も今日その事実を伝えられたため、まったく知識がないのと、実際の医療現場の治療方法など教えていただければ幸いです。お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

肺転移で両側、大きい(正確な大きさは不明?)、無病期間は2年ということになります。ホルモン感受性、HER2状況などホルモン治療、ハーセプチン、抗がん剤など患者毎の特性に合わせて決まります。完治は難しいので、何とか癌とうまく共存する道を選ぶのが今の治療の原則です。10年生存は過去のデータでは30%程度でしょうが、10年前より進歩していますので、これからはもっと高くなるはずです。(文責 石山)

 

No.7222-1】  07年10月10日  T子
乳房切除後のしこり

1週間前に乳房切除後後一個三ミリ弱の赤いしこりをみつけました。すぐに主治医に診ていただきました。50パ―セント50パ―セントと言われ、15日に日帰りで手術し病理検査にだします。生存率を教えてください。今は赤かったのが茶色ぽくなっています。6月に7年目の検査では転移はありませんでした。

局所再発は遠隔転移でも比較的予後が良いと思います。完治する率も高いのですが、正確なデータはありません。(文責 石山)

 

No.7222-2】  07年10月17日  T子
乳房切除後のしこり(2)

回答有難うございます。結局もう一つ2ミリのしこりもみつかり、9日に2個切除し、病理検査にだしました。明日抜糸で、検査結果はその1週間後になると思います。しこりがみつかってから腕の脇がつっぱり背中も痛いので、転移しているんじゃないかと心配でたまりません。悪性だった場合、今後どのような治療がされるのでしょうか?温存で局所再発した場合と、乳房切除で局所再発した場合、やはり乳房切除した場合の局所再発の方がたちが悪いのでしょうか?

悪性だった場合は必要に応じて追加切除、放射線療法を行い、その後病理結果による全身療法(化学療法または内分泌療法、またはその両者)を行うことになると思います。乳房切除術後に局所再発した場合も、病変がその部位にのみとどまっていた場合は良好な予後が期待できます。(文責 片山)

 

No.7221】  07年10月10日  T.T. 
MRIの画像などについて

お伺いしたいことがあります。
乳管内の非浸潤がん長さ10mm強(DISC?)が乳頭に向かってMRIに写っていたのですが、実際に取るともっと短くなるものなのでしょうか。MRIはうつ伏せでとったが、実際は仰向けになると反対につぶされて短くなると聞きました。乳管も伸びたり縮んだりするものなのですか。それとも、私の説明の聞き方に間違いがあるのでしょうか。また、大変基本的な質問ですが、再発は2~3年目に多い、8割近くが5年以内と聞いたのですが、自分はステージ1で、サイズも5mm以下でした。それでも、再発するとしたら2〜3年目であることが多いのでしょうか。どのステージであっても、平均的に3年ということでしょうか。

画像上の問題もありますが、病理標本にすると2割くらい縮みます。その影響の方が大きいのでは? 再発は2,3年に多いのは確かですが、サイズ5ミリであれば再発率は1,2%ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.7220】  07年10月07日  スカイ
脇の脱毛について

2005年1月に手術し、グレード1、腫瘍系1.3cmx1.0cm、ホルモン陽性の低リスクでしたが、事情があり主治医の同意もあって、無治療で過ごしています。仕事も元気にこなしており、現在45歳です。右胸温存手術で、センチネルリンパ節を2個とりました(リンパ転移は陰性でした)。放射線治療も、30回行いました。半年ごとの検診を受けていますが、現在にいたるまで、今のところ再発の所見もなく、血液検査も正常です。
接客業なので、今回両脇の脱毛を受けようと同僚に誘われたのですが、私のように、センチネルリンパ節生検を受け、放射線治療を受けた脇でも、脱毛を受けて大丈夫でしょうか?脇の傷もきれいに治っているのですが、疲れがたまると、腕がむくみやすくなったのは確かです。(放射線の影響か、右脇はほとんど脱毛の必要性がないくらい、少ししかないのですが。。。) 主治医との面談までまだ5か月あるので、こちらでご助言頂ければと思い、相談させて頂きました。よろしくお願い致します。

基本的には傷をつけなければ問題ないと思いますが、放射線は腋窩にもかけているのでしょうか?だとすると要注意ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.7219-1】  07年10月07日  ミルク
乳頭の分泌物

30代、1児の母です。自身で乳がんチェックをしたところ乳頭から分泌物がありました。一度あってからは気になって日に何度も確認してしまいます。分泌物は主に右胸で、指先でつまむと、ほんの少しの量ですが白い母乳のようなものがでます。たまに黄色っぽいこともあります。左胸は時々で、透明か、まれに白っぽいものが同じくほんの少しの量でます。特に乳首が痛いなどの症状も無く、お箸の先くらいの分泌物が出るだけなので、そこまで気にする必要はないのでしょうか。入浴後に絞ると出ることが多いです。それと私は13年前に豊胸手術で、生理食塩水を大胸筋の下に入れています。もしかするとその事も関係しているのでしょうか。近いうちに乳がん検査に行く予定ですが、マンモの検査が出来ない場合、正しい診断が出来るのか、又乳頭から造影剤を入れてX撮影する場合 豊胸していても大丈夫なのか心配です。このような症状で乳がんである可能性はどのくらいありますか?宜しくお願いいたします。 

癌の場合は血液の混ざった分泌液が多いのですが、例外もあり、いずれにしても検査を受けた方がいいとは思います。豊胸術とは無関係と思いますが、検査には不利なことがあります。(文責 石山)       

 

No.7219-2】  07年10月10日  ミルク
乳頭の分泌物(2)

HPNo.7219の追加でご相談、宜しくお願いいたします。早速ご回答いただき有難うございました。授乳前、乳輪は茶色だったのですが、断乳後は白っぽい薄い茶色?のような色になりました。授乳するとそうなることもあるのだろうと気にも留めていなかったのですが、乳頭から分泌物がでることに気づいてから毎日ちょっとずつ出していくうちに、乳輪が元の茶色に戻りました。溜まっていた母乳が出ただけ・・・ということはあるのでしょうか。断乳は約3年半前です。あと会社の健康診断で腫瘍マーカーのCEAという数値は0.5ngで問題ありませんでした。2人目の子供を希望しており、不安でたまりません。ご回答、宜しくお願いいたします。

血中のCEAは正常でも安心はできませんので、一応乳腺外科受診をお勧めします。(文責 石山)

 

No.7218】  07年10月07日  SS
鎖骨上リンパ節転移について

初めてご相談いたします。術後6年目、アリミデックス服用中の50歳です。先日術側の鎖骨の上に小さなしこり(約5o)を見つけ、エコー検査を受けましたが、転移かどうか確定できないとのことでした。
主治医に「しこりが小さくて細胞をとれないので、全部切除して調べたい」と言われ、迷っています。全身療法を受けるとしたら、しこりが残っていた方が効果がわかりやすいのではないでしょうか? しこりを全摘せずに全身療法を受けている患者さんもいらっしゃるようですが、他の病院ではどのような方法で鎖骨上リンパ節転移の診断を下しているのでしょうか?

穿刺吸引細胞診をしてだめなら、コアニードルバイオプシー、それで分からなければ手術を考慮するのが一般的と思います。(文責 石山)

 

No.7217-1】  07年10月07日  KN
放射線治療

非浸潤癌の9ミリ×5ミリの病巣を7月に外科的除去しました。病理結果では1か所断端より2ミリ内に癌があり、放射線治療となりました。病院のポリシーで全員ブースト5回を含め25回です。私としては非浸潤だった事もあり負担の少ない25回にしたいのですが、いかがでしょうか?

ブーストの副作用は少ないので追加したほうが無難ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.7217-2】  07年10月19日  KN
放射線、短期照射

HPNo.7217でご回答いただいたKNです。ありがとうございました。今回質問が3つあります。
1) (ブースト入れて25回はタイプミスで30回でした。)この5回の差で乳房の硬さや皮膚炎症の影響が強いと聞きましたが、個人差は別にして一般的症例はどうですか?
2) 短期照射のほうが、放射線治療後の皮膚や細胞へのダメージが少ないが、10年以降の欧米でのレポートでは、委縮して形が崩れる可能性が高いと言われました。それ以外に何かメリット/デメリットはありますか?
3) 海外で短期照射のレポートがみられるHPはありますか?

短期照射というのは25回の事ですか。ブーストは一般的に、創周囲などの再発のリスクの高いところに限局して追加するものですので、萎縮して形が崩れるということは少ないですが、ゼロではないとしか言えません。放射線科医でないとわからないことですので、照射をする放射線科医師に確認して下さい。(文責 石山)

 

No.7216】  07年10月07日  M.I.
断面陽性の件

いつも参考にさせていただいています。断面陽性の件でご相談させていただきます。
年齢51歳、 右乳房温存手術。浸潤サイズ5mm大。ER+〈陽性度は高い)PgR +〈陽性度は高い) Her2 2+(ただしFISHにより陰性) 核異型度1、リンパ節転移なし。断面陽性(断面部に1乳管内に非浸潤癌がみられる)、閉経前。今後、放射線治療を行うか、もっと大きくとって〈完全に断面陰性〉にして放射線をかけないかのチョイスで迷っています。
1〉 もし取り残し部分が5mm程度の非浸潤癌であった場合は、放射線治療により〈ブースともする予定)、根絶できるものなのでしょうか。放射線治療の有効性はどれくらいなのでしょう。 微小に散らばった癌に効くのであって、ある程度の長さというか、集まった非浸潤癌にはきかないのでしょうか。
2) また、今後飲む予定のタモキシフェン、ゾラデックスなどは、このような取り残した非浸潤がんを殺すことができるのでしょうか。その場合、その可能性はどの程度あるのでしょうか。
3) 個人的には、癌のサイズが小さかったので、乳房内の再発リスクは、周りにちった微小癌よりも、取り残しの部分からの方が高いのではないかと想像するのですが、どのように思われますか。 もし、そうであれば、より大きく切除して、放射線をかけないほうを選ぼうかとも思うのですが、どのように考えられますか。担当の先生は、ただ、1乳管を取るため小さく再手術することは、意味がないように思われる。 それであれば、もっと大きくとっても、放射線治療を受けないほうがよいのではないかといわれました。 (これは、私が放射線治療を強く望んでいなかったため、提案をしていただいたのだと思います。)
4) 手術から約3ヶ月たちました。病理の結果が出るのか遅かったのもあるのですが、放射線治療が遅れることによるリスクは何でしょうか。どのくらいまで考える時間があるのでしょうか。担当の先生からは、大切な判断だから良く考えてといわれました。放射線治療の開始時期は、早いほうがより効果があるということはあるのでしょうか。ホルモン治療は2週間後から始まります。 
5) 再手術を行うことを仮定して、それが最初の手術から4ヶ月たって行われるというのは問題があるでしょうか。少し硬さがとれてきて、傷が本格的に治り始めたような気がします。

よろしくお願いいたします。

放射線をかける、かけないの直接比較はないのでわかりませんが、少なくとも生存率は下がらないと思います。以上の事が心配なら乳房切除も選択すべきと思います。薬物療法は、断端陽性には効きにくいと言われています。時間経過はそれほど問題になりません。(文責 石山)

 

No.7215-1】  07年10月07日  S.S. 
一年もたたずにこんなに大きくなるのでしょうか?

乳がんと診断され、治療方針待ちの状態です。脇の下のしこりもあり驚いています。胸のしこりは2.5センチで、二カ所でみてもらいましたが、検診していなかったように言われました。毎年検診を受け、去年はマンモグラフィーもとりました。一年もたたずにこんなに大きくなるのでしょうか? 年齢45歳、子供三人母乳で育てました。

検診でも100%わかる訳ではありません。前年のマンモグラフィーには映っていなかったのでしょうか? (文責 石山)

 

No.7215-2】  07年10月15日  S.S. 
治療法について

治療法についてお伺いします。乳がんがみつかり、腋下に転移していました。3センチと大きいこともあり、術前化学療法を勧められました。私としては、シンチやCTの結果で腋下以外に転移がなければ、先に手術したい気もあります。「メリットとして薬の効果がわかること、デメリットとして効かない薬で三ヶ月間無駄な治療をしてしまう」ことを言われました。他にデメリットはありますか? 6ヶ月の治療の後、手術に耐えられるのかも不安があります。ホルモン感受性などは、まだ出ていません。

メリットとしては、手術後も化学療法することになると思いますが、手術により解剖学的な血管の走行が破壊される前の方が抗癌剤が効きやすい、また術前化学療法が効いて腫瘍も縮小すれば、乳房温存手術もやりやすくなる可能性があります。デメリットは白血球減少などの骨髄障害で手術にはマイナスですが、ふつう時間が経てば回復し手術可能となります。(文責 石川)

 

No.7214】  07年10月07日  Y.Y.
乳癌の進行速度

胸に痛みを感じ心配になって病院で検査を考えていますが、事情があって検診を受ける時間が取れるのが3ヶ月後になってしまいます。その間にもし乳癌であったなら進行してしまうのではないかと気がきではありません。初期の乳癌とはどのくらいの速さで進行していくものなのでしょうか? 教えてください。どうぞよろしくお願いします。

乳がんは80%以上がしこりで見つかりますし、痛みが発見動機になることは少ないと思います。早期乳がんの発育速度は比較的ゆっくりしていて、数ヶ月で手遅れということはないと思います。(文責 石山)

 

No.7213】  07年10月05日  R、J
5cmくらいの長い線状のしこり

2週間前に左の胸に線状のしこりに気が付きました。1.2mmくらいの幅で乳輪から5cmくらい斜め上まで続いています。乳房のひきつれ、くぼみ、分泌物はありません。乳がんの一種なのかと思い、病院でマンモグラフィー、超音波の検査をしたのですが、異常なしとの結果で、1ヶ月様子をみようとの事でした。しこりに気が付いたのは、生理が終わり、右頬にヘルペスの前兆があり(体が疲れると右頬にヘルペスができる事が過去に3回あり、その時も頬に不快感を感じていました)、バルトレックス1gを1錠3日間飲んでいました。このしこりは、ヘルペスと関係があるのでしょうか? そして原因は何だと思われますか? ガンの可能性は無いのでしょうか? よろしくお願いします。

文章だけでは診断は難しいですが、マンモグラフィ、超音波検査で異常がないとのことですから癌の心配はないと思います.またヘルペスも関係ないと思います.(文責 比嘉)

 

No.7212】  07年10月05日  モモ
病院の選択

二週間前に乳にしこりを見つけ、病院でマンモ、エコー、穿刺細胞診の結果、乳癌だと言われました。今MRI,CTなどの検査結果待ちですが、エコーでみる限り1.2cmと小さく、「早く見つかってよかったですね」と言われました。ご相談ですが、今、検査をしている病院で早々にこのまま手術したほうが良いのか、専門病院で見てもらうのが良いのか迷っています。今の病院は小さくて手術件数が少ないが、一日でも早く取ってしまった方が良いのか? 予約制で時間がかかりそうだけど、がんセンターなどの専門の病院で手術したほうが良いのか? 術後も検査などで通うことになると思うのですが、どちらにしたら良いのか、素人では判断しかねます。何かアドバイスをいただけると助かります。 

乳癌と診断され心配な日を過ごされているかと思います.乳癌は短期間で進行することはあまりありませんので、いろいろ検討されてはどうでしょうか.現在受診されている病院の担当医がどのくらい乳癌について知識をもっているかが重要です.病院に乳癌学会の認定医や専門医の資格をもっている医師がいるかどうかも判断材料になります.乳癌の治療は手術だけではなく、放射線治療、ホルモン治療、化学療法など術後の病理結果で治療方針が変わってきます.現在の病院に乳癌に精通している医師がいなければ、癌センターを検討されるのも一案かと思います.(文責 比嘉)

 

No.7211】  07年10月05日  M
肉芽腫

ご意見を伺いたくメールいたしました。先日胸にしこりを発見し、検査等しましたが判断できず、全身麻酔にてしこりを摘出し、病理検査をしてもらいました。今日結果を聞いたのですが、乳腺炎の一種で、肉芽腫瘍というものだということでした。また来週詳しい内容や今後の薬のことで受診します。自分で調べてみようと思い、ネットなどで見たのですが、この病名がほとんどでてこず、全然わかりません。最初癌かもしれないと言われていたので、今後注意が必要なものなのかも知りたいです。またこの病気についても教えていただけませんでしょうか? それから、気のせいかもしれませんが、生検後、術後のほうの手がしびれます。主に小指や薬指で手全体もなんとなくしびれています。正座した後の足のような感じです。何か関係は考えられますか? 外来時、先生に話したほうがいいのでしょうか。長くなりましたが、どうぞ宜しくお願いいたします。

おそらく炎症によってできた肉芽(組織が固くなる)の事だと思います.経過観察で問題ありません.指のしびれは手術とは関係ないと思います.症状が続く場合は担当医に必ず報告してください.(文責 比嘉)

 

No.7210】  07年10月05日  Y 
アポクリン癌とリンパ郭清

7月中旬に左腋辺りにシコリを見つけました。大学病院の乳腺外科を受診し、触診・エコー・マンモグラフィー・MRIの検査をしましたが、異常は見つからず、針で刺して細胞を取って調べていただいたら、皮の組織がとれたたのことで、病院内の皮膚科に受診することになりました。そこで再び胸・お腹・肺・肝・他のリンパを調べるために、造影剤を点滴しながらのMRIやCT、PET検査を受けましたが、異常なしとの結果でした。しかし、シコリ自体(腋窩リンパ節腫瘍、一つのみ)は摘出した方が良いということになり、局所麻酔で手術をし、切除生検した病理結果、アポクリン癌でした。しかし、乳腺にも異常はなく、他のリンパにも異常がなく、取った腫瘍に乳がん由来の細胞が検出されたわけでもないので、「・原発巣不明のアポクリン癌 ・えきかリンパ節に転移しているが、他臓器には現時点では異常なし」が、今の状態です。そこで次に、細胞レベルでですが、左腋の他のリンパ節にも癌が残っている可能性があるかもしれないとのことで、腋窩リンパ節郭清手術を勧められました。昨日、来月10月9日に手術をする予定をたててしまったのですが、一夜明けて、取り損になってしまうのではないかという不安と、インターネットで調べてみますと「センチネルリンパ節シンチ」という検査方法があることを知りました。この検査でセンチネルリンパ節だけを生検し、転移がなければリンパ節郭清を省略できるのであれば、ぜひ受けてみたいと思うのですが、私の場合は有効と思われますしょうか? また、セカンドオピニオンはまだ求めていない状態ですが、ある知人が乳がんと診断され、乳房切除とリンパ郭清をしなければ命が危ぶまれると病院で言われたのですが、セカンドオピニオンを求め、他の病院で診察した結果、どちらの手術もしなくてすんだそうなのです。手術をしてもいいものか迷っています。

文面からですと、現在わかっているのは原発不明だが腋窩リンパ節転移があるということです.乳癌におけるセンチネルリンパ節は癌が最初に転移する腋窩リンパ節と言われておりセンチネルリンパ節に転移がなければ郭清を省略する考え方です.今回はすでにリンパ節転移の診断を受けていますのでセンチネルリンパ節生検の適応はありません.腋窩リンパ節郭清は妥当な手術方法と考えます.セカンドオピニオンは診断、治療方針に納得できない場合などに検討されてはいかがでしょうか.(文責 比嘉)

 

No.7209】  07年10月05日  M.M. 
のう胞内にいぼがあります

MRIの画像にきらりと光る点があります。がんの疑いがあるようですが、摘出するように言われました。周りの乳腺もとるらしく不安です。がんではない可能性はありますか?エコーで見ると、のう胞の中にいぼがあると言われています。

画像所見がわかりませんが、嚢胞内腫瘍は良性、悪性のいずれの可能性もあります.(文責 比嘉)

 

No.7208】  07年10月05日  A 
化学療法の選択について

先日、温存手術およびリンパ節郭清を行いました。病理結果は以下のようなものでした。
標本の大きさ:75×70×18mm、腫瘍の大きさ:20×16mm、腫瘍のタイプ:浸潤性乳管がん(硬がん)、組織異型度 :U、細胞核異型度:U、乳管内進展:中程度、脈管侵襲:v(+)ly(+)、乳腺断端:Suspicious、リンパ節転移:4個(13個中)、Her2 :3+(強陽性)、ER(−)PgR(−)。
EC4クール+T4クール後、放射線治療(25回)、その後ハーセプチン1年間投与と言われています。
1) Tと同時にハーセプチンを始めることもできるようですが、その場合、放射線治療はハーセプチン終了後ですか? それとも、T終了後、投与を中止して放射線、その後再開ということになるのでしょうか?
2) ECをやらずに、T+ハーセプチンから開始という選択肢もあるようですが、そのメリット、デメリットを教えてください。

一般には化療先行で6カ月以内に照射開始という場合が多いと思います。ハーセプチンは現段階では保険適応がありません(再発乳がんの適応)が、近々再発予防にも使えるはずですが。前者は脱毛が大きな副作用です。直接比較はないので効果はどちらが大きいか不確実な点もあります。(文責 石山)

 

No.7207】  07年10月05日  K.I. 
ザンクトガレン2005 術後推奨治療について

40歳、T期で温存手術を行いました。病理の結果、リスク分類の低リスク(1cm、異型度1、her2-、脈管侵襲なし)、ホルモンER+,PgR+でした。閉経前ですので、ザンクトガレンの推奨治療ですとTAMのみもしくは無治療となっています。無治療ということは聞いたことがありませんし、TAMのみと記載されていますが、私自身は主治医からLHRH製剤も勧められています。この部分の選択は、何を基準になされているのでしょうか?また、なしとTAMだけ、TAMとLHRH製剤では再発率がどの程度変わるものなのでしょうか? ご教授下さいますよう、よろしくお願い致します。

原則はホルモン療法または無治療です。LHRHagoでもかまわないと思います。(文責 石山)

 

No.7206】  07年10月05日  M
ホルモン療法のついて

ホルモン療法についてご相談申し上げます。閉経前、女性ホルモンによって増殖するタイプのガンの場合は、抗エストロゲン剤・エストロゲン分泌を抑制するLH−RHアゴニスト製剤を使う療法がありますが、その場合、生理が止まり、閉経状態で、そうしますと、閉経後、脂肪で作られるエストロゲンが出現し、再発・転移の関係はどのようになりますでしょうか? また、閉経前にしようする抗エストロゲン剤・エストロゲン分泌を抑制するLH-RHアゴニスト製剤、そして閉経後にしようするアロマターゼ阻害剤を同時に併用したら、強力にブロックできるのではないかと素人考えで恥ずかしいのですが、よろしくお願い致します。また、このような治験は行われているのでしょうか?

今のところしっかりしたエビデンスがないのでお勧めできません。閉経前のエストロゲン値と閉経後では全くそのレベルが違うせいです。(文責 石山)

 

No.7205】  07年10月05日  Y.H. 
乳首のイボ??

28歳妊娠中です。4ヶ月ほど前から右の乳首の先端に3ミリほどの突出したイボのようなものができました(その時は乳首と同じ渇色でした)。そのまま放っておいたのですが、最近このイボが、血の塊みたいに真っ黒になり、すごく硬くなりました。無理やり取ってやろうかと思ったのですが、痛くて出来ませんでした。乳首に皮膚癌みたいなものができる事もあるか教えて頂きたいです。場所が場所だけに病院に行くのをためらってしまっています。あと最近、右の脇の下にもしこりを発見したのですが、これも関係ありますか?

乳頭Pagetという癌がありますが、少しそれとは異なりますが、心配なこともあります。乳腺外科に受診してください。 (文責 石山)

 

No.7204】  07年10月05日  Y.Y.
アリミデックスの副作用?

一体私の身体はどうなったんだろうと、慣れないインターネットで調べているうちに、この相談室にたどりつきました。どうぞ助言をください。よろしくお願いします。
2005年5月、62歳で右乳房を温存で手術しました。2cm以下の腫瘍、17コのリンパ節切除のうち1コに転移がありました。放射線治療の後CMFを翌年一月に終了。以来現在までアリミデックスをつづけています。現在副作用らしき症状に悩んでいます。昨年8月位から膝関節が痛み、歩行がつらい時が続きました。軽い膝関節変形症と診断をうけました。今年に入って太ももからふくらはぎの筋肉が痛み、力が入りません。イスや床から立ち上がる時は、とてもさっとは出来ません。一度立ってしまえば、歩く事は割りと楽にできます。この一年以上正座や和式トイレを使用する事が出来ません。両手首の関節や手のひらが腱鞘炎のように痛みます。二の腕や肩の方まで痛みとこわばりがあり、五十肩が左右同時に起きた状態です。起床時から午前中がとくにひどいです。この一月よりコレステロール値が300を超えたので、クレストールという降下剤をのみ、180位に下がったのですが、手足の膨張感や絶え間ない脚のつりと上記の症状がこの薬の副作用と思えて、内科の先生に相談して、ひと月半前に中断しました。やめても上記の症状が依然として好転せず、より悪化してる気がするので、はじめてアリミデックスの副作用ではないかと考えはじめました。ホルモン療法はやめたくありません。どのようにしたらもう少しは楽に続けられるでしょうか? どうぞ教えて下さい。 

関節痛という比較的多い副作用だと思います。休薬や薬物変更を考慮してください。(文責 石山)

 

No.7203】  07年10月05日  P 
乳癌検診

一年前に豊胸手術を受けました。乳癌検診を受けたいのですが、バックが入ってても受けれるのですか? また検診で破れたりしないですか? 岐阜市内で検診したいので対応できる病院が知りたいです。

入れたバッグの種類、材質で異なります。その辺を手術した施設に問い合わせてください。(文責 石山)

 

No.7202】  07年10月05日  S.T. 
手術後の出血について

初めてメールします。母親の乳がんのことで相談です。乳がん摘出手術の後、2〜3日後に出血があり、今現在(2週間ほど経ちましたが)未だに出血がとまりません。母が、主治医の先生の検診に行くと、先生は「気にすることないですよ。そのうち止まります。」といって、傷口を縫ったそうです。出血の量が多いので心配です。手術後の出血はよくあることなのでしょうか? また、あるとしたら、いつごろ止まるのでしょうか? ないとしたら、主治医の先生にはどのような処置をお願いすればいいのでしょうか? 教えていただければと思います。

お返事が遅くなり、申し訳ありませんでした。術後に、手術で剥離した創部の皮下などに、じわじわと出血が溜まる事を、術後血腫とか術後々出血(じゅつごこうしゅっけつ)等と言いますが、時々あります。一説によると、普通に行った手術でも1000件に1〜2件程度の頻度で起こる、と言うデーターもあるようです。脳梗塞の後遺症などに対して、血液をサラサラにするような薬剤を直前まで飲んでいた場合は、更にリスクが増えます。
ここで問題なのは、貴女のおっしゃっているお母様の”出血”と言うものが、果たして新鮮な出血を意味するのか、手術後の”出血”で溜まっていた古い血液が少しずつ出ているのかが分かりません。しかし、新鮮なものなら、とうに再手術をしているのではないかと思います(出血性ショックや、貧血になってしまいますから)。多分、お母様の状態は術後すぐに、術後に創部に出血があったものが今頃少しずつ溶けて傷口から染み出して来ているのではないでしょうか? その様な場合、人間の身体はある程度、不要なものを自分で身体の外に出すしくみを持っていますので、排出し切ってしまえば収まる筈です(程度によって2〜3週間から一ヶ月以上かかる場合もあります)。時には創部の中を生理食塩水などで洗って、きれいにするような処置を行う場合もありますが、ケースバイケースで、特に決まりはありません。一度担当の先生に、現在の状況がどの程度続く見込みだとお考えなのかを、率直に伺ってみては如何でしょうか?(矢吹)

 

No.7201】  07年10月05日  O.H.
線維腺腫

34歳未婚です。昨年11月にエコー、マンモグラフィ、細胞診にて線維腺腫と診断されました。そのとき、しこりの大きさは1.3センチでした。今年3月にエコー検査したところ、大きさ等に変化はなく、経過観察となりました。本日エコー検査したところ、「大きさが1.6センチになっているので、細胞診をしましょう」と言われました。
1) 1.3〜1.6と大きくなっているのですが、線維腺腫が大きくなるということもあるのでしょうか?
2) 良性だったものが悪性のがんに変化することはあるのでしょうか?
3) 注射でしこりの中をとるときに、中身がもっちりとしていると言われたのですが、中身がもっちりとしているのは癌の場合でしょうか? そもそも癌、線維腺腫の中身は何でできているのでしょうか?

不安で眠れません。よろしくお願いいたします。

お返事遅くなり申し訳ありませんでした。その後細胞診の結果は如何だったでしょうか?
1)線維腺腫でも大きくなる場合がありますので、大抵3cmを超えて大きくなるようなら、乳房が変形してしまう事もありますので、出来れば摘出をお勧めしています。 
2)良性病変がガンに”変化する”と言う事はまずありません。
3)中身の質感については、検査を行った先生の個人的な感想であって、病理学的な根拠があるとは思えません。あくまで、そのような質感だったと、単純に言葉通りに受け止められた方が良いのではないでしょうか?

以上、貴女の不安の解消に役立てば幸いです。(矢吹)

 

 

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