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相談室(No.8201〜8300)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

8300 08/09/15 E  石灰化 清水
8299-1
8299-2

8299-3
08/09/15
08/09/19
08/10/06
Y.U.  手術・検査について
浸潤の可能性について
術後補助療法について
清水
須田
須田
8298 08/09/14 H 非浸潤癌ですか? 清水
8297 08/09/14 N  HER2について 清水
8296 08/09/14 mm 肺への転移 清水
8295 08/09/14 S  授乳中の血性分泌物 清水
8294 08/09/14 S 母の胸のしこり 清水
8293-1
8293-2
08/09/14
08/09/16
B  ホルモン療法の必要性について
温存療法と放射線
清水
須田
8292-1
8292-2
08/09/14
08/10/06
もも 放射線の短期照射について
息苦しさと胸膜転移
清水
須田
8291 08/09/12 K.T.  術後化学療法について 清水
8290 08/09/12 T.I.  母の乳がん&私の石灰化 清水
8289 08/09/12 みお 追加手術が再度断片陽性だった場合の治療について(HPNo.8233-2) 清水
8288 08/09/12 C.I 抗癌剤の選択について(HPNo.8056-3) 清水
8287 08/09/12 R.H. 病期ステ−ジ 清水
8286 08/09/12 KY ホルモン剤服用と子宮体がん検査 清水
8285 08/09/03 T.T. 浸潤性小葉癌について 片山
8284 08/09/03 Y  ホルモン療法の副作用でしょうか?(HPNo.5763-5) 片山
8283 08/09/03 A  ハーセプチンは必要でしょうか 片山
8282 08/08/30 K  ホルモン剤の選択について 片山
8281-1
8281-2
08/08/30
08/09/19
N.K.  ホルモン療法について
ホルモン療法について(2)
片山
加藤
8280 08/08/30 M.I.  肺転移の治療について 片山
8279-1
8279-2

8279-3
08/08/30
08/09/26
08/10/11
S.M.  抗がん剤治療について
乳がん治療の副作用
タキソール治療の回数と効果について
片山
首藤
高橋
8278 08/08/30 S  腫瘍マーカーについて(HPNo.7483-5) 片山
8277-1
8277-2
08/08/30
08/06/19
Moh 鎖骨リンパ節転移の治療
鎖骨リンパ節転移の治療(2)
片山
加藤
8276 08/08/30 PAPI 再建について(HPNo.8186-2) 片山
8275 08/08/30 I.T.   線維腺腫でしょうか? 片山
8274 08/08/30 Y.A.  転院は断念すべきでしょうか? 片山
8273 08/08/30 A.N.  生理時期をずらす薬について 片山
8272 08/08/30 再発、転移の可能性(HPNo.8262-2) 片山
8271 08/08/30 n・k 乳腺線維腺腫 片山
8270-1
8270-2
08/08/28
08/09/19
S 乳がん手術後
管状癌の今後の治療について
片山
加藤
8269 08/08/28 Y.M. 乳がんの可能性ありでの運動について 片山
8268 08/08/28 K.I.  術後の放射線治療について 片山
8267 08/08/26 K  ホルモン療法の効果は? 片山
8266 08/08/26 N  手術について(2)(HPNo.8197-2) 片山
8265 08/08/26 S.I. 今後の検査について 片山
8264 08/08/26 K 乳腺嚢砲症について 片山
8263 08/08/25 A  胸のしこり 石山
8262-1
8262-2
08/08/25
08/08/30
T 硬癌
再発、転移の可能性
石山
片山
8261 08/08/25 リスク分類(HPNo.8237-2) 石山
8260 08/08/25 H.B. 男性の乳がんについて 石山
8259 08/08/23 N  腹直筋の欠損部分のメッシュ(2)(HPNo.8254-2) 石山
8258 08/08/23 Totty 非浸潤性乳管がんのホルモン療法の必要性について (2) (HPNo.8225-2) 石山
8257-1
8257-2
08/08/23
08/09/28
TUFFY 浸潤性乳管がんとブースト照射の必要性、今後の治療、ほか
再発率
須田
首藤
8256 08/08/23 T.S.  ビタミンEの摂取について 石山
8255 08/08/23 y.o 化学療法に切り替えるかどうか迷っています 石山
8254-1
8254-2
08/08/22
08/08/23
N  腹直筋の欠損部分のメッシュ
腹直筋の欠損部分のメッシュ(2)
石山
石山
8253 08/08/22 M  葉状腫瘍の術後について 石山
8252 08/08/22 イオン治療器について(HPNo.7832-3) 石山
8251 08/08/22 ひまわり 今後の治療法について 石山
8250 08/08/22 N.R.  抗がん治療後の後遺症について 石山
8249 08/08/22 N ゾラデックス3年(HPNo.4866-2) 石山
8248 08/08/21 Y.Y.  乳輪のただれ 石山
8247 08/08/21 K  今後の治療について(全摘か温存か?) 石山
8246 08/08/21 左胸の痛み 石山
8245 08/08/21 K.K. 骨シンチ(HPNo.8167-2) 石山
8244 08/08/21 A T  ホルモン療法との併用について 石山
8243 08/08/21 F.T. 乳がん転移治療内容の変更について(HPNo.2232-12) 石山
8242 08/08/20 今後の治療について 石山
8241 08/08/20 痛みのあるしこり 石山
8240 08/08/20 K.K. 抗癌剤による白血球の減少 石山
8239 08/08/20 K・N 生理開始前後の精密検査について 石山
8238 08/08/20 ゆき 左胸から脇にかけての鈍痛 石山
8237-1
8237-2
08/08/20
08/08/25
術後の治療について
リスク分類
石川
石山
8236 08/08/20 S  今後の治療について 石川
8235 08/08/20 W.C. タモキシフェンの副作用なのでしょうか? 石川
8234 08/08/20 M.T. マンモグラフィの結果、精密検査が必要 石川
8233-1
8233-2
08/08/20
08/09/12
みお 転移ではないかと不安です
追加手術が再度断片陽性だった場合の治療について
石川
清水
8232 08/08/20 M.T. 術後の放射線治療について 石川
8231 08/08/20 J K  ホルモン治療 石川
8230 08/08/18 Y.N ホルモン療法中の子宮内膜増厚(HPNo.5979-2) 石川
8229 08/08/18 P.S 補助療法について 石川
8228 08/08/18 K  血液検査等について(HPNo.7563-5) 石川
8227 08/08/18 M.H. 再発後のホルモン治療と化学療法後の歯の治療について(2)(HPNo.8188-2) 石川
8226 08/08/18 病理結果について 石川
8225-1
8225-2
08/08/18
08/08/23
Totty 非浸潤性乳管がんのホルモン療法の必要性について
非浸潤性乳管がんのホルモン療法の必要性について(2)
石川
石山
8224 08/08/15 F  胸の痛みと炎症性乳がんについて 小池、川本
8223 08/08/15 Y.F. 術後の化学療法について(HPNo.8139-2) 小池、川本
8222 08/08/15 免疫細胞療法の有効性について(HPNo.8003-4) 小池、川本
8221 08/08/15 K 血液検査(HPNo.7563-4) 浅川、川本
8220 08/08/15 M.K.  粘液ガンの細胞診後の腫れ 浅川、川本
8219-1
8219-2
08/08/15
08/10/03
K  超音波ガイド下マンモトーム生検による出血
乳頭からの分泌物
浅川、川本
鈴木
8218 08/08/15 NH 再検査の時期について 浅川、川本
8217 08/08/15 ゆう ホルモン療法の継続について 浅川、川本
8216 08/08/15 M.K. 化学療法中の漢方と温存術後の発赤 土屋、川本
8215 08/08/15 s e 生理の再開と妊娠について 土屋、川本
8214 08/08/15 K.Y. 術後の治療について 土屋、川本
8213 08/08/15 T  乳癌と妊娠 緒方
8212 08/08/15 S・M 集簇性石灰化 緒方
8211 08/08/15 M.M.  ノルバデックスの副作用? 緒方
8210 08/08/15 m 転移性乳癌、進行性乳癌について(HPNo.8178-2) 緒方
8209 08/08/15 A.U.  小学六年の息子のしこりについて 緒方
8208 08/08/15 ゆぅ 治療方針について(HPNo.7915-6) 緒方
8207 08/08/15 A  術後の経過と治療について 西川
8206 08/08/15 S 乳房温存、リンパ転移1/20放射線の必要性 西川
8205 08/08/15 M 温存後の治療について 西川
8204 08/08/14 K・M エスロゲンに似た作用をする食品の摂取は?(HPNo.6602-3) 石川
8203-1
8203-2

8203-3
08/08/14
08/09/28
09/01/25
JUNE 血性分泌
血性分泌の検査結果について
線維腺腫について
石川
首藤
高橋
8202 08/08/14 S.S. ゼローダの副作用について 石川
8201 08/08/12 H.I. 右肺上部の小さな影  吉田

 

 

 

No.8300】  08年09月15日  E 
石灰化

初めてのメールです。石灰化があると言われ、生検の予定です。微細で、放射的に出ているのは、悪性度が高いのでしょうか?

石灰化の原因がすべて乳がんという訳ではありません。石灰化の形や分布から乳がんらしさがどのくらいかをカテゴリー分類しますが、石灰化の形や分布から乳がんの悪性度はわかりません。(文責 清水)

 

No.8299-1】  08年09月15日   Y.U. 
手術・検査について

乳癌が胸の筋肉に極近いと診断されました。一般的にどのような手術を行うのでしょうか? また、転移が心配なのですが、胸膜や胸の筋肉を取って病理検査したりするのでしょうか?

術前の画像診断で大胸筋に近いと診断されても、以外と胸筋浸潤していることは少ないのですが、もし術中に浸潤が認められればその部分を合併切除します。浸潤がなければ、その部分を術中に病理検査をすることはあまりしないと思います。大胸筋に浸潤しているような乳がんは腋窩リンパ節転移があることが多いので、再発のリスクを低くするために術後補助化学療法をしっかりやることになるのではないかと想像されます。(文責 清水)

 

No.8299-2】  08年09月19日   Y.U. 
浸潤の可能性について

HPNo.8299で相談させていただきました。ご回答ありがとうございました。度々のご相談で申し訳ないのですが、ご回答いただければ幸いです。乳癌手術後病理の結果、胸膜までが0.1mmだった場合、胸筋への浸潤の可能性はあるでしょうか? 再度、検査をしたほうが良いのでしょうか? また、検査が必要な場合、どのような検査があるのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

胸膜ではなく、胸筋膜だと思います。切除断端まで0.1mmですので、病理学的には断端陽性(5mm以内)という事になり、胸筋への浸潤の可能性はあると考えたほうが良いと思います。たとえばPET-CTでの検査では、一般には1cm以上の病変がないと描出できないと言われていますが、術後補助療法を行いながら、1年に1回の follow up 検査で、局所再発をチェックしては如何でしょうか。主治医とご相談下さい。(文責 須田)

 

No.8299-3】  08年10月06日   Y.U. 
術後補助療法について

先日、HPNo.8299で相談させていただきました。ご回答ありがとうございました。先生のご回答の中で、術後補助療法を行いながら、1年に1回の follow up 検査で、局所再発をチェック」とありましたが、この場合の補助療法とは、どんなものがあるのでしょうか? またfollow up検査は、何をしたらよいのでしょうか? また、乳腺温存放射線治療後、心臓がドキドキしてしまう事が続いているのですが、放射線のせいなのでしょうか? それに対しての治療はありますか? もしくは、日がたてば治るものなのでしょうか?

摘除標本の検査情報がないので何も言えませんが、術後補助化学療法には、アンスラサイクリン、タキサン等があります。それぞれの効果や副作用等も含めて主治医がら説明があると思いますので、充分お話を伺って、納得のいく治療法を選択して下さい。術後補助療法は、放射線終了後に行なう事になると思います。 follow up としては、例えば PET-CT 等がありますが、これも主治医にご相談下さい。
「心臓のドキドキ」は、乳房照射とは関係ないと思いますが、主治医に報告し、一度循環器科で診てもらって下さい。(文責 須田)

 

No.8298】  08年09月14日   H
非浸潤癌ですか?

エコーで2cmくらいの癌が見つかり、温存手術をしました。年齢は50歳です。病理の結果は、Non-invasive ductal carcinoma(DCIS) microinvasion:(+)?, pT(size of invasive component): =<0.1cm(?)、 ホルモン陰性、HER2陽性、センチネル0/4、断端陰性でした。主治医のお話の際には非浸潤癌だと思い込んでいたのですが、帰ってきてからコメントの欄を見ると、「microinvasionの可能性を完全には否定できません」と書いてあるのを見て、不安になりました。いくつか疑問点があるので教えてください。

1) これは非浸潤癌(0期)なのでしょうか、それとも浸潤癌(I期)なのでしょうか?
2) 主治医から、念のため抗がん剤とハーセプチンを行う選択もあるがどうしますかと聞かれ、非浸潤癌であるという前提で放射線だけにしたいと申し上げたのですが、この選択は妥当でしょうか?
3) 病理の中に、EIC(+); ICT(++), NCAT(+)とあるのですが、これはどういう意味ですか?
4) 上記の病理結果から、再発率、生存率を教えていただけますか?

1)“Microinvasion(+)?”という表現は、病理の先生が、浸潤しているかどうか判断に悩む箇所が多分一カ所あるということだと思います。これがあるとないでは、貴女がおっしゃるように0期と1期の大きな分かれ目ですから、病理の先生も慎重になったのでしょう。しかし、浸潤がないというのはどういう状態かというと、約3-5mmの厚さに切った全ての標本ブロックの面に浸潤の所見が見つからないということで、その3-5mmの厚みの中に浸潤の所見が絶対にないとは言い切れないのです(ですから非浸潤ガンでもリンパ節転移が見つかったり、稀に再発したりすることがあるのです)。だからといって、標本ブロックのすべてを薄くスライスして調べることは膨大な枚数のプレパラートを作らなければならず、不可能です。ですから、非浸潤ガンというのは通常の標本の作り方(3-5mm幅の標本作製)の範囲で浸潤所見が見つからない乳がんということで、そのような大雑把な定義でも、現実的には再発はほとんどないので、非浸潤がんいう定義が有用なのです。そう考えてくると、貴女の乳がんの“Microinvasion(+)?”の意味は、“病理の先生が自信を持って断言できる明らかな浸潤の所見はない”と言い換えることができるのではないでしょうか。私は、貴女は0期であると考えて良いのではないかと思います。
2) 私も放射線治療だけで良いと思います。ただし、次の乳がん(反対側の乳がん、乳房内再発)の発生を抑えるという意味での抗エストロゲン剤の内服の是非を考える意味は少しあります。
3) EICはExtensive Intraductal Componentの略で乳管内成分が広範囲に広がっているという意味で、非浸潤ガンであれば当たり前の所見です。ICT, NCATという略語は通常の乳がんの病理では使わない略語なのでわかりません。
4) 死亡率、全身への転移再発率は、貴女の他病死の確率より遥かに低く、ゼロとは断言できませんが、ほぼゼロに近いと考えられます(文責  清水)。

 

No.8297】  08年09月14日   N 
HER2について

7月に乳がん温存手術を受けました。現在放射線治療中です。今後の治療についてご相談です。主治医からは、経過観察でも大丈夫と言われています。私も抗がん剤治療は受けたくありません。ただ気になるのは、HER2が判定としては 0 ですが(浸潤部)、乳管内が +3 ということです。場所によって違う結果です。他は、「アポクリン癌 ・リンパ転移無し ・ホルモン陰性 ・年齢60才 ・ガンの大きさ2cm以下 ・核異型度 1 ・脈管侵襲無し」です。抗がん剤をやるとすれば、ドセタキセル+エンドキサンだそうです。ご意見を聞かせていただきたいので、よろしくお願いします。

非浸潤ガンの部分はコメドタイプであれば多くの場合Her2 (3+)になりますから、通常は浸潤部のHer2の状態で判断します。ですから、貴女の場合はHer2陰性と考えて良いと思います。貴女のデータをAdjuvant Onlineでみてみると、10年生存率83.3%、他病死10.9%、乳がんによる死亡5.8%となり、化学療法によるメリットは1.6%でした。10年間の再発率では無再発率70.7%、再発率19.3%、化学療法のメリットは6.4%でした。St. GallenのコンセンサスではER(-)ですから、中リスクで化学療法が推奨されます。推奨治療はAC、FEC, CMF, A->CMFなどです。TCは最近報告された治療でACより良いとのことですが、多少副作用が強いようです。化学療法のこの効果の大きさと、副作用を天秤にかけて判断することになります。主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.8296】  08年09月14日   mm
肺への転移

初めて投稿いたします。3年前に乳癌の部分切除をし、その後約2年後に骨転移を発見。胸骨のみに見られる転移だったので、放射線治療をしました。現在肺への転移の可能性が極めて高いと診断されています。医師の勧めを断り、抗がん剤は使用していません。ゾメタのみを骨転移発見のあと使用しています。今回の肺への転移発見にあたり、医師からは再度、抗がん剤の使用について検討するよう勧められています。しかし、抗がん剤使用の治療健闘むなしく、亡くなっていく方が非常に多いのは周知の事実です。あらゆる個人差を無視して構いません。単純に統計だけを見た場合、抗がん剤使用者、不使用者の生存率を知りたいのですが、そういうデータを見つけられません。もしご存知でしたら、是非お教えください。

再発乳がんの場合、倫理的な面から、無治療と抗がん剤治療を比較するといった臨床試験はありません。ですから、そのようなデータはありませんが、正直なところ数ヶ月の延命が得られれば有効な治療と言われているのが現状です。再発後の治療が治癒に結びつくのはほんの数%で、大部分の再発乳がんの方は乳がんによって亡くなっていきます。ですから、最近の考え方は、再発乳がんの治療目的は治癒ではなくケアであると考えて、いかにQOLを保ちながら、少しでも延命させるかをテーマに治療法を組み立てます。貴女のように、症状のない肺転移の場合、抗がん剤の副作用を嫌って抗がん剤を使わないという選択肢もあると思いますし、咳や痛みが出てきたときに、症状緩和の目的で抗がん剤治療を選択するという選択肢もあると思います。ただし、近年注目されている分子標的薬剤はかなり有効なことが多いので、貴女の場合もHer2の状態によってHerceptinが使えるようであれば、かなりの延命が期待できると思いますし、これからでてくるいろいろな分子標的薬剤に期待をかけて、現時点での延命をはかるという考え方もありだと思います。(文責 清水)

 

No.8295】  08年09月14日   S 
授乳中の血性分泌物

現在11ヶ月の子供を完全母乳で育てています。34歳です。1ヶ月半ほど前に、朝起きたら右のブラジャーに茶色いしみが付いていました(2〜3センチくらい)。 しみを見つけた日の前日に、夜子供を寝かしつけながら授乳をしていて、思いっきり咬まれたので、もしかしたらそのせいで出血したのかと思いましたが、乳首には特に傷は見当たりませんでした。しばらく様子をみて、絞ってみてもその後はそのようなことはなかったのですが、それでも心配だったため、1ヶ月後乳腺外科で超音波でみてもらったところ、やはり異常はないようでした(ただ 乳腺が発達していて見えにくいので、断乳後3ヶ月くらいしてまたちゃんと検診を受けるように言われましたが・・・)。 そして4日前、母乳パットに薄いオレンジから濃い黄色の小さなしみがありました。主人に見せたところ、「血にはみえない。ちょっと神経質になりすぎてるのではないか。」と言われました。血性分泌物がある場合、初期の乳がんの可能性があるといいますが、やはり授乳中だと超音波では分からない場合があるのでしょうか? あと半年は授乳するつもりなので、次検査できるとしたら9ヶ月後くらいなのですが、このまま授乳を続けていても心配ないでしょうか? ちなみに、最後にマンモをうけたのは2年ぐらい前で、妊娠中と半年くらい前に超音波検査を受け、全部異常だったことはありません。よろしくお願いします。

血性乳頭分泌の原因が全て乳がんであるという訳ではありませんし、乳がんでなくても授乳中に血性乳頭分泌が出ることは時々経験します。しかし、血性乳頭分泌に気づいた時は、すぐに受診して、MMG、US、細胞診の検査を受けることが勧められます。ガンによる血性乳頭分泌の場合は簡単に止まらないことが多いので、一過性であれば神経質にならずに、主治医の先生の指示にしたがって検診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.8294】  08年09月14日   S
母の胸のしこり

母の胸にしこりがあります。母は友人、知人に相談して、色々言われてどうしていいのかわからないようです。しこりはかなり大きく、近くの婦人科医には精密検査をするように言われました。母は、「紹介してもらうと待遇が違う!」とか、「一番の先生になんとか渡りをつけて診てもらいたい!」と言います。ここの相談室を見ていると、母のこの考えにはどうにも嫌悪してしまう自分がいます。診てもらいたい先生の予約は2ヶ月待ちです。手遅れの方が心配です。

難しい質問ですね。確かに現状を考えると早く受診することが望ましいと思いますが、お母さんの気持ちを大切にすることも大事だと思います。貴女が早めに他の医師の受診を勧めても、お母さんがその医師の診察を強く希望されるなら、お母さんの気持ちを尊重してあげるしかないのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.8293-1】  08年09月14日   B
ホルモン療法の必要性について

7〜8ミリの悪性が見つかり、先月乳房温存手術を受けた42歳、子供あり、閉経前です。センンチネルは、4個中ゼロで、転移なし。病理組織検査結果は以下のとおりです。浸潤性小葉癌、核グレード1、ステージ1、脈管浸潤なし、低リスク、割面直径0.5p(ただし生検後)、ly(−)、v(−)、ER+、PgR+、HER2(−)。術後放射線療法と、ホルモン療法で皮下注射ゾラデックス3.6mgと、抗エストロゲン剤(毎日経口、薬名は忘れました)を勧められています。

1) 放射線療法は希望したいと思いますが、ホルモン療法は副作用が怖く、受けるかどうか悩んでいます。私のような場合、受けるのと受けないのとでは、どの程度リスクの軽減に影響があるのでしょうか?
2) ホルモン療法は、2つともする必要が? どちらか1つ選ぶとすればどちらが良いのでしょうか?
3) 傷が治りにくく、2週間後に一部壊死を起こし縫いなおしました。その1週間後に抜糸予定(明後日)です。傷がもし完治していなくても、放射線療法は始めて問題ないのでしょうか? また延ばすなら、どの程度の期間のばせるのでしょうか?
以上よろしくお願いします。

1)2) 小葉ガンと乳管ガンの予後は同じと仮定して、Adjuvant Onlineで調べると、貴女の10年生存率は無治療で96.7%、乳がんによる死亡の確率は1%、他の病気で死亡する確率は2.3%です。再発率でみると、無治療の場合の10年無再発率は83%で、再発率は14.8%です。再発を抑えるために抗エストロゲン剤(Tamoxifen;ノルバデックス)の5年内服で5.6%再発が減少して、10年再発率が9.2%になります。ゾラデックス単独の場合、またはゾラデックスとTamoxifenを併用した場合も、その確率は変わりません。ちなみに化学療法単独で5.2%の再発率の減少、化学療法とホルモン療法の併用で8.8%の再発率の減少です。2007年のSt.Gallenのコンセンサスでは、貴女の場合の推奨はTamoxifenとなっています。以上のことを考えると標準的な治療としてはTamoxifenだけで良いような気がします。
3) 放射線科の先生は傷が治ってからの治療を希望されることが多いように思います。基本的には傷が治ってから放射線治療を開始すると考えたほうがが良いと思います。(文責 清水)

 

No.8293-2】  08年09月16日   B
温存療法と放射線

早速の明確なお答ありがとうございました。数字を見てかなり安心しました。初期に発見されたことが何よりよかったのだと思います。そこでもう1点質問させていただきたいのですが、放射線治療は温存の場合、やはりセットもの(すべきもの)と、考えたほうがよいのでしょうか? しないという選択をした場合、弊害はどの程度でしょうか?

乳房温存療法は、乳房温存手術と乳房照射より構成されています。手術の役目は目に見えるこぶを取り除く事で、放射線療法の役目は手術で取り切れなっかた可能性のある目に見えないがん細胞をやっつけることです。手術標本の断端にがん細胞がない患者さんに対して乳房照射をすると、しない群の3分の1に乳房内再発を減らせるという事になっています。従って、放射線療法をしないと乳房内再発の危険度が高まります。(文責 須田)

 

No.8292-1】  08年09月14日   もも
放射線の短期照射について

先日、エコーで9ミリの腫瘍が見つかりました。詳しい検査はこれからですが、多分温存手術で、術後に放射線を当てることになりそうです。ドクターには、5日×6週間続けると言われましたが、ネットで短期照射というものがあるのを知りました。通常の照射と短期照射の違い、メリットとデメリットなどを教えていただけますか?

短期照射といのは、乳房内に特殊なカテーテルを挿入し、そこから局所的に放射線治療を行う方法で、5日間で終わるというものです。治療日数が短いのが最大のメリットですが、局所のやけどや痛みといった副作用もあるようです。短期照射の器械はMammoSite Radiation Therapy Systemと呼ばれ、米国では2002年にFDAの認可を受けて一部のがんセンター等で臨床試験を行っているようです。日本でこのシステムを導入している病院があるかどうか私は知りません。(文責  清水)

 

No.8292-2】  08年10月06日   もも
息苦しさと胸膜転移

先日は、放射線短期照射について教えていただき、ありがとうございました。私は現在、約9ミリのしこりがエコーで見つかっていて、これから詳細な検査を行います。検査まで10日ほどあるので、いろいろ本で調べたりしていて、不安に思うことが出てきました。乳がんの場合、しこりが小さい、ごく初期の段階でも、リンパに転移してなくても、他の臓器への血行性転移(?)がありうると、本に書いてありました。約3ヶ月ほど前から、息苦しい感じがあって、それが胸膜転移なのではないかとおびえています。咳や動悸など、他の自覚症状はありませんが、ごく小さい(1センチ程度の)乳がんで、他臓器への転移が起こる率はどれぐらいでしょうか? また、胸膜転移していた場合の症状の代表例はどんなものがありますか? 検査を受ける前に、いろいろ悪い想像をしても仕方がないとは思いますが、不安で仕方がないので、教えていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

StageTの10年生存率は約90%と言われていますが、10年の間に10%の方に遠隔転移が認められたということになります。StageTの場合、しこりの大きさは2cm以下ということになりますが、1cm以下のしこりであれば、おそらく数%だと思います。ご心配なさっている胸膜転移の主な症状は胸水貯留ですが、この場合は胸部X線撮影、又はCTにて検査することになります。いずれにしても不安や疑問がある場合は、胸の中にしまいこまず、主治医にご相談なさって、一つずつクリアしていくことが大切です。前向きに頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.8291】  08年09月12日   K.T. 
術後化学療法について

初めてご相談します。海外在住で今年7月、45歳、閉経前で胸筋温存左胸全摘手術を受けました。病理検査の結果は、英文のまま記入します。

Infiltrative ductal carcinoma of the breast, NOS, Grade 3 of 3, with extensive ductal carcinoma in-situ, high nuclear grade, with comedonecrosis.
Total tumour size 2cm in diameter, size of invasive component 0.6cm in diameter.
The tumour did not express estrogen or progesterone receptors.
There was Her2 receptor over expression.
Two sentinel nodes were free of disease on frozen section.

主治医より説明は受けましたが、英語に不慣れなため専門用語が分かりにくく、T1N0M0, stage1, poorly differentiated infiltrative ductal carcinoma です。乳管内にがん細胞は留まっていたが、一部浸襲がありその範囲は、0.6cmだと理解しました。ホルモン受容体がなくHer2 +3 のため、AC6回、その後ハーセプチンを最低で1年と言われています。現在、ACを3回終了しました。
1) 申し訳ありませんが、日本語で病理結果を教えて下さい。
2) グレード3でホルモン受容体がないが、リンパ節転移がないため、AC4回→T4回ではなくAC6回という術後化学療法を指示されました。Her2 +3 の患者の標準治療になりつつある?という記入を見るたびに、AC4回→T4回を選択しなかったことを後悔したくないと思うのですが、この二つの治療法の効果に大きな違いがありますか?
3) 生理が止まると聞いていたのですが、2回目終了一週間後から3回目を超えて一週間、合計三週間も生理が続き、3日間止まったと思ったらまた始まりました。微量ですが腰が重く辛いです。食欲増進剤のせいだろうと指示があり服用をやめたのですが、更年期も関係ありますか?

セカンドオピニオンが難しく、手術前からこの相談室のメールを参考にさせていただきました。ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

1) おおむね貴女の解釈であっています。広範囲な非浸潤性乳管癌を伴った浸潤性乳管癌(言い換えると微少浸潤癌)(NOS:Not Otherwise Specifiedの略で、それ以上の分類はできないという意味)組織学的悪性度3(1,2,3で数字が大きいほど悪性度が高い)。非浸潤性乳管癌の部分は中心壊死を伴うコメド型で核異型度が強い(非浸潤癌は充実型、低乳頭型、師状型、コメド型に分類され、コメド型は乳房内再発等が多く非浸潤癌の中ではたちが悪いタイプ)。腫瘍全体では直径2cmだが、浸潤部は0.6cm。ER(-)、PR(-)でHer2は陽性(通常はコメド型の非浸潤癌部はHer2陽性になる)。術中迅速診断での2個のセンチネルリンパ節に転移はない。
2) AC4->T4がAC4より再発が少なかったというデータはリンパ節転移陽性の患者さんを対象とした臨床試験の結果であって、リンパ節転移のない方の場合にTを加えた方が良いというデータはあまりありません(正確にはSpainの臨床試験でTACという治療法で良かったという試験結果がひとつだけありますが)。まして微少浸潤がんとなると、化学療法をやった方が良いかどうかが議論されるくらい予後が良いので、AC6で十分だと思います。
3) 年齢が45歳であれば、多分生理は止まると思います。今の状態は生理が止まる前の生理不順の状態だと思います。腰が重いのは、生理不順の影響も考えらます。もう少し様子をみるしかないと思います。海外での生活で何かと不安も多いでしょうが、現在の治療は十分すぎる治療と思えますので心配せず治療を続けてください。(文責 清水)

 

No.8290】  08年09月12日   T.I. 
母の乳がん&私の石灰化

初めて質問させていただきます。今年始めに母が乳がんと診断され、8月に左胸の全摘と、リンパ節をとる手術を受けました。母のことでもいろいろとお伺いしたいのですが、他の皆さんのように詳しい病状が分かりません(グレードや、陽性なのかなど・・・)。こう言ったことを知るには、主治医になんと聞けば、細かく教えてもらえますか?
また私も今年に入り、初めて乳ガンの検査を受けました(31歳、独身)(半年で2回、マンモとエコー)。その際、左胸にのみ石灰化があることがわかり、要観察となりました。半年後に再検査の予定です。この場合、乳ガンになる可能性はどのくらいなのでしょうか? やはり乳ガンになる確率は高いのでしょうか? ちなみに母以外には癌になった身内はおりません。いろいろとお伺いして、申し訳ありません。何卒よろしくお願いいたします。

1) 母の詳しい病状を知るには、主治医になんと聞けばよいかでしょうか?
2) 左胸だけに石灰化がある私の場合、乳ガンになる可能性は高いのでしょうか? またその確立はどのくらいでしょうか?

1) 遠慮せずに“病理の結果を教えてください。”でよいと思いますが、聞きにくければ、質問事項を作っていってはどうでしょうか。例えば、「1、組織型は? 2、リンンパ説転移の有無は? 3、組織学的悪性度(グレード)は? 4、エストロゲンレセプター(ER)、プロゲステロンレセプター(PR)の状況は? 5、Her2の状況は? 6、脈管侵襲(ly, v)の状況は?」 最低限でもこの6項目を確認しておけば、セカンドオピニオン等も受けやすいと思います。
2) 石灰化があるからといって乳がんになる確率が高くなることはありません。しかし、低くなるのでもありませんから、しっかり検診を続けることが肝要です。(文責 清水)

 

No.8289】  08年09月12日  みお
追加手術が再度断片陽性だった場合の治療について(HPNo.8233-2)

こちらの相談室は大変参考になり、いつも拝見しております。また先日はご相談のお返事をいただき、ありがとうございました。たびたび申し訳ございませんが、その後の結果が出まして、再度相談させて下さい。宜しくお願いします。36歳、10年近く前からの血性分泌より数年おきに受診。
7月 右乳房、非浸潤癌 最大9mm 乳管に沿って広がり、その関連乳腺摘出 乳房温存
8月 左乳房 微小浸潤癌 最大6mm 乳管に沿って広がり その関連乳腺摘出 乳房温存
9月 左乳房 断片陽性(連続性なし) 乳頭直下にも非浸潤癌が見つかり3回目オペ。 陽性側乳腺追加切除乳房温存、乳頭直下内部くりぬき、乳頭温存 センチネルリンパ節生検 9月の結果は出てません

右乳房癌細胞 グレード1  ホルモン受容性あり
左乳房 〃 1箇所目 グレード1 ホルモン受容性あり 
追加分は結果待ち

以上の結果から大変悩んでおります。

1) 左乳房に関して、再度断片陽性なら追加はせず、放射線治療をすると言われました。通常非浸潤癌が広範囲に広がっているようなら全摘出になると聞きますが、陽性のまま放射線だけで大丈夫なのでしょうか? 摘出した細胞分析をみると、中心部にぽつぽつと小さい癌がたくさん広がっているように見えます。主治医は、ひとつのがんとみていいとおっしゃるのですが・・・。このように広がっているのをみると、他の乳腺の乳管も小さい癌があるような気がするのですが・・・。通常の治療としては、あとは放射線で大丈夫でしょうか?
2) 「ホルモン治療はタモキシフェンだけでよい」と言われましたが、まだまだ生理は現役なので、LH-RHアゴニスト製剤と併用したいのですが、不要でしょうか?
3) 35歳で両乳房が癌になりましたが(おそらく結構前からなっていたのでは?)、これは遺伝の乳がんの可能性はありますか? 母は姉妹がおらず、母自身も若いころ卵巣を摘出しているので、乳がんになる可能性は低いです。参考になる親族が少ないです。

少し神経質な質問になってしまって申し訳ありません。しつこく主治医に聞きづらく、他の先生方から違う御意見をお伺いしたいです。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞ宜しくお願いします。

1)  多発している癌病巣がある場合、強い乳房温存の希望がなければ、乳房切除(+/-乳房再建)が推奨されると思います。
2)  貴女の場合、微小浸潤癌なので再発のリスクが低いと考えられます。ですからエビデンスに基づいてアドバイスするならば、LH-RHアゴニスト製剤の追加による大きな効果が期待できないので積極的にはお奨めできませんが、気持ちの問題で、たとえ効果がわずかだとしても効果がゼロでないなら使いたいということであれば、使うことは可能です。使って、副作用の有無をみてから判断するという手もあると思います。
3) 米国ではBRCA1, BRCA2という遺伝性乳がんに特有の遺伝子を調べることができますが、日本ではごく一部の大学で研究的に調べられているだけで、一般的には検査できません。しかし、最近の知見でBRCA1の発現のある遺伝性乳がんはtriple negativeに多いといわれてきましたから、ER(+)の貴女が遺伝性乳がんである可能性は低いと思います。(文責 清水)

 

No.8288】  08年09月12日   C.I
抗癌剤の選択について(HPNo.8056-3)

いつも丁寧で温かいアドバイスを頂き、勇気づけられています。再び質問させていただきます。40歳、0.2mmの浸潤癌、センチネルリンパ節(−)、核異型度2、リスク分類 中、ly(−)、ER: 4+1=5、PgR: 3+2=5、HerceptTest 0。微少浸潤癌ではありますが、セカンドオピニオンもいただき、将来の不安を少しでも取り除くために抗癌剤治療を選択することにしました。以前もお話しましたが、乳腺科の主治医は、FECを勧めてくれました。こちらの相談室では、「FECあるいはTC(ドセタキセル+サイクロフォスファミド)でしょう」とおっしゃっていただきました。セカンドオピニオンを頂いた先生には、「AC(60/600)あるいはEC(90/600)あたりが安全であり、今回の治療目的に沿ったものだろう。4クールだと、初めての点滴を受けて1週間は辛い思いをするけど、2週間目にはどんどんよくなって、3週間目には元気になれるので、そこで2回目を打ったら、もう半分打ったことになるから、精神的にもかなり楽だから頑張れると思う。CEF(100)は好中球減少性発熱が高頻度に出るから、そこまでやる必要はないと思う。タキサンの追加は不要であろう」と言われました。セカンドオピニオンの先生のご意見を参考にECをやることに決めましたが、現在かかっている腫瘍内科の主治医には、「4クールでいいの? 普通ECはあとでタキサンをやるから4クールだけど、単独なら6クールやった方がいいんじゃないの?」と言われました。先生方、皆さん、おすすめくださる抗癌剤の種類が違っていて、何も分からない患者としては、どう進むべきか悩ましいところです。

1)それぞれの抗癌剤の効果の違いの分かるデータがありますか?
2)ECの4クールと6クールの効果の違いはどの程度ですか?
3)EC4クール、FEC、TCというレジメンは、それぞれ、どのようなタイプの患者さんに標準的に使われるものですか?

1) AC, EC, FEC, CAFという所謂Anthracycline containing regimen(アンスラサイクリン(アドリアシンやエピルビシンの総称)を含むレジメン)の優劣の判断は臨床試験が複雑で、解釈、判断が難しいのです。データの一部をお示しすると、AC=CMF, AC=EC, FE(50)C=CMF, CE(120)F>CMF, FE(!00)C>FE(50)C, A(60)C=A(90)C, Anthracycline>CMF 。これらのデータをみて、ある医師はFを加えた方が良いと判断し、ある医師はEの量を増やせば良いと考えます。エビデンスにうるさい米国でさえ、このグループはAnthracycline containing regimenとして一塊にして扱っています。ですから、おおむね大同小異と考えて、どれを選んでも大きな違いはないと考えてください。何を選ぶかより、adriacinなら体表面積あたり60mg、Epirubicin(ファルモルビシン)なら最低でも体表面積あたり90mgを使うということが大切です。ちなみに160cm, 50kgの方でおおよそ体表面積が1.5ですから、1コースでの投与量はadriacinで90mg、epirubicinで135mgになります。
2) EC4とEC6の比較はありませんが、AC4とAC6は同じというデータあるので、ECの場合は通常4コースが多いです。
3) EC4はリンパ節転移はないが化学療法が推奨される場合(ER(-),PR(-)、St Gallenの中リスクに相当される方等)に使われることが多いです。FECは量が少ないとき(ファルモルビシンで50mg)はECと同じでFEC100といわれるファルモルビシン100mgの場合はリンパ節転移が陽性の方に使われることが多いようです。TCは最近一つの臨床試験でACに勝ったので話題になっています。今までにACに勝ったレジメンとして認知されているTACやAC->Paclitaxelより投与期間が短いというメリットがあること(どのくらいACより強いかという効果の比較は不明)、心臓疾患があってAnthracyclineが使えない方にも安全に投与できるという特徴があります。(文責 清水)

 

No.8287】  08年09月12日   R.H. 
病期ステ−ジ

いつも拝見させて頂き、参考にさせて頂いています。現在49才です。2年前に両側乳がんで、両方全摘しています。左が2.2pで、リンパに2/10転移があり、グレ−ド3で、右は多発で0.7 0.8 1.0pで、リンパに1/8有り。グレ−ド1で、ホルモンセレプタ-は両方(+)、HER2(-)で、リスク分類は中間です。同時両側乳がんの場合、病期ステ−ジは何期になるのでしょうか?

同時両側乳がんの場合は、それぞれに臨床病期をつけます。ですから、左はステージ2b、右はステージ2aとなります。そして貴女の予後を類推したり、術後の治療を決めるときには、進行した方のステージ(この場合はステージ2b)で考えます。(文責 清水)

 

No.8286】  08年09月12日   KY
ホルモン剤服用と子宮体がん検査

50歳、独身。
原発経過: 97年10月、しこり2.8cm・ステージUで、リンパ節かくせいを伴う温存手術。病理検査の結果、リンパ節への転移はなし。ただし、細胞の悪性度がsat(?)3で、悪性度が高いとの事。97年11、12月、週5日、放射線治療。98年1〜6月、CMF抗がん剤点滴(2週間やって、2週間休む)。98年8月から99年11月まで、ホルモン剤タオスミン(タモキシフェン)服用。以降無治療。

再発経過: 2006年1月右胸骨、左右肋骨に多発性骨転移。手術時のホルモンレセプター 5.7、Her2マイナス、ホルモン受容体陽性のため、ホルモン剤タスオミンと月1回ゾメタ点滴。2007年より痛みが強くなり、ホルモン剤をフェマーラに変更。痛み止めオキシコンチン服用。2008年3月、骨シンチでは、右脇に腫瘍できるも著変無し。CTでは内臓転移無し。

相談内容:
ホルモン剤を長期間服用の場合、子宮頸がんでなく子宮体がんの検診は欠かせないと、この相談室やネット情報で勧められ、先日婦人科へ行ったところ「生理が長期間ない事(手術後抗がん剤を始めた直後98年3月より停止。再発時、採血で閉経確認)、出産経験が無い事で、普通の検査では組織がとれない。組織をとるには麻酔が必要。麻酔にも危険性があり、それでも必要であれば、麻酔設備のある大病院を紹介する。ここでできるのは、超音波で子宮を外から3ヶ月毎に観察し、疑わしければ大病院へ紹介することです」と言われ、その方法でお願いし、その日の超音波(膣内視鏡?膣内部に管を入れて撮影。健康診断で行う下腹部を上からなぞる超音波ではなかったです)では、画像に黒い影の塊が写りましたが、「この影はがんかどうかわからない。数ヶ月ごとに検査して見ていきましょう」と言われました。乳がんの主治医は、子宮ガン検査については、「この病院はがん患者の治療専門病院なので、検査は他の婦人科で受けてください」と、婦人科へは回してくれません。健康診断で子宮頸がんの検査は2,3年に1回受けていますが、組織はとれています。出産未経験で婦人科の病気経験もないので、婦人科とは縁がなく、今回受診した婦人科の医師の言うことが正しいのかどうかわかりません。私の様な場合、通常の検査では組織が取れないのか、今後もホルモン治療を続けていくので麻酔をかけてでも組織をとる検査が必要なのか、他に正確な判断が受けられる検査方法があるのか、教えて下さい。

子宮口が閉じてしまっていて、子宮体がんの検査ができない(子宮頸がんの検査は可能)方は時々いらっしゃいます。その場合は、無理をせずに超音波検査やMRI等で代用しますが、超音波検査もMRIも画像検査ですから細胞診より精度は落ちます。しかし、全身麻酔をかけて組織検査をするというのは、画像検査で子宮体がんが強く疑われた場合の話で、タモキシフェン内服による子宮体がんの検査でそこまでやることはありません。ですから、現在の婦人科の先生の方針(経膣エコー検査で経過観察)で良いと思います。貴女の場合はタモキシフェンを内服した期間が通算でも2年数ヶ月ですから、子宮体がんのリスクはそれほど高くないと思います。また、子宮体がんのリスクはタモキシフェンに特有なもので他のホルモン治療剤(フェマーラ等)では心配ありませんので、今後のホルモン治療は可能です。ちなみに、米国のガイドラインではタモキシフェン内服中の子宮体がんの検査は推奨されていません。不正性器出血があった場合のみ検査をするように、となっています。(文責 清水)

 

No.8285】  08年09月03日   T.T.
浸潤性小葉癌について

初めてメールさせて頂きます。私の母が 「浸潤性小葉癌」と診断され、しこりの大きさは7〜8cm、現時点でリンパ節には触れていませんが、リンパ節転移の確率は五分五分(詳細は術時のセンチネルリンパ節生検にて)、乳房全摘はまぬがれない状況との事、主治医は術前抗がん剤療法後摘出手術との治療方針だが、妥当な治療なのでしょうか? 他の方法が考えられるとしたら、どんな治療方法なのか教えて下さい。宜しくお願いします。

術後に抗がん剤療法が必要になると考えられる症例に対しては術前化学療法が考慮されます。その主たる目的は乳房の温存率が上がることであり、また結果として抗がん剤治療を先行して手術をし、病理学的に癌が消失した症例の予後は良好とされます。抗がん剤治療後のセンチネルリンパ節生検は、薬によってリンパ管の状態が変化した可能性があり、慎重であらねばならないと考えます。(文責 片山)

 

No.8284】  08年09月03日   Y
ホルモン療法の副作用でしょうか?(HPNo.5763-5)

いつも、参考にさせて頂いています。今回で5回目のご相談です。
2006年6月15日右側全摘手術を受け、抗ガン剤CFFを6クール後、現在タスオミン錠20mgを毎日1錠服用しています。生理は2006年7月の抗ガン剤投与時から一度もありません。不正出血等も全くありません。年に一度のCT及び骨シンチでは、再発・転移はありませんでした。体調もいたって良いのですが、先日職場で受けた健康診断で「中性脂肪」の数値がホルモン療法を受ける前より、約3倍になっていたのです(88→248)。体重も増加しています。これも、ホルモン療法の副作用でしょうか? タスオミン錠の服用は、あと3年です。よろしくお願いいたします。

添付文書によれば、頻度は少ない(先発品のノルバデックスで0.1%未満)ですが、副作用として高トリグリセライド血症があり、その可能性はあると思います。(文責 片山)

 

No.8283】  08年09月03日   A 
ハーセプチンは必要でしょうか

初めて相談させていただきます。今年1月に左胸温存手術を受けました(48才)。病理検査の結果は、ホルモン受容体は陽性ER(+)pgR(+)、グレード3、リンパ転移なし、断端陰性、閉経前(今は無月経)、がんの大きさ2.5p、脈管浸潤あり、HER2(擬陽性)FISH法で増幅あり(シグナル比2.2)。放射線25回の後、7月末でホルモン剤が効いてるとのことで、抗がん剤FEC4回で終わりました。これで治療が終わり、ノルバデックスを飲んで経過を見ていくとばかり思っていたところ、次の治療を提案されました。
1)ホルモン剤(ノルバデックス)のみ 2)ホルモン剤+リュープリン2年 3)タキサン系抗がん剤 4)ハーセプチン1年
もし、ハーセプチンをしなかった場合の再発、転移は何%になりますでしょうか。また、私の場合(2.2)シグナル比が境界域にあるが、十分効果があるのでしょうか。ハーセプチンとリュープリンの同時治療は可能でしょうか? 最近までは、黙っていても閉経する年齢だからいいとの事でした。(主治医にはハーセプチン1年のあとリュープリン2年と言われました) 先生でしたら今後どの様な治療をすすめますでしょうか? やはり、ハーセプチンは必要でしょうか。とても悩んでます。よろしくお願いします。

HER2過剰発現のある乳癌患者さんを対象に実施された臨床試験(HERA試験)の結果において、「ハーセプチン」を1年間投与した群では投与しなかった群に対して再発のリスクが36%下がり、死亡のリスクは34%下がることが確認されています。検査施設で多少の差はあると思いますが、FISH法では2.0以上を陽性と考えますので効果はあると考えます。あなたの場合、St.Gallenのリスク分類ではHER2陽性で内分泌反応性、閉経前(後?)の中間リスクとなり、化学療法 → ホルモン療法(タモキシフェン、卵巣機能抑制)+ハーセプチンが勧められることになります。閉経状況の判断が難しいところで、現在無月経ですがまだ48歳であり、今後生理が戻ってくる可能性もあると思います。私ならば何度かE2,FSHの測定をし、閉経状況を確認してその投与を検討することを考えます。(文責 片山)

 

No.8282】  08年08月30日   K 
ホルモン剤の選択について

25歳、未婚、閉経前です。今年2月にDSISの診断を受け、3月に胸筋温存乳房切除術を行いました。病理検査の結果、腫瘍の大きさ:0.14cm、リンパ節転移の個数:3個中1個、腫瘍の悪性度:1、ER:陽性、PgR:陰性、HER2:2+、脈管への侵襲:あり、という結果でした。術後化学療法(タキソテール4回)を先月に終了し、次からはホルモン療法が始まります。医師の説明では、経口薬5年と皮下注射2年で行うと言われました。そして、経口薬に使う薬が「ノルバデックス」と「タスオミン錠」(後発品)の2種類のどちらかを使用するらしく、どちらを服用したいか検討して下さいと言われました。
1) 成分はどちらも一緒だと伺ったのですが、副作用などもすべて一緒なのでしょうか?
2) 子宮への影響も一緒ですか?
3) どちらを使用する方が一般的なのでしょうか?
 
お忙しいところ申し訳ございませんが、宜しくお願いします。

先発品であるノルバデックスは様々な基礎実験や臨床試験を経て作られており、それによって蓄積された効能・効果・副作用に対する膨大なデータを持っています。それに対して後発品のタスオミンはなぞらえて作られており、構造式や分子量なども同じなので、ほぼ同等の効能や副作用を持つとされます。値段は先発品のほうが約1.6〜1.7倍くらい高くなります。(文責 片山)

 

No.8281-1】  08年08月30日   N.K.
ホルモン療法について

インターネットでこの相談室を知り、いつも参考にさせていただいています。最新のエビデンスによりますとホルモン治療を10年するような流れだそうですね。そこで教えていただきたくメールしました。54歳の主婦です。術前化学療法ACーT・乳房温存手術・放射線治療をうけて、現在ホルモン治療中です。間もなく術後3年を迎えます。術前の抗がん剤をするまでは、生理は順調にありましたが、抗がん剤後生理は戻りませんでした。術後ノルバデックスを服用していましたが、アロマターゼ阻害剤に変えようかという話が出ました。今までは5年のホルモン治療が、私の場合はリンパ節転移もあったし、がんのグレード3ということで10年のホルモン治療が望ましいと言われました。ノルバデックスから薬をアロマターゼ阻害剤に変える場合、あとの7年間はアリミデックス・アロマシン・フェマーラのどの薬剤を選択していったらよいのでしょうか。またノルバデックスをあと2年(閉経していても)服用して、5年たってからアロマターゼ阻害剤にしたほうがいいのでしょうか。よろしくお願いします。

術後補助療法としてのホルモン療法におけるエビデンスとしては、@ノルバデックスとアロマターゼ阻害剤の術後5年間服用の比較ではアロマターゼ阻害剤が優れていたこと、Aノルバデックス2〜3年投与後にアロマターゼ阻害剤にスイッチして計5年服用した方がノルバデックス5年よりも無病生存率を改善すること、そしてBノルバデックス5年服用後の方にアロマターゼ阻害剤をさらに5年追加したほうが成績が良かったというものです。初回投与、変更、順次投与といったそれぞれの場面における個々の薬剤(アリミデックス、アロマシン、フェマーラ)の選択については今後の成績待ちですが、いくつかの臨床試験から示されたBのデータから、術後補助内分泌療法の概念が5年間から10年間にシフトしていく可能性は示唆されています。(文責 片山)

 

No.8281-2】  08年09月19日   N.K.
ホルモン療法について(2)

HPNo.8281で相談させていただいたN.Kです。その節は、ありがとうございました。もう少し踏み込んで教えてください。私の場合10年ホルモン治療をするのは決まっています。ノルバデックス服用3年がくるので本来ならアロマターゼ阻害剤にスイッチするはずですが、10年ホルモン治療をするとなると
@ 閉経はしているけれど後2年(計5年)ノルバデックスを服用してアロマターゼ阻害剤に移行5年服用するのか
A 閉経しているのでアロマターゼ阻害剤にスイッチして後7年服用するのか
どちらを選択したらよいのでしょうか?

またAの場合、アロマターゼ阻害剤のアリミデックス・アロマシン・フェマーラの何を服用するのが効果的ですか。宜しくお願い致します。

どちらがよいかどうか、現時点では結論は出せないと思います。薬剤に関して大きな差はないでしょう。(文責 加藤)

 

No.8280】  08年08月30日   M.I.
肺転移の治療について

51歳。3年前に左乳房部分切除後、放射線照射。EC4クール投与後、タキソール1回投与するも足の痺れ痛みが酷く、タキソテールに変更し3回投与しました。ホルモン感受性マイナスの為、その後無治療で検査のみを受けてきました。今回3年目の検査でCTを受け、肺に結節があり、PET検査を受けたところ、右肺に1センチ弱の結節が2こ確認されました。 ハーツー+3の為、ハーセプチンの治療を開始することとなりましたが、この場合
1) ハーセプチン単独の投与で効果は期待できますか。
2) ハーセプチンにプラスして他の抗ガン剤を投与した方が有効か? その場合、どの薬剤が第1選択肢として考えられますか。
3) 肺転移に対してハーセプチン+ナベルビンが効果的とも聞いたのですが、如何でしょうか。
4) ナベルビンの副作用はどの様なものでしょうか。
5) ハーセプチンの投与間隔、毎週と3週間毎では効果に差があるのでしょうか。治療費のこともあり、仕事を続けていきたいと考えています。3週毎の方が都合が良いのですが・・・。

病理は、「浸潤部2センチ・硬がん・断端マイナス・リンパ節 1/10転移・ホルモン−・ハーツー+3」でした。先生方がお忙しい中、このような相談室があることに本当に感謝しております。どうぞよろしくお願い致します。

1) HER-2陽性の転移・再発乳癌に対する一次治療としてのハーセプチン単剤による効果については奏効率は35%という報告があり、有用である可能性が高いと言われます。
2) 化学療法の側からハーセプチンとの併用についてみると、タキソールやタキソテールなどの化学療法単独よりも、ハーセプチンを併用したほうが奏功率や奏功期間、進行までの期間、生存率のすべてで良好な結果でした。タキソテールが使えたので、もう一度併用してみることは考慮されます。
3)4) ハーセプチン+ナベルビンも効果のある方法で、奏功率68−75%と言われます。ナベルビンの副作用としては、他の抗癌剤と同様に、骨髄抑制による白血球や血小板の間質性肺炎、食欲不振、全身けん怠感、脱毛、嘔気、発熱、嘔吐、静脈炎、口内炎、便秘、下痢等があります。
5) ハーセプチンの投与間隔としては、「3週ごと投与と毎週投与とを直接比較したデータはないものの、同様の効果と安全性が期待できる」とされながら、日本では保険上
の投与方法としては、転移・再発乳癌では毎週投与、術後補助療法では3週毎となっております。(文責 片山)

 

No.8279-1】  08年08月30日   S.M. 
抗がん剤治療について

初めて相談いたします。よろしくお願いします。30歳の娘で、今年3月乳癌が見つかり、いろいろな検査の結果、抗がん剤治療を先にやり、手術、放射線1ヶ月、ホルモン療法5年という大まかな計画です。今、抗がん剤治療のCEFが、3週に1度4回終わり、8月からタキソールの毎週投与の3回が終わった段階です。12回やる計画です。痺れがひどいので、次回からタキソテール3週ごとにするか、検討中です。先生からは、痺れが始まるのが通常より早いと言うことで、同じ効果の抗がん剤、タキソテールの提案がありました。どちらも、副作用は変わりないということです。以前の治療(CEF)で、吐き気がおさまらず、2日寝られないことがあり、違う抗がん剤の不安があるようです。だったら、痺れを我慢して、今のままの治療を続けた方ががいいという考えです。タキソテールの3週ごとの投与は、毎週の投与より効果が薄いのか、心配です。痺れを緩和する薬で、BNP7789という薬があり、治験中とS先生の2年前の資料ですが、これが現在使えるのでしょうか。
1) タキソールとタキソテールの副作用の違い
2) タキソール毎週とタキソテール3週ごとの効果の違い
3) 毎週の抗がん剤投与と3週ごとの投与の違い
4) BNP7789 についての最新情報

1) 治療中の副作用の現われ方については、タキソールで投与後すぐ現われる過敏症状(アナフィラキシーショック)は、薬剤を溶かすための溶媒が異なるためタキソテールでは起こりにくいと考えられていますが、タキソテールを投与された患者さんにも出現することがあります。タキソテールに特徴的な副作用はむくみ(浮腫)で、タキソテールの投与量が蓄積されるにつれて発生頻度が高まると言われています。それに対して、タキソールの治療の妨げになることのある、手や足に出現する神経症状(しびれ感など)は、タキソテールのほうが軽微であるとされています。またタキソールに特徴的な痛みを伴う筋肉の症状は、タキソテールでは見られません。白血球(顆粒球)の減少によって細菌感染などが起こりやすくなることも重要な副作用の一つで、投与して1〜2週で現われ2週以後に回復するという経過をたどります。タキソテールによる白血球減少は一過性であり、減少後すみやかに回復するため外来での治療が可能となります。

2)3) もともとタキソールもタキソテールも3週毎投与が基本の薬剤でした。その副作用を軽減するために1回に投与する量を3回に分割するという考え方から毎週投与が試みられました。New England Journal of Medicine2008年4月17日号によると、標準的な化学療法+タキソールの毎週投与が初期ステージ乳癌女性の全生存率の改善に最も有効であると証明されました。乳癌における2種類の一般的な薬剤での、異なる投薬スケジュールを比較したこの試験では、標準的な化学療法に加えてタキソールを毎週投与することで、初期乳癌の女性の全生存率と無病生存率を最も効果的に延ばすことが証明されました。タキソテールの3週間ごとの投与でも患者の無病生存率を改善し、こちらも許容できる選択肢であるとされます。この試験では4950人の乳癌術後の患者様を以下の4つのグループに分けています。
● 3週に1回タキソールを投与する第1グループ(標準的治療法)
● 3週に1回タキソテールを投与する第2グループ
● 週1回タキソールを投与する第3グループ
● 週1回タキソテールを投与する第4グループ
その結果、標準的な治療である3週に1度のタキソール投与を受けた女性と比較して、3週に1度のタキソテール投与群の女性と、週に1度タキソール投与群の女性の方が、より良い無病生存率が得られました。しかし、全体では、週に1度タキソールを投与された女性の生存が最も長くなりました。
 治療による副作用の割合は、4つの治療群で異なりました。3週に1度タキソテールを投与された女性では、感染症や発熱などの合併症を引き起こしうる白血球数の低下がもっとも高い割合で見られました。週に1度タキソールを投与された女性では他の治療群に比べて、痛み、しびれ、うずき、腫れ、腕や脚の筋力低下が見られました。

4) BNP7789 については申し訳ありませんが存じ上げず、調べた範囲でもわかりませんでしたが、漢方薬の牛車腎気丸がタキソールのしびれに対して効果があるという知見があります。(文責 片山)

 

No.8279-2】  08年09月26日   S.M. 
乳がん治療の副作用

前回は、迅速なご対応有難うございました。結局、タキソールを毎週投与になりました。アドバイスを頂き安心して治療にのぞんでいます。
2回目の相談です。タキソールの治療を4クールの予定で、現在2クール終わり3クール目の1回を22日に終わりました。痺れ、むくみは、慣れもあり許容できる程度になっています。ところが、先週辺りから背中にブツブツと発疹ができ、あまりかゆくは無いようですが、最初は赤く、だんだん黒ずんできました。腰の辺りから始まり、今は肩の辺りまで増え、顔や手足に出ないか心配して、精神的に少し不安定になっています。先日の受診で、かゆみ止めの軟膏を処方していただきました。副作用から来ているから心配ないといわれましたが、本人にしてみると顔への心配で、あまり外出する気にもならず、元気がありません。タキソールの治療がまだ半分あるので、心配しています。資料を読んでも、この副作用については、あまり書かれていないので・・・。どんな作用から出るものなのか、分かりましたら教えてください。よろしくお願いします。

パクリタキセルの副作用として皮疹がでることはあります。 薬剤自体のしわざなのか、薬剤を溶解するために使われている溶媒のせいなのかよくわかりません。一度皮膚科専門医師の診察をお受けになることが賢明だと思います。(文責 首藤)

 

No.8279-3】  08年10月11日   S.M. 
タキソール治療の回数と効果について

3回目の相談です。前回もアドバイスを頂き有難うございました。
乳がんの術前治療でタキソールの治療を3クール終わりました。背中に出ている発疹が、増えませんが減りもしない状態です。顔にも2,3個出始めました。この状態で、4クール目を続けるべきか迷っています。胃の状態もかなり悪く、今日の診察で消化を助ける薬も頂いている状態です。4クール目、後3回の治療なので続けたほうがいいのか、副作用も出てきているので、終了したほうがいいのか、抗がん剤の効果とマイナス面とを考慮して決めるには何を基本姿勢にしたらいいのか、アドバイスをお願いします。以前の治療は、実際に原発の乳がんが小さくなり、抗がん剤の効果が目に見える形でありましたので、続ける意義が感じられましたが、今はそれも無く、今までのデーターに沿っての治療で、どこまでやれば今の娘の状態に適しているのか分かりません。来週受診で主治医と相談する予定ですが、今までの症例等からアドバイスいただければ幸いです。最初発見された時は、4センチ9ミリ程の大きさでしたが、現在は2センチ4ミリ×2センチ2ミリほどになっています。又、腋の下のしこりは、現在は無くなりました。30歳です。再発のリスクを下げる効果と体力が無くなり免疫力が下がるマイナス面とを考えるのでしょうが・・・。よろしくお願いします。

毎週毎週の通院ご苦労様です。S.M.様の腫瘍は確実に縮小しており、また腋窩リンパ節も触れなくなったとのことで、タキソールの治療効果はあると判断して良いと思います。腫瘍が3cm以下になれば、場所により乳房温存療法が可能となりますので、今の治療をぜひとも続けていただきたいと思います。
タキソールは、かゆみや湿疹で悩まされる方も時々いらっしゃいます。その際には、内服プレドニンや抗ヒスタミン薬で抑えながら、治療を継続することが多いです。前回もお話があったかとは思いますが、念のため皮膚科受診をお勧めいたします。お話を伺う限り、良い方向に病状が向かっていると判断いたします。今一度主治医の先生とご相談しながら、残る治療をぜひ完遂し、病気に負けないようにがんばってください。私たち神奈川乳がん治療研究会のメンバーもついているのですから。(文責 高橋)

 

No.8278】  08年08月30日   S 
腫瘍マーカーについて(HPNo.7483-5)

HPNo.7507で相談した者です。腫瘍マーカーについて教えてください。CA15は基準値は25以下で、CEAは3.2以下だそうですが、このラインぎりぎりでも正常なのでしょうか。通常は数値は下がっていくものなのでしょうか。私は抗がん剤終了半年後の2回目の採血で、CA15が16.4、CEA0.8でしたが、前回より少しだけ上がっていました。

正常値の範囲に入っていれば、ぎりぎりでも正常と考えます。正常値の範囲内でも、その変動が臨床的な病勢と並行する現象は時に見られます。(文責 片山)

 

No.8277-1】  08年08月30日  Moh
鎖骨リンパ節転移の治療

お忙しいところ宜しくお願いいたします。ヨーロッパ在住の邦人で、妻(外人)の再発が見つかり相談にまいりました。長らく日本語は使用しておりませんので、言葉の足りないところはお許しください。7年前、2001年8月に当時45歳(閉経前)の妻に癌が見つかりました。病理学的には、「pT1b multifocal NbiG3」で、5つの多元病巣で最大7ミリと、また周りをDCISで囲まれておりましたので、2週間に及ぶ3度目の手術の末、左乳房全摘出となりました。当時の術後の生検は以下の通りです。

ER/PR +/+(両方とも70%)
センチネルリンパ節 1/14
HercepTest (Dako) , Score 1+, Negative
C-erb2  不明
Grade 3
P53 +
Nottingham Index 5.14

術後補助療法として抗癌剤治療4ヶ月、圧迫骨折の為約1年で止めましたTamoxifen、その後Aromasinを4年間、また初めの2年間LH-RHのLucrinの治療をうけ、5年後の2006年に術後療法は終了しました。その後、更年期障害の為、専門医の了承を得て、Livial(synthetic steroid medicine used for hormone replacement therapy)とFosamaxを使用してきました。
先日6ヶ月検診の際に、鎖骨上リンパ節転移(全部で4個、最大1.5cm)が見つかり驚いています。その際、LivialとFosamaxの使用は即、専門医によりストップされました。また、マーカー上の異常もなく、またScintigraphiy, MRI, PET などからも他の転移は見つかっておりません。また妻は約半年前より閉経となっており、また来週生検とCatheter Portを埋め込む手術を同時にする予定になっています。生検の結果は1週間後に担当医の元に届くかと思います。生検前の段階では確実なことはわかりませんが、細胞が7年前のと同様のものであれば、担当医によりますとXeloda 2週間服用とNavelbine(Venorelbine, 保険の関係で経口のは未だ使えません)の3週サイクル、6クールを予定しています。その後、ホルモンレセプターが陽性であればホルモン療法を続ける予定になっています。

1) Xeloda又Navelbineは、このての転移に適当か、または他に何か有効な抗癌剤候補があるのか。
2) もし1の治療が無効になった場合、どのような抗癌剤が将来利用できる可能性があるか。
3) ホルモン療法として既にTamoxifen, Aromasinを使用しているが、Aromasin は再度利用できるのか、また不可能な場合、将来的に他にどの薬剤が候補に挙げられるか。
4) 一般的に鎖骨リンパ節転移は予後不良とあるが、この様なLoco-regional 再発までに7年を要している場合でも予後不良になるケースが多いのか。

1) 術後補助療法ですでにアントラサイクリン(アドリアマイシン、エピルビシン)とサイクロフォスファマイド、およびタキサン系(タキソール、タキソテール)が使われていれば、2nd,3rd line の抗癌剤として、XelodaおよびNavelbine はリーズナブルと考えます。
2) 日本であればTS-1,またカンプト(CPT-11),そして少し古典的ではありますがCMF療法も考えられます。
3) Aromasinの再利用は可能です。また同じアロマターゼ阻害剤ではアリミデックスやフェマーラ、抗エストロジェン剤としてはクエン酸トレミフェン(フェアストン)があります。
4) 再発までに要した時間が長いほどその後の経過が長い傾向はありますが、一概にはいえず、鎖骨リンパ節はそこから内頚静脈と鎖骨下静脈の合流部である静脈角に注ぎ、全身に回っていくキーポイントとなる場所ですので、予後にかかわってくる可能性が高いといえます。(文責 片山)

 

No.8277-2】  08年09月19日  Moh
鎖骨リンパ節転移の治療(2)

先日はご丁寧にご返事を頂き感謝しております。今回も宜しくお願いいたします。7年前の病院請求書をチェックしてみましたら、術後補助療法の抗癌剤治療はCMFでやったことがわかりました。ということで、前回の質問 No.1&2に関しての回答に変更がないと理解していますが、よろしいですか? また今回は放射線療法について質問があります。鎖骨上リンパ節転移に関して抗癌剤、ホルモン療法に加えた放射線療法には賛否両論があるようで、ネットで調べてみますと、この転移の絶対数が少ない為か、定型的な治療方針がないように見受けられました。日本、アメリカ、ヨーロッパの色々な情報を読んでみても、放射線治療をするべきなのか、必要がないのか、効果があるのか良く分かりません。こちらのページ http://www3.interscience.wiley.com/journal/104533687/abstract を読んでみますと、局地コントロールのためにはするべきであると私は理解しました。 現在、日本でも私の妻の状況では、抗癌剤、ホルモン療法に加えた放射線療法は行っているのでしょうか? また先生の私見も伺いたくメール致しました。どうもありがとうございます

補助療法としてCMFを施行されているのであれば、アンスラサイクリンまたはタキサンの使用も考慮されます。おっしゃるように、鎖骨上リンパ節単独転移に対しての局所療法は賛否両輪あります(学会等でもよく討論される話題であり、今年の日本乳癌学会でもディベートセッションが予定されています)。私見では、loco-regionalな性格色が強ければ放射線療法を考慮したいところです。(文責 加藤)

 

No.8276】  08年08月30日   PAPI
再建について(HPNo.8186-2)

HPNo.8186で相談させていただいたものです。ご丁寧な回答をありがとうございました。左胸に2つの乳癌があります。乳頭を中心にして、斜め左上側に1センチ程、下側に1.7センチ程です。リンパ転移の可能性ありです。乳房がかなり小さいので、温存したとしても形が引きつれるとの事で、全摘出を決めました。9月下旬に手術予定です。再建は、出来れば3年ほど置いてからの方が望ましいが、喪失感などの事を考えれば同時再建してもいいとのアドバイスもいただいています。再建のことで相談なのですが、担当医師には広背筋を使用する方法と、シリコンの方法を提案いただきました。

1) いずれの方法も、再発の発見への影響はないでしょうか?
2) 今後の治療方法はまだ分かりませんが、治療への影響はないでしょうか?
3) 今更ですが、乳頭を残しての再建方法もあるのでしょうか?

1) 以前は、再発の見逃しを避けるためという意味合いで2期的再建がすすめられていましたが、最近では同時再建でも局所再発発見の妨げにはならず、局所再発率も生存率も変らないというエビデンス(科学的な根拠)が得られ、いつ再建してもよいとされています。また乳癌診療ガイドラインによれば、広背筋使用と人工物(インプラント)挿入法のいずれでも再発診断に影響するという根拠に乏しい、つまり影響はないとされています。
2) 術後の補助療法は再建しない場合と変わりなくできます。
3) 例えば温存術で変形が予想されるときに、再建を前提に、皮膚と乳輪、乳頭を残す皮下乳腺全摘術を選択するという方法もあります。ただし皮下乳腺全摘術後の病理診断で、断端陽性の場合は温存手術と同様に追加切除、または全摘術が必要になります。(文責 片山)

 

No.8275】  08年08月30日    I.T. 
線維腺腫でしょうか?

初めて相談させていただきます。26歳、未婚です。半年ほど前に「しこり」を発見し、6月30日にマンモ、7月4日にエコー、その他細胞診等を受け、線維腺腫と診断されました。しかし、腫瘍の大きさが大きいので(左胸:約4×5センチ、右胸:約2×2センチ)、8月8日に摘出手術を受けました。摘出した腫瘤の病理検査の結果も、線維腺腫でした。しかし、手術後約2週間で、新たな「しこり」を発見しました。場所は左胸で、以前の「しこり」の場所とは異なります。主治医に診ていただいたところ、約1センチの線維腺腫だろうということです。詳しくは今後検査予定です。
1) こんなに頻繁に線維腺腫はできるのでしょうか。
2) 7月の検査時には見つからなかったのですが、2か月かからずに1センチのものができるというのは、スピードが速いのでしょうか。(腫瘍の大きくなる速さが速い場合は、葉状腫瘍の疑いもある…と聞いたことがあるので)
3) マンモの結果、小さな石灰化が多く見られたのですが、線維腺腫に関係はあるのですか。
4) 私の体質が線維腺腫ができやすい体質であるとするなら、できにくい体質に改善することはできますか。

よろしくお願いします。

1)2) 線維腺腫が同時に多発性に、また両側性にできることは時に経験されます。また、乳房の大きさ、硬さ、しこりの存在する深さなどにもよりますが、1p以下の線維腺腫が分かりづらいことはあり、短期間のうちに1cmを超える大きさになって判明する可能性はあると思います。
3) 画像を拝見していないので分かりませんが 、線維腺腫に石灰化を伴うことはあります。
4) そのような方法はありませんが、今あるしこりを含めて毎月自己検診して変化を追う習慣はつけておいてください。(文責 片山)

 

No.8274】  08年08月30日    Y.A. 
転院は断念すべきでしょうか?

マンモ、エコー、細胞診、3Dを行いました。細胞診は細い針によるものでした。細胞診の結果は、クラス3でした。リンパへの転移はなく、非浸潤がんか乳腺症か判断がつかないため、切ることを薦められました。乳腺症かもしれないのに切ることに抵抗があります。選択肢は他にないか尋ねると、経過観察(2ヵ月後)し、もっと太い針で組織を採って検査することを提案されました。約7ミリのしこりが乳腺の中にあり、触診では、しこりは分からない状態です。検査を行った病院は自宅から1時間40分から2時間かかるため、思い切って別の病院へ行きました。検査の資料の提供を受ける予定ですが、2つ目の病院も予約がいっぱいで、次の診察は8日後の予定です。乳がんとしては初期と聞いています。非浸潤がんでも初期なら部分切除のみで済むとネットなどに掲載記事がありましたが、転院を行うと、のちのち体に負担となる治療が増えることにならないか心配です。転院は断念すべきでしょうか?

もちろんご自身が最も信頼がおける病院がよろしいわけですが、画像上非浸潤癌の可能性が高くても浸潤癌の可能性もあり、また非浸潤癌でも術後の乳房照射が必要になり、今後のフォローのことも考えると、可能ならば近くの病院が望ましいと思います。(文責 片山)

 

No.8273】  08年08月30日  A.N. 
生理時期をずらす薬について

2001年に乳癌の手術をしました。当時27歳。腫瘍径は2.7センチ、grade 3、ホルモンレセプターは陰性です(エストロゲン・プロゲステロン共)。術後経過は順調で、再発・転移もありません。来月、結婚する事になりましたが、結婚式と新婚旅行の日が、丸々次回の生理と重なってしまいます。そこで、本日婦人科へ行き、「乳癌患者ですがホルモンレセプターは陰性だったので、生理をずらす薬を処方していただけませんか」と、お願いしました(病理検査書なども見て頂きました)。婦人科の医師は悩んだ結果、術後7年無事に経過している事、ホルモンレセプターが陰性だった事から、「自己責任で薬を飲みたいのなら処方します」と言い、ビホープA錠を14日分出して貰いました。実際に服用するのは3日後からなので、飲むのを止めようと思えば、まだ間に合いますが、ホルモンレセプター陰性の場合でも、このような薬で再発する可能性があるのでしょうか? 宜しくお願い致します。

術後、再発なく年数も経過しており、ホルモンレセプターが陰性ではありますが、服用の可能性に対するエビデンスのあるデータはないと思います。ホルモンレセプター陰性の判断に関しても100%陰性ではなく、わずかに陽性細胞があった可能性もあり、また乳癌診療ガイドライン上も「乳癌術後患者にホルモン補充療法は行うべきでない。」とあり、私見ではありますが、まず使用しないほうが安全かと考えます。(文責 片山)

 

No.8272】  08年08月30日   T
再発、転移の可能性(HPNo.8262-2)

HPNo.8262でご相談させていただきましたTです。早速のご回答、感謝いたします。続けての質問です。それでは、私の場合(年齢は45歳)、再発、転移の可能性は高くはないと考えてよろしいのでしょうか?

Adjuvant! Onlineによれば、95%の10年生存率が期待でき、乳癌が原因でなくなる方は3%程度と予想されます。(文責 片山)

 

No.8271】  08年08月30日   n・k
乳腺線維腺腫

現在36週で、2人め妊娠中です。妊娠前の去年10月に左胸に乳腺線維腺腫がみつかりましたが、妊娠中にも左胸の痛みがあったりして心配です。その後もう一度受診し、授乳後に来てくださいと言われました。妊娠や授乳で線維腺腫は大きくなるのですか? また、授乳後、線維腺腫が癌だったという話を聞いたので不安になりました。産後すぐ乳腺外科にいっても、乳腺が発達しているから行ってもわかりませんか? 宜しくお願い致します。

線維腺腫は妊娠・授乳期に一時的に大きさが増すことがありますが、授乳が終われば自然に小さくなることが多いです。一度診断を受けているので、変化がなければ次回は断乳後でよろしいと思いますが、気になるようでしたらもう一度産後に乳腺外科に相談なさってください。(文責 片山)

 

No.8270-1】  08年08月28日   S 
乳がん手術後

10日前に左乳房の乳頭乳輪温存で摘出手術とセンチネルリンパ節生検をしました。術後は胸の痛みで分からなかったのですが、4,5日たって痛みが落ち着いてきたら腕の内側付け根部分に違和感があり、皮膚が敏感になっていて何か触れただけでも痛みを感じます。全体的にただれているのかと思うような痛みですが、見た目は何もないので担当医からは首を傾げられただけでした。一時的なものなら良いのですが・・・。治るのか心配です。

センチネルリンパ節生検は侵襲の少ない術式ですが、時に上腕内側の痛みや違和感が残る場合があります。数か月の経過観察でなじんで分かりにくくなることが多いと思います。(文責 片山)

 

No.8270-2】  08年09月19日   S 
管状癌の今後の治療について

先日「術後の腕の痛み」のことでご相談させていただきました。不安が解消したせいか症状が少し良くなった気がしています。ありがとうございました。今回は病理検査の結果がでて、治療についての質問なのですが、結果は浸潤癌、管状癌で病巣は3個。一番大きいものは8ミリで、前癌病変が9センチ、1つは非浸潤癌で5.5センチ非浸潤部があり、リンパ移転なし、脈管侵襲ly1、v0、 ER、PgRともにプラス、erbB-2はマイナスでした。担当医からは、そんなに悪性ではないので今後の治療は何もしなくても良い、またはホルモン治療をやっても良いということでした。特に説明がなかったので、自分なりに管状癌について少し調べたら、同側多発・両側多発というのを知り、とても不安になってしまいました。同側多発は病巣が3個なので納得できますが、両側多発ということは、今後もう片方にも多発する可能性がとてもとても高いということですよね? それでも今回の結果から何もしなくても良い場合もあるのでしょうか? ホルモン治療を迷っていたので・・・。また今回切除した方の前癌病変が9センチということは、乳房のほとんどが癌になりかけていたということで、乳頭乳輪を温存しているので、そこも癌になりかけていたり、今現在健側にも前癌病変があるなんてこともありえますか? そう考えるとホルモン治療だけで抗がん剤はしなくてよいのでしょうか。管状癌の両側多発の確率はどのくらいあるのでしょうか?よろしくお願いします。

管状がんは予後が良く、おとなしい性格であるとされています。担当医の指示通り、無治療またはホルモン治療といったところになると思います。抗がん剤は一般的には勧められません。これからは両側乳房を定期的に検査していくことが大切になります。両側発生の頻度は12-40%とされています。(文責 加藤)

 

No.8269】  08年08月28日   Y.M.
乳がんの可能性ありでの運動について

ネット検索でこちらを見つけました。よろしくお願いいたします。65歳女性です。マンモグラフィーでは何もなかったのですが、エコーでごく小さい影が見つかりました。生検は小さすぎてできないとのことで、1年後に再検査と言われました。家族に乳がんの者がいますので、1年後というのはとても不安です。特に日常生活において何も言われなかったのですが、定期的に水泳やウォーキングなど運動をしております。家族の者が乳がんの診断をされた時には、水泳をやめるように医師から言われたようなのですが、やはりあまりしっかりとした運動はしてはいけないのでしょうか? 運動の程度はダイエット目的です。今現在の体型は、自分のなかでの普通より少し太っている感じです。

乳癌の一次予防(乳がんにならないようにすること)は難しいわけですが、「適度な運動と閉経後の肥満を避けること」は乳癌の予防につながるとされますので、水泳やウオーキングなどは続けていただいてよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.8268】  08年08月28日   K.I.
術後の放射線治療について

はじめてご相談させていただきます。既婚の37歳、子供はありません。いろいろ考え込んでしまい、治療方法の選択が本当にこれでよかったのか、不安で落ち着きません。主治医を信頼しているつもりですが、先生方のご意見も伺いたく、よろしくお願いいたします。2007年12月に右乳房変形(乳頭の引きつり?向きが左右違った為)に気付き、大学病院の乳腺外科を受診、初診時の組織診・細胞診では次の通りでした。
45mmほどの腫瘤あり、US上MMK(T2N1)と思われますが・・・結果〜右乳房上外側部乳癌 右腋リンパ節転移、SBR分類:grade2(3+2+1=6)、HER2(2+),ER(3+2),PgR(3+2),p53(+),MIB−1(7.4%)、浸潤性乳管癌(主に硬癌様の浸潤からなります。)と診断されました。
この時点では、リンパ節転移は3個、Ubと聞いていました。将来子供がほしいかどうかを聞かれ、「命優先だが、できれば」と答えたと思います。それから先生より、術前化学療法をすれば、もしかしたら温存できる可能性もあるかもしれないとの事で、12月よりFECーT療法とリュ-プリン注射を受けました。3週間毎のタキソテールか1週間毎のタキソールの選択がありましたが、みなさんどうされているのかなど、副作用を聞き、先生に意見を求めると、「世界ではタキソールかな・・・。私の患者さんはほとんど3週間毎の方。タキソテールでも1/4は癌が消える。タキソールの方がしびれが出やすいが、タキソテールでもまれに出る」との事で、大きな効果の違いがあれば言ってくださるでしょうし、趣味・仕事と、ともに手をよく使い物を作る事なので、しびれが出ないようにと思い、タキソテールにしました。途中、白血球低下と歯肉炎で入院したり、急性腸炎で入院したり、風邪?で高熱をだした時には抗がん剤のスケジュールが遅れたりしてしまいました。抗がん剤の副作用はつらかったですし、結局しびれはでてしまいましたが、やっと終わり、胸の方は厚みが減りボリュームはダウンしたが、横広がりで大きさがあまり変わっていない。リンパは消えているとの事で、全摘手術とリンパ節郭清を受けました。

手術後の切除標本の検査の結果
浸潤径:7.0cm、 全体の広がり:7.0cm、 波及度:f、t、ductal spread(+)、ly(+)、v(−)、n(−)、リンパ節level−T大(1/5)、level−T小(0/3)、SBR分類:grade2(3+2+1=6) 、HER2(1+),ER(4+3),PgR(3+3),p53(++),MIB−1(3.3%)、化学療法の効果判定 grade 1b+1b(d)+2(n)、 腫瘍は小型の胞巣や細索状構造を形質しつつ間質内に散在性に認められます。周囲には癌の消失巣と考えられる瘢痕化が認められます。癌の浸潤範囲は7.0cm程度に及んでいます。リンパ管侵襲撃像もみられます。断端は陰性です。リンパ節にも瘢痕化が見られますが、小数の癌細胞の残存を認めます。

手術前には放射線もやらなきゃいけないかもしれないとおっしゃっていましたので、やらなきゃいけないと思っていましたが、手術後の切除標本の検査の結果説明ではホルモン療法のみで放射線の話が出なかったので、「やらなくていいのですか?」と聞いたところ、「どっちでもいいですよ。放射線は局所療法だから。ホルモン療法は全身療法で期待できる。徹底的にやるなら、念押しでやるならやってもいい。再発してからやってもいい。術前化学療法の場合のデーターがない。再発するなら他のところにでる可能性が高い。今度(術後2ヶ月)までに考えてきてください。一度にやらずにホルモン療法の副作用の様子も見ましょう。」とのことで、まずはホルモン療法でノルバデックスの服用が始まりました。家族に相談したり、悩んでしまいましたが、「すごく考えたんですが、先生にお任せします。」「命を預けます。」といったところ、ちょっとびっくりされた感じがして「悩んでいるならやめましょう。」と言われました。「今やったほうがいいのか、再発してからやったほうがいいのかわからない。」と言うと、「誰にもわからない。」 「やれることはやりたいと思うのですが。」と言うと、「副作用もあるし、きりがない。」 「再発率は?」と言うと、「術跡に再発する可能性は1%」とのことでした。「先生からみて私の病状だと、どちらがいいと思いますか?」と聞いたところ、「じゃあ、なしで。抗がん剤も効いてるし、リンパ節も1個だし。ホルモン療法をしっかりやっていきましょう。」と言われました。その時は、いいのかなと思いましたが、やはり再発がこわいという気持ちが抑えられません。再発率が少しでも下がるならやりたいという思いが伝わったかどうか自信がありません。さばさばした先生で、うまく話せない事もありますが、この先生でよかったと思っていますが・・・。

1) 私の場合、放射線治療はやらなくていいのでしょうか?
2) もし術跡に微小な癌細胞が残っていた場合、そこから血液やリンパにのって全身にいくのでしょうか?
3) 今、放射線治療をやると、殺せる癌細胞が再発してからは症状を抑えることしかなくなるのでしょうか?(今やるのと、再発してからやるのとか変わらないのでしょうか)
4) 手術前にはやらなきゃいけないかもしれないとの事だったのに、どっちでもよくなったのはどうしてでしょうか?
5) 放射線治療は何度もできないと聞きましたが、1ヶ所1セットということでしょうか? (私の場合、治療方法として後にとっておいたほうがいいのでしょうか)
6) 局所再発の場合、また手術できるのでしょうか?
7) ひざとアキレス腱がすごく痛いのですが、骨転移では? (12月の時点では骨シンチと胸部X線では大丈夫だったようですが。)
8) 転移しやすいところの中に肝臓があると聞きました。特に肝臓については何も検査していないようなのですが、血液検査だけで大丈夫でしょうか? 初診時に右わき腹が痛かったのですが? (CTはとらないのですか?と聞いたところ、すごく混んでいるとのことでその時はとらず、腸炎で緊急入院した時にとったかもしれませんが、そのときのことは症状がひどかったのでうろ覚えで、その後何も言われていません。)

1)2)3)4) 乳癌診療ガイドライン(2005)によれば、主に腋下リンパ節の転移個数について、「腋窩リンパ節転移4個以上の症例では乳房切除術後の照射は胸壁制御率を向上させ、適切な全身療法に乳房切除術後の照射を加えることで生存率が向上するので、乳房切除術後の照射が勧められる。」とされています。これらは標準的な手術の後の照射について述べられたもものであり、あなたの場合は化学療法前のリンパ節転移個数が不明であるため難しいところですが、「現時点では,術前化学療法を行った場合には全例乳房切除後の照射を行うべきか判断できる十分な情報は揃っていない。」としながら、「乳房切除術を要する症例の多くは進行期(T3〜4)であり,このような症例の多くは4個以上のリンパ節転移が存在することが予想されるため,現時点では進行期症例では術前化学療法を施行した場合においても,術後に放射線治療が必要と予想される」とされています。術後の病理結果で抗癌剤の効果がかなり認められ、切除断端も陰性(?)であったことからの判断と考えますが、主治医の先生とよく相談されることをお勧めします。
5) 乳房切除術後放射線治療の適切な照射法としては「胸壁を含めることが強く勧められ、鎖骨上窩を含めることが勧められるが、照射総線量や1回線量などに関し十分な情報は揃っていない。」とされています。 
6) 局所再発後の手術は、限局的であるのか、周囲にび慢性に浸潤しているかなど、その形態や、全身への転移状況などにより可否があると思います。
7) 膝への転移は可能性としては少なく、アキレス腱への転移はまずありませんので、痛みの原因は別であると思います。
8) 可能性は否定できませんので、検査の必要性は主治医の先生とご相談ください。(文責 片山)

 

No.8267】  08年08月26日   K 
ホルモン療法の効果は?

初めて相談させていただきます。今年3月に左胸を全摘しました(47歳)。乳頭腺管癌(非浸潤癌の成分もあり)、ステージ1、リンパ節転移なし、血管・リンパ管侵襲なし、HER2(ー)、核異型度3、ホルモン受容体ER(0%)、PGR(10%)とのことです。4月から、ウィークリータキソールを6ヶ月の予定で治療中です。ホルモン療法の感受性はほぼ陰性ですが、PGRが10%であることから、主治医は10月からリューブリンを使うかどうか迷っています。少しでも効果があれば試してみたいと思いますが、更年期症状や子宮癌のリスクが高まるという副作用も聞いています。ほぼ陰性でもホルモン療法を受ける効果はあるのでしょうか。ご意見をうかがえたらと思います。

サンクトガレンのリコメンデーションによれば、腫瘤径は不明ですが、核異型度3から中間リスクとなり、ホルモン治療への感受性が不十分なカテゴリーとして、化学療法→内分泌療法が推奨されると考えられます。私見ですが、EC,ACなどの化学療法の後に閉経状況を検査して、リュープリン±TAM(タモキシフェン)を考えると思います。(文責 片山)

 

No.8266】  08年08月26日    N 
手術について(2)(HPNo.8197-2)

HPNo.8197でご相談させていただいた者です。その後、主治医のすすめもあって、結局全身麻酔にてしこりの切除手術を受けました。迅速病理診断の結果はクラス3ということで、やや増殖性のある細胞があるが明らかな悪性所見はない、という何とも微妙な診断でした。そのため、念のためしこりとそのまわりの組織を含めて切除していただき、センチネルリンパ節も調べてもらいましたが、転移はなしでした。
1) 現在最終病理結果待ちですが、永久標本での最終的な病理診断でもはっきりと良悪性の判断がつかないケースはあるのでしょうか。しこりが見つかってからずっとはっきりと良性とは診断がつかずに今回手術までしたのに、判断がつかなければいったいどうしたらよいのかと悩んでいます。
2) また、センチネルリンパ節の影響か、わきから腕にかけてのしびれや違和感が続いており、術後どのくらいすれば解消するのか不安です。普通はセンチネルリンパ節の切除では、そのような後遺症は続かないものでしょうか。
3) 手術の時点では悪性と診断されたわけでもないのにリンパ節まで調べる必要があったのか、少し不信感もありますが、仕方なかったのでしょうか。

1) 永久標本(ホルマリン固定標本)の検索でも最終診断が難しく、種々の免疫染色などを行って時間のかかるケースはときにあります。
2) できるだけ侵襲を少なくしようとする手技であるセンチネルリンパ節生検ですが、ときにケースバイケースで若干の局所の違和感が残ることはあります。
3) 実際の画像や病理組織を拝見していないのでコメントできません。(文責 片山)

 

No.8265】  08年08月26日    S.I.
今後の検査について

今年7月末いつもと違う所で受けたマンモグラフィのみの検診で、結果が要再検査でした。そこで8月市立総合病院へ。エコーで腫瘍の場所を特定できないため、MRIをやってから細胞診をしたが、結果良性。もしかしたらうまく取れていなかったかもと心配で、PET検査の希望もあって、県立総合病院を紹介してもらいました。希望したPET検査を叶わず、CT検査して針生検、結果は乳腺線維腺腫でした。3ヶ月後に市立総合病院にて再診。CT検査結果は、やはり右外側に腫瘍がある(検査報告書はもらえませんでした)。

MRI検査報告書(そのまま)
両乳腺MRI(造影)(単純+造影)
所見
MRM MMG USと比較
右乳房
NTD=5CM、11時の方向のC領域の腫瘍。楕円形、辺縁平滑、境界明瞭。
T1低い、T2で非常に高い信号。造影パタンは漸増型。
染まりは辺縁に強く、一見リング状に見える。
サイズ頭尾×左右×厚さ=約8×7×9mm

T2で強い高信号であり、一見?胞様だが造影されているので?胞は否定的。
粘液を有する病変の可能性がある。粘液癌、粘液変性を来した線維線種が鑑別の対象。
部位を絞ってエコー再検を。
ほか両側乳腺に腫瘍を思わせる腫瘍や異常濃染なし。

そこで質問です。
1) 実は2005年9月、右乳房に2〜3cm腫瘍がありと指摘された。場所は今の腫瘍と違う所。左にもばらばらいくつごく小さいな腫瘍がある。2006年7月はじめて地元病院でマンモー、エコーで検査したら、異常ない。 2006年11月エコー検診でやはり右乳房に腫瘍がある。充実腺病変。経過観察。2008年1月エコー検診でやはり右乳房に腫瘍がある。充実腺病変。経過観察。2005年時の腫瘍はもしがんとしたら、今のMRIとCT検査で100%見つかる、分かるでしょうか。スキルス性になっても画像上では100%分かるでしょうか?
2) MRI検査報告書から見れば、やはり粘液癌の可能性が高いでしょうか。(80%?)  CT検査、MRI検査では、周囲リンパ節、鎖骨リンパ節は腫れているかどうかを分かるでしょうか?
3) 次の再検査はマンモトーム?それともPET/CT?

長くなりましたが、お忙しいところお答えいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

実際の画像を拝見していないのではっきりとは申し上げられませんが、お話の右乳房のしこりがCT検査と針生検とで一致したものであれば、線維腺腫という組織診断の結果が出ているので、まずその可能性が高いと考えます。CT やMRI検査でリンパ節の腫れた所見はとらえられますが、その性質(転移性であるかどうかなど)の判断は困難な場合もあります。次の検査としては、私ならば生検を考えると思います。(文責 片山)

 

No.8264】  08年08月26日   K  
乳腺嚢砲症について

五年前の乳がん検診で、左右あわせると20箇所以上も嚢砲があることが分かりました。それからは6ヶ月、一年ごとの検診を受けてきました。ここ二年くらいは注射器で水を抜いて貰う回数も増えてきました。毎回同じ箇所ではないのですが・・・。今月11日またいつもの様に通院に行ったら、微熱があり右一箇所、左四箇所の水を抜いていただき、化膿しているということで抗生剤の処方を受けました。しかし微熱は下がらず、23日に再度通院。四日分の抗生剤と四日後の通院まで熱が下がらなかったら切開をすることになりました。ちなみにそのとき一箇所、注射器で抜いてもらった水の色はグレーでした。切らずに済む治療というものは、他にないのでしょうか?  

多発性嚢胞に何らかの原因で感染が絡んだ状態と思われます。抗生剤投与などの保存療法で軽快しなければ、やはり外科的に切開して排膿する方法が次善の策として考えられます。(文責 片山)

 

No.8263】  08年08月25日   A 
胸のしこり

6月に転んで<しこり>みたいな物が出来たので、受診しました。マンモグラフィとエコーをしましたが、乳癌ではありませんでした。が、最近、脇から2aくらぃの胸の上に人差し指の先の大きさにも満たない<しこり?>みたいな物が出来ているのが分かりました。もうすぐ生理ですが、これは乳癌ですか?

診察しないとわかりません。マンモグラフィーとエコーをしても2〜3%の偽陰性もあるので、再度診てもらったほうがいいと思います。(文責 石山)

 

No.8262-1】  08年08月25日   T 
硬癌

9ヶ月前に左温存手術、病理結果は硬癌、浸潤径0.9×0.8センチ、乳管内成分を含めた範囲:7.6×1.1センチ、組織学的波及度f、Iy:0,v:0,リンパ説0/2、HG:U、ER陽性(70パーセント)、PR陽性(30パーセント)、HER2score0,断端-、術後放射線療法、現在リュープリン摂取中です。最近読んだ本に、硬がんは予後が良くないと書いてあり、とても心配しています。主治医の先生は、浸潤径が1センチ未満だから心配しなくていいとおっしゃってくださっていますが、他の意見も聞きたく、ご相談させていただきます。それと、毎年マンモを受けていたのにもかかわらず浸潤していたことに疑問があるのですが、最初から乳管外にできていたということでしょうか? また、主治医の先生は、「浸潤していたところは硬癌」とおっしゃっていたのですが、部分によって違うということでしょうか? 色々聞いてすみません。よろしくお願いいたします。

乳がんの4割は硬がんですので、普通の病理型です。マンモグラフィーで写っていたのが腫瘤部分であれば、毎年撮影でもでこのような大きさと思います。乳管内成分は石灰化があればマンモグラフィーに写りますが、なければわかりません。硬がん(浸潤がん)周囲に乳管内成分(非浸潤がん巣)が広がるのは普通のことですが・・・。(文責 石山)

 

No.8262-2】  08年08月30日   T 
再発、転移の可能性

HPNo.8262でご相談させていただきましたTです。早速のご回答、感謝いたします。続けての質問です。それでは、私の場合(年齢は45歳)、再発、転移の可能性は高くはないと考えてよろしいのでしょうか?

Adjuvant! Onlineによれば、95%の10年生存率が期待でき、乳癌が原因でなくなる方は3%程度と予想されます。(文責 片山)

 

No.8261】  08年08月25日   Y
リスク分類(HPNo.8237-2

HPNo.8237で相談させていただいたものです。 先日は、お忙しい中ご回答いただきありがとうございました。主治医からHER2(+1)、グレード2と教えていただきました。低リスク群と認識してよろしいでしょうか? 申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

リスク判定は多くの基準があるので、この2点だけでは低か中リスクと判断されることが多いと思います。(文責 石山)

 

No.8260】  08年08月25日   H.B.
男性の乳がんについて

私は31歳の男性ですが、先日左の乳首から白いサラサラとした分泌物が米粒ぐらいの量でて、急いで総合病院の外科にかかりました。触診では異常なし、分泌物も白いし、絞ってその量だし、男性でも女性のように乳腺もあるのだから、そんなに心配する必要はないと言う説明をうけましたが、一応分泌物をとって検査し、その検査結果を聞きに行く日にエコーをとりましょうという事になりました。この結果が出るまでに二週間かかるらしく心配でなりません。二週間待てばいいのですが、あえて質問させてください。
1) 男性でも乳首から分泌物がでて、生理範囲内(体質)ということはあるのでしょうか?
2) 先生の体験からでもよろしいので、男性でこのような症状がある場合、どの程度乳癌の覚悟をしておけばよろしいでしょうか、また乳癌でなければどのような病気が考えられますか?
3) その日にエコーをとってくれなかったというのは、緊急性はないと考えてもいいのでしょうか?

いろいろ自分なりに調べてはいるのですが、ほとんど女性のことばかりで男性についてはあまりかかれておらず質問させていただきました。よろしくお願いします。

1) 内服薬の副作用など、分泌物の出る原因はいくつか考えられます。
2) 男性乳がんは女性の100人に1人以下で、頻度も少なく高齢男性に多いので、可能性は非常に低いと思います。
3) 病院によりますが、どこの乳腺外科でも検査はいつも混雑し、当日にできることはありません。(文責 石山)

 

No.8259】  08年08月23日   N
腹直筋の欠損部分のメッシュ(2)(HPNo.8254-2)

HPNo.8254の回答ありがとうございました。ご回答内容について更に質問させていただきます。
妻は乳房の腹直筋皮弁法により同時再建手術を半年前に受けました。腹直筋欠損部分に縦にメッシュ補強をしていますが、それが原因かと思いますが、激痛に悩まされています。診察結果合併症はありません。ご回答の中に「メッシュは欠損部分の腹壁の修復が目的」とのことですが、欠損部分の腹壁の修復が終わればメッシュの役目が果たされて、除去してもいいと理解していいのでしょうか。欠損部の腹直筋の周辺の筋肉が代替してくれるまでの補強材と理解していいのでしょうか。再度の質問にご回答をよろしくお願いいたします。

腹直筋は新たに生えてきませんし、腹壁は強い腹圧に耐えられるほどの修復は無理だと思います。(文責 石山)

 

No.8258】  08年08月23日   Totty
非浸潤性乳管がんのホルモン療法の必要性について(2)(HPNo.8225-2)

ご回答、お忙しいところ、どうもありがとうございます。実は本メール、2年前に作成した文章を誤って再送してしまったしだいで、今年8月に手術後2年を迎えました。自身で決め、これまで抗ホルモン療法はしておらず、施術を受けた癌研有明病院での8月の定期検査では再発はしておりませんでしたが、「再発の注意が十分必要」とのご指摘を受け、気持ち的に心配になって参りました。担当医師に相談してみようかとも思いますが、術後2年経過後、抗ホルモン療法を開始した場合、その後の再発防止のために十分効果が得られるのでしょうか。(術後すぐに抗ホルモン療法開始と、今後の再発防止にむけた効果は同等?) 

データはないのでお勧めできません。万が一再発した場合、投与するのが普通ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.8257-1】  08年08月23日   TUFFY
非浸潤性乳管がんとブースト照射の必要性、今後の治療、ほか

8月9日のフォーラムに参加させて頂き、「乳がん・・・私の場合」も読ませて頂いております。はじめてのメールです。よろしくお願い致します。
7月8日に温存手術をして頂き、幸いなことに「非浸潤性乳管がんで、40x35mm、リンパ節転移なし、断端陰性」とのことでした。58歳4ヶ月です。現在、放射線治療をして頂いております。今日が9回目で、2Gyを25回の予定です。追加照射により、少しでも再発のリスクが減るのであれば、追加照射もお願いしたいと考えております。本日、放射線の先生に相談しましたところ、効果はそんなに大きいものではないかもしれないが、迷っているのなら追加照射しましょうと言われ、電子線2Gyx5回の追加照射を予定して頂きました。

1) 私の考えと選択は、間違ってはいなかったのでしょうか?それとも、この追加照射は、もしかして本当は不必要なことでしょうか?
2) 次の主治医との予約は10月20日なのですが、この放射線治療だけで大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤とかホルモン療法とかハーセプチンとか、本当にまったく必要ないのでしょうか? 私としては、徹底的に治療して、完治できれば・・・と考えております。
3) 私の場合の再発率と生存率も、ズバリお願い致します。

非浸潤癌に対する局所療法について、予備知識として一般的な話をまず書きます。非浸潤癌は原則として所属リンパ節転移や遠隔転移を起こさないので、乳房を切除する事によって、ほぼ100%治癒します。ただし、非浸潤癌であると完全に診断するためには、病変部分を摘除して、すべて病理学的に検討しなければならない事、また非浸潤癌の乳腺内の広がりを術前に正確に診断する方法がいまだに確立されていない事、温存術での切除断端における非浸潤癌と異型乳管増殖症との判別が困難なために、病理医がしばしば断端の評価に苦慮する場合がある事など、非浸潤癌での温存療法では不確定な部分が生じます。また非浸潤癌は多様な悪性度の病変の総称であり、悪性度分類(腫瘍径、切除断端、組織学的悪性度)のスコアが高いほど局所再発が起こりやすくなります。その為にも切除断端を陰性にする事、更に温存術後の放射線治療は原則的に必要であり、全身治療としてER(+)であればタモキシフェン5年投与が望ましいという事になっています。

1) 一般的には切除断端(−)であれば追加照射の必要はないと思います。しかし、貴女の病理標本では、白点が癌の存在を表すものであれば、切除断端より5mm以内にあるように見えるので、念の為に追加照射をすることも選択肢の一つです。
2) 非浸潤癌は多様な悪性度の総称です。局所切除のみの治療では8〜43%の局所再発が認められたという報告もあり、放射線治療が必要になります。更に可能であれば、補助療法としてタモキシフェン5年投与が望ましいという事になっていますが、貴女の場合、ERは allred score 2 ですので、10%以下という事で、国際ガイドラインでは陽性とはなりません。従って、タモキシフェン内服の適応がないということになります。
3) 温存療法での不確実な部分を克服し、治癒・完治を目指すのであれば、乳房切除術をお勧めいたします。(文責 須田)

 

No.8257-2】  08年09月28日   TUFFY
再発率

HPNo.8257のTUFFYです。前回、回答を頂いたものの、その後も乳房切除術の決断もつかぬまま、放射線治療を続けながら悩んでおります。少しでも再発のリスクが減るのであればと、お願いした追加照射を含む放射線治療が、明日で6週間終了となります。これで治療を終了する場合と、再度切除手術をした場合の再発率の違い等、どのくらい差があるのか、教えて頂けないでしょうか? また、非浸潤癌であっても、浸潤癌と同様にがんの悪性度により再発率は変わるのでしょうか? 以上、是非とも教えて頂きたく、よろしくお願い致します。

手術施行した場合には基本的には局所再発の可能性はなくなります。細胞の悪性度というよりも、非浸潤がんのほうが乳管内部において広く進展しやすいですから、局所的再発率は浸潤がんよりも高い傾向にあると思います。(文責 首藤)

 

No.8256】  08年08月23日   T.S. 
ビタミンEの摂取について

いつも参考にさせて頂いております。今回、母親72歳の事でお訪ねしたい事がございます。
昭和57年10月に左乳房を全摘。その後定期的に診察を受けておりましたが、21年後の2003年に右の脇のリンパにしこりを見つけ、検査の結果、癌でした。この時、マンモの検査もしましたが、乳房にはしこりは無く、結局脇だけのしこりを切除しました。術後はフルツロンとアリミデックスを服用しておりまして、今年で五年が経ち、やっと薬から解放されると思った矢先の先月下旬のマンモ検査で、何と右乳房に2センチ程のしこりがあるのが判明しました。医師の話では、五年前にマンモに映らないほどの癌が有り、先に脇に飛んだのではとの話でした。細胞を調べた結果、26年前の再発なのか分からないとの事でした。CTや骨シンチの検査で転移は無く、乳房のMRI検査の結果から、温存の手術が決まりました。何故、最初の手術から20年以上も経ってから出て来たのか不思議でした。何か服用している薬が悪いのかと調べていましたら、一つ気になる薬がありました。12年前から眼科に掛かっておりまして、その中の薬で「ユベラNカプセル100mg」を、一日3回服用しております。ビタミンEは、女性ホルモンの働きを促す作用も有るようですが、癌を患っている状態で、このまま「ユベラNカプセル100mg」を服用していてもいいものでしょうか? 長文になりまして失礼致しますが、どうかご返答を頂けましたら幸いで御座います。何卒宜しくお願い申し上げます。

ビタミンEで乳がんが増悪する事はあまり考えなくて良いと思いますが、投与目的が何かにもよりますが、不要な薬なら止めてみてもいいのでは。(文責 石山)

 

No.8255】  08年08月23日    y.o
化学療法に切り替えるかどうか迷っています

病理検査結果は次のとおりでした。リンパ節転移陰性。腫瘍1.5cm。脈管浸潤なし。HER2(−)。ERまたは/およびPgRが発現している。グレード2。年齢46歳。閉経前。このため、ホルモン治療のノルバディクスDとゾラデックス3.6mgデポの投与を開始しました(現在1回実施)。しかしながら、再発リスク低減のため化学療法に切り替えるかどうか迷っています。ゾラテックスには化学療法CMF療法と同様の効果があると記載されていますが、体力には自信がありませんので、再発率が同程度であれば、このままホルモン療法を維持したいと考えています。如何でしょうか?

当院でも同じ治療を選択し、患者さんに提示しています。妥当だと思いますが、この治療でも副作用がないわけではないので、経過を見てまた主治医と相談してください。(文責 石山)

 

No.8254-1】  08年08月22日    N
腹直筋の欠損部分のメッシュ

妻は乳がんの腹直筋皮弁法による同時再建手術を半年前に受けましたが、最近腹部の痛みが増してきました。主治医の診察では特に問題はないとのことですが、腹直筋の欠損部分に縦にメッシュ(薄いシート)を入れられていることが分かりました。以下に質問いたしますので、回答をよろしくお願いします。
1) 腹直筋欠損部分に通常メッシュは入れるものですか?
2) メッシュにより痛みが増しいているのでしょうか?
3) 痛みのために食欲が減り、体重が減って腹部の脂肪がどんどん減っていますが、脂肪の減少により、さらに痛みが増していませんか?
4) メッシュはどういう役目を果たしているのですか?
5) もし今から除去手術をすることにより、何か弊害はありますか?

1) 乳房の大きい方は腹部の欠損が大きくなり、メッシュは使います。
2) 可能性はありますが、傷を見ないと何とも言えないと思います。
3) 腹壁でなく腹腔内の問題はないでしょうか? 消化器科で癒着性腸閉塞などの可能性も見たほうがいいと思います。
4) 欠損部の腹壁の修復目的です。
5) 単に除去すれば腹壁瘢痕ヘルニアを起こします。(文責 石山)

 

No.8254-2】  08年08月23日    N
腹直筋の欠損部分のメッシュ(2)

HPNo.8254の回答ありがとうございました。ご回答内容について更に質問させていただきます。
妻は乳房の腹直筋皮弁法により同時再建手術を半年前に受けました。腹直筋欠損部分に縦にメッシュ補強をしていますが、それが原因かと思いますが、激痛に悩まされています。診察結果合併症はありません。ご回答の中に「メッシュは欠損部分の腹壁の修復が目的」とのことですが、欠損部分の腹壁の修復が終わればメッシュの役目が果たされて、除去してもいいと理解していいのでしょうか。欠損部の腹直筋の周辺の筋肉が代替してくれるまでの補強材と理解していいのでしょうか。再度の質問にご回答をよろしくお願いいたします。

腹直筋は新たに生えてきませんし、腹壁は強い腹圧に耐えられるほどの修復は無理だと思います。(文責 石山)

 

No.8253】  08年08月22日    M 
葉状腫瘍の術後について

40歳、未婚。8月1日に葉状腫瘍摘出術(右)を受けました。しこりを自己で発見してから半年以上も放置していたので、7cm近くになり、腫瘍とまわりの乳腺を含めると手拳大くらいの摘出となりました。「術中にまわりの脂肪で形を整えた」と聞いていたので、思っていたより大きさや形に変化がなく喜んでいました。しかし主治医は、「あまり変形が少ないので、もしかしたら血や浸出液が溜まっているかもしれない。炎症をおこせば注射器で中の液体を抜く。」と言われ、経過観察中です(現 術後3週間です)。どのくらい様子をみなければならないのでしょうか? 何年か経つと、変形してくるのでしょうか? また、術後の病理の結果で、良性と言われましたが、再発する可能性も一生あると言われました。再発率はどのくらいで、今度再発したら、悪性になるのでしょうか? 良性腫瘍既往の場合、乳癌になるリスクも高くなるのでしょうか? 本来主治医に聞くべきところで、申し訳ございません。

良性という病理診断が出ていれば、今度は腫瘤出現時すぐ手術すれば問題はないと思います。術後の変形は、経過を見る以外ないと思います。半年くらいで脂肪壊死などの変化は収まるはずです。(文責 石山)

 

No.8252】  08年08月22日    C
イオン治療器について(HPNo.7832-3)

7832-1、7832-2、8075で質問させていただいたCです。お世話になっております。乳がんになる前に購入したイオン治療器なのですが、スーパーイオン ドクターベル http://www.towa-bellclub.co.jp/drbell/index.html 禁忌事項に悪性腫瘍とあり、「次の方はご使用にあたって医師とご相談ください。」と書いてあります。今は抗がん治療中ということもあり、現在は使用していませんが、このまま使用しない方がいいのでしょうか? 主治医にも相談するつもりではいますが、こちらの相談室の意見をお伺いしたいと思い、メールさせていただきました。よろしくお願いいたします。

禁忌ですから、やめてください。(文責 石山)

 

No.8251】  08年08月22日    ひまわり
今後の治療法について

47歳、2007年5月に浸潤性乳がん(ステージU)と診断され、術前化学療法(FEC4回+タキソテール4回)後、温存術を実施しました。センチネル(0/3)にてリンパ節の郭清は実施せず。乳管内にのみ癌細胞の残存を認めました。生理は術前化学療法を開始してすぐになくなりました。ホルモン感受性は、2007年5月の初診時の組織診はPGR;+、ER;+でしたが、術前化学療法後のホルモン感受性は、いずれもーでした。放射線療法後、2008年3月よりリュープリンを投与しています。私の場合、ホルモン療法はリュープリンにタモキシフェン等を追加投与したほうが、再発率を下げるのではないでしょうか。また、標準療法は、これら2剤の併用ではないのでしょうか。再発しないためには、多少の副作用はがまんしますので、どうぞよろしくご回答くださいますようお願いします。

心配なら併用をお勧めしますが、術前化学療法では、その成績や術後の再発予防に対するしっかりしたエビデンスがありません。残っていた病変が乳管内だけであれば、乳管内がんと同様の悪性度と考えて、ゾラデックス単独も悪くないと思います。(文責 石山)

 

No.8250】  08年08月22日    N.R. 
抗がん治療後の後遺症について

初めて相談させて頂きます。年齢46歳、独身です。昨年8月、乳首の近くに乳頭腺管がん3.4x2.6Cmの腫瘍発覚、リンパ転移なし、HER2(+2)陰性の結果、術前治療で9月からFECを4クール、タキソテール4クール後、今年3月温存手術、腫瘍は消えていたとの事です(摘出後の病理検査では、2cm内に顕微鏡で微量のがん細胞残ありでした)。術後はFEC2クールで終了。5月に放射線治療もすませ、現在アリミデックスを服用中です。手術の方はとりあえず問題なかったようですが、12月タキソテール1回目の治療からすぐにしびれ、足のむくみを感じる様になり、2、3月には足が普段の倍以上にむくんでしまい、階段を2,3歩上ると息切れするという状態でした。突発性のリンパ浮腫だったため、リハビリの結果、足の太さはだいぶ元に戻りましたが、放射線治療の途中頃から足のしびれ(手の指のこわばり)と、痛みがだんだん増してきて、ペインクリニックを紹介されました。検査してもらいましたが、筋膜痛との事でした。私はヒリヒリ、チクチクする神経的な事の方が気になり、腫瘍内科の先生に久しぶりに(主治医は外科の先生の為)面談を受けたら、副作用は確かにひどい方で、慢性疼痛という言葉を聞きました。私の様な症例の人は確率的にはどの位いらっしゃるものなのでしょうか? 又、途中でタキソテールを止めて何か方法をとる手段はなかったのか、腫瘍を小さくして手術するのと、消えた状態で手術するのとでは、どの位の差があるものなのか? 再発率とかも変わってくるものなのでしょうか? 現在東洋の鍼治療と整体、むくみをとるマッサージやストレッチで努力はしていますが、何か他に良い治療はないものか? どうぞ、先生のご意見、何卒よろしくお願いいたします。

術前化学療法については、日本でも始まったばかりで長期成績や副作用は、まだまとまった報告はありません。痛みが強いというのは、タキソテールの末梢神経障害で説明がつくのか、それともアリミデックスで関節痛という副作用があり、その症状なのか。それと46歳で本当に閉経しているのか、アリミデックスの適応に問題はないでしょうか?(文責 石山)

 

No.8249】  08年08月22日    N
ゾラデックス3年(HPNo.4866-2)

以前No.4866にてご相談させていただいたものです。その節はありがとうございました。あれから転移・再発もなく、ゾラデックスとノルバデックスを続けてきました。もうじき3年になるので、先生はゾラデックスは終わりにしても大丈夫だとおっしゃっています。私自身はゾラをやめるのは心配なのですが、これ以上続ける意味はないのでしょうか?(血液検査での女性ホルモンはE2 <20、プロゲステロン 0.59、FSH 1.4、LH 0.1で、まだ閉経していないとのことです。) また、今年2月の婦人科の子宮内膜細胞診では Class IIIa(それ以前はII)という結果が出てしまい、経過観察になってしまいました。今月も検査をうけ、現在は結果待ちですが、ゾラデックスをやめるなら生理も戻ってくるだろうし、子宮内膜が厚くなっているし、3cmほどの筋腫もあるので、子宮摘出も考えた方が良いと言われ、困惑しております。このような状態でノルバデックスを続けていてもよいものでしょうか? 婦人科の先生は大丈夫とおっしゃっていますが・・・。今後どのような治療が、乳がん・子宮にとってベストと考えられるのでしょうか?
次回乳腺外科受診の際に担当医にも相談するつもりですが、その前にご意見を伺いたく相談いたしました。よろしくお願いいたします。

ゾラデックスは再発予防としての投与期間にはっきりしたエビデンスがありませんので、2,3年でやめてノルバデックスを最終的に5年というのが一般的です。5年間ゾラデックスを投与しても悪くはないと思います。(文責 石山)

 

No.8248】  08年08月21日    Y.Y. 
乳輪のただれ

約1年前から、乳輪の下半分にただれがあり、かさぶたになっては、また剥がれてそこから分泌物が出る・・という症状に悩まされているものです。症状は、とても痒く、患部が痒いというより、乳輪の周りの乳房が痒いという感じです。夜寝る時も、痒くて寝られない事もしばしばです。下着や服にも、その分泌物(色は、茶黄色です。)がついて、時たま、ブラジャーに、その分泌液が出ている患部がひっついてしまい、とると又かさぶたがはずれてしまう・・という事もあります。なかなか勇気が出ず、病院にいけていなかったのですが、産婦人科に何度かは行きました。先生は、ホルモン剤を出して下さり、一時的にはよくなったのですが、又、すぐに元通りになってしまい、再発?してしまいます。インターネットで調べた所、乳腺科は外科に行かなければならない事が分かり、やっと、乳腺専門の病院に予約をとりました。ですが、乳癌だったらどうしよう・・・という不安がますます大きくなってきており、不安で不安でたまりません。この症状は、乳癌の疑いはありますでしょうか? 又、色が元々の乳輪の色と変わってしまっておりますが、元に戻す事は可能でしょうか? 本当に、色々とご質問してしまい申し訳ありませんが、ご回答、アドバイスいただけましたら幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

Paget病というのがありますので、それを除外する必要がありますが、かゆみなどは湿疹の症状のように思います。色素沈着は見ないとわからないので、皮膚科に相談してみてください。(文責 石山)

 

No.8247】  08年08月21日    K 
今後の治療について(全摘か温存か?)

元気に飛び回って、運動好き、趣味がスキューバーダイビングの二人の子供の母です。昨年11月末に、左腋から胸がいやに痛むな〜で、受診。3年前の人間ドックでは全く引っかからず。12月5日、まさかの5センチ乳癌の診断。12月17日からAC、3週ごとにAC4回、タキソテール4回後、6月10日に温存手術しました。エコーで写らないほど小さくなっていたというのに、術後病理検査で、細かいのが乳首周辺や他に散っていると。更に、肝臓に1つ転移がみつかり・・・。今現在、胸は後回しに、肝臓を集中にと、肝臓に対して抗癌剤ナベルビンを、2週続けて1週休みと、治療しています。12月にはリンパに4,5個あったらしいガンも、センチネルして、リンパに転移は無しと。それはよいのですが、左腕のひきつり、腕上がらず、リハビリ、更にナベルビン治療。この暑さに、子育てに家事、旦那の協力もいまひとつで、精神的に参っています。来月になったら、エコーで肝臓が消えているかどうか見ましょうとのことですが、効果があるのか心配なのと、また細かく胸に広がった乳癌の方をどうしたらよいのか・・・。医師から、全摘か、このまま気にしないで温存にして、放射線にするかどちらでも、決断は私に任せると。主人も義母も、3倍のリスクがあるなら、さっさと全摘と、やたら早くとれとれと言うばかりです。今かかっている病院は乳房同時再建はしていないから、もしするのなら、遠方でも転院するしかないです。

遠隔転移がある乳がんの手術術式は難しいですが、生命予後は肝転移だと思いますので、局所の治療である乳房の手術はどちらでもいいと思います。ただ手術のために抗がん剤治療が長期にわたって休止したりしないように配慮すべきだと思います。(文責 石山)

 

No.8246】  08年08月21日    K 
左胸の痛み

私は17歳の高2です。ここ最近急に熱がでて、左胸の下というか、みぞおちの左側の骨?の辺りと脇腹辺りが触ると少し痛く、仰向けに寝ると背中が痛くなります。横に向いて寝たり、軽くひねった感じに寝ると、触らなくても痛くなってしまいます。激痛があるわけではなく、触ると痛いという感じです。心なしか寝るとき息がしづらいなと思うときがありますが、座ると多少楽になります。神経痛かと思ったのですが、症状が少し違う気がしたのでメールしました。ちなみに私はバレーボール部に入っていて、週に3回は運動をしています。これも関係あるのでしょうか。説明不足ですいません。お返事ください。

少なくとも乳腺の疾患ではないと思いますが、整形外科を受診されたらいかがですか。(文責 石山)

 

No.8245】  08年08月21日    K.K.
骨シンチ(HPNo.8167-2)

先日はありがとうございました。再度質問なのですが、ご回答いただいた通り、骨シンチを受けたところ、右肩甲骨外側に強い集積があるとでました。主治医に「ぶつけた?」と聞かれて、思い当たることがあったことからぶつけたと回答したところ、「ないことはないけど、様子を見ましょう。」と言われました。後でネットで調べたところ、「骨折するほどの打撲」という記述があり、そこまで強くぶつけた記憶はありません。(木製の椅子の角にぶつけたぐらいなのですが)再検査した方が良いでしょうか? 何度も申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

心配なら単純写真で骨破壊像がないかどうか確認することもできます。(文責 石山)

 

No.8244】  08年08月21日    A T 
ホルモン療法との併用について

術前療法半年後、今年5月左胸全摘手術を終えて、病理の結果5月末からホルモン療法3ヶ月が経過した者です。この3ヶ月間にホルモン療法の副作用でめまいが起きたり、微量ですが不正出血があり(婦人科で子宮ガン検査済み)、最近ようやくホルモン療法が体に慣れてきたようです。この度術後3ヶ月の検診で、ハーセプチンをホルモン療法と併用することになりました。
1) ホルモン療法とハーセプチン併用は再発防止のためですが、どちらか1つではだめでしょうか? 体に副作用がでるのではないかと心配です。
2) ハーツーの受容体が+2でしたが、その5月末時点でフィッシュ法の結果がでませんでした。6月でも結果が出ず、この度3ヶ月もかかってフィッシュ法の結果がでました。そもそもフィッシュ法は3ヶ月もかかる検査ですか?
 
取り留めのない質問ですが、よろしくお願い致します。

併用のデータはないので、単独でも構わないように思います。FISHは3カ月は遅すぎるように思いますが、検査会社次第でしょうか。(文責 石山)

 

No.8243】  08年08月21日    F.T. 
乳がん転移治療内容の変更について(HPNo.2232-12)

2004年3月に初めて相談させていただいたHPNo.2232のFTです。また、よろしくお願いします。
2004年から再発治療を始め、ホルモン療法で5年目に入りました。脈絡膜転移、半回神経麻痺、骨転移。胃の腫瘍に関しては、転移か原発かではっきりしないところがありましたが、乳がんの転移の治療で経過をみていくということになり、現在、胃の症状が悪化することなく過ぎている状況です。腫瘍マーカーは再発当初からNCC-ST-439のみが異常値です。ホルモン療法を始め、2004.3〜 ゾラデックス+タスオミンにより マーカー値140〜52に下がりましたが、徐々に上昇し、値が140までになったので、2005.8〜 ゾラデックス+アリミデックスの治療に変更しました。薬を変更し、徐々に値が下がり、2006.3には27までになりましたが、その後、値が徐々に上がり始め、2008.6には120になりました。先月7月に骨シンチ、CTの検査を行なったところ、骨転移が増しているということで、治療変更となりました(胸骨,頸椎,胸椎,肋骨等,その他は把握していません)。内容はゾメタ+アリミデックスです。ゾラデックスは年齢52才ということで、そろそろやめてもよいのではということでした。新しい治療は9月から開始ということになっています。アリミデックスが効かなくなったのかなと思ったのですが、アリミデックスの変更がないので、このような治療変更は妥当であるのか教えていただきたいと思います。体の変調、自覚症状は特にありません。よろしくお願いします。

経過から言って妥当だと思いますが、閉経後であるかどうか、ゾラデックスを休薬し、エストロゲンなどの血中女性ホルモンを調べてみながら、中止でいいか判断するのがよいと思います。(文責 石山)

 

No.8242】  08年08月20日    R 
今後の治療について

手術予定を目前に控えて心配なことがありましたので、相談させていただきます。よろしくお願いします。
37歳、未婚です。今年2月に乳がんの診断を受けました。しこりの大きさは17mm。画像上リンパ節転移なし(センチネルリンパ節生検は受けていない)。細胞診で核異型度:1、ホルモン剤が効くタイプ、HER2(+3)で、年齢が若いことと、HER2が陽性であることから、術前化学療法EC→T+ハーセプチンを合計7クール受けました(ECを1回中止)。前回のエコーでは、しこりの大きさは5mm程度で、最初黒くハッキリしていたのが、分かりづらくなっていました。主治医からは、しこりとリンパ節の手術をすることを言われています。
1) 実際に画像でリンパ節転移が確認できない場合、術前化学療法で完全奏功及び奏功になった場合の、リンパ節転移はどのくらいあるものでしょうか?
2) 術後にハーセプチンを1年間投与することを勧められています。今のところ妊娠の予定はありませんが、ハーセプチン投与後に妊娠、出産することは可能でしょうか? まだ、日本で認可されてまもないことや、初発の乳がんに使われるようになって半年程度なのですが、日本国内でもそのような事例はありますか?

1) 完全奏功ならリンパ節転移も消えていることが多く、単なる奏功であれば腫瘍径17mmなら、7,8%というところでしょうか。
2) ハーセプチンの補助療法での日本人のデータは少ないと思いますが、理論上妊娠出産に影響は少ないと思います。ただ術前化学療法の影響は大きいのでは?(文責 石山)

 

No.8241】  08年08月20日    M 
痛みのあるしこり

最近痛みが増した様に感じます。しこりは右の外側に上から胸の真ん中あたりにまで2、3個あります。押すと痛みがあり、内側に動きます。腕を上げるだけで少し痛むこともあります。揺れるとすごく痛いです。親に相談すると、「様子を見て、痛みが増すなら言って」と言われました。以前より痛くなった様な気がするので、やっぱり親に言って病院に行った方がいいのでしょうか? でも今高3で受験勉強が大切な時期なのに、結果が悪いことを思ったら怖いです。

年齢的に乳がんは非常に少ないと思いますが、安心のために乳腺外科に受診したほうがいいと思います。(文責 石山)

 

No.8240】  08年08月20日  K.K.
抗癌剤による白血球の減少

家族のことで相談させていただきます。5月に右乳房全摘手術を行い、2週間前にFEC1回目の抗癌剤治療が始まりました。2週間後として、白血球などの血液検査をしたら、白血球が700しかないとのことでした。いろいろとリサーチをしていると、白血球がそんなに下がった場合は、上昇させる薬の点滴をすると書いてあるのですが、主治医の先生は、今が一番下がっているときだから、ということで、そのまま家にかえしたそうです。その夜38度の熱がでて、翌日は39度まであがりましたが、翌々日は37度まで下がり、頭痛と歯茎の痛みがあるそうです。
1) 700まで下がってしまって、白血病などになるようなことはないのですか?
2) もし来週2度目の抗癌剤の日にまだ上昇していなかったら延期ということになると思うのですが、遅延すると、それだけ抗癌剤の効果も弱まるとのことで、せっかく苦しい思いをして抗癌剤をしているのに、効果が弱まるようなやり方では意味がないと思うので、主治医の先生に上昇させる薬を早めにつかって、予定通りに進めていただくようにお願いしたほうがいいのでしょうか? それとも、主治医の先生のやり方が標準的な考え方なのでしょうか?

1)無関係です。
2)標準的なものです。発熱があれば、そのことは主治医に伝えてください。(文責 石山)

 

No.8239】  08年08月20日  K・N
生理開始前後の精密検査について

34歳、既婚、出産経験なしです。7月に右胸にしこり(5.5mm。ごろごろ硬い)を感じ、総合病院を受診。エコー、マンモの検査を受けましたが、「良く分からない。特に何も映ってこないので細胞診はできない」といわれ、経過観察となりました。9月に再度受診の予定です。(そのときは生理6日目だったこともあって、上手くうつらないのかとも思いました。)
ところが8月に市の健康診断に行き、触診とエコー検査を受けた結果、エコーで、そのしこりとは別に、黒い13mmの影が見つかり(触診では触らなかったようです。自分でもそこにしこりのようなものは感じません)、「カテゴリー3」(但し、経過観察中のしこりのことか、新しい影のほうを指しての診断なのかは不明です)ということで精密検査を受けるようにとのことでした。9月の予約日前に診てもらいたいと思っています。
1) 一両日中に生理になると思われますが、検査を受けに行ってもいいものなのでしょうか。前回のようにその時期にはうまく映らないのであれば、終わるまで待ったほうがいいのか、悩んでいます。
2) 黒く写るほうに「Cy S+」と診断がつけられているのですが、これはどういう意味なのでしょうか? 7月の時点では何も言われなかったのですが、そんなに急に何かできるものなのでしょうか?

宜しくお願い致します。

生理の周期を気にしていては診断はできませんから、まず受診してください。その文字はCYSTで嚢胞という意味です。水がたまっただけの良性腫瘤です。(文責 石山)

 

No.8238】  08年08月20日  ゆき
左胸から脇にかけての鈍痛

10年前から左胸から脇にかけての鈍痛で悩んでます。検査した中で二度乳腺症と言われましたが、初めてマンモと細胞診をした病院では「粘液腫」で、手術が必要と言われました。手術をかなりすすめられたので、別の病院で検査を二度受けたら乳腺症でした。その後二年検査を受けていません。左腕を思いっきり伸ばすと痛みます。恐くて恐くて…。今パニック障害の治療中でもあり、福岡でどこか安心して検査出来る病院があったら教えて頂けたらありがたいです。現在41歳、子供なしです。

われわれは神奈川乳がん治療研究会ですので福岡はよくわかりませんが、http://www.jbcs.gr.jp/ninteii/senmon_07.html に福岡地区の専門医のリストがあるので参考にしてください。(文責 石山)

 

No.8237-1】  08年08月20日  Y
術後の治療について

はじめて相談させていただきます。53歳、今年1月に部分切除術を受けました。直径20mm、硬癌、脈管(リンパ管1/3, 静脈0/3)、リンパ節転移なし、ホルモン感受性陽性、(HER2はわかりません)。ステージTとのことで、アリミデックス5年間服用と放射線治療60回(内、ラスト5回は電子線)の治療となりました。すでに放射線治療は終了しています。最近乳がんの情報サイトをいろいろ閲覧しているうちに、本当に抗がん剤治療は不要なのかと不安を抱き始めてしまいました。主治医を信頼していますし、できれば化学療法を受けたくなかったのですが、やっぱりすすんで受けるべきなのかと不安が募ります。ご意見をお伺いできればと思います。

St.Gallen Conferenceの再発リスク分類では、Grade(悪性度)、HER2がわかりませんが、低リスク群に入る可能性が高いと思います。低リスク群でホルモン感受性陽性の場合、推奨される治療はホルモン療法のみだけです。化学療法は一般的にはお勧めしません。(文責 石川)

 

No.8237-2】  08年08月25日  Y
リスク分類

HPNo.8237で相談させていただいたものです。 先日は、お忙しい中ご回答いただきありがとうございました。主治医からHER2(+1)、グレード2と教えていただきました。低リスク群と認識してよろしいでしょうか? 申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

リスク判定は多くの基準があるので、この2点だけでは低か中リスクと判断されることが多いと思います。(文責 石山)

 

No.8236】  08年08月20日  S
今後の治療について

5月30日に乳がんの乳房切除手術をうけました。そして同時再建をしています。現在、エキスパンダーを入れ、少しずつふくらませています。57歳です。今、術後の治療に迷っています。病理検査の結果は以下の通りです。
癌は左胸に二つあり、@がscirrhous carcinoma Apapillotubular carsinoma,Lt.breast,total mastectomy+Sn
@ 切片8c,8D,9C。中間型で大きさ2.5×1.5。組織像は異型度grade3 ,波及度f,ly3,vl,ELC(−)です。
A 切片7Gです。限局型で1.2×1.0です。組織像は異型度grade3,波及度f,ly1,vl,ELC(+)です。

断端にはいずれも浸潤はないとのことです。センチネル(−)0/2、免疫染色で、HER2 陰性、スコア0、ER 陽性、PgR 陽性でした。すすめられる補助治療として内分泌療法単独か抗癌剤療法の後の内分泌療法といわれました。とても迷っています。私自身高血圧で薬(アムロジン)を毎日服用しており、以前に仮面うつ症にかかったこともあり、血管もでにくく、娘を白血病で亡くし、抗癌剤の副作用の恐ろしさも知っています。あと数日で主治医に結論をださなければいけません。再発の危険性が内分泌療法をすることによって20%より10%に減り、その上に抗癌剤をすることにより5%へるとのこと。どうしたらいいのでしょうか?

悪性度(異型度)Grade3 、脈管侵襲(波及度)ly3、vlなので、化学療法を受けた方が無難かも知れません。抗癌剤もいろいろな薬剤、投与法がありますので、主治医とよくご相談下さい。(文責 石川)

 

No.8235】  08年08月20日  W.C. 
タモキシフェンの副作用なのでしょうか?

以前も骨転移について質問させて頂きました。ありがとうございます。この度は自分で右鎖骨上リンパ節の小さな腫れを見つけて、主治医の触診を受けました。「転移だね」とのことでした。その日のCTを撮り、骨シンチをして、内蔵には転移がなく、骨の方は腰椎が少々半年前にとったシンチより黒いかなとの診断でした。その日からノルバデックスの投与が始まりました。私は45才ですが、ぎりぎり閉経前です。一年に3回ほどは生理がきます。ノルバデックスを飲み始めてから約23日ですが、はじめは吐き気がありました。それもなんとかおさまり、骨痛も一瞬よくなったのですが、現在はモルヒネが効かないほど痛みがあります。あと私は半年前から不眠でしたので、睡眠薬をのんでいます。今ままではそんなことはなかったのですが、現在は昼間は眠気がひどく、フラフラしています。夜八時ぐらいまでは、起きることもできません。タモキシフェンの副作用か?うつ病なのか?ガンが思った以上にひどいのか?タモキシフェンで、こんなひどい副作用はあるのでしょうか?

タモキシフェンで、こんなひどい副作用は出ないと思います。主治医に状況を話して、原因・対処法をご相談下さい。(文責 石川)

 

No.8234】  08年08月20日  M.T.
マンモグラフィの結果、精密検査が必要

43歳独身で出産経験はありません。先日定期健康診断の際はじめてマンモグラフィを受けたのですが、検査結果に「局所的非対称性陰影あり」と書かれてあり、外科で精密検査を受けて下さい、とのことでした。触診は異常なし、自覚症状も特にありません。健康診断を受診した病院は自宅から少し遠いので、出来れば近所の病院に行きたいと思っているのですが、その際マンモグラフィの結果は健診を受けた病院から貰えるものなのでしょうか? 撮り直すのでしょうか? また、精密検査というのは一般的にすぐ針を刺して調べるのでしょうか、まずはエコー等で調べるものなのでしょうか? 横須賀市在住なのですが、専門科のある病院を教え頂けると助かります。初めてのことで不安だらけです。よろしくお願い致します。

マンモグラフィは健診を受けた病院が貸し出してくれます。撮り直す場合もあり得ます。精密検査は普通まずエコーになります。大きな病院、また乳腺科がある施設ならどこでも大丈夫です。(文責 石川)

 

No.8233-1】  08年08月20日  みお
転移ではないかと不安です

突然のメール、失礼します。HP拝見してメール差し上げています。不安に思うことがありまして、ご返信いただけますと幸いです。
36歳、数年前から両胸乳頭から血性分泌(多め)あり。マンモ、エコーには異常なし。MRIに数ミリの腫瘍が数個両胸共確認。先月、左胸腫瘍摘出手術にて非浸潤がんと診断、先日、左胸同様手術、現在結果待ちです。右胸オペ時、非浸潤癌との判断でリンパの転移の有無を調べていないとのこと(体に負担になるため調べていないそうです)で、本当に調べなくてもよかったのか不安です。骨盤の足の付け根あたりが痛い感じがするのが転移ではないかと不安でいます。もし転移が不安な場合は、主治医を通して調べてもらうものなのでしょうか? それとも整形外科にいくべきなのでしょうか? また右の手術の判定ができていないため、放射線の治療開始がかなり遅れてしまっているのですが、散ったりしていないのでしょうか? 大丈夫なのか、とても心配しています。不安なのですが、本等で調べてもわからず、また主治医にしつこく聞きづらいので教えていただけると幸いです。

本当の非浸潤癌なら転移を起こすことはありません。進行癌でも、いきなり足の付け根あたりに転移をすることはまずありません。非浸潤癌で、それも腫瘤切除後なので、放射線の治療開始をあせる必要はありません。十分時間があります。 (文責 石川)

 

No.8233-2】  08年09月12日  みお
追加手術が再度断片陽性だった場合の治療について

こちらの相談室は大変参考になり、いつも拝見しております。また先日はご相談のお返事をいただき、ありがとうございました。たびたび申し訳ございませんが、その後の結果が出まして、再度相談させて下さい。宜しくお願いします。36歳、10年近く前からの血性分泌より数年おきに受診。
7月 右乳房、非浸潤癌 最大9mm 乳管に沿って広がり、その関連乳腺摘出 乳房温存
8月 左乳房 微小浸潤癌 最大6mm 乳管に沿って広がり その関連乳腺摘出 乳房温存
9月 左乳房 断片陽性(連続性なし) 乳頭直下にも非浸潤癌が見つかり3回目オペ。 陽性側乳腺追加切除乳房温存、乳頭直下内部くりぬき、乳頭温存 センチネルリンパ節生検 9月の結果は出てません

右乳房癌細胞 グレード1  ホルモン受容性あり
左乳房 〃 1箇所目 グレード1 ホルモン受容性あり 
追加分は結果待ち

以上の結果から大変悩んでおります。

1) 左乳房に関して、再度断片陽性なら追加はせず、放射線治療をすると言われました。通常非浸潤癌が広範囲に広がっているようなら全摘出になると聞きますが、陽性のまま放射線だけで大丈夫なのでしょうか? 摘出した細胞分析をみると、中心部にぽつぽつと小さい癌がたくさん広がっているように見えます。主治医は、ひとつのがんとみていいとおっしゃるのですが・・・。このように広がっているのをみると、他の乳腺の乳管も小さい癌があるような気がするのですが・・・。通常の治療としては、あとは放射線で大丈夫でしょうか?
2) 「ホルモン治療はタモキシフェンだけでよい」と言われましたが、まだまだ生理は現役なので、LH-RHアゴニスト製剤と併用したいのですが、不要でしょうか?
3) 35歳で両乳房が癌になりましたが(おそらく結構前からなっていたのでは?)、これは遺伝の乳がんの可能性はありますか? 母は姉妹がおらず、母自身も若いころ卵巣を摘出しているので、乳がんになる可能性は低いです。参考になる親族が少ないです。

少し神経質な質問になってしまって申し訳ありません。しつこく主治医に聞きづらく、他の先生方から違う御意見をお伺いしたいです。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞ宜しくお願いします。

1) 多発している癌病巣がある場合、強い乳房温存の希望がなければ、乳房切除(+/-乳房再建)が推奨されると思います。
2) 貴女の場合、微小浸潤癌なので再発のリスクが低いと考えられます。ですからエビデンスに基づいてアドバイスするならば、LH-RHアゴニスト製剤の追加による大きな効果が期待できないので積極的にはお奨めできませんが、気持ちの問題で、たとえ効果がわずかだとしても効果がゼロでないなら使いたいということであれば、使うことは可能です。使って、副作用の有無をみてから判断するという手もあると思います。
3) 米国ではBRCA1, BRCA2という遺伝性乳がんに特有の遺伝子を調べることができますが、日本ではごく一部の大学で研究的に調べられているだけで、一般的には検査できません。しかし、最近の知見でBRCA1の発現のある遺伝性乳がんはtriple negativeに多いといわれてきましたから、ER(+)の貴女が遺伝性乳がんである可能性は低いと思います。(文責 清水)

No.8232】  08年08月20日  M.T.
術後の放射線治療について

先日は、神奈川市民フォーラムにて、「乳腺専門医が答える・・・」の本を購入し、非常に分かりやすい内容にて、熟読させていただいております。
乳房温存手術後には放射線治療を必ず行いますが、術後、手術した傷口から浸出液が出るなどしたため、再手術(傷口の洗浄、掻爬術)を行うなどの処置をしているため、放射線治療ができません。乳房温存手術後、4ヶ月が経過しています。「乳腺専門医が答える・・・」の本にも乳房温存手術後、早くても3ヶ月以内には、放射線治療を行う必要があると記載されていました。毎日、毎日、再発するのではと心配で心配でなりません。お聞きしたいのは、
1) 乳房温存手術後、4ヶ月経過して放射線治療した場合、再発率はどのくらいでしょうか?
2) 乳房温存手術後に4ヶ月以上経過して、放射線治療の効果はあるのか?
3) そのような患者(術後、4ヶ月以上、何も治療しない)は、再発リスクが高いのでは?
4) 主治医に、放射治療がまだ出来ないようであれば、(ホルモン受容体なので)ホルモン治療を行う予定なので、先にホルモン治療を先に行ってほしいなどの要望をしたほうがいいのでしょうか?
5) 放射線治療の前(もしくは、同時に)ホルモン治療を行うのは、再発リスクを押さえるのに有効でしょうか?

たくさん質問をして、大変申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

1) 信頼できる、はっきりした再発率のデータはないと思います。個々の状況によって違うと思いますが、一般的には5〜10%と予想しています。
2) 乳房温存手術後に4ヶ月以上経過しても、放射線治療の効果はあると思います。
3) 理論的に再発リスクが低くなることはなくても、高くなる可能性はあり得ます。
4) したほうがいいと思います。
5) 有効と考えます。(文責 石川)

 

No.8231】  08年08月20日  J K 
ホルモン治療

六月に右乳房全摘をしました。
病理結果は、「HercepTest score:1+(negative overexpression of Her2/neu), Positive for estrogen receptor, progesterone receptor: total score4, Sentinel:0/3, Noninvasive ductal carcinoma, comedo type, with microinvasion, 27x11x54mm(2x1.5mm,g,ly0,v0)」とありますが、
1) どういった結果なのでしょうか。主治医は、浸潤はあるが抗がん剤は必要ないとの事で、今後はリュープリン+ノルバでの治療になりそうです。主治医はノルバだけにするか、少し悩んでおられた様でしたが、両方しておけばなおいいだろうとの事で、先日リュープリンを開始しました。
2) 薬のリスクをあわせても、両方したほうが私の場合転移や再発率はよくなるのでしょうか。
3) 浸潤もあるとの事でしたが、抗がん剤は本当に必要ないのでしょうか
4) ホルモン治療を開始してしまいましたが、今後抗がん剤の治療を受ける事は可能でしょうか。
5) 子宮がん検診を今年から受けるように言われましたが、術前に腹部CTの検査などしても、今現在子宮がんである事はありえるのか。今後のための検査なのか。

小さい子供もおりますので、できる限りの事をしたいと思ってます。よろしくお願いいたします。

1) 「HER2は陰性。エストロゲン、プロゲステロン・レセプター共に陽性。悪性度(NG)Grade 2?,センチネルリンパ節転移なし。微小浸潤あるが、ほぼ非浸潤癌。脈管侵襲なし」ということになります。
2) 主治医は、両方したほうが転移や再発率はよくなると考えられたと思います。
3) 微小浸潤で脈管侵襲なし(ly0,v0)なので、抗癌剤は一般的に必要ないと考えられます。
4) 今後抗癌剤の治療を受けることは可能です。
5) 腹部CTの検査では初期の子宮がんはわかりません。ノルバデックスなどのホルモン剤で子宮癌の確率が高くなると言われているので、定期的なチェックが必要です。(文責 石川)

 

No.8230】  08年08月18日   Y.N
ホルモン療法中の子宮内膜増厚(HPNo.5979-2)

いつも このサイトを拝見し参考にさせて頂いております。2回目の質問ですが、今年1月、婦人科の検診で子宮内膜増厚との指摘がありましたが、悪性所見なく経過観察となりました。6月の検診でも内膜厚の変化なく、子宮内膜ポリープの切除(良性)のみを行いました。婦人科からはノルバデックスの服用に関しての指示はありませんでした。乳腺外科には報告が遅れ、先日8月14日に1月からの経緯を口頭で説明しましたが、婦人科の資料を揃えて9月4日に再度受診し、「結果によってはノルバデックスを中止」と言われました。ホルモン療法を中止するのはとても不安ですが、今は子宮内膜増厚がある以上、子宮に対する処置を優先するべきでしょうか。婦人科は近医を受診しましたが、子宮ガンに強い医療機関を受診すべきだったのでしょうか。何もわからない中、不安です。お忙しいなか、よろしくご解答お願いいたします。

乳癌も大きさ10mm、Grade 2, リンパ節転移なし、術後3年以上の無再発なので、子宮に対する処置を優先するべきと考えます。可能なら、受診している乳腺外科の病院にある婦人科にかかるのがベストと考えます。(文責 石川)

 

No.8229】  08年08月18日   P.S
補助療法について

補助療法についてお聞かせください。4年前に乳癌の手術をしました。現在、ゾラとフェアストンでホルモン療法中です。病理の結果は、他の方ほど詳しい事はわからないのですが、ホルモン感受性あり、リンパ節への転移なし、しこりの大きさ2センチ、癌の広がり8センチで、ほとんとが非浸潤癌で一部浸潤の箇所があったと聞いています。クラスは1でした。手術前の腫瘍マーカーの1つが基準を超えていましたが、現在は基準値以下になっています。お尋ねしたいのは、最近、術後補助療法で抗癌剤をされている方が多いような気がするのですが、私の場合は必要なかったのでしょうか? 多くの患者さんが抗癌剤をされているので、やっていないことが不安になってきました。術後4年経っていますが、再発、転移の不安は消えません。これから抗癌剤をやる価値はありますか?  

しこりの大きさ2センチ、ほとんとが非浸潤癌で、リンパ節への転移なし、4年間無再発ということから、これから抗癌剤をやる価値は極めて少ないと考えます。私はお勧めしません。(文責 石川)

 

No.8228】  08年08月18日    K
血液検査等について(HPNo.7563-5)

HPNo.7563で相談しました。FEC、タキソテール後、現在アリデミックスを開始(7月)しました。そのときの血液検査でALP(基準値110-360)174、AST(10-35)21、ALT(5-40)19、LD(120-230)233でした。
1) LDが高値の場合、がんが潜んでいると言う事をネット上で見つけましたが事実でしょうか? 
2) またHer2陰性の人にはアンスラサイクリン系の抗がん剤は効き目がないというのは本当でしょうか?

二点について解答をお願い致します。

1) No7563-4で回答があったように(参照ください)、事実ではない可能性が大です。 
2) HER2(−)の場合、アンスラサイクリン系の抗癌剤はHER2(+)の場合に比較すると奏効率がやや落ちるという報告はありますが、効き目がないと言うのは嘘です。(文責 石川)

 

No.8227】  08年08月18日    M.H.
再発後のホルモン治療と化学療法後の歯の治療について(2)(HPNo.8188-2)

早速お返事ありがとうございます。
1)「タキソール終了後はゼロ‐タをお勧めします。」との回答を戴きましたが、その理由をお聞かせください。主治医は、「あなたの場合ホルモン療法が期待できない。」と言って化学療法に切り替えて下さいました。私はタキソール終了後はフェアストンになると思っていました。主治医は乳腺専門医ではありませんが、ゼロータの件を話すつもりです。
2) 抜歯の件、化学療法終了後1ヶ月と言う回答でしたが、ゼロータ内服となればゼロータ終了後と言うことで延期になりますか。

以上2つの質問よろしくお願いします。

1) アロマターゼ阻害剤のアリミデックス、アロマシンなどのホルモン療法が有効でなく,副作用もあるからです。が、フェアストンのホルモン療法を行う道は残されていると思います。
2) 抜歯をゼロータ内服前にする方策も考えられると思います。(文責 石川)

 

No.8226】  08年08月18日    M
病理結果について

いつも、心配・不安事の解消に参考にさせて頂いております。よろしくお願いします。術後、放射線・タモキシフェン・リュープリンの治療をしております。昨年四月に右温存術時の結果にてER90%、PgR90%、Her2/2+、FISH法にて(-)とのことでした。ホルモン受容体については化学療法などで変化することがあるのでしょうか?ホルモン剤のみの内服・注射でもありえることでしょうか? また、Her2の値についても変化する可能性はあるのでしょうか?

ホルモン受容体が化学療法などで変化することは原則的は少ないと思います。ただ癌といってもホルモン受容体(+)と(−)の細胞の混在ですから、生き残った方の形質が出ることで、ホルモン受容体の判定が変わる可能性はあり得ると考えます。また、癌細胞が変異を起こす可能性もあるように思えます。ホルモン剤のみの内服・注射でも同じことと考えます。HER2でも同じことが言えると思います。(文責 石川)

 

No.8225-1】  08年08月18日    Totty
非浸潤性乳管がんのホルモン療法の必要性について

40歳、子供なし、閉経前です。非浸潤性乳管がんと診断され、乳頭を含む乳房を部分切除しました。病理の結果は以下のとおりで、現在放射線治療を受けています。
・リンパ節転移なし ・断端陽性(5mm以内癌細胞あり):プラス(6箇所中、3箇所が1mm以内に存在) ・ホルモン受容性:ER+、 PgR+  ・Her2受容性:なし ・コメドタイプの癌が乳頭内まで増えていた ・悪性度(異型度):不明 

1) 医師よりは「ホルモン療法をするかしないか、自身で決めて下さい」とのことでしたが、病理結果から見て、受けたほうがよいのでしょうか?
2) 病理結果から見て、このような場合は非浸潤性の中でも再発しやすい部類のがんといえるのでしょうか? また非浸潤の場合は癌細胞の悪性度(グレード)はわからないものなのでしょうか?

1) 部分切除で、断端陽性(5mm以内癌細胞あり)なので、ホルモン療法を受けたほうがよいと考えます。
2) 断端陽性ですので放射線治療を受けても、再発の注意が十分に必要です。非浸潤癌の場合、組織学的悪性度(グレード)はわからなくても、癌細胞の核の悪性度(NG)は判定できると思います。(文責 石川)

 

No.8225-2】  08年08月23日    Totty
非浸潤性乳管がんのホルモン療法の必要性について(2)

ご回答、お忙しいところ、どうもありがとうございます。実は本メール、2年前に作成した文章を誤って再送してしまったしだいで、今年8月に手術後2年を迎えました。自身で決め、これまで抗ホルモン療法はしておらず、施術を受けた癌研有明病院での8月の定期検査では再発はしておりませんでしたが、「再発の注意が十分必要」とのご指摘を受け、気持ち的に心配になって参りました。担当医師に相談してみようかとも思いますが、術後2年経過後、抗ホルモン療法を開始した場合、その後の再発防止のために十分効果が得られるのでしょうか。(術後すぐに抗ホルモン療法開始と、今後の再発防止にむけた効果は同等?) 

データはないのでお勧めできません。万が一再発した場合、投与するのが普通ではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.8224】  08年08月15日    F  
胸の痛みと炎症性乳がんについて

32歳、二児の母です。胸の痛みと炎症性乳がんについてお伺いいたします。数日前から左胸下内側に痛みを感じ、痛みを感じる皮膚表面にピンク色の発赤が見られ、 痛む場所を自分でいつも触っているせいか、熱感も感じられます。痛みは押すと痛む感じで、青あざを押したときの痛みに似ています。しこりは自己検診では見つかりませんでした。私の乳房はかなり小さく、触診すると肋骨を触れるほどです。上記の症状で、炎症性乳がんの可能性はありますか? 炎症性乳がんの場合、皮膚にオレンジ色の皮を剥いたような発赤が見られる・・・と読んだのですが、上記のような症状も当てはまりますでしょうか? 何もしていないときにも、たまにキーンとした痛みを感じ、乳がんなのではないかと不安に感じております。どうかよろしくご教示ください。ちなみに私の母は、43歳で乳がんを患っております。私は、今年3月、乳がん検診でマンモグラフィー、エコー、触診で異常なしでした。

今回の場合のように限局性の疼痛、発赤、熱感を認める場合には、炎症性乳癌よりも乳腺炎の可能性が高いと思われます。炎症性乳癌は乳房皮膚のびまん性な発赤、浮腫、硬結を認め、一般的に疼痛、熱感は軽いと言われています。また、マンモグラフィでは梁柱の肥厚や皮膚肥厚を、超音波検査では皮膚肥厚や腋窩リンパ節腫大など何らかの異常所見を認めることが多いです。ただ、乳腺炎と似たタイプの炎症性乳癌もありますので、症状が改善しない場合や増悪する場合には、専門医を受診し、皮膚生検などの精密検査も考慮することをお薦めします。(文責 小池、川本)

 

No.8223】  08年08月15日    Y.F.
術後の化学療法について(HPNo.8139-2)

HPNo.8139で相談させていただいたY.Fです。先日2回目の抗がん剤を行ったところ、体が慣れたのか1回目ほどのダメージがなく、あと2回頑張れそうです。ありがとうございました。大変恐縮ですが、再度不安なことがでてまいりましたので質問させてください。
放射線は別の病院で受けるため紹介状を持っていったところ、放射線科の先生に、現在行っている抗がん剤治療がガイドラインにある標準的な治療ではないと指摘されました。治療を始める前の主治医の説明では、「リンパ節転移が1つなので、抗がん剤はやってもやらなくてもいい。年齢が若いのでアンスラサイクリン系の抗がん剤をやって、タキサン系は続けてやると尚いいんですが・・・」という話でした。少しでも再発率を抑えられるのであればと思い、アンスラサイクリン系の抗がん剤4クールを行うことにしました。そもそも私が行っているのは標準的な治療ではなかったのでしょうか? 標準的な抗がん剤治療は、どのようなパターンがあるのでしょうか? 主治医を信頼して治療を受けており、抗がん剤もあと2回頑張れば・・・と思っていた矢先に、放射線科の先生に、「標準的な治療じゃないけど、この病院大丈夫!?」くらいに言われ、セカンドオピニオンを勧められるわで、かなりショックを受けました。やはりタキサン系の抗がん剤を続けて行った方がいいのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。

乳癌治療に用いられる再発のリスク分類では、リンパ節転移が1つであった場合、HER2が陽性か陰性かで区別しています。HER2陰性であれば中間リスクになりますので、化学療法もしくはホルモン感受性陽性であれば、ホルモン剤のみまたは化学療法との併用を考えます。また、HER2陽性であれば高リスクとなりますので、化学療法もしくはホルモン感受性陽性であれば、化学療法とホルモン剤の併用を考えます。今回のように腋窩リンパ節転移がある場合には、アンスラサイクリン系4コースに引き続いて、タキサン系4コースの治療が推奨されています。またHER2陽性であれば、タキサン系にトラスツズマブを併用することもあります。術後化学療法に関しては推奨されるレジメンが複数あるため、患者さんの状況に応じて治療法を選択していくべきとされていますので、主治医とよく話しあい、治療法を決めていくべきだと思われます。(文責 小池、川本)

 

No.8222】  08年08月15日    M 
免疫細胞療法の有効性について(HPNo.8003-4)

HPNo.8003でお世話になったMです。その節は有難うございました。今回は、活性化自己リンパ球療法についてお尋ねいたします。以前あるドクターから値段の割りに効果が少ないと聞きましたが、薬に多くを期待できないので、免疫療法か高濃度ビタミンC点滴療法を検討中です。補助療法として、どちらが良いかお教え願います。

活性化自己リンパ球療法に関しては、原発性肝細胞癌の術後再発予防として有効であったとの報告がありますが、乳癌に関しては有効性は示されていません。一方、高濃度ビタミンC点滴療法に関しても一部の海外では、乳癌に対して治療効果が認められたとの報告がありますが、いずれにしても確立された治療法ではないと思われます。また、現在のところ明らかな有害事象は報告されていませんが、未報告の副作用が存在する可能性も十分に考えられます。どちらの補助療法を選択するかに関しましては、現在の治療や体調も考慮し、主治医とよく相談の上、検討いただければと思います。(文責 小池、川本)

 

No.8221】  08年08月15日    K  
血液検査(HPNo.7563-4)

HPNo.7563で相談したものです。化学療法(FEC後タキソテール)、現在アリデミックスの服用をはじめたばかりです。アリデミックス開始時の血液検査のことで相談があります。AST(基準値10〜35)21、ALT(5〜40)19、LD(120〜230)233で、LDだけが基準値を超えています。ネットでよく見かけるのですが、LDの増加は癌がどこかにある場合があるとありますが、本当でしょうか? CEA, CA15-3はまだ結果が出ていませんでした。またLDの基準値にはいろんな表示の仕方があるのでしょうか? LDの基準値より少しだけ高値の場合は何が考えられるでしょうか。 癌がひそんでいる場合はAST,ALT、LDはどのような値を示すのか教えてください。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします

LDHは採血検体の状態によっても上昇することがあります。一般的には心不全、心筋症、慢性肝炎、肝硬変、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍などによって軽度上昇を認めることがあるとされています。基準値には施設間で異なる場合もあります。癌が体に潜んでいる場合でも、多くの場合はAST, ALT,LDHには反映されません。AST, ALT, LDHは使用している薬剤の影響で上がることもあり ます。臓器転移が甚だしいために上昇してくることもあります。従ってLDHが少し上昇しているからと言ってひどく神経質になる必要はありません。使用している薬剤によって上昇することもありますので、主治医によくご相談なさって下さい。また腫瘍マーカーも、それ自体正常範囲内=癌がいないということではありません。高かった場合に、治療効果の目安として意味があるものです。臨床症状や画像所見等によって総合的に判断していくものですから数値にあまりとらわれる必要はありません。(文責 浅川、川本)

 

No.8220】  08年08月15日    M.K. 
粘液ガンの細胞診後の腫れ

初めてのメールです。今週月曜日、大学病院でマンモグラフィー、エコー、細胞診を受け、その時点で右胸に粘液ガンと診断され、9月に手術が決まりました。その夜、右胸に青あざが広がり、シコりが腫れて熱を持ち、触ると痛みが出たので、次の日に見てもらうと「内出血で、こういう事もある、神経を刺激している、痛みはそのうち消える」と、湿布と痛み止めをもらっています。現在も青あざ、シコりに多少の熱、触ると痛み、シコり自体が細胞診前よりはっきりして固くなって少し飛び出ています。細胞診の後、ガン細胞が粘液から出ても心配は無いとの記事は読みました。ただ、そのシコりが固いのは今どういう状態なのでしょうか? 本にも粘液ガンの記事が少ないので、「たちが良い」と言っても不安です。来週月曜には、もう一つの細胞診の結果も出るので、その時に手術や治療の話が出るようです。その判断基準が今の私にないのと、健康診断の数値に問題は無いですが、虚弱体質で内科で漢方エキスの補中益気湯をもらってるので、ホルモン治療の副作用にも漢方を使いたいと思っています。それもできる病院で一度セカンドオピニオンを受けた方がいいのかも、迷っています。今の病院は通院にも便利で、手術はここでもと思っていますが、日が経つにつれ判断がつかなくなりました。月曜日にはある程度の自分の考えと情報を持って臨みたいのですが、心の準備の為にもアドバイスをお願いします。

文章からは、おそらく主治医の先生のおっしゃるとおり、生検後の出血と思われます。出血が吸収される前には凝固し、硬くなるものです。周囲に出血していればその部位も硬くなります。ホルモン療法の副作用に漢方を使用する病院もあるかもしれません。よく主治医にご相談なさって下さい。(文責 浅川、川本)

 

No.8219-1】  08年08月15日    K  
超音波ガイド下マンモトーム生検による出血

1ヶ月前に、超音波ガイド下マンモトーム生検を受けました。結果は、異常なしでしたが、組織を採取した部分のしこり(ずいぶん小さくはなりました)と乳頭からの出血(茶色の膿みがまじった)が気になります。いつ頃まで、出血はあるのでしょうか?

生検後は、乳房の中で、乳管が分断されている状態になりますので乳頭からの出血はあると思われます。しかし時間が経つにつれ組織が瘢痕化し、出血もとまっていくと思います。しこりは出血が凝固して、線維化して瘢痕となり、少しは硬くなります。しかしこれも時間が経つにつれて次第に柔らかくなっていきます。個人差がありますが、月単位でこの変化は進んでいきますので、最低数ヶ月はかかる可能性があります。あまりに症状がひどければ主治医とご相談なさって下さい。(文責 浅川、川本)

 

No.8219-2】  08年10月03日    K  
乳頭からの分泌物

前回、相談の回答を頂き有り難うございました。超音波ガイド下マンモトーム生検後3ヵ月になり、しこりもなくなり、出血も止まりましたが、乳頭から、透明の分泌液が出る所と、乳白色の分泌液が出る所があります。両方の乳房ともです。検査して頂いた方がよろしいのでしょうか? ちなみに、私のマンモトーム生検にいたる前の結果ですが、細胞診検査にて、擬陽性。カテゴリー4。細胞がバラバラとの結果。針生検では異常なし。マンモトームでも異常なし。もう来なくていいとのことでした。

乳頭からの分泌物は全く心配ないでしょう。授乳期でもないのに大量の分泌物であれば検査も必要になりますが、そうでなければ、生理的に分泌物が出ることもあります。(文責 鈴木)

 

No.8218】  08年08月15日    NH
再検査の時期について

シンガポール在住47歳閉経前です。
1) 今年2月、乳がん検診で「左胸のloose cluster of punctate and round microcalcification」(マンモグラフィー)と「両胸ののう胞(?)」を指摘されました。1年前(2007年2月)に日本で撮ったマンモの写真との比較で石灰化が増えているため「カテゴリー4」と言われ、乳腺外科専門医のところへ行きました。(日本では写真に石灰化が写っているとは指摘されていなかったので、驚きました)
2) 2箇所の病院に行ったのですが、どちらの先生も写真を虫眼鏡(?)で見て、「超音波の結果は全く気にしなくて良い」「石灰化はカテゴリー4はきつすぎる。カテゴリー3。今はまだ小さ過ぎるので、半年間の経過観察で変化を見ましょう」「アメリカなら1年後に来てください、というところです」との判断でした。現在はそのうちの一人の先生のところにかかっています。マンモトームを行うことについて聞いてみましたが、「どうしても心配ならばやってもいいけれど、経過観察でいいと思う」とのことでした。それで、経過観察をすることにしました。
3) その後、5月に(少ししこりが増えたような気がして)その乳腺外科に行きました。触診・超音波の結果「問題なし」。お医者様によると「あなたのケースはマンモグラフィーじゃないとわからない。2月のマンモ写真を見る限り大丈夫だと思う。次にマンモをとるまで忘れていていい」とのことでした。  
4) 実は、最初は「半年間の経過観察=8月に再診(左胸のみマンモグラフィーを行う)」という予定だったのですが、5月に病院に行った後では「再診は11月」という医師の指示がカルテに書き込まれていました。診察時にこの変更についての説明はありませんでした。「マンモじゃないとわからないはずなのに、マンモをとらないまま再検査が3ヶ月先延ばしになったってどういうことだろう?」と思いましたが、「お医者様は、急ぐものではないという判断なのだろう」と、勝手に安心していました。ですが、当初の予定だった8月になり、なにか落ち着きません。私は(当初の予定どおり)8月に再検査(マンモグラフィー)を受けた方がいいのでしょうか、それとも(医師の指示に従って)11月まで待っていても大勢に影響はないのでしょうか。 どうぞよろしくお願いいたします。

文章から判断するに、おそらく問題ないのではないでしょうか。もししこり感が増していたり、どうしてもご心配であれば受診をおすすめします。(文責 浅川、川本)

 

No.8217】  08年08月15日    ゆう
ホルモン療法の継続について

よろしくお願いいたします。乳房切除術を48歳(閉経前)に受け、術後は放射線療法および抗がん剤はなしで、ホルモン療法のみ受けてきました。現在52歳です。病理結果は下記の通りです。
硬癌、腫瘍径1.5 1.2 1.0センチの三個、リンパ節転移(−)、グレード2、ER−(5?)、PgR+(35?)、Her2 +1、脈管侵襲は不明。ゾラデックスは2年で終了(閉経)、ノルバデックスは更年期障害のつらさから途中の中断もあって、実質3年間服用してきました。今回不正出血があり、副作用による子宮内膜の肥厚ということで、服用中止となりました。3、4日で出血は止まり、肥厚も改善し、子宮体癌の所見もありません。今後の服用について、内診していただいた婦人科医(他院)は他のホルモン剤を処方してもらったら、と言われたのですが、主治医はもうホルモン療法は終了でいいのではないかという意見です。最近10年目、15年目の再発を耳にすることがあり、私としてはできるだけ再発を避けたい気持ちがあります。
1) 今後のホルモン療法継続については、どのように考えられますでしょうか。
2) ホルモン療法継続を考えた場合、ノルバデックスを継続してよいか、ほかに変えた方がいい場合は適応となるホルモン剤、服用期間についてお教えください。
3) ER(−)では、ホルモン療法の効果が薄いのではないかということも気になっています。@Aを考える上で、ER(−)は考慮する必要があるのでしょうか。

閉経後であれば、ノルバデックス2年?3年内服の後、アロマターゼ阻害薬を3?2年内服し、合計5年間の内服を行うと言う方法もあります。また閉経前であれば、残りの2年間のノルバデックス内服をやってもよい状況と思われます。しかし副作用がひどく出たと言うことであれば、中止も止むを得ないと思われます。ER-やPR-だった場合にはホルモン療法の効果が薄い場合もあります。よく主治医とご相談なさって下さい。(文責 浅川、川本)

 

No.8216】  08年08月15日    M.K. 
化学療法中の漢方と温存術後の発赤

昨年11月に右乳房温存術を受けました。病理結果は充実腺管癌。術中のセンチネルリンパ生検で、センチネルリンパ節1(0/1) センチネルリンパ節2(1/1)で、レベル2まで郭清。最終病理結果では、レベル1+2(7/26)。PR(+)ER(+)HER2(−)。治療計画はFEC4回→放射線治療25回→タキソテール4回→ホルモン治療5年です。現在タキソテールを3回終了したところです。義父から冬蟲夏草という、カイコから根の生えた原料を頂きました(高価なもので、200g12万円程したそうです)。抗癌剤中やその後、粉にして煎じるか、オブラートに包んで飲むと、癌に効果的と説明を受けました。タキソテール中に飲んで良いものでしょうか? 効果の期待できるものでしょうか? もう一つ質問です。放射線終了後、術側の胸が赤い点々ができて、赤く腫れて痛みます。そのたびに診察は受けていますが、放射線終了後や術後、化学療法中によくあることでしょうか? よろしくお願いします。

冬蟲夏草には、乳癌に対する確立した治療効果はありません。抗癌剤治療中に服用することに関しては恐らく問題ないと思われますが、主治医に相談された方が良いと思います。そして再発予防効果はないとお考えください。また、放射線治療中(及び治療後)には軽いやけどのような皮膚炎が生じることはよくありますが、冷やしたり、物理的刺激を避けるなどの対処で軽快する事が多いです。(文責 土屋、川本)

 

No.8215】  08年08月15日   s e
生理の再開と妊娠について

生理の再開と妊娠についてお聞きします。2年間のリュープリンを昨年2月に終え、先月(6月23日)ようやく生理が戻ってきました。現在はノルバデックスの服用を続けています。この月には子宮体がんの検診も受けています。ところが今月は予定日を過ぎても生理が来ません。長いこと生理が止まっていたので、生理不順ということもあり得るのでしょうか? それとも妊娠の可能性も考えられるのでしょうか? ノルバデックスの服用中でも妊娠する事はありますか? 生理が止まっている時に性交の機会はありましたが、避妊はしています。自分で分かる妊娠の自覚症状も今の所なく普通通りです。ご回答、宜しくお願い致します。

ホルモン療法や化学療法で月経や排卵が停止した場合、治療を受けたご年齢等にもよりますが、稀に、急に月経や排卵が再開することがあります。避妊はされているとのことですが、念のため主治医の先生と相談の上、婦人科を受診することが望ましいでしょう。(文責 土屋、川本)

 

No.8214】  08年08月15日   K.Y.
術後の治療について

いつも参考にしております。術後の治療についてご相談致します。33歳未婚、出産経験なし(現時点では出産希望もなし)。術前化学療法の後、7月乳頭を残して皮下乳腺全摘(一部皮膚切除リンパ郭清レベル2)しました(腫瘍径:告知時24×20mm、化学療法後60%位縮小)。だいたいの病理結果は以下のとおりです。
「grade3、断端陰性、皮膚浸潤なし、リンパ管浸襲中等度、静脈浸襲軽度、リンパ節転移0/7、ER70-80%、PgR20-30%、Her2スコア1」
担当医からは、「術前に化学療法をしているから、ホルモン治療はしなくてよいのでは(無治療)」と言われております。私としては術前の術後のホルモン治療は当然あるものと覚悟していたのですが、しなくてよいと言われて揺らいでおります。私のような場合にどういった治療を提案されることが多いのか、お聞かせ願えれば幸いです。

ホルモン受容体が陽性であればホルモン治療を行うことによって再発のリスクを下げることができます。ホルモン陽性率も高く、ホルモン治療の効果は高いことが予想されます。主治医の先生と相談された方がよいと思います。(文責 土屋、川本)

 

No.8213】  08年08月15日   T  
乳癌と妊娠

姉の事ですが、去年8月頃に乳がんの手術をしましたが、今回3人目の妊娠をしたという連絡が入りました。うれしい反面、もともと昔から喘息で入院ばっかりしてる姉が、母子ともに健康でいられるのか心配でなりません。抗がん剤の副作用もあまりなかったみたいで、いつも元気で明るい姉ですが、子供を産んでもいいと思いますか?

妊娠がきっかけで癌が再発することはないと考えられています。子供を産んでも構いませんが、タモキシフェンという内分泌治療薬(抗エストロゲン剤)を内服してる最中に、妊娠すると奇形児の危険性が高まります。乳がんの進み具合と治療内容によって、妊娠の意味合いが異なってきます。いずれにしろ、主治医とよく相談するようにお姉さんにお伝え下さい。(文責 緒方)

 

No.8212】  08年08月15日   S・M
集簇性石灰化

62歳、未婚女性です。去年12月に健診で、はじめてのマンモグラフィ検査で集簇性石灰化が3個発見されました。大学病院の乳腺外科を紹介していただき、再度マンモとエコー検査していただきましたら、やはり左乳房に、微細円形で4個ありました。エコーでは数箇所に乳管の拡張があるので、乳腺症のあとかもしれないということで経過観察になっています、先生はカテゴリー3で半年後でいいとおっしゃいましたが、心配なので3ヵ月後にしてくださいとお願いして、6月の再マンモ検査では数は3個で増えてはいないそうで、次回は11月にマンモ予約しています。最近66歳の知人が乳がんになり、また不安になってきました。私の石灰化の場所が胸壁のそばなので、マンモトームが出来ないので経過観察しかないのですが、検索していますと、「出産経験のない女は、小葉が母乳産出の恩恵にあずからないので、癌に変化しやすい」と書いてあります、また小葉は乳管の奥のほうと書いてあるのです。ということは胸壁に近い部分が小葉だとしたら、私の石灰化は母乳を産出していない為の癌ではないかと心配になってきました。母乳を産出していないと癌に変化しやすいのは本当でしょうか? 62歳まで未婚で出産経験もないので、とても心配になってきました。11月まで検査を待ってもいいか心配です。どこか他の病院で9月頃マンモをしたほうがいいかと・・・。よろしくお願いいたします。

石灰化には、癌によってできる悪性の石灰化と、癌とは関係なく乳管や小葉内にできる良性の石灰化があります。カテゴリー3の石灰化とは、癌の可能性は非常に低いのであるが、数個の石灰化が集まっているときに良性といいきれないので、一度超音波や生検で癌ではないことを確認したほうがいいという意味です。頻繁にマンモグラフィをする必要はなく、6ヶ月毎に経過を観察すれば十分です。明らかに数や広がりが増したら、生検を含めて検討すればいいのです。(文責 緒方)

 

No.8211】  08年08月15日   M.M.
ノルバデックスの副作用?

ご回答、日々参考にさせていただいております。非浸潤乳頭腺管癌で右全摘、乳房再建(近々乳頭再建予定)しました。昨年9月よりノルバデックスを内服しており、今日子宮体癌の検査のため婦人科を受診したところ、経膣エコーで卵巣が5センチ大に腫れていると言われ、悪性や出血の可能性もあるとのことでマーカー採血をしました。時々左の下腹部痛あり、排卵痛かと我慢しておりました。生理は6月初旬を最後にありません。無月経の可能性は理解しております。悪性なら乳癌とは関係ないと考えますが、ノルバデックスの副作用で卵巣に出血する可能性はありますか? 手術から1年、また不安に襲われております。

タモキシフェンの副作用に卵巣嚢腫など卵巣に関わるものはありますが、いずれも頻度は低く、M.M.さんの場合、直接関係があるかどうかは判断が難しいとしか言えません。出血もしかりです。いずれにしろ、よく調べてみるほかありません。(文責 緒方)

 

No.8210】  08年08月15日   m
転移性乳癌、進行性乳癌について(HPNo.8178-2)

HPNo.8178でご相談したものです。早速のご回答ありがとうございました。お忙しいところ申し訳ありませんが、転移性乳癌、進行性乳癌について、どのような癌なのか、ご説明して頂けましたら幸いです。また、病理結果から、私の場合、転移性、進行性乳癌なのでしょうか? どうぞよろしくお願いします。

まず、mさんは転移性、進行性乳癌ではありません。骨、肝ぞう、肺、胸膜など血行性に転移した場合を転移性乳癌と呼ぶことが多いです。そうならないような治療が、ホルモン療法(タスオミン、リュープリンは2年間終了)やCEF4クールなのです。進行性乳癌も曖昧な言葉です。あまり、この言葉にこだわることはありません。なぜなら、mさんは転移性、進行性乳癌ではないからです! 再発(転移)リスクを半分に下げる治療を受けた、もしくは受けているのですから、あまり変な勘ぐりはしないほうが良いと思います。言葉の足りない主治医であれば、同じ質問を直接聞いてみる方がいいと思います。(文責 緒方)

 

No.8209】  08年08月15日   A.U. 
小学六年の息子のしこりについて

11歳、小学六年の息子の左乳頭下に大豆大のしこりがあります。本人が半月程前に見つけたらしく、乳癌ではないかと不安がっています。右にはありません。ごつごつした感じではなく、あまり硬くもありません。私自身が三年前41歳のときに乳癌になりました。非浸潤癌で、右乳房を温存手術、断端陽性だったため、放射線25+3回、ゾラテックス二年皮下注射しました。男性も乳癌になると聞きました。他に考えられる病気はありますか? 医者に診察してもらったほうがよいですか? 私の担当医(独立して開業)、総合病院の外科等、どこで診てもらうのがよいでしょうか? お忙しいところすいません。どうぞよろしくお願い致します。

思春期の男児には、乳腺がこりっと触れることがあります。放っておいて構いません。男性の乳腺が大きくなった状態が女性化乳房というものですが、高校生あたりから大学生に多く見られ、6年生で女性化乳房は早熟です(あり得ないということです)。男性乳癌は60歳頃に多く見られるもので、息子さんがそうであれば女性化乳房以上に早熟です。どうしても心配であれば、主治医の先生に診ていただけば良いと思います。(文責 緒方)

 

No.8208】  08年08月15日   ゆぅ
治療方針について(HPNo.7915-6)

HPNo.8165で質問させていただいたゆぅです。いつも心の支えになっていただいて、感謝しております。
タキソテール副作用について、相談させていただきました。なんとか1回目の副作用からも復活をいたしまして、昨日10日目の血液検査で白血球値は、投与前5700→投与後2700で、なんとか自力で白血球値はクリアできました。今まで抗がん剤の(FEC)副作用が怖くて質問をしておりましたが、治療方針について質問させていただきます。乳がんの告知後、主治医から4回FECを投与し、癌(2.2cm)を少しでも小さくして温存手術をした方が良いと(7割強の患者が小さくなると)、そして4回タキソテールでホルモン治療という説明を受けたように思います。今は、2回FEC投与後しこりはみるみる小さくなり、4回目投与後、主治医の触診でもしこりが確認できないくらいでした。(主治医も驚くほど効いたらしく)3回目FEC投与後くらいから、主治医から、「抗がん剤治療を前倒しする」との説明がありました。(タキソテール4回中1回目投与済みです。) 治療方針は、検査結果などでいろいろ変わっていくのでしょうか。CEAはFEC投与終了後1.2→タキソテール1回目投与後0.2でした。初期の診断はUbで、顔つきはおとなしい方だと言われました。まだ、タキソテール3回を残しております。優しい主治医の先生なので、私を励まそうとして順調順調と言ってくださるのか・・・。こんな少ない情報ですが、今後の治療方針は?手術はどうなるのでしょう?主治医は温存を考えて術前抗がん剤治療(標準治療)をしてくださっていると思いますが・・・。前倒しした抗がん剤治療ですが、術後抗がん剤治療はするのでしょうか? こんな場合、先生方はどのような治療方針をたてられるのでしょうか。また、治療の経過はどうでしょうか。標準的な経過でしょうか。お手数をおかけします。(46歳閉経前)

術前化学療法は、様々な臨床試験の結果を受けて実際の臨床に応用されています。臨床試験のデザインによって手術のタイミングが違うことがありますが、術前化学療法というくらいで、一般的にはすべて手術の前に行います。FECx4→タキソテールx4は、最も標準的なレジメンです。むしろ、現在の状況が一般的であるように思います。また、今後の治療方針ですが、やさしい主治医なのであれば、主治医に聞いておくべきですね。小さく触れなくなっても癌が生き残っているかもしれないので手術は必要です。温存術ができる大きさであれば、患者さんの希望があれば乳房切除もありますが、術前化学療法の有無にかかわらず温存術を行うと思います。術前に十分な化学療法が行われていれば、追加で術後に行なうことはありません。手術後は、ホルモン感受性にしたがって内分泌療法を行い、温存術が行われたのであれば放射線療法も行われるのが一般的です。(文責 緒方)

 

No.8207】  08年08月15日   A 
術後の経過と治療について

年齢38歳です。昨年10月(断乳して2ヶ月目)にしこりを発見したものの、受診が遅れ、皮膚にしこりが顔を出してきたため、今年4月に病院に行き、5月の連休明けに右胸全摘手術しました。病理検査の結果は、充実腺管癌、硬癌が混在、大きさ3センチ、リンパ節転移4個、Grade(2)、HERU2(+) FISH法(−) ER(3+)、PgR(4+)、リンパ管侵襲あり、静脈侵襲なしpT4、pN2、pM0でした。6/18よりFEC100mg/mx2を4クール、パクリタキセルを2wで6クール、その後放射線治療、LH-RH注射2年+タモキシフェン5年と言われています。
1) 再発率、生存率を教えていただけますでしょうか?
2) 今FEC2回目ですが、月経が継続中です。卵巣摘出とLH-RHの注射(3年以降の効果ははっきりしないとどこかで読んだのですが)のリスクとベネフィットを教えていただけますでしょうか?
3) 昨日右腋下手術跡近くに3つほど米粒くらいのしこりのようなものを見つけました。抗がん剤治療中でも、局所再発ということは考えられるのでしょうか? 明後日のFEC三回目の後の受診の際に主治医に診ていただこうと思っています。
4)  pT4、pN2の意味が良くわからないのですが・・・。予後に関係しているのでしょうか?

相談室で先生方の色々なコメントを拝見させていただき、とっても参考になり、そして温かみのあるコメントに励まされます。よろしくお願いいたします。

1) 化学療法とホルモン療法を行った上でのadjuvant! Onlineでの計算とpT4pN2の結果を加味して考えますと、再発率は約35%、10年生存率は約70%位ではないかと思われます。
2) 卵巣摘出とLH?RHの注射ではいずれも同等の治療効果が認められています。よってリスクとベネフィットは手術による合併症などの回避ではないでしょうか。抗がん剤に
よる卵巣機能抑制は個人差がありますので、すぐにはおきないこともあります。
3) 抗がん剤中の再発は頻度は少ないものの可能性は否定できませんので、主治医に診察していただいてください。
4) Tは腫瘍径、Nはリンパ節転移の状態を表しています。pは病理結果をもとにした表記であります。pT4は大きさを問わず周囲の筋肉や皮膚への浸潤を認めている状態。pN2
はリンパ節転移がありその転移リンパ節が周囲組織へ固定されていた状態を示しています。病期を決めるときに使います。あなたの病期はVbとなります。(文責 西川)

 

No.8206】  08年08月15日   S  
乳房温存、リンパ転移1/20放射線の必要性

昨年8月に温存手術。硬癌、リンパ節転移1個、ER(+)、PgR(+)、HER2(1+)、44歳、浸潤径1.5、脈管浸襲軽度、核異型度1、中間リスクと言われています。今後の治療は、生理有、温存手術の断端(-)のため、局所の治療は経過観察、放射線は無し、薬物療法は抗がん剤とホルモン治療、AC4回→ドセタキセル4回→ノルバデックス5年間と言われました。その後治療を開始しましたが、副作用、全身状態が悪く、止む無くACを3回で断念、その後ノルバデックスを服用しています。今更ですが、私のような場合本当に放射線は必要ないのでしょうか? 主治医の先生は、癌は脂肪にくるまれて完全に切除されたとの事で放射線はいらないとおっしゃいましたが心配です。
1) 放射線の必要性を教えて下さい。
2) AC3回をしている間中、ずっと生理の出血が止まらず、ひどい貧血になりました。その後は生理は止まってしまい、ゾラデックスの投与も無く、ノルバデックスのみの治療です。標準の治療と考えて良いでしょうか?

以上、ご回答をよろしくお願い致します。

1) 温存術後の残存乳房に対する放射照射療法は乳癌診療ガイドラインによると推奨グレードAであり照射療法は推奨されます。現在のところ一部の施設などでは照射を省略する試みがあるようですが、現在のところではまだ臨床試験レベルのようです。主治医ともう一度ご相談ください。
2) 化学療法により卵巣機能が抑制された状況と考えますが、年齢からすると今後生理が再開する可能性はあります。リンパ節転移陽性であることから現在の卵巣ホルモンなどの数値を計測し、閉経前であるならばゾラデックスやリュープリンなどのLH?RHアゴニストの併用を検討されることをお勧めします。(文責 西川)

 

No.8205】  08年08月15日   M
温存後の治療について

6月25日にセンチネルリンパ生検も含めた温存手術を受けました。その際、リンパ転移なしとのことでしたが、3週間後の病理結果が出た際に、組織診でリンパ転移が1個見つかったとのこと。(年齢46歳、腫瘍8ミリ、硬癌および粘液癌、悪性度2、断端陽性ありで1センチ追加切除、ホルモンレセプターともに陽性)。主治医は、再手術のあと、放射線を5回追加の30回照射、その後、ホルモン療法でとの判断でしたが、セカンドオピニオンの先生は、再手術、放射線のあと、抗がん剤CEF+ホルモン療法を薦めると言われました。主治医は抗がん剤をやっても、効果は変わらないと言われるのですが・・・。ご指導をお願いします。

放射線照射とホルモン療法を行うことは担当医と同じくお勧めします。抗がん剤の投与については、今回の病理検査を拝見する限り悪性度(核異型度のことだと思いますが)が2であることより抗がん剤の使用が勧められたのではないでしょうか。今回の質問内容にHER2レセプターの結果についての記載がないため、参考までにadjuvant! Onlineでの再発率の計算によると、ホルモン療法のみで5%、化学療法との併用で約10%生存率をあげられます。主治医とよく相談の上決めてください。(文責 西川)

 

No.8204】  08年08月14日   K・M
エスロゲンに似た作用をする食品の摂取は?(HPNo.6602-3)

HPNo.6602で相談させていただいた者です。いつもありがとうございます。HPNo.6602で相談した右胸は、昨年6月に全摘しました。その後、今年4月に残っていた左胸も2回目の局所再発(大きさ1センチ)をして、こちらも全摘。いずれのがんも最初と同じく核異形度Tでホルモンがよく効くタイプということで、右胸の術後から始めたノルバデックス服用に加えて、この6月より1ヶ月に1度ゾラデックスを注射しています。左右共にリンパ節への転移はありませんでした。今のところ幸いホルモン療法による副作用はありません。ただ、今後の骨粗鬆症予防や美容的なlことも考えて、エストロゲンに似た作用をする食品(大豆イソフラボンのサプリメントやザクロジュースなど)を取りたいと思っています。適量なら取ってもよいでしょうか。それとも全くやめておいた方がよいでしょうか。「再発させない」ということを第一にして考えると、どちらがよいでしょうか。

大豆イソフラボンやザクロジュースには、受容体に結合してアゴニストとして働き、エストロゲン様の作用を有する植物エストロゲンが含まれています。これらはエストロゲン様の活性を持つがゆえに、乳癌や子宮頸癌などのリスクに関係することが考えられます。一部のマスコミが乳癌の発症リスク高めると報道しましたが、これは誤報だと指摘されたりしています。また食品安全委員会は現在のところ、大豆イソフラボンの摂取が女性における乳癌発症の増加に直接関連しているとの報告はないと言っています。また、厚生労働省研究班による大規模なコホート研究では、食品からのイソフラボンの摂取量が多いほど日本人女性の乳癌のリスクが低下するという相関関係がみられたとの報告もあります。今のところ、適量なら取ってもよさそうとする意見が多いように感じます。(文責 石川)

 

No.8203-1】  08年08月14日   JUNE
血性分泌

以前相談をさせて頂いた者です。簡単な経緯は、3年前マンモグラフィ-で集蔟性の微細石灰化カテゴリー3でマンモトーム検査を受け、異常なしでした。1年置いて昨年に再度マンモグラフィーを受けたところ、別の場所にカテゴリー3の同様の石灰化がありましたが、そのときはエコーも受け、しこりがないので大丈夫とのことでした。その間、石灰化のある右乳房の乳頭より、黄色っぽい分泌物がでることがしばしばあり、一度血性の時が合ったのですが、受診しておりません。今年は9月にマンモグラフィーの予約をしてありますが、昨日入浴の際に乳首をつまんでみたところ、完全な血性分泌がありました。検査を早めた方がよろしいでしょうか? また、今のこの段階での癌の可能性は高いものでしょうか? よろしくお願い致します。

血性分泌でも癌が原因でないことは少なくありません。でも万一を考えて、検査は早めた方がよいと思います。(文責 石川)

 

No.8203-2】  08年09月28日   JUNE
血性分泌の検査結果について

HPNo.8203でご相談したものです。その後、マンモとエコーの検査を受け、血性の分泌も採りました。結果は、マンモでは石灰化の変化は無し、エコーでは右乳房(分泌のある方です)の4時方向に2.5mmほどのしこりがあるとのこと。ただし、のう胞か充実したものか分からないそうです。分泌物は、血性ではあるがカテゴリーTで問題なしだが、しこり?が気になるので、3ヶ月後の再検査(エコーと分泌の検査)となりました。お尋ねしたいのは、今回待ち針くらいの少ない分泌しか採りませんでしたが、これでも検査結果がOKな場合は、ある程度は安心してよろしいのでしょうか? また、分泌の出る孔は乳管拡張があるそうですが、乳管内に腫瘍はないそうです。原因がなくても分泌物がでることはあるのでしょうか? 最後に先生が、「乳管に針をさして調べる方法もあります。」とおっしゃっていましたが、それは具体的にどのような検査なのでしょうか? このまま3ヶ月経過観察するのを待たずに受けたほうがよいのでしょうか? よろしくお願いいたします。  

少ない分泌物の量でも検査結果に至っているのですから、それなりの信用性はあると思います。乳腺症などにより分泌物が出ることがあります。乳管開口部に涙のう針などを挿入して造影剤を注入して乳管内部を造影する方法です。3ヶ月後の再診でよいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.8203-3】  09年01月25日   JUNE
線維腺腫について

No8203で質問させて頂きました。先日3ヵ月後の検査として再度エコーを受けました。 結果は乳管拡張内にある陰影は前回と同じ大きさ、のう胞は2個増えておりましたが、問題はないでしょうのこと。そのうちの1ケは、前回しこりとして見えたものだろうとのことです。今回、右乳房八時方向に5mmのしこりがあり、充実しているそうです。形状からすると線維腺腫だろうとのことで、半年後の再検査となりました。分泌はまだ続いており、血性ではありませんが、オレンジ色のものが時々下着についたりしております。心配なのは、前回なかったしこりがみつかったことで、しかも3ヶ月の間に5mmになっているのは早いのではないか(つまりがんの可能性があるのではないか)ということです。線維腺腫ががんと区別されるには細胞診を申し出た方がいいのか、このまま半年後のエコーまで待ってもいいか不安です。よろしくお願い致します。

ご質問どうもありがとうございます。検査をお受けになるたびに新たな不安材料がでてきてしまう。乳がん検診でよく経験することです。一般的には乳がんは3ヶ月の間にみるみる成長してくるというようなタイプの細胞ではありません。一方、乳腺症にともなう変化であれば、3ヶ月の間に出現したり消退したりすることがあり得ます。しかしもし不安で次回検査までの半年間お待ちになれない場合には近いうちに再度乳腺外来を受診されて、細胞診や組織診の検査をお受けになってみてください。診断精度は組織診の方が優ります。しかし、病院によっては5mmと小さいので針生検が難しいので経過をみましょうと言われることもあると思います。その場合には皮膚切開して腫瘤を摘出する場合もあります。いずれにしても解決できないことはございませんので、何でも不安に思ったら主治医の先生にしつこくご質問ください。そしてそれでもご心配なときは、またこちらにご質問くださいませ。(文責 高橋)

 

No.8202】  08年08月14日   S.S.
ゼローダの副作用について

初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。72歳の母のことですが、約20年前に左全摘をし、今から3年ほど前に骨転移をしました。その後ホルモン剤(アロマシン→フェアストン→フェマーラ)とゾメタで治療してきましたが、今年初めから急激に腫瘍マーカーが上昇、骨転移の箇所も増えたため、抗ガン剤とゾメタという治療に変更になりました。7月半ばからゼローダを飲み、今週は初めての休薬期間です。一般に言われているゼローダの副作用は今のところなく、その代わりにひどい味覚障害があります。そのためほとんど何も口にすることができないようです。また、少々の吐き気があり、胃の中で何かが動いているような不快感が常にあり、まただるさが激しく、日中はほとんど起きていられません。処方2週目の診察で主治医に伝えましたが、もうちょっと頑張ってみましょうとのことでした。この暑さに加えて高齢で、しかも食べられない、だるくて起きていられないということで、非常に辛い状態のようです。日に8錠ずつ飲んでいるのですが、これを日に6錠とか量を減らすことは可能でしょうか。効果がないのであれば量を減らしても意味がありませんし、もしも多少の減量があっても効果があるのならば、そういった方向で主治医にお願いをしてみたいのです。アドバイスよろしくお願いいたします。   

薬の量が同じでも、その反応(効果)は人により異なります。その人にあった、本当の適量はわからないとも言えます。だからゼローダ日を6錠とか量を減らしても、有効でないとは言い切れません。逆に効果が少なくなることも考えられなくはありません。副作用との兼ね合いもあります。率直に主治医に相談されてはいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.8201】  08年08月12日   H.I.
右肺上部の小さな影

初めての相談です。私は乳がんで06年4月に右乳房全摘手術を受けました。術後2年目にあたる今年4月の定期検査の際、骨シンチ検査と血液検査(腫瘍マーカー)の結果は正常でしたが、胸部X線CTで右肺上部に小さな影があると言われ、3ヶ月後のPET検診を勧められました。しかし、7月にPET−CT検査を受けたところ、肺には全く問題がなかったのですが、右側の横隔膜の上の胸膜のあたりに問題があると言われました。ただし、4月に受けた胸部X線CTの検査結果では、その部位に異常は見られず、再度受けた血液検査でも腫瘍マーカーの値は正常でした。主治医からは、この部位は悪性かどうか調べるのが難しいので、とりあえず、ハーセプチン投与を考えた方がよいのではないかと言われましたが、悪性腫瘍かどうかはっきりしない段階での薬の使用には抵抗を感じます。PETは初期のがんを発見する手段として優れていますが、がん以外のものも検出してしまうことはないのでしょうか? 乳がんは肺に転移しやすいので、肺がんが進行して胸膜部分もがん化することは考えられるでしょうが、肺には問題なく、この部位だけががん化する可能性もあるのでしょうか? 仮に、その可能性もあるのだとすれば、今後の方針としては、経過観察よりも、現時点ですぐに治療を始めた方がよいのでしょうか? また、手術して組織を採取しなくても、胸膜部分が悪性かどうか調べることができる簡便な方法があれば、それについても教えてください。

PETは癌だけではなく炎症などでも陽性となることがあります。また肺転移がなくても胸膜転移ということもあります。ハーセプチンの適応がある癌であれば、ハーセプチンの治療を開始し、その後検査を繰り返すのに、個人的には賛成です。細胞診がありますが、場所にもよります。主治医とご相談ください。(文責 吉田)

 

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