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相談室(No.7301〜7400)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

7400 07/11/18 H 閉経後のホルモン療法 首藤
7399 07/11/18 H  手術までの待ち時間について 首藤
7398 07/11/18 k m ゼローダの副作用 首藤
7397 07/11/18 H.Y.  局所再発の治療について 首藤
7396 07/11/18 V  石灰化の生検で 首藤
7395 07/11/18 Y.H.  PET検査だけでも大丈夫でしょうか(HPNo.6743-3) 首藤
7394 07/11/18 M.S.   肝転移 首藤
7393 07/11/18 M.A.  PET 首藤
7392 07/11/18 Y  病理の結果と術後療法 首藤
7391 07/11/18 K  EC療法と妊娠(2)(HPNo.7378-2)   首藤
7390 07/11/18 6ヶ月後の再診でいいのでしょうか  首藤
7389 07/11/17 T   肝転移の可能性と放射線治療について 首藤
7388 07/11/17 S.N.   手術は2ヶ月程先です 首藤
7387-1
7387-2
07/11/17
07/11/20
S  セカンドオピニオン
セカンドオピニオン(2)
首藤
首藤
7386 07/11/17 T.K.  乳房からの出血 首藤
7385 07/11/17 k.k 乳首のできものについて 首藤
7384 07/11/15 S.K.  左脇下の痛み 首藤
7383 07/11/15 N  術後の治療について 首藤
7382 07/11/15 Y  乳ガンの診断結果について 首藤
7381 07/11/15 Y  他の病院でもう一度診てもらうべきでしょうか?(HPNo.7363-2) 首藤
7380 07/11/15 H  抗がん剤治療の必要性 首藤
7379 07/11/15 kk 術後のホルモン治療について 首藤
7378-1
7378-2
07/11/15
07/11/18
M.M. EC療法と妊娠
EC療法と妊娠(2)
首藤
首藤
7377 07/11/15 M.W.  乳癌と網膜症の因果関係(HPNo.7118-2) 首藤
7376 07/11/15 H.M. 肝転移 首藤
7375 07/11/15 Y/F これからの治療について 首藤
7374 07/11/15 M  中国での乳癌治療 首藤
7373 07/11/15 M子  痛みのあるしこり 首藤
7372 07/11/13 F.K.  ノルバデックスによる子宮体癌について 鈴木
7371 07/11/13 Y.T.  非浸潤性乳管がんがについて 鈴木
7370 07/11/13 T  このままほっておいても大丈夫でしょうか? 鈴木
7369 07/11/13 M.A 手術までの待ち時間 鈴木
7368 07/11/12 Y/F これからの治療について 鈴木
7367 07/11/12 M  葉状腫瘍といわれました 鈴木
7366 07/11/12 N 乳頭からの分泌物 鈴木
7365 07/11/12 ナナ 線維腺腫 鈴木
7364 07/11/12 IT 術後の治療の問い合わせ(HPNo.7095-4) 鈴木
7363-1
7363-2
07/11/12
07/11/15
Y  細胞診の必要性
他の病院でもう一度診てもらうべきでしょうか?
鈴木
首藤
7362 07/11/12 C.C 石灰化について(HPNo.6783-2) 鈴木
7361 07/11/12 V ホルモン治療 鈴木
7360 07/11/12 T.K  母の治療について(HPNo.6779-3) 鈴木
7359 07/11/11 TO  病理診断の結果は生涯変化しないのでしょうか? 鈴木
7358 07/11/11 Y  異型乳管過形成について 鈴木
7357 07/11/11 T   ハーツー乳がんの術前化学療法と術後について 鈴木
7356 07/11/11 TK  術後ホルモン療法 鈴木
7355 07/11/11 C  左右の胸にしこりがあります 鈴木
7354 07/11/10 アグリ 今後の治療について(HPNo.7262-4) 清水
7353 07/11/05 M/S 乳房の膨隆について 清水
7352 07/11/05 K.M.  左乳首横のイボについて 清水
7351 07/11/05 OW  FAD 清水
7350 07/11/05 K.Y.  血液検査の結果について(HPNo.6295-3) 清水
7349 07/11/05 M/F 乳房上部のしこり 清水
7348 07/11/05 E   今後の治療と出産について 清水
7347 07/11/05 S  二月前くらいに 清水
7346 07/11/05 FW. のう胞内乳頭腫について(HPNo.7314-2) 清水
7345 07/11/05 E.O.  特殊がんについて教えてください 清水
7344 07/11/04 S.H.  食事に関するご相談 清水
7343-1
7343-2

7343-3
07/11/04
07/11/25
07/12/10
Y.N.  今後の治療について
今後の治療について(2)
今後の治療について(3)
清水

俵矢
7342 07/11/04 アグリ  術後はじめてのCTを撮りました(3)(HPNo.7262-3) 清水
7341 07/11/04 T  授乳期における腺腫 清水
7340 07/11/04 H.T.  術後治療について 清水
7339 07/11/04 R.S. 乳房の発赤についての相談です 清水
7338 07/11/04 Y  乳ガン検診と授乳 清水
7337 07/11/04 Y.S.  石灰化という診断を受けました 清水
7336 07/11/04 ひまわり リンパ節の削除 清水
7335 07/11/04 R.F.  エコーでの診断結果について(HPNo.6253-4) 清水
7334 07/11/03 M   乳房超音波とマンモグラフィーの違い 清水
7333 07/11/03 F  腕の麻痺 清水
7332 07/11/03 M.S.  乳房結節とは? 清水
7331 07/11/03 DL 手術後の治療方案ご質問(HPNo.7041-6) 清水
7330 07/11/03 K.T. 術前化学療法の効果の診断(HPNo.7098-2) 清水
7329 07/11/03 E  5週間前のエコーと比べてしこりが増えていたのですが… 清水
7328 07/11/01 S.E. がんである可能性 清水
7327 07/11/01 V  超音波下マンモトーム生検を受けたのですが‥ 清水
7326 07/11/01 J.M. 腫りゅうの摘出(HPNo.7258-3) 清水
7325 07/11/01 H  細胞診 清水
7324 07/11/01 M.O 術後補助療法について 加藤
7323 07/11/01 M.N. 乳癌の疑いのみられる石灰化について 加藤
7322 07/11/01 H.S.  今後の治療方針について(HPNo.6332-5) 加藤
7321 07/11/01 M  乳癌は痛みもありますか? 加藤
7320 07/11/01 S.M.  右乳がんの部分切除手術をしました 加藤
7319 07/11/01 M.H.  腫瘍の形 加藤
7318 07/11/01 T.M ステージ2?ステージ3?(HPNo.7260-2) 加藤
7317 07/11/01 M  右乳房横のしこり 加藤
7316 07/11/01 T.K.  ホルモン療法と副作用について 加藤
7315 07/11/01 M&M 血性の分泌物(HPNo.7265-2) 加藤
7314-1
7314-2
07/11/01
07/11/05
F.W.  のう胞内乳頭腫について
のう胞内乳頭腫について(2)
加藤
清水
7313 07/11/01 切開生検(2)(HPNo.6344-6) 加藤
7312 07/11/01 N.I.  術後のCEF療法について 加藤
7311 07/11/01 H   これはリンパ節転移なのでしょうか? 加藤
7310 07/11/01 M,M 再検査について 加藤
7309 07/11/01 S.R.  生理再開なのか、不正出血なのか? 加藤
7308-1
7308-2
07/11/01
08/05/10
S 術後の治療方針について
指先の痺れ
加藤
石川
7307 07/11/01 まこちゃんの夫 乳がんについて 加藤
7306 07/10/30 H  脇の下の腫れが気になります 加藤
7305 07/10/30 H 無治療で本当に良いのでしょうか? 加藤
7304 07/10/30 S 再発率生存率について(HPNo.6982-3) 加藤
7303 07/10/23 R.T. しこりの検査について 片山
7302 07/10/23 S.M. 術後の炎症? 片山
7301 07/10/21 M.K.  胸の痛みについて 片山

 

 

 

No.7400】  07年11月18日  H
閉経後のホルモン療法

いつもお世話になりありがとうございます。フェマーラのおかげで、ノルバデックス5年+フェマーラ5年、合計10年と、再発をより長く抑えられるようになってきましたが、ノルバデックス5年よりもノルバデックス2年+アロマシン3年の方が治療成績が良いので、ノルバデックス2年+アロマシン3年+フェマーラ5年、合計10年ということになりますか?(アロマシンて、スイッチする薬なんですか?)
アリミデックスを今飲んでいる患者は、(聞いたことありませんが)スイッチしたり、飲み終わった後にフェマーラを追加するなんてことはありますか? これからの人は、フェマーラが第一選択になって単独5年になるのでしょうか? 骨密度も、最初の1年は減少するが、その後、減少傾向は緩やかになるとか、それとも減りっぱなしになってしまのか? そうなると、長期に飲むのも心配? 治療の幅が広がって迷ってしまいます。よろしくお願いいたします。

タモキシフェンからアロマターゼ阻害剤に途中変更した方が良いのか、それとも最初からアロマターゼ阻害剤で5年間治療した方が良いのかという比較試験の結果がもうすぐ出てきます。 アロマターゼ阻害剤5年投与後の更なる追加の可否については、現在臨床試験が進行中です。アロマターゼ阻害剤を内服している期間は骨密度は低下し続ける可能性が高いと考えられます。(文責 首藤)

 

No.7399】  07年11月18日  H  
手術までの待ち時間について

65歳の母ですが、11/16悪性の乳がんと診断されました。初めて10/28診察を受けた時点で左胸内側上部に卵大のしこりがあり、血液検査とエコーとCTを受け、その後大きい病院を紹介されました。そこで細胞診とマンモグラフィを受け、11/16に結果悪性だと診断されました。「5センチぐらいで、リンパ節に3つくらい影があるのも気がかりです」と医師に言われましたが、入院、手術まで一ヶ月ほど待つとのことでした。初診からすでに2週間以上たつ上、更に一ヶ月も何もせず待っていて大丈夫なのでしょうか?進行しないのか気がかりですし、一刻も早く手術した方がよいのであれば別の病院を探すべきなのか、悩んでいます。ご助言お願いいたします。

しこりの大きさが5cm以上で、リンパ節にも明らかな転移が考えられる場合は、まず最初に抗がん剤治療を行うことが多いです。お待ちの間に乳腺専門医によるセカンドオピニオンを受けられてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.7398】  07年11月18日  k m
ゼローダの副作用

現在、ハーセプチン(毎週)+ゼローダの治療をしています。ゼローダは昨日から2クール目に入りました。ゼローダを服用を開始して、2週間経過した頃から手指に色素沈着が現れました。また、指の関節にヒリヒリ感があります。これらの副作用の軽減対策は何かあるでしょうか?

ゼローダの副作用と考えられます。日常生活にも支障があるほどに副作用が強い場合は一時的な休薬が有効です。(文責 首藤)

 

No.7397】  07年11月18日  H.Y. 
局所再発の治療について

現在42歳主婦です。2年前に右乳房温存手術をしました。大きさ18×12、ホルモン依存性なし、核異形度3、ハーツーマイナス、リンパ節転移はなし、断端陰性で、治療はEC療法、放射線20回、タキソール(全12回)を受けました。2年目の検査の触診で、前回の手術の近くにしこりらしいものがあり、エコーを受けたところ、「はっきりしないが何かあるような感じ」とのこと。現在は細胞診の結果待ちです。骨シンチ、レントゲン、MRIなどの検査は、異常はありませんでした。
1) もし局所再発の場合、先生は周りを除去するだけで良いとおっしゃていますが、これからのリスクを少しでも下げるためには全摘の方がよいのでしょうか? 子どもも小さいので、少しでもリスクを減らしたいと考えています。
2) 通常化学療法は行うのでしょうか?

これから先生と話し合う上で、自分なりに考えをまとめようと思っております。よろしくお願いします。

1) 局所再発の病変部分の広さにより、周りを除去するだけで十分と考えられる場合もあります。しかし再・再発リスクを少しでも下げたいというお考えならば、乳房切除も選択肢としてありえます。よく担当の先生とご相談ください。
2) 病理学的にも明らかに局所再発であるならば、通常化学療法を行わずに経過観察と思います。(文責 首藤)

 

No.7396】  07年11月18日  V. 
石灰化の生検で

ステレオガイド下マンモトーム生検で非浸潤癌の疑いと出ました。29日術式説明、5日手術です。乳房温存手術と放射線照射は、セットが当たり前の様に医師から言われました。私としては、最終病理結果が非浸潤癌で、手術で取り切れたなら、術後放射線治療は不必要かなと思います。目に見えない残っているかもしれない癌のために、放射線を浴びたくないという気持ちがあります。この考え方は無謀ですか?どのような条件下なら、手術だけで終わりとなるのですか? またしこりの無い石灰化7ミリくらいの温存手術の場合、切除部分はフックワイヤーで目印を付けると本にありましたが、他の方法はありますか? お忙しい所、恐縮ですが、よろしくお願いします。

非浸潤がんの場合でも温存乳房への照射は局所再発予防の観点から乳癌治療ガイドラインで推奨されています。 フックワイヤーにて場所を確定するのが標準的です、また高性能CT(ヘリカルCT)などにより乳房内の病変(造影有効例の場合)に沿って皮膚にマーキングするなどの方法もあります。(文責 首藤)

 

No.7395】  07年11月18日  Y.H. 
PET検査だけでも大丈夫でしょうか(HPNo.6743-3)

お世話になっております。以前に6743、7188番でお世話になったものです。10月22日に葉状腫瘍ということで手術をし、左乳房全摘出しました。悪性・良性の区別がつかず、手術の結果報告で、葉状腫瘍ではなく粘液癌となりました。腫瘍マーカーは陰性でした。リンパの摘出という話がありましたが、私がどうしても踏み切れずにいましたので、粘液癌の純粋型であろうと思われるので、PET検査でも大丈夫でしょうということになりました。エコー検査でも脇の下には何も無かったようです。リンパ検査をしないとステージが確実に出ないということのようで、後になって受けたほうが良かったのかなと不安になります。PET検査だけでも大丈夫でしょうか。粘液癌は、これまでしてきた検査(細胞診、エコー、MRI、組織診、CT)で分かりづらいものなのでしょうか。手術後2日目からめまいが生じて、未だに軽いめまいがあります。外をちょっと早歩きで歩いたりするとクラッときたり、坂道を下る時に前にのめり込むような感じになります。これは体調の問題なのでしょうか。よろしくお願い致します。

純粋型粘液癌は比較的予後が良いことが知られています。したがって現時点でリンパ節転移の可能性も低いだろう、という判断でしょう。PETはリンパ節転移や多臓器の転移の有無を調べるには有効な手段だと思いますが100%の診断とはいえませんね。術後の定期的検査としてはそれ以外にCTや超音波検査などが追加されるかもしれません。術後のめまいは乳癌と直接的に関係があるとは思えません。しかし症状が続くのでしたら、担当の先生にご相談されてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.7394】  07年11月18日  M.S. 
肝転移

先日は、ご回答いただきましてありがとうございます。昨日検査結果が出て、やはり乳癌からの転移による肝臓ガンでした。肝臓ガンのステージではVとの事で末期です。肝臓の腫瘍は全体に広がっている為、手術をする事は出来ないそうです。先生が、以前の乳癌の際に効果的だったホルモン療法で今の癌を大きくしない事、少しでも小さくしていく事を目的に治療をして下さるそうです。並行して、他に転移がないか検査を進めていきます。又体力を落とさない為に、夜眠れるよう、痛みをとるモルヒネを頂きました。病状が悪化しない限りは、今まで通りの生活で自宅で過ごしていけるそうです。末期の肝臓ガンの際に、これから起こりうる症状を教えて下さい。父は希望を捨てずに、セカンドオピニオンと、自然療法を並行する事を希望しています。この症状の場合は、もうホスピス(緩和ケア)を考えたほうが良いでしょうか? 日本ですと、なかなか受入のできる病院やベット数は無いようなのですが・・・。

肝臓への転移といっても進行度や症状は人それぞれです。担当の先生を今までどおり信頼していかれてはいかがでしょうか。基本的には癌の完全撲滅を目的とせず、生活の質をいままでと同様に保ちながら、なるべく癌の進行を遅らせるような治療をされていくことが大切だと思います。(文責 首藤)

 

No.7393】  07年11月18日  M.A. 
PET

はじめてメールを致します。25歳の娘のことです。先日、生理前だったのですが、胸の張りとシコリを感じて外科を訪れました。マンモとエコーと触診の結果、左胸のところに石灰化と、硬くなった部分が見られるので、MRIをとるようになりました。同時に、乳輪の周りがただれていたので、分泌物分析をしました。結果、分泌物検査はパジェット病?ではないとのことでしたが、MRIでは乳がんの曲線とは異なるような葉状腫瘍の曲線にも似ているとのことでした。そして、麻酔をして針生検をして結果待ちです。その間に生理が始まって3日目ですが、まだ胸は硬いようなシコリに触れ、乳輪もかゆくてただれているようです。今日、先生の勧めで、PETを受けるように言われていますが、PETをうけるということは、かなり進んでいるということなのでしょうか? 心配です。アドバイスをお願いいたします。

いろいろと検査されているようですが、その中では何といっても生検の診断が一番正しいと思います。結果を待ちましょう(文責 首藤)

 

No.7392】  07年11月18日  Y 
病理の結果と術後療法

10月に右乳房温存手術を受けました(50歳、閉経前)。腫瘍径2.5X2.6、リンパ節転移無し、硬癌、切断断端;陰性、波及度;乳腺+ 脂肪+、リンパ管侵襲;ly+1、血管侵襲;無し、ER(+)3、PgR(+)3、HER2(?)、グレード3。今後の治療方針として、それぞれについて再発率の説明と共に以下の選択肢が有ると言われました。
1)ホルモン療法単独
2)化学療法+ホルモン療法
   @)副作用の少ない抗がん剤使用
   A)より再発リスクを下げる抗がん剤使用
再発率を出来るだけ下げる為に今の時期に出来る事はやりたい希望を伝え、今後EC4回+タキソテール4回後、放射線療法とホルモン療法5年を行う予定です。主治医に対しては全面的に信頼していますし、この治療方針にも納得しています。唯…当初、リンパ節転移が無いということで安堵していましたのに、術後の化学療法(EC+T)を諮詢され
たことに少々不安を生じさせる事になりました。それでより私の今の病状を知っておきたいと思いますのでお尋ねいたします。
1) 病理の内容は中間リスクに当たると思いますが、この抗がん剤の選択は多少過剰治療に当たりますか?(中間リスクでもリスク要因が多い?)
2) ACとECの違いはなんでしょうか?同じアントラサイクリン系の薬剤ですが、どのように使い分けられているのでしょうか?効果は同等ですか?
3) 私の場合、EC療法を選んだことに理由は有りますか? 
4) EC療法よりCEF療法ならより再発率は抑えられますか?
5) タキソテールとタキソールの使い分けを教えてください。効果は同等ですか?

最終的には私自身が治療方針を決める事だと承知していますが、先生のご意見お聞かせいただければ幸いです。よろしくお願い致します。 

1) あなたのご希望が「今の時期に出来ることはやりたい」ということでしたら妥当と思います。
2)3) Aはアドリアマイシン、Eはエピルビシンです。最近では心毒性の低いEを使用する事が多いですね。
4) やや抑制効果は高いですが、あなたの場合リンパ節転移なし・中間リスクということを加味すると、両者の効果に大きな差は無いと推定されます。
5) 一週投与、三週投与などがありますが、補助療法に関する臨床試験では大きな差は出ませんでした。基本的に同じですので、担当の先生を信頼して、これからも頑張りましょう。(文責 首藤)

 

No.7391】  07年11月18日  K 
EC療法と妊娠(2)(HPNo.7378-2)  

お忙しいところ、お返事頂き、ありがとうございます。温存手術を受け、肺炎がやっと治り、病理検査の結果(1.8×1.3cm、リンパ節転移0/2、グレード、充実腺管がん、ホルモンレセプター陰性、ハーセプテスト0、断端陰性)が出たところでした。両親をガン(食道ガン、乳ガン)で亡くしている私(38歳)には、この結果がショックでした。そして、これから抗ガン剤の治療に入るという時に妊娠が判り、大変混乱していました。その為、あの様なご相談をしてしまって、申し訳ございませんでした。にも関わらず、ご丁寧にご回答頂きまして、本当にありがとうございます。少し落ち着いたところで主治医の先生に相談しました。別の病院で中絶手術を行って、術後2週間を目安に1度診察をしてからEC療法を3週間毎に4クール行うという事になりました。その後、放射線照射25回の予定です。この場合の5年、10年後の再発率はどれくらいでしょうか?
主人も亡くなり、15歳と11歳の子供がいるので、大変心配しております。相談室、いつも拝見させて頂いております。ガン闘病患者にとっての救いです。お身体に気を付けて、これからもよろしくお願い致します。

ADJVANT ON LINEというソフトを使うと、あなたの場合グレードが不明なのですが、無治療の場合の10年無再発率は約72%です。化学療法を施行することにより無再発率を84〜87%まで引き上げることが出来ます。(文責 首藤)

 

No.7390】  07年11月18日  F
6ヶ月後の再診でいいのでしょうか

お世話になります。45才・婚姻歴23年・出産経験なし・標準体重です。今年の4月頃から、特に左乳房に痛みがあったので、乳がん検診(マンモグラフィ・エコー)を受けました。「痛みはホルモンのバランスの関係で生理前などに感じる人も多い。のう胞と線維腺腫がありますが、6ヶ月後の再診でいい」と言ってもらえました。でも、私はいつも生理の後に痛みます。これも人によって色々ちがうということと思っていていいのでしょうか? それと痛みを感じる時は腋も痛みます。痛み以外にシコリなど感じるものはありませんが、こういうものでしょうか? 痛いときは、憂鬱で落ち込んでしまいます。よろしくお願いします。

メール内容から推察しますと、いわゆる乳腺症の症状として矛盾しないようです。著変なければ6ヵ月後の再診でよろしいかと思います。(文責 首藤)

 

No.7389】  07年11月17日  T 
肝転移の可能性と放射線治療について

たびたび申し訳ありません。このサイトはいつも今後の治療にあたって、重要な判断材料させていただいております。では本題に入らせていただきます。
ハーツー3+です。現在CEを終え、ハーセプチン+タキソテールを三週毎投与しております。2クール目を今月13日に終えましたが、13日にCE4クールを終えた時点で撮ったCT画像の結果が出ておりました。腫瘍縮小効果ははっきりとしていて、約半分の1.5センチ。今ではシコリは硬いものではなく、ゼリー状のものが触れる程度となりました。ただ、そのCT画像の結果によると、肝臓に黒い小さな影が一つ見られます。主治医は、「おそらくは肝転移ではない」とおっしゃいました。これまで骨、肺は平気でしたが、ここへ持って来て肝転移の可能性はあるのかどうか、まず一つ、教えいただきたいと思います。不安なのは昨年11月には3センチほどのやわらかなシコリであったのが、半年程で乳管内に広がり出し、それも含めて6センチ程のシコリとなりました。かなり増殖スピードが速いと思われます。また手術を翌年1月中旬に控えていますが、放射線治療は70歳以上はカットとのこと。しかし受けたければ受けてもいいと主治医は言います。そこで「70歳以上はカット」というのは、なにを根拠に定められているのか、二点目として教えていただきたいのです。以上は母の病状についての質問となります。

画像を実際に拝見しておりませんので現状で肝転移の可能性があるのかはわかりません。放射線治療(温存乳房に対する?)に年齢制限をされているということですが、最近70才以上の方を対象として温存乳房に照射した場合と照射しなかった場合の比較試験の成績が出ています。結果は70才以上のご高齢のかたであっても照射した方が局所再発率が少ないことがわかりました。しかしその差はわずかですし、治療には約5週間の連日通院が必要となりますので、70才以上の場合の放射線治療は個々の患者さんの状況によって行ったり行わなかったりということが多いようです。よく担当の先生にご相談ください。(文責 首藤)

 

No.7388】  07年11月17日  S.N. 
手術は2ヶ月程先です

福岡県在住です。母が先日、マンモ、エコー、針穿刺細胞診にて乳ガンと告知されました。いまの段階では二センチぐらいとのことです。来月の初めにMRIをとり、再来月初めに手術となります。転移の有無も検査していないのに、手術が2ヶ月程先になることを、とても心配し、毎日眠れません。手術まで2ヶ月もあるというのは、一般的に大丈夫なのでしょうか? どういう方でも、悪いものはすぐ取りたいと思うのは当然で、他の患者さん方も皆そうだとは思いますが、毎日不安で不安で・・・。いかがでしょうか? ちなみに、母は56歳で閉経後です。

大学病院やがんセンターでは手術までの待ち時間が数ヶ月ということもあるようです。一般的には乳腺専門医の勤務する施設では平均1ヶ月待ち程度です。(文責 首藤)

 

No.7387-1】  07年11月17日  S 
セカンドオピニオン

10月末に右乳房下に自分で8ミリ弱のしこり見つけ、都内の病院に赴き、マンモ、超音波、針生検一回の検査を経て、結果が昨日゛異形細胞゛としか出なかったので、二回目の針生検のオーダーを出して、近々MRIもする予定です。まだ早期発見のようですが、医師には゛ほぼ癌と思って下さい゛と言われるし、どんどん手術&入院の話がすすみそうで、軽い気持ちで依頼した病院で本当にこんなに早く手続きしてしまってよいのか不安です。高血圧、子宮筋腫(1センチ以下)を持っているので、今後の治療も不安です。何処かにセカンドオピニオンを求めたいのですが、病院ごとの学閥なども邪魔にはなりはしないかと心配です。

乳癌学会のHPに乳腺専門医の一覧がありますので、セカンドオピニオンを受けるため、お近くの専門医を捜すひとつの目安となると思います。(文責 首藤)

 

No.7387-2】  07年11月20日  S 
セカンドオピニオン(2)

月末に今の病院でMRIがひかえていますが、(今回捜して参りました)セカンドオピニオンの病院に12月3日赴く前にはインフルエンザ予防接種打っておいた方がよろしいでしょうか?MRIで使用する注射(ガドリニウム造影剤)と゛インフルエンザ予防接種ワクチン゛の関係(副作用?)が心配です。今回2週間に渡り2回も8ミリのしこりに゛なかなか組織が上手く採れない゛と何ヵ所も注射器で吸いとられましたが、痣が残り、今でも痛いです。こんなに針を刺して癌が他に広がったりしないか心配なのですが、その点はいかがでしょう?

予防注射と造影剤は特に問題ないと思います。細胞診でガンが広がることはありません。(文責 首藤)

 

No.7386】  07年11月17日  T.K. 
乳房からの出血

今年6月に集団検診で乳がんの超音波検診をしました。その前から右胸にしこりらしきものを見つけ、肋骨などに痛みがありました。乳がん検診の結果、「乳腺線維腺腫の疑い。今回は良性と考えられます。1年後に再検査してください」と検査結果に書かれていました。6ヶ月経ち、相変わらず肋骨は痛く、しこりも少し大きくなった気がします。昨日乳房をしぼってみたところ出血がありました。これは乳がんになってしまったのでしょうか?

乳頭部よりの出血がある場合はいわゆる乳腺症だけではなく、乳管(ミルクの通る管)内部にしこりがあることも推定されますので、お近くの乳腺専門医を受診されることをおすすめします。(文責 首藤)

 

No.7385】  07年11月17日  k.k
乳首のできものについて

46歳になります。このサイトを見つけ、よく似た質問をさがしてみたのですが、やはり自分の症状をお伝えしてアドバイスを頂けたらと思いメールしました。数年前に右乳首の上に少し突起を見つけ、あまり気にしていなかったのですが、だんだん大きく成長して、今ではキノコのような形になっています。大きさは乳首より小さいのですが、くっついているところが細くて、ちぎれるんじゃないかと思うくらいです。痛みはなく、服がこすれると不快感がある程度、色は乳首と同じ色です。何かバイ菌とかで化膿してしまったのでしょうか。バジェット病というのも見つけてしまいました。不安なのですが、何科で診察してもらえばいいでしょうか。

皮膚科もしくは乳腺科を受診されてください。(文責 首藤)

 

No.7384】  07年11月15日  S.K.
左脇下の痛み

29歳、5年前に出産経験あり、乳がん家系ではありません。3年前に乳がん検診でエコー・マンモ・触診をして異常なしでした。2ヶ月ほど前から、左胸横(脇の下辺り)に筋肉痛のような痛みが走ります。寝返りを打つ時や手を伸ばして物を取る時などに痛み、普段は痛みはありません。しこりは怖くて、じっくり触れないのですが、特別目立ったものはないと思います。分泌液もありませんが、右より常に張っているような気がします。特に筋肉痛にあるようなことはしていないのですが、このような痛みは、乳がんや乳腺症などとは関係あるのでしょうか。

筋肉痛と乳癌はあまり関係がないのですが、ご心配でしたらお近くの乳腺専門医を受診されることをお勧めいたします。(文責 首藤)

 

No.7383】  07年11月15日  N 
術後の治療について

初めて相談させていただきます。39歳、既婚、子供二人、閉経前です。8月下旬乳癌とわかり、10月初旬温存手術、先日病理結果がわかりました。腫瘍2.5センチ、7ミリの二つ。乳頭腺管がん。「センチネル(0/1)、グレード1、リンパ管への広がりなし、微小な静脈への広がりなし。ホルモンレセプター陽性、HER2スコア0」でした。しかし小さい方の断面がまだ残っていることがわかり、再切除を予定しております。
1) 再切除後放射線を行い、ホルモン治療(ノルバテックス5年とリュープリン2年)のみでと、主治医から言われております。化学療法をプラスしても再発率は変わらないのでしょうか?
2) 私のような場合、10年無再発生存率はどのくらいでしょうか?
3) 湿疹治療の為、幼少時よりステロイド軟こう(外用副腎皮質ホルモン)をずっと常用しております。(ストロング)乳癌の因子に副腎皮質ホルモンの常用などと聞いたことがありますが、多少なりとも関係あるのでしょうか?

宜しくお願いいたします。 

Adjuvant onlineを使うと、あなたの場合、まったくの無治療では10年後の再発率は約25%となります。ご指摘のホルモン療法を行うと、再発率は約25%から約15%にまで下がります。さらに化学療法を追加すると再発率は約10%となります。つまり5%の上乗せ効果となります。5%の上乗せ効果を高いと考えるか低いと考えるかで化学療法をどうするかが違ってきますね。あなたの場合、腫瘍径(病理学的浸潤径と判断しますが)が2.5cmというところで、中間リスクに分類されると思います。軟膏含有ステロイドの常用はそれほど有意な乳癌発生因子と考えられません。(文責 首藤)

 

No.7382】  07年11月15日  Y  
乳ガンの診断結果について

ご相談いたします。私の妻の話ですが、先月、自らの触診でシコリがあることに気づき、婦人科と外科に診察を受け、エコーとマンモ検査で乳ガンの疑いがあるとして公立病院に回されました。公立病院でも、エコー、マンモ、マンマ、CT及び細胞診まで実施しました。検査の結果、CTまでの結果では、癌であることが間違いないと言われましたが、細めの細胞診でも、最後のドリルのような太めの注射器による細胞診でも検査結果は癌が認められず、乳腺症と用紙には書いています。医師は、「覚悟は出来ているのだから、シコリ(約1.3cm)を手術で摘出し、それを細胞検査して判断して、癌であれば全摘に移行しよう」と言っているみたいです。また、細胞診で癌であると結果が出ていないので手術も1ヶ月先の12月中旬と言われました。期間も長く、もしかしたら、癌がないのではとかの期待もあったり、手術までの期間が長いこともありメンタルな面で、妻を見ているのがつらくなります。乱文でわかりにくいと思いますが、非常に悩んでいます。本当に全摘しなければいけないのか? よろしくお願いします。現在1か月間ほど高濃度アガリクスを服用しています。

乳房のどの部分に腫瘤があるのかによりますが、たとえ癌腫であってもその程度の大きさであれば基本的にはまず温存術を考えます。「癌であれば全摘に移行しよう」という文面には乳腺専門医として違和感を感じます。(文責 首藤)

 

No.7381】  07年11月15日  Y 
他の病院でもう一度診てもらうべきでしょうか?(HPNo.7363-2)

先日HPNo.7363で相談させて頂いた者です。ご回答頂き、ありがとうございました。どうしても気になり、再度メールさせて頂いております。あれから違う乳腺専門病院で診察してもらいました。一度、乳腺線維腺腫と診断された事を告げ、細胞診を希望しましたが、『その必要はない。画像を見る限りでは、まず乳癌ではないでしょう。それに万が一でも豊胸バックに穴があくと困る』ということで、細胞診は行って頂けず、次回は6ヶ月後に診察ということになりました。しこりの大きさは、右側が9oで左側5oです。二つの病院でそう言われた以上、信じようとは思いますが、乳癌と間違われやすいということもあり、やはり細胞診はしなくてもいいのだろうか・・という不安が拭い切れません。乳汁細胞診では、クラス1で異常なしということだったのですが、他の病院でもう一度診てもらうべきでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

たとえ細胞診で陰性(悪性細胞が無い)といわれても基本的に細胞診だけで100%の確定診断とはなりませんし、継続的に診察してもらうのが現状ではよろしいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.7380】  07年11月15日  H 
抗がん剤治療の必要性

来年の1月で70歳になる母のことでご相談です。今年10月に左胸温存手術をいたしました。病理の結果、「腫瘍は1.1mm、リンパ節転移なし、ホルモン受容体(−)、グレード3」ということでした。主治医から、がんがとても小さくリンパ節にも転移がないことから、放射線治療25回のみでいいと言われました。ホルモン剤が効かないこともありますが、高齢でもあり、抗がん剤は母のがんには強すぎると思うということです。グレード3ということが気になり、放射線治療のみだと5年後、10年後の生存率はどのくらいになるのでしょうか? 化学療法も行ったほうがいいのでしょうか?

放射線療法はあくまで局所療法ですので、将来的な全身的な再発(転移)の可能性を下げるものではありません。おっしゃるようにグレード3であることと、ホルモン受容体が陰性であることから、いわゆる中間リスク(低リスクと高リスクの中間)となります。65歳以下であれば化学療法が第一ですが、ご高齢であることからそのような選択を示唆されたのかと思います。しかし最近では実際のご年齢よりも体力・気力がお若い方もいらっしゃるのも事実で、化学療法を行う選択基準として、その辺りの個人差も加味して70歳のかたに対しても標準量の化学療法が行われることもしばしばあります。ご本人のご意志、主治医の意見、家族の気持ちなどをふまえて再度医療者側に相談してはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.7379】  07年11月15日  kk
術後のホルモン治療について

術後の治療法についてご相談させてください。2007年8月に温存手術を行いました。現在40歳、閉経前です。治療法として、ノルバデックスか、治療をせず経過観察かで迷っています。病理の結果は、「浸潤癌(硬癌)、リンパ節転移無し、ER(-)、PgR(+)、HER2(0)、癌の大きさ5ミリ、脈管浸襲(無し)核異型度(1:低リスク)、断端陰性」です。主治医からは放射線治療はせず、ホルモン治療(ノルバデックス2年)を勧めますが、無治療の選択もありとのことでした。私は子宮筋腫があり、眼圧が高く、将来的に緑内障の可能性があります。ノルバデックスの副作用に、子宮筋腫や目の副作用があり、また出産も希望しているため、2年の服用後となると43歳となってしまいます。婦人科検診、眼科検診とも、ノルバデックスの事を聞いたところ「問題ないです」との返事を頂きましたが、副作用と出産を考えると経過観察とし無治療を選択したいのですが、再発も心配です。出産後にノルバデックスを始めた場合は効果はないのでしょうか。よろしくお願い致します。

2007年のSt Gallen会議による推奨治療としてはタモキシフェンの5年投与となります。「無治療」の選択はなくなりました。温存乳房への放射線療法は、本邦でもほぼ標準療法でしょう。タモキシフェンの補助療法としての効果は、術後すぐより開始し、その後5年間内服によって効果が確認されていますので、2年の間隔の後の効果は不明です。内服期間は2年よりも5年の方が優れているのが確認されています。確かに筋腫や眼疾患など報告がありますが、それぞれ眼科・婦人科との併診により問題なく治療が継続されていることがほとんどです。ご出産を希望されておられるのでしたら、タモキシフェンの内服は勧められません。この場合は開始時期が遅れるのはやむを得ないと思います。(文責 首藤)

 

No.7378-1】  07年11月15日  M.M.
EC療法と妊娠

11/27よりEC療法を開始する予定ですが、その矢先である今日、妊娠が判りました。しかし、生めません。
1) 中絶手術を行った場合、どの位の期間をあければ抗ガン剤の治療に入れますか?
2) 抗ガン剤の治療の途中で、子宮内容除去手術(流産してしまうと思うので)を受けた方がいいですか?
3) その際の手術は、ガンで治療を受けているがんセンターで行えますか? それとも、別の産科でもいいですか?

今、何からすればいいかわかりません。予約前ですが、抗ガン剤を受ける科の主治医に連絡すべきなのか、それとも産科へ行き手術の日を決めるのが先なのしょうか?どうか、教えて下さい。

抗がん剤治療を受けられた場合に考えられることは、白血球減少による感染と血小板減少による出血傾向です。それから考えると、中絶術後少なくとも性器出血や発熱などが完全に収まってから開始した方がよいと思います。内容除去術をもし化学療法の途中で受けられるのでしたら、上述の状況をふまえて主治医と婦人科医の密な連携が不可欠でしょう。がんセンターの状況にもよりますので、主治医の先生によくご相談ください。(文責 首藤)

 

No.7378-2】  07年11月18日  M.M.
EC療法と妊娠(2)

お忙しいところ、お返事頂き、ありがとうございます。温存手術を受け、肺炎がやっと治り、病理検査の結果(1.8×1.3cm、リンパ節転移0/2、グレード、充実腺管がん、ホルモンレセプター陰性、ハーセプテスト0、断端陰性)が出たところでした。両親をガン(食道ガン、乳ガン)で亡くしている私(38歳)には、この結果がショックでした。そして、これから抗ガン剤の治療に入るという時に妊娠が判り、大変混乱していました。その為、あの様なご相談をしてしまって、申し訳ございませんでした。にも関わらず、ご丁寧にご回答頂きまして、本当にありがとうございます。少し落ち着いたところで主治医の先生に相談しました。別の病院で中絶手術を行って、術後2週間を目安に1度診察をしてからEC療法を3週間毎に4クール行うという事になりました。その後、放射線照射25回の予定です。この場合の5年、10年後の再発率はどれくらいでしょうか?
主人も亡くなり、15歳と11歳の子供がいるので、大変心配しております。相談室、いつも拝見させて頂いております。ガン闘病患者にとっての救いです。お身体に気を付けて、これからもよろしくお願い致します。

ADJVANT ON LINEというソフトを使うと、あなたの場合グレードが不明なのですが、無治療の場合の10年無再発率は約72%です。化学療法を施行することにより無再発率を84〜87%まで引き上げることが出来ます。(文責 首藤)

 

No.7377】  07年11月15日  M.W.
乳癌と網膜症の因果関係(HPNo.7118-2)

HPNo.7118で以前お世話になり、ありがとうございました。本日ようやくホルモン値の検査結果が出ました。「卵巣に働きかけるホルモンのバランスがくずれてきているが、生理は不定期にあるでしょう」との事で、閉経には至っていない状態です。先日『網膜剥離裂孔』と診断され、『網膜光凝固術』を受けました。目のかすみ、視力低下は以前からあり、二年前に生理的飛蚊症と診断されました。この時ノルバデックスを服用している事、目に関する副作用もある事を眼科医に伝えたところ、眼科医は知らなくて、「資料をコピーさせて下さい」と言われました。結果、因果関係はないとの事でした。
今回、網膜専門の眼科で診断を受けましたが、今回の眼科医も原因は加齢によるものと診断後、ノルバデックスの重大な副作用で網膜症、網膜萎縮があるとネットで知った事を話したところ、「調べてみましょう」という事になりました。私自身も年齢的なものと思っていましたが、本当にそうなのかと思い始めています。
1) ノルバデックスとの因果関係はないのでしょうか?
2) 以前ホルモン療法に関しての質問で、左乳癌はタモキシフェン耐性とみると回答をいただいています。右乳癌がステージT、リンパ転移なし、乳頭腺管癌、PgR(-)、全摘、ホルモン療法は左乳癌からもうすぐ5年という事を加味し、今後無治療という選択はあり得るでしょうか?
3) 異時性両側乳癌の場合、片側乳癌と比べて転移の確立は高くなるのでしょうか?
4) このままホルモン療法を続ける場合、これから何年(左は術後5年経過、右は術後8ヶ月経過)続けるのが標準なのでしょうか? その場合、今のホルモン状態でも完全な閉経状態にするべきなのでしょうか? (ゾラデックス or リュープリン + タモキシフェン)

以上、よろしくお願い致します。

タモキシフェンの副作用として眼疾患は発生頻度は低いのですが報告されています。しかし網膜剥離がタモキシフェン由来である可能性は低いと思います。閉経前状態であれば少し間隔を空けるか、あるいはご指摘のごとくLHRHアゴニスト(ゾラデックスなど)を併用してアロマターゼ阻害剤を開始するという選択肢も考えられます。よく担当の先生とご相談なさってください。転移の確率はかわらないと思います。(文責 首藤)

 

No.7376】  07年11月15日  H.M. 
肝転移

母(59歳)は14年前に乳癌になりました。今年の夏頃から胃腸の不調を訴え近くの病院で検査した所、肝臓に腫瘍が見つかりました(大きいのが1つ、小さいのが2〜3つ)。この腫瘍は、転移性のもので大元は他にあると言われています。今一番疑わしいのが、乳癌の腫瘍マーカーが一番強いと言われました。脳、肺、胃、骨など、まだこれから全身の検査になるのですが、もし乳癌からの肝臓転移だとしたら、癌は治療が難しい所まで進んでいるのでしょうか?

乳癌転移であればStage IVとなります。この場合、ホルモン療法や化学療法などの選択肢があります。(文責 首藤)

 

No.7375】  07年11月15日  Y/F
これからの治療について

初めてご相談させていただきます。43歳既婚、閉経前です。12歳と10歳の子供がいます。先週左乳管癌で乳房温存手術を行いました。手術前のコアニードル細胞診断では、「非浸潤性乳管癌(低乳頭癌)の疑い」となっています。術前のCT、MRI上は悪性腫瘍を示唆する所見がないです。術中最初に約1/4乳腺組織を切除し、センチネルリンパ節生検を行いました。術中の病理迅速診断では、センチネルリンパ節に転移がないが、切断した乳腺組織の断端が一部陽性のため、術中追加切除を行いました。再度、術中の病理迅速診断の結果、追加切除の断端が陰性でした。手術後の病理所見では、「左乳房円状部分切除検体が提出された。提出された乳腺切除検体には、拡張した乳管の集簇部分が見られた。組織学的には、粘液を容れ、拡張した乳管の集簇部分がみられ、乳管内に低乳頭状に増殖している乳管癌が見られます。粘液の漏れが見られる部分もありますが、明らかな浸潤癌部分は見られません。病変が広汎にみられ、最小に切除した乳腺組織のほぼ全体にみられます。追加切除の検体では、拡張した乳管内に異型細胞がみられ、癌の可能性があります。その他の術中迅速診断の報告に変更ありません。術中迅速診断時提出されたセンチネルリンパ節に転移を認めません(0/2)」ということです。また、手術後の病理診断では、
「Breast,Partial resection;
 1.Ductal carcinoma in situ of the left breast: areaC, g(+),ly0,vo, nuclear grade 1, margin: possibly positive,E-R(-),Pg-R(+-),c-erbB2;score 0
 2.No metastasis to the lymph nodes(0/2).」となっています。
そこで質問ですが、
1) 術後の病理診断では切除検体の断端が陽性ですが、この場合、追加切除の手術を行う必要がありますか。追加切除が必要の場合、乳房全摘出になるでしょうか。また、追加切除の手術はどれ位の期間が開いても大丈夫でしょうか?
2) 追加切除の手術を行わなければ、放射線治療又は薬治療でも十分でしょうか。この場合、再発率は高くなるでしょうか。再発の可能性はどれぐらいでしょうか?

ご返事を心よりお待ちしております。宜しくお願い致します。

追加切除が必要か、断端陽性部に追加の放射線療法(ブースト照射)でよいのかは断端陽性部分の状況によります。担当医にご相談ください。温存療法の場合は温存乳房への照射を行うのが通常です。局所再発率は本邦の平均として3?5%程度です。(文責 首藤)

 

No.7374】  07年11月15日  M 
中国での乳癌治療

初めてご相談させていただきます。先月(10月)妻の左側乳房に2センチ位のがんが見つかり、乳房温存療法にて患部を切除しました。幸いにもリンパ節への転移は無く、切除した組織の端部にもがん細胞が無いとのこと。今後患部に25回の放射線治療を施し、その後ホルモン療法もしくは抗がん療法をおこなう予定です。一方、会社員である私は来年1月より中国の赴任が決まり、小学生の子供2人を含め4月より家族帯同を予定していましたが、妻の今後の治療を考えると、単身赴任が妥当と考えるべきなのか、それとも、中国の日系医療機関においても、乳がんの術後の経過を見ていただける先生はおられるのでしょうか? ちなみに、赴任先は上海です。

ホルモン療法であれば内服薬ですし、あとは数ヶ月に一回の外来診察となると思います。化学療法であれば約半年間の通院が必要でしょう。後者の治療選択だとしても、その後は数ヶ月ごとの通院ですので、上海から数ヶ月ごとに帰国されるというのも選択肢としてあるのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.7373】  07年11月15日  M子
痛みのあるしこり

4日前に左胸上部(乳首の上あたり)に痛みを感じ触ってみると、しこりのようなものがありました。翌日、近所の外科にて診療をしていただいた結果、クルミほどの大きさのしこりがあるので、検査を受けるようにと総合病院の紹介状をいただきました。その翌日、紹介先の病院にて触診・超音波・マンモグラフィの検査を受けました。触診ではガンの可能性が大きいと言われ、検査翌日に結果が出た超音波・マンモグラフィではガンは見られないと、180度違う答えが返って来ました。今は組織検査の結果が出るのを待っていて、その結果が最終結果となるのだと思います。ただ、触診と超音波・マンモグラフィの診断が全く違った結果だったこと、また通常乳がんは痛くないと聞いていたので、ただ私の場合はしこりを押すと痛みがあります。痛みがある場合でも乳がんになっているケースはあるのでしょうか。32歳、出産経験なし。

痛みを伴う癌もしばしばみうけられますが、確定診断は組織検査となるでしょう。(文責 首藤)

 

No.7372】  07年11月13日  F.K.
ノルバデックスによる子宮体癌について

以前、何度かご回答頂きました。
・2003年7月 右乳房温存手術(39歳時) ・ホルモン感受性+ ・リンパ節転移なし ・Her2(+3) ・放射線治療50グレイ ・ゾラデックス10回で中止(更年期障害多大な為) ・ノルバデックスのみ服用(2007年10月末迄)・NCC-ST439値 基準値の3〜4倍(2005年より)変動有りだが、画像上は異常なしの為、現在経過観察中である
 
2007年6月 子宮体癌検査結果は異常なしだが、9月の生理後に不正出血有り婦人科受診、ポリープが見つかり切除(良性)、子宮内膜増厚している為、10月末に子宮内膜そうは手術を行う。病理の結果、かなりの異型細胞が認められるため子宮全摘出の可能性もあるとの事、ノルバデックス服用中止になり、今現在は無治療である。ホルモン感受性陽性、HER2(+3)の為、ゾラデックスで閉経する事が大前提であるのを十分に理解しながらも、その副作用である更年期障害で日常生活に困難をきたす為に断念した。再発予防のノルバデックスだけでも服用した方が良いと思い、約4年間続けてきた。しかし子宮体癌の可能性が非常に高いと言われ、かなりのショックを受けている状態である
 
(質問事項)
1) 子宮体癌検査を半年に1回行ってきたが、結果的には異型細胞の発現は体癌検査では不十分であり、限界があるという事でしょうか。
2) 子宮体癌検査は、子宮内膜そうは術をしなければ、病理的には信頼度の高いデータは得られないのでしょうか。
3) 一般的にノルバデックスで子宮体癌になるよりも乳癌の再発予防の方が高いと言われているが、実際に子宮体癌になる可能性はどれ位なのでしょうか。
4) 子宮体癌は、子宮全摘出の他に転移や乳癌の再発予防を考えると卵巣も切除した方が有効なのでしょうか。 
5) 無治療であるとHER2(+3)で、乳癌の再発率はどれ位でしょうか。

以上、宜しくお願い致します。   

最初の2つの質問に関しては、十分な知識が無く、産婦人科医の意見が必要と思われ、回答ができません。一般的に細胞学的検査は限界があります。だからといって全例に子宮内膜の掻爬を行うかというと、乳腺も全例に最初から組織検査を行うわけではありませんので、心情は察しますが、順序として細胞診、組織診の順序で行うのが順当ではないでしょうか?子宮体癌の発生率は2年投与、5年投与で2倍、4倍となりますが、症例数が少なく有意な差ではありませんし、対側乳癌の発生率を抑えるパワーは各々26%、47%ですので、子宮体癌になる確立よりも、対側乳癌の発生を抑える方が明らかにメリットが大きいのです。手術に関して、卵巣を切除すれば更年期の症状は再来するでしょうから、よくご相談されて下さい。再発率のことから判断すれば、卵巣切除もありえますが、この場合は不可逆的な症状となりますので注意が必要です。HER2の陽性乳癌での再発率ですが、生存率でお答えします。HER2が3+の症例は、5年生存率が約75%、−症例は約85%です。今回は、すでにホルモン療法が開始されているので単純に当てはまらないかもしれませんし、他のリスク因子が勘案されていないので、その点をご留意下さい。(文責 鈴木)

 

No.7371】  07年11月13日  Y.T. 
非浸潤性乳管がんがについて

私は石灰化がたくさんあり経過観察をしていましたが、超音波でガンの疑いが出てきたので検査の為に手術しました。その時に沢山ある石灰化も取りました。病理検査の結果、非浸潤性乳管がんが見つかりました。
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(病理組織検査報告書)から転記しました。
2.5mm×1.5mmのCribriform glandからなるDCISがあり、核はやや大きい物が含まれますが、分裂はなく、異型度2、分裂1のスコアでNuclear grade 1desuです。
その他には腫瘍なく微小なDCISです。残りの領域には通常の導管より核が長い上皮で覆われた、いわゆるAtypical cystic lobuleがかなりの数散見されますが、明瞭な癌はありません。
marginまでの距離0°方向3.7mm、方向30mm 下方向8mm、上方向2mmで9時方向2.5mm、3° 方向は50mm
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質問です。
再手術の予定です。私の場合は乳輪の下に数個あるのですが温存手術でいいのでしょうか。もう片方の乳房も同じ症状があるので再手術の際に両方を1度に手術してしまうということになっています。両方を1度にする事ってあるのですか。

乳輪の下にあっても、乳頭が温存できれば温存手術が可能です。術中に乳頭直下に癌のないことが確認できれば(ただ、非浸潤癌の場合、術中の確認が難しい事がある)、温存術で宜しいかと思います。左に関してですが、最初から手術でなくても、超音波で病変が見えないのであれば、マンモトーム生検(マンモグラフィをしながらの針生検)を行ってからの切除生検でもいいと思います。文面から、マンモトーム生検の選択肢がないようにお見受けします。マンモトームの設備がないのか、マンモトームの適応にならない(石灰化の場所が難しい・・など)のか判然としないので、なんとも言えません。マンモトーム生検後に癌であることが判明すれば、乳癌として手術することになりますが、マンモトーム生検だけであれば、大きな傷にならなくて済むので、まずステップとしてはそちらの選択が良いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.7370】  07年11月13日  T 
このままほっておいても大丈夫でしょうか?

一ヶ月前に胸にしこりがあり乳腺外来を受診、マンモ、エコー、針細胞診をしました、しこりが大きかったので、手術でしこりを取り調べた結果、ガンは見つかりませんでした。マンモを撮った時に、しこりの他に白い影が3つぐらいありました。そして、リンパが腫れているのが写っていましたが、先生に聞いたところ、「白い影は、しこりが乳がんではなかったので大丈夫だ」ということでした。リンパの腫れは、他の原因でできることがあるからと言われて、それで診察は終りました。一年後に検診をするようにいわれていますが、このままほっておいても大丈夫でしょうか?

生検までして乳癌でないことがわかっていますから、まず心配ありません。リンパ節は正常でも腫れていることも良くあり、一年後の検診で大丈夫でしょう。心配であれば、半年後とも思いますが、あまり過敏にならなくても・・。(文責 鈴木)

 

No.7369】  07年11月13日  M.A
手術までの待ち時間

はじめてご相談します。先日、母(56歳)が健康診断のマンモグラフィで異常が見つかり、組織検査をしたところ乳癌と診断されました。3センチ程度の大きさのものが2つあるそうです。診断していただいた外科の先生に、乳腺の専門の先生がいらっしゃるという近くのがんセンターへの紹介状を書いていただきましたが、それでも初診の予約まで1ヶ月、手術までは何ヶ月かかるか・・・という状態だそうです。一般的に、がんが1センチ大きくなるのに数年かかるからそれでも大丈夫、と言いますが、母は毎年検診を受けていたのに突然3センチのしこりが見つかったということで、進行が早いのではないかと心配しています。短期間で急に大きくなるということはあるものなのでしょうか? また、仮に手術を待っている間に術前化学療法等を行った場合、その間は転移や進行はしないものなのでしょうか? お手数ですが教えてください。よろしくお願いします。

確かに、診断されてから手術までの時間というのは、なんともじれったいのかと存じます。ただ、乳癌を専門に治療している病院では、2-3ヶ月待ちで手術というのはよくあることのようです。しかし、そのような病院で、手術成績が悪いかということもなく、安全に手術されています。ここは、慌てず、乳腺を専門に治療している病院、先生に手術して頂くのがベストと考えます。術前化学療法では、全摘が必要そうな症例に術前の化学療法を行うことによって、温存術が可能になるというメリットがあります。効果は、良く効く症例、少し効く症例を含めると、90%くらいは反応しますので、3cmの腫瘤が2個というのであれば、術前化学療法を行うメリットはあるように感じます。手術までの期間が長いのであれば、十分適応を見極めて、術前化学療法も一考では?
ただし、10%前後は、効果が少なく、病変の増大を認めますので、それも十分に勘案する必要があります。急速に大きくなるということはあまりありませんので、落ち着いて治療法について十分議論して下さい。(文責 鈴木)

 

No.7368】  07年11月12日  Y/F
これからの治療について

初めてご相談させていただきます。43歳既婚、閉経前です。12歳と10歳の子供がいます。先週左乳管癌で乳房温存手術を行いました。手術前のコアニードル細胞診断では、「非浸潤性乳管癌(低乳頭癌)の疑い」となっています。術前のCT、MRI上は悪性腫瘍を示唆する所見がないです。術中最初に約1/4乳腺組織を切除し、センチネルリンパ節生検を行いました。術中の病理迅速診断では、センチネルリンパ節に転移がないが、切断した乳腺組織の断端が一部陽性のため、術中追加切除を行いました。再度、術中の病理迅速診断の結果、追加切除の断端が陰性でした。手術後の病理所見では、「左乳房円状部分切除検体が提出された。提出された乳腺切除検体には、拡張した乳管の集簇部分が見られた。組織学的には、粘液を容れ、拡張した乳管の集簇部分がみられ、乳管内に低乳頭状に増殖している乳管癌が見られます。粘液の漏れが見られる部分もありますが、明らかな浸潤癌部分は見られません。病変が広汎にみられ、最小に切除した乳腺組織のほぼ全体にみられます。追加切除の検体では、拡張した乳管内に異型細胞がみられ、癌の可能性があります。その他の術中迅速診断の報告に変更ありません。術中迅速診断時提出されたセンチネルリンパ節に転移を認めません(0/2)」ということです。また、手術後の病理診断では、「Breast,Partial resection;
1.Ductal carcinoma in situ of the left breast: areaC, g(+),ly0,vo, nuclear grade 1, margin: possibly positive,E-R(-),Pg-R(+-),c-erbB2;score 0.    
2.No metastasis to the lymph nodes(0/2).」となっています。

そこで質問ですが、
1) 術後の病理診断では切除検体の断端が陽性ですが、この場合、追加切除の手術を行う必要がありますか。追加切除が必要の場合、乳房全摘出になるでしょうか。また追加切除の手術は、どれ位の期間が開いても大丈夫でしょうか?
2) 追加切除の手術を行わなければ、放射線治療又は薬治療でも十分でしょうか。この場合、再発率は高くなるでしょうか。再発の可能性はどれぐらいでしょうか?

ご返事を心よりお待ちしております。宜しくお願い致します。

追加切除に関しては賛否両論あります。非浸潤癌であれば放射線照射だけで済ませるという考えと、やはり追加切除という考えと。ただ、一度手術していると、どの部分が断端陽性であるのか判断が難しくなるので、自分として、再手術は、断端陽性の部分がよほど多いとか、浸潤癌として断端陽性とかでなければ、行わない方針でいます。しかし、局所再発してくる時には、浸潤癌として再発してくることが50%にありますので、十分、その情報は提示することが必要だと考えます。いずれにせよ、全摘か否かは、文面だけでは判断出来ません。残存乳腺の量、術前の広がり診断などで、判断しますので、主治医とご相談下さい。非浸潤癌での局所再発の危険因子は、若年、核異型の強いもの、切除断端陽性などが挙げられます。この病理結果を断端陽性と考えるか否かは、主治医、病理医の見解にもよりますから、よく相談され、リスクを評価し、治療法を決定して下さい。一方、非浸潤癌で照射を省略できる症例もあるのではないかと言われておりますが、現在、核異型度が低い、断端までの距離が遠いなどがその候補に挙げられています。(文責 鈴木)
 

 

No.7367】  07年11月12日  M 
葉状腫瘍といわれました

病院にてマンモ・超音波の結果、葉状腫瘍といわれました。細胞診を行いましたが、2日たってもその傷口から多少の出血があり、また少ししこりの部分が腫れているようです。すぐに診察にいったほうがよいのでしょうか? 次の診察までは3週間ほどあるのですが・・・。あるいは様子をみてもよいのでしょうか? 次の診断まで特に何もいわれませんでしたが、注意することなどはあるのでしょうか? 葉状腫瘍についての情報があまりないために不安です。アドバイスをよろしくお願いいたします。

細胞を採取した周囲にすこし内出血したためではないでしょうか? よほどの大量でない限り、このまま様子観察されて構いません。細胞診の結果で、次の方針を決めれば良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.7366】  07年11月12日  N
乳頭からの分泌物

初めての投稿です。乳頭からの分泌物についての相談をさせていただきます。43歳・未婚・妊娠の経験はありません。4年程前に乳頭からの分泌物があることに気付きました。両乳頭からそれも複数の乳腺からの白色・透明・黄色っぽい分泌液と様々で、ビックリして市民病院外科を受診し、マンモゲラフィー・超音波検査を受けましたが異常なし。念のため3ヵ月後再検査、心配ないとのことでした。以降、婦人科健診を1回/年受けていますが「異常なし」 しかし、時々気になり乳頭をつまむと、分泌がある時とない時があります。分泌液の量は、下着が汚れるほどありませんし、つまんで出てくる量もほんの僅かです。一生懸命搾り出してもほんの僅かです。今まで、血性の分泌物に気付いたことはありません。皆さんの相談を読ませていただいて、分泌物の検査を受けたほうが良いとは思うのですが怖くてしかたありません。このような状況を続けているといずれ癌化するのではないかと心配です。アドバイスをお願いします。

まず心配なさそうです。そもそも4年間放っていたのであれば、何かしら他の症状が出現するはずですので、そうでなければ、生理的に分泌物が出ているだけだと思います。(文責 鈴木)

 

No.7365】  07年11月12日  ナナ
線維腺腫

先日検査を受けたところ、マンモ・触診では異常なし、エコーで腫瘍が見つけられました。先生は、おそらく線維腺腫でしょう…との診断でしたが、「念のため組織検査(CNB)をしましょうか?」と言われたので、その検査を受けました。結果はやはり、乳腺線維腺腫との事で、心配ありませんとの事でしたが、検査前、先生が触っても全く触れる事のなかったしこりが、組織検査後、はっきりコロコロと触れるようになったのです。検査後、ズキズキと数日は痛みがありましたが、今は殆どありません。このような事はよくあるのでしょうか?検査をきっかけに何か悪くなったのではないかと、素人なのでとても心配になっています。

線維腺腫はそれ自体悪性化することはありません。腫瘍があるといわれたことで、神経質になっていることもありますし、生検をしたことで、周囲に出血が起こったりしたためでしょう。生検で線維腺腫と診断されたのであれば、半年から1年に1回、検査すれば十分ですから、あまりご心配されずに。(文責 鈴木)

 

No.7364】  07年11月12日  IT
術後の治療の問い合わせ(HPNo.7095-4

前回NO,7256で妻の治療の件でご相談に乗ってもらったものです。8月左乳房温存にて手術、「腫瘍の大きさ1.2cm、センチネル生検の結果リンパ節転移3個中0個、悪性度 3、ER,PgR共に陽性、HER2 3+、脈管(リンパ管、血管)侵襲なし、断端はOK」と書いてあります。中リスクということで、AC療法を9月からはじめました。しかし副作用がひどくて2回目から75%に減らしました。間隔も4週に空けています。3回目を始める前に血液検査をしましたら、好酸球が37%に増えていたためCTとレントゲンを撮りました。結果はCTにも肺炎の心配もなく1週間遅れて3回目を行いました。しかし今日、前回のCTの画像で手術したほうのリンパがひとつ1cmほど腫れているといわれました。
1) 手術3ヶ月足らずでしかもリンパ節転移なしの所見でこんなにも早く転移するものでしょうか。
2) 転移していなければなぜ腫れるのでしょうか。
3) もし転移していたならばAC療法が効かなかったことになりますか。その場合の治療方法は妻の場合どれがベストでしょうか。

よろしくお願いいたします。

腋窩のリンパ節に関しては、CTよりも超音波のほうがよく検出できますので、超音波の検査を行ってみてはいかがでしょうか? 一般的には、よほど悪性度の高い癌でなければ術後補助療法中にリンパ節が腫れたり、転移してくることはありません。人間の身体には表在リンパ節がたくさんありますし、もともと腫れているリンパ節もありますから、それが写っているかもしれませんし、術後の影響で腫れる事もありますので、あまり神経質にならない方がいいと思います。3)の質問に関しては、全身再発なのか、局所再発なのかによりますが、ホルモン療法、ハーセプチンを絡めた治療と、選択肢はありますので、あれこれ、悪い方ばかりに考えるのではなく、本当に転移であれば、その時に一緒に相談し、検討すればいいと思いますが、如何でしょうか? 再発してしまう症例と、再発しない症例と、しない症例の方が頻度的には多いのですから。(文責 鈴木)

 

No.7363-1】  07年11月12日  Y  
細胞診の必要性

初めて相談させて頂きます。2ヶ月程前から心療内科に通院しております。2週間ぐらい前に母乳のようなものが出て、かかりつけの心療内科に聞いたところ、薬による副作用との事でした。しかし、8日前から右側の乳房からだけ乳汁に鮮血が混ざるようになり、乳房をよく触ってみると、しこりのようなものを確認しました。2日前に病院でエコー検査をしてもらったところ、「乳腺線維腺腫で良性の腫瘍なので1年に一度、検査を受け経過観察していきましょう」とのことで、「出血は乳管に傷がついているからでしょう」との事でした。ネットで検索してみると、細胞診を受けておいた方がいいと書いてるのを見ました。乳汁はとり、検査中なのですが、注射器での細胞診は行っておりません。また、豊胸手術を受けているため、マンモグラフィーでの検査を行っておりません。細胞診は受けなくてもエコー検査だけで乳腺線維腺腫と判断できるものなのでしょうか?乳汁細胞診を受けていれば、注射器での細胞診は必要ないのでしょうか?なお、心療内科で処方されていた薬は、飲むのを5日ぐらい前から止めています。お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

病変の最終診断は細胞診だけではなく、組織学的な検討が必要になります。画像だけで全てを判断できるものではありません。写真はあくまでも顔つきを見ているだけですから、摘出したら、良性だった、悪性だったということはあります。ただ、画像で癌を疑う形、色合い、硬さなどがありますので、その辺りから線維腺腫では?と判断されているのではないでしょうか?腫瘤の大きさにもよりますが、細胞診を行っておくほうが良いように思います。あまり小さな腫瘤であれば経過観察をするのがよいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.7363-2】  07年11月15日  Y  
他の病院でもう一度診てもらうべきでしょうか?

先日HPNo.7363で相談させて頂いた者です。ご回答頂き、ありがとうございました。どうしても気になり、再度メールさせて頂いております。あれから違う乳腺専門病院で診察してもらいました。一度、乳腺線維腺腫と診断された事を告げ、細胞診を希望しましたが、『その必要はない。画像を見る限りでは、まず乳癌ではないでしょう。それに万が一でも豊胸バックに穴があくと困る』ということで、細胞診は行って頂けず、次回は6ヶ月後に診察ということになりました。しこりの大きさは、右側が9oで左側5oです。二つの病院でそう言われた以上、信じようとは思いますが、乳癌と間違われやすいということもあり、やはり細胞診はしなくてもいいのだろうか・・という不安が拭い切れません。乳汁細胞診では、クラス1で異常なしということだったのですが、他の病院でもう一度診てもらうべきでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

たとえ細胞診で陰性(悪性細胞が無い)といわれても基本的に細胞診だけで100%の確定診断とはなりませんし、継続的に診察してもらうのが現状ではよろしいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.7362】  07年11月12日  C.C
石灰化について(HPNo6783-2

HPNo6783で質問させていただきました。お忙しい中、お返事頂きありがとうございました。今回、術後初めての定期検査を受けました。その結果に不安がありますので、質問させて下さい。マンモとエコーの検査で、術前の4月には異常のなかった左の胸(手術は右でした)に、わずかですが石灰化がみつかってしまいました。主治医は「固まりになっていないので大丈夫でしょう。」との事でした。
1) 右胸のがんも石灰化でした。右側ががんだったので、左側にできる石灰化もがんになる可能性が高いのでしょうか?
2) 現在、ノルバデックスのみを服用しています。ノルバデックスを飲んでいても石灰化ができたということは、私にはあまり薬が効いていないということなのでしょうか?
3) ノルバデックスのみでは、石灰化を防げない様に思うのですが、他に治療方法はないのでしょうか?

よろしくお願いします。

右の乳癌で見つかった石灰化と左側のものは、全く関係ありません。右に出来た石灰化が良性のものと判断されるのであれば、これはその後、乳癌になる可能性はありません。写真を見ていないのでなんとも判断しかねますが、石灰化は、良性の石灰化と悪性を疑うもの、悪性のものに大きく分けます。先生の言われる、固まりではない(集簇していない)のであれば、まず心配はいりません。定期的なフォローをすれば良いでしょう。術後の補助療法は、残念ながら100%のものではありません。ノルバデックスを内服していても、反対側の乳癌になることはありますし、再発をしてしまうこともあります。ただ、現在の石灰化についてはあまり心配ないようにお見受けします。(文責 鈴木)

 

No.7361】  07年11月12日  V 
ホルモン治療

35歳以下の若い患者にはホルモン受容体遮断剤が効かないと韓国で発表されていますが 、ホルモン治療は意味がないということですか?
私は32歳、小葉がん、大きさは2、1センチ、リンパ転移なし、ホルモン+、HER2+3、全摘後EC4クール…これからホルモン治療になりますが、不安を感じます。

閉経前のホルモン療法の効果は、アメリカを中心とした大規模な試験でしっかり証明されています。抗癌剤の終了後にホルモン療法を施行するのが良いでしょう。現在は化学療法で閉経されていると思いますが、卵巣からのエストロゲンがどれくらい出ているかによってホルモン療法の種類が変わりますので、採血の結果をみて治療法を選択するのが必要です。(文責 鈴木)

 

No.7360】  07年11月12日  T.K 
母の治療について(HPNo.6779-3)

HPNo.6779のT.Kです。今回も相談の方よろしく御願いします。7月13日より、タキソールからタキソテールになり、その後のCA15-3は70→50→39→39という結果になっています。現在の症状は、抗癌剤投与後2週間くらい出現する味覚障害・足の痺れ・時々背中に軽い痛みがあり医師からは、抗癌剤の副作用だろうとのことでした。今後の治療については、今のところ数値も横ばいなのでPET等検査はせず、タキソテールを続けます。ただ、「副作用によって白血球が下がりすぎると困るので、あと3回(合計9回)した後は飲み薬にするか別の抗癌剤をするか考えましょう」と言われたそうです。
1) CA15-3の数値は下がってきているものの、正常値まではまだまだです。採血結果等から、母の癌細胞ににタキソテールはあっているのでしょうか。また、治療は正常値になるまで続けなくてはいけないのですか?母に聞く限りでは、副作用による症状以外は特別無いようで農作業もしています。
2) 2004年に腰に転移が見つかった時CA15-3は38。ホルモン剤を変更して27に下がりました。その後、首のしこりが転移と分かってタキソールを追加し最終的には16ぐらいまで下がりました。このことから、ホルモン剤だけで効果があるのかもと考えてしまいますがどう思われますか?医師から、1番良い薬だから飲みましょうと言われ1年以上フェマーラを飲んでいますが、母に合っているのかすごく疑問に思います。ホルモン剤が母の癌細胞に合うものかどうか調べる方法はないですか?
3) 医師から言われた今後の治療について、どう思われますか?
4) 母は自分で考え無理の無い程度に農作業をしています。前かがみでの作業が多い事も背中が痛くなるのに関係があるのでしょうか? 仰向けで寝ているときに時々起こるそうです。
5) 骨に転移している時の注意点を教えてください。

たくさん質問してしまい、すみません。

1) 採血結果である程度の効果は判断できますが、合っているか、合っていないかは、効果だけではなく、副作用も十分に勘案する必要があります。効果は大変良いのだけれど、投与後は2週間も寝たきりになるでは困りますし、効果はまずまず、少しずつマーカーは上がる、でも副作用は全くない・・・、このようなときにどちらを選択するか、が合っている、合っていないということだと思います。白血球の下がることは、十分対応可能ですので、お母様が農作業を続けながら、今の副作用と付き合えるのであれば、続けるのが良いのではないでしょうか?マーカーが正常値になっても、目に見えない癌細胞はどこかに潜んでいると考えますので、続けた方がいいのでは?ただ、以前の回答にもありましたが、ご家族、主治医、お母様が何を目標に治療をしていくか、ということが明確になっていないように思います。特にお母様の意見、気持ちが何より大事ではありませんか?
2) ホルモン剤が合うかどうかは、手術時の標本でホルモン感受性があるかどうかで調べているはずですから、その結果でホルモン感受性あり、と判断されていると思います。
3) これも、前の回答に準じますが、お母様がどのように考え、完治?症状の緩和?・・、何を優先し治療をしていくかです。主治医の意見は正解かもしれませんし、ここでの回答が正解かもしれません。いずれ、良きにつけ、悪きにつけ、マーカーの下がり、画像での病変の消失、もしくはマーカーの上昇、病変の増大、と結果が出ますので、その日に、やっておいて良かったと思う後悔のない治療が一番です。副作用に対して歯を食いしばりながら、続けるのか、日常生活を大事にしながら続けるのか、非常に難しい選択にはなりますが、残念ながら、再発乳癌の完治はハードルが高いということは、今一度、ご理解下さい。
4)5) 急に起きあがる、段差のあるところを飛び降りる、など、衝撃の強い動作は避けるべきです。農作業も背中の痛みを悪くしている恐れはあります。でも農作業をしているお母様は、本人らしく生活されているはずですので、あまり制限するのも如何かなと思います。

何回か質問されているようで、ご家族の心情は察しますが、今の治療はお母様の治療であって、ご家族の治療ではありません。ご本人の気持ち、やる気、人生というものを最大限にくみ取ってあげて下さい。もし、自分が今の病気を患っているとしたら、自分はどうしたいのか、どのように生きていくのかということを考えてみては? それと、しっかり主治医と対峙し、しっかり議論して治療法を決めて下さい。周りが治療法を決めるのではないのですから。(文責 鈴木)

 

No.7359】  07年11月11日  TO 
病理診断の結果は生涯変化しないのでしょうか?

心の痛みが救われる思いで、いつも拝見しております(50代・閉経)。2006年12月に左乳房全摘手術を受け、来月初めて1年検診の予定です。「胸のCTと採血をしましょう」と言われています。検査を前に少々不安な事があり、ご教示よろしくお願い致します。
当初の病理診断結果は、「C領域を中心に、Invasive ductal carcinima, Scirrhous(>Papillo-tubular)carcinima の乳腺〜周囲脂肪組織への浸潤性増生を認め、乳管内進展も著明で、E領域のNipple直下のDuct内やMain tumor 周辺にもDCISを認める。但し各断端にcarcinoma invasion は認めない。(f)、ly-1、v-1、NSAS-BCの結果は、NA Score1、MC Score1で、NGは1。ER(-)、PR(+)、MIB-1(-)、P53(-)、HER-2 score 0。 腫瘍径32mm. リンパ節転移なし」 でした。
先生は、おとなしいタイプだと言われ、話合いの結果、ホルモン治療(アリミデックス)をしていますが、硬がん(だと思うのですが?違っていれば教えて下さい)は転移が早いと書いてあるものがありました。上記の診断結果は、途中から悪性度が増すとかHER-2が+に変化するということはないのでしょうか? 又、運悪く再発や遠隔転移があった場合でも、もとが乳がんという事であれば、上記の結果がそのままおとなしいタイプとして出てくるのでしょうか?

病理の結果は、再発をしても基本的には変化しません。ただ、ホルモン治療、ハーセプチンの投与などを行った場合で、仮に再発した場合、ホルモン感受性、HER蛋白の有無などは、変化が生じることもあり得ます。すなわち、ホルモン感受性が陰性になるとか、HER2蛋白が陰性から陽性にかわるとか・・など、おとなしい顔つきから、少し悪性度が増すことがあります。(文責 鈴木)

 

No.7358】  07年11月11日  Y  
異型乳管過形成について

初めてご質問させていただきます。H17.4月に右乳房に5×6ミリのしこりがあり、組織診ではUとのことで経過観察になりました。H18.2月細胞診で、結果報告は主治医が変わってしまい、「Uで、おできと同じなので1年後でもいい」と言われ、大きさに変化がなく1年8ヶ月が過ぎてしまいました。H19.10月、前主治医から電話で、「後任の主治医が結果報告ミスで、実は細胞診結果は癌でした」とのことで、翌日エコー、CT検査、手術前検査をして大きさは6×7ミリ、右脇リンパに腫れがあるとのことでした。CT検査結果で転移はなく右卵巣に炎症があるだけで、10日後温存術にてリンパとも検査待ちになり、先日の結果、大きさは6ミリで異型乳管過形成で癌の検査結果は偽陽性でした。リンパ22個も異常なく、癌ではないので放射線も行わない、癌リスクは4,5倍あるので1年に1度は検査するようにとのことで治療も突然終わってしまい、かなり稀な症例でG病院でも1例だという話でした。医療事故のため調べていたところ、掲示板などでいろいろ拝見しましたところ、このページを拝見していました。
伺いたいことは、6ミリでも異型乳管過形成との診断で間違いないのか、5ミリ以上なら癌という記載が目につきまして不安になったので、長々と失礼いたしました。お忙しいとは思いますが、所見を宜しくお願いいたします。

異型乳管過形成がG病院で1例ということはないと思うのですが、これは大きさで判断するのではなくて、細胞の異型度で判断するものです。細胞の異型が強かったので、細胞診で偽陽性となったものと考えます。この細胞診の結果が「悪性の疑い」なのか、「悪性」なのかによりますが、「悪性の疑い」であれば、まずは組織診(針生検、切除生検)を行い、癌の確定をしてから手術というのが、通常だと思われます。「悪性」と診断されれば、乳癌としての手術が行われることになります。異型乳管過形成と、乳癌というのは、紙一重で、病理医によって、診断に違いが生じることもあると思われます。いずれにしても、1年8ヶ月経ってから、結果の報告ミスである・・ということが問題のように思います。今一度、事の成り行きを整理して、明確にすべき点は、きちんとしたほうがよいのではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.7357】  07年11月11日  T 
ハーツー乳がんの術前化学療法と術後について

ハーツー3+です。術前化学療法でCEを4クール、ハーセプチンとタキソテールを4クール、ともに三週毎投与しました。術後はハーセプチンとタキソテールをあと4クール、そのあとハーセプチンを単剤で一年間投与するべきか、それとも単剤のみで一年間投与とするべきなのか、教えてください。それが終わってからの二次治療は再発時となるのだと思いますが、それまでの最良の治療法を知りたいと思います。

術後のタキソテールは不要です。本来、術後にECを4サイクル、その後にタキソテールを4サイクルという治療を術前に行った訳ですから、術後に抗癌剤を追加する必要はありません。術前化学療法の効果が不十分であった場合に、術後どうするか・・という問題点に関しては明確な答えがありません。従って、術前のハーセプチンを含めて都合1年になるように術後のハーセプチンを単剤で投与すればいいと思います。(文責 鈴木)

 

No.7356】  07年11月11日  TK 
術後ホルモン療法

私は40歳で、先日温存手術を受けました。 術後の病理結果は、「1.9センチの硬ガン、悪性度2、ER TS7、PR TS7、HER2 0、リンパ節転移なし、断端陰性」でした。主治医からは、早期で転移も無くホルモンが良く効くタイプなので、放射線治療とゾラ2年、ノルバ5年を推奨されました。「選択肢として抗がん剤というのもあり、再発リスクは数%少なくなるけれど、転移が無くホルモンが良く効くタイプなので、抗がん剤の副作用を考えるとホルモン療法でいいと思います」と言われました。TS7というのは、陽性の中でも良く効くタイプなのでしょうか? 強陽性とか、90%という意味でしょうか? 主治医の診断に納得し、放射線治療と共にゾラ、放射線治療終了後からノルバを飲むという事で、1回目のゾラをしました。しかし、後日病理結果を良く見ると、ly2、v0となっていました。「リンパ管侵襲が辺縁部に顕著に見られます。静脈侵襲はありません。」と書いてありました。この部分についての説明は主治医からなかったのですが、顕著に見られるという事は、再発が心配なのではと素人考えで思い、ホルモンのみの治療で本当に良かったのかと、不安に思ってきました。御意見を頂けたらと思います。よろしくお願いします。

理解のために・・・、ゾラというのはゾラデックス、ノルバというのはノルバデックスですので。確かに、病理結果からは治療に悩むところです。抗癌剤を行うことで、ホルモン療法単独よりも再発リスクは少なくなりますが、その数パーセントと、副作用の天秤ということになります。個人的には、数パーセントでも上乗せがあれば、という考えですので、このようなケースには抗癌剤を勧めるかもしれません。TSというのは、ホルモン受容体の染色強度と、細胞の占有率で8点を満点にしますので、強陽性と考えて構いません。(文責 鈴木)

 

No.7355】  07年11月11日  C 
左右の胸にしこりがあります

初めて投稿致します。28歳、出産経験ナシです。3年前に左胸に割と大きなしこり(直径は500円玉位?)を見つけ、乳腺外科医のいる病院で受診しました。マンモグラフィと、エコー検査、細胞診の後、結果は良性だったので、その後定期的に大きさを見る為、年に1度位のペースで受診するよう言われました。実際その後はサボってしまって、病院には行かなかったのですが、つい最近、右胸にもしこりを見つけ、心配になって病院へ行きました。右胸のしこりは非常に小さく、かなり注意しないと触れない程度で、エコー検査では見つかりませんでした。場所は、自分の方からみて右下辺りです。大きさは、小豆粒くらいでしょうか(よく言われる乳がんサイズだったので、心配です・・・)。左胸の方は、大きさは変わらないものの、分葉が見られるとのことで、今度は針生検をすることになりました。
1) エコーでわからなかった右胸のしこりについては、このまま放置でよいのか。
2) セカンドオピニオンを求めて、他の病院で受診すべきか。

この二点で悩んでいます。ガンは遺伝しないという説があるそうですが、父方の叔母が子宮癌と乳癌を患いました。まだ20代なので、乳癌検診が高額で、なかなか経済的に受ける事ができません。30になるまで待てばいいのかも知れませんが、幸い(?)しこりができたので、お医者さんに診てもらう事ができています。長くなりましたが、ご回答の程よろしくお願いします。

超音波で見えないのであれば、そのまま経過観察すればよいと思います。ご自身で触れていたものは、固い乳腺の一部とかではないでしょうか? 小さな腫瘤の場合、検査としては超音波が一番優れていますので、これで見つからない場合は問題ないと考えます。半年後くらいに検査をしてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.7354】  07年11月10日  アグリ 
今後の治療について(HPNo.7262-4)

ご回答、ありがとうございます。明後日、病院に行きます。生理を止める注射を受け入れようと思います。10年前からあらゆる化学物質を受け入れられないアレルギーが強く出るようになってからは、治す薬は無く、食と生活を変えて体質を改善することだけが唯一社会生活が可能になる方法と聞き、身近な化学物質を遠ざけることで徐々に改善されつつあった時にガンになっていました。化学療法を受けなかったのは、そういう理由からです。手術にもなかなか踏み切れずにいたところ、主治医がお盆休みにもかかわらず、「この時期に手術しましょう」と言ってくださったのがきっかけで、あらゆるタイミングがそこに集約し、踏み切ることが出来ました。思っていたよりも術後の体の不安が続き、自分の体に起きていることを知る作業が、今まで向き合うことが出来なかった「乳がん」について勉強することでした。そんな中こちらの相談室を知ることになったのですが、「予後」「生存率」の文字を目にすると、これからの時間をどう過ごすかを考えます。主治医の先生は一つ一つ決断の遅い私に痺れをきらしつつ、それでも治療方針の提示を示し続けて下さっているので、今回は結果がどうであれ価値ある治療と思いチャレンジしたいと思います。4日前から軽い咳が続きます。微熱は昼間37度になる日もあるくらいで平熱に落ち着きつつあります。開業医の先生を訪ねました。喉は赤くなっていないので、風邪ではないらしいです(とりあえず咳止めを下さいましたが)。聴診器をあてて頂いて、胸の音はきれいだと言われました。治療している病院では「胸部レントゲンは撮っていますか」と訊かれましたが、術前に撮ってからは、先日の膵臓の件のCTが一番最近です。咳が続く場合は再度胸を撮っていただいたほうがいいのでしょうか? 再々レントゲンを撮るのも気になります。転移などの場合、早期だから治療効果が上がるわけではないということも聞きますが、先生でしたら、どうご判断されますか?

貴女のような方の場合、その体質にあった治療を患者さんと主治医で根気よく探す作業が必要だと思います。まずLH-RH analogueを始めてみてください。それで調子が悪ければまた次の治療を考えましょう。咳については、ガイドラインでも無症状の時に定期的な検査をすることは推奨していませんが、症状がある時は検査を推奨していますので、やはり胸のレントゲン写真が必要だと思います。(文責 清水)

 

No.7353】  07年11月04日  M/S
乳房の膨隆について

ご相談させていただきます。2週間ほど前から、乳房の皮膚の一部が膨隆し、しこりのようなものをふれました。そのときは硬くてまた押すと痛く、その後すぐに生理がきてしまったために様子をみました。生理が終わったあとも、膨隆したままです。膨隆した部分はぷちぷちしていています。それ以外の部分は硬いものを触れますが、胸上部全体が硬いという感じです。膨隆は、夜になると大きくなります。これは乳がんでしょうか?また、乳腺症においては皮膚の膨隆はないのでしょうか?当方、31歳未婚です。アドバイスよろしくお願いいたします。

Mailの内容からは乳ガンではなさそうですが、とにかく一度乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.7352】  07年11月04日  K.M. 
左乳首横のイボについて

初めて投稿させていただきます。既婚、出産経験ありの31歳です。7年ほど前から 左乳首の横にイボのようなものが1つできています。できてきた当初は小さく(よく首とかデコルテ部分などにできる皮膚のイボのような感じ)あまり気にならなかったのですが、だんだん大きくなり、今では直径7ミリぐらいはあります。形はいびつで、表面がボコボコしています。特に痛みはありませんが、たまに破裂しそうなほどパンパンに膨らんでいることもあります。授乳では邪魔になることはなかったので、特に助産師の方から指摘される事もありませんでしたし、乳癌検診も受けたことはありますが、このイボのようなものについては調べることもなく、なにも言われませんでした。悪いものでないかどうかと、このイボの正体が何かが気になります。皮膚科へ行くべきなのでしょうか・・・。お忙しいところ申し訳ありません。宜しくお願い致します。

悪性のものではなさそうですから、受診は皮膚科か乳腺外科がよいのではないでしょうか(文責 清水)

 

No.7351】  07年11月04日  OW 
FAD

乳がん検査でFADと診断書に書いてありました。どういう事でしょうか?

FADとはFocally Atypical Densityの略語で“部分的異常高濃度”とでも訳せるのでしょうか、マンモグラフィー読影時のカテゴリー3の所見です。マンモグラフィー上、癌は白く濃い腫瘤陰影として発見されますが、乳腺組織が若い場合(脂肪が少ない場合)乳腺全体が白いため、癌の陰影を見つけにくくなります。このような時、部分的に白く濃くなった場所があるが腫瘤とはいえない場合、単なる正常乳腺の重なりなのか、小さい癌が隠れているのかの判別が難しいことがあり、このような所見をFADと表現して、エコー検査などで癌が隠れているかどうかを検査してくださいという意味で要精密検査になります。(文責 清水)

 

No.7350】  07年11月04日  K.Y. 
血液検査の結果について(HPNo.6295-3)

毎日、こちらのサイトで勉強をさせて頂いております。ありがとうございます。前回、今年7月に2度目のご相談をさせて頂きました者です(HPNo.6295)。先日、膠原病科での定期の診察の折、採血・採尿がございましたが、血液検査のデータの中で、CPKという検査項目の値が237有りました。これまでの採血の中ではせいぜい2桁止まりでしたが、いきなりこの数字が出ました(3桁は膠原病になって初めてです)。
質問は、乳癌の治療経過中(手術・放射線・薬物を問わず)CPKという検査項目が上がる事がある場合、どのような時に上昇することがあるか、一般的な話として教えてください。なお、抗体検査等一部の検査は外部に出して頂いているため、全ての評価を待ってるい状態で、膠原病で新しい動きがあったかどうか総合的な評価は今月末に伺うことになっていますが、それまでの間、自分の体の中で今何が起きつつあるのか、少しでも多くのことを知っておきたいために書き込みをさせて頂きました。先日の診察の中では最近激しい運動をしなかったか聞かれましたが、心当たりが全く無く、また、先生からは胸(心臓)に痛みがないか、盛んに問われました。(こちらも有りません。ただ、体のどこかをつかんだ時に痛みを感じたらすぐ教えて!!と言われています。)(先月中旬に術後6ヶ月の診察がありましたが、健側の超音波では膿胞が1個有る事を指摘されたのみで肺のレントゲンも異常はなく、採血(殊にCEA・CA15−3)は基準値の範囲内でした。)
ご多用中のところ大変恐れ入りますが、よろしくお願い致します。

CPKは筋肉や心臓にある酵素で、異常値を示す場合、心筋梗塞などの心臓の病気や筋肉の病気が疑われます。基準値は上限は確か200だったと思うので、今回の検査値は若干基準値を超えたのみで、乳癌診療から見ると心配ないように思います。膠原病については筋肉にも影響ある場合があるので、そちらの方はなんとも言えません。(文責 清水)

 

No.7349】  07年11月04日  M/F
乳房上部のしこり

はじめて相談させていただきます。2週間ほど前、乳房上部内側の皮膚が少し突出し、しこりがあるのを発見しました。しこりは凹凸がありました。その後、すぐに生理がきたために病院にはいきませんでした。生理が終わったあとは、突出は少しありますが、しこりはやわらかくなりました。指で押すと、ゴムのようなぷにゅぷにゅした部分と硬い部分があります。ただ、しこりはつかめていません。胸全体にガンがひろがっているのかと思うと不安です。ご意見お願いいたします。

Mailの内容からは癌の可能性は低いように思いますが、まずは乳腺外来を受診して診察検査を受けてください。(文責 清水)

 

No.7348】  07年11月04日  E 
今後の治療と出産について

はじめてご相談させていただきます。6月に右乳房温存手術、放射線治療を終えました。病理結果は、「ステージ1、腫瘍の大きさ1.3x0.8、センチネルリンパ節生検にて転移無し、ER・PgR共に(+)、Her2(−)、核異型度3、年齢37歳」。核異型度3と年齢で中間リスクに分類されるかと思います。これからの治療としましては、ホルモン療法タモキシフェン5年とLH-RHアゴニスト2年の予定です。しかし、今回不妊中の出来事であって、今もなお出産を強く希望しております。年齢の事を考えるとこれからの5年治療は耐え難いものがあり、1、2年の治療で終えるか、出産終了後ホルモン治療を開始するか悩んでおります。このまま治療に入るとしても年齢の事、LH-RHアゴニストで閉経になる可能性が数%あるのも不安です。一方、出産することによって女性ホルモンの分泌が盛んになるのも不安です。やはり、ホルモン治療を遅らせて出産をするのはリスクの大きいことなのでしょうか? 恐れ入りますがご回答お願いいたします。

妊娠を希望される方の術後補助療法の決定は、乳癌再発のリスクを考慮しながらも子供が欲しいという思いの中で考えなければいけないので大変難しいものがあります。原則をお話ししますと、乳癌術後に妊娠しても再発のリスクは変わらないというエビデンスがあります。一方、治療(化学療法でも内分泌療法でも)によって妊娠できなくなる可能性があります。したがって、子供が欲しいという思いが強ければ、無治療で妊娠をするのが一番よいことになります。問題は万が一、子供ができてから再発した場合、育児をどのようにするかをご主人、ご家族とよく相談しておくことが大切だと思います。また、多少妊娠の可能性が低くなっても、最低限の術後補助療法はしたいと考えると、2年間のLH-RH agonist +/-タモキシフェン、LH-RH agonist + 化学療法などという選択肢が出てきます。貴女の場合はgrade 3だけで中間リスクになっているので、かなり再発リスクは低いと考えられます。ご主人ご家族と相談して無治療という選択肢もあると思いますし、術後2年間のLH-RH agonist +/-タモキシフェンのみで後は無治療という選択肢もあると思います。(文責 清水)

 

No.7347】  07年11月04日  S 
二月前くらいに

乳汁分泌があったり、プラノバールを服用しているため、乳癌検診をしました。胸のエコーを取り、異常もなく乳汁分泌もなくなり安心していたのですが、今日から、また乳汁分泌をするようになりました。プラノバールと何か関係があるのでしょうか?

プラノバールは卵胞・黄体ホルモン混合製剤ですから、その副作用の可能性が高いと思います。(文責 清水)

 

No.7346】  07年11月04日  FW.
のう胞内乳頭腫について(HPNo.7314-2)

お忙しい所、本当にありがとうございます。安心いたしました。昨日検査結果がでまして、のう胞内乳癌でした。のう胞がありました周り2cmを手術するそうですが、手術以外の方法はありませんでしょうか? まだ傷口が痛いのですが・・・。急ぐ必要はありますでしょうか? 申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

生検したときの病理の結果がどのようなものであったかが問題で、のう胞内に限局した乳癌であれば、放射線治療のみという選択肢がありますし、周囲に浸潤していても断端陰性であればセンチネルリンパ節生検のみ、周囲浸潤していて断端陽性であれば追加切除+センチネルリンパ節生検が考えられます。急ぐ必要はありませんので、納得いくまで主治医の先生と話し合ってください。(文責 清水)

 

No.7345】  07年11月04日  E.O.
特殊がんについて教えてください

初めてメールいたします。過日手術を受けた結果、乳がんでも特殊がんであるという、Adenoid Cystic Carcinomaであったことがわかりました。このがんについて自分で調べても英文の情報しか入手できないのですが、どのようながんであるか教えていただけますでしょうか?

特殊型乳癌というのは、病理学的に通常の浸潤性乳管癌とは異なる特殊な乳癌という意味で、小葉癌、粘液癌、髄様癌などがあり全乳癌の10〜20%程度です。Adenoid Cystic Carcinoma(腺様のう胞癌)は唾液腺などにできる癌によく似た組織型で、その頻度は全乳癌の0.1%といわれています。症例数が少ないので詳しいことはわかっていませんが、教科書的には再発の少ない、おとなしい癌ということになっています。(文責 清水)

 

No.7344】  07年11月04日  S.H. 
食事に関するご相談

私は、今年の8月に右乳房全摘とリンパ節郭清をしています。また、再発の危険性が高いと診断されました。日頃から、乳がん学会HP等で安全とされている油(亜麻仁油、魚油、菜種油、オリーブ油など)を摂取するように努めていますが、先日、好んで食していた製品(オイルサーディン)に綿実油が含まれていることを知りました。綿実油の安全性について教えて頂けませんでしょうか。東京都在住 36歳 女性。

申し訳ありませんが、綿実油の安全性についての知識を持ち合わせていませんが、危険であるという情報は聞いたことはありません。(文責 清水)

 

No.7343-1】  07年11月04日  Y.N. 
今後の治療について

34歳既婚、未出産です。今後の治療について悩んでいます。術前、抗がん剤CE療法4回・ドセタキセル4回行い、温存手術をしました。結果 「ER:focally positive,Pgr:negative,HER2:3+,リンパ管浸潤 :−,静脈浸潤:−,tumor grade:1,リンパ節転移2個」でした。HER2が3+とうのもあって、再発が怖いので、自分ではハーセプチンを考えています。それに子供も欲しいと考えているので、ホルモン療法はどうするべきなのか悩んでいます。ホルモン療法やる事によって副作用(子宮ガン等)も心配です。

術後のハーセプチンは間もなく保険適応になるはずですから、是非お勧めします。ホルモン療法については、効果はあるが、その効果は小さいと考えられるので、妊娠を希望されているなら、やらないという選択肢も大いにあると思います。(文責 清水)

 

No.7343-2】  07年11月24日  Y.N. 
今後の治療について(2)

お忙しい中、ご返答有難うございます。現在、放射線治療を始めました。
1)ご返答頂いた件でもう少し詳しく教えて頂きたいのですが、ホルモン療法について効果はあるが、その効果は小さいというのは、私の病理結果から効果が小さいという事なのでしょうか?
2)自分が若年性乳がんである事、病理の結果でher2が3+であること、リンパ節への転移2個とういう事もあって再発のリスクは高いのでしょうか?
3)ハーセプチンは是非やりたいと思ってるのですが、ハーセプチンを行った場合と行わない場合、再発リスクはどれぐらい違いがありますか?
4)ホルモン治療をした場合のメリット、デメリットは?

妊娠の希望もあって、自分のこの先の事が不安でいっぱいです。術後、どの治療が良くて自分が納得出来るのか悩んでいます。お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。

1) あなたの術後結果のなかで、ERがfocally positive(弱陽性)、PgRがnegative(陰性)との記載があり、これらが強陽性や通常の陽性の方と比べると、ホルモン療法の効果がいくらか劣ると考えられます。しかし、双方ともに陰性ではないので、いくらかは効果があると考えられます。
2) そのとおりです。
3) ハーセプチンの予防的投与は、日本ではまだデータに乏しいですが、欧米のデータではHER2(3+)の方に対して使用することで、他の条件によっては50%前後の再発抑制効果があるともされております。
4) ホルモン治療を行えば、少ないながらもいくらかの上乗せ再発抑制効果は期待できますが、一方でホルモン治療により妊娠のチャンスを失う可能性も生じてくると思います。(文責 谷)

 

No.7343-3】  07年12月10日  Y.N. 
今後の治療について(3)

いつもお世話になっております。先日はお返事有難うございました。乳がんと分かって、セカンドオピニオンに行った先の病院で、「ホルモン治療は5年やらないで子供を作るとなると、自分の命を縮める事になるかもしれません」と言われ、それが頭から離れません。
1)術後の結果でERがfocally positive(弱陽性)、PgRがnegative(陰性)の場合、ホルモン治療を行った場合と行わない場合の再発率は、どれぐらい変わってくるものなのでしょうか?
2)術後の病理検査結果での無治療と治療(放射線+ハーセプチン+ホルモン?)の再発率はどれぐらいでしょうか?
3)ハーセプチンが終わった後に出産し、その後ホルモン治療という選択肢はあるのでしょうか?

お忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。

1) ERまたはPRが陽性の患者さんでは、ホルモン療法を行うことによって再発率を3−4割程度改善しますが、相談者さんの場合はホルモン感受性が低いので、それほどの効果は期待できないかもしれません。
2) 腫瘍径がわからないのですが、化学療法に引き続きハーセプチン治療を行った場合、再発する確率は約半分に減ると思います。
3) 術後補助薬物療法はあくまで術後に一連のものとして行うものです。基本的に出産してそのあとホルモン療法をした場合に、どのくらいのメリットがあり、どのくらいのデメリットがあるのかわからないので、通常は行いません。(文責 俵矢)

 

No.7342】  07年11月04日  アグリ 
術後はじめてのCTを撮りました(3)(HPNo.7262-3)

いつも迅速なご回答ありがとうございます。内視鏡検査を終えました。麻酔を受けましたので、目が覚めた時には、主治医は次の手術に行ってしまっていて直接話を聞けていませんが、付き添ってくださった友人の話では「胃はきれいでした」と、言われたそうです。内視鏡前に肋骨部分のしこりを触診していただきましたが、気にすることは無いといわれました。次の診察日が2週間後ですが、食事途中からの左肋骨付近から背中にかけての痛みと、気になる微熱が今も続くため、次の診察日まで待てずに地域の開業医を訪ねました。私のほうのデーターは何も無いにもかかわらず、微熱が続く不安と、肋骨のしこりについても丁寧に診て下さり、以前ガンセンターにも居られたということで、かなり親切に詳しくお話くださいました。しこりはリンパ節で、超音波と触診の感じでは悪いものとは思わないので観察して良いと思うと言っていただきほっとしています。今後の治療はやはり手術執刀していただいた先生を中心にお世話になっていきたいのですが、思ったよりも術後の体に不安定さがあり、今回診ていただいた開業医の先生は自宅から近いですし(手術した病院は車で1時間の距離)先生のほうも、手術した病院を治療の主軸にするということでしたら、普段のケアはさせてもらいますと快く言ってくださいます。
1) 私のこれまでの経過を知っておいていただきたいのですが、このような理由で手術した病院でデーターをいただくことは出来るでしょうか?
2) 微熱についてですが、主治医も開業医も今のところ何ともいえないようですが、タモキシフェンを飲み始めて2か月ですが、薬の副作用で微熱が出ることはあるのでしょうか? それとも他に体の中で炎症があると考えられますか? 
3) 主治医からは生理を止める注射を毎回口がすっぱいほど進められていますが、やはり今以上の体調不良が起きてくる可能性は高いでしょうか? 仕事をもっているため、今の体調が仕事を出来る限度です。

ご意見、ご回答の程よろしくお願いします。

1) 貴女の診療情報は病院のものではなく貴女のものです。その情報をもらうことに遠慮はいりません。一般に病院の先生は患者も多く忙しいので、途中経過を別の先生が診てくれるというのであれば喜んで情報を提供してくれると思います。
2) タモキシフェンの副作用で微熱というのは頻度の少ない副作用です。絶対無いとは言えませんが、副作用の可能性は低いと思います。かといって他に考えられる原因もなさそうですが。炎症があれば、微熱ではなく高熱になりますから、炎症も考えにくいです。
3) 確かに貴女の病理所見(腫瘍径5cm、リンパ節転移40/40)から考えると、タモキシフェン単独という治療法は標準治療とは言えません。術後の化学療法や放射線治療を行わなかったことには何か理由があるのでしょうが、主治医の先生がおっしゃるように、化学療法を行わないのであれば、せめてLH-RH analogue(生理を止める注射)を勧めたくなります。LH-RH analogueの注射を行うと生理が止まりますから、様々な更年期障害様の副作用が出てきます。この副作用の程度は個人差があるので実際に打ってみないとわかりません。しかし、この薬は可逆性のある治療(中止すれば元に戻る)なので、一度試してみる価値はあると思います。注射をして調子が悪くなれば中止すればよいのです。(文責 清水)

 

No.7341】  07年11月04日  T  
授乳期における腺腫

29歳の主婦です。今年5月に第1子を出産しました。出産後1週間授乳をしたのですが、妊娠中にできた左胸のしこりが産後の胸のはりに圧迫され、赤みを伴って痛くなったため、すぐに受診し、その日のうちに断乳、そして1ヵ月後に手術をおこないました。このしこりというのは、妊娠して3ヶ月目ぐらいに気づき、その後2〜3ヶ月ほどで急激に大きくなりました。超音波の結果では葉状腫瘍の疑いということでしたが、2度の細胞診では悪いものは見つかりませんでした。しかし、いずれは取っておくべきとの先生のご意見で、当初は授乳後(出産後7ヶ月後ぐらい)に摘出術を受ける予定でしたが、出産後の胸のはりが強く痛みもでたため、手術を早めることとなりました。手術(その部分のみの摘出)の後、先生がとったものを見て、「まず良性であることに間違いない」と言われました。また病理の結果も良性であり、結論として「授乳期における腺腫」ということでした。術後すぐは、しこりを摘出した部分がへこんで空洞になったような感じで、その部分に少し液体がたまってぷよぷよするので、3回ほど診察を受け、注射器で抜いていただきました(その液体には少し母乳も混ざっていました)。その後、患部が少しずつ盛り上がってきてました。そして現在5ヶ月経ったのですが、患部がより盛り上がった感じで、直径1センチぐらいのコリコリしたしこりになってます。これはどういったことが考えられるのでしょうか。術後の経過としてしこりができるのは有り得るものなのか、または新たな腫瘍ができたのか、とても不安です。受診するつもりではいますが、12月末の予約しか取れず、それより早く行くべきかも悩んでいます。

mailの内容からは腫瘤摘出後のスペースに乳汁やリンパ液が貯留したものではないかと思われます。痛みがなく、増大傾向がなければ12月の予約の時の診察でよいのではないでしょうか。逆に言えば、痛みが出てきたり、発赤が出てきたり、熱感が出てきたり、増大するようであれば早めの受診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.7340】  07年11月04日  H.T. 
術後治療について

私は36歳、子供なしの主婦です。手術前の診断では、硬がん、しこりは2cmで、リンパへの転移は認められず、10月にしこり+周囲2cm、計6cmの乳房温存手術を行いました。
術後の病理結果では、「浸潤部2cm、乳管進展部を含むと3.5cmの硬がんと診断され、悪性度グレード1、ホルモン受容体ER、PRともに「+」でした。ハーセプテスト「1+」、リンパ節転移なし(0/2)、切除断端(5mm内)「-」」でしたが、リンパ管に少し侵襲がみられました。静脈侵襲はありませんでした。この場合、センチネルリンパ節にはなくても、リンパ管を通じ全身にがん細胞が少しでも流れていってしまっているということなのでしょうか? いろいろな書籍を見ましたが、詳細に記載しているものがなく、わかりませんでした。初歩的な質問かもわかりませんがどうかお教え願えませんでしょうか?
主治医には放射線治療(25Gr)以外に、全身療法として抗がん剤→ホルモン療法またはホルモン療法単独を薦められました。一旦、ホルモン療法2年(ゾラデックス2年、タモキシフェン2年)との回答を行い、ホルモン療法を始めたところなのですが、リンパ管に少し侵襲がみられたこともあり、抗がん剤を選択した方が良かったのか、まだ迷っております。そこで、このような場合どのような全身療法を選択するのが良いか、やはり抗がん剤を利用した治療にした方が良いか、これまでの症例の対応の割合なども含め、先生方のご意見をいただきたく筆をとりました。ご回答、どうぞよろしく申し上げます。

浸潤癌であれば、基本的に腫瘍細胞はリンパ管の中を流れています。病理報告書のリンパ管侵襲陽性というのは、リンパ管の中に流れている腫瘍細胞を病理標本の切片上でたまたま見つけることができたかどうかという問題で、リンパ管侵襲が陽性だから全身に広がっていて、陰性ならば大丈夫という単純なことではありません。ただし、著名なリンパ管侵襲陽性という所見は、リンパ節転移陽性と同じ意味があると考えられています。貴女の場合は浸潤部2cm以下、35歳以上、リンパ節転移陰性、ER陽性、Grade1、Her2陰性、著名なリンパ管侵襲なしですから、St Gallenのリスク分類ではlow riskに分類され、再発のリスクはかなり低いと考えられ、推奨治療は無治療もしくはホルモン療法ですから、化学療法の適応は無いと思います。ホルモン治療も通常はタモキシフェン単独が推奨され、ゾラデックス2年もやや過剰な感じがしますが、念には念を入れてというのであれば、現状の治療法でよいのではないでしょうか。蛇足ですが、放射線治療は25Gr.ではなく25回の書き間違いですよね。(文責 清水)

 

No.7339】  07年11月04日  R.S.
乳房の発赤についての相談です

初めて相談させていただきます。32歳、出産経験はありません。20代半ば頃から生理前に左右の乳房が張って痛みます。また左右のわきの下にしこりのようなものがあり、これも生理前に乳房の変化と同時に腫れて痛くなります。乳房もわきの下も、生理が終わると同時に張り・腫れ・痛みがなくなるので、ホルモンの影響かと勝手に思っておりました。しかし、2〜3週間前から前述の症状に加えて、左右の乳房(ちょうどブラジャーのカップが当たる部分)が赤く、痒くなりました。最初は下着のせいかと気にしていませんでしたが、だんだんとその赤い部分が乾燥したようにカサカサと皮が剥けてきました。今は痒みはありません。皮膚の痛みや発熱もありません。自分でいろいろ調べるうちに炎症性乳がんのことを知って不安になり、早速乳がん専門の検診センターを予約しようとしましたが、早くて12月上旬になるとのこと。そこで相談なのですが、胸の張りやわきの下のしこりと、発赤は関係あるのかどうか。がん検診をこのまま12月まで待っていていいのか、一刻も早く他で診察を受けるべきなのか。その場合は近所の小さなクリニックでもいいのか総合病院がいいのか・・・。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスをお願いします。

メールの前半の乳房の張りや脇の下のしこりはおっしゃる通りホルモンの影響と考えられますが、メールの後半の状況がよく把握できません。やはり早めに近くのクリニックか総合病院の乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.7338】  07年11月04日  Y  
乳ガン検診と授乳

38歳の女性です。乳ガン検診を受けたいと考えているのですが,現在授乳中です。授乳中にマンモグラフィー検査を受けることは問題ないでしょうか。よろしくお願いします。

授乳中の場合、そうでない時に比べて正常乳腺組織が乳汁分泌に伴う変化を起こしていますから読影しずらくなり、若干診断精度は落ちます。そのことを割り引いて考えていただければ検診を受けることは可能です。(文責 清水)

 

No.7337】  07年11月04日  Y.S. 
石灰化という診断を受けました

千葉県柏市の70歳の女性です。市の検診で石灰化という診断を受けました。今すぐに精密検査を受ける必要はないということでしたが、心配です。がんになるのを少しでも食い止める方法といいますか、1ヶ月に1度自己検診するより方法はないのでしょうか。お教えいただければ幸いです。

マンモグラフィー検診で石灰化が指摘されたのだと思いますが、石灰化には良性の石灰化と悪性の石灰化があり、明らかな良性の石灰化の時は精密検査不要となり、悪性の石灰化が疑われると要精密検査になります。ですから、貴女の場合は明らかな良性の石灰化だったと考えられます。従って一ヶ月に一回の自己検診と二年に一度のマンモグラフィー検診が勧められます。良性の石灰化と発ガンは無関係ですから心配ありません。(文責 清水)

 

No.7336】  07年11月04日  ひまわり
リンパ節の削除

50歳、浸潤性乳がん(ステージU)と診断され術前化学療法(CEF4回+タキソテール4回)を投与中です。化学療法前には、リンパ節の検査は何も実施していません。先日、担当医に「リンパ節はためし取りをする。」といわれました。リンパ節の削除は予後の判断のためとか、リンパ節は取る数に関係なく浮腫を引き起こしたりすると聞いた事があります。であるならば、全部のリンパ節を削除していただいたほうが、生存率という意味での予後はいいような気がしました。一般に、ためし取りとは、どのような目的でされるのでしょうか。また、試し取りをしたリンパ節への転移が認めた場合には追加でリンパ節を削除したりするのでしょうか。さらに、術前での化学療法の効果があった場合には、偽陰性であったりするのでしょうか。不勉強で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

主治医の先生のおっしゃる“リンパ節のためし取り”というのがセンチネルリンパ節生検(SLNB)のことであるとして回答します。術前化学療法を行った後にSLNBを行うかどうかについては議論が分かれています。その議論をする前に、術前化学療法を行う前に、腋窩リンパ節転移があるかどうかの確認が必要です。腫れているリンパ節があれば穿刺吸引細胞診で、なければ術前化学療法の前にSLNBを行うことが勧められています。前者の場合は術前化学療法によって腫大したリンパ節が消失しなければ当然腋窩郭清(リンパ節の削除のこと)が必要ですが、腫大したリンパ節が消失した場合、SLNBを行う先生と郭清を勧める先生で意見が分かれます。後者の場合、はじめのSLNBで転移が見つからなければ、その後は何もしませんが、転移があった場合は術前化学療法後にもう一度SLNBを行うか郭清をするか意見が分かれます。SLNBで転移が認められた場合は郭清を行うことが原則です。SLNBでは上肢のむくみが起こる可能性は極めて低いです。(文責 清水)

 

No.7335】  07年11月04日  R.F. 
エコーでの診断結果について(HPNo.6253-4)

いつもお世話になっております。前回の質問は【No.6571】です。前回検査を受けてから半年が経過しておりましたので、検査に行ってきました。あまり病院を変えるのも良くないかなとは思いつつ、前回行った病院が遠かったので、また近くの別の病院に行きました。ちなみにずっと昔からあるしこりは、今もあります。初めにしこりがあると伝え、マンモグラフィ・エコーをやっていただきました。マンモグラフィには特に異常はありませんでした。エコーでの質問ですが、
1) 手で触れるとはっきりとしこりがあるのに、エコーには映らず、先生にも問題ないと言われました。しこりがあるのに映らないという事もあるのでしょうか。映らない=悪性を疑うものではないと解釈して良いのでしょうか。
2) 私がはっきりと認識しているしこりは、昔のう胞と診断されています。確かにエコーにもはっきりとのう胞の映り方をしていました。今もあるのはその時のしこりだと,
自分では思っているのですが(ずっとあったので)、のう胞がつぶれて水は抜けたけれども、しこりとして残るという事はあるのでしょうか。
3) 手で触れて認識しているしこりとは別に、3ミリぐらいの、のう胞かどうかはっきり区別のつかないものがあると言われました。しかしこのサイズで悪性腫瘍の心配はないような事を言われ、結局1年後にフォローするという事になりました。細胞診等をする必要は無かったのでしょうか。

宜しくお願い致します。年齢は28歳です。

1) “しこりがあるのにエコーに映らない”ということはよくあることです。“エコーに映らない=悪性を疑うものではない”は、原則としてその通りだと思います。
2) のう胞は中に水が入っているからしこりとして触れるのであって、水が抜けたのう胞がしこりとして触れることはありません。
3) 3mmのしこりでは、正確な診断は難しいですし、正確な穿刺も難しいと思うので、経過観察が勧められます。どうしても心配ならば、検診の間隔を短くしてもらってはどうでしょうか。(文責 清水)

 

No.7334】  07年11月03日  M 
乳房超音波とマンモグラフィーの違い

乳房超音波とマンモグラフィーではどのように違うのでしょうか。精度的も含めて、どちらの検査を受けても違いはないのでしょうか。教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

マンモグラフィーと超音波検査は一長一短で、それぞれの特徴をよく理解して使い分けます。
<マンモグラフィー>放射線を利用する、回数が多くなると被曝というリスクがある、一枚の写真で乳房全体を見ることができる、検査時間が短い、検査機器は高価、読影技術は読影試験の普及で読影医が増えている、欧米での乳癌検診の実績がある、診断率は90%くらい、腫瘤を作らないがんの診断も可能(石灰化、構築の乱れなど)、うまく挟めない部位の診断、腋窩リンパ節の診断は苦手、若年者など乳腺濃度の濃い乳房の検査は苦手。
<超音波検査>超音波を利用する、被爆のリスクはないので何回でも安全に可能、乳房全体を見るためには動画にするか、静止画であればたくさんの画像が必要、検査時間はマンモグラフィーより長い、検査機器はマンモグラフィーより安価、まだ読影試験が普及していない、海外で検診に導入したという実績がない、診断率は90%くらい、腫瘤を作らないがんの診断は苦手、腫瘤の中はよく見える、年齢や乳腺濃度の影響を受けない、苦手な部位はない、リンパ節も検査できる。

以上をまとめると、しこりなどの症状がなく40歳以上の集団検診にはマンモグラフィーを最初に行うのがよく、40歳以下の方やしこりや乳腺に硬い部分がある方などは超音波検査が有用(マンモグラフィーも行うが)となります。(文責 清水)

 

No.7333】  07年11月03日  F 
腕の麻痺

74歳の母のことで相談いたします。事の起こりは20年前に発覚した乳がんでした。手術のあと5〜6年でリンパに転移したとのことで、放射線治療を受けました。左の首の付け根の辺りです。治療の後、硬くなった皮膚が元に戻りません。鎖骨と首の付け根の普通なら柔らかい部分が骨のように硬くなったままです。数年後から左手の小指がしびれ始め、薬指、中指と徐々に痺れ、感覚が無くなってゆき、今では左の肩から指先まで感覚が無く、全く動かなくなってしまっています。首の付け根には腕につながる神経があるようですが、硬くなった皮膚が圧迫しているのでしょうか? やわらかくする方法は無いのでしょうか?

残念ですが、放射線治療による皮膚の変化や皮下を通る神経の麻痺は、命を救ってくれた放射線治療の後遺症なので、今後更にひどくなることがあっても改善することはありません。また、やわらかくする治療法も私は知りません。不自由な左手に慣れていただくしかありません。お力になれず申し訳ありません。(文責 清水)

 

No.7332】  07年11月03日  M.S.
乳房結節とは?

先日健康診断で、触診において「乳房結節の疑い」との結果がでて、6ヵ月後再検査と指摘されました。同時に受けたマンモグラフィでは「異常なし」とのこと。触診の際、「のう胞のようなものがある」と医師の方がおっしゃっていました。乳房結節とはどのような症状でしょうか? ネット等で調べたのですがよくわかりません。申し訳ありませんが、お教えください。

結節とは読んで字の如く、一本の糸を結んだときにできる結び目のことで、糸の他の部分に比べて結び目はこぶのように触れます。乳房の触診所見で、乳房内にこぶのようなものを触れたときに、腫瘤、しこり、硬結、結節等という表現を使います。微妙な表現の違いはあるのですが、基本的には乳房内に硬いものが触れるということで、硬いものが触れるということは、触診上がんの可能性を否定できないということです。しかし、マンモグラフィーで異常所見なければ、がんの可能性は非常に低くなったことになります。(文責 清水)

 

No.7331】  07年11月03日  DL
手術後の治療方案ご質問(HPNo.7041-6)

いつもご解答して頂き、とてもいい参考になりまして、心より感謝を申し上げます。また迷うことがありますので、ご意見を聞かせて頂きたいと思います。
妻が今年5月11日から新補助化学治療を受けたのです。先に「CTX+THP+5-FU」を2期(28日間/期;1日目と8日目に薬を注射投与)と受けて、次は「PACLITAXEL+CARBOPLATIN」を4期(21日間/期;1週目、2週目と3週目にそれぞれ薬を注射投与)と受けました。前回ご連絡しましたように10月10日に局部に手術を行いました。病理の結果では、浸潤性導管癌、しこりが0.7×0.5cm(治療する前に、1.4×1.1×1.6 cm です)、部分のガン細胞の性質が変えてしまって、切り縁にガン細胞がなくて、腋の下にもガン細胞を見つけませんでした。この結果に対しては、こちらの医者の意見は二つあります。一つでは、化学治療はもういいで、1ヶ月間と休憩してから放射線治療とホルモン治療を投与していいです。二つでは、又「PACLITAXEL+CARBOPLATIN」を2期と追加して、その後は放射線治療とホルモン治療を投与します。ご意見はどうでしょうか。とても聞きたいと思います。妻は今年44歳です。何回もお忙しいところ申しわけありませんが、ご返事をお待ちしております。宜しくお願い致します。

Neo-adjuvant chemotherapyを行った場合、adjuvant chemotherapyをどうするかはきちんとした決まりはありません。特に、奥様のようにかなり縮小した (1.4x1.1->0.7x0.5cm)が完全には消失しなかった場合、もう少し回数を多くすればもっと良くなった可能性があると考えて追加治療する場合と、規定量が入ったから十分と考えて術後には化学療法を行わない場合があります。もし、化学療法の副作用があまり辛くなく、奥様があと2期頑張れるというのであれば、追加の化学治療をしてみてはどうでしょうか。しかし、奥様がもう治療は辛いというのであれば無理に勧めることはなく、放射線治療、ホルモン治療へと移ってもよいと思います。(文責 清水)

 

No.7330】  07年11月03日  K.T.
術前化学療法の効果の診断(HPNo.7098-2)

いつも勉強させていただいております。前回HPNo.7098の相談でお世話になりました。今回もよろしくお願いします。その後、術前化学療法をウィークリータキソール12回+FEC4クールの予定ではじめました。現在、ウィークリータキソール6回目が終了したところです。しこりは私自身の感覚では小さくなっていないと思っています。医師の触診では「少し小さくなっているのでは」とのことです。術前化学療法開始後、エコー、MRI等はやっておりません。タキソール終了後に実施予定です。タキソールに効果が無くても、FECは予定通りやるとのことです。そこで質問ですが、術前化学療法中の検査は、この頻度が通常なのでしょうか? 私としてはもっと頻度を多く、一月に一度ぐらいはエコー、MRIで確認しながら、治療を進めて行きたいのですが、また、FECは予定通りにやった方がいいのでしょうか? FEC実施中の注意点も終えていただければありがたいです。よろしくお願いします。

術前化学療法中の検査の頻度に決まりはありません。一般的には触診で腫瘍径の変化がわかりますから、あまり頻回には行わないことが多いように思います。主治医と患者さんとで予め、どの程度の頻度で何の検査を行うか、どうなったら術前化学療法を中止して手術に変更するか、相談して決めておくと良いと思います。タキソールで大きさの変化がないときにFECを予定通り行うかどうかは難しいところです。原則は“行う”だと思いますが。十分に主治医の先生と相談してください。タキソールに比べると、FECの方が全体にきついと思います。なかでも吐き気、口内炎、白血球減少などの副作用に注意が必要です。(文責 清水)

 

No.7329】  07年11月03日  E 
5週間前のエコーと比べてしこりが増えていたのですが…

33歳、出産経験なしです。先日初めて近所の病院で触診およびエコー検査を受けたのですが、その時触診とエコー検査で左に線腫等があると言われ、他の病院に紹介状を書いてもらい、マンモグラフィー検査を受けました。マンモグラフィーでは特に異常がなく、その後触診も受けたのですが、触診でも異常がないとのことで、また一週間後に再度エコー検査を受けました。するとしこりが左に7、右に5つあると言われ、どういうものかわからないし、普通は12個も針を刺して調べないから経過を見るということで、3ヶ月後に来てくださいと言われました。丸い形に写っていたのですが、3ヶ月も放っておいて良いものなのでしょうか? それとも再度他の病院でも診ていただいた方がよいのでしょうか? ちなみに再度エコー検査を受けたのは生理一週間前だったのですが、そういうことも関係してくるのでしょうか?

触診、マンモグラフィーで異常なく、エコー検査で小さい腫瘤陰影がたくさん見えるというのは、多くの場合乳管の拡張もしくは小さな乳腺のう胞の可能性が高いと思います。検査日が生理前であれば、その可能性は益々高くなります。基本的には心配ないと思えますので、主治医の先生がおっしゃるように、念のために3ヵ月後に再検査でよいと思います。可能であれば次回は生理後に検査になるように日程を調整してみてください。(文責 清水)

 

No.7328】  07年11月01日  S.E. 
がんである可能性

5月の人間ドックで乳腺のう胞の疑いありということで、6月細胞検査をしました。Uで良性、3ヵ月後フォローアップ検診と言われ、昨日がその日でした。0.4×10だったものが0.5×13と横に広がっているようなので、簡単にとれるならとってもらおうと思いました。のう胞の2センチ周囲をとり、検査の結果次第では、脇のリンパ節もとり、抗癌剤を・・と言う話になりました。でもその採り方って、癌の場合なのではないのでしょうか? しこりもふれません。良性だったはずなのに? 横に広がったから悪いものを疑ったのでしょうか、つまり癌ですか? この状態が初期癌なのでしょうか。お忙しいとは存じますが、どうぞご返答いただきたく思います。よろしくお願いいたします。

画像を見ていないので初期がんかどうかはわかりません。6月の細胞検査は嚢胞内の水が引けて、その細胞診がclass2で“嚢胞疑い”は間違いなく“嚢胞”だったのでしょうか? そうであれば、通常は、少しくらい大きくなっても手術はしないことが多いと思います。嚢胞を疑っていたが、細胞診をしたら充実性の腫瘍で“嚢胞でなかった”という場合ならば、初回の細胞診がclass2でも、しこりが大きくなっているのであれば、がんである可能性も考えて摘出を勧めます。(文責 清水)

 

No.7327】  07年11月01日  V 
超音波下マンモトーム生検を受けたのですが‥

左胸乳首外側に微細石灰化がみつかる、しこり無し、超音波下マンモトーム生検で採取出来ず、その生検時についての質問です。採取後すぐにマンモグラフィと超音波を撮りました。これは当たり前の事ですか? 私には、採れた自信が無くて確かめた様に思えました。出血は、背中を伝うのが分かりました。術後、看護師が拭いてくれました。ベッドの紙が15センチ四方染まっていました。普通出血の程度は、どの位なのですか? 傷口は、1センチ有ります。蚊に刺された位と本に有りましたが、私の様な場合も有りですか? お忙しい所恐縮ですが、回答よろしくお願いします。

マンモトーム生検後は、通常は切除した標本をレントゲン撮影して石灰化の部分がとれているかどうか確認します。もし、それで確認できなかった場合、マンモグラフィーで取り残しているかどうか確認します。マンモトームの針は太いので、結構出血しますし、傷も数ミリ程度です。傷の大きさや出血量は、穿刺する医師、穿刺される病変それぞれの個人差がありますから、一概にどうこうは言えません。(文責 清水)

 

No.7326】  07年11月01日  J.M.
腫りゅうの摘出(HPNo.7258-3)

いつもありがとうございます。HPNo.7281(10/19)で、片山先生も「確かに乳頭状病変は病理診断でも難しい場合がありますので、腫りゅうの摘出は考慮してもよいと思います」とおっしゃってくださったこともあり、近々それをしていただくことになりました。そこで質問ですが、
1) メスで患部を傷つけると、その部分が弱くなって、癌が進みやすいということはありませんか。(今は乳頭腫だとすれば、癌化するのが速まりませんか?)
2) MRIなどで病巣の広がりを調べていない段階ですが、この「しこり摘出」の後、本格的な手術が必要になったとき、そのときにMRIで病巣の広がりを調べることはできるのですか。出来ない時はどうするのですか。

どうぞよろしくお願いいたします。

1) そのようなエビデンスはありません。
2) 可能であれば、腫瘤摘出の前にMRを行っておいた方が良いと思います。摘出後でも検査は可能ですが、手術した部分の影響がでて診断しにくくなると思います。(文責 清水)

 

No.7325】  07年11月01日  H 
細胞診 

現在マンモにて石灰化エコーで形のいびつなのうほうがあって、経過観察3年過ぎました。大きさは8ミリです。細胞診をやらないまま3年が過ぎましたが、私のほうから「不安なんですが・・・」といったところ、「造影剤を使ったMRIをしてみますか?」と言われています。この検査でどのような事がわかりますか? 細胞診をしないでMRIだけでいいのでしょうか? あと、エコーの検査で、形のいびつなのう胞が良性のものだと判断はつくのでしょうか? 大きくなっていかなければ良性と言えるんでしょうか?

マンモグラフィーとエコーで経過を見ていた時に、追加の検査をするとすれば、私も細胞診が良いのではないかと思います。最近MRの診断精度も上がってきたようですが、やはり画像診断の一つですから細胞診にはかなわないと思います。基本的には、しこりががんであれば大きくなると考えられます(大きくなる速度は様々ですが)。ですから、マンモグラフィー、エコーで大きくならないしこり(しかも3年も経っているという)ならば、多分良性と考えてよいのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.7324】  07年11月01日  M.O
術後補助療法について

初めて投稿させていただきます。8月1日に右乳房温存手術をしました。ステージ1、リンパ節転移なし〈術中センチネルリンパ節生検により)、多発性で大きい腫瘍サイズで1cm弱、ER (+)、またPgR (+)、Her2 (-)、脈管浸潤(-) 核異型度 1です。年齢37歳です。断片が一部陽性であったため、放射線治療は25回+追加照射5回を行いました。放射線治療を10月初旬に終了後、主治医からの説明により、ホルモン治療を行うことになり、10月半ばからゾラデックスを2年or3年、ノルバデックスを5年間続けることになりました。主治医に治療開始前に化学療法をプラスして行ったほうが、再発・転移率は抑えられないかと話したところ、ホルモン治療がよく効くので、十分だという説明で治療を開始しました。治療を始めましたが、不安に思うことは、1月に人間ドックを受診時、CEAが6あったことです。その後、CT、PET検査を受けておりましたが、異常はなく、その病院で様子をみるために測定しておりましたが、半年くらいは5前後ありました。(乳がんは既に専門機関でかかっていましたが、当初良性と診断されていたため、他の部分を調べておりました。) 主治医からは、腫瘍マーカーの値は、気にしなくても、現在の値が低いので問題ないのでは、と説明されております。(手術後の血液検査はCEA2.1でした。)

1) CEAの値が以前、上昇していたことは、微小転移の可能性はないのでしょうか?
2) もし、微小転移の可能性があった場合、化学療法をプラスした選択をした方がよかったのでしょうか?
3) ホルモン治療開始後であっても、化学療法を行うことはできるのでしょうか?

以上です。お忙しいところすみませんが、ご回答いただけたらと思います。よろしくお願いします。

1)2)主治医の言うように、あまり気にされなくてもよいと思います。
3)できますが、ホルモン治療は中断して行うことになるでしょう。(文責 加藤)

 

No.7323】  07年11月01日  M.N. 
乳癌の疑いのみられる石灰化について

人間ドックで石灰化がみられ、精密検査の最中です。マンモグラフイで石灰化、超音波にもやもやがあるとのことで、針生検、しかし細胞がうまくとれませんでした。MRIもとりましたが、現れてきませんでした。しかし、石灰化の並び方が気になる(カテゴリー4)ので、マンモトーム生検をしてみましょうといわれています。29日の予定ですが、そろそろ精密検査を始めてから3ヶ月目に入ります。「乳癌だとしても良性でしょう、あわてなくてもいいでしょう」とのことですが、ちょっと心配になってきました。MRIにでてこなくても、乳癌の疑いは消えないのでしょうか。経過観察よりは、今マンモトーム生検を受けてほうがよいのでしょうか。(57歳)

MRIであらわれないこともあります。カテゴリー4という診断でしたら、マンモトームを受けておかれた方が宜しいでしょう。(文責 加藤)

 

No.7322】  07年11月01日  H.S.  
今後の治療方針について(HPNo.6332-5)

HPNo.6332で何回か質問させて頂きました。その節はどうもありがとうございました。さて、昨年5月にゾラテックスの注射が終わり一年半近く経ちましたが、今生理が再開しました。たいてい一年以内ぐらいに戻ることが多いとは聞いていますが、長く戻ってなかったので、このまま閉経したのかと思っていたのですが・・・(今45歳です)。
1) 生理が始まったということは、無い状態に比べると結果的に再発のリスクが上がることになるのでしょうか。
2) ノルバデックスも手術後ずっと飲んでいますが、女性ホルモンを押さえる働きはあまり強くないということになるのでしょうか。
3) 今後、再発予防策を強化する方法はありますか。
4) また予防策として自分で気をつけるとよいことはありますか。

以上、よろしくお願い致します。

1)必ずしもそうとはいえないでしょう。
2)その通りです。
3)4)食事、運動がリスクに影響するという報告もあります。(文責 加藤)

 

No.7321】  07年11月01日  M  
乳癌は痛みもありますか?

一ヶ月程前から右胸辺りや乳首が時折痛むのですが、乳癌の可能性はありますか?しこりの有無を確認したのですが、全体的に固くてわかりません。乳癌は痛みもありますか?痛みは耐えれない痛みではないのですが、日によって痛む場所が異なります。

乳がんは痛みを伴わないことが多いですが、伴う場合もあります。メールの内容からはあまり心配ないと思いますが、一度検診を受けられてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.7320】  07年11月01日  S.M. 
右乳がんの部分切除手術をしました

初めてメールします。5月に右乳がんの部分切除手術をしました。早期でしたが、グレード2で、リンパ節転移無し、乳管内進展型で多発性と告げられ、多発性という言葉に再発しやすいんじゃないかという不安を感じています。心配しすぎでしょうか? 抗がん剤は投与せず、放射線治療を終え、10月にリューブリン3ヶ月注射をしたら、先週1回出血し、昨日出血して、まだ出血し続けています。主治医の先生は健診は1年に1度で十分とおっしゃるので、まだ手術後の検査はしていません。先生からは今後の検査の内容など説明はありません(患者さんがとても多く、質問しにくい状況です)。今のところの不安材料は多発性ということ、出血したこと、検査はいつまでにしたら良いかの3点です。3つの点についてお返事いただければと思います。よろしくお願いいたします。

多発性でも浸潤部が大きくなければ、それほど心配はないでしょう。注射後すぐに月経は止まりません。検査については主治医指示の間隔で宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.7319】  07年11月01日  M.H.
腫瘍の形

先日エコーと触診で腫瘤と診断されました。しかし腫瘍の形が丸くてキレイので心配ないと言われましたが、本当に大丈夫なのでしょうか? 悪性は形が歪だとか・・・。気になると痛みを感じるようになりました。

大丈夫なことが多いです。(文責 加藤)

 

No.7318】  07年11月01日  T.M
ステージ2?ステージ3?(HPNo.7260-2)

先日HPNo.7260で、母の件で質問させて頂いた者です。病理結果を詳しく聞いて以下のような結果でした。リンパ転移数18/19 ホルモン受容体Er+、Pgr−、Her2(+3)、核異型度3。一般的には、T1,N1,M(-)で、ステージ2aですが、N2と考えるとステージ3aとも考えられるようです。やはりリンパ節転移数が多いので、ステージ3aに該当するのでしょうか? あとホルモン受容体が一つ陽性なので、ホルモン治療もするようですが、ホルモン治療している期間は、再発の心配はあるのでしょうか? 抗がん剤治療(FEC)&放射線&ホルモン治療すべてをする事になりますが、それでも一般的に、リンパ節転移数10個以上だと、再発率は60〜70%は変わらないと思っていてよいのでしょうか? 主治医に聞いてもよいような件で申し訳ないのですが、主治医と話す時は母も一緒のため、再発の事など少し聞きづらいので、宜しくお願いします。               

American Joint Committee on Cancer(AJCC)の分類によると、N3となりステージVCです。ホルモン治療中でも可能性はあります。再発率はもう少し低下を期待できるかもしれません。(文責 加藤)

 

No.7317】  07年11月01日  M 
右乳房横のしこり

一週間前に右乳房の下がズキズキ痛みがあって、触るとしこりみたいなのがありましたが、3日間位で痛みも消え、しこりもなくなった感じがします。でも昨日から右乳房の横(脇に近い)にコリッとしたしこり?みたいなのがあるように感じます。触ると痛いような感じがします。そのままでは痛みはないのですが・・・、すごく気になってへこんでしまいます。生理の少し前なんですが・・・。

しこりがあるのであれば、安心のためにも一度受診をお勧めします(多くのしこりは良性です)。(文責 加藤)

 

No.7316】  07年11月01日  T.K. 
ホルモン療法と副作用について

今年2月左乳房全摘切除をした後、ゾグラテックス注射を月1回とノルバテックス1日1回投与が始まりましたが、飲み薬の副作用がきつく、3ヶ月で飲めなくなりました。9月の検査では、転移と再発は問題はなかったのですが、今後が心配です。10月から飲み薬を3日おきでも頑張ろうと努力したけれど、強い倦怠感と抑うつで、日常生活に支障がでるほど辛く、今また中止してしまいました。1週間に1回でも飲んだ方が効き目ありますか?気分の良い日には、飲めそうな気がします。主治医は、「辛くて毎日泣きながら飲み薬を飲む方が、身体にとって悪いよ。月1回の注射だけでも効果はあるから、年齢が44歳なので生理は止めた方が良い。様子みて閉経後の薬にかえることもまた考えよう。」と言って頂いています。ステージ2aです。私の場合、週に1回くらいの間隔で5年間飲むノルバッテクスと、2年間ゾグラの注射の併用での10年の再発率と治癒率を教えていただけませんか?

週1回服用のデータは残念ながらありません。(文責 加藤)

 

No.7315】  07年11月01日  M&M
血性の分泌物(HPNo.7265-2)

先日HPNo.7265で血性の分泌物などで質問させていただいたM&Mです。ご丁寧なお答え有難うございました。そのご回答を受け再度質問です。先月受けた術後1年検診では、マンモ・エコー・採血・診察で異常がなかったので、血性分泌が現状あっても、次回12月後半の診察まで待ってもいいものでしょうか? それともとりあえず受診すべきでしょうか? 大きな病院で気軽に受けられるようなところではないだけに、待ったほうがよいか、近いうち予約を入れたほうがいいか迷います。ちなみに12月まで診察を待ったとして検査を受けることになれば、検査待ちで3ヶ月以降となりそうです。精神的に待てないということはないですが、症状的に待っても大丈夫なのか、アドバイスお願いします。あと乳管造影は普通に行いますとの事ですが、かなり痛い検査なのでしょうか?(想像するにはとても苦痛を伴いそうです) 度々の質問申訳ないですが、よろしくお願いします。

先月の検査で異常なしということであれば、それほどあわてる必要はないように思います。検査時の痛みはその時々で差があります。(文責 加藤)

 

No.7314-1】  07年11月01日  F.W. 
のう胞内乳頭腫について

初めてご相談させて頂きます。お忙しい所よろしくお願いいたします。左胸内側少し下にしこり(のう胞)があり、エコー・針検査の結果クラス3でした。紹介して頂きました病院で、経過観察をお願いいたましたが、摘出する方がよろしいとの事で、局部麻酔で手術をして頂きました。手術中に右の胸から脇にかけてお水のような物が流れ、もしかしてのう胞が破れたのかと不安でなりません。手術してくださいました先生(手術後、初めてお目にかかりました)にお聞きしましたが、生物なので直ぐホルマリンに入れました。との回答でした。
1) もしのう胞が破れた場合、癌が散らばったりしないのでしょうか。どの様な事が考えられますでしょうか。
2) のう胞を見せて頂きたかったのですが、普通は見せて頂けないのでしょうか。
3) 今から確認させて頂く方法はありますでしょうか。先生に嫌な思いをさせてしまうのでしょうか。

不安と心配で眠れない日々が続いております。ご回答の程、どうぞよろしくお願いいたします。

1)一般的に散らばったりはしませんので、ご安心下さい。お水のような物?は内容液ではない可能性があります。
2)3)後日にということでしたら、写真があれば見せてもらえるかもしれません。(文責 加藤)

 

No.7314-2】  07年11月05日  F.W. 
のう胞内乳頭腫について(2)

お忙しい所、本当にありがとうございます。安心いたしました。昨日検査結果がでまして、のう胞内乳癌でした。のう胞がありました周り2cmを手術するそうですが、手術以外の方法はありませんでしょうか? まだ傷口が痛いのですが・・・。急ぐ必要はありますでしょうか? 申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

生検したときの病理の結果がどのようなものであったかが問題で、のう胞内に限局した乳癌であれば、放射線治療のみという選択肢がありますし、周囲に浸潤していても断端陰性であればセンチネルリンパ節生検のみ、周囲浸潤していて断端陽性であれば追加切除+センチネルリンパ節生検が考えられます。急ぐ必要はありませんので、納得いくまで主治医の先生と話し合ってください。(文責 清水)

 

No.7313】  07年11月01日  N
切開生検(2)(HPNo.6344-6)

No.6344で相談させて頂いています。前回のアドバイス直後に切開生検を決め、11月に予定しています。外来でも可能とのお話でしたが、実際に受ける事が決まると、2泊3日の入院と言われました。局部麻酔ではなく全身麻酔との事で、「1泊は仕方ないのかな?」と思っています。2泊となるとかなり大掛かりな手術になるのだろうかと、違う不安が出てきました。
1) 切開生検の場合どれ位切除するのでしょうか? また、メスの傷が残るだけと前回のお返事にありましたが、へこみなどは酷くないでしょうか? それとも石灰化のある部位の深さによるのでしょうか?
2) 外来で局部麻酔と入院で全身麻酔の差は、どういった理由が考えられますか?
3) 私のような細胞の場合は、術中迅速検査が出来ないとの事ですので、悪性だった場合の切除手術はどれ位の期間が開いても大丈夫でしょうか?
4) を受けるとセンチネルリンパ節が出来ないと言われましたが、それ自体はあまり重く考えなくても良いでしょうか?

近く受診予定ですので、主治医に確認したい内容も含まれていますが、アドバイスよろしくお願いします。

1)2)担当医に御確認下さい。
3)追加手術は1-2ヶ月以内に行う場合が多いです。
4)切開生検後でも可能です。(文責 加藤)

 

No.7312】  07年11月01日  N.I. 
術後のCEF療法について

7年前に母親が乳癌を患い、(ステージV)で温存療法を受けましたが、今回局所再発(ステージU)が認められ、手術を行いました。CEF療法を行うことになったのですが、2週間毎に投与を行うと言われ、戸惑っています。「1度目は強いものを投与し、2度目以降は強度の弱いものを2週間毎に行えば、3週間毎に投与するのと効果が変わらないと我々は思っている」と言われました。調べると、CEF療法は、通常3週間毎に行うとなっているので、実験的な試みなのではないかと心配です。「我々は思っている」という言葉に、「医学的な根拠、臨床的な根拠があるのか?」ということが、信頼していないように思われてしまいそうで、聞けませんでした。お医者様が言われた通り、CEF療法は2週間毎のサイクルで効果が発揮されるのでしょうか? お忙しい所大変申し訳ありませんが、是非アドバイスをよろしくお願いいたします。

CEFは2週間連続投与、2週間休薬(4週間で1サイクル)、または3週間に1回投与が標準的です。2週間毎の投与は、おっしゃるように一般的ではありません。(文責 加藤)

 

No.7311】  07年11月01日  H  
これはリンパ節転移なのでしょうか?

丁寧な回答を見させて頂き、相談よろしくお願いします。1年9ヶ月ほど前にシコリらしきものが気にかかり、乳腺外来を受診したところ、触診、マンモ、エコーで0.5mm程のシコリがありました。腺維線腫との診断を受け、その後3ヶ月毎に受診していました。心配していた最初の診断での対応で、自分の中では腺維線腫だからと安易に考えていたことと、実母が体調をくずしたりと、自分は後回しとなっていました。最後の受診から1年たってしまい、受診したところ、シコリが大きくなっていたらしく、MRI検査となり、明日結果を聞くことになっています。以前受診時徐々に大きくなっていたらしいのですが、私にはそういう認識はなく、「心配だから早くに受診したのになんで? 早くに切除してくれれば・・・」ということが頭から離れません。夏前ぐらいからか首の付け根あたりとわきのした辺りが痛く、肩凝りと下着のしめつけだとばかり思ってたのですが、気にするとシコリのある側が痛く、腕がだるく手にしびれがあります。これはリンパ節転移なのでしょうか? 明日結果は出ますが、親は高齢ですし、心底相談出来る人もいず、怖くて、この先不安だらけでパニックです。39才、未婚、未出産です。

リンパ節転移の症状ではないように思います。あせらずに結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.7310】  07年11月01日  M,M
再検査について

先週、乳がん検診を初めて受けました。その時にMRIでの再検査をすすめられています。それ以降、不安で何も手につきません。現在30歳、結婚2年目で、近い将来子供をと考えています。検診は、マンモグラフィー・エコー・触診。検査では、マンモグラフィーで異常がみられました。右胸上部に石灰化・微小で10〜20位ありました。そのため、提携している別の病院でのMRI検査をすることになりました。紹介された病院は予約が多く、予約が取れたのは12月半ばです。診察をした医師は、乳腺、乳がん等の認定医ではありません。2回目以降は予約をすれば認定医の診察が受けられるとの事。ここで質問です。
1) MRI検査をもっと早く受けたいのですが、別の病院を探すべきか迷っています。もし別の病院で受ける際には、何か注意事項はありますか?
2) 東京都内で乳房MRI検査が受けられる、おすすめの病院はありますか? 提携先の病院は千葉で遠方ですが、提携先以外の紹介はしないとのこと。ただし、自分でみつけてきたら、一応紹介状は書きますといわれました。
3) マンモトーム等の細胞診はしなくてもよいのでしょうか? 診察をした医師は、そこまではしなくてよいと思うと言いましたが、専門医ではないため不安です。
4) 一般的にMRI検査よりも細胞診を優先にすべきではないでしょうか?

以上お手数ですが、ご回答宜しくお願い致します。

メールの内容からは、次のステップとしてMRIは必ずしも必要な検査ではないように思います。おっしゃるように、疑わしい病変があれば一般的に他の検査から施行していきます。検査もかなり先のようですので、他をあたってみる価値はありそうです。(文責 加藤)

 

No.7309】  07年11月01日  S.R. 
生理再開なのか、不正出血なのか?

42才、平成18年7月にデュープリンの治療3年間を終えました。ノルバデックスは5年服用予定で、後1年位で終了予定です。今現在ノルバデックスの服用のみです。4年止まっていた生理が再開した感じですが、ありえる事でしょうか? 子宮癌検診は1年に2回受けていますが、7月の検査では異常ありませんでした。今日急な出血だったので、生理再開なのか不正出血なのか?生理再開がありえるものか、回答お願いいたします。

貴女の御年齢で、生理が再開することはよくあります。ただ、不正出血の場合もありますので、経過によっては検査が必要になるでしょう。(文責 加藤)

 

No.7308-1】  07年11月01日  S 
術後の治療方針について

いつも参考にさせて戴いております。45歳、今年6月に左全摘しました。術前にはPET検査でリンパ節への疑いもありました。術後の病理検査では、しこりは4.5cmx2.3cm、リンパ節への転移なし、ホルモンER PGR共(−)、HER2 2+、顔つきは3でした。ただし、しこりの大きさ、ホルモンの感受性が無い事などを考えると高リスクに入るという事で、現在CEF抗がん剤(4週間を6クール)治療中で、4クールの2週目を終えたところです。ゾフランは飲んでいたのですが、3クール目に吐き気が2週間程続き、便秘も5日あって辛かったので、プリンペランとマグミットを処方して貰いました。4クール目に白血球27、N-Neu%53.9になり、薬を3/2に減らしました。先日もストレスの為か点滴前から吐いてしまいました。
1) PET検査で光っていたにも関らず、偽陰性と言われました。まれにあると説明を受けましたが、多くある事なのでしょうか。
2) 病理検査の結果から、5年・10年の再発率はどれ位になるものなのでしょうか。
3) 治療中の状態によっては5週間にするか、1ヶ月お休みしても良いと言われました。多少延ばしても薬を減らすよりは良いのでしょうか。

高リスクという事で、避けられない治療というのは解っていますし、先延ばししても自分が辛くなるだけのようで考えてしまいます。どうも吐き続けた事で弱気になってしまったようで、何とか気持ちを切り替えて次に臨みたいと思います。よろしくお願いします。

1)多くはありませんが、まれにあります。
2)10年再発率は無治療ですと47%、化学療法によって27%となります。
3)副作用によって、投与延期または減量は止むを得ないと思います。(文責 加藤)

 

No.7308-2】  08年05月10日  S 
指先の痺れ

前回HPNo.7308(術後の治療方針について)で相談させて頂いております。その後、抗がん剤を減らしながらも、何とか昨年12月末で治療を終えました。今年1月にPET検査をし、甲状腺に集積が見られたものの、甲状腺低下症のためチラージンSを服用し、治療中という事で、他は特に問題なしという事でした。今現在は6ヶ月後の経過観察となり、7月の外来予定です。3月中旬頃より左手の指先が痺れています。頚椎からくるものかと思い整形外科を受診しましたが問題なし、内科でもわからず、今は右手も指先が痺れています。ホルモン感受性が無いため、ホルモン治療をしていません。抗がん剤治療中には痺れの副作用はありませんでした。3ヶ月経っていますが、何らかの副作用があるものなのでしょうか。再発と副作用との関係があるのか、お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いします。  

頚椎からくるものでないとすると、抗癌剤の影響で指先の痺れが出ている可能性があります。稀ですが、抗癌剤治療終了3ヶ月後でも、副作用が出現することが無いとは言えないと思います。(文責 石川)

 

No.7307】  07年11月01日  まこちゃんの夫
乳がんについて

妻に代わり相談させていただきます。妻、36歳。右乳頭より異常分泌が出て、近くにある総合病院で診察していただきました。医師からの病状説明を記した書類を見ますと、マンモグラッフィ及び乳腺超音波検査では明らかに異常所見は無い状態。擦過細胞診察で5段階のクラスで3を表示。後日、再検査しマンモテック(乳頭分泌液中の腫瘍マーカー)で1.000以上の数値が出てしまい再度、擦過細胞診察を行ったところ、クラスVbの結果でありました。医師より、後日大学病院へ行き精密検査をするよう伝えられました。精密検査内容は、MRIによる診察及び結果次第でマンモトームによる診察を行うそうです。上記の段階で、乳がんの疑いの割合はどの位なのでしょうか? 妻は、表面には出していませんが、非常に悩んでいる状態です。6歳(小学1年)と2歳の子供がいます。私も性格的に悩むほうで、毎日いろいろと考えてしまいます。医療の本を見てもあまり詳しく記載されていないため、可能であれば詳しい説明をしていただければと思います。どうか、少しでも力になっていただければと思い、今回相談させていただきました。お忙しい中、大変申し訳ありませんが、回答をお願いいたします。

細胞診クラス3、マンモテック陽性の場合、悪性でない結果は期待できます。現時点ではあまり心配なさらずに検査結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.7306】  07年10月30日  H 
脇の下の腫れが気になります

以前から気になってはいましたが、最近、腕をまっすぐ上に上げたときに、脇の下をみてみると両腕とも脇の下に膨らみがあるのが気になってきました。押すようにさわってみると、小さくはなく、しこりというよりは筋の膨らみのような感じがします。インターネットで調べてみると「脇の下はくぼんでいるのが普通」、「乳がんの転移に見られる症状」と知り、気になって仕方ありません。しかし、胸を触診してもしこりのようなものはなく、「気のせい?誰でもそうなのかな?」などと思ったりもします。脇の下のリンパ節というのは、脇のどのあたりのことをいうのでしょうか。脇の下がへこんでなく、膨らんでいるのは何かの異常でしょうか。

特に異常がなくても、腋の下が膨らんでいる方は時々いらっしゃいます。メールの内容からは心配ないように思いますが、安心のためにも一度診てもらってはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.7305】  07年10月30日  H
無治療で本当に良いのでしょうか?

41才で子供二人あり、閉経前です。今年3月の健康診断(マンモトーム)で石灰化が見つかり、その後のマンモトーム生検にて「左乳癌」と確定されました。石灰化のうち、殆どが非浸潤でしたが、一部浸潤していました。
【マンモトーム生検結果概要】
●PAPILLOTUBULAR ACRCINOMA OR NON-INVASIVE DUCTAL CARCINOMA WITH MICROINVASION
Nuclear grade:1(1+1=2)、Estrogen receptor:4+2=6、 Progesterone receptor:5+3=8、 MIB-1:1%前後(IS2) p53:陰性、HER neu:陰性(0), erbB2:陰性(0)
よって、6月に左乳房温存手術をしました。
【病理結果概要】
●INVASIVE DUCTAL CARCINOMA, PAPILLOTUBULAR OR
NON-INVASIVE DUCTAL CARCINOMA WITH A FOCUS OF MICROINVASION
Nuclear grade:1(2+1=3), EIC(+), ly0, v0, DFM:0mm LAT-DCIS, 8mm NIP-DCIS
●Lymph nodes, biopsy
NO METASTASIS SEEN (0/4) n(センチネル):0/2, n(センチネル範囲):0/2

断端が陽性だった為、8月に追加切除をしましたが、その結果は "NO RESIDUAL TUMOR SEEN" ということでした。その後、8/31〜10/5 放射線治療 25回、50グレイ行って、今に至ります。今回質問させて頂きたいのは今後の治療の有無についてです。化学療法については必要なさそうですが、ホルモン療法について、主治医の先生曰く、「ホルモン療法はしてもしなくてもどっちでも良い」という事です。理由としては、"今回のどの結果をみてもホルモン治療をしなければいけないという値ではない""浸潤していたといってもほんのちょっとの浸潤だったから" との事でした。ホルモン療法の副作用についても考えると、しなくても良い治療ならば行わないつもりですが、いざ今後無治療となると、いささか不安感が残るのも事実です。私のこのケースで、本当にこれで治療は終わりという事で大丈夫なのでしょうか?ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

ホルモン療法を行わない方と、対側発症も含めたわずかな再発リスク低減のために行う方がいます。主治医のいうように、どちらの選択肢も考慮できます(服用してみてから決定するという方もいます)。(文責 加藤)

 

No.7304】  07年10月30日  S
再発率生存率について(HPNo.6982-3)

前回No.7069で腫瘍マーカーについてご相談いたしました。幸い一年の検査で再発なく、腫瘍マーカーも正常値に落ち着きました。しこりは1センチ程でしたが7センチに拡がり、腋下リンパ節12個転移、脈管侵襲すべて3、皮膚にも浸潤していたようです。ホルモン感受性+、ハーツー2+。FISH法はまだ使わないからと検査していませんでしたが、私の要望で現在依頼中。左乳房全摘、FEC4クール、タキソテール4クール、放射線50グレイ照射、現在アリミデックス服用中です。年齢、56歳です。
1) 一年無事に迎えられホッとし、再発率、生存率が気になるようになりました。治療により再発を何パーセント抑えることが出来たのでしょうか。これから先再発の可能性はどれぐらいでしょうか?
2) 5年生存率、10年生存率はどうでしょうか?
3) また治療後白血球2500を切り、赤血球も正常値を切ったまま回復できません。なにか手立てはないでしょうか?

1)42%のリスク低減となり、10年での可能性は44%となります。
2)10年生存率は53%となります。
3)特に有効な手立てはないと思いますが、これから徐々に回復してくることも期待できるでしょう。(文責 加藤)

 

No.7303】  07年10月23日  R.T.
しこりの検査について

5月に近所の病院でマンモグラフィーとエコー、MRIを行ったところ、右乳に1センチ弱のしこりが確認され、その後乳腺外来のある病院に紹介状を書いていただき転院しました。そこで7月に再度同じ検査を受け、さらにそのしこりについて針生検を行ったのですが、結論としてがん細胞は確認できませんでした。ただし先生からは、しこりがまだ小さいので、針がしこりをきちんと採っているか不確かなため経過観察をするように言われ、3ヶ月期間をあけました。そして先日10月半ばに再検査としてエコー、MRIを受けましたが、しこりの大きさも変わらず大きな変化は無いのですが、今回もエコーでしこりの特定がはっきりと確認できないようで、針生検を試みたのですが、きちんと刺せるかどうか難しいということで取りやめとなりました。MRIでは確かにしこり部分に異変が認められるものの、エコーで見た場合しこりの特定が難しい(いつも首をかしげながら、これでもないだろうし・・・とエコーを眺めていらっしゃいます)、ということなのだそうですが・・・。正直申し上げて、これは一般的にもありえることなのか、エコーの機械の精度の問題(検査技師さんのデータでは確認できているので)なのか、先生の技術や経験の問題なのか、そしてこのままかかっていて良いものなのかと不安になってしまいます。ご意見を頂ければ助かります。

乳房の大きさや形、またしこりがどの部位、深さにあるのかなどによって、特に1cm以下のしこりですとその同定や質的診断、穿刺すること、また生検(麻酔をして切開しての摘出術)すら困難なことがあります。期間をおいての検査を繰り返すことも変化を見ることで非常に有意義なこともあります。このような経過観察は患者様とDrとの信頼関係の上で成り立つことですから、疑問点があればどんどんお尋ねになって、納得の上で診療を受けてください。(文責 片山)

 

No.7302】  07年10月23日  S.M. 
術後の炎症?

8/3に乳房温存手術&リンパカクセイを行い、9日に退院しました。抜歯は次週予定ですが、本日11日夕方から手術をした傷跡周辺から少量の出血と、周辺が紫色に腫れているのに気づきました。思い当たる節としては、2歳の子供が高熱を出した為、半日動き回っていたのと、かばいつつもやたら腕を動かしたせいか・・・とも思いますが、次週の外来まで不安で相談させて頂きました。上記の理由によるものであるのならいいのですが、蜂窩織炎等気になって仕方ありません。痛みは腫れている痛みが多少ある程度で、蜂窩織炎の兆候である「手が腫れる」「斑点が出る」はないのですが、多少微熱(37度)はあります。考えられる事を教えて頂けると大変有難いです。宜しくお願い致します。

実際に拝見していないので分かりませんが、手術後日も浅い創部のことですので、やはり早めに主治医の先生に診ていただくのがよろしいかと存じます。(文責 片山)

 

No.7301】  07年10月21日  M.K. 
胸の痛みについて

初めてご相談させていただきます。よろしくお願いします。今年20歳になる者です。小学生ぐらいから胸にしこりのようなものを見つけて、中学・高校生の間は思春期だからみんな多かれ少なかれそうだろうと、大して気にもしていませんでした。しかし20歳になる今でもそれが続き、乳がんやその他の病気ではと、最近すごく不安です。胸の真ん中(全体的)にしこりというか板?のような硬いものがあり、胸を強く押すと痛み、何だか違和感があります。生理前後には痛みも結構ひどくなるように思います。普段気にしていない時は痛みを感じない時もあるのですが。何年も気になりつつ体調は悪くないし、と放っていたのですが、やはりいつも気になっています。今現在も病院に行こう、と思いつつも、なかなか決心がつかない状態です。このような症状は、どんな病気の可能性があるのでしょうか。早く病院を受診した方がよいでしょうか。回答のほう、よろしくお願いします。

胸の真ん中というと、胸骨という骨とその下端に続く剣状突起という部位があって、時にそれをしこりと感じてみえる方もいらっしゃいます。一度乳腺外科を受診なさってみてください。(文責 片山)

 

 

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