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相談室(No.8101〜8200)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

8200 08/08/12 BON 抗がん剤は必要でしょうか? 吉田
8199 08/08/12 KN 妊娠・出産が希望です 吉田
8198 08/08/12 K  断乳後の胸の痛み 吉田
8197-1
8197-2
08/08/12
08/08/26
手術について
手術について(2)
吉田
片山
8196 08/08/12 C.I. 微小浸潤癌の術後化学療法の効果について(HPNo.8056-2) 吉田
8195 08/08/10 K  浸潤性乳管癌の術後治療について 吉田
8194 08/08/10 痛みを伴うしこり 吉田
8193 08/08/10 M.O. 異型?前がん状態?黒に近いグレー? 吉田
8192 08/08/10 A  乳房切除後疼痛症候群の治療について(HPNo.7778-4) 吉田
8191 08/08/10 再検査の対応 吉田
8190 08/08/09 M.T. 高齢者の手術適応について 吉田
8189 08/08/09 H.A ホルモン療法について 吉田
8188-1
8188-2

8188-3
08/08/09
08/08/18
08/10/06
M.H. 再発後のホルモン治療と化学療法後の歯の治療について
再発後のホルモン治療と化学療法後の歯の治療について(2)
EC療法とタキソール療法終了後の治療について
吉田
石川
須田
8187 08/08/07 A.W.  タキソテール後息苦しさあり&胸椎転移あり 吉田
8186-1
8186-2
08/08/07
08/08/30
PAPI 手術までに期間が2ヶ月ほどあります
再建について
吉田
片山
8185 08/08/06 ハナ  針で細胞をとった後の痛み 吉田
8184 08/08/06 F.H. 細胞診 吉田
8183 08/07/29 kirikiri  重粒子線・陽子線・放射線治療について(HPNo.7973-2) 浜口
8182 08/07/29 N  妊婦の乳がんについて 浜口
8181 08/07/29 M   これは乳ガンでしょうか? 浜口
8180 08/07/29 Y.F.  しこりの消失 浜口
8179 08/07/29 O  黄色い分泌液 浜口
8178-1
8178-2
08/07/29
08/08/15
術後治療&転移・再発率
転移性乳癌、進行性乳癌について
浜口
緒方
8177 08/07/29 IT  手術について 浜口
8176 08/07/29 I  浸潤性小葉癌について 浜口
8175 08/07/29 N 生検は必要ではないのでしょうか? (HPNo.8080-2) 浜口
8174 08/07/29 Y.K.  肝機能について 浜口
8173 08/07/29 Y.M. 放射線治療後 腕 むくみについて 浜口
8172 08/07/26 N  同時再建後の痛みについて 浜口
8171 08/07/26 S.T 乳房温存切除後の放射線治療について 浜口
8170 08/07/26 I.T 外科的生検 浜口
8169 08/07/26 H  摘出生検 浜口
8168 08/07/25 F.K. タキソテール 浜口
8167-1
8167-2
08/07/25
08/08/21
K.K.  ALPの上昇
骨シンチ
浜口
石山
8166-1
8166-2
08/07/25
11/01/09
S  乳輪下膿瘍
しこりについて
浜口
矢吹
8165 08/07/25 ゆぅ タキソテール(HPNo.7915-5) 浜口
8164 08/07/25 ss 顎の下のしこりについて 浜口
8163 08/07/24 S.M.  断端陽性 浜口
8162 08/07/24 D  術後の処置について 浜口
8161 08/07/24 A.A.   手術方法について 浜口
8160 08/07/22 S MRI検査 徳田
8159 08/07/22 Y.A.  リンパ節について(HPNo.7927-2) 徳田
8158-1
8158-2

8158-3
8158-4
8158-5
8158-6
08/07/22
08/10/03
08/10/10
08/10/21
08/11/28
08/12/10
H   摘出生検
センチネルリンパ節生検
今後の方針について
術中検査について
術後治療について
ホルモン治療について
徳田
鈴木
鈴木

河原
片山
8157 08/07/22 M  マンモ検査後の痛み 徳田
8156 08/07/22 M.T. 微小浸潤癌(今後の治療について) 徳田
8155 08/07/22 K.M. ホルモン療法の効果 徳田
8154 08/07/22 JOON 骨転移について(HPNo.7938-2) 徳田
8153 08/07/22 m 術後療法の効果について 徳田
8152 08/07/22 足の付け根のしこり 徳田
8151 08/07/22 ゆら 胸のしこり 徳田
8150 08/07/22 M.O. 左胸のしこり 徳田
8149 08/07/22 放射線治療について 徳田
8148 08/07/20 S.N. 転移後の治療について(2)(HPNo.8084-2) 高橋
8147 08/07/18 R  フルツロン・フェマーラの併用 徳田
8146 08/07/18 T.T.  腫瘍マーカーの値 徳田
8145 08/07/18 HI 反対側にしこり 徳田
8144 08/07/18 Y.Y 術後の治療について 徳田
8143 08/07/18 M.S.  AC療法4回プラン 徳田
8142 08/07/18 Y.K センチネルリンパ節生検について 清水
8141 08/07/17 Y  術後補助療法について 徳田
8140 08/07/17 fukka 術後10年の異型過形成病理検査について(HPNo.8074-2) 徳田
8139-1
8139-2

8139-3
08/07/17
08/08/15
10/04/22
Y.F 術後の化学療法について
術後の化学療法について(2)
ゾラデックスとノルバデックスについて
徳田
小池、川本
石山
8138 08/07/17 術後の治療について 徳田
8137 08/07/17 K   非浸潤ガンの進行速度 俵矢
8136 08/07/17 F 検査の信憑性について 俵矢
8135 08/07/17 Y  PET-CTの被爆について 俵矢
8134 08/07/17 手術法の選択 俵矢
8133 08/07/17 D  術後治療について 俵矢
8132 08/07/17 K  術後の意欲低下 俵矢
8131 08/07/17 K  骨転移後の治療中の腹痛 俵矢
8130 08/07/17 M.S. 再発? 俵矢
8129 08/07/15 K  乳房の痛み 徳田
8128 08/07/15 L  乳がん治療と歯の治療 徳田
8127 08/07/15 M.M 再発率及び10年生存率を教えていただけませんか? 徳田
8126 08/07/15 M.M. 術後の抗癌剤について 徳田
8125 08/07/12 ゆぅ 抗がん剤の効果について(HPNo.7915-4) 俵矢
8124 08/07/12 乳頭の痛みと痒み(HPNo.8077-3) 俵矢
8123 08/07/12 N.H. トリネガの再発率 俵矢
8122 08/07/12 H.T.  フェマーラ 俵矢
8121 08/07/12 YY リュ-プリンについて 俵矢
8120 08/07/12 白血球減少について(HPNo.6982-4) 俵矢
8119 08/07/11 A  しこり(HPNo.6939-3)
8118 08/07/11 M.T.  乳がん手術後の放射線治療の開始時期について
8117 08/07/11 トイプードル 術後のホルモン療法について(HPNo.8054-3)
8116 08/07/11 K.N. 微細石灰化としこり
8115 08/07/10 S.M. 肺転移 俵矢
8114 08/07/10 O.S マンモトーム生検&センチネルリンパ節生検 俵矢
8113 08/07/10 M.O. 術後の生活について 俵矢
8112 08/07/10 A  痛みのあるしこり(1センチ程度) 俵矢
8111 08/07/10 紡錘細胞癌 俵矢
8110 08/07/07 E.K. 石灰化について
8109 08/07/07 H  手術をした乳房に18oの新しいものが映っていました(2) (HPNo.8077-2)
8108 08/07/07 K  背中の痛みについて
8107 08/07/07 T.S. 乳がん健診
8106 08/07/07 S.N. 乳癌検診の疑問点について
8105 08/07/07 K. 転移性乳がん
8104 08/07/07 F  食生活の中で気をつける事
8103 08/07/07 J  再発の危険性
8102 08/07/07 H  術後の経過と検査について
8101 08/07/05 mimi 術後の治療について 高橋

 

 

 

No.8200】  08年08月12日   BON
抗がん剤は必要でしょうか?

6月末に右胸温存手術を行い、先日、病理検査の結果がでました。36歳、充実腺管癌、センチネルリンパ節転移なし(0/2)、浸潤径:1.7×1.5cm、ER:+、PgR:+(ともにPS5、IS2)、HER2:2+、脈管侵襲:軽度、核異型度:2、断端陰性、現在、フィッシュ法によるHER2の結果待ちです。
1) ホルモン陽性には高度内分泌反応性と不完全内分泌反応性というのがあると聞きましたが、上記の結果は前者という解釈でよろしいのでしょうか?
2) 主治医は、ホルモン療法のみでも、それに抗がん剤をプラスしても、どちらでもよいとおっしゃっています。最終的には、再発リスクの低減と副作用等を鑑み、自己責任にて判断するのは充分承知しておりますが、その判断材料として以下の事をお教えください。
・HER2陰性だった場合、無治療、ホルモン療法のみ、ホルモン療法+抗がん剤をやった場合のそれぞれの10年再発率。
・HER2が陽性だった場合、無治療、ホルモン療法のみ、ホルモン療法+抗がん剤+ハーセプチンをやった場合のそれぞれの10年再発率。

3) HER2が陽性だった場合、ホルモン療法+ハーセプチン単剤というのはいかがでしょう?
4) 同様に、ハーセプチンと組み合わせるべき抗がん剤はどれでしょう?
5) 断端は陰性でしたが、切除部位内にメインの腫瘍から少しだけ離れた場所に小さなガンがあったそうです。主治医はこれが無ければ放射線は不要だが、この状態では放射線治療はやはり自分で決めてくださいとのことです。 標準的にはすべきなのかと思いますが、いかがでしょう?

以上、ご多忙中、沢山の質問でお手数をお掛けして大変恐縮ですが、宜しくご教授ください。

1) そう考えて良いと思います。
2) Adjuvant online ではHER2陰性の場合、無治療76%、ホルモン療法84%、ホルモン療法+抗癌剤91%。HER2陽性の場合、無治療66%, ホルモン療法78%, ホルモン療法+抗癌剤+ハーセプチン94%となりますが、これは欧米での話です。日本人の場合、これより5%前後良いものと思われます。
3) 十分なエビデンスはありませんが、理論的には良いでしょう。
4) 併用するならばタキサン系のものが良いと思います。しかし現在、術後補助療法としてハーセプチンと抗癌剤の同時併用は保険で適応外となります。連続して行うのであれば、FECなどでも良いと思います。
5) 標準的には放射線治療を行うべきです。(文責 吉田)

 

No.8199】  08年08月12日   KN
妊娠・出産が希望です

現在ゾラデックス+タスオミンの服用で完全に生理が止まっています。去年の5月から治療を始めましたので、1年とちょっと経ちました。現在36歳で妊娠・出産を希望しているのですが、治療後の出産は可能だと言われました。もし2年ほどで治療を辞め、妊娠・出産するとすれば、個人差はあるとは思いますが、だいたい平均的にどのくらいの期間を開けてから妊娠することが可能でしょうか。やはり薬が体に残った状態で妊娠するのは胎児に害なのでしょうか。年齢的なこともあり、できるだけ早く出産したいのですが、よろしくお願いいたします。

どのくらい明けたら良いかは判りませんが、生理が戻ってくれば問題はないでしょう。薬が身体に残るのは一ヶ月ぐらいですが、萎縮した卵巣機能が何時回復するかが問題です。(文責 吉田)

 

No.8198】  08年08月12日   K 
断乳後の胸の痛み

28歳、2歳2ヶ月の女の子の母親です。 断乳後の私の体調不良について相談です。先週の土曜日から、いままで頻繁にあげていたおっぱいをあげるのを止めました。理由は夜中も頻繁に起きるため、自分が睡眠不足で疲れきっていたときに、知人に止めたらぐっすり寝るよ〜と勧められたからです 。2日は泣いていましたが、今は寝るようになりました。張りとか心配していましたが、それもなく、このまま終わるのかな?と思っていましたが、断乳五日目の朝起きたら全身筋肉痛というか、あまり今まで体験したことのない痛みがあったのです。風邪前の痛みとは違いピシピシとロボットのようにしか動けないというか…。その夜熱が出てきて寒気や頭痛もありました。やはり風邪だったのかなと思っていましたが、その後2日間も熱は下がりましたが、体の痛みが治りません。今は吐き気もあります。 これは断乳と関係ありますか?このような事例はありますか?よろしくお願いします。

断乳とは関係ないと思いますが、なんであるかは良く分りりません。やはり風邪ではないでしょうか? 身体の痛みと吐き気が続くようでしたら内科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.8197-1】  08年08月12日   N 
手術について

半年前に初めて乳がん検診を受けて、触診にて右胸に1.5センチのしこりが見つかりました。マンモ・エコー・細胞診の結果は良性でした。その後先月経過観察に行きました。触診・マンモ・エコーでも変化なしでしたが、念のため針生検を受けて、それも良性でした。それから1か月ほどして、少ししこりが大きくなっている気がして、また同じ病院に行きました。エコーでは変化なしですが、2ミリほど大きくなっていて、それが先日の針生検の影響かどうか微妙ということで、また経過観察することにしていますが、「心配であれば摘出することも良いでしょう」と言われました。その場合、全身麻酔で3日の入院と言われました。外来で局所麻酔でできると思っていたので、摘出手術を受けるとなると他の病院でも意見を聞いてもらいたいと思い、先日他の病院で診てもらいましたが、触診とマンモでは悪性の所見は見られないとのことでしたが、エコーの画像が良性のものとは違う感じがする、少し怪しい、癌の可能性も1割程度あると言われたので、その場で手術の予約をしてきました。が、この手術は悪性を前提としているというか、全身麻酔で手術して迅速診断して悪性であれば悪性の手術に切り替えるようなのですが、別のサイトで相談しましたら、その程度の悪性疑いで、この手術はやりすぎのようにお答いただきました。可能性としては良性ということですが、やはり悪性の場合を考えて、このような手術を受けるべきでしょうか。それとも良性として局所麻酔でとりあえず摘出する方がよいのでしょうか。全身麻酔で迅速診断の手術というのは慎重になるべきなのでしょうか。どのようなリスクがありますか?長くなりすみませんが、よろしくお願いします。

全身麻酔と局所麻酔のリスクは同じですが、局所麻酔での摘出で十分だと思います。万一結果が悪性であっても。それから全身麻酔で悪性としての手術を行えばなんら問題はありません。(文責 吉田)

 

No.8197-2】  08年08月26日   N 
手術について(2)

HPNo.8197でご相談させていただいた者です。その後、主治医のすすめもあって、結局全身麻酔にてしこりの切除手術を受けました。迅速病理診断の結果はクラス3ということで、やや増殖性のある細胞があるが明らかな悪性所見はない、という何とも微妙な診断でした。そのため、念のためしこりとそのまわりの組織を含めて切除していただき、センチネルリンパ節も調べてもらいましたが、転移はなしでした。
1) 現在最終病理結果待ちですが、永久標本での最終的な病理診断でもはっきりと良悪性の判断がつかないケースはあるのでしょうか。しこりが見つかってからずっとはっきりと良性とは診断がつかずに今回手術までしたのに、判断がつかなければいったいどうしたらよいのかと悩んでいます。
2) また、センチネルリンパ節の影響か、わきから腕にかけてのしびれや違和感が続いており、術後どのくらいすれば解消するのか不安です。普通はセンチネルリンパ節の切除では、そのような後遺症は続かないものでしょうか。
3) 手術の時点では悪性と診断されたわけでもないのにリンパ節まで調べる必要があったのか、少し不信感もありますが、仕方なかったのでしょうか。

1) 永久標本(ホルマリン固定標本)の検索でも最終診断が難しく、種々の免疫染色などを行って時間のかかるケースはときにあります。
2) できるだけ侵襲を少なくしようとする手技であるセンチネルリンパ節生検ですが、ときにケースバイケースで若干の局所の違和感が残ることはあります。
3) 実際の画像や病理組織を拝見していないのでコメントできません。(文責 片山)

 

No.8196】  08年08月12日   C.I.
微小浸潤癌の術後化学療法の効果について(HPNo.8056-2)

【No.8056】 温存手術後、取り残しの可能性がある場合の治療方針で相談させていただきました。その節は、とても分かりやすくご説明をいただきまして、ありがとうございました。その後、追加切除の病理検査で、断端陽性でしたので、7月8日に乳房全摘手術を受けました。全摘後の病理検査の結果は、癌の遺残なしということでした。
40歳、0.2mmの浸潤癌、センチネルリンパ節(−)、核異型度2、リスク分類 中、ly(−)、ER: 4+1=5、PgR: 3+2=5、HerceptTest 0。

1) 【No.8156】微小浸潤癌(今後の治療について)のご相談で、「1mm未満であれば、微小浸潤癌とよばれ、非浸潤癌に近いリスクです。化学療法までする必要はないと考えます。」とお答えですが、化学療法をする効果は全くありませんか? 
2) 主治医の先生からAdjuvant! Onlineのデータとして、ベースラインリスクで再発リスクは18% リスク抑制として、ホルモン療法単独7% 抗癌剤単独8% ホルモン療法+抗癌剤 12% と教えてもらいましたが、これは妥当な値ですか?
3) 乳癌は予防治療をしっかりしておかなければ再発転移した後の完治は難しいと聞きましたので、将来後悔したくないので、できれば今の段階で、体内に隠れているかもしれない微小転移を完全にたたいておきたいという希望があるのですが、この考え方は間違っているでしょうか。
4) もし抗癌剤をするとすれば、どのようなものが適当だと考えられますか?主治医の先生からはFECを提案されています。
5) 主治医の先生からホルモン療法として、ゾラデックス(2年)+タモキシフェン(5年)と提案されましたが、ホルモン療法だけの場合、5年後(45歳)で、閉経していない場合、再びエストロゲンの影響を受けて、癌の増殖が活発になる可能性が高くなることはありませんか?

抗癌剤の副作用はとても怖いのですが、まだ2歳の子どもも抱えておりますので、できるだけ生存率を上げる努力をしたいと考えています。また、リスクカテゴリーが中間リスクであり、ガイドラインにも、化学療法→ホルモン療法とあることも気にかかっています。アドバイスをよろしくお願いします。

1) 全くないとは言い切れませんが、標準的にはホルモン剤でしょう。
2) 個人的な経験からAdjvant onlineの再発リスクは少し高い感じがいたします。リスク抑制もオーバーな感じですが、ホルモン+抗癌剤が一番抑制効果が高いのは確かでしょう。
3) 正しいと思います。
4) 隠れているかもしれない微少転移を完全に抑えたいと思いますが、もし化療を行うのならFECあるいはTC(ドセタキセル+サイクロフォスファミド)でしょう。
5) このホルモン療法を行っても何処かに癌が残っていた場合には、そのような事も可能性としてはあります。

私も癌になってあなたと同じように考えるかも知れません。主治医と良く相談してください。(文責 吉田)

 

No.8195】  08年08月10日   K  
浸潤性乳管癌の術後治療について

左乳房外側に1.7mm×2mmの浸潤性乳管癌で温存手術を行いました。核異型スコア3、核分裂像スコア3、核グレード3、PgR 1+、ER 3+、Hercepscore 2+、EGFR 0、 Ki-67 43.7%(156/357) Topolla 37.8%(157/415)、HER2/CEP17=4.5(CEP平均3.57)、Topolla/CEP=1.91(CEP平均3.1) sentinel(0/2)。
今後の治療として、FECを3週ごとに3クール、タキソテールを3クール、FEC終了後からハーセプチンを1年、タキソテール終了後に放射線25回+5回、フェマーラ5年という方針を示されています。自分なりに調べてみたのですが、わからない事、不安に思う事があり相談させて頂きました。
1) 病理検査の結果に浸潤性乳管癌(硬癌>乳頭腺管癌)とありましたが、これはどういう意味ですか。
2) Hercepscoreは2+とありますが、ハーセプチン投与は対象になるのでしょうか。
3) Topolla、Ki-67とは何ですか。
4) FECやタキソテールは4クールというのをよくききますが、私の場合3クールでもよいのでしょうか。
5) 放射線は術後すぐでなく、抗がん剤終了後でも効き目はかわらないのでしょうか。
6) アロマターゼ阻害剤に3種類くらいあるようですが、それに大きな違いがあるのでしょうか。

以上 よろしくお願いいたします。

1) 癌が乳管内にとどまらず周囲に浸潤していること意味します。転移の可能性があるということです。組織分類からは硬癌ということになります。
2) 2+の場合Fish法を行うことになっていますが、あなたの場合Fish法は行われており、陽性ですのでハーセプチンの投与対象になります。
3) Topo2aはアンスラサイクリン系の薬剤が効くかどうか指標であり、Ki-67は癌の増殖能を意味します。あなたの場合FECが効き易く、癌の増殖能は高い部類にあると考えられます。
4) あまり標準的とはいえませんが、記載してある検査結果から担当医が考えた方法でしょう。個人的には良い方法と思います。
5) 変わらないと思います。
6) 大きな違いはないと思います。基礎実験からはフェマーラの効果が優れているようです。(文責 吉田)

 

No.8194】  08年08月10日   A 
痛みを伴うしこり

初めて相談させていただきます。6月に痛みを伴うしこりに気がつき、乳がん検査を行っている近所の婦人科に診察を受けた所、大学病院に紹介状を書いてもらい、大学病院の乳腺外科で検査をしていただきました。結果は、エコー・レントゲンはレベル4でした。でも、医師が、痛みがあるので乳がんではないと思うと、細胞を採って調べた結果、レベル2と言われました。これでも診断が出来ないみたいで、「1ヵ月後にエコー検査をしましょう」と言われました。今週月曜日にエコー検査をした結果、しこりが大きくなっていました。担当の医師が7月で他の病院に行ってしまったので、一般外科の医師が新しい担当になったみたいなのですが、専門ではないので分からないと言われました。新しい担当医師は、「前の担当医師の移動した先の病院に紹介状を書くので、そちらに移るように」と言われたのですが、このまま前の担当医師に見てもらっても病名すらも分からないままで不安です。どうしたらよいでしょうか? よろしくお願いいたします。

新しい担当医の言う通り紹介状を書いてもらい前の担当医に診てもらうのが良いと思います。検査をしただけでは、正確な病名がつかないことはよくあります。(文責 吉田)

 

No.8193】  08年08月10日   M.O. 
異型?前がん状態?黒に近いグレー?

44歳、既婚、34歳時に出産しています。2006年11月にマンモグラフィーの結果、石灰化の所見があり乳腺専門医の診察を受けました。エコー、触診等ではとくに異常はなく、2007年2月にマンモトームを行いました。検査の結果は、今回とった細胞の中には悪性所見はなかったが云々とあり、その云々部分を私がちゃんと理解出来ていなかったのですが、当時は、次のように理解していました。
<結果は、真白ではないということ。今回とった細胞には悪性所見はなかったが、他の部分にはもしかしたら悪性細胞があるかもしれない。しかし、それを調べるには全部の組織をとって調べることになる。従って半年後に検診を行い経過を観察する。>
2007年5月に、たまたま会社で行ったエコーで腫瘍らしきものが写り、半年を待たずに2007年6月に再受診し、針生検を実施。結果は、悪性所見はありませんでした。その後、当初の予定通り2007年8月にMRIを行いましたが、所見(どんな所見かはちゃんと理解できていません)はあるが、要観察となり、2008年2月にマンモグラフィーを受けましたが、大きな変化はないとのことでした。そして、先日2008年8月に半年検診としてMRIを行いました。結果は、多少大きくなっている(何がかは、理解できていません)ように見受けられるが、誤差の範囲であるという診断で、半年後のマンモグラフイーの予約を入れました。その際、「今の私はいったいどういう状態なのか?限りなく黒に近いグレーなのでしょうか?」と質問したところ、「そう言える。癌というのは、細胞に何らかの変化が生じ、それが分裂を繰り返し、悪性細胞となり癌となる。細胞にすでに変化は生じているが、まだ悪性には変化していない。悪性に変化した場合は、範囲が広がったりする。今回は広がっているとは言えない。人によっては、このままの状態がずっと続き、悪性に変化しないケースもある。従って、半年後に経過観察の為の検診を行う。」との回答がありました。いつも結果をびくびく、ドキドキで聞くため、自分の頭の中の整理がついていないこともあり、現状がちゃんと把握できていないのと、本当にこれでいいのか、の不安にかられています。私自身が、ちゃんと理解してきちんと説明を求めていなかったのが悪いのですし、上記の情報だけでは判断しかねる部分もあるかと思うのですが、下記の点についてご教示頂ければ有難いです。
1) 現状は、細胞診の結果はいわゆるクラス3と考えられるのでしょうか?(検査結果を聞いた際、クラス等での説明はありませんでした)
2) 細胞の異型、前がん状態ということなのでしょうか?
3) 半年毎の検査を進めていくしか術はないのでしょうか?
4) このような状態から癌に至らないケースは、どれぐらいの割合なのでしょうか?
5) MRI画像に映っている、もやもやっとしたものは、何なのでしょうか?
6) その他、アドバイス等があればご教示いただきたくよろしくお願いいたします。

1) あなたの現状が要経過観察ということで、記載からはクラス3であるかどうかは判りません。
2) これも記載からは判断できません。
3) そのほうが無難です。
4) マンモトームや針生検で悪性所見がなかったのですから、9割以上は大丈夫でしょう。
5) 恐らく乳腺症など良性のものと思われますが、正確にはわかりません。
6) 乳腺の石灰化を調べ悪性ではなく、その後石灰化の範囲などが変化するかを観察している状況だと思います。大きく変化すればまた針生検やマンモトームを行う必要があるでしょう。石灰化で見つかる癌は早期のものが殆どですから、あまり心配せず定期的な検査を受けるようにしてください。施設を変えると判らなくなりますから、検査を受ける施設は変えない方が良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8192】  08年08月10日   A 
乳房切除後疼痛症候群の治療について(HPNo.7778-4)

HPNo.7995で相談させていただいた者ですが、乳房切除後疼痛症候群の治療について再度質問させて下さい。以前疼痛症の治療で、トリプタノール10rを服用していましたが、コレステロール値の上昇等があり服用を中止しました。4ヶ月過ぎましたが、湿度が高かったりすると痛みが我慢できなくなるほどになります。これが何時も続くとストレスにもなり、イライラ状態が続いています。昨年より痛みの状態もきつい気がします。精神的にも良くない気もしますし、もう一度薬を服用した方がよろしいでしょうか。お忙しい所申し訳御座いません、ご回答の程宜しくお願いします。次回の診察は9月に入ってからです。

トリプタノールとコレステロールの上昇とは直接関係はありません。もう一度服用して似たような副作用が出現したら、担当医に相談して他の薬に変えてもらいましょう。(文責 吉田)

 

No.8191】  08年08月10日   M 
再検査の対応

3年半前に右にシコリを発見し、超音波でいびつな影が出たので、細胞検査をして貰ったところ、「良性」との判断が出ました。(最初の病院で3回検査して、毎回「検査失敗しました」と言われ、大学病院に検査して貰ったら1回で結果が出た) それから昨年、本年6月末に、2回、婦人科ドック+乳がん検診を受けました。昨年は所見無しでしたが、今年、「要再検査」の結果が出てしまいました。
<内容> 超音波で下記の診断結果。触診とマンモは所見無し。右:低エコー方腫瘤=>乳腺腫瘤(疑) 左:乳管拡張=>乳管拡張(疑)

2年前に細胞検査をして貰った大学病院に予約を入れようとしたところ、「健康診断の結果を持って来て貰えれば、診察だけなら8/29に対応可能ですが、超音波やマンモ検査をする場合は予約が一杯で10月になってしまいます。」と言われました。 そこで、検診を受けたところに、「マンモと超音波の結果が必要」と問い合わせたところ、「超音波の結果は写真もデータも残っていません」と言われました。そこで質問です。

1) 超音波検査のデータは直ぐに消してしまうものなのでしょうか? 普通は残すものでは無いのですか?
2) 「要再検査」の診断の場合、写真かデータを残すか、残せないなら、検診中に画像を見せて説明するのが普通かと思うのですが、どう思われますか?
3) 他のところで超音波検診を受けて写真を入手して、上記大学病院に行った方がよいでしょうか?
4) 検査も直ぐにして貰えるところに予約しなおした方がよいでしょうか?
5) 8/29は生理中なのですが、生理中に診察してもらうのはよくないでしょうか?
6) 以前「良性」だったシコリが「悪性」になることはありますか?
7) 「乳管拡張」ってどういうことでしょう?
8) 最近、眠っている間に脚がつることが多いのですが、何か関係ありますか?

長くなって申し訳ありませんが、ご回答宜しくお願いします。

1) メールに記載されている所見はエコー検査ではよく遭遇するものです。検診施設の場合、この様な所見のものまで記録に残せないのかも知れません。施設によると思いますが・・・。
2) そのようにすべきでしょう。しかし検診中の画像を見せながら言うのは無理かも知れません。取った画像をあとで検討して、結果を通知する方法とっている所が多いようです。
3) しばらくしてもう一回検査をうけることをお勧めしますが、大学病院にこだわる事はないと思います。
4) 近くで乳腺の検診をしてくれる所を受診し、検診結果で必要であれば乳癌の専門医のいる施設を紹介してもらいましょう。
5) 生理中でもかまいませんが、出来れば生理後の方が良いでしょう
6) ごく一部の乳腺腫瘍は良性のものが悪性になると考えられています。
7) 乳管が太くなった状態を乳管拡張といいます。超音波検査では乳腺症などでみられる良性の所見ですが、時に腫瘍と紛らわしいことがあります。
8) 関係ありません。(文責 吉田)

 

No.8190】  08年08月09日   M.T.
高齢者の手術適応について

95歳7ヶ月、6月に非浸潤で幅約5cm厚み2cmの乳癌が見つかり、患部のみ手術でくりぬく治療法をすすめられています。放射線はあてません。高齢でもあり、このまま何もせず様子を見たいと思うのですが、素人考えでしょうか?

患部のみをくりぬく治療法が良いと思います。この方法は局所麻酔で短時間に行えますし、切除した癌が本当に非浸潤癌であるか否かの確認もできます。年齢にかかわらず出来た癌の正確な情報知ることは重要と考えます。(文責 吉田)

 

No.8189】  08年08月09日   H.A
ホルモン療法について

術後、昨年11月よりノルバデックスの服用とゾラテックスの注射を続けています。先月子宮がん検診でクラス3という結果が出て、3ヵ月後再検査を受けることになっています。生理は術前化学療法を始めてからの昨年6月頃から止まったままです。再検査までの3ヶ月、ホルモン療法を続けていても大丈夫でしょうか。(33歳)

今回の子宮がん検診の結果とノルバッテクスは服用期間から考えて関係ないと思いますが、念のため再検査までノルバッテクスを中止し、ゾラッテクスだけ続けるようにしたら良いと思います。(文責 吉田)

 

No.8188-1】  08年08月09日   M.H.
再発後のホルモン治療と化学療法後の歯の治療について

お世話になります。乳癌再発後のホルモン治療と、化学療法後の歯の治療についてお尋ねします。初発は9年前、右乳房切除、ER(+),PgR(境界域)で、ノルバデックス4年服用後、アリミデックスに変更されました。アリミデックスを5ヶ月服用し、副作用(膣乾燥)が出て中止しました。今回再発(右内胸動脈周囲リンパ節に8ミリの腫れ)で、アロマシンを80日服用して効果なし(CT変化なし、CEA上昇中、膣炎発症)でした。現在、化学療法に切り替えてECを4クール(副作用のため薬量を途中から減量)終了し、タキソールが2クール目に入りました。EC、タキソールともに効果があり、CEAが2.2、CA15-3が8.8でした。タキソール4クール終了後の治療はホルモン治療になるかと思いますが、どのホルモン剤が私にとって有効か、その効果と副作用についてアドバイスください。また歯の治療で、抜歯は化学療法終了後どのくらい間隔を空けたらよいですか。以上、よろしくお願いします。  

アリミデックスなどのアロマターゼ阻害剤はあなたには合わないようです。決まった方法はありませんが、抗癌剤が効いているようですので、タキソール終了後、経口抗がん剤のゼロータをお勧めします。ホルモン剤であればフェアストンでしょうか。抜歯は化学療法後一ヶ月ぐらいたてば大丈夫でしょう。(文責 吉田)

 

No.8188-2】  08年08月18日   M.H.
再発後のホルモン治療と化学療法後の歯の治療について(2)

早速お返事ありがとうございます。
1)「タキソール終了後はゼロ‐タをお勧めします。」との回答を戴きましたが、その理由をお聞かせください。主治医は、「あなたの場合ホルモン療法が期待できない。」と言って化学療法に切り替えて下さいました。私はタキソール終了後はフェアストンになると思っていました。主治医は乳腺専門医ではありませんが、ゼロータの件を話すつもりです。
2) 抜歯の件、化学療法終了後1ヶ月と言う回答でしたが、ゼロータ内服となればゼロータ終了後と言うことで延期になりますか。

以上2つの質問よろしくお願いします。

1) アロマターゼ阻害剤のアリミデックス、アロマシンなどのホルモン療法が有効でなく,副作用もあるからです。が、フェアストンのホルモン療法を行う道は残されていると思います。
2) 抜歯をゼロータ内服前にする方策も考えられると思います。(文責 石川)

 

No.8188-3】  08年10月06日   M.H.
EC療法とタキソール療法終了後の治療について

HPNo.8188で相談しました。お世話になります。EC療法とタキソール療法終了後の治療について、薬は副作用を恐れず試してみるべきでしょうか。アロマシンを80日服用して効果なく中止し、17日後に抗癌剤投与。投与直前の採血結果では、CEAが前回検査より17.4から16.4に下がっていましたが、主治医は、「酵素阻害剤はだめだと決め付けないで、マーカーも下がり精神的にも落ち着いている今の時期にフェマーラも試してみてはどうか。ひとつずつ試していくしかない。」という意見です。私はフェアストンを希望します。私は73歳、骨量は年齢相応に低下、膝関節痛もあり、アリミデックスでは膣乾燥、アロマシンでは膣炎を発症しました。フェマーラの副作用が心配です。ゼロータについては歯の治療後、転居転院を予定しておりますので今は止めたいと思います。

ホルモン感受性陽性乳癌に対しては、ホルモン療法が推奨されます。フェマーラは他のホルモン剤で効果が見られない時でも反応する場合があり、試してみる価値はあると思います。効果と副作用の兼ね合いを見ながら使用薬剤を決めていくことになりますので、貴女の状態を最も把握して下さっている主治医と相談しながら、納得のいく治療法を選択して下さい。(文責 須田)

 

No.8187】  08年08月07日   A.W.
タキソテール後息苦しさあり&胸椎転移あり

左乳房全摘後、タキソテールの点滴後より息苦しさがあります。胸椎と腰椎に転移があります。点滴によるものでしょうか? それとも、何か他に考えられるでしょうか?

息苦しさというと癌が肺に転移したと考えがちですが、タキソテールの副作用として全身が浮腫状態になったり、胸水や腹水が溜まることが稀にあります。担当医にお話しして検査してみて下さい。(文責 吉田)

 

No.8186-1】  08年08月07日   PAPI
手術までに期間が2ヶ月ほどあります

初めての相談です。よろしくお願いします。7月中旬に左下乳房にしこりを感じ、個人医院で触診・マンモグラフィー・エコー・針検査の診察を受けました。その時点で「乳がんの可能性大」と言われ、4日後に針検査の結果、正式に「乳がん」と診断されました。8月4日に紹介状で大きな病院で再度同じ4通りの検査を受け、さらにもう1つしこりが発見されたので、現在結果待ちです。手術は混んでいて、最短10月中旬といわれました。手術までに期間が2ヶ月ほどあります。この期間、進行はどうなのかと聞いたところ、「神様に祈るしかない」「まれに待っている間に進行し、温存→全摘になった例も、まれではあるがある」と言われました。不安でしかたがありません。
1) 乳がんの進行速度は、目に見えてわかるものでしょうか?(個人医院で1.4ミリといわれたのですが、2週間後の病院での再エコーの画面を見ていたらでは、1.7ミリになっていたようなので、進行がんではないかと不安です)
2) 待っている手術までの2ヶ月の間に、進行を止める方法はあるのでしょうか?(薬剤など)

よろしくお願いします。

1) 一般に乳癌の進行はゆっくりであり、目にみえて増大するものは殆どありません。手術まで2ヶ月ぐらい待つのは許容範囲と考えます。
2) 3cm以上のものや腋窩リンパ節を触れるものでは、手術前に化学療法を行うことが多いですが、2.0cm以内であれば、そのまま待って手術を行うのが一般的です。昔は手術待ちの患者さんの不安解消のため、手術前に経口抗癌剤などを飲んでいただことがありますが、効果ははっきりせず、意味のないことと考えております。(文責 吉田)

 

No.8186-2】  08年08月30日   PAPI
再建について

HPNo.8186で相談させていただいたものです。ご丁寧な回答をありがとうございました。左胸に2つの乳癌があります。乳頭を中心にして、斜め左上側に1センチ程、下側に1.7センチ程です。リンパ転移の可能性ありです。乳房がかなり小さいので、温存したとしても形が引きつれるとの事で、全摘出を決めました。9月下旬に手術予定です。再建は、出来れば3年ほど置いてからの方が望ましいが、喪失感などの事を考えれば同時再建してもいいとのアドバイスもいただいています。再建のことで相談なのですが、担当医師には広背筋を使用する方法と、シリコンの方法を提案いただきました。

1) いずれの方法も、再発の発見への影響はないでしょうか?
2) 今後の治療方法はまだ分かりませんが、治療への影響はないでしょうか?
3) 今更ですが、乳頭を残しての再建方法もあるのでしょうか?

1) 以前は、再発の見逃しを避けるためという意味合いで2期的再建がすすめられていましたが、最近では同時再建でも局所再発発見の妨げにはならず、局所再発率も生存率も変らないというエビデンス(科学的な根拠)が得られ、いつ再建してもよいとされています。また乳癌診療ガイドラインによれば、広背筋使用と人工物(インプラント)挿入法のいずれでも再発診断に影響するという根拠に乏しい、つまり影響はないとされています。
2) 術後の補助療法は再建しない場合と変わりなくできます。
3) 例えば温存術で変形が予想されるときに、再建を前提に、皮膚と乳輪、乳頭を残す皮下乳腺全摘術を選択するという方法もあります。ただし皮下乳腺全摘術後の病理診断で、断端陽性の場合は温存手術と同様に追加切除、または全摘術が必要になります。(文責 片山)

 

No.8185】  08年08月06日   ハナ
針で細胞をとった後の痛み

6月に受けた市の検診でマンモグラフィの結果が要再検査でした。指定された大きな病院で、指定された日時(8/4)に、外科での再検査となりました。マンモグラフィを撮り、それからナースによる超音波がありました。エコーをナースがされることに少しびっくりしましたが、資格をとっているのだろうと自分なりに納得しました。それから針にて細胞を取ることになり、研修医のような24,5歳の新人らしき方が現れ、みるからに自信がないのです。息で自分を落ち着かせながら、何度も採ることを試みるのですが、うまくいかずに時間ばかりがかかっていました。そして、ついに針をさしたのですが、痛くて痛くてたまりませんでした。針をさした後も、その中で針を横に移動させているのです。激しい痛みでした。それから今度は横になり、また同じ辺りの細胞を取るのです。それも激痛でした。私の胸が異常に小さいということも関係あるのでしょうか? 翌日の今でも、その辺りを触ると傷みます。友人に聞いてみると、彼女はチクッとする痛みで終わったということでした。彼女は乳腺外科での検査を受けました。未だに怖くてたまりません。「胸は大丈夫なのか?変なところに針をさされたのではないだろうか? 刺激を与えたために癌になるのではないだろうか?」などなど、いろいろなことを考えてしまいます。検査の結果は8/11(月)に聞きに行きます。怖いので再度、専門の病院に検査に行こうかとも考えていますが、マンモを6月と昨日受けたので、年に3度も‥・となると抵抗があります。お手数ですが、お考えをお聞かせください。宜しくお願いします。

細胞診で痛いのは乳腺の実質が多いせいでしょう。脂肪の多い乳房は細胞診で刺しても痛がらない傾向があります。また細胞診は細い針で出来るだけ多くの細胞を取ることを目的にしていますので、針を横に動かすのは常識です。8月11日結果が心配ないものであれば、そのままで様子を見ていて良いでしょう。もし悪性が疑われるようでしたら専門病院を受診するのも良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.8184】  08年08月06日   F.H.
細胞診

現在35歳、31歳の時に15ミリのやや不恰好な形のしこりが見つかり、半年の間に細胞診を3回しました。全て異常なしとのことで、「死んだような?細胞が取れたので、炎症を起こしているのでしょう」という説明を受けました。その後安心して出産を2回したのですが、最近になって不安になってきました。そこで質問させていただきだいのですが、
1) 細胞診の正確性は80%ほどだそうですが、3回とも異常なしだったのであれば、 かなりの確率で信頼できるものと考えてよいですか。 (エコーを見ながら針を刺しました)
2) もし妊娠前に悪性のしこりがあったとすれば、妊娠、出産、授乳によって進行が早くなってしまうのでしょうか。私は2回も出産しているので心配になってきました。

1)エコー下で3回やって陰性であれば、まず大丈夫でしょう。
2)妊娠、出産、授乳によって乳癌の進行が早くなることはありません。全く心配ありません。(文責 吉田)

 

No.8183】  08年07月29日   kirikiri 
重粒子線・陽子線・放射線治療について(HPNo.7973-2)

HPNo.7973でご相談させていただいたkirikiriと申します。結局、主治医と再度相談し、6月に乳房温存手術を受けました。病理結果は次のとおりです。
Mucinous mixed type (other histological component:Solid-tubular)←ちなみに初発はMucinous pure type Intraductal spread:+, Pattern:Local, Type: Solid, EIC:-,Extent of spread of cancer cells: 1.8*1.3*4.5, Sizw of invasive ca.: 1.8*1.3*4, Noninvasive ca.:Invasive ca: 0.1:10, Strucural atypia:3, Nuclear atypia:2, Nuclear grade:2, Number of mitotic figure:5-10, Surgical margin:+, Accompanying views:Fibrocystic disease, Calcification:none エストロゲン:3+, プロゲステロン:-, Her2:- 断端陽性:しこりは乳房の付け根から乳首に向かって縦に長く伸びており、乳首付近は取りきれた(段端陰性)けれど、乳房下部(裾野付近)に2か所、1ミリ大の取り残しがある、と言われました。(←PETで厳重経過観察し、大きくなるようなら追加切除、ということになっています)

現在最も大きな問題ですが、手術前に撮影したCTで、右側(しこりがある胸と同じ側)肺門リンパ節に3センチ大の転移巣が見つかり、PET検査で悪性と確定しました(それ以外の遠隔転移等はありませんでした)。CTは6年前の手術直後に、放射線治療の位置決めのため一度撮りましたが、その際は特に転移巣は指摘されず、その後、6年間撮ったことがなかったため、この転移巣については、今までまったく指摘されませんでした(その間、半年に一度胸部レントゲンは撮影していたけれど、特に指摘されず)。主治医(外科医)によると、肺門部の転移巣は手術できないそうです。今は、全身の微小転移の予防も兼ねて、ゼローダを飲んでいます。2クール終えて先日CTを撮りましたが、転移巣の大きさ変わらず、「大きさが変わらないのはゼローダが効いているためか、そもそも大きくならない癌なのか、現時点では判断できない」ということで、あと2クール追加して様子を見ることになりました。ゼローダによる治療を一定期間続けたあと、主治医からは、「三次元ピンポイント照射ができる施設で、肺門部リンパ節を治療したほうがいい」と言われていますが、具体的にどの施設で、というサジェスチョンはいただいていません(主治医は外科医で、最新の放射線治療についてはあまりご存知ないところもあるそうです)。選択肢は、「@通常放射線の定位照射(三次元ピンポイント) A重粒子線 B陽子線」のいずれかになると思います。@については既に鹿児島の施設で治療を行っている放射線科の先生にご相談し、「照射可能」と言われていますが、ABについては、これから施設に問い合わせる段階です。
そこで質問ですが、もし、重粒子線もしくは陽子線による治療が可能と言われた場合、通常の放射線ピンポイント照射と、重粒子線・陽子線と、どちらが私にとってベターな治療法なのでしょうか?放射線治療は一箇所に一度しかできないと聞いたので、慎重に選択したいと思っていますが、3つの違いがよくわかりません。癌のタイプや部位によって、得意不得意があるのでしょうか?(治療費や治療期間の違いについては理解していますので、それ以外の医学的なご意見をいただきたいと思います)
よろしくお願いいたします。

通常の放射線治療では癌だけでなく周囲の正常細胞にも影響が出るため、分割して照射するなど工夫して治療するのですが、陽子線、重粒子線は体の中にある癌の病変部に集中して照射をすることが可能であり、手術と同様の効果が体に負担をかけずにできることが期待されます。特に重粒子線はその強い細胞を死に至らしめる能力により、酸素濃度が低いなどの放射線抵抗性の癌に対しても効果があると言われており、他に治療法が確立されていない癌に対し試験的に治療が開始されています。転移再発乳癌については、手術や放射線治療といった局所療法の効果には限界があり、ホルモン化学療法といった全身療法の効果が期待できるため、放射線治療は骨転移の疼痛や他の治療の効果が期待しにくい脳転移などに限られているのが現状です。その特性からは通常の放射線や陽子線よりも重粒子線が優れた治療と考えますが、乳癌のリンパ節転移に対する局所療法の効果は確立しておらず、現時点では試験的な治療であると考えます。(文責 浜口)

 

No.8182】  08年07月29日   N 
妊婦の乳がんについて

私は現在妊娠6ヶ月で、右胸の乳輪直下に2センチの浸潤性ガンがあると言われました。妊娠中の乳がんは、やはり乳房全摘出になってしまうのでしょうか。出産は普通にできますか。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

妊娠中も手術は可能ですが、術後の乳房照射の安全性は確立しておらず、出産後まで乳房照射を待つことが可能であれば乳房温存手術も可能です。妊娠が乳癌の病状進行と直接関係があるとの根拠は乏しく、基本的には治療をしながら出産は可能です。また、必要性が危険性を上回ると判断すれば、妊娠中でも術後抗癌剤投与も可能です。(しかし、胎児の生殖能力に影響を与える可能性はありますが)妊娠と乳癌治療とで大変とは思いますが、ご家族や主治医と納得いくまでよく相談して治療方針を決めて、治療を頑張って下さい。(文責 浜口)

 

No.8181】  08年07月29日   M 
これは乳ガンでしょうか?

現在私は17歳ですが、1週間程前から胸の右側だけに違和感を感じます。硬さも左より硬いです。しこりもあるように思えますし、大きさも微妙に右側の方が大きい気がします。17歳で乳ガンになるとは信じたくないのですが、これは乳ガンでしょうか? 怖くて親にも相談できないでいます。よろしくお願いします。

乳房に左右差があることは珍しくなく、違和感も生理前後には正常でも起こる症状です。あまり乳癌の心配はないと考えますが、心配であれば一度乳腺外科を受診されたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8180】  08年07月29日   Y.F.
しこりの消失

よろしくお願いします。こちらで何度かお世話になっておりますが、過去の質問では経過がまとまりづらいと思いましたので、改めて今までの経過を書きます。
1) 数年前、乳頭から分泌物があり、A病院で初めて乳がん検診を受けました。分泌物は異常なく、乳管が拡張しているという事と、のう胞がいくつかあると言われました(手で触ってもわからないような小さいものばかり)。
2) その数ヶ月後、初めて手で触れるしこりを発見し、ちょうど友人が線維腺腫で手術をした話を聞いた直後だったので、1.のA病院ではなく、友人も行ったB病院で診てもらいましたが、のう胞と診断されました。(エコーにも確かにはっきりと、のう胞の映り方をしていました。)
3) 上記1.のA病院での検診後1年経ったという事でA病院へ、経過観察の検診へ行きましたが、ここでものう胞と診断され、念のためという事で腫瘍マーカーの検査もありましたが、異常ありませんでした。
4) 上記3.の検診後、1年半以上が経過したところで、検診に行く事にしましたが、それまでネットでいろいろ調べると、のう胞に針を刺して検査をしている人が結構いたのに自分はそれをやった事がなかったので、それまで行っていたA病院やB病院でいいのか不安になり、乳腺専門のC病院へ行きました。2.の時に初めて手で触れたしこりはずっとあったので、今回ものう胞としてエコーに映ると思っていたのですが、C病院では初めてそのしこりがのう胞として映りませんでした。のう胞が消えて別のしこりが出来たのではないかと言われました。ここではそのしこりに対し、細胞診を行い、結果はクラス2との事でした。
5) 4.の後、半年経ち、病院に行く事にしましたが、C病院が遠かった事と、ちょうど知人が乳がんを発見され手術したときだったので、その知人が乳がんを発見されたD病院へ行きました。しこりは相変わらずあったのですが(のう胞ではなく4.のクラス2と診断されたしこり?)、エコーには映らず、異常なしと言われました。見落としかと思い、先生にはしこりがある事は伝え、触って認識はしてもらいましたが、それでもエコーには映らず、「エコーに映らないものもある」と言われ、こちらでも相談しましたが、エコーに映らない=悪性を疑うものではない、という考えでいいとの事でした。
6) 5.の半年後、また前回と同じD病院へ検診に行きましたが、結果は5.の時と同様でした。

そして、最近、ずーっとはっきりあったしこりが、なくなっている事に気づきました。のう胞であれば、消失する事はあると聞いた事はありますが、今までの診断を振り返ると、私の胸に一番最後に存在していたしこりは、のう胞ではなく、4.のクラス2と診断されたしこりという事になると思います。

質問1: のう胞ではなく、クラス2と診断された良性のしこりが、姿を消すという事は普通にある事なのでしょうか?
質問2: それ(しこりが消えたという事)は、心配するに至らない事なのでしょうか?

乳腺組織はホルモンの影響で増殖したり退化したりしているので、良性のしこりが目立たなくなることは考えられ、悪性の可能性は低いと考えてよいのではないでしょうか。経過をみるのであれば、同じ病院で経過をみるか、もしくは紹介状を持って次の病院を受診する方が経過がわかりやすくて、よいと思います。(文責 浜口)

 

No.8179】  08年07月29日   O 
黄色い分泌液

20歳の娘です。右乳首から黄色い液が2,3年前から時々周期的に出ています。心配で隠していたと言うのです。しこりなどはありませんが、癌の検査をしたほうが良いですか?

一般的には黄色い液であれば心配ないことが多いですが、非常に早期の乳癌ではしこりは触れない場合もありますので、心配であれば一度検査を受けたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8178-1】  08年07月29日   m
術後治療&転移・再発率

いつもお世話になっておりまして、大変感謝しております。術後からずっと気になっていることがありまして、ご相談申し上げます。術後、病理結果が出た後に、手術を執刀して下さった主治医の先生が、「転移性乳癌、もしくは進行性乳癌」とおっしゃっていました。また、転移することを予測して治療方法など説明を受けました。思わず、「転移するのですか?」と聞いてしまいました。新しい主治医の先生は、「ホルモン療法で引っ張れるところまでやりましょう。再発、転移した場合、武器は多い方がよいから。」と、やはり、転移することを前提にお話されていると思いました。「どのくらい悪いのですか?」とお聞きしたところ、「硬癌でリンパ節に転移しているからね。」とのこと。病理結果は、「45歳、2年前に左全摘出、腋リンパ節1個、硬癌、悪性度3、f 浸潤、リンパ管+1、HER2+1、大きさ1.5センチ」。治療方法は、ホルモン療法中(タスオミン、リュープリンは2年間終了)CEF4クール行いました。

1) 手術中の状態や病理結果などで、必ず転移、再発すると予測できるのでしょうか?(CEF後タキサン系もやったほうがよいと言われていましたが、私にいえないほど、何か悪いのではと勘ぐってしまっています。)
2) 5年、10年後の転移、再発率はどのくらいでしょうか?

まとまりのない相談で恐縮ですが、よろしくお願いします。

1) 術後再発するかどうかを正確に判断することはできませんが、再発リスク予測因子を組み合わせることによってそのリスクをある程度予測することは可能であり、スイスのザンクトガレンで2年に1回行われるエキスパート達によるミーティングではリスクを3段階に分類しています。
2) あくまでも参考ですが、再発リスクを予測するAdjuvant onlineによれば、手術のみでの再発リスクは51.6%となり、現在のホルモン化学療法で24.2%に減少します。(文責 浜口)

 

No.8178-2】  08年08月15日   m
転移性乳癌、進行性乳癌について

HPNo.8178でご相談したものです。早速のご回答ありがとうございました。お忙しいところ申し訳ありませんが、転移性乳癌、進行性乳癌について、どのような癌なのか、ご説明して頂けましたら幸いです。また、病理結果から、私の場合、転移性、進行性乳癌なのでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

まず、mさんは転移性、進行性乳癌ではありません。骨、肝ぞう、肺、胸膜など血行性に転移した場合を転移性乳癌と呼ぶことが多いです。そうならないような治療が、ホルモン療法(タスオミン、リュープリンは2年間終了)やCEF4クールなのです。進行性乳癌も曖昧な言葉です。あまり、この言葉にこだわることはありません。なぜなら、mさんは転移性、進行性乳癌ではないからです! 再発(転移)リスクを半分に下げる治療を受けた、もしくは受けているのですから、あまり変な勘ぐりはしないほうが良いと思います。言葉の足りない主治医であれば、同じ質問を直接聞いてみる方がいいと思います。(文責 緒方)

 

No.8177】  08年07月29日   IT 
手術について

今年4月に1度、ゾラデックスの副作用についてご相談させて頂きました。その節は丁寧なご回答ありがとうございました。
半年間の術前化学療法(タキソールーFEC)を終え、7月初めに温存+腋下リンパ郭清+同時再建(広背筋)の手術を受けました。乳がん診断を受けた当初、「左胸に28mmと腋リンパに2mmの腫瘍があり、手術より先に化学療法を行うが、抗がん剤の効果で腫瘍が見えなくなったとしても細胞レベルでの状態はわからないので手術(リンパ郭清含む)は必ず行う。」と言われ、現在の乳がんの標準治療からしても手術は避けられないものと、あきらめていました。化学療法終了後、MRIではどちらの腫瘍も画像上は消失していました。その際も、「リンパ節は実際に手術で取り出してみないと転移腫瘍の個数がわからず、その後の放射線治療の判断の為、リンパ郭清は行う。」と言われ、仕方がないものと思っていました。しかし、温存手術をすると決まった段階で術後の放射線治療は必然とも言われており、化学療法で画像上消失しているのなら、胸の温存手術のみでリンパ郭清は行わずに放射線治療を行うという選択肢は無かったのだろうか、と疑問を感じています。手術必然、リンパ郭清必然と思ってあきらめていた為、手術前にもっと主治医に聞くべき事があったのではないかと今更ながらの思いにたえません。リンパ転移があった場合、化学療法で腫瘍が画像上消失したとしてもリンパ郭清は必然的なものなのでしょうか。ご回答くださいます様、よろしくお願い申し上げます。

腋窩リンパ節転移は重要な予後予測因子であり、転移の数が生存率と相関があることが知られています。画像上消失したとしても、病理学的に腫瘍が完全に消失したとは言えず、また、腋窩リンパ節郭清は局所コントロールに優れています。化学療法の進歩に伴い、今後は手術が省略される可能性もありますが、現時点ではリンパ節郭清が標準的治療と考えます。(文責 浜口)

 

No.8176】  08年07月29日   I  
浸潤性小葉癌について

2週間ほど前に乳首より血が出ているのに気がつき、乳首真下にしこりがあるのに気がつきました。細胞診の結果、浸潤性小葉癌と思われるとのことでした。調べてみると、数少ない癌であることがわかりました。腫瘍の大きさは6ミリほどですが、今後どのような治療をしていけばよいのでしょうか? 温存は考えないほうがよいのでしょうか? 9月に結婚の予定もあり、年齢(32歳)のこともあって、妊娠・出産もできたらと思っています。どのようなことに注意すればよいのでしょうか? よろしくお願いします。

腫瘍の大きさは小さいですので、乳房温存術も考えてよいと思いますが、乳頭の真下にあって乳頭側に進展や浸潤があるようであれば乳頭を残すことは困難かも知れません。また、浸潤性小葉癌は多発する傾向があることが知られておりますので、乳房内の再発には注意が必要です。もしも、乳房切除が必要であれば、再建術も考慮してみてはいかがでしょうか。妊娠、出産は基本的には可能ですが、術後にホルモン療法や抗癌剤治療が必要な場合には影響が出る可能性がありますので、術後補助療法(再発予防治療)の方針決定の際には主治医とよく相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.8175】  08年07月29日   N
生検は必要ではないのでしょうか? (HPNo.8080-2)

先日相談させて頂きました。No.8080のNと申します。丁寧な回答を受け、病院探しができましたこと、感謝申し上げます。今回は検査について伺います。最初は温存ということでしたが、エコーで2つ目の小さな腫瘍が見つかり、造影剤を使ったMRIで新たに広範な病変がみられました。その為、全切除術をすすめられました。組織診は浸潤性小葉癌か硬癌のどちらかで、2つめの腫瘍は細胞診の結果待ちです。ステージUaで、リンパ節の転移の可能性はないということです。このMRIで見られた広範な病変は擬陽性ということは考えなくていいのでしょうか? 生検は必要ではないのでしょうか。温存から全切除になるので切り過ぎにならないのか教えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

病変の広がりを診断するには造影MRI検査は有用で、乳管内進展などの非浸潤癌成分も描出可能です。しかし、微小な病変では良悪性の鑑別が困難なことも少なくありません。細胞診で悪性が出ない場合には再度主治医と相談されたらよいでしょう。浸潤性小葉癌は多発する傾向が高いことが知られており、注意が必要です。(文責 浜口)

 

No.8174】  08年07月29日   Y.K. 
肝機能について

たびたび拝見させていただいております。H6年に右側全摘後、平成12年に手術跡に皮膚転移し、その後2回、皮膚転移の後、平成17年に今度は左側全摘、ノルバテックスとゾラデックスで、現在にいたっています。右側の手術跡に皮膚転移がそのままあるのですが、「ホルモン療法がきいて、おとなしくしているので、そのままにしておこう」と、そのままにされています。3月に前の病院が閉院され、今の病院に転院してきた際、骨、肺、肝臓とひととおり検査したところ、転移はありませんでした。ただし、脂肪肝とのことでした。さて、血液検査で、GOT35→56 GPT59→110 γGTP97→77(前回3月、今回6月)となりました。もう一度血液検査をして、CT造影検査をしようかと言われたものの、LDH、CEAは正常なため、「脂肪肝かな、転移はしていないと思うけどなあ、それなら、なぜγGTPが下がるのかなあ」と、首をかしげられました。前の病院では、この3つが高くなることがたびたびあり、「脂肪肝」と言われていました。実は、4月頃より漢方薬を飲み始め、それに伴い玄米食にし、肉類(牛、豚)を一切食べないようにしました。これが、かえって肝機能を悪化させてしまったのでしょうか。今まで、GPTが100を超えたことはありませんでしたし、やはり、転移の可能性もあるのでしょうか。14年もずっと病院通いのため、気持ちも沈みがちです。

肝転移と脂肪肝はCT,MRI,超音波などの画像診断でほぼ鑑別可能であり、やはり脂肪肝の可能性が高いのではないでしょうか。ノルバデックスでも中性脂肪が高くなり、高度の脂肪肝がみられることもありますので、主治医に相談してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8173】  08年07月29日   Y.M. 
放射線治療後 腕 むくみについて

去年9月に母が乳房温存手術をして、術後抗がん剤治療を受け、現在は放射線治療中です。残り3回くらいのようですが、ここ最近になって腕がむくみ始めました。担当医によると「放射線治療で軽度にむくむことがある」と言う事ですが、放射線治療終了すれば 治っていくものでしょうか? 今は、腕を上に上げて寝たりしているだけで、マッサージやリハビリなどはありません。軽度であっても、積極的にするべきでしょうか? 母も少し気なっているようなので、質問させてもらいました。よろしく御願いします。

手術や放射線治療後は手術した側の腕はリンパ液のうっ滞が起こりむくみやすい状態です。経過とともに改善することもありますが、むくみが続いたり悪化することもあります。むくみとうまく付き合っていくには早期から対処することが必要ですので、なかなか改善しないようであれば主治医に相談してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.8172】  08年07月26日   N  
同時再建後の痛みについて

乳癌の腹直筋皮弁法による同時再建をして半年経ちますが、お腹を締め付けられるような痛みがあります。食事をするのも苦しい状態です。この痛みはどのくらいで治まるものでしょうか。痛みをどのようにして改善できるでしょうか。お教えください。

手術の方法によっても違いがあるかも知れませんが、腹部の筋膜や皮膚を切除した後に縫い寄せるので多少のつっぱりや違和感はあり、時間とともに和らいでいくのが一般的です。痛みが強いようであれば、鎮痛剤などによる対症療法を行います。また、痛みが長期に改善しないようであれば、腹壁瘢痕ヘルニアなどの合併症が原因となっている可能性もあるので、主治医に相談してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8171】  08年07月26日   S.T
乳房温存切除後の放射線治療について

7mmの浸潤癌の乳房温存切除手術をしました。今後の治療について、主治医から、「放射線治療も必要ないと思うのだけど」と言われ、驚いています。乳房温存の手術と放射線治療はセットだと思っていたからです。ホルモン感受性が強いらしく、「ホルモン療法のみでいい」というようなケースってあるのでしょうか? 「51歳という年齢、ホルモン感受性などから、放射線治療をうけるメリットとデメリットを考慮すると迷うところ」と言われましたが、これはどういう意味を含んでいるのでしょうか? 取り残しや、目にみえない癌を叩くのが放射線治療と認識しているので、やっぱり必要なのではないかと思うのですが、教えてください。

早期乳癌に対する乳房温存術後の乳房照射は局所再発のリスクを約1/3に減らす効果があり、基本的には乳房照射をするのが一般的です。しかし、生存率には差がないと考えられますので、腫瘍が小さく断端が十分に確保されているケースなどでは乳房照射を省略できる可能性もありますが、十分なデータの蓄積は無く、しっかりとした病理学的検索を行った上で、患者様の同意の下に行うべき治療であると考えます。(文責 浜口)

 

No.8170】  08年07月26日   I.T
外科的生検

いつもこのサイトを参考にさせていただいてます。45歳、2児の母です。去年10月頃より授乳中の時のような張りがあり、乳首をつまんでみると薄黄色いサラッとした分泌物が出ました。分泌物はその後も続いていますが、つまむと出るという具合です(左乳房のみ)。今年2月に地域の総合病院(乳腺外来・乳腺専門医・去年の手術件数約200)を受診しました。マンモ・触診は気になるところは無く、念のため分泌物の検査とエコーをしたところ、エコーではしこりがはっきりと1つ(1cm)映ったようで、その場で注射針をさしての細胞の検査をしまた。検査の結果は分泌物・細胞診とも良性でした(この病院ではレベル別ではなく、良性・悪性・鑑別できずの3分類だそうです)。5月再度エコー検査…上記のしこりの大きさは変わらずでしたが、新たに小さいしこりが5つありました。その後 コアニードル生検…良性、MRI…乳がんの疑いが強い。上記の結果が出たことで、担当医は「外科的生検を薦めます」とのことです。最初に確認した一番大きいしこり(左乳房・乳頭より若干上の奥)と、その周りを含めて取るようです。傷口は2cm強で、切除後は周りの肉を寄せて乳房を整え、約1週間の入院予定。私としては、やはり良性と出ているものを手術することに戸惑います。
1) 最近は外科最的生検はほとんどしなくなったと聞きましたが、私のような場合、このような手術による生検をした方がよいのでしょうか?
2) 生検後「悪性」と診断されて追加手術となったとき、温存手術・センチネルは出来ないと聞きましたが、本当ですか?
3) この生検は詳しくは何生検(切開?切除?摘出?)というのでしょう。また他にデメリットとなることはあるのでしょうか?

今の病院は患者数が多く、担当医ともゆっくり話が出来にくく、いつも帰ってから「あれも聞いておけばよかった」と思うことが多いもので、このサイトで相談させてもらいました。大変お忙しいと存じますが、よろしくお願いいたします。 

細胞診や針生検の普及に伴い、腫瘍の摘出生検が必要なケースは確かに減少してきています。しかし、乳腺腫瘍の場合には良性と悪性の鑑別に難渋するケースも少なくなく、針生検の少量の組織では診断困難な場合には腫瘍摘出術が必要になります。組織の診断と画像診断が一致せずに乳癌の可能性が否定できなければ、やはり腫瘍摘出術を考慮します。もしも腫瘍摘出術で乳癌の診断がついた場合には、断端が確保されていなければ追加の切除をすることになり、乳房温存手術も可能ですが、やや切除範囲は大きくなる傾向にあると言われています。また、摘出生検を行った後にはセンチネルリンパ節が見つけにくくなるとの報告もありますが、使用する色素の量や注入する場所を工夫することにより、センチネルリンパ節生検は可能であると考えられます。乳腺外来の医師は忙しそうに見えるかもしれませんが、遠慮せずに疑問な点はちゃんと主治医に質問して納得したうえで手術を受けるようにして下さい。質問したい内容を箇条書きにしていけば効率よく質問できると思います。(文責 浜口)

 

No.8169】  08年07月26日   H  
摘出生検

お世話になります。50代で出産経験はありません。居住市内に乳腺外科がないものですから、今年正月、三時間ほど離れた市で乳がんドックを受けました。10ミリ内の腫瘍が見つかり、針生検で良性という回答をいただきました。半年の経過観察で、今月マンモとエコーと触診と再診を受け、14ミリになっているという事で、再度の針生検でまた良性と言われました。仕事の都合もあり、遠隔地なので面倒だと思い、よく調べもせずに五日前に切開で摘出をしていただきました。内出血をしたようで、二センチ位の傷下一面が葡萄色に変色しています。少しずつは治っている気もしますが、心配です。
1) 内出血の原因は何でしょぅか?
2) 万が一、生検で悪性となる可能性があったとしたら、癌が散らばるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

腫瘍摘出術の合併症として出血があり、手術直後には出血していなくても、術後時間が経ってから出血することはあります。徐々に治ってきているのであれば経過をみてよいでしょう。もしも悪性であれば周囲に癌が残っている可能性があり、基本的には追加の切除が必要になります。(文責 浜口)

 

No.8168】  08年07月25日   F.K. 
タキソテール

いつも参考にさせていただいております。私は39歳、子供二人です。一昨年4月に左全摘手術をうけました。FECを6クール→ノルバディックス+リュープリン治療をうけていましたが、昨年6月に肝臓に転移がみつかり、タキソテールを15クール、ハーセプチンは回数は詳しく覚えていないのですが、ちょうど開始してから一年になります。先月6月のCT検査で肝臓の転移が画像上ではなくなっていました。主治医から、「病状が少し落ち着いているので、タキソテールをしばらくお休みしては?」という提案をいただきました。お休みできる喜びと、それ以上の不安があります。ハーセプチンは続ける予定です。お忙しいところ申し訳ありませんが、他に相談できるところがありませんので、メールさせていただきました。ご意見をいただければと思います。

乳癌の転移、再発の治療が効いて画像上消失しても、必ずしも細胞レベルで癌が消失したわけではありませんので、治療をどこまで続けるのかは非常に難しい問題です。タキソテールも長期使用していれば耐性が出てくることが考えられますので、タキソテールを休薬して比較的副作用の少ないハーセプチン単剤で治療を続行し、もしも転移が再度増大するようであれば、ナベルビンなどの他の抗癌剤の併用を考慮するのがよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8167-1】  08年07月25日   K.K. 
ALPの上昇

3年前、36歳の時に、乳がんステージ1(硬がん1.7cm)で温存手術(センチネルリンパで転移なし)後、放射線治療を受け、HER2が強陽性だったことから、自費で1年ハーセプチンを投与し、昨年から3ヶ月おきにリュープリンを打っています(子供が欲しいということもあり、このような治療を選択しました)。腫瘍マーカーは、CEA1.4、CA15-3が8.5と、ほぼ変化なく推移(今回新しい抗p53抗体も0.69以下)していますが、ALPが当初218だったのが、昨年10月に300、その後もじりじりと上がり、6月の検査で418と正常範囲を超えてしまいました。「ALPが上昇すると骨転移の危険性がある」と聞いたことがあり、主治医は「様子を見ましょう」といいますが、不安です。肝臓機能を表すといわれているAST22、ALT16と、これもほぼ変化がありません。自覚症状というほどではありませんが、2年前に左大腿部を自転車で転んで強打し、ごくたまに鈍い痛みを感じます。(これは事故の半年後にMRIをとり、その時点では異常なしという所見でしたが)、このまま様子を見てもよいものでしょうか?

アルカリフォスフォターゼ(ALP)は骨ばかりでなく、小腸、腎、肝など正常の臓器に広く存在する加水分解酵素です。骨転移でも上昇しますが、様々な肝胆道系疾患、副甲状腺疾患、貧血、膵炎など様々な疾患で上昇することが知られています。すぐに骨転移を疑うものではないと考えますが、心配であればALPの分画を測定することにより骨由来であるか調べる方法や、骨シンチなどの画像検査で骨転移を否定することを考慮しても宜しいと考えます。(文責 浜口)

 

No.8167-2】  08年08月21日   K.K. 
骨シンチ

先日はありがとうございました。再度質問なのですが、ご回答いただいた通り、骨シンチを受けたところ、右肩甲骨外側に強い集積があるとでました。主治医に「ぶつけた?」と聞かれて、思い当たることがあったことからぶつけたと回答したところ、「ないことはないけど、様子を見ましょう。」と言われました。後でネットで調べたところ、「骨折するほどの打撲」という記述があり、そこまで強くぶつけた記憶はありません。(木製の椅子の角にぶつけたぐらいなのですが)再検査した方が良いでしょうか? 何度も申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

心配なら単純写真で骨破壊像がないかどうか確認することもできます。(文責 石山)

 

No.8166-1】  08年07月25日   S 
乳輪下膿瘍

25歳で出産の経験はありません。2年くらい前に、右の乳首の近くが赤く腫れ、触ると痛むという症状があり、病院で注射で膿を吸い出す処置を受けました。(病院では良性と言われました。病名は聞き取れなかったのですが、調べてみると乳輪下膿瘍でしょうか。陥没乳頭です。)
その後、何度か同じところが腫れて、注射で吸い出した穴から膿が出ることがありました。病院では「また腫れてきたら、切って膿を出しましょう」と言われたのですが、切ることが怖くなってしまって病院には行けませんでした。腫れては膿が出るのを繰り返していたのですが、1年ほど前から治まり、以前のように膿がたまることはなくなりました。現在、その場所は、しこりというほどではないのですが、皮一枚、分厚くなったような感じで、ほかの場所に比べて少し色が薄く見えます。生理前や、岩盤浴など体が温まると、右の乳房、脇がチクチク痛い時があります。我慢できない痛みではないのですが、このまま放っておいて大丈夫なのか心配になっています。乳がんなど大きな病気にかわる可能性はあるのでしょうか。下手な文章で申し訳ありません。病院で検査を受けた方がいいのでしょうが、どのような可能性があるのか知りたくてメールしました。どうか、よろしくお願いします。

乳輪下膿瘍は炎症を繰り返すことが多く、その後乳腺が硬くしこりのように触れることは考えられ、あまり心配はしないでよいと思いますが、乳癌でも同様の症状が出ることも考えられますので、一度診察を受けたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8166-2】  11年01月9日   S 
しこりについて

前回No.8166でお世話になりました。ありがとうございました。
今年3月末にマンモグラフィーとエコーの検査を受け、前回相談させていただいた乳輪下膿瘍(右の外側です)の上辺りをエコーで診ているときに、「少し水が溜まっているけど放っておいていい」と言われましたが、外には異常はないと診断されました。それから一年も経っていないので安心していたのですが、最近になって右乳首を触ってみると、乳輪下膿瘍の膿を注射で出した少し下の乳輪のふち辺りに、以前まで気がつかなかった5mm位の丸いしこりを感じました。痛みはありません。最近減量に成功して乳房の脂肪も減ったので、触って感じられるようになっただけで前からあったのかなとも思うのですが、いままでの胸が張ってしこりなのか分らない感触と違って、コロコロした感触ははじめてなので怖いです。乳輪下膿瘍の後だから心配ないと診断されたのか、新しく出来たものなのか、とても心配です。3月末に診てもらったあとに出来たという可能性もあるのでしょうか。回答お待ちしています。よろしくお願いします。

Sさま、ご回答が大変遅れ申し訳ありませんでした。さて、3月に乳輪下膿瘍が治癒されたと伺いました。良かったですね。 そして、おっしゃっている、乳輪の下に触れるしこりのようなものについてのご質問ですが、色々な状態があり得ると思います。 @放っておいて良い、とされたお水の溜まり。これは、正常乳腺にも良く出来る事が多い”嚢胞”と言うものですが、炎症が治った後などにも出来る事はあり得ます。そして、時に、中に溜まっているお水が増える方もいます。 A炎症が治った後には、組織を修復する為に”瘢痕”と言って、人体が傷口を治す為に作り出した接着剤のような組織があって、それが、炎症が治癒した後、徐々に分解吸収されるものなのですが、場合によっては、固い組織として、しばらく体内に残る事もあります。この他に、新しく腫瘍が出来る…と言う事も、全くない訳ではありません。勿論、昨年3月に検査した後で、そんなに早く腫瘍が出来る事は、比較的稀です。お話を伺って、憶測して差し上げる事は出来ますが、いずれも、あくまでも、お話の範囲から、我々が”想像”して、助言差し上げる以上の意味を持ちません 。(つまり、これは診察ではないので、”分かりません”と言う事です。) 極端に不安なものではない、とは思いますが、なるべく、先に受診なさった病院で、再度乳房エコーの検査を受けて、以前の状態と比較して貰って、不安を晴らされた方が得策だと思います。ご参考にして頂ければ幸いです。 (文責 矢吹)

 

No.8165】  08年07月25日   ゆぅ
タキソテール(HPNo.7915-5

HPNo.8066で相談をさせていただいたゆぅです。いつも、大変ご丁寧な返信をありがとうございます。先生方に精神的に支えられ救われる思いです。8066でタキサン系の副作用について相談をさせていただきました。先週の金曜日にタキソテール1回目を投与いたしました。本日で5日目になりますが、投与直後から口の中の違和感と口内炎がひどくなり、また2〜3日前から体が痛くなりました。また、胃や腸までが痛く、下痢の繰り返しです。少しお腹に湿疹もでました。手の痺れはなんとか軽いようです。処方されたお薬はビタミン剤?メチコバール500mgとロキソニン(痛み止め?)です。後は吐き気止めと消化薬(これはFECの時に処方されたものと同じ)、このお薬で副作用は軽減されるのでしょうか?消化剤は下痢になっていますから飲まない方が良いのでしょうか? また、3週間後には2回目の投与がありますが、副作用はFECのようにだんだん強くなるのでしょうか? いつも初歩的な質問ばかりですが、不安で仕方ないのです。

抗癌剤による副作用は様々なものがあり、患者様によっても個人差があります。副作用対策の進歩により様々な副作用の症状がある程度コントロールできるようになり、以前は入院で行っていた治療も外来で安全に行えるようになってきました。個人差はありますが、副作用を軽減することは可能だと考えます。消化剤も症状が軽減するようであれば続けたらいかがでしょうか。しびれなどは回数を重ねると強くなるケースもありますが、内服薬や休薬などで対処可能と考えます。(文責 浜口)

 

No.8164】  08年07月25日   ss
顎の下のしこりについて

宜しくお願いします。5年前 左DCIS、2年前 t1n0m0、ともに温存手術と放射線治療をしました。昨年から左耳の下、左顎の下に違和感があり、強く押すとごりごり当たるものがあります。乳癌と関係がありますか。耳鼻咽喉科を受診したほうがいいのでしょうか。

耳下腺、顎下腺や頚部のリンパ節への転移は稀であり、特に早期乳癌であれば可能性は非常に低いと考えます。耳鼻科受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.8163】  08年07月24日   S.M.
断端陽性

37歳、5月に乳がん告知、6月に皮下乳腺全摘出、広背筋による同時再建手術を受けました。先日病理検査結果が出ました。「腫瘍1.5センチ、硬癌、リンパ節転移なし(0/18) ly1  v0  ER+80% PgR+70% HER2 0」でした。今回一部皮膚側断端にわずかに陽性が判明しました。担当医は、「当初再切除を検討したが、場所が特定できないのと、数ミリで1箇所に限られているので、妥当ではない、今後化学療法(FEC3週に1回、6クール)とホルモン療法を予定しているので、それで消滅する可能性もある。もし再発してきたとしても、皮膚下なので発見が容易だから、その時その場所を切除すれば問題ない。」との判断です。
こちらとしては、少しでも再発の心配を減らしたいところです。先生にご質問したいのは、
1) 担当医の判断に問題はないか。
2) 他に少しでも再発を予防できる方法はないか。個人的には放射線治療が期待できないかと思うところですが、形成外科担当医は再建乳房が落ち着くまでに1年はかかるので、それまでは不可、また、乳房がかなり萎縮するので、再建した意味がなくなるから勧められないとのことです。
3) 再発した場合、皮膚下といいますが、どんな症状が現れると予測できますか。ぽつんと局所に限られて現れるのか、乳腺を切除してなくなっていても、新しい乳房内で移植した広背筋に根を張るように広範囲に広がって現れることもあるのか、また、再発の場合、再発部の部分切除のみで治療は済むものですか。

取り残しがあるまま不安な気持で過ごすのも精神的につらいです。どうぞアドバイス、よろしくお願いいたします。

断端陽性で追加切除しても、癌が残ってないことはよく経験されることであり、また、断端陽性の場所を的確に切除することは現実的にはなかなか難しく、もし追加切除したとしてもそこに癌が残っていない場合には適切な場所が切除されていないという不安が残ります。広範囲に切除すれば当初の目的である整容性は損なわれます。乳房温存術後の局所再発が生存率には影響しないことを考慮すると、補助療法を施行して経過を観察していくという判断は現実的な選択と考えます。切除断端陰性でも局所再発がゼロになるわけではなく、また、放射線照射も局所再発のリスクをゼロにするわけではありませんので、皮下にわずかな断端陽性があったとしても極端に再発のリスクがあがるわけではないと考えます。皮下の再発であればしこりとして触れるようになることが多いので厳重にフォローアップして、もしも、再発した場合には切除を考えれば宜しいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8162】  08年07月24日   D  
術後の処置について

4月下旬に乳房温存手術を行いました。術後3週間ぐらいしてから、手術した傷口よりオレンジ色の浸出液が出てきました。その後も浸出液が止まらず、一日3回ぐらいガーゼ交換をしています。この状態が2ヶ月続いています。先月は、傷口に管を入れたりして様子をみましたが、状態は変わらず、浸出液が出ます。オレンジ、出血、黄色など、どろったした感じのものがでます。傷口の痛みも手術後からずっとあります。飲み薬を何度か変えていますが、効果はありません(焼けた肌に洋服がすれると痛い感じの痛みと、ズキーンとした痛み)。現在は、傷口から食塩水で洗浄を週2回行っています。(いつまで続けるのかわかりませんが)
お聞きしたいのは下記の4点です。
1)手術後に傷口から浸出液がでることがあるのか。原因はあるのか。
2)術後浸出液が出るなどの場合の処置の方法について
3)手術後、浸出液が2ヶ月以上も出続けることがあるのか。
4)傷口の洗浄の効果はあるのか。

「もし、このまま浸出液が止まらなければ、再度手術をして、傷口の深いところで化膿しているところを洗浄する。」と言われていますが、これは適当な対応なのでしょうか?

術後に皮下脂肪などの組織が壊死したり、感染を起こしたりした場合には、傷口から浸出液や膿が流出し、治癒するまでに時間がかかることはあります。基本的には感染が疑われれば抗生剤投与と、汚い組織を排出させて、良好な組織があがってくるのを待ちます。そのために壊死した組織を切除したり、洗浄したり、場合によっては再手術が必要になります。長期化するケースはそれ程多くは無いですが、起こりうる合併症であり、適切な処置であると考えます。(文責 浜口)

 

No.8161】  08年07月24日   A.A. 
手術方法について

とても参考になるので、よく拝見させていただいています。43歳、未婚、出産歴なし(希望もナシ)です。右胸にしこりをみつけて、細胞診でVb、針生検で良悪判定がつかなかったので、摘出生検をしました。結果は最大3.2p、intermidiateのDCISでした。医師からはマンモでも、生検のオペのときも、石灰化が広がっているので温存は無理だと言われましたが、今回、断端陽性のため再手術が必要だが、温存+照射でもいいと言われました。どちらにしようか迷っています。
医師の説明では、切除と、温存+照射では、生存率、再発率も差がないとのことでした。放射線も副作用がない、ただ放射線を始める前に、次の手術で摘出して断端が陰性になるのを確認してから始めるので、治療期間が長くなることをいわれました。(私には8pの卵巣膿腫があり、乳ガンの手術が終わったら婦人科の手術を受けます)
自分で調べると、VNPIでは8点ですから、医師のいうように温存+照射が標準治療かと思います。ただし、広範囲な石灰化をどうとらえるか…多分主治医は良性の石灰化と判断していると推測しています。一方ガイドラインやリサーチ結果には、切除と温存+照射で、再発率に少ないながらも差があるエビデンスを読みました。また、放射線治療も、副作用があったり、事故が起きる可能性もあるようでした。そう考えると、どうしても乳房を残したい人は温存+照射も可能だ、しかし実際は切除の方がより「完治」を目指せる、と判断していいでしょうか。再発リスクをできるだけ抑えること、体に負担がかかることは避けたい(切除の方が大きな手術で負担だと思いますし、放射線も負担、と思います)の二点から、切除か、温存か、考えています。
もう一つよく分からないことがあります。DCISが局所再発した場合、温存の場合胸でしょうが、切除の場合、胸郭や付近の骨などになるのでしょうか。そうであれば、再発の治療は、温存していれば、そのとき摘出ができますよね。摘出後の再発なら、そのときは局所というより転移と同じような状況となるのでしょうか、教えてください。@再発リスクは同じと考えられるのか、A放射線のリスクもnegligibleなのか、B再発後の治療について、医師がいうことと調べたことに差があり、困っています。教えてください。お願いします。

広範な石灰化を伴う非浸潤癌の場合には、癌を残さずとることと整容性との間でなかなか判断が難しいことがしばしばあります。局所再発については、乳房切除と乳房温存+照射では差が無いとの意見もありますが、乳房温存+照射の方が局所再発率が高いという意見が一般的と考えます。特に、断端に癌が残った場合や、壊死型の石灰化の場合には局所再発率が高くなると言われています。非浸潤癌は理論的には遠隔転移をしないので、完全に治癒が望めるわけですが、乳房温存で局所再発した場合にはその約半数は浸潤癌の再発形式となるので注意が必要ですが、局所再発しても乳房切除を追加すれば、統計学的には生存率では差がないと考えられています。
乳房照射につきましては、ほぼ全例で軽度の放射線皮膚炎を認めますが、他の有害事象は頻度が低く許容範囲と考えます。
乳房切除後の局所再発については浸潤癌であれば皮下のリンパ管や皮膚、胸壁、リンパ節などへの転移も含まれてきますが、非浸潤癌の場合には皮膚近傍などに残った乳腺組織からの再発ということになりますが、頻度は低いです。治療の決定につきましては、かなり広範囲の石灰化があるようであれば、皮下乳腺全摘や再建も視野に入れて決定したらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.8160】  08年07月22日   S
MRI検査

エコーでしこりがあり、細胞診、MRI画像を取り、線維腺腫だろうということでしたが、心配だったので約1cmの線維腺腫を手術でとっていだだきました。マンモグラフィには何も写りませんでした(ちなみに32歳です)。その時にエコーで、もう1つ約5mmくらいのしこりがあると言われていたので、私はそれも手術でとっていただきたかったんですが、MRI画像診断では、大きいほうについてのみコメントがあり、小さいほうについては先生も触れられませんでした。「もう1個のほうは・・・」とお尋ねしたのですが、「心配ないよ」と言われ、それっきりでした。線維腺腫だった1cmのしこりは自分で確認できたのですが、5mmのほうはわかりません。癌だった場合は5mmぐらいでもMRIでわかりますか?MRIの検査は、先生が要求したところについてのみしか診断が出ないのでしょうか? 同じ左胸だったので、一緒に診断してもらいたかったのに、どうして1個だけ・・・と思ってしまいます。

5mm程度のしこりが癌の場合、MRIでわかることもありますが、わからないこともあります。エコーの所見を含めて総合的に判断する必要があります。やはり、主治医に質問して不安を解消してください。(文責 徳田)

 

No.8159】  08年07月22日   Y.A. 
リンパ節について(HPNo.7927-2)

今回はリンパ節について教えて下さい。手術前の検査はマンモグラフィー、エコー、細胞診、CT、MRI、骨シンチをやりました(センチネル生検はやっていません)。エコーの検査ではリンパ節の腫れは無いという事でしたが、MRI、CTにて腫れているリンパ節が1個あり、先生からは、「エコーのときは無かったので、細胞診による炎症性の腫れだと思う」との診断でした。確かに検査は激痛を伴い、2~3日は痛みがありました。手術後の病理の結果、リンパ節転移は0/13で、やはり炎症性のものだったのだろうということです。
1) 腫れたリンパ節は今回の腫瘤にとってのセンチネルリンパ節と考えていいのでしょうか? 
2) 私の腫瘤は上の内側の領域で、腋下リンパ節よりも鎖骨下リンパ節に近い所に出来ていました。リンパ節転移は必ず腋下リンパ節からなのでしょうか?

以上よろしくお願いします。

1) センチネルリンパ節かどうかはわかりません。
2) 腋窩リンパ節に転移がなく、鎖骨下や、胸骨傍のリンパ節に転移することもありますが、その可能性は、5%以下です。(文責 徳田)

 

No.8158-1】  08年07月22日   H  
摘出生検

6月中旬に脇の下寄りの胸にシコリをみつけ、6月末に乳腺外科に行きました。今までにマンモグラフィ、エコー、MRIの検査を受けてきました。そのシコリは8ミリ程、周囲に石灰化ありでした。反対の胸にもシコリがみつかりましたが、そちらは問題ないでしょうとのことでした。8月初めに摘出生検を受けることになっています。針検査もマンモトームもせずに、いきなり手術ということにまだ少し抵抗があります。3ヶ月毎の経過観察にする方法も無くはないが・・・とも言われましたが、悪性だった場合を考えると早く検査すべきだと思い摘出することに決めました。最初から手術をすすめる理由は、「小さいしこりに細胞診では上手く当たらない場合があり、見落としの可能性がある、刺激を与えるのも良くない。マンモトームは石灰化だけならやってみても良いが、しこりを伴う場合にはかき回して拡げる可能性もある、その後、摘出する時に困難になることもある、刺激を与えない方が良い、正確ではない」などです。確実で正確で安全な摘出をするのが最善方法なのだと伺ってきました。その結果で悪性だった場合、全摘することになるかもしれないと言われました。
私の母は20年近く前になりますが、当時のしこりの一部を採取して検査する方法で良性診断を受け、経過観察の後に手遅れで亡くなりました。そのこともあり、私も最初から摘出するのが一番良いのかもしれないとは思います。ただ、手術まで期間を空けた為、自分で毎日色々と調べたりしているうちに、摘出生検による散らばりもあること、その後の手術が困難になることもあること、センチネルリンパ生検への影響があること、などと書かれていることが非常に気になり、気持ちが揺らいできました。他の大きな病院にも7月初めに行ってみましたが、「専門医にかかるには色々な手順が必要で1〜2ヶ月先になるし、近くに専門医がいるのなら、そちらで摘出してもらった方が良いでしょう。」と看護士に言われ、診察してもらえませんでした。やはり、摘出するのが最善でしょうか。その前に細胞診だけでもお願いするべきでしょうか。(マンモトームは他病院でないと受けられません。)また、摘出生検でも傷以外に色々なデメリットがあるのでしょうか。(その手術では、しこりは全部採るが、石灰化は全部は採りきれないということです。)

細胞診が陰性であった場合、経過を見るのが心配になるでしょう。であれば、摘出生検が最善と考えます。(文責 徳田)

 

No.8158-2】  08年10月03日   H  
センチネルリンパ節生検

2か月前にNo.8158で相談させていただきました。摘出生検の結果は、「切除断端 −、硬癌およびDCIS grade3、腫瘍最大25o、波及度 f、comedo-type、浸潤様式INF−γ、リンパ 静脈侵襲 0、乳管進展+、微小石灰化、浸潤部 5oと7o、悪性度grade1、形成2、異型2、分裂1、ER 陽性、HER2 1+(進展部 3+)」です。脇の下寄りの手術だったため、センチネルリンパ節生検への障害が出ました。その後、術中迅速検査の出来る病院に転院しましたが、やはりSLNBは難しいようです。
1) こちらでは色素法で行っているそうなのですが、RI法、その他併用でならば見つかる可能性はあるのでしょうか。
2) 見つからなければ、郭清を受けるか、切除せずに放射線照射を受けるかで迷っています。

生検後まだ何の治療も受けていません。現在は、画像で同胸に別の怪しい部分が見つかったために針生検を受け、結果待ちの状態です。

腋窩近くの場合は、色素法でもRI法でも見つからない可能性が高いと思いますが、ひとまずセンチネルリンパ節生検を行い、不可能であれば郭清をするのがベストと思われます。郭清せずに放射線照射は行うべきではないでしょう。リンパ節転移の有無を調べることが大事であって、それにより今後の治療の必要性を検討するので、腋窩リンパ節の情報が得られないまま、放射線で局所制御をしても全身の治療にはつながりません。(文責 鈴木)

 

No.8158-3】  08年10月10日   H  
今後の方針について

お世話になっております。リンパについては、センチネルリンパ節生検を一応行い、不可能だった時には最低限の郭清をすることにしようと思います。摘出生検により浸潤部の硬癌箇所は取り切れた状態なのですが、DCISの方が残っているかもしれません。摘出した箇所以外に、CT検査結果で点状造影散在部のコア生検を受けましたが、結果は不明でした。手術については、私は、温存手術と放射線を受け、もし局所再発した時には全摘をする、という方向で考えていたのですが、今回の受診では、めんぽう癌であることと微細石灰化が拡がっていることや若年齢などから、全摘の方が最善なのかもしれないとの説明も受けました。そこで、今後の検査や治療について質問させてください。

1) CT検査では、乳管内進展病巣の可能性はあるが、対胸にも点状造影は散在するので、良性の可能性もあるということなのですが、マンモトームや切開生検を受ければはっきりするでしょうか。
2) 微細石灰化については、しこりのあった方の胸に散在しているのですが、これはすべて取り切った方がいいのでしょうか。
3) めんぽう癌は、局所再発を起こしやすく、放射線は効きにくいのでしょうか。
4) このような場合は、最初から全摘する方が完治あるいは延命につながる可能性があるのでしょうか。

恐らく、画像診断の限界にきています。後は術中、術後の病理診断で判断することになると思います。100%確実な画像診断はありませんので、CTの所見と、病理結果は乖離があるでしょう。事前に怪しいところをすべて生検、マンモトームということですが、一つの乳癌として連続性をもって病気は広がりますから、全体像を把握する方がいいでしょう。断片的に生検をしていると、メインの腫瘍との関連性、つながりの判断が難しくなると思います。微細石灰化については、怪しいものは取ったほうがいいでしょう。術中にレントゲンを撮って取り切れているかどうか確認することも必要です。怪しくないところに手を出す必要はありません。取り切れているのであれば、全摘も部分切除も予後は同等ですので、ご本人の考えている、部分切除と放射線でやってみては如何でしょうか?いずれにしても、画像は見ていませんので、最終的には主治医とご自身とで決めて下さい。(文責 鈴木)

 

No.8158-4】  08年10月21日   H  
術中検査について

色々有難うございます。ひとつ疑問に思ったので教えてください。術中に行われることとして、端に悪いものがないかを顕微鏡で調べるほかに、レントゲンを撮って取り切れているかどうか確認する、ということは一般的に行われることなのでしょうか。手術日まで決定したのですが、そこを確認するべきでしょうか。

マンモグラフィで石灰化の拡がりのある乳癌の場合、その石灰化が乳管のなかにがんが拡がったために生じている場合がありますので、手術で採取した標本をレントゲン撮影して石灰化の部分も完全に取りきれているかを調べることはしばしば行われます。(文責 谷)

 

No.8158-5】  08年11月28日   H  
術後治療について

こちらでお世話になり、少しずつ前進してきました。再度、よろしくお願い致します。乳房温存手術、追加手術にて切除断端陰性。センチネルリンパ゜節生検にて転移があったためリンパ節切除、結果転移1個。今後は放射線治療、その後ホルモン治療を行う予定です。そこで質問なのですが、
1) 放射線治療が終わってからホルモン治療を始めることは一般的でしょうか。最初の摘出生検から4か月後位に始めることになりますが、放射線と併用して始める必要はありませんか。
2) リンパへの転移があったわけですが、化学療法の必要はありませんか。

1) ホルモン療法と放射線の併用により肺臓炎の頻度が変わるのでは、ということで併用を避ける先生がいらっしゃいます。具体的な数字がどう変化するかは、私は知りません。ただ逆に、ホルモン療法の開始が「放射線照射の期間、つまり1-2ヶ月遅れる」ことが、その後の経過にどれくらい影響を及ぼすのかを考えた場合、それは「ないか、あってもごく軽微」なのではないかと思います。との考えから、私も、放射線科医の要望により、最近は併用を避けるようにしています。
2) リンパ節転移がある方の再発の危険性は、中〜高の危険度があります。中程度の場合は、ホルモン療法のみ、もしくは抗癌剤も両方行う、などいろいろな選択肢が考えられます。その後の治療は、腫瘍の状況、心身の状況、ホルモン感受性などから、主治医とよく相談して決められるべきでしょう。また、高い危険度の場合は、抗癌剤の使用を最大限考慮すべきと思います。(文責 河原)

 

No.8158-6】  08年12月10日   H  
ホルモン治療について

放射線治療終了後にホルモン療法のみを行う予定でおります。予想外にリンパ節への転移が一個あったために、しっかりしたホルモン治療を行うとのことで、主治医からは、ゴセレリンと併用し、タモキシフェンではなくトレミフェンでの治療をすると伺ってきました。私は37歳の閉経前なのでタモキシフェンだと思っていたのですが、しっかりした治療という意味でトレミフェンを選択するということもあるのでしょうか。それとも、子宮体ガンなどの副作用を考慮してのことなのでしょうか。トレミフェンは、本によっては閉経前後両方に使用可と読み取れる場合がありますが、日本では閉経後乳癌にしか承認されていないとも聞きます。また、薬の作用としては、どういった違いがあるのでしょうか。次回の診察時に主治医には再確認するつもりでおりますが、色々調べてもわからずに気になっておりますので、教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

乳癌診療ガイドライン(薬物療法)によれば、LH-RHアナログ(ゴセレリン)とタモキシフェン併用療法が,LH-RHアナログ単独投与より無増悪期間(TTP)ならびに全生存期間(OS)が良好と報告されているとあり、これをエビデンスと考え、またご指摘のようにトレミフェンは閉経後に適応の薬なので、私ならばまずゴセレリン+タモキシフェンでの治療を行うと思います。(文責 片山)

 

No.8157】  08年07月22日   M 
マンモ検査後の痛み

はじめてメールさせていただきます。3年前に乳腺症と乳腺のう胞と診断されて以来、痛みが続いており、先日、乳腺外科へ行きました。その時にはじめてマンモ検査をしました。ものすごく痛かったのですが、それから1週間以上経ちますが、乳房がはれていて、脇から腕、膝の裏、首のうしろなどに腫れが出てきて、痛みやしびれもあります。マンモ検査の圧縮で、何か悪い菌が全身にまわってしまったのではないかと不安です。次の問診まで3週間ほどありますが、早めにもう一度診てもらった方が良いでしょうか? 宜しくお願いします。

マンモグラフィで細菌の感染がおこることはありません。圧迫のために内出血したのかもしれません。そのような場合でも症状は軽快していきます。痛みやしびれが増強するようなら早めに診察を受けてください。(文責 徳田)

 

No.8156】  08年07月22日   M.T. 
微小浸潤癌(今後の治療について)

38歳、独身、出産経験はありません。今年5月に左乳房温存手術を受け、現在放射線治療(全25回)を行っています。最終病理診断では、非浸潤癌(95%)浸潤性乳管癌(5%)、リンパ節転移なし、顔つき3、ホルモン感受性なし、HER2(+3)との結果です。このような症状の場合の今後の治療法についてご教示いただきたく、投稿させていただきました。宜しくお願いいたします。

再発のリスクは、浸潤部の大きさに関係します。1mm未満であれば、微小浸潤癌とよばれ、非浸潤癌に近いリスクです。ホルモン感受性がなければホルモン療法の適応はありません。化学療法までする必要はないと考えます。(文責 徳田)

 

No.8155】  08年07月22日   K.M.
ホルモン療法の効果

最近の治療では乳癌が再発した後のホルモン療法が10〜15年ほど奏効する方がおられると聞きました。具体的にはどのような方がそのような経過をたどることが多いのでしょうか。ぜひ教えてください。

ホルモン感受性が高く、種々のホルモン療法剤の順次投与が奏効する場合と思います。(文責 徳田)

 

No.8154】  08年07月22日   JOON
骨転移について(HPNo.7938-2)

HPNo.7938質問をいたしましたJOONです。浸潤性小葉癌ステージVbで、丁度2年前に左乳房全摘手術と皮膚移植をしました。腫瘍経は5cm、胸壁にがっちり固定されていました。リンパ節への転移は13個中1個だけでした。グレード1、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、おとなしい癌ということで、術後からノルバテックスの服用と5FUの点滴をウィークリで半年続けた後、月1回のエンドキサンの点滴を今年の1月まで続けてきました。合計で1年半抗がん剤をしてきました。その間もずっと一番下の肋骨が痛く、検査を色々としていましたが異常はなく過ごしてきました。HPNo.7938での質問は肋骨にしこりができて不安という内容でした。最近はしこりにも痛みが出て来たため、骨シンチをした結果、痛みのあるしこりのところと同じ場所に集積を認められ、経過からみて骨転移と診断されました。薬もアロマシンに変わり、4週に1度のゾメタでの治療が始まりました。発見時がステージVbではありましたが、おとなしい癌と聞いていたのでびっくりしています。術後2年での転移は予後は厳しいですか?年齢は49歳です。

ご存知のとおり、再発の予後は厳しいです。今の再発部位は、命に関わらない骨転移ですから、副作用の少ない治療からはじめましょう。乳癌には、たくさんの治療薬があります。それを順次使って、進行を抑え、治癒できるような新しい薬剤を待ちましょう。(文責 徳田)

 

No.8153】  08年07月22日   m
術後療法の効果について

こちらの相談室で度々お世話になっていまして、不安を解消させていだいております。 
1) 術後CEF4クールとCEF6クールの効果の違いはどのくらいでしょうか?(4クール行いました) 
2) リュープリンは2年と3年の効果の違いはどのくらいでしょうか?(前の先生は、タスオミン、リュープリンは閉経するまでとおっしゃっていましたが、新しい先生は、タスオミン5年間、リュープリン2年間とおっしゃっていました。リュープリンはここで2年間終了しました。)

私は45歳(手術時43歳)、1.5cmの硬癌、腋リンパ1個、ホルモン両+、HAR2+1、脂肪浸潤、リンパ管+1です。最近、体調が思わしくないと(足の付け根が痛むことも)、再発転移と考えてしまい、きちんと治療すればよかったのではと、少々後悔しています。いろいろな本を読んで、生活習慣を改めましたが、やはり最新の科学の力(抗がん剤など)にはかなわないのかなぁと考えてしまいました。8月に検査がはいっています。一応、5月の腫瘍マーカーは、CEA1.05(前回は0.8)、もう一つは11.7(前回は12)でした。悪性度(1〜3)で3です。どうぞよろしくお願いします。

1) 直接比較のデータはありませんが、おそらく6サイクルのほうが少しよいのではないかと考えられています。 
2) これも2年と5年の直接比較のデータはありませんが、いずれもタモキシフェン単独よりよいので、同じ効果であれば、短い方が副作用も少なくてよいだろうということだと思います。(文責 徳田)

 

No.8152】  08年07月22日   T  
足の付け根のしこり

術前化学療法後、2ヶ月前に右乳房全摘、リンパ節郭清手術を行い、現在ホルモン治療をしています。リンパ浮腫予防の為、ほぼ毎日リンパマッサージを自分なりにしていたのですが、先日右の足の付け根部分にしこりがあるのを発見しました。5mm〜1cm位のもので、硬くグリグリした感じです。触ると痛みもあります。急に出たような気がするのですが、はっきりとはわからないので、相談させていただきました。術後2ヶ月と早い時期で、転移再発も考えられますでしょうか? 少し様子を見ていてもよろしいでしょうか? 次回病院の予定がまだ半月ほどあり、又、病院まで距離もあるということで、もしアドバイスいただけたらと思います。説明不足で申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。

進行の程度がわからないので、むずかしい質問です。ソケイ部に触れるものは、リンパ節の可能性がもっとも高いと思いますが、そこに単独で転移することはまずないと思います。したがって、2週間後の診察日に主治医に相談するのでよろしいでしょう。(文責 徳田)

 

No.8151】  08年07月22日   ゆら
胸のしこり

21歳学生です。2週間前くらいに胸の谷間の部分にしこりをみつけました。胸と胸のちょうど間(下部)で、初めはブラのワイヤーに当たってできたのだろうと思っていたのですが、不安になってメールさせてもらいました。中学生のころ、肩に脂肪のかたまり(?)ができたのですが、感触とか、痛みのなさとかは、すごく似ている気がします。病院に行ったほうがいいのでしょうか。アドバイス、よろしくお願いいたします。

年齢的にも乳癌の可能性は低いと思いますが、やはり専門医の診察を受ける方が安心できるでしょう。(文責 徳田)

 

No.8150】  08年07月22日   M.O.
左胸のしこり

昨年12月に左胸のしこりを切除をし、病理検査したところ乳腺線維腺腫と言われました。今回、再び左胸にしこりを発見し、同じ病院(外科)に行ったところ、触診のみで「もう一度切除しましょう」と言われ、切除しました。病理検査の結果は「前回の切除の際の縫合した糸くず?が吸収されなかったものと、硬い乳腺組織で、心配ない」と説明を受けました。切除した後から、今まではなかったしこりのような硬いものが触れるようになり、先生には「内出血しないよう、中も縫合したため」だと言われたのですが、切除から3週間ほど経過するのですが、いまだに硬いしこりのようなものがあり、縫ったところは赤っぽくなっています。気にしすぎるせなのか、時々痛みも感じます。病院の先生に再度聞いてみたところ、「MRIをとりましょう」と言われました。病理検査の結果で悪い病気ではないと言われたのに、MRIをとるということは、乳がんの可能性があるということなのでしょうか? 切除して病理検査をしても、再び検査が必要なのでしょうか? 切除前は、この「硬いもの」はなかったと思うのですが、切除してすぐに大きなしこりができて乳がんを疑うことはあるのでしょうか? お返事おねがいします。

硬いしこりや傷の発赤は、手術から日が浅いためと思います。経過からすると乳がんの可能性はないと思いますが、なぜMRIをとるのかなど主治医にじっくり質問してください。(文責 徳田)

 

No.8149】  08年07月22日   Y 
放射線治療について

36才(未婚)です。先月、非浸潤癌(8ミリ、断端OK)の乳房温存手術を受け、放射線治療(50グレイ)がセットだと言われました。私の胸は薄く、また左の乳房なので、肺や心臓にかかるのは避けられないと思います。まだ若いので、稀だけど将来放射線治療後の2次的な癌の発生や、肉腫、心不全などの可能性があると言われ、放射線治療をするかどうか迷っています。このまま放っておいて、残存しているかもしれない非浸潤癌が浸潤癌になったら怖いし、でも将来、肺がんや肉腫になったら、もっと怖いです。何か納得できるアドバイスをいただければ、幸いです。

残った乳腺にまた出来た場合、原則といして全摘になります。放射線照射にともなう二次的な癌など、きわめてまれな副作用と秤にかけてどちらを選ぶのでしょうか。(文責 徳田)

 

No.8148】  08年07月20日   S.N.
転移後の治療について(2)(HPNo.8084-2)

早々に回答いただきまして、ありがとうございました。(術後7年半は誤りで、正確には6年8ヶ月でした)
その後、大阪で最近開業された著名な乳腺外科医のDr.に、フィルム等を持参して、サードオピニオンを得た上で、主治医と話し合いました。サードオピニオンの医師も、主治医とほぼ同意見でした。「健側の乳房の腫瘍は、確率的にほぼ原発と考えられる。3cmという大きさと、取り易い場所にあることから、切除するべき。放射線治療はすべきだが、術後の補助療法としての化学療法は省略。鎖骨上リンパ節の腫瘍については、生検でよい。全身の治療としてホルモン療法が効く場合は、ホルモン療法。効かない場合は化学療法」
私の気持ちや家庭の事情をゆっくり聞いてくださった上で、「骨も肺もリンパ節もまだ軽い転移の状況だから、今のうちに取れる所にある腫瘍なら切除した方が、腫瘍を大きく残したままホルモン剤や抗癌剤を使うよりも、敵が少ない分、効果的だと思う」と、腫瘍切除を勧める理由を説明され、ホルモン療法だけで何とかしたいと希望していた私も、しぶしぶですが納得しました。その後、いつもよりゆっくり時間を取ってくださった主治医とも話し合い、鎖骨上リンパ節と健側腫瘍の切除目的で、入院、手術を決めました。主治医いわく、「鎖骨上のリンパ節は、近くに大きい動脈が二つあり、生検レベルでよい、などと高をくくっていては危険だし、生検でも4cmくらいの傷が残るから、体側乳房の腫瘍を取るなら、同時に取りたい」。入院を待つ間、ホルモン剤をとリクエストすると、ノルバデックスのみ再開。ゾラは効かないかもしれないのに、無駄!と却下されました。このことから、たとえホルモン受容体陽性だとしても、主治医は化学療法を勧めるように思います。両者の奏功する確率を比較し、化学療法の方が効果がある人が多い、とおっしゃっていましたから。おそらく、主治医の経験では、ホルモン療法で腫瘍が劇的に小さくなるような症例は少ないが、抗癌剤では、それが少なからずある。看護師さんも、「再発して来られた患者さんも、最近は抗癌剤が効いて完全寛解になる人が増えている」と言っておられました。が、昨夜オペが早まったと連絡が入り、今さらですが、入院・手術に対して恐れの気持ちが出て、思いがけず、動揺が生じてきました(落ち着いていたつもりなので、本当に予想外です)。入院中の子どもたちの世話が心配で、病院へ行くのが嫌でたまりません。とりあえず一週間は延期してもらいましたが、結論は出せていません。そこで先生の優しいお言葉に甘えて、再度質問させていただきたく存じます。
1) 「骨も肺もリンパ節もまだ軽い転移の状況だから、今のうちに取れる所にある腫瘍なら切除した方が、腫瘍を大きく残したままホルモン剤や抗癌剤を使うよりも、敵が少ない分、効果的だと思う」 このご意見について、他の先生のご意見も伺いたく存じます。
2) 体側乳房の腫瘍を生検レベルの切除しかしない場合、それが原発であったなら転移よりも病勢が強いと考えられるので、ホルモン療法、化学療法と悠長に取り組んで、効果がなければ、さらに腫瘍が大きくなり、あっという間に転移が拡がる懸念があるでしょうか?
3) いずれにせよ術後に化学療法をするのであれば、体側乳房の腫瘍は、術前化学療法のように生検後に化学療法をして、小さくならなければあらためて切除する、というやり方もあるのではないのでしょうか?

少し、精神的に不安定になっていることもあり、まとまりのない文章になってしまい、申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

お急ぎのところお返事が遅れまして申し訳ありません。S.N.様のご不安な気持ちがひしひしと伝わって参りますが、一生懸命に色々な先生の話を聞かれて、自分で選ぶべき道を探している姿は、とても素晴らしいことだと思います。決してあきらめずに、より良い治療法を選んでいけるように、私たちもお手伝いをさせていただきます。まず、「健側の乳房の腫瘍は、確率的にほぼ原発と考えられる。3cmという大きさと、取り易い場所にあることから、切除するべき。放射線治療はすべきだが、術後の補助療法としての化学療法は省略。鎖骨上リンパ節の腫瘍については、生検でよい。全身の治療として、ホルモン療法が効く場合は、ホルモン療法。効かない場合は化学療法」というご意見はごもっともだと思います。そのことは、まず大前提としてご質問にお答えさせていただきます。

1)一つ一つ慎重に考えないといけませんね。まず健側乳房の腫瘍は、良性悪性の鑑別が必要なので、針生検を行い、悪性であれば局所の制御という意味では腫瘍切除術(乳房切除か乳房温存手術か)を行ってもよいかと思います。ただし、これ以外の骨・肺・リンパ節を可能な限り切除するというのは、エビデンスがあるとは言えないので、もう一度主治医の先生にご相談くださいませ。
2)健側の腫瘍が原発であることが確認されたからといって、勢いがあると判断する必要はないと思われます。あくまでも、今後の全身状態を左右するのは他の部分の転移であると考えます。先にお伝えしたとおり、健側の腫瘍切除は局所で腫瘍が顔を出さないように、出血しないようにする局所制御が第一の目的です。この腫瘍を切除しないと、あっという間に病気が広がるという考え方はしなくて良いです。
3)おっしゃるとおりだと思います。私なりの考えをお伝えしますと、リンパ節生検にてもともとの癌細胞の性格(ホルモン感受性、Her2)をチェックすること、これと同時に健側乳房の腫瘍も生検も行い同様に性格をチェックし、全身のホルモン療法や、化学療法の方針を組み立てられた方が良いかと思います。その結果、健側腫瘍が完全に消失してしまういわゆるpCR(病理学的完全奏効)の可能性もあり、そうすれば切除乳房も非常に小さくて済む可能性があります。敢えて、急いであっちもこっちも切除して、というお考えはしなくてよろしいのではないでしょうか。

以上、ご参考になりましたでしょうか。ただ、著明な乳腺外科の先生や主治医の先生のお考えも再度ご確認いただき、分からない点は何度でもご相談をされてください。そして、またつらいことがございましたら、いつでもご連絡をくださいませ。私たち、神奈川乳癌治療研究会のメンバーはいつもあなたのそばにいますからね。(文責 高橋)

 

No.8147】  08年07月18日   R 
フルツロン・フェマーラの併用

先日、母が乳癌を宣告されました。61歳・閉経しています。しこりの大きさは2センチ強です。CTの結果、「リンパなどに転移は無し」と言われました。当日に、「フェマーラ」と「フルツロン」が処方されました。もう、服用しています。今後の予定として、今から2週間後に、「抗がん剤(タキソテール)」を投与。1回目(数日間、フルツロンのみ中止)。2週間後・・・温存手術を受ける(日帰りです)。4日後・・・「週一」で「抗がん剤(タキソテール)」を2回投与(数日間、フルツロンのみ中止)。
抗がん剤は合計3回のみの投与です。「フェマーラ」「フルツロン」は、同時に服用を続けます。とりあえず、ここまで決まっています。少し気になっているので、教えて下さい。(本人は、頭が真っ白になり担当医の先生に質問ができなかった様です)
1) フェマーラとフルツロンのように、化学療法とホルモン療法の同時投与は効果が損なわれるので、通常、化学療法が終わってからホルモン療法に移るものなのでしょうか?
2) 術前2週間前に、一回のみ「抗がん剤」を投与するのは?効果があるのか?(「2週間後の手術までに小さくなっていることを期待して」とお話があったそうですが・・・)
3) 2回目・3回目のタキソテールの投与間隔が短いのは?

抗がん剤は、「量・期間」を守らないと効果が発揮できないと聞いたことがあるもので、副作用の事を考えると不安です。手術で組織を調べ、その後またタキソテール投与か、放射線か・・・となるのでしょうが、何故3回のみなのでしょうか? 手術のとき採取した組織の検査結果が出るまでのつなぎでしょうか? 方針を決めた時、付き添ってあげられれば良かったのですが、遠方の為、今回は行けませんでした。自分なりに調べましたが、余計に混乱してしまいました。どうか、宜しくお願いいたします。

フェマーラとフルツロンの術前療法、また、手術2週間前のみの治療は、まったく標準的な術前療法ではありません。また、タキソテール投与法も標準的ではありません。主治医にそれらの治療を選択する科学的な根拠を質問すべきです。(文責 徳田)

 

No.8146】  08年07月18日   T.T. 
腫瘍マーカーの値

46歳です。2002年の6月に右乳房全摘しました。浸潤性乳管癌で28mm×22mm、リンパ節転移はありませんでした。その後3〜6ヵ月に1度、血液検査を行い、1年に1度マンモ、骨シンチ、肺・肝臓のCTを撮影しています。先月マンモ、シンチ、CTと血液検査を行ったところ、画像の結果は問題が見られなかったのですが、腫瘍マーカーの値が正常値との境界なので、もう一度、血液だけ検査するようにいわれました。マーカーは(多分)CEAで、手術後3〜4ぐらいの値だったものが、先月の結果では、5.1でした。再検査でも5.4で、「特に高い訳ではないので、9月にもう一度血液検査を、それで値が上昇していたら、MRIなどの検査を」と言われました。現在、どこが具合が悪いところがあるかと問われれば、特にありませんが、何かの拍子に痛みがでると、「もしや」と思ってしまいます。「転移があるわけではないのだから」とも言われましたが、今回の画像検査ではわからないところに転移しているのではないかと、不安に思っています。再発・転移の場合は、症状が出てから治療をしても変わらないとは分かっているつもりですが、腫瘍マーカーが先行して、転移がわかることはあるのでしょうか。

転移が画像的にあきらかになる前に腫瘍マーカーが上昇することは、よくあります。しかし、あなたの数値は、正常上限を少し超えただけですから、再発とは無関係のことも多く、あまり悩まなくてよいと思います。(文責 徳田)

 

No.8145】  08年07月18日   HI
反対側にしこり

いつも参考にさせていただいております。去年6月に右乳房温存手術をし、低リスクとのことで放射線とフェアストンで治療してきました。先月一年検診で超音波とマンモグラフィーを受けたところ、今度は左側に2cmくらいのものが見つかりました。造影剤を使ったMRIの結果を見て、やはり癌である可能性が高いといわれました。去年はなかったものです。去年は会社の検診、クリニック、今の病院と、3回も超音波を受けているので、見落としではないと思います。癌であった場合、フェアストンが効かなかったということは、最初の癌とは別のものと考えられるのでしょうか? もしこの一年の間に2cmの大きさになったのだとしたら、かなりたちの悪いがんだということでしょうか?

もし癌であるとすると、転移再発ではなく、反対側に別の癌が発生したと考えるべきです。フェアストンが効かなかったということは、ホルモン感受性がないのかもしれません。(文責 徳田)

 

No.8144】  08年07月18日   Y.Y
術後の治療について

今年4月に左胸の乳頭温存乳腺全摘の手術をしました。腫瘍の大きさは、浸潤がん2.3cm×1.8cmが一つと、非浸潤がん5mmです。病理結果は、「リンパ節への転移はなし(0/15)・ER(陽性60%)・PgR(陰性)・HER2(+3)・悪性度3・静脈侵襲なし・多発性」との判断が出ました。てっきりハーセプチン治療の対象かなと思っていましたが、今現在ノルバデックス・UFT・エンドキサンと全て飲み薬(2年間)で、治療としてはとても楽なのですが、本当に飲み薬だけでいいのか不安です。HER2、+3がとても引っかかります。一般的にこの様な病理結果の場合、どのような治療なのか教えて頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。

年齢などの情報がなく、不十分ですが、少なくともUFT+エンドキサンによる術後の抗がん剤治療は標準的ではありません。アンスラサイクリン+/-タキサン+ハーセプチンが標準です。(文責 徳田)

 

No.8143】  08年07月18日   M.S. 
AC療法4回プラン

初めての相談です。52歳、温存術後2ヶ月程です。腫瘍サイズ1cm以下、リンパ節転移なし、グレード2の説明でした。ただ、ホルモンレセプター陰性で化学療法を勧められました。主治医が示してくださった10年生存率は「92%」で、初めから化学療法について受け入れ難い気持ちを持ちながら、職場復帰の時期などから逆算し、とりあえず AC療法4回プランの1回目をスタートさせました。主治医は、私の気持ちを理解しつつも、「やはり受けておく方が良い」と言われます。1回目の身体的な副作用の実感と、今後の脱毛のイメージなども手伝って、2回目以降の開始をとても迷っています。本音をいえば、乳癌転移のリスクを今以上に減らす事はできても、後の3回で別な病気になってしまいそうな気分です。初期であるが故の贅沢な悩みかとも思いますが、今までご経験なさった例などから何かご助言いただければ、大変うれしいです。

提供いただいた情報から予測すると、10年の再発率は20%程度ですが、抗がん剤による減少効果は、6%程度です。1回目の副作用の状況からご自分で判断するしかありません。(文責 徳田)

 

No.8142】  08年07月18日   Y.K
センチネルリンパ節生検について

右乳ガンの診断を受けたのは昨年9月末、CT、MRI、マンモ、細胞生検をうけ、ステージ1、1.2cm×1.5cmの右浸潤乳管がん硬癌、リンパ節への転移なしでした。その後、自然療法での治療をして、いわゆる西洋医学での治療はいっさいしなかったのですが、やはり思ったより癌は手強かったようで、先日エコーでの検査をしました。大きさは2倍強、2.5cmの乳管の中を長く這ってのびている感じ、右上胸リンパ節への転移あり。色々と検討した結果、手術をすることにしました。手術はラジオ波の手術にすることにしました(7月25日予定)。内視鏡での切除手術と迷っている所もありますが、病院がわかりません。手術自体はどちらが身体への負担が少ないかもわかりません。輸血をしたくないのでラジオ波が良いのかと思いましたが、内視鏡手術でも輸血はしないのでしょうか? ちなみに血圧は穀物菜食をしているので、上で100ありません。関係ありますか?
ラジオ波の手術の際、同時にセンチネルリンパ節生検をすすめられましたが、すでに転移していることがわかっているのに、あえてまたセンチネルリンパ節生検をする意味はあるのでしょうか? センチネルリンパ節生検について少し調べましたが、いったい何を調べる検査なのでしょうか? 詳しくわかりません。HER2/ER/PgRの検査は細胞生検のブロックがあるので、そちらは別で調べることになってるのですが、センチネルリンパ節生検とわかることが違うのでしょうか?
センチネルリンパ節生検は、全部は採らず、一部をとり、キズは2cm程で小さいそうですが、転移がわかってるのにわざわざリンパをいじることに疑問を感じます。術後、もしHER2の反応があれば、ハーセプチンだったら許容範囲の治療法なのですが、もしハーセプチンでリンパ節の癌が消える可能性があるのならば、あえてリンパを先にいじらなくてもいいと思うのですが、その辺はどうなのか・・・、よくわかりません。放射線もかけるつもりはないので、あまり生検自体、今の段階だと意味が無いようであればしない方がいいのか・・・? どうなのでしょうか?
それから、9ヶ月も主治医がいない状態で過ごしてしまったのですが、自分の治療方針に理解があり、HER2の治療ができ、さらに全身治療を診て下さる乳腺専門の医師を捜しているのですが、全身治療こそ自然療法でやりたがっていて、しかも手術はラジオ波でやる予定の患者を診てくれる病院は無いのでしょうか? 手術を内視鏡手術でやれば、いらっしゃったりしますか?
なにが心配かというと、リンパにはすでに癌が転移しているので、今現在はどこにか転移していないか調べたいのと、もし無いとしても、いずれはどこかに転移はするだろうし、今後何処に転移するかが見えていないと癌は追っかけられないので、結局後の祭りになるのが怖いのです。ちなみに一番最初に診断を受けた病院は、総合病院の外科で、自然療法を試したいと申し出ると、『今後一切責任を負いかねますので診ることはできません。』と初めに言われてしまったので、なかなか再診してもらいにくい状況です。手術より前に、できればセカンドオピニオンとして診てもらいたいので、大至急探したいと思っています。宜しくお願いします。

メールを拝見して、全体的な印象として貴女がなにを望んでいるのかがよくわかりません。いろいろと目新しい治療の良いところばかり見ていて、その治療の本質に目を向けていないように感じます。貴女が何故標準的な治療を望まないかがよくわかりません。それはさておいて、ひとつずつお答えします。最初に気になったのは“右上胸リンパ節への転移あり”の記載で、正確には“右内胸リンパ節がエコーで腫れている“ではないでしょうか。エコーで腫れているからといって必ず転移がある訳ではありません。転移の確認はどのような画像検査でも正確にはできません。ですから必ず細胞診か生検を行って顕微鏡でリンパ節内にがん細胞があるかどうか確認する必要があります。そのような意味からすると、確かにセンチネルリンパ節生検は疑問です。最初に行うべきは腫れているリンパ節が転移によるものかどうかを検査することが先決で、それが陰性(転移がない)となったらセンチネルリンパ節生検の適応だと思います。
内視鏡の手術は手間も時間もかかるのであまり全国に普及していません。関東では千葉の亀田病院が積極的に行っています。身体への負担は通常の温存手術も内視鏡下の手術もラジオ波の手術もほとんど同じだと思いますし、どの方法でも輸血はしません。血圧が低いことも治療には影響しません。Her2が陽性でもハーセプチン単独では効果が低いことがわかっています。ハーセプチンが効果を発揮するのは化学療法と併用した場合です。貴女の治療方針に理解があって、Her2の治療ができて、全身を見てくださる医師を捜すのは相当難しいと思います。レストランに例えれば、”好き嫌いが多いのですが、最高の食材を使っている店で一日3食、私の食べられるものを飽きないように毎日出してくれるレストランを探してください“と同じに感じます。大きな転移があるかどうかはCT、MR、RIなどを行えばわかりますが、それらの検査で転移の所見がなくても将来再発する可能性はあります。貴女の将来のことは神様しか知りません。ですから、今できる、再発の可能性を低くする治療、その代表が標準的治療法、を一つずつ行うことが一番なのではないでしょうか。セカンドオピニオンを受ける病院は貴女にとって初めての病院になりますから、このメールにあるような内容を相談してもすぐに貴女が望むような返事がもらえる可能性は低いのではないでしょうか。それならば、貴女のことを一番知っている(自然療法に走ったことも含めて)最初にかかった病院を思い切って訪ねて、改めて治療をお願いする方が良いのではないかと思えますが如何でしょうか。蛇足ですが、患者会(あけぼの会、ソレイユ等)を利用するのも良いかもしれません。(文責 清水)

 

No.8141】  08年07月16日   Y 
術後補助療法について

初めて相談させていただきます。皆様への丁寧なお答えを拝見し、相談させていただこうと思いました。よろしくお願いいたします。
44歳、6月16日に浸潤性小葉癌で左乳房温存手術を行いました。病理結果は、「最大径13mm、リンパ節転移15個中1個(センチネルリンパ生検で1つ確認されリンパ郭清Uレベルまでおこないました)、脈管(−)、グレード1、ER・PR共に(+)、HER2(−)」でした。年齢のこともあり、術後の補助療法として、ホルモン療法のみではなく抗がん剤も行うのも良いのではないかということでしたが、自分自身抗がん剤に対しての拒否反応が強く、精神的な落ち込みも強くあったことから、どうしても抗がん剤使用の補助療法を選択する事ができませんでした。主治医は私の精神的な落ち込みが激しいからか、「無理して抗がん剤を行う事はない、ホルモン療法が十分に期待できるので、ホルモン療法を行ないましょう」とうことで、術後はホルモン療法単独を選択しました。
1) 病理結果から私の選択した補助療法は妥当であったのか?
2) 抗がん剤のベネフィットを無視してしまったのではないか?
3) 病理結果からほとんど低リスクであってもリンパ節転移が1つでもあれば再発のリスクが急激に高くなるのではないか?(予後に大きな変化はあるのか)

自分の選択が冷静さを欠いた対応ではなかったのかという思いにもなることがあります。どうか、ご回答の程よろしくお願いいたします。

1)2) 抗がん剤を追加すれば、6-7%、10年再発率は減少すると予測されます。副作用と秤にかけて、あなたにとって意味があるかどうかです。
3) 腋窩リンパ節転移が、0から1個増えると10年再発率は10%程度増加します。(文責 徳田)

 

No.8140】  08年07月16日   fukka
術後10年の異型過形成病理検査について(HPNo.8074-2)

6月28日に 術後10年後の異型過形成についてご相談させていただいたfukkaです。7月11日超音波エコー後、日帰りで組織切除後病理検査に回っています。傷は5cm弱。腫瘍摘出は親指大。ところが摘出前のマーキングのために再度超音波エコーを撮りますと、他2箇所ほど同じような腫瘍が見つかりました。触れることはできませんが、エコーでは異型過形成と見れるとのことです。実際摘出したものも、腫瘍として外からは触れられるものではなく、エコーを撮りながら針金を入れ、それをたどって切除しました。
7月14日の再診では、「すべて取りきれていないため、結果が良かったにしろ、悪かった場合は当然、全身麻酔で取りましょう」とのことでした。言葉としての結果は、28日の病理検査結果を待ってのことですが、異型過形成が複数ある場合、どのように判断されますでしょうか。もちろんリスクは下げた方がいいのはわかっておりますが、実際にひとつと、3つでは、判断は違うのでしょうか。繰り返しの質問になり、申し訳ありません。よろしくお願いします。

異型過形成は、がんではありません。したがって、完全に取り切る必要はないと思いますが、残されたしこりががんを否定できないのであれば、切除して確認すべきです。また、がんの発生のリスクは高いので、定期的な検診が必要です。(文責 徳田)

 

No.8139-1】  08年07月16日   Y.F
術後の化学療法について

乳癌になってからこちらを読んで、自分の病気について勉強させていただいています。私は36歳で未婚、出産暦なしです。今年の6月に左乳がん(乳頭腺管癌2/3+硬癌1/3)浸潤巣25×10mmに対して、乳房4/1切除術と脇下リンパ節郭清を行いました。広範囲な乳管内進展(45×25mm)があり、脈管侵襲:ly(2)y(1)、WHO分類:Invasive ductal carcinoma、核異型度:NG1、リンパ節転移1/9、 ホルモン陽性、HER2陰性でした。術後療法は将来的に結婚・出産を希望しているので、ホルモン療法(ゾラデックス)2年と抗がん剤(アンスラサイクリン系:ピノルビンとエンドキサン)を3週に一度4クール行うと説明されました。今月のはじめに1回目の抗がん剤を行ったところ、吐き気と副作用の例としては入っていなかった発熱による頭痛がひどくて、かなり体力を消耗いたしました。
1) 「副作用がきついようだったら回数を減らしてもいいですよ」と言われましたが、素人からすると回数を減らせば効果も減るような気分になります。回数を減らしても大丈夫なんでしょうか?
2) 主治医から「年齢が若いので、アンスラサイクリン系抗がん剤の後にタキサン系の抗がん剤を続けてやるのもいい」と言われました。タキサン系の抗がん剤を続けて行うことで、再発の可能性がどの程度減るのでしょうか?
3) インターネット等で自分のがんについて勉強をしている時にがんの顔つきというのがよくわからなかったのですが、上記の数字から判断できますか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスの程よろしくお願い致します。

1) 回数を減らせば、おそらく効果は減少します。しかし、副作用の程度が日常生活に支障があるようであればやむを得ません。一般的には、まず投与量を減量します。それでも厳しければ、中止です。
2) 4-5%程度減少すると思います。
3) 核異型度のことと思いますが、あなたの場合は、3段階のうちのおとなしい方のグレード1です。(文責 徳田)

 

No.8139-2】  08年08月15日   Y.F
術後の化学療法について(2)

HPNo.8139で相談させていただいたY.Fです。先日2回目の抗がん剤を行ったところ、体が慣れたのか1回目ほどのダメージがなく、あと2回頑張れそうです。ありがとうございました。大変恐縮ですが、再度不安なことがでてまいりましたので質問させてください。
放射線は別の病院で受けるため紹介状を持っていったところ、放射線科の先生に、現在行っている抗がん剤治療がガイドラインにある標準的な治療ではないと指摘されました。治療を始める前の主治医の説明では、「リンパ節転移が1つなので、抗がん剤はやってもやらなくてもいい。年齢が若いのでアンスラサイクリン系の抗がん剤をやって、タキサン系は続けてやると尚いいんですが・・・」という話でした。少しでも再発率を抑えられるのであればと思い、アンスラサイクリン系の抗がん剤4クールを行うことにしました。そもそも私が行っているのは標準的な治療ではなかったのでしょうか? 標準的な抗がん剤治療は、どのようなパターンがあるのでしょうか? 主治医を信頼して治療を受けており、抗がん剤もあと2回頑張れば・・・と思っていた矢先に、放射線科の先生に、「標準的な治療じゃないけど、この病院大丈夫!?」くらいに言われ、セカンドオピニオンを勧められるわで、かなりショックを受けました。やはりタキサン系の抗がん剤を続けて行った方がいいのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。

乳癌治療に用いられる再発のリスク分類では、リンパ節転移が1つであった場合、HER2が陽性か陰性かで区別しています。HER2陰性であれば中間リスクになりますので、化学療法もしくはホルモン感受性陽性であれば、ホルモン剤のみまたは化学療法との併用を考えます。また、HER2陽性であれば高リスクとなりますので、化学療法もしくはホルモン感受性陽性であれば、化学療法とホルモン剤の併用を考えます。今回のように腋窩リンパ節転移がある場合には、アンスラサイクリン系4コースに引き続いて、タキサン系4コースの治療が推奨されています。またHER2陽性であれば、タキサン系にトラスツズマブを併用することもあります。術後化学療法に関しては推奨されるレジメンが複数あるため、患者さんの状況に応じて治療法を選択していくべきとされていますので、主治医とよく話しあい、治療法を決めていくべきだと思われます。(文責 小池、川本)

 

No.8139-3】  10年04月22日   Y.F
ゾラデックスとノルバデックスについて

2年前手術した際にこちらでお世話になりました。その節はありがとうございました。今日はホルモン療法について教えてください。

1) 手術後はホルモン療法としてゾラデックスのみ投与していましたが、「2年経過するので、ゾラデックスは終わりにして、タモキシフェンに変えようか?」と言われました。久し振りにこちらのHPを拝見したところ、同世代で最初からゾラデックスとノルバデックスを併用されている方が複数いらっしゃったので、少し不安になりました。できれば将来妊娠を希望しています。これからの治療方法として、どれが一番良いと思われますか?
 (1)ノルバデックスを服用する(服用するなら何年ですか?)
 (2)あと3年ゾラデックスを続ける
 (3)ゾラデックスとノルバデックスを併用する。

2) また、ノルバデックスは効かない人が30%くらいいるので、CYP2D6遺伝子検査で調べてからの方がよいと聞きました。もし先に検査を受けることにより効果があるかわかるのであれば検査を受けてみたいと思うのですが、本当に確認できるのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが宜しくお願い致します。

ゾラデックスは副作用が多少多いので、最初の乳がんリスクからタモキシフェンにすることが多いと思いますが、再発リスクが高い時は併用をお勧めしています。遺伝子検査はどこでも受けられる訳ではないので、主治医とご相談ください。(文責 石山)

 

No.8138】  08年07月16日   S
術後の治療について

温存手術4年目で病期1期です。アロマターゼ阻害剤を服用しています。採血検査で気になっています。CHEが4年前服用を始める前は210だったのが、服用後は230になり、その後検査のたびに上昇、昨年から平均540です。やはり薬の副作用でしょうか? 主治医は経過を診てくれていますが、心配です。ご回答お願いいたします。

血清コリンエステラーゼ値の上昇は、脂肪肝や肥満などでもみられます。薬との関連も否定はできませんが、正常上限を少し超えた程度ですので、休薬する必要はないと考えます。(文責 徳田)

 

No.8137】  08年07月16日   K 
非浸潤ガンの進行速度

約3年半前(29歳で)に、右側にできた非浸潤ガンを温存手術しました。その後経過は再発もなく順調でしたが、今年3月終わりの検査で反対側(左側)に非浸潤ガンが発見されました。右側を手術した約3年半前から乳管内乳頭腫ということで経過をみていたので、今度も良性の乳頭腫だと信じていましたが、悪性との結果でした。この診断は乳管内内視鏡検査で取れたものを病理検査してでたものですが、病理でも、悪性になるのかどうか何度か検査をした上で出た診断だと、主治医からの説明がありました。その後MRIをとる予定でしたが、予想外の閉所恐怖症等の為断念し、CT検査(病院独自と思われるシェル型による切除範囲測定を含む)を受けました。その結果、左腋方向に向かってガンがあるとのことで、乳房扇状部分切除手術(温存)を受けることになりました。ここまで約3.5ヶ月の時間をかけています。まだ年齢が30歳前半ということもあり、外見的容姿を保ちたく、手術に慎重にことを進めてきました(両乳房切除というのは避けたかったため)。しかし、やはり癌とわかった以上切除しなければならないので、7/11の段階で9月中旬に手術日程を設定しました(家庭の事情があり、即座に手術予定が立てられず)。結果的に最初の診断から約半年後の手術・最終検査(CTでの広がり判定)から約3.5ヵ月後の手術となります。非浸潤ガンとはいえ、いつ浸潤するかわからないとの思いから、急に不安となり、ご相談させていただくことにしました。
1) 乳ガンはもともと進行のゆっくりしたガンだと認識していますが、非浸潤ガンの進行速度は、個人差はあるとは思いますが、私のように最初の診断から約半年以上も経過して手術をするということは、やはり進行速度を考えると、もっと早くに手術を受けるべきだったのでしょうか? 
2) CT検査での広がり判定(切除範囲決定)から約3.5ヶ月後に手術をするということは、手術をするころに進行していて取り残しの原因になる可能性が大きいでしょうか? 最終検査より時間が経過してしまうので、手術の半月前にマンモ・超音波・骨シンチはやることになっています。
3) ガンと思われるものの発生場所がリンパ節に近いような気がしますが、場所によってリンパ節への転移の速度・リスクは変わるものでしょうか?(センチネルはやる予定です。)

色々と質問をしてしまい、すみませんが、ご意見をきかせていただければと思います。

文面から判断するかぎり、あなたの病状では半年の経過、CTから間があくことについては、おそらく問題にはならないと私も思います。リンパ節の転移に関しては、場所的なものよりも、がんの性質による違いが大きいと思われます。(文責 俵矢)

 

No.8136】  08年07月16日   F
検査の信憑性について

32歳、1児の母です。今年4月に左胸の痛みで近くの乳腺外科に行ったところ、エコーで1センチのしこりがみつかりました。すぐに細胞診をし、クラス3のため近くの大学病院で再検査になりました。そこではマンモと、局部麻酔をして細胞診よりも太いバチンと音のする針をさして、しこりを採取して検査しました。結果は乳腺線維腺腫とのことですが、「線維腺腫といわれて実は悪性腫瘍だった」という話を何回か聞き、とても心配です。
1) 大学病院で行った麻酔をしてバチンと音のなる針をさす検査は針生検なのでしょうか?
2) 針生検の信憑性はどれほどでしょうか?
3) 最初の病院で行った細胞診で、先生が「粘液がいっぱいでたからなあ・・」と言って、いかにも悪性のようにいっていましたが、線維腺腫のしこりに粘液がでるのでしょうか?

以上です。長い質問で申し訳ありませんが、毎日とても心配です。どうぞよろしくお願いいたします。

この文面だけから、「針生検の信憑性」や悪性の可能性が云々ということは正直困難です。画像や針の診断では、どうしても100%を求めることはできません。小さいしこりのようですから、どうしても心配ならば、切除生検といってしこりを丸ごと切除する方法もあります。主治医の先生にご相談してみてください。(文責 俵矢)

 

No.8135】  08年07月16日   Y 
PET-CTの被爆について

30代半ばの乳がん、ホルモン療法5年目です。10日ほど前から左股関節・右あばら辺りが痛い感じがして(これは季節の変わり目になると痛くなる気がします)、以前にも同じ箇所に同じ感じで痛みがあって検査したけれど、問題はなかったのですが・・・。一応痛くなる度に先生には伝えています。担当医に相談したところ、「PET−CTと整形外科、どっちが先が良いか」と聞かれ、とっさにPET−CTにして欲しいと答えましたが、先月の血液検査では腫瘍マーカー値も基準値以下でしたし、何よりPET−CTは今年の3月に行ったばかりなので、被爆を考えると、まずは整形外科にしたほうが良かったのかな・・・と思っています。今までにもCTやレントゲンを沢山してきたので、体に蓄積されていく被爆量は最小限にしたいのです。検査期間が4ヶ月しか経過していないのに、また検査してもよいのでしょうか?

一生4ヶ月間隔で検査をし続けたとしたら問題でしょうが、たまたま期間が短くなっても、それによる問題は発生しないと思われます。必要であれば、検査はしなければなりません。そのあたりを主治医にお尋ねになってみてはいかがでしょう。(文責 俵矢)

 

No.8134】  08年07月16日   M
手術法の選択

胸の内側のしこりに気づき、触診、超音波、マンモグラフ、針生検の結果、悪性の可能性があるということで、太針生検を受け、最終的にGrade1の浸潤性がんと診断されました。しこり(2ヶ月前で1.4x1x1.9cm)に気づいてから、ここまでくるのに2ヶ月かかっており、2つの手術法の選択を迫られているところです。
1.しこりとその周辺をとり、その後放射線治療をする方法です。
2.胸筋を残し乳腺を全部取り、手術時にインプラントを入れる方法で、放射線治療をしなくてよいそうです。

普通の場合は1の方法をすすめるところを、私の場合胸がとても小さいので、しこりをとり放射線を当てると今よりさらに小さくなる。それなら全部摘出し、同時再建をするのも選択肢ということです(私の場合は左右のバランスは悪くなるそうです)。なるべく乳房を温存する方向に医学がすすんでいると理解しています。それなのに、せっかくしこり周辺だけでもいい段階なのに、全部切除してしまうというのは時代に逆行している気がします。一方で、残した乳腺にまたしこりができたら、これまでの検査の痛みや不安をまた繰り返すのかと思うと、それも不安ですし、今より更に小さくなるというのは喪失感も大きい気がします。
1の方法の場合、術後またしこりができる確率は5%だと言われましたが、本当でしょうか? それならなおさら、2の方法は、いくら小さくても健康な部分まで切除してしまい、神経もとって感覚もなくなるというのは早まった決断に思えます。がん細胞の取り残しや再発で、また手術をすることになる確率はどれくらいなのでしょうか? どちらの方法でも治癒率は同じと聞きました。どちらの方法を選択するのが、より正解に近いと思われますか? 44歳、子供一人、家系にがんにかかった人はいません。お忙しいところ恐縮ですが、どうかよろしくお願いします。

乳房を全摘にしないで、温存療法を行う最大の目的は、「きれいな形」の乳房を残すことにあります。乳房温存療法と全摘では、生命予後は同等とされていますが、乳房内再発を含む「局所再発」はもちろん温存療法のほうが多いです。乳房の大きな方ならば、同じ体積の乳房を切除したとしてもあまり変形はなくても、乳房の小さな方だと、変形が大きくなり、何のために温存療法を行っているのかわからないということになってしまいます。であれば、いっそ乳腺全摘をして再建をしたほうが、形はきれいに残せると、主治医の先生もそこのところを考えたのでしょう。もう一度主治医の先生とよく話し合って結論を出してください。(文責 俵矢)

 

No.8133】  08年07月16日   D
術後治療について

昨年末に開業乳腺外科にて告知、今年2月に大学病院で全摘手術をしました。病理検査後、非浸潤ガンということで、予後治療なしと言われました。気になったので、先日、告知を受けたドクターへお話を聞きに行ったところ、ホルモン剤の服用は、患者自身で決断をするように言われました。大学病院では「予後治療なし」で、意見が少し違うようです。どうすべきか迷っています。もう一つ、初歩的な質問ですみません。CEAが0.8、CA15-3が9でした。基準値内ですが、「0でないのは、どうなんだろう?」と主人に言われ、気にしています。大丈夫でしょうか?

基準値は、健康成人で測定したら大部分の人がこの範囲にはいるという値です。健康成人でも0にはなりません。非浸潤癌に対するホルモン療法に関しては、新しく発生する乳がんを予防するという意味合いが大きくなり、一概に飲んだほうがよいか、悪いかは言えず、専門家の間でも意見の分かれるところです。先生にもう少しお話を伺ってみて決めたらよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8132】  08年07月16日   K
術後の意欲低下

お世話になります。術前化学後療法後、3月に左乳房全摘をし、4月からアリミデックスを内服しております。術直後は、回復へ向けて意欲的に生活できていたのですが、徐々に気分の落ち込みや脱力感が強く、寝て過ごす時間が多くなってきました。主治医の紹介で精神科受診をし、リーゼ(5mg)とトレドミン(15mg)を2回/日、内服をしています。ぼーとした感じがあり、「このままの生活を続けるのは仕方ないのかなあ、これが普通なのかなあ」と思い迷う日々です。職場復帰の時期もどうしようか自分で決められないでいます。ご意見お願いします。

手術や化学療法など、かなりの「がんばり」を必要とする治療をしているときは、あれよあれよと時が過ぎていくものですが、そのような治療が終わったあと、落ち込んだり、心配でいられなくなったりされる方は、あなただけではなく、しばしばいらっしゃいます。治療をこれまでがんばってきたのですから、あせらず、心と体を休める時期かもしれませんね。(文責 俵矢)

 

No.8131】  08年07月16日   K 
骨転移後の治療中の腹痛

妻の乳がん骨転移後の治療についてお聞きします。2日前に腹痛により入院しました。CT、エコー、レントゲン、血液検査を実施しましたが、便秘以外に異常なく、主治医から「腸への転移の可能性がある」と言われました。本当に腸へ転移していたらと思うと怖くて、詳しくは聞けませんでした。46歳です。少しでも長く生きられるためには、どうしら良いでしょうか?

1) 乳がんは腸へ転移するのか?
2) 腸への転移を確認する方法はないのですか?
3) 腸へ転移した場合の治療法はありますか?
4) 腸への転移が本当であれば、私はどうしたらいいのでしょうか?

1.現在までの経緯
@3年前の9月に左乳がんの全摘出手術、腫瘍径6.5cm×5cm
Aリンパ節転移10/16、ホルモン感受性陽性、HER2(+)
B手術後治療:EC4クール、ドセタキセル4クール ,アミリデクス18ヶ月
C昨年9月に左胸部に局所転移1cmと骨転移:胸骨1腰椎1、胸椎1、頚椎1?
D局所転移摘出、胸部、胸骨、腰椎、頚椎への放射線療法
Eホルモン療法:アミリデクス→フェアストン→フェマーラー(現在休薬中)
FBP療法:昨年10月〜ゾメタ1回/4週点滴中
G5月の血液検査で腫瘍マーカー上昇のためゼロータ1ヶ月半服用したが体調不良により休薬

2.現在の症状
@7月4日にみぞおちに締め付けるような痛み→救急で検査するも便秘以外に異常見つからず、痛み止めと、腸の薬でおさまる。
A7月8日未明に下腹部と右背中に締め付けるような痛みあり病院へいくも痛みおさまったため、帰宅するが直ぐに下腹部に痛み→入院
B絶食、浣腸、下剤をするも便はでない、下腹部のしくしくとした痛みが続いている

消化管への転移は頻度は少ないですが、全くないわけではありません。治療としては、転移であることが確定的であれば、乳癌の薬物療法を行います。消化管の通過障害があって、腸閉塞の状態があれば、手術をする場合もあります。(文責 俵矢)

 

No.8130】  08年07月16日   M.S.
再発?

よろしくお願いいたします。2年くらい前に一度相談させていただきました。放射線の副作用が酷くて皮膚炎が治らないことと、手術したところが硬くなって痛みがあることについてのご相談でした。2005年10月に右を温存手術し、そのあと放射線照射を23回行い、ホルモン剤を5年飲む予定です。手術したときは、ステージ1、顔つきは悪いということで3でした。リンパへの転移はありませんでした。今日、半年毎の検査をしました。エコーで、右乳房の切ったところの下に22×17のものがあると言われました。半年前の検査ではありませんでした。医師の話では、「再発か、それとも周りがきれいなので何かの液体が入ってる可能性もある」ということで、7月22日に細胞検査をすることになりました。
1) 半年でそれくらいの大きさの腫瘍ができるのでしょうか?「腫瘍マーカーは1.5で問題はないです」と言われましたが、では癌ではないと言えないのでしょうか。   
2) 何かの液体がたまるということがあるのでしょうか。
3) 今日の検査で、すい臓にも腫瘍のようなものがあると言われ大変ショックを受けましたが、まず乳がんの検査をやってから、すい臓の検査を内科でしてもらうと言われました。「そんなにのんびりとでいいのだろうか」と、帰宅してからとても不安になっています。乳がんの検査結果がでるには3週間くらいかかるようで、それからすい臓の検査というのは遅くないのでしょうか。

長くなってしまいましたが、とても不安な気持ちでいます。どうぞよろしくお願いいたします。

腫瘍マーカーは、高値であれば癌の再発や新たな癌がないか精査します。高値でなくても必ずしも癌を否定できるものではありません。手術を行った部位に、浸出液がたまることはよくあります。そういうものなのか、そうでないのかを主治医の先生に確かめてもらうのがよろしいでしょう。膵臓の腫瘤については、のんびりしていい性質のものと、そうでないものとあるとは思いますが、この文面だけからは判断はできません。主治医の先生にお尋ねになってみてください。(文責 俵矢)

 

No.8129】  08年07月15日   K  
乳房の痛み

来月で32歳になる一児(11歳)の母です。三ヶ月ぐらい前から右の乳房だけが痛く、生理前・生理中など関係なく、一週間置きぐらいに痒くなったり、痛くなったりします。痛みがひどい時は触れるだけでもズキズキして、鏡で見ると右の乳房が赤くなって腫れている感じです。触ると熱く、熱をもっています。痒い日は寝られないぐらい痒くて、そんな時は全く痛みはありません。分泌液はありません。あと関係があるかは分からないのですが、最近よく体が浮腫みます。出産してから浮腫みやすい体質になったのですが、たまたまかも知れませんが、胸が痛くなってから浮腫みがひどくなりました。母子家庭で娘に心配をかけたくないので、なかなか病院に行く機会がなく、メールでの相談をさせて頂きました。何か疑わしい病気があれば教えて頂けましたら幸いです。お忙しいとは思いますが、お返事よろしくお願い致します。

ご相談の情報では、乳房の中の乳腺の症状なのか、乳房の表面の皮膚の問題なのかよくわかりません。やはり、乳腺専門医の診察をうけるべきです。(文責 徳田)

 

No.8128】  08年07月15日   L 
乳がん治療と歯の治療

初めて投稿いたします。術後2年になる乳がん患者です。左乳房温存で、病理はステージ2a、ホルモンレセプター共に+、リンパ節に転移なし、放射線治療後、リュープリン注射2年が終了したところです。タモキシフェン服用も5年の予定で残り3年というところですが、2年間のホルモン治療中に歯茎が腫れてしまい、歯科受診したところ薬のせいではないかと診断されました。また、前に治療していた差し歯が取れてしまいインプラントを入れたいと思いますが、いつか読売新聞で乳がん患者の歯や顎の骨のトラブルの事を読んで心配になりました。乳がん治療の副作用で歯や歯の治療に与える因果関係を教えていただければと思い、ご相談させていただきました。また、タモキシフェン服用残り3年を中止してインプラント治療を受ける場合、しっかり5年間薬を服用した場合と10年生存率に大きな差がありますでしょうか。お忙しい中、申し訳ありません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

リュープリンの投与により、骨塩量の低下の可能性はありますが、歯に及ぼす影響は、ほとんどないと考えます。タモキシフェンでは、影響ありません。タモキシフェンを2年で中止した場合、5年服用した場合に比べて再発はあきらかに増加します。(文責 徳田)

 

No.8127】  08年07月15日   M.M
再発率及び10年生存率を教えていただけませんか?

はじめてお便りします。52歳で1ヶ月前に温存手術をうけました。先日病理結果がでました。
大きさ 3.5x1.5x1.2、ER(−)、PR(−)、脈管侵襲あり、核異型度(グレード)3、HER2 +3、リンパ節転移なし。ステージはUa でしょうか? 今後の治療方針は以下の通りです。
1) EC→P  6ヵ月
2) 放射線   5週間
3) ハーセプチン 1年

お忙しいところ申し訳ありませんが、再発率及び10年生存率を教えて頂きたいのです。よろしくお願いします。    

予定の術後療法では、10年の再発率は約20%、生存率は約80%と予測します。(文責 徳田)

 

No.8126】  08年07月15日   M.M. 
術後の抗癌剤について

手術前に相談させて頂きました。今回は手術後の治療方針で抗がん剤を使用したほうがよいかで悩んでいます。病理検査の結果は硬癌 大きさ1.5 組織グレード2 核グレード1 ホルモン受容は両方7点 ハーツ陰性 リンパ節転移なし 断片陰性。乳頭側に一部乳腺症が見られ今のところ癌組織ではないとの事です。抗がん剤のメリットは、将来転移するかもしれない癌細胞をなくしてしまうのでしょうか? ホルモン剤はどのような効果があるのでしょうか? 抗がん剤をすれば再発の危険はなくなるのでしょうか? 病理の結果によっては、抗がん剤はしなくてもしても再発に関しては結果同じであることもありますでしょうか? 抗がん剤使用の場合、放射線より何故抗がん剤を先にするのでしょうか? 初めの治療が肝心とよく乳ガンに関する本に書いてありますが、それは手術後に微小に飛び散っているかもしれない癌細胞を抗がん剤でなくしてしまうという意味を含めているのか、沢山質問させていただき申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

年齢が判りませんが、ご提示いただいた情報から予測すると、10年の再発リスクは25%程度と考えます。再発する方は、この時点で、目に見えない癌細胞がどこかに転移しているのです。術後の抗がん剤もホルモン療法もそれらをやっつけるわけです。ホルモン療法単独では、10%程度(10年の再発リスクは約15%)、抗がん剤を追加するとさらに5%程度再発リスクが減少すると予測されます。この5%の減少と抗がん剤の副作用を秤にかけてどうするか主治医とともに決めてください。放射線と抗がん剤は、どちらを先にしても同じです。(文責 徳田)

 

No.8125】  08年07月12日   ゆぅ
抗がん剤の効果について(HPNo.7915-4)

前回投稿HPNo.8066のゆぅです。丁寧な回答ありがとうございました。今回もまた、抗がん剤の効果についてお聞きします。4回目のFEC投与が終了し、主治医(乳腺外科医)の触診を受けました。しこりは(2.2cm)触れなかったようで、「FEC投与だと7〜8割の人が縮小するが、消滅はなかなか珍しいですよ。FECがよほどあったんだね」と言われました。自分でも3回目は何となくしこりが無いような感じだったのですが、今回は全く分かりませんでした。ネットでみると術前抗がん剤で効果が確認できた場合、予後が良いという書き込みを目にしました。全身治療の抗がん剤でしこりに効果が現れているということは、全身的に効果がそれなりにあって、良い方向へ向かっていると考えても良いでしょうか?来週からタキソテール4回投与と告げられました。万が一どこかに飛んでしまったガン細胞もしこり同様にダメージを受けているんでしょうか。また、前回タキソテールの副作用軽減に漢方薬を紹介していただいたのですが、漢方薬局へ行けば手に入るのでしょうか?主治医の先生に「漢方で軽減できますか?」と聞いたら、クビをひねられてしまいした。それよりもビタミンを処方するようなことを言われました。

術前化学療法後に、手術を行って顕微鏡でみてがん細胞がすべて消えている状態になった患者さんは、再発率が少ないということは知られています。しこりが縮小するということは、あなたのがんの細胞に今のお薬がよく効くということだと思います。どこかに飛んでしまっているかもしれない癌細胞に対しても効果を発揮している可能性が高いということだと思います。
しびれに効果があるといわれている漢方薬は、病院で処方できるものです。特に化学療法中は、勝手に漢方薬局などでお薬をもらうことはお勧めできません。まずは、主治医の言われるお薬を試してみて、だめならば、もう一度主治医にたずねてみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.8124】  08年07月12日   H 
乳頭の痛みと痒み(HPNo.8077-3

HPNo.8077です。ご回答ありがとうございました。度々申し訳ございませんが、前より気になっていることがありますので、どうぞよろしくお願いいたします。12月に温存療法で手術をした訳ですが、手術をする前から、又、手術後も時々、乳頭が痛くなったり、痒くなったりします。乳頭にも癌ができるのでしょうか。もしそれが癌だとしたら、手術の時のあらゆる検査で分かっていたものでしょうか。先日の超音波で、別の所にのうほうがあり、乳腺症と言われましたが、それとも関係あるのでしょうか。見た所は何も皮膚には出来ていません。宜しくお願いします。

パジェット病といって、乳頭のびらんを作る乳癌もありますが、文面から拝見するかぎりは違うように思います。しかし断言はできないので、主治医の診察時にたずねてみてください。(文責 俵矢)

 

No.8123】  08年07月12日   N.H.
トリネガの再発率

手術当時53歳(閉経後)の者です。ご相談させて下さい。宜しくお願いします。全摘です。病理結果は、「4.5×5センチの非浸潤性乳菅癌、うち4ミリ浸潤あり(硬癌、グレード3)。リンパ転移なし(0/3)、トリネガ。術後EC×3クール済み。」です。以上の病理結果と術後治療についてですが、私の場合、浸潤は小さいが、トリネガのいわゆる予後が悪いタイプ。この場合の再発率の算出方法は、どのようにしたら%がでますか? 宜しくお願い致します。 

ホルモンレセプターが陰性で、HER2が陰性の、いわゆるトリプルネガティブ乳癌には予後が悪いものが多いとされていますが、トリプルネガティブだからといって必ず再発するというものでもありません。相談者さんの場合は浸潤径が小さく、リンパ節転移もないですが、グレード3ということで、化学療法をされているのだと思います。治療としては十分ではないでしょうか。
再発率の算出方法とのことですが、最近よく何%などと数字を出すこともありますが、あくまで参考程度にとらえてください。どのくらい再発の可能性があるかについては、あなたの病気について最も把握していらっしゃる主治医の先生に尋ねるのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8122】  08年07月12日   H.T. 
フェマーラ

年齢は40代で、閉経前の症例、肥満体質であり、生理不順。骨髄への転移があり、炎症性乳癌と診断され治療開始している。生理が最近きていない事も考慮し、フェマーラ2.5mg 1T/日 投与。2週間後に骨髄転移からくる貧血が改善した。ゾラデックスを追加して2週間後に腫瘍マーカーが顕著に減少した。ゾラデックスの効果はすぐにでるとは考えづらいので、フェマーラで得られた効果でしょうか。また、その件で閉経前症例へのフェマーラ投与時のE2(女性ホルモン)の動態はどのようになっていますでしょうか。宜しくお願い申し上げます。

フェマーラの効果かゾラデックスの効果か?というご質問に対しては、「わからない」というのが正直なところです。まだ治療開始してからさほど経っていないので、もう少し経過をみていく必要があるでしょう。しかし、悪いほうへ転んでいるわけではないようなので、よかったですね。フェマーラなどのアロマターゼ阻害剤は、卵巣由来のエストラジオール(E2)分泌が抑制された上でないと十分な効果を発揮できないと思います。もし閉経前症例にアロマターゼ阻害剤を使用するとすれば、ゾラデックスなどで卵巣の働きを抑制するか、卵巣を手術で切除するか、どちらかが行われているうえで使用することになります。(文責 俵矢)

 

No.8121】  08年07月12日   YY
リュ-プリンについて

以前ご相談にのっていただきましたものです。2年間のリュ-プリンを5月で終え、主治医と相談のうえ後1年追加することにしました。今までは一ヶ月製剤でしたが、6月21日に、コストのこともあり、3ヶ月製剤に変更しました。7月5日に半年に一回の婦人科検診でエコーを見たとき、「内膜が写っているのでエストロゲンの数値が上がってるか、もしくは体がんの可能性もある」と言われました。半年前の検診やそれ以前は、子宮は黒く写り、ツルツルでした。3ヶ月製剤が弱いということなのでしょうか? 一ヶ月製剤に戻したほうがいいでしょうか? 体がんの可能性もあるといわれ、結果待ちで不安です。よくタスオミンとリュ-プリンやゾラを打っている間は体がんにならないと聞きますが・・・。

女性ホルモンの値を測定して、エストロゲンの分泌が抑えられているかどうか確認してみるのがよいと思います。主治医、婦人科の先生と相談なさってください。リュープリンやゾラデックスをしていても、体がんにならないというわけではないと思います。婦人科のチェックを受けることは大事だと思います。(文責 俵矢)

 

No.8120】  08年07月12日   S 
白血球減少について(HPNo.6982-4)

HPNo.6982でお世話になりました。ありがとうございます。腫瘍径7センチ、リンパ節転移12個にもかかわらず、再発無く、一年九ヶ月過ぎました。一年以内の再発もありえると思っていましたので、本当に喜んでおります。以前にもご相談しましたが、白血球が下がったまま上がりません。2900です。十全大補湯を飲んでみましたが、改善できません。日常生活には全く支障はありませんが、再発のリスクが高いだけに、このままでは再発しても抗がん剤、特に経口抗がん剤は使えるのだろうか?と、漠然とした不安を抱えています。こんな場合、抗がん剤は使えるのでしょうか? また「ハーツー2+、FISH法−」の意味するところは、進行は早いけれどもハーセプチンは使えない、と言うことなのでしょうか? それともFISH法が−であれば、進行は早くないのでしょうか?

化学療法後、白血球が低めのまま経過する方は、しばしばいらっしゃいます。これに関しては、経過をみるよりほかはないように思います。不幸にも再発した時に、白血球が低めの状態で抗がん剤を使用しなくてはならない時は、抗がん剤の種類や量、白血球を増やす薬の使用を検討することになります。
HER2 2+というのは、免疫染色法という方法で、スコア0から3の評価をしますが、その中でスコア2ということです。スコア0−1の患者さんは、ハーセプチンを行ってもあまり効果が期待できないので行いません。スコア2の方のなかに、ハーセプチンの効果が期待できる方とそうでない方が混じっています。FISH法は、それを区別するために行います。FISH(−)ならば、HER2遺伝子の増幅がないので、ハーセプチンの効果は期待できないので行いません。
HER2は現時点でわかっている増殖の速さを測る物差しのひとつではありますが、これがすべてではありません。HER2−でも、増殖の速いもの、遅いものがありますので、あくまで目安のひとつと考えていただければと思います。(文責 俵矢)

 

No.8119】  08年07月11日   A  
しこり(HPNo.6939-3)

約1年前HPNo.6939で石灰化について相談したAです。その節は,適切なアドバイスをいただきありがとうございました。1年前の石灰化については,近くの大学病院で、ステレオガイド下マンモトーム生検というのをやり、細胞を採って調べていただいたところ、乳腺症による石灰化で、それが悪性になる可能性は低いと言われました。そして、年に一度は検診を受けるよう勧められ、心配だったら半年に一度検査を受けてもいいですよ・・・というアドバイスを受けました。今年度も乳がん検診を受けましたが、今年度は超音波とマンモグラフィを希望したところ、健診センターの保健師さんからは、昨年度石灰化で何回もマンモグラフィを撮って、被爆量のことを考えるとマンモグラフィは勧められないといわれましたが、結局は、自分の意思でマンモグラフィもやりました。視触診では,左乳房の乳論の内側あたりにしこりがあると言われ、「超音波とマンモグラフィで確認してください」と言われました。超音波によると5mm程度だそうです。超音波の技師さんによると、乳房は張っていたようです。自己診断では気づきませんでした。昨年度の石灰化の場所とは違う場所です。1年でしこりができるなんてショックでした。まだ検査結果は届いてはいませんが、心配です。一年でしこりが大きくなることってあるんでしょうか。また、悪性の可能性があった場合、マンモグラヒを撮ると思うのですが、被爆量は心配ないのでしょうか。よろしくお願いします。

視触診・超音波にて5mmのしこりとのことですので、まだとても小さいしこりといえます。ですからこの1年間にできた可能性も十分にあると考えます。そしてしこりがあると判明したのであれば、マンモグラフィもとった上で、しこりがどのようなしこりなのかきちんと調べていかなければなりません。そもそもマンモグラフィの被爆量はとても少ないので被爆量の心配はまず必要ないと思われます。検査結果を踏まえ前回マンモトーム生検を施行した病院でそのしこりがどのようなしこりなのか調べていただく必要があります。(文責 谷)

 

No.8118】  08年07月11日   M.T. 
乳がん手術後の放射線治療の開始時期について

今年4月24日に乳癌の手術を行いました。乳房温存手術です。2cmの浸潤がんです。リンパ節転移はありませんでした。ホルモン受容体陽性です。今後の治療としては、放射線治療とホルモン療法とのことでした。手術後、3週間ぐらいたってから手術した傷口より、浸出液が出てきました。化膿はしていませんが、黄色だったりオレンジ色の液体です。ドロットした感じのときもあります。傷口から管を入れて2週間ぐらい様子を見て管をはずしたところ、3日間ぐらいは大丈夫でしたが、また浸出液が出始めましたので、放射線治療はまだ延びそうです。手術したのが4/24ですので、約3ヶ月ぐらいがあっという間に過ぎてしまいそうです。乳房温存手術後の放射線治療ですが、浸出液が止まらないためできません。手術後どのくらいまでに放射線の治療を行えば有効とされるのでしょうか?3ヶ月もたったあとでも有効でしょうか?乳癌などの本には、手術後3週から3ヶ月までが放射線治療の有効の目安と書かれています。忙しい時間をやりくりしてがんばって放射線の治療を行っても、期間が過ぎていて、やっても無駄なら無理して放射線の治療を行いたくありません。ご意見をいただきたく、よろしくお願いいたします。

乳房温存術後の放射線治療開始の時期に関して、乳癌診療ガイドライン:放射線療法・・2005年版では「術後化学療法を施行しない例では、局所制御には術後早期の照射開始が望ましい傾向があるが、重要な因子ではなく、推奨に足る明確な時期はない」と述べられております。実際問題として、局所が落ち着くまでは放射線療法は不可能ですので、あせらず局所治療に専念していただき、落ち着いた段階でやはり放射線療法は施行するべきと考えます。(文責 谷)

 

No.8117】  08年07月11日   トイプードル
術後のホルモン療法について(HPNo.8054-3)

HPNo.8054からご相談しています。質問にいつも丁寧にお答えくださって感謝しています。先日センチネルリンパ生検をうけ、結果陰性でした。17日に外科手術をうける予定です。現在50歳、8mmの浸潤性乳頭腺管がんです。組織診結果は前に教えていただいたとおりで、がんの顔つきはおとなしいとのことです。ホルモン感受性もあり、Her2陰性の場合、術後放射線治療とホルモン治療があると聞いています。術後のホルモン療法についてですが、どの薬剤をどのように組み合わせるかは医師によって違うと本で読みました。放射線については納得できたのですが、ホルモン療法の抗エストロゲン剤の副作用のところに子宮体がんを誘発する可能性があるというところが気になります。閉経前です。まだホルモン療法に入るまでは時間がありますが、事前に勉強しておきたいと思います。ホルモン剤の組み合わせとはどういうものがあるのでしょうか? 
それと昨日乳癌公開講座に参加しました。乳癌未来予想図と題した講演で、今後は化学療法が進み手術しなくてよい時代がくるようなお話もありました。術前化学療法をもちいた場合、小さくて顔つきの悪いがんには効果的で、がんが消えてなくなっていいるケースが80パーセントを越えていたそうです。私の場合は、顔つきはおとなしいのでラジオ派治療がもしかしたら効果的かとも、そのお話の中で感じましたが、これはまだ導入されたばかりで保険もきかないとのことでした。術後のへこみ具合も気になりますが、おなかの脂肪をとってまで埋め込みたいとも思いません。術後きちんと納得した再発予防治療をうけたいと思いますので、アドバイスお願いします。

閉経前乳癌の方の術後に多く用いられるホルモン剤には、LH-RHアゴニストに分類される酢酸ゴセレリン(商品名ゾラデックス)、酢酸リュープロレリン(商品名リュープリン)と、SERMに分類されるクエン酸タモキシフェン(商品名ノルバデックス、タスオミンなど)、クエン酸トレミフェン(商品名フェアストン)などがあります。通常どちらか単剤で用いるか、またはLH-RHアゴニストとSERMを1種類ずつ組み合わせて、治療を行います。(文責 谷)

 

No.8116】  08年07月11日   K.N.
微細石灰化としこり

37歳、2人の子持ちです。一昨日、“乳がん検診“(マンモグラフィ・触診・超音波)を受診してきました。結果は、右の乳腺下方に、「微細石灰化の集族を伴う境界明瞭な腫瘤陰影がみられます。」とのことでした。石灰化は、カテゴリー4、腫瘤陰影はカテゴリー3に相当します。腫瘤は、「2箇所あるらしく、1個は“線維腺腫?15*13*6、2個目は腺内LN? または、1個目のものと一連のもの? 12*12*3では…。」とありました。約2年前に集団検診で乳がん検診をしたのですが、そのときは“異常なし“(マンモグラフィあり)だったので、そのときのデータと今回の結果を比較することが出来ないので、「集団検診のあった病院で“検査“をしてきて下さい!」とのことでした。担当医の言葉に、「2年前は何も言われませんでしたか?」「まだ3才のお子さんがいらっしゃるんですか?」とありました。これを聞いたかぎりでは、初期の“乳がん“なのでしょうか? または、その疑いが強いのでしょうか? 細胞診で“悪性“と判断された場合、どんな治療法がよいのでしょうか?

検診で石灰化カテゴリー4、腫瘤カテゴリー3、との事ですので、その結果からは悪性の可能性があるということになります。2年前のマンモグラフィをごらんになった医師が「2年前は、何も言われませんでしたか?」と仰っているとのことですから、2年まえのマンモグラフィにも何らかの異常所見があったのだと想像はできますが、もちろんその言葉だけでで良悪の判断はできません。ましてやそれが悪性であったとしても直接拝見しているわけではありませんので、治療法に関してはお答えしかねます。次回担当医の先生によくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.8115】  08年07月10日   S.M.
肺転移

初めて相談させていただきます。母は現在60歳で、20年前に右乳癌に対して乳房切除術+脇下リンパ節郭清を致しました。詳細は不明ですが、脇下リンパ節転移が一カ所あったようです。今回CTで左肺に一カ所だけ15mm大の結節があり、肺部分切除をしたところ乳癌転移の可能性があるとのことでした(免疫染色はされていなく術中迅速病理での結果です)。仮に転移であった場合、治療を行えば余命はどの程度と思われるでしょうか。いろいろ調べましたが、20年経過してからの再発は珍しいようで、あまりデータがないようです。私自身医療関係者で一般的に再発までの期間が長ければ再発後の予後も長いように思うのですが、いかがでしょうか。

乳がんは、時間が経ってから再発することも珍しくはありません。20年経過しても再発することはあると思います。相談さんがおっしゃっているように、一般に初回治療から再発までの期間が長いものは、再発後の予後も長い傾向は確かにあると思います。余命については、治療にどの程度反応するか、他の部位の転移が現在あるかにもよるので、ここでお答えするのは難しいです。主治医の説明を受けてください。(文責 俵矢)

 

No.8114】  08年07月10日   O.S
マンモトーム生検&センチネルリンパ節生検

よろしくお願いします。検診でしこりがあると言われ、検診の病院で、もう一度マンモグラフィを上下左右と、超音波を撮って調べました。結果、がんの可能性はクラス3だと言われました。乳腺外科のある別の病院に行って、もう一度調べました。マンモグラフィと多分超音波による細胞診を行って細胞を調べました。1センチ×1.2センチの大きさだと言われました。1週間後に結果を聞きにいきましたが、がんだと言われ、手術の予定を決めました。入院の前の日にマンモトーム生検を行う予定を聞きました。
1) マンモトーム生検は細胞診でがんかどうか決められないような時に行うものだと思っていたのですが、もう既にがんだと言われ、手術の予定まで決まっているのに、マンモトーム生検をする必要があるのでしょうか?
2) マンモトーム生検をするとがん細胞が他に散らばる可能性があると、どっかで見たのですが、本当でしょうか?
3) を手術中に行う予定なのですが、センチネルリンパ節生検が適応にならない場合の中に「乳がんの生検をすでに受けている」という項目があるのですが、この場合の生検はマンモトーム生検は入らないのでしょうか?

以上3点、よろしくお願いします。細胞診では、腫瘍細胞の性質などまではわからないので、術前にそれを確かめておくのではないでしょうか。

マンモトームや針生検の針を刺したところに、腫瘍が播種する可能性も言われていますが、この場合は手術を予定されているということなので、その場所も同時におそらく切除されるのだろうと思いますので問題にはならないでしょう。センチネルの適応で言われているのは「切除生検」といって腫瘍そのものを取り除く方法のことを言っているので、マンモトーム生検ならば問題ありません。(文責 俵矢)

 

No.8113】  08年07月10日   M.O. 
術後の生活について

術後の生活について、教えてください。3週間程前に左乳房全摘手術と、脇の下のリンパ節も切除しました。現在は、リンパの廃液を抜きに週2〜3回通院していますが、その後、抗がん剤等の治療が始まるそうです。退院後は特に問題もなく、とても元気なので、夏休みに子供とプール等、旅行に行きたいと考えているのですが、プールや温泉は術後の今の時期は、ばい菌による感染防止という観点から入らない方がいいのでしょうか? また、抗がん剤の治療が始まってから、体調がよい時期であれば旅行などもできるのでしょうか? 宜しくお願いします。

傷の状態が、文面からだけではわからないので、現時点でプールに入っていいかはお答えできません。主治医にお尋ねください。抗がん剤が始まっても、体調がよければ旅行などはかまわないと思いますが、その時の状態によるので、そのつど主治医に確認してみてください。(文責 俵矢)

 

No.8112】  08年07月10日   A 
痛みのあるしこり(1センチ程度)

30歳、2人出産しています。2人とも、ほとんど母乳が出ず、6か月くらいで止めました。一昨日、左わきの下を押さえると、痛みがあるしこり(1センチ程度)に気づきました。乳房のしこりは分かりません。乳がんを心配しています。外科を受診したほうがいいでしょうか?

乳がんの可能性はそれほど高くなさそうですが、30歳ならば一度検査しておくのもよいと思います。心配しているよりも、一度受診されてみるのがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.8111】  08年07月10日   U 
紡錘細胞癌

細胞診の結果、悪性の葉状腫瘍の疑いとのことで、五月末に腫瘤摘出手術を受けました。病理結果で、葉状腫瘍ではなく紡錘細胞癌とのこと。現在、病理のセカンドオピニオンを依頼中ですが、主治医からの提案としては、「転移予防としてアドリアマイシンを投与するか、無治療で経過をみるか。なんといっても症例が少なく、この薬が有効だというデータがないため、有効性についてはなんともいえない。」とのことです。事情があり、夫以外の家族に病名を言えないため、有効性が実証されていないなら出来れば抗がん剤治療は受けたくありません。それでも、もし転移をしたらこの選択を後悔するのではないかとも思います。同じ紡錘細胞癌の方で無治療で転移も無く過ごしている方は実際おられるのでしょうか。データでなくてもかまいません(ないと聞いていますので)。情報をお持ちでしたら教えていただけますでしょうか。

紡錘細胞がんは、乳癌取り扱い規約では「特殊型」に分類されており、頻度としてはそれほど多いものではないです。通常の浸潤性乳管癌と比べると、抗がん剤の効果が少ない可能性は言われていますが、確定的なことは言えません。術後治療などに関しては、一般の浸潤性乳管癌に準じて行われていることが多いと思います。(文責 俵矢)

 

No.8110】  08年07月07日   E.K.
石灰化について

初めてメールさせていただいています。41歳、出産経験はありません。気管支喘息にて定期的に内科受診しており、発作にて胸部CTを撮影した際、「右乳房に影?があるような気がするので、しこりが出来てこないかどうか?自己検診してみて下さい」とのことでした。心配になり、外科でマンモグラフィーとエコー及び触診を受けました。触診、エコーでもしこりは見つかりませんでしたが、マンモグラフィーでは、「石灰部分があります」との診断でした。「石灰(化)の部分が大きくならないかどうか?半年後にもう一度マンモグラフィーをとりましょう」と言われましたが、カテゴリーの説明、細胞診などは行われず、いろいろ調べた結果、自己診断ではカテゴリー3かなと思っています。内科と外科のある総合病院での診察で、同一日に内科受診をした際には、「乳房は特に問題なかったんだ」と言われ、どちらの医師の話を信じれば良いのか疑心暗鬼になっています。電子カルテにはカテゴリーが記載されていると考えれば、「内科の医師の説明を信じてもいいのかな?」と思うのですが、如何なものでしょうか? 現段階で悪性である可能性はかなり高いのか? 半年待っても初期の乳がんとして治療が可能なのか? 悪性だったとしても、治療後出産は可能なのか? 質問したい事は以上4点なのですが、検査を受けた病院の外科の医師には聞きづらく、石灰?=癌なの?と、かなり舞い上がり、質問できなかったので教えてください。お願いします。

メールの内容から判断すると、仰るとおりカテゴリー3の石灰化が予想されます。しかし、直接拝見しておらず、これ以上の詳しいお話はできませんので、もう一度診てくださった外科の先生にお会いして、所見をお聞きになるべきであると考えます。(文責 谷)

 

No.8109】  08年07月07日   H 
手術をした乳房に18oの新しいものが映っていました(2) (HPNo.8077-2

HPNo.8077です。その節はありがとうございました。もう1度担当の先生にお話しをお伺いに行きました。超音波で写っているのは乳腺症だと言われました。15o×12oです。それらをすべて生検はできないので、2ヶ月様子を見るということです。又、マンモグラフィには写らないということでした。超音波で良性か悪性か判断出来るものなのでしょうか。マンモグラフィに写らないとは? 又、乳腺症になる原因は何でしょうか? 乳腺症から癌になったりするのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

温存療法後の乳房内に一部変化した部位があり、これが超音波で腫瘤様に確認できるのだと思います。私は直接拝見しておりませんので詳しいことは申し上げられませんが、悪性の可能性は低いと考えられるが、癌の手術後でもあり慎重にフォローしてゆきたいという主治医の先生のご意見だと思います。純粋に乳腺症なのか、それとも術後の変化を乳腺症と表現しているのかなど不明ですが、そのあたりも含め再度主治医の先生によくお聞きになられてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.8108】  08年07月07日   K 
背中の痛みについて

よろしくお願いいたします。36歳、2児の母です。3月に左乳房全摘出し、抗がん剤EC3クール目が終了しました。抗がん剤治療後はハーセプチン単独1年します。病理結果 「T3N0M0乳頭腺管癌(9.5cmX6.5cm)、浸潤<非浸潤が混ざっている癌、核グレード3、リンパ節転移 無(0/13)、ER(−)、PgR(−)、HER2(3+)。
1) EC3クール終了し、次週最後の投与となりましたが、最近背中に軽い筋肉痛のような痛みがあります。治療中は外出も控え、のんびりと家の中で過ごすことが多く、体力も低下してきたのかな?と思ったり、まさか、骨転移?と考えるようになり毎日不安でなりません。抗がん剤治療中に骨転移という可能性もあるのでしょうか? 手術前に、骨シンチの検査をしましたが、その際は骨や臓器の遠隔転移はみつかりませんでした。現段階で、腫瘍マーカーで検査したら数値は上昇するのでしょうか?
2) もし骨転移だったら、ハーセプチン単独は効果があるのでしょうか? 転移の場合はハーセプチン+タキサン系の治療が標準治療となりますか?
3) EC2クール目までは順調に投与できたのですが、3クールめの投与の際白血球が2000で1週間延期、4クール目に至っては白血球1600のため、またも延期となってしまいました。回を重ねていくと回復も遅いのでしょうか?

お忙しいところ大変恐縮ではございますが、よろしくお願いいたします。

1) 抗がん剤治療中でも骨転移が見つかる可能性はあります。ただ症状である程度骨転移の可能性を見極められますので、まず主治医の先生に痛みの場所や程度をお話になって、更なる検査が必要か否か判断していただくのがよろしいかと思います。腫瘍マーカーは目安であって、それだけで骨転移の有無の判断はできません。
2) もし転移が生じたのであれば、現在のEC療法は効果がないということになりますので、私ならばハーセプチン単独でまず効果を確認し、それにタキサンの追加やゾメタの使用・放射線治療などを選択肢に加え検討したいと思います。
3) 貴女のように、抗癌剤の回数を重ねるごとに、白血球の低下や消化器症状(悪心・嘔吐など)が少しずつ増加するケースをしばしば経験します。(文責 谷)

 

No.8107】  08年07月07日   T.S.
乳がん健診

乳がん健診をしました。触診は所見なしですが、「超音波、右乳房のう胞」「X線、左乳房乳房内リンパ節」「12ヵ月後に再検査、ただし症状があれば受診してください」と書かれていました、初めての健診で、結果も郵送でしたので、どういう状況なのかわかりません。これって癌なのでしょうか? それとも癌になるかもしれない、と言う事なのですか?

超音波上の”のう胞”や、マンモグラフィ(X線)上の”乳房内リンパ節”は、いずれも良性の所見であり、特に癌の可能性を示唆するものではありません。乳癌検診における12ヶ月後の再検査という表現は、”良性の所見はあるが、今のところ癌の心配はなし”と受け止めていただければよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.8106】  08年07月07日   S.N. 
乳癌検診の疑問点について

ご相談したい事がございましてメールさせて頂きました。28歳です。乳癌検診を受けて、視触診では腫瘤(+)となりましたが、乳腺エコーでは異常は認められないという結果を頂きました。自分では触ってみてもよく分からず、以前と比較しても何かが大きく変化した様には感じません。不安を覚えまして、こちらのサイトを拝見させて頂きましたら、逆に視触診では腫瘤は認められなくても、エコーでは見つかった等の事を幾つか見せて頂きまして、「もしかしたら見落としではないか?」との不安を抱えております。マンモグラフィ検査は今回は受診しておりませんでした。この様な時は、別の病院や、マンモグラフィでの受診をしてみた方がよろしいのでしょうか? また、視触診で腫瘤(+)でもエコーの画像上では腫瘤を形成していない病変などあるのでしょうか? また、この様な検査結果の乖離はどの程度見られるものでしょうか? お忙しい所申し訳御座いませんが、ご回答頂けましたらと思います。よろしくお願い致します。

一般に乳癌検診は、@視触診、Aマンモグラフィ、B超音波、のいずれかにて行い、そのいずれにも長所・短所があり完全な方法はありません。よって、そのいずれかの方法で異常の可能性があると判断した際に、他の方法で確認するといった形で精査を進めてゆきます。貴女の場合、視触診にて腫瘤が疑われたため、それを踏まえ超音波にて精査したところ異常がなかったとの判断ですので、通常は安心してよいのだと思います。しかし不安が拭えないようでしたら、他の乳腺外科を受診し、再度診察していただくのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.8105】  08年07月07日   K.
転移性乳がん

少し理解が?なところがありますので御伺いします。
1) 局所再発腫瘍の針生検ではDCIS浸潤がんは?でした。この場合、局所腫瘍と転移腫瘍との性格は異なりますか? 局所腫瘍で調べたホルモンレセプターの結果は、転移腫瘍においてもそのまま適応可能でしょうか?
2) ”HER2は浸潤がんで検査する”というコメントを見たことがあります。針生検で採取されたのがほとんどDCISならば、HER2評価は不可でしょうか?
3) 転移性乳がん治療中ですが、約3か月腫瘍径は不変状態です。「不変=効果あり」というのは理解しているつもりですが、治療開始が不変である場合でも、今後”腫瘍縮小”は期待できるでしょうか?

1) 乳癌術後の複数個所への再発の場合、それらは通常同様の性格の腫瘍と考えられます。よって、局所再発で調べたデータをもとに治療を計画することで、遠隔転移の部位へも効果が期待できます。
2) 仰るとおりHER-2は浸潤部位で判定することとなっております。よって通常DCISの部位でのHER-2の判定はできません。
3) まだ治療開始後3ヶ月ということですので、今後縮小の可能性も十分にあると考えられます。(文責 谷)

 

No.8104】  08年07月07日   F 
食生活の中で気をつける事

宜しくお願いします。
1) 牛乳にはエストロゲンが含まれており乳癌の発生を促す、という噂を聞きましたが、この話は本当でしょうか。
2) 食生活で、摂った方が良いもの、摂らない方が良いもの、ありましたら、教えて下さい。

1) 牛乳が乳癌の発生を促すとなると大変なことになりますが、少なくとも通常に飲用する分には問題はないと思われます。
2) 以前より脂肪摂取が乳癌のリスクを高めるとか、野菜や果物の摂取が乳癌のリスクを下げるなどという仮説が述べられておりましたが、そのいずれも現在では根拠がないとされております。一方、大豆食品が乳がんのリスクを下げるというデータはあるようですが、その成分であるイソフラボンをサプリメントとして摂取することは、特に乳癌の患者さんには避けるべきとされており、結局のところ食事と乳癌の発生に関しては今のところまだよくわかっていないと考えてよさそうです。(文責 谷)

 

No.8103】  08年07月07日   J  
再発の危険性

今日、母が乳癌の手術をしました。大きめのガンでしたが、抗ガン剤が良く効き、温存できました。まだ、手術で取り除いたガンの検査とかをしないと詳しくは分かりませんが、主治医の先生の見解では再発率は50%程だそうです。そこでお聞きしたいことがあります。これから放射線治療等を行い、再発しないように頑張っていきます。もし、再発してしまった場合は、今までよりも危険が高まるのでしょうか? また、10年再発しなかった場合は、普通の人と同じように長く生きられるのでしょうか?

術前に抗がん剤治療を施行した後、乳房温存術をお宇受けになられたところのようです。今後まず手術の標本からお母様の癌の程度や性質を調べたうえ、術前の抗癌剤の効果や今後の再発するリスクなどを検討し、それをもとに主治医の先生から今後の方針のご説明があると思います。その際に再発率や今後の注意点等をよくお聞きになられるとよいと思います。再発部位によっても異なりますが、手術した部位の近くに生じる局所再発を除けば、いったん再発が見られますと、完全に治る可能性はかなり低いと考えなければなりません。(文責 谷)

 

No.8102】  08年07月07日   H
術後の経過と検査について

今年1月下旬に温存手術をし、その後放射線治療を受け、現在はゾラテックスとノルバックスの服用(注射)の治療を継続しております。 病理組織の診断結果は、「リンパ節転移1個中0、年齢35才以上、 腫瘍の大きさ1.4cm、腫瘍悪性度1、ホルモン感受性陽性、HER2 は陰性」でした。 心配なことは、手術時に乳輪にそって切った患部(5センチ位)周辺が硬くなっており、まだ一日に数回軽い痛みも感じます。担当医の先生は、「患部の硬いのは問題なく、次第に治ってくる」とおっしゃっていますが 手術から半年たって、患部が硬かったり痛かったりするのは、よくあることなのでしょうか?  また、術後、放射線治療中は血液検査を1週間に1度うけましたが(最後は4月上旬)、その後、特にエコー、レントゲン等の検査は受けておりません。術後6ヶ月経つので担当医の先生に相談した方がよろしいでしょうか?  以上、よろしくお願いします

温存術後の創部付近は、術後何年かたっている方でも硬いままの場合がしばしばみられます。多くは手術操作の影響と考えられ、心配はありません。痛みも軽い程度のものであれば、おそらく心配はないと思われます。しかし、気になるようでしたら、主治医の先生にその旨お話しし、エコー等で一度確認していただくのがよろしいかと考えます。(文責 谷)

 

No.8101】  08年07月05日   mimi
術後の治療について

乳ガンの術後の治療についてご相談させて頂きたいと思います。お忙しい中申し訳ございませんが、どうかアドバイスの程宜しくお願い致します。
32歳で乳ガン温存手術を受けた者ですが、今後の予防治療について、ホルモン剤(注射2年、錠剤2年)もしくは抗ガン剤(点滴6クルー)か、どちらかを選ぶようにと言われており、迷っております。無治療も可能ですが、年齢が若いので予防治療はしておいた方がよいとのことです。
病理結果は、「硬癌1.5cm、リンパ転移なし、脈管浸襲なし、ER(+)PgR(+)、ガン細胞の顔つきは1で、年齢以外は低リスクとのことです。HER2はマイナス、断端は陽性→少しだけなので放射線で大丈夫」とのことでした。今後放射線治療をして、全身治療をホルモン剤か抗ガン剤かどちらが自分にとって良いのかわからない状態です。昔から月経不順でして、子宮癌を誘発するといわれるホルモン剤を服用することにも不安があります。そして、今後妊娠したいと思っておりますので、ホルモン剤で長期治療するより抗ガン剤の短期治療で済ませてしまった方がよいのでは?という気持ちもあります。また、ホルモン剤の方が副作用が少ないのは分かっているのですが、抗ガン剤の方が強いお薬なので再発率が少ないのでは?とも感じます。弱い副作用を長期間味わうか、強い副作用を短期間で済むか…、私にとっては体と精神的なものを考え、どちらも同じくらいのダメージと感じ取れます。それなら再発率が少ない方を選びたいと思います。どちらも一長一短という気持ちがあるのでどうにも決断が出来ない状態です。どうかアドバイスの程、宜しくお願い致します。

今後の治療に関して、色々な選択肢があることによってかえって混乱してしまいましたね。よく、お話を分かるまでお聞きいただき、ご判断をしてくださいね。
まず、今回のご相談で気になる点が2つありました。まずは、断端が陽性だということ。基本的には、明らかに陽性であれば、追加切除が基本だと思います。もしそれで取り切れない場合は温存手術から乳房切除術に移行すればよいのだと思います。でも確かに、切除断端が陽性であっても、放射線治療で予防していくという考え方があります。そしてもうひとつは、年齢以外は低リスクというお言葉です。年齢がもし満たしていないのであれば、再発リスクは中等度となります。すると治療方法としては、ホルモン療法単独あるいは化学療法の後にホルモン治療ということになります。どちらを選ばれても正解であると思われますが、後悔しないようにじっくりお考えになって決めてくださいね。(文責 高橋)

 

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